JP3153742B2 - 画像記録方法および装置 - Google Patents

画像記録方法および装置

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JP3153742B2
JP3153742B2 JP23432395A JP23432395A JP3153742B2 JP 3153742 B2 JP3153742 B2 JP 3153742B2 JP 23432395 A JP23432395 A JP 23432395A JP 23432395 A JP23432395 A JP 23432395A JP 3153742 B2 JP3153742 B2 JP 3153742B2
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slit
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昌也 永田
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正昭 尾崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複写機、ファクシミ
リ、プリンタ等の画像記録装置に関し、詳しくは、イン
クの気体を断続的に吐出させて選択的に記録媒体上に付
着または浸透させることにより画像を形成する画像記録
装置における電界シャッタの構造およびその制御方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の吐出式の画像記録方式としては、
典型的には、インクジェット方式および静電記録方式が
ある。インクジェット方式は、タンクに収納している液
体状のインクを画像データに対応した電気信号により圧
電素子等を用いて加圧し、ノズルより吐出することによ
り印字を行う。このインクジェット方式では、インクの
タンク内に空気が入り込むことにより、加圧が充分にで
きなくなり印字が行うことができなくなる。液体状のイ
ンクを用いるため、ノズルでのインクの目詰りや記録媒
体上でのインクのにじみによる画質の劣化といった問題
点がある。
【0003】また、静電記録方式では、粉体または液体
(霧状)のインクを帯電して、静電的な吸引力によりノ
ズルより吐出させ、ノズル先端に設けたシャッタを画像
データに対応した電気信号により開閉することにより印
字を行う。この静電記録方式では、インクが粉体の場
合、インク粒子がブロッキングにより固まり、目詰りを
起こすといった問題点があり、また、インクが液体の場
合、インクジェット方式と同様の目詰り、にじみといっ
た問題点がある。
【0004】さらに他の先行技術として、気体状のイン
クを吐出して記録媒体上に付着または浸透させる技術が
ある。該方式では、気体を吐出するためノズルでの目詰
りが少なく、画素が分子状態で記録されるため、解像度
が高く、しかも階調性に優れ、にじみの少ない印字を行
うことができる。該方式については、特公昭56−20
20において、図20に示すように、印字ヘッド1の内
部のインク3を、電気ヒータ13とその電源14により
構成する加熱装置2により加熱して気化させ、気化した
気体状のインク3aを噴射し、気体状のインク3aは噴
射されると同時に帯電電極4を通過する際、帯電電極4
と印字ヘッド1との間に挿入された電源5によって帯電
され、帯電した気体状のインク3aは、電界レンズ6,
7により集束され、次いで、電界シャッタ15を通過す
る際に信号源10により吐出量を制御され、背面電極1
1に向かって飛行し、記録媒体上に画像を形成する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この気体状のインクを
吐出して記録媒体上に付着させる方式では、気体状のイ
ンクは、常に吐出されることになるので、記録に用いら
れなかったインクが無駄になるといったランニングコス
トの増加といった問題点がある。この不使用の気体状の
インクを回収する装置および電界シャッタ15周辺のク
リーニングを行う装置が必要となり、装置の小型化に問
題がある。また、印字ヘッド1から帯電電極4までの気
体状のインク3aの移動は、インク3の気化による体積
膨張により、印字ヘッド1内の圧力が上昇して気体状の
インク3aが噴射されることにより行われるため、応答
性が悪く、また印字ヘッド1内のインク3の量による影
響も受けることとなり、濃度むら等の印字品位に問題が
ある。
【0006】本発明の目的は、インクを有効に利用し、
ランニングコストを低減することができるようにした画
像記録方法および装置を提供することである。 本発明の他の目的は、気化したインクが漏洩して記録媒
体が汚損するなどの支障が生じることを防ぐことができ
るようにした画像記録方法および装置を提供することで
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、気化しかつ帯
電したインクを、横に延びる細長いスリットを介して静
電力によって記録媒体に噴射し、スリットの長手方向に
間隔をあけて配置される複数の個別電極と、スリットを
介して個別電極に対向して配置される共通電極とによっ
て、画像記録時に、スリットに選択的に電界を生じてイ
ンクを噴射して画像を形成し、画像記録期間以外であっ
て少なくともインクが気化されていてスリットから漏洩
するおそれのある期間には、共通電極とすべての個別電
極との間に電界を生じてインクの移動を阻止することを
特徴とする画像記録方法てある。また本発明は、気化し
たインクを貯留し、上部に細長いスリットが形成された
貯留槽と、貯留槽内で気化したインクを帯電する帯電手
段と、貯留槽の上方でスリットに対向して配置された記
録媒体に、スリットを介するインクを静電力によって移
動して噴射する噴射手段と、スリットの両側部に、スリ
ットの長手方向に間隔をあけて配置される複数の個別電
極と、スリットを介して個別電極に対向して配置される
共通電極とを有する電界シャッタ手段と、共通電極と各
個別電極との間に画像データに対応して電圧を選択的に
与える制御手段とを含み、制御手段は、画像記録期間以
外であって少なくともインクが気化されていてスリット
から漏洩するおそれのある期間には、共通電極とすべて
の個別電極との間に、電圧を与えてインクの移動を阻止
することを特徴とする。また本発明は、スリットは、ス
リットの長手方向の最端位置にある個別電極よりも前記
長手方向外方に延びて形成され、共通電極は、スリット
の長手方向の最端位置にある個別電極よりも、前記長手
方向外方に延びることを特徴とする。また本発明は、ス
リットの長手方向の最端位置にある個別電極よりも、前
記長手方向外方の位置でスリットの端部を覆うインク遮
蔽部材を設けることを特徴とする。また本発明は、スリ
ットの長手方向の最端位置にある個別電極よりもさらに
前記長手方向外方に、インク移動阻止用電極が配置さ
れ、共通電極とインク移動阻止用電極との間に電圧を与
えてインクの移動を阻止することを特徴とする。また本
発明は、共通電極と個別電極とは、スリットの対向する
内周面に臨んで形成されることを特徴とする。
【0008】本発明に従えば、印字ヘッドである貯留槽
からは気化したインクが帯電手段で帯電されて噴射手段
によって静電力を利用して記録紙に飛翔して移動し、記
録紙などの記録媒体上に付着し、または浸透して画像が
形成される。このように記録に必要なインクだけを断続
的に吐出して画像を形成するようにしたので、不必要な
インクを使用することがない。 また本発明に従えば、この気化されたインクは、使用さ
れないときには、貯留槽内に存在しており、しかもその
貯留槽の上部に形成された細長いスリットから気化した
インクが噴射されるので、目詰りが生じることがなく、
使用されないインクの回収が容易であり、クリーニング
のための構成は不要である。 またこのスリットに関連して電界シャッタ手段が設けら
れ、したがって画像の各ドット毎に気化したインクを噴
射するノズル孔が形成される構成ではないので、構成の
簡略化を図ることができる。これによって構成の簡略化
を図ることができる。 さらに本発明に従えば、スリットは、スリットの長手方
向の最端位置にある個別電極よりもスリットの長手方向
外方に延びて形成され、これによって印字ヘッドである
貯留槽のスリット長を、個別電極に対応して正確に形成
する必要がなく、製造が容易であり、貯留槽と個別電極
との精度を高くする必要がなくなる。 また本発明に従えば、共通電極は、スリットの長手方向
の最端位置にある個別電極よりも、前記長手方向外方に
延びており、これによって共通電極とすべての個別電極
との間に電界を形成した状態で、気化したインクがスリ
ットを経て貯留槽内から外部に漏洩することを確実に防
ぐことができる。 共通電極は、スリットの一側部に単一本だけ形成されて
いてもよいけれども、本発明の実施の他の形態では、個
別電極に個別的に対応した分割された電極が導体によっ
て共通の電位になるように接続されていてもよく、この
ような分割された多数の共通電極は、スリットの一側部
に形成されていてもよいけれども、両側部に分散されて
形成され、このとき個別電極も両側部に分散されて形成
されるように構成されてもよい。 さらに本発明に従えば、共通電極とすべての個別電極と
の間に、画像記録期間以外であって、少なくともインク
が気化されていて、スリットから漏洩するおそれがある
期間、たとえば固体、粉体、または液体であるインクが
加熱されて充分に気化されるまでの期間および画像記録
終了時であって貯留槽内に気体またはミスト状のインク
が存在して貯留槽の外部にスリットを介して漏洩するお
それのある期間などでは、電界シヤッタ手段によって、
インクの移動を阻止し、そのインクを貯留槽内に保留す
る。 本発明に従えば、スリットの長手方向の最端位置にある
個別電極よりも、前記長手方向外方の位置で、インク遮
蔽部材を設けてスリットの端部を覆うようにしたので、
このことによってスリットの長さの精度を向上する必要
がなくなり、その最端位置にある個別電極とインク遮蔽
部材とのスリット長手方向に沿う距離を正確に設定し
て、共通電極とすべての個別電極との間に電圧を与えて
インクの移動を阻止することを確実に行うことができ、
インクの漏洩を防ぐことができ、またスリットと個別電
極との位置決め精度を高くする必要がなくなる。 さらに本発明に従えば、最端位置のある個別電極よりも
さらに前記長手方向外方に、インク移動阻止用電極であ
るいわばダミーの個別電極を配置し、共通電極とインク
移動阻止用電極との間に電圧を常時与えて、インクのス
リット長手方向両端部から漏洩することを阻止すること
ができる。 さらに本発明に従えば、共通電極と個別電極とは、それ
らのいずれか少なくとも一方が、スリットの対向する内
周面に臨んで形成し、これによってインクの通過/阻止
の制御を一層正確に行うことができるようになり、この
スリットの対向する内周面に臨んでインク移動防止用電
極がさらに形成されていてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
全体の構成を示す簡略化した断面図である。印字ヘッド
である貯留槽1内には、固体または粉体のインク3が貯
留され、この貯留槽1の下部にはインク3を加熱するた
めの電気ヒータ13と放熱板14とから成る加熱手段2
が設けられる。インク3は加熱されることによって貯留
槽1内の気相部15で参照符3aで示されるように気化
して気体となり、1または複数のワイヤ電極4によって
帯電される。貯留槽1は、電気絶縁性材料、たとえば合
成樹脂材料などから成ってもよい。貯留槽1の平坦な板
状の上部16には、図1の紙面に垂直に延びる細長いス
リット17が形成される。ワイヤ電極4は、スリット1
7に沿って平行に、したがって図1の紙面に垂直方向に
延び、これによってスリット17を経て記録のために飛
翔するインクを確実に効率よく帯電させることができ
る。ワイヤ電極4は、たとえば50〜80μmであって
細く形成され、複数本が平行に配置されていてもよいけ
れども、網状であってもよい。上部16には、スリット
17付近に電界シャッタ手段8が形成される。ワイヤ電
極4と、固体または粉体であるインク3に接触するよう
にして貯留槽1の底部または下部に設けられた電極18
との間には直流電源19が接続され、ワイヤ電極4は正
極とされ、負極は接地される。ワイヤ電極4に与えられ
る電圧は、たとえば+2〜5kVであり、これによって
コロナ放電が発生し、気化したイオンはたとえば+4k
Vに帯電する。帯電した気体状のインク3aは、貯留槽
1の上方に支持されて案内されて配置された記録紙など
の記録媒体12の図1における下面に、背面電極11に
よる静電力であるクーロン力によって吸引されて移動
し、その記録媒体12の図1における下面に付着し、ま
たは浸透する。背面電極11には前述の電極18との間
に、したがって接地電位との間に背面電極11が負とな
るように直流電源20が接続される。この直流電源20
の電圧は背面電極11に、−0.5〜−2kVの電圧を
印加する。
【0010】電界シャッタ手段8における共通電極8a
は接地され、個別電極8bにはその共通電極8aとの間
で処理手段21から、画像形成のための画像データに対
応した直流電圧が選択的に印加される。この電圧は、た
とえば50V〜1kVの範囲の予め定める一定電圧とさ
れ、たとえば500Vであってもよく、このような電圧
が与えられることによって、そのスリット17に形成さ
れた電界によって帯電されたインクの飛翔移動が阻止さ
れる。個別電極8bが共通電極8aと同一電位、したが
ってたとえば接地電位とされることによって、気化した
帯電したインクは、このスリット17を経て前述のよう
に背面電極11に静電力によって飛翔し、背面電極11
の前方に配置された記録媒体12に付着、浸透して画像
の記録が行われる。
【0011】インク3の色材としては、青色のインクを
用いるとして、イエローでは、アントライソチアゾール
系、キノフタロン系、ピラゾロナゾ系、ピリドンアゾ
系、スチリル系等を用い、マゼンタでは、アントラキノ
ン系、ジシアノイミダゾール系、チアジアゾールアゾ
系、トリシアノビニル系等を用い、シアンでは、アゾ
系、アントラキノン系、ナフトキノン系、インドアニリ
ン系等を用いることができる。
【0012】インク3は上述のように固体または粉体で
あってもよいけれども、液体としてもよく、液体のイン
クを用いると、搬送性が良好であり、気化に必要な加熱
手段2に必要なエネルギ量が少なくてすむ。
【0013】図1の構成では、インク3が気化され、そ
の気体となったインクをワイヤ電極4で帯電するように
構成しているので、インク3が電気絶縁性の物質であっ
ても、帯電することが容易であり、また環境など、たと
えば温度、湿度などによる影響を受けずに確実に帯電さ
せることができるという利点がある。
【0014】図2は、貯留槽1の上部付近の一部を切欠
いて示す斜視図である。図解の便宜のために、共通電極
8aおよび複数の個別電極8bを、斜線を施して示す。
スリット17の一側部には単一本の共通電極8aが形成
され、他側部にはそのスリット17の長手方向に間隔D
をあけて複数の個別電極8bが配置される。
【0015】図3は、貯留槽1の上部16を示すスリッ
ト17の長手方向に垂直な簡略化した断面図である。こ
れらの電極8a,8bは、貯留槽1の上部16の上に形
成されるので、製造が容易であるという利点がある。こ
の電極8a,8bの厚みは、たとえば数100μm〜数
mm程度とし、これによって参照符22で示す電気力線
を充分に形成して、帯電した気化したインク3aがスリ
ット17から図3の上方である外部に漏洩することを確
実に防ぐことができる。なおこの電界シャッタ手段8に
おける異常放電を防止して安定な電界を形成させるため
に、その電極表面に電気絶縁性皮膜を形成するようにし
てもよい。
【0016】図4は、貯留槽1の簡略化した平面図であ
る。スリット17の全長Lは、たとえばラインヘッドプ
リンタの場合、印字幅に対応した長さであり、たとえば
JIS A4サイズでは200mm、A5サイズでは1
40mmであり、スリット17の幅Wは、記録密度が1
50dot/inch(dpi)とするとき、約200
μmに定める。
【0017】図5は図4に示される構成の一部を拡大し
て示す簡略化した平面図であり、図6は本発明の実施の
他の形態における前述の図5に対応する構成を示す簡略
化した平面図である。個別電極8bは、記録密度に対応
した幅Bおよび間隔Dを有し、同一形状を有している。
1つの個別電極8bによる電界が作用しなければならな
い分担するスリット17の長さ方向の領域は、個別電極
8b間の上部16の露出した電気絶縁性材料の幅をDと
するとき、個別電極8bを含み、個別電極の両エッジか
ら外側にそれぞれD/2の範囲である。たとえばライン
ヘッドの記録密度が150dpiであるとき、D=50
μmとすれば、D/2=25μmとなる。もしもこれよ
りも個別電極8bの間隔Dが広いと、図6の参照符27
で示されるように個別電極8bともう1つの隣接する個
別電極8bとの間の真中近辺で、電界が作用しない、あ
るいは作用しても非常に電界が弱い領域ができ、インク
がスリット17から漏れ出てしまうという問題が生じ
る。
【0018】スリット17の長手方向の両端部にある個
別電極8b1に関しても同様に考えることができ、個別
電極8b1の両エッジから外側にそれぞれD/2の範囲
まで電界が及んでいる必要があり、したがって共通電極
8aの図4における左右方向の長さは、個別電極8b間
の絶縁材料の幅をDとしたとき、最端の個別電極8b1
からスリット17の長手方向外方にそれぞれD/2以上
長いように形成する。これによって両端の個別電極8b
1における電界分布は、概略的に図4の参照符23で示
されるようになり、残余の個別電極8bと同様な電界分
布とすることができ、こうしてすべての個別電極8b,
8b1によって制御されるインクのドット径を等しくす
ることができる。以下の説明では、参照符8b,8b1
を、総括的に参照符8bで示すことがある。
【0019】上述の本発明の実施の一形態では、気化し
たインクを正帯電としたけれども、ワイヤ電極4に負の
電圧を印加して負帯電としてもよい。上述のようにイン
ク3aを正帯電とすることによって、オゾンなどの有害
物質の発生を少なくすることができる。共通電極8aと
個別電極8bとの間に印加する電圧は、背面電極11に
よる気体状のインク3aの電気的なクーロン力だけでな
く、インク3が気化することによって固体、粉体から昇
華して体積膨張し、または液体から気体になって体積膨
張することによって、貯留槽1内で圧力が上昇する分を
考慮し、その電圧を定める。
【0020】共通電極8aと個別電極8bとの間に電圧
を前述のように印加することによって、スリット17に
はそのスリット17の長手方向に対して直角となるよう
に電気力線22,23が形成され、すなわち両電極8
a,8bは平行平板形であって、スリット17内では電
界分布がほぼ平等電界となっている。したがって個別電
極8bの幅Bはなるべく広く、また個別電極8b間の間
隔Dはなるべく狭い方がより均一な電界分布が形成され
る。都合のよいことに、解像度に応じて個別電極8b間
の周期(B+D)は一義的に決められ、たとえば、15
0dpiのとき、B+D≒200μmとなるので、個別
電極8bの幅Bを大きくすれば自動的に個別電極8b間
の間隔Dは関係式:D≒200−Bに従い小さくなる。
しかし、個別電極8b間の間隔Dを小さくし過ぎると個
別電極8b間の絶縁が破壊されるので、印加電圧に応じ
て個別電極8b間の間隔Dを選ぶ必要がある。
【0021】図7は、図1〜図6に示される本発明の実
施の各形態における電気的構成を示すブロック図であ
る。記録媒体12上に記録されるべき画像データは、画
像データ源24から処理回路21に与えられ、これによ
って画像記録期間中において共通電極8aと各ドットに
対応する個別電極8bとの間で電圧の選択的な印加/遮
断が制御される。
【0022】図8は、処理回路21における動作を説明
するためのタイムチャートである。図8(1)に示され
るように加熱手段2の電気ヒータ13は、時刻t1〜時
刻t2において電力付勢され、これによって固体、粉体
または液体のインク3が加熱され、単位時間あたりに発
生される気化されたインクの量は、図8(2)に示され
るとおりとなり、時刻t1から時刻t1aの期間におい
て時間経過に伴って気化したインクの時間変化率が上昇
し、時刻t1a以降ではほぼ一定となり、時刻t2以降
では画像記録終了後において減少していく。図8(3)
は或る1つの個別電極8bに印加される電圧波形を示
す。電気ヒータ13に電力を供給すると同時に、または
気化したインクがスリット17から外部に漏洩しない期
間内に、共通電極8aとの間に、たとえば500Vの電
圧が与えられ、これによって不所望にインクが漏洩する
ことが防がれる。画像記録の開始時刻t1b以降では、
画像データに応じて各制御電極8bに電圧が時間経過に
伴って選択的に与えられ、これに同期して記録媒体12
はスリット17の長手方向に垂直方向(図1の左右方
向)に、走査移動される。画像記録動作が終了した時刻
t2では、すべての個別電極8bに電圧が与えられてス
リット17からのインクの漏洩が防がれ、これは貯留槽
1内の気化したインク3aがスリット17から外部に漏
洩したり、またインクのミストが外部に漏洩しない時刻
t3まで持続される。こうして気体状の高エネルギ状の
インク3aが貯留槽1内に存在している間では、スリッ
ト17は電界シャッタ手段8によって遮断される。
【0023】前述の時刻t2以降では、電気ヒータ13
には電力が供給されず、したがって放熱板14によって
放熱効果が達成され、気体状ガス、気体状のインク3a
は効果的に短時間で冷却されて徐々にその運動エネルギ
を失ってゆき、やがてミスト状になり、最終的に液体状
または固体状になる。完全に液体または固体状となった
インクに対しては無論のことであるが、ミスト状となっ
たインクにおいても、その運動エネルギが極端に減少
し、貯留槽1の内外での圧力差がなくなった状態でイン
ク3が外部に一方的に漏れ出すという事態はない。した
がって時刻t3以降では、共通電極8aと個別電極8b
との間の電圧を零とすることができる。
【0024】図9は、本発明の実施の他の形態を示す貯
留槽1の一部の簡略化した平面図である。スリット17
の最端部25と、最端位置にある個別電極8b1との間
の距離D3は、前述の各形態と同様にたとえばD/2に
選ばれてもよい。図9の形態において、他の構成は、前
述の各形態の構成と同様である。
【0025】図10は、本発明の実施の他の形態を示す
貯留槽1の一部の簡略化した平面図である。図10にお
いて、共通電極8a1は、個別電極8bに個別的に対応
してスリット17の一側部に形成される。これらの複数
の各共通電極8a1は、導体26によって共通に接続さ
れ、同一電位とされる。このような構成によってもま
た、各個別的な複数の共通電極8aと個別的な電極8b
とは、スリット17の長手方向(図10の左右方向)に
同一位置でかつ同一幅で配置され、したがってスリット
17内ではほぼ均一な電界分布を達成することができ、
前述の各形態と同様に、インクの漏洩を防ぐことができ
る。
【0026】図11は、本発明の実施の他の形態を示す
貯留槽1の一部の簡略化した平面図である。この形態
は、図10の形態に類似するけれども、個別電極8bの
幅B1は、幅B未満としてもよい。この場合共通電極8
a1と個別電極8bとの間に印加される電圧を、図10
の形態に比べてもっと高くすることによって、スリット
17内の電界を大きくして、特に参照符27で示される
ように隣接する電極8b間における領域でのインクの漏
洩を防ぐことができる。図10および図11に示される
各形態の他の構成は、前述の各形態と同様である。
【0027】図12は、本発明の実施の他の形態を示す
貯留槽1の簡略化した平面図である。この形態は前述の
図1〜図8に示される形態と類似の構成を有し、対応す
る部分には同一の参照符を付す。特にこの形態では、ス
リット17の長さLが、個別電極8bの全体の長さLe
wよりも長い構成において、スリット17の長手方向最
端位置にある個別電極8b1よりもスリット17の長手
方向外方の位置では距離D/2をあけ、これによって参
照符28で示されるスリット17の端部領域で、残余の
部分と同様にインクの漏洩を防ぐために、スリット17
の端部29を被覆する遮蔽部材30が設けられる。この
遮蔽部材30は、共通電極8aと電気的に接続される金
属製薄膜であってもよく、あるいはまた電気絶縁性合成
樹脂などから成るフィルムまたは平板などであってもよ
い。この遮蔽部材15を貯留槽1の上部16に、高精度
に位置決めして貼り付け、または固定することによっ
て、スリット17の外方に露出した端部28と最端位置
にある個別電極8b1との距離D/2を高い精度で設定
することができる。
【0028】図13は、本発明の実施の他の形態を示す
貯留槽1の一部の簡略化した平面図である。この形態
は、前述の図10および図11に示される実施の形態と
同様であり、対応する部分には同一の参照符を付す。こ
の構成においても、共通電極8a1が個別電極8bに対
応して個別的に分断されて形成されているだけであり、
スリット17の端部では遮蔽部材30によって参照符3
1で示される間隔が上述の構成と同様に、スリット17
の長手方向に沿って遮蔽部材30と最端位置にある個別
電極8bとの間で距離D/2に高精度に設定され、これ
によってインクの漏洩を前述の各形態と同様に阻止する
ことが可能である。
【0029】図14は、本発明の実施のさらに他の形態
の貯留槽1の簡略化した平面図である。この実施の形態
は、前述の図1〜図8に関連して説明した実施の形態に
類似し、対応する部分には同一の参照符を付す。注目す
べきはこの実施の形態では、多数の同一形状の個別電極
8b,8b1のうち、スリット17の長手方向の最端位
置にある個別電極8b1よりもさらに前記長手方向外方
に、インク移動阻止用電極8cがそれぞれ配置される。
共通電極8aの両端部は、スリット17の両端部よりも
さらに前記長手方向外方に延びる。スリット17の長さ
をLとするとき、共通電極8aの長さはLewで示さ
れ、この長さLewは、インク移動阻止用電極8cの両
端の長さに等しい。インク移動阻止用電極8cは、個別
電極8b,8b1と同一寸法形状を有するけれども、本
発明の実施の他の形態では、必ずしも同一でなくてもよ
い。このインク移動阻止用電極8cは、スリット17の
長手方向両端部からその長手方向外方に延在しているこ
とが重要であり、これによってスリット17の両端部に
おける共通電極8aとによって形成される電界が乱れる
ことなく、ほぼ均一の電界分布が、スリット17の長手
方向に沿って形成される。
【0030】インク移動阻止用電極8cには、前述の図
7において併せて図示されているように、処理回路21
から電圧が与えられ、そのインク移動阻止用電極8cと
共通電極8aとの間の印加電圧は、図8(4)に示され
ているように、時刻t1〜t3において気化して帯電さ
れたインクがスリット17を飛翔して移動することを阻
止する。このインク移動阻止用電極8cに、共通電極8
aとの間で与えられる電圧は、貯留槽1内からインクが
飛翔して移動するおそれのある期間、すなわち加熱され
て帰化されたインクが充分に大きく、スリット17から
外部に漏洩するおそれのある期間に、少なくとも、電圧
が印加されるように構成されればよい。この電圧は、た
とえば個別電極8b,8b1に与えられる共通電極8a
に対する電圧と同一値であってもよく、たとえば500
Vであってもよい。
【0031】インク移動阻止用電極8cがスリット17
の長手方向両端部からその長手方向外方に延在して形成
されることによって、スリット17および個別電極8
b,8b1の形成される位置の精度を向上する必要がな
く、また前述の図12および図13に関連して述べた遮
蔽部材30のように高精度で最端位置の個別電極8b1
に対応して取付ける必要がなく、作業が簡単であり、生
産性に優れている。
【0032】本発明の実施のさらに他の形態において
は、図14に示される共通電極8aは、単一本の代り
に、図10、図11、および図13に示されるようにス
リット17の長手方向に沿って分断されて共通電位とさ
れた複数の電極であってもよい。
【0033】このようにして印字ヘッドである貯留槽1
内に存在する気体状の高エネルギ状態であるインク3a
が存在している間であって、かつ画像記録期間以外で
は、電圧を印加して、電界シャッタ手段8を遮断状態と
する。したがって気体状のインクが冷却して運動エネル
ギを失っている液体または固体状となったときにおいて
は、貯留槽1の内外の圧力差が零またはごくわずかであ
るとき、電界シャッタ手段8が遮断されることによっ
て、インクの外部への漏洩が防がれることになるのであ
る。
【0034】図15は、本発明の実施の他の形態の貯留
槽1の上部16付近の断面図である。上部16は、前述
のように電気絶縁性材料、たとえば合成樹脂などから成
り、その上表面とスリット17の内周面とにわたって共
通電極8aと個別電極8bとが形成される。これによっ
て上下の比較的長い距離Kにわたり、スリット17の内
周面に沿って形成される電極部分8a3,8b3は、気
化して帯電されたインク3aのスリット17を介する上
方への噴射方向34に沿って延びる。したがって比較的
長い距離にわたってインク3aが電界シャッタ手段8か
らの電界による静電力を受けることになる。これによっ
てインク3aが不所望に外部に漏洩することを有効かつ
確実に遮断することができる。
【0035】共通電極8aおよび個別電極8bのスリッ
ト17内周面に沿う長さKは、長いほど、インク3aを
確実に貯留槽1内に閉込めることができるけれども、し
かしながらあまり距離Kを長くしすぎると、これらの電
極8a,8bから背面電極11までの距離が長くなって
しまい、したがってスリット17を飛翔して移動するた
めに必要な背面電極11の電圧の値を大きくしなければ
ならないことになる。
【0036】共通電極8aおよび個別電極8bは、厚膜
技術によって形成されてもよいけれども、いわゆる薄膜
技術によって形成されてもよく、さらにその他の技術に
よって形成されてもよい。このように図15に示される
実施の一形態では、電極8a,8bが貯留槽1の上部1
6の上面からスリット17の内周面に回り込んで延びて
形成されているので、その電極8a,8bは薄くてもよ
いという利点がある。
【0037】共通電極8aと個別電極8bとの貯留槽1
における上部16の上面に形成された電極部分8a4,
8b4は、スリット17に電界を形成する働きをわずか
に果たすけれども、むしろリード線として電気信号を導
く重要な働きがある。
【0038】図16は本発明の実施のさらに他の形態を
示し、この形態では、貯留槽1の上部16は、たとえば
直方体状のブロック状共通電極8aおよび個別電極8b
によって形成される。これらの電極8a,8bは、導電
性材料、たとえば金属製であってもよい。このような形
態においても、前述の図15に示される構成と同様に、
スリット17には、インク3aの飛翔移動方向34に直
角な電界の方向を得ることができ、インクの移動の阻止
が確実である。
【0039】図17は、図16に示される実施の形態に
おける切断面線XVII−XVIIから見た断面図であ
る。図解の便宜のために、個別電極8bを、斜線を付し
て示す。複数の個別電極8bは、前述のように直方体状
であって、偏平であり、それらの個別電極8bの間には
電気絶縁性材料が介在され、こうして上部16が構成さ
れる。共通電極8aは、単一の構成であってもよいけれ
ども、前述の図10、図11および図13に関連して述
べたように個別電極8bに類似した複数の分割された電
極から成ってもよい。
【0040】図18は、本発明の実施のさらに他の形態
を示す貯留槽1の上部16の平面図である。この構成で
は、共通電極8aと最端位置にある個別電極8b1と
は、スリット17の端部よりも距離Pだけスリット17
の長手方向内方にある。この距離Pを、P<D/2に選
ぶことによって、スリット17の長手方向端部における
気化して帯電したインク3aの漏洩を防ぐことができ
る。
【0041】図19は、本発明の実施のさらにまた他の
形態の全体の構成を簡略化して示す断面図である。図1
9を参照して、画像記録装置は、貯留槽1、電気ヒータ
13を含む加熱手段2に、帯電電極4、電界シャッタ手
段8、背面電極11、処理手段21を含む。貯留槽1の
内部には、液体のインク3が蓄えられている。貯留槽1
の下部には、上記と同様にインク3を加熱するための電
気ヒータ13と放熱板により構成される加熱装置2が備
えられている。貯留槽1の下部の側面には、インク3を
帯電するための帯電電極4として、蓄えられたインク3
を挟むように設けられた2枚の電荷注入用電極が設けら
れている。貯留槽1の上部には、電界シャッタ手段8が
備えられている。電界シャッタ手段8のシャッタ動作の
制御は、処理手段21により制御される。電界シャッタ
手段8の上部には、記録媒体12が配置され、その上面
には、背面電極11が備えられている。
【0042】貯留槽1の上部には、気化したインク3a
の吐出孔としてスリットが形成されている。このスリッ
ト17の長辺の両側には、電界シャッタ手段8が設けら
れている。このスリットの長さは、印字幅に対応した長
さに設定されており、記録密度が150dpiの場合、
スリット17の幅は、200μmに設定されている。電
界シャッタ手段8の片側の電極8aは接地され、もう一
方の側は、記録密度に対応した169μm間隔で櫛歯状
に複数の電極8bが設けられている。
【0043】次に、上記のように構成された画像記録装
置の動作について説明する。印字時には、帯電電極4の
両端の電位差を2〜5kVとすることにより、インク3
に電荷を注入し、+イオンに帯電させる。次に、加熱手
段2により帯電したインク3を気化し、帯電されたまま
気体のインク3a時となり、記録媒体12の印字面の裏
面に配置された背面電極11に−1kVの電荷を加える
ことにより、記録媒体12の方向へ気体のインク3aが
誘導される。ここで、電界シャッタ手段8は、通常50
V〜1kVの電圧が印加されており、気体のインク3a
の通過を阻止し、記録すべき画像データの電気信号に対
応したコントロール部6の出力信号に応答して、各々の
画素に対応した電極8bの電位を制御することにより、
気体のインク3aを通過させるように制御することがで
きる。電界シャッタ手段8を通過した気体のインク3a
は、背面電極11に誘導され、記録媒体12上に付着
し、印字が行われる。
【0044】上記のように本発明の実施のさらにまた他
の形態でも、本発明の実施の一形態と同様の効果を得る
ことができ、画像データに応じて気体のインク3aの吐
出を貯留槽1内で制御することができるため、必要量以
外のインクを吐出することがなく、効率よく印字を行う
ことができる。また、加熱手段2、帯電電極4、および
電界シャッタ手段8が貯留槽1に一体に構成されている
ため、電界シャッタ手段8で阻止されたインクが電界シ
ャッタ手段8に付着することがなく、目詰りを発生させ
ることを軽減することができる。さらに、付着したイン
クの回収およびクリーニング用の装置が不要となり、装
置の小型化および軽量化を図ることができる。
【0045】粉体のインクを用いる場合、図19に示さ
れるように一対の電荷注入による帯電方式のほかに、そ
の粉体状の電気絶縁性インクを、たとえば撹拌などして
摩擦帯電させる構成であってもよい。粉体状のインクを
用いると、本件発明者の実験によれば、貯留槽1内から
スリット17を経て漏洩するインクが少なくなるという
利点がある。インク3が液体であれば、粉体状のインク
に比べて、帯電むらが少なく、効率のよい帯電が可能で
ある。
【0046】本発明の考え方によれば、貯留槽1内で気
化して帯電したインク3aを記録媒体12に飛翔して移
動するために、背面電極11に代えて、そのスリット1
7と記録媒体12との間に介在された透孔を有する加速
電極が単一枚または複数枚配置され、その透孔を経てス
リット17からの帯電したインクが移動して通過し、記
録媒体12に到達するように構成されてもよく、さらに
この帯電したインクを噴射するために静電力を利用する
その他の構成によって実現されてもよい。またこの噴射
手段は、スリット17と記録媒体12との間に磁界を発
生して帯電したインクに磁力を発生して飛翔して移動す
る構成であってもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、画像に対応した画像デ
ータに応じて気化したインクを電界シャッタ手段によっ
て断続的に噴射して記録媒体上に静電力で飛翔して移動
し、噴射するようにして画像を記録することができるの
で、画像記録のために必要なインクだけが噴射され、使
用されないインクは貯留槽内に留まり、これによってイ
ンクを有効に利用することができ、ランニングコストを
低減することができる。
【0048】特に本発明によれば、貯留槽の上部に細長
いスリットが形成されており、このスリットから気化し
たインクが噴射され、したがって使用されないインクは
貯留槽内に留まっており、気化したインクが再び凝縮し
て液体に戻り、または固体になり、したがって使用され
なかったインクが外部に排出されることはないので、上
述のようにインクが有効に利用されることができ、その
インクの回収が確実であるとともに、外部に漏洩するお
それがないので、漏洩したインクを払拭などするための
クリーニングのための構成は不要である。
【0049】さらに本発明によれば、スリットの両側部
に複数の個別電極と1または複数の共通電極とが対向し
て配置されて電界シャッタ手段が構成されるので、この
スリットで移動を阻止されたインクがスリット付近に付
着することによって目詰りが発生することを軽減し、ま
たは確実に防ぐことができる。また画素毎にノズル孔を
設ける必要がなく、印字ヘッドである貯留槽の構成を簡
単にすることができる。
【0050】さらに本発明によれば、電界シャッタ手段
におけるスリット内でのインク移動の阻止を行うための
電界分布を均一にすることが容易であり、これによって
インクの漏洩を確実に防ぐことができ、また均一なドッ
ト径の形成を確実に行うことができるという効果も達成
される。
【0051】さらに本発明によれば、インクの漏洩を防
ぐために、共通電極とすべての個別電極との間に与える
電圧は、画像記録期間以外であって、少なくともインク
が気化されていてスリットから漏洩するおそれのある期
間、たとえば固体、粉体、または液体のインクの加熱初
期からインクが充分に気化されて画像記録が可能になる
までの期間、および画像記録の終了後から気化したイン
クおよびミスト状のインクが減少または零となって貯留
槽から外部に漏洩しなくなるまでの期間とし、これによ
ってインクが漏れ出ることを確実に防ぐことができる。
【0052】さらに本発明によれば、スリットは、最端
位置にある個別電極よりもスリットの長手方向外方に延
び、したがって複数の個別電極は、スリットの長手方向
の途中位置に形成されることができ、これによってその
最端位置にある個別電極とスリットの両端位置とを正確
に位置合わせする必要がなく、スリットの形成が容易で
あり、またスリットに対応する個別電極の形成が容易で
あり、生産性が優れているという効果もある。
【0053】さらに本発明によれば、共通電極を、最端
位置にある個別電極よりも、スリットの長手方向外方に
延ばし、これによって共通電極とすべての個別電極との
間に電界を発生したとき、インクの移動をスリットの全
長にわたって確実に阻止することができ、インクの漏洩
を防ぐことができる。
【0054】さらに本発明によれば、スリットの端部に
インク遮蔽部材を設け、これによってインク遮蔽部材と
最端位置にある個別電極との距離を正確に設定して、イ
ンクのスリット端部における漏洩を防ぎ、したがってス
リットの形成が容易となり、その精度を高くする必要が
なく、また個別電極とスリットの位置合わせを正確に行
う必要がなくなり、生産性が向上されるという効果があ
る。
【0055】さらに本発明によれば、最端位置にある個
別電極よりもスリット長手方向外方に、インク移動阻止
用電極を、いわばダミーの個別電極として設け、このイ
ンク移動阻止用電極と共通電極との間に電圧を与えて電
界を形成し、スリット端部からのインクの漏洩を確実に
防ぐことができる。
【0056】さらに本発明によれば、共通電極と個別電
極との両者は、またはいずれか少なくとも一方は、スリ
ットの対向する内周面に臨んで形成し、これによって気
化したインクの移動経路の比較的長い距離にわたって電
界を形成することができ、画像形成のためのインクを正
確に飛翔させ、または確実に阻止し、さらにインクの漏
洩の阻止を確実にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す簡略化した全体の
構成を示す断面図である。
【図2】図1に示される本発明の実施の一形態の印字ヘ
ッドを構成する貯留槽1の上部を一部切欠いて示す斜視
図である。
【図3】貯留槽1の上部16の一部の断面図である。
【図4】貯留槽1の簡略化した平面図である。
【図5】図1〜図4に示される本発明の実施の一形態の
一部を拡大して示す平面図である。
【図6】本発明の実施の他の形態の貯留槽1の一部を拡
大して示す平面図である。
【図7】図1〜図6に示される本発明の実施の各形態の
電気的構成を示すブロック図である。
【図8】図1〜図7に示される本発明の実施の各形態の
動作を説明するためのタイムチャートである。
【図9】本発明の実施の他の形態を示す貯留槽1の一部
の簡略化した平面図である。
【図10】本発明の実施の他の形態を示す貯留槽1の一
部の簡略化した平面図である。
【図11】本発明の実施の他の形態を示す貯留槽1の一
部の簡略化した平面図である。
【図12】本発明の実施の他の形態を示す貯留槽1の一
部の簡略化した平面図である。
【図13】本発明の実施の他の形態を示す貯留槽1の一
部の簡略化した平面図である。
【図14】本発明の実施のさらに他の形態の貯留槽1の
一部を簡略化して示す平面図である。
【図15】本発明の実施の他の形態を示す貯留槽1の上
部16の一部の断面図である。
【図16】本発明の実施のさらに他の形態を示す貯留槽
1の上部16の一部の断面図である。
【図17】図16に示される本発明の実施の形態におけ
る個別電極8bを示す簡略化した断面図である。
【図18】本発明の実施のさらに他の形態を示す貯留槽
1の上部16の簡略化した平面図である。
【図19】本発明のさらにまた他の形態の全体の構成を
示す断面図である。
【図20】先行技術の全体の構成を簡略化して示す断面
図である。
【符号の説明】
1 貯留槽 3 インク 4 ワイヤ電極 8 電界シャッタ手段 8a,8a1 共通電極 8b,8b1 個別電極 8c イング移動阻止用電極 11 背面電極 12 記録媒体 17 スリット 18 電極 19,20 直流電源 21 処理手段 30 遮蔽部材
フロントページの続き (72)発明者 尾崎 正昭 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 樋口 馨 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−124222(JP,A) 特公 昭56−2020(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/325 B41J 2/215 B41J 2/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気化しかつ帯電したインクを、横に延び
    る細長いスリットを介して静電力によって記録媒体に噴
    射し、 スリットの長手方向に間隔をあけて配置される複数の個
    別電極と、スリットを介して個別電極に対向して配置さ
    れる共通電極とによって、画像記録時に、スリットに選
    択的に電界を生じてインクを噴射して画像を形成し、 画像記録期間以外であって少なくともインクが気化され
    ていてスリットから漏洩するおそれのある期間には、共
    通電極とすべての個別電極との間に電界を生じてインク
    の移動を阻止することを特徴とする画像記録方法。
  2. 【請求項2】 気化したインクを貯留し、上部に細長い
    スリットが形成された貯留槽と、 貯留槽内で気化したインクを帯電する帯電手段と、 貯留槽の上方でスリットに対向して配置された記録媒体
    に、スリットを介するインクを静電力によって移動して
    噴射する噴射手段と、 スリットの両側部に、スリットの長手方向に間隔をあけ
    て配置される複数の個別電極と、スリットを介して個別
    電極に対向して配置される共通電極とを有する電界シャ
    ッタ手段と、 共通電極と各個別電極との間に画像データに対応して電
    圧を選択的に与える制御手段とを含み、 制御手段は、画像記録期間以外であって少なくともイン
    クが気化されていてスリットから漏洩するおそれのある
    期間には、共通電極とすべての個別電極との間に、電圧
    を与えてインクの移動を阻止することを特徴とする画像
    記録装置。
  3. 【請求項3】 スリットは、スリットの長手方向の最端
    位置にある個別電極よりも前記長手方向外方に延びて形
    成され、 共通電極は、スリットの長手方向の最端位置にある個別
    電極よりも、前記長手方向外方に延びることを特徴とす
    る請求項2記載の画像記録装置。
  4. 【請求項4】 スリットの長手方向の最端位置にある個
    別電極よりも、前記長手方向外方の位置でスリットの端
    部を覆うインク遮蔽部材を設けることを特徴とする請求
    項2および3のうちの1つに記載の画像記録装置。
  5. 【請求項5】 スリットの長手方向の最端位置にある個
    別電極よりもさらに前記長手方向外方に、インク移動阻
    止用電極が配置され、 共通電極とインク移動阻止用電極との間に電圧を与えて
    インクの移動を阻止することを特徴とする請求項2〜4
    のうちの1つに記載の画像記録装置。
  6. 【請求項6】 共通電極と個別電極とは、スリットの対
    向する内周面に臨んで形成されることを特徴とする請求
    項2〜5のうちの1つに記載の画像記録装置。
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