JP3115990B2 - 画像記録装置およびその制御方法 - Google Patents

画像記録装置およびその制御方法

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JP3115990B2
JP3115990B2 JP08000249A JP24996A JP3115990B2 JP 3115990 B2 JP3115990 B2 JP 3115990B2 JP 08000249 A JP08000249 A JP 08000249A JP 24996 A JP24996 A JP 24996A JP 3115990 B2 JP3115990 B2 JP 3115990B2
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    • B41J2002/061Ejection by electric field of ink or of toner particles contained in ink

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、プリンタ等の画像記録装置に係り、詳しくは、イ
ンクの気体を断続的に吐出させて選択的に記録媒体上に
付着または浸透させることにより、画像を形成する画像
記録装置であって、ヘッドの構造に特徴を有する画像記
録装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の吐出式の画像記録方式としては、
インクジェット方式、および静電記録方式等がある。イ
ンクジェット方式は、タンクに収納している液体状のイ
ンクを画像データに対応した電気信号により圧電素子等
を用いて加圧し、ノズルより吐出することにより印字を
行なう。また、静電記録方式では、粉体もしくは液体
(霧状)のインクを帯電して、静電的な吸引力によりノ
ズルから吐出させ、ノズル先端に設けたシャッタを画像
データに対応した電気信号により開閉することにより印
字を行なう。
【0003】また、気体状のインクを吐出して記録媒体
上に付着させる技術がある。この方法では、気体を吐出
するためノズルでの目詰まりが少なく、画素が分子状態
で記録されるため、解像度が高く、しかも階調性に優
れ、滲みの少ない印字を行なうことができる。図12
は、従来提案されている、気体状のインクを吐出して記
録媒体上に付着させる技術を使用した画像記録装置の構
成図である。これは、特公昭56−2020号公報で開
示されているものである。
【0004】図12を参照して、画像記録装置は、内部
にインク3を含む印字ヘッド201と、気体状のインク
3aを帯電させる帯電電極部204と、帯電電極4およ
び印字ヘッド1に接続され、帯電電極部4に電源を供給
する電源205と、帯電した気体状のインク3aを集束
する電界レンズ206および電界レンズ207と、帯電
した気体状のインク3aを誘導する背面電極211と、
画像が記録される記録媒体212と、画像データの信号
を供給する信号源210と、信号源10からの信号に基
づいてインク吐出量を制御する電界シャッタ215とを
含む。印字ヘッド201は、加熱装置202と、加熱装
置2により加熱され気化するインク203とを含む。加
熱装置202は、電気ヒータ213と、その電源214
とを含む。
【0005】次に、その動作を説明する。印字ヘッド2
01の内部のインク203は、加熱装置202により加
熱され気化する。その気化した気体状のインク203a
は印字ヘッド201から噴射され、その気体状のインク
203aは噴射されると同時に帯電電極204を通過す
る際、帯電電極204によって帯電される。帯電した気
体状のインク203aは、電界レンズ206、207に
より集束され、ついで、電界シャッタ215を通過する
際に信号源210により吐出量を制御され、背面電極2
11に向かって飛行し、記録媒体212上に画像を形成
する。
【0006】しかし、これらの従来の技術では以下のよ
うな問題がある。すなわち、インクジェット方式によれ
ば、インクタンク内に空気が入り込むことにより、加圧
が十分にできなくなり、印字が行なえなくなるという問
題があった。また、液体状のインクを用いるため、ノズ
ルでのインクの目詰まりや記録媒体上でのインクの滲み
による画質の劣化が生ずるといった問題点もあった。ま
た、静電記録方式によれば、インクが粉体の場合には、
インク粒子が、ブロッキングにより固まり、目詰まりを
起こすといった問題点があり、また、インクが液体の場
合には、インクジェット方式と同様の目詰まり、滲みと
いった問題点があった。
【0007】さらに、前述の、図12に示された気体状
のインクを吐出して記録媒体上に付着させる方法によれ
ば、気体状のインクは、常に吐出されることになる。記
録に用いられなかったインクが無駄になるのでランニン
グコストが増加する。さらに、その不使用の気体状のイ
ンクを回収する装置、および電界シャッタ215の周辺
のクリーニングを行なう装置が必要となる。その結果装
置の小型化およびメンテナンス性に問題が生ずる。ま
た、印字ヘッド201から帯電電極204までの気体状
のインク203aの移動は、そのインク203の気化に
よる体積膨張により、インクヘッド201の中の圧力が
上昇して気体状のインク203aが噴射されることによ
り行なわれる。そのため印字指令に対する印字動作の応
答性が悪くなり、また、印字指令に対する印字動作が、
印字ヘッド201内のインク203の量による影響も受
けることとなり、濃度むらが発生するなど印字品位に問
題があった。
【0008】我々は、上記問題点に鑑み、特願平7−4
9778号において、インクを気化させた気体を、記録
すべき画像データに対応した電気信号に応じて断続的に
吐出させ、記録媒体上に付着もしくは浸透させて、その
画像を得る新たな方法を提案している。この手法を実現
する装置は、インクを加熱する加熱装置と、そのインク
を吐出する吐出装置と、記録すべき画像データに対応し
た電気信号に応じて断続的に吐出するよう制御を行なう
吐出制御装置とを含む。この手法は、以下の3つの手法
を含む。すなわち、第1の手法として、インクを帯電
し、その帯電したインクを加熱することにより気体にし
て、記録媒体の背面に配設した背面電極により前記気体
を吐出させる。この場合、帯電時のインクは、粉体もし
くは液体である。
【0009】第2の手法としては、インクを加熱するこ
とにより気体とし、その加熱した気体を帯電することに
より、記録媒体の背面に配設した背面電極に前記気体を
吐出せさる。この場合、加熱前のインクは、粉体もしく
は液体である。この第1の手法および第2の手法による
装置は、インクを加熱する加熱装置と、そのインクを吐
出する吐出装置と、記録すべき画像データに対応した電
気信号に応じて断続的に吐出するよう制御を行なう吐出
制御装置とからなる。その吐出装置はインクを帯電する
帯電電極部と記録媒体の背面に配設され帯電したインク
をその記録媒体上に誘導する背面電極部とにより構成さ
れる。吐出制御装置は、そのインクの吐出を物理的もし
くは電気的に制御するシャッタ部と、画像データに対応
した電気信号の入力に対して対応する信号を出力してそ
のシャッタ部の制御を行なうコントロール部とを含む。
加熱部と帯電電極部とそのシャッタ部とは一体となって
印字ヘッドを構成している。
【0010】また第1の手法、第2の手法に付加して、
第3の手法として、インクの吐出孔をスリットとし、そ
のスリット孔の長辺の両端に記録画素に対応した幅で複
数の電極を設けて、インクの吐出を電気的に制御する手
法がある。以下、図を参照して詳しく説明する。図5
は、前述の従来技術の第2の手法による画像記録装置の
一例を示した全体構成図である。画像記録装置は、吐出
孔14を有する印字ヘッド10と、印字ヘッド10内の
粉体インク3を加熱して気化させるための、電気ヒータ
13を含む加熱装置2と、気化したインク3bを帯電さ
せるための帯電電極部4と、吐出孔14の対面に配置さ
れる記録媒体12の背面に吐出孔14に対向して配設さ
れ、帯電した気化インク3bを記録媒体12側に誘導す
るための背面電極部11と、吐出孔14部に設けられ、
記録すべき画像データに対応した電気信号に基づいて気
化インク3bを断続的に吐出させるように制御される電
界シャッタ8a、8bからなる電界シャッタ8と、電界
シャッタ8a、8bを制御するコントロール部9とを含
む。帯電電極4は、50〜80μmの細いワイヤ電極よ
り構成される。
【0011】図7は、電界シャッタ8a、8bの一例を
示した斜視図である。図7を参照して、電界シャッタ8
には、気化インク3bの吐出孔14が複数個設けられ、
その吐出孔の両側に電界シャッタ8aおよび8bが設け
られている。その複数の吐出孔14は、印字幅に相当し
た長さにわたって形成され、それぞれの間隔は、記録密
度を150dpiとして、200μmである。電界シャ
ッタ8は、片側8aが接地され、もう一方には、記録密
度に対応した169μm間隔で櫛歯状に電極8bが設け
られている。
【0012】再び図5を参照して、印字時には、加熱装
置2により、インク3が加熱され、気化する。インクの
色材としては、有色のインクを用いるとして、イエロー
では、アントライソチアゾール系、キノフタロン系、ピ
ラゾロナゾ系、ピリドンアゾ系、スチリル系等を用い
る。また、マゼンタでは、アントラキノン系、ジシアノ
イミダゾール系、チアジアゾールアゾ系、トリシアノビ
ニル系等を用いる。シアンでは、アゾ系、アントラキロ
ン系、ナフトキノン系、インドアニリン系等を用いるこ
とができる。
【0013】インク3は気化し、気体状のインク3bと
なる。帯電電極4に+2〜5kVの電圧を印加すること
により、接地している加熱装置2の方向にコロナ放電が
起こり、その気体状のインク3bはプラス電荷に帯電す
る。帯電した気体状のインク3bは、記録媒体12の印
字面の裏面に配設された背面電極11に、−0.5〜−
2kVの電圧を印加することにより記録媒体上に誘導さ
れる。ここで、電界シャッタ8は、記録すべき画像デー
タの電気信号に対応したコントロール部9の出力信号に
より、電極に50V〜1kVの電圧を印加することによ
り、気体状のインク3bを通過させたり、通過を阻止し
たりすることを制御できるようにしてある。電界シャッ
タ8を通過した気体状のインク3bは、帯電電極4およ
び背面電極11により誘導され、インク3bが記録媒体
12上に付着することにより、印字が行なわれる。
【0014】ここでは、加熱前のインク3を粉体とした
が、液体のインクを用いてもよい。液体インクの場合に
は、搬送性に優れ、気化にかかるエネルギ量も少なくて
済む。図6は、前述の従来技術の第1の手法による画像
記録装置の一例を示した全体構成図である。図6を参照
して、画像記録装置は、吐出孔14を有する印字ヘッド
1と、印字ヘッド1内の、液体インク3aを加熱して気
化させるための、電気ヒータ13を含む加熱装置2と、
液体インク3aを帯電するために、蓄えられたインク3
aを挟むように設けられた2枚の電極注入用電極からな
る帯電電極4aと、吐出孔14の対面に配置される記録
媒体12の背面に吐出孔14に対向して配置され、帯電
した気化インク3bを記録媒体12側に誘導するための
背面電極部11と、吐出孔14部に設けられ、記録すべ
き画像データに対応した電気信号に基づいて気化インク
3bを断続的に吐出できるように制御される電界シャッ
タ8a、8bと、電界シャッタ8a、8bを制御するコ
ントロール部9とを含む。
【0015】図8は、電界シャッタ8a、8bの一例を
示した斜視図である。図8を参照して、インク3bの吐
出孔14をスリットとし、そのスリットの長辺の両側に
電界シャッタ8が設けられている。そのスリットは印字
幅に対応した長さで、たとえば、A4サイズで200m
m、A5サイズで140mm程度である。記録密度は1
50dpiとし、スリット幅は200μmとしている。
吐出孔をスリットとする場合は、後述する、図7で示す
吐出孔を解像度に応じた間隔で設けたものよりも、目詰
まりがしにくいというメリットがある。電界シャッタ8
は、片側8aは接地され、もう一方には、記録密度に対
応した169μm間隔で櫛歯状に電極8bが設けられて
いる。
【0016】再び図6を参照して、印字時には、帯電電
極4aの両端の電位差を2〜5kVにすることにより、
そのインク3aに電荷を注入し、プラス電荷に帯電す
る。加熱装置2により帯電したインク3aを気化するこ
とにより、帯電されたまま気体状のインク3bが生ず
る。インク3bは記録媒体12の印字面の裏面に配設さ
れた背面電極11に、−1kVの電圧を加えることによ
り記録媒体上に誘導される。ここで、電界シャッタ8に
は、通常50V〜1kVの電圧が印加されており、気体
状のインク3bの通過を阻止し、記録すべき画像データ
の電気信号に対応したコントロール部9の出力信号によ
り、各々の画素に対応した電極の電位を制御して、気体
状のインク3bを通過させることにより制御することが
できる。電界シャッタ8を通過した気体状のインク3b
は、背面電極11に誘導されインク3bが記録媒体12
上に付着することにより、印字が行なわれる。
【0017】ここでは、加熱前のインク3aを液体とし
たが、粉体のインクを用いることもできる。粉体インク
の場合には、上記の電荷注入による帯電方法以外にも、
たとえば摩擦帯電等を用いることができる。液体の場合
には、粉体に比べて帯電むらが少なく、効率の良い帯電
が可能であり、粉体の場合には、印字ヘッド1からの漏
れが少ないという特徴がある。なお、インク3bの吐出
孔は図7に示すように、解像度に応じた間隔であけられ
た孔であってもよい。
【0018】以上のように、従来技術の第1の手法、お
よび第2の手法によれば、画像データに応じた気体状の
インクの吐出を印字ヘッド内で制御するため、必要量以
外のインクの吐出がなく、印字効率に優れるという特徴
を有する。また、上記第1および第2の手法によれば、
加熱装置と帯電電極部とシャッタ部が一体となった印字
ヘッドにより画像記録装置が構成されているため、シャ
ッタ部で阻止されたインクがシャッタ部へ付着し、目詰
まりの発生を軽減することができ、付着したインクの回
収、クリーニングといった装置が不要となる。特に第2
の手法では、気体となったインクを帯電しているので、
インクが絶縁性の物質でも帯電することができ、かつ、
環境などの影響を受けにくい。
【0019】一方、第1の手法では、固体もしくは液体
のインクを帯電し、その後加熱して気体としているの
で、オゾン等の有害物質が発生しない帯電を行なうこと
ができる。また、インクの吐出孔をスリットにすること
により、目詰まりを防ぐとともに、画素毎に吐出孔を設
ける必要がなくなる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術の第1の手法、および第2の手法は、以
下のような課題を有するものであった。すなわち、イン
クを加熱することにより、インクヘッド内の圧力が上昇
するので、ヘッドの外気圧以上となると背面電極による
電界がない場合においても、インクがスリットから漏れ
出るという不具合が生じる場合がある。以下、図13お
よび図14を参照して、より詳細に説明する。図13
は、従来技術による画像記録装置の主要な制御信号の流
れを示した図である。図14は、従来技術による画像記
録装置の各動作を説明するためのタイミングチャートで
ある。
【0021】図5、図13、および図14を参照して、
他の情報機器あるいはオペレータから画像出力信号が画
像記録装置に送信されると、画像記録装置のCPUから
ヘッド1に対して、ヘッド制御信号が送信される。温度
制御装置16は、当信号の立上がり(A点)をトリガと
して加熱装置2を駆動する。また、このとき、帯電電極
4に+2〜5kVの電圧が印加される。加熱装置2が稼
働されることにより、固体あるいは液体状のインク3が
加熱され、インクの昇華温度Tg 以上になると、インク
は気体状となる。時間の経過とともに、気体状インク3
bの量は増加していき、B′点において、しきい値に到
達する。ここでしきい値とは、吐出に十分な気体状イン
ク量のことであり、これ以上であれば印字可能状態とな
る。この状態はまた、高圧となった気体状インク3bで
ヘッド1内が満たされていることを意味する。
【0022】なお、加熱装置2は、インク昇華温度Tg
以上のある温度Tとなるように、温度制御装置16によ
って一定制御される。したがって、T=Tg +ΔTと書
くことができる。インク昇華温度Tg が、140℃のと
き、たとえば、ΔT=15℃として、T=155℃とす
る。B′点以降D点までの間は、電界シャッタ8がオフ
の状態になっているので、背面電極11による電気的な
力が作用していなくても、高圧力状態となった気体状の
インク粒子3bは、ヘッド内外の圧力差によって、吐出
してしまう。このとき、インクに作用している力は、背
面電極11による電気的な力ではなく、高圧状態となっ
たヘッド内圧力である。したがって、ヘッド内圧力によ
り、インク粒子3bは吐出してしまうのである。
【0023】なお、電界シャッタ8は、オンのときに帯
電インク粒子を遮断し、オフのときに吐出するように動
作しているので、問題としているインクの不要な漏れ出
しは電界シャッタがオフのときに限り生じる。したがっ
て、B′点以降D点までの間は、電界シャッタがオフな
ので、インクの漏れ出しが生ずる。印字可能状態となっ
たある時間D点において、印字開始/終了信号がCPU
から吐出制御装置9のコントロール部に出力される。コ
ントロール部は印字開始/終了信号の立上がりをトリガ
として、図示しないメモリから画像データの送出を要求
し、データ転送の完了とともに、電界シャッタ8に対し
て、画像データに応じたオン/オフ信号を出力する。電
界シャッタ8は、500Vの電圧を供給する図示しない
電源に接続されており、画像データに応じて500Vが
オン/オフされる。印字中は、印字開始/終了信号はハ
イレベルを維持する。
【0024】印字が終了すると、E点において印字開始
/終了信号はローレベルとなり、この立下がりをトリガ
として、加熱装置2、帯電電極4、電界シャッタ8およ
び背面電極11はすべてオフとなる。加熱装置が、ヒー
タへの通電を止めても、吐出されなかった気体状のイン
ク3bはすぐには冷却されず、ヘッド1内に残存するの
で、ヘッド内外圧力差によって画像データに全く関係の
ないインクの吐出が生じてしまう。以上のように、イン
クの不要な漏れ出しは、印字開始前と印字終了後の2つ
の段階で起こる可能性がある。
【0025】請求項1〜7、および請求項12に記載の
発明は、印字開始前および終了後に発生する好ましくな
いインクの漏れ出しを防止することができる画像記録装
置を提供することを目的とする。請求項8、請求項1
0、請求項13、および請求項15に記載の発明は、印
字開始前に発生する好ましくないインクの漏れ出しを防
止することができる画像記録装置の制御方法を提供する
ことを目的とする。請求項9、請求項11、請求項1
4、および請求項16に記載の発明は、印字開始後に発
生する好ましくないインクの漏れ出しを防止することが
できる画像記録装置の制御方法を提供することを目的と
する。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の画像記
録装置は、吐出孔を有するインク室と、前記インク室内
のインクを加熱して気化させるための第1の加熱部と、
前記インクを帯電させるための帯電電極部と、前記吐出
孔に対面して配置される記録媒体の背面に前記吐出孔に
対向して配設され、帯電した気化インクを前記記録媒体
側に誘導するための背面電極部と、前記吐出孔部に設け
られ、記録すべき画像データに対応した電気信号に基づ
いて気化インクを断続的に吐出させるように制御される
シャッタ部と、画像データの記録の開始前および終了後
において、前記第1の加熱部の動作時における前記吐出
孔の温度を、前記第1の加熱部の温度に対して十分低く
保つための第1の手段とを含む吐出ヘッド、および、前
記シャッタ部を制御する吐出制御装置を含むことを特徴
とする。
【0027】請求項2に記載の画像記録装置は、請求項
1に記載の画像記録装置であって、前記第1の手段は、
前記第1の加熱部と前記シャッタ部との間に設けられ前
記第1の加熱部と前記シャッタ部とを熱的に分離するた
めの断熱部材を含むことを特徴とする。請求項3に記載
の画像記録装置は、請求項1または請求項2に記載の画
像記録装置であって、前記吐出ヘッドは、前記吐出孔の
温度が前記第1の加熱部の温度と同程度の温度になるま
で前記シャッタ部を加熱する第2の加熱部をさらに含む
ことを特徴とする。
【0028】請求項4に記載の画像記録装置は、請求項
1に記載の画像記録装置であって、前記第1の手段は、
前記インク室の、前記吐出孔近傍に設けられ、前記吐出
孔の温度が前記第1の加熱部の温度に対して十分低くな
るように冷却する冷却装置を含むことを特徴とする。請
求項5に記載の画像記録装置は、請求項1から請求項4
のいずれかに記載の画像記録装置であって、前記吐出ヘ
ッドは、前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段をさ
らに含むことを特徴とする。
【0029】請求項6に記載の画像記録装置は、請求項
5に記載の画像記録装置であって、前記温度検知手段か
らの信号に基づいて前記吐出孔の温度を制御するための
温度制御装置をさらに含むことを特徴とする。請求項7
に記載の画像記録装置は、請求項6に記載の画像記録装
置であって、前記温度制御装置は、前記吐出孔の温度T
s が前記第1の加熱部の温度Ti に対して一定の温度差
ΔT(>0)をもって、Ts =Ti −ΔTとなるよう
に、前記吐出孔の温度を制御することを特徴とする。
【0030】請求項8に記載の画像記録装置は、吐出孔
を有するインク室と、前記インク室内のインクを加熱し
て気化させるための第1の加熱部と、前記インクを帯電
させるための帯電電極部と、前記吐出孔に対面して配置
される記録媒体の背面に前記吐出孔に対向して配設さ
れ、帯電した気化インクを前記記録媒体側に誘導するた
めの背面電極部と、前記吐出孔部に設けられ、記録すべ
き画像データに対応した電気信号に基づいて、気化イン
クを断続的に吐出させるように制御されるシャッタ部
と、前記第1の加熱部と前記シャッタ部の間に設けら
れ、前記第1の加熱部と前記シャッタ部とを熱的に分離
するための断熱部材と、前記インク室の前記吐出孔近傍
に設けられ、前記吐出孔の温度が前記第1の加熱部の温
度と同程度の温度になるまで前記シャッタ部を加熱する
第2の加熱部と、前記吐出孔の温度を検知する温度検知
手段とを含む吐出ヘッドを含む画像記録装置であって、
印字を命令するヘッド制御信号に応答して前記第1の加
熱部を駆動するステップと、前記温度検知手段により前
記吐出孔の温度を検知するステップと、検知された前記
温度値が第1の所要値を超えたことに応答して、前記第
2の加熱部を駆動するステップと、前記温度値が、前記
第1の所要値よりも大きな第2の所要値に達したことに
応答して、前記シャッタ部が、印字すべき画像データに
基づく開閉動作を開始するステップとを含むことを特徴
とする。
【0031】請求項9に記載の画像記録装置は、吐出孔
を有するインク室と、前記インク室内のインクを加熱し
て気化させるための第1の加熱部と、前記インクを帯電
させるための帯電電極部と、前記吐出孔に対面して配置
される記録媒体の背面に前記吐出孔に対向して配設さ
れ、帯電した気化インクを前記記録媒体側に誘導するた
めの背面電極部と、前記吐出孔部に設けられ、記録すべ
き画像データに対応した電気信号に基づいて気化インク
を断続的に吐出させるように制御されるシャッタ部と、
前記第1の加熱部と前記シャッタ部の間に設けられ、前
記第1の加熱部と前記シャッタ部とを熱的に分離するた
めの断熱部材と、前記インク室の前記吐出孔近傍に設け
られ、前記吐出孔の温度が前記第1の加熱部の温度と同
程度の温度になるまで前記シャッタ部を加熱する第2の
加熱部と、前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段と
を含む吐出ヘッドを含む画像記録装置であって、前記シ
ャッタ部が印字すべき画像データに基づいた開閉動作を
終了することにより、印字が終了した時点で、前記シャ
ッタ部を閉状態に保持し、前記第1および第2の加熱部
への通電を止めるステップと、前記温度検知手段により
前記吐出孔の温度を検知するステップと、検知された前
記温度値が所要値に下がるまで、前記シャッタ部を閉状
態に保持するステップとを含むことを特徴とする。
【0032】請求項10に記載の画像記録装置は、吐出
孔を有するインク室と、前記インク室内のインクを加熱
して気化させるための第1の加熱部と、前記インクを帯
電させるための帯電電極部と、前記吐出孔に対面して配
置される記録媒体の背面に前記吐出孔に対向して配設さ
れ、帯電した気化インクを前記記録媒体側に誘導するた
めの背面電極部と、前記吐出孔部に設けられ、記録すべ
き画像データに対応した電気信号に基づいて気化インク
を断続的に吐出させるように制御されるシャッタ部と、
前記インク室の前記吐出孔近傍に設けられ、前記吐出孔
の温度が前記第1の加熱部の温度に対して十分低くなる
ように冷却する冷却装置と、前記吐出孔の温度を検知す
る温度検知手段とを含む吐出ヘッドを含む画像記録装置
であって、印字を命令するヘッド制御信号に応答して前
記第1の加熱部と前記冷却装置とを駆動するステップ
と、前記温度検知手段により前記吐出孔の温度を検出す
るステップと、検知された前記温度値が第1の所要値を
超えた時点で、前記冷却装置の動作を停止するステップ
と、検知された前記温度値が前記第1の所要値よりも大
きな第2の所要値に達した時点から、前記シャッタ部
に、印字すべき画像データに基づいて開閉動作を開始さ
せるステップとを含むことを特徴とする。
【0033】請求項11に記載の画像記録装置は、吐出
孔を有するインク室と、前記インク室内のインクを加熱
して気化させるための第1の加熱部と、前記インクを帯
電させるための帯電電極部と、前記吐出孔に対面して配
置される記録媒体の背面に前記吐出孔に対向して配設さ
れ、帯電した気化インクを前記記録媒体側に誘導するた
めの背面電極部と、前記吐出孔部に設けられ、記録すべ
き画像データに対応した電気信号に基づいて気化インク
を断続的に吐出させるように制御されるシャッタ部と、
前記インク室の前記吐出孔近傍に設けられ、前記吐出孔
の温度が前記第1の加熱部の温度に対して十分低くなる
ように冷却する冷却装置と、前記吐出孔の温度を検知す
る温度検知手段とを含む吐出ヘッドを含む画像記録装置
であって、前記シャッタ部が、印字すべき画像データに
基づいた開閉動作を終了することにより印字が終了した
時点で、前記シャッタ部を閉状態に保持し、前記第1の
加熱装置への通電を止めるとともに、前記冷却装置を駆
動するステップと、検知された前記温度値が所要値に下
がるまで、前記シャッタ部を閉状態に保持しながら、前
記冷却装置を駆動するステップとを含むことを特徴とす
る。
【0034】請求項12に記載の画像記録装置は、吐出
孔を有するインク室と、前記インク室内のインクを加熱
して気化させるための第1の加熱部と、前記インクを帯
電させるための帯電電極部と、前記吐出孔に対面して配
置される記録媒体の背面に前記吐出孔に対向して配設さ
れ、帯電した気化インクを前記記録媒体側に誘導するた
めの背面電極部と、前記吐出孔部に設けられ、記録すべ
き画像データに対応した電気信号に基づいて気化インク
を断続的に吐出させるように制御されるシャッタ部と、
前記第1の加熱部と前記シャッタ部の間に設けられ、前
記第1の加熱部と前記シャッタ部とを熱的に分離するた
めの断熱部材と、前記インク室の前記吐出孔近傍に設け
られ、前記吐出孔の温度が前記第1の加熱部の温度と同
程度の温度になるまで前記シャッタ部を加熱する第2の
加熱部と、前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段と
を含む吐出ヘッドを含む画像記録装置であって、前記第
1の加熱部を駆動するステップと、前記温度検知手段に
より前記吐出孔の温度を検知するステップと、検知され
た前記温度値が第1の所要値を超えた状態で、印字を命
令するヘッド制御信号に応答して前記第2の加熱部を駆
動するステップと、前記温度値が、前記第1の所要値よ
りも大きな第2の所要値に達したことに応答して、前記
シャッタ部が、印字すべき画像データに基づき開閉動作
を開始するステップとを含むことを特徴する。
【0035】請求項13の画像記録装置は、吐出孔を有
するインク室と、前記インク室内のインクを加熱して気
化させるための第1の加熱部と、 前記インクを帯電さ
せるための帯電電極部と、前記吐出孔に対面して配置さ
れる記録媒体の背面に前記吐出孔に対向して配設され、
帯電した気化インクを前記記録媒体側に誘導するための
背面電極部と、前記吐出孔部に設けられ、記録すべき画
像データに対応した電気信号に基づいて気化インクを断
続的に吐出させるように制御されるシャッタ部と、前記
第1の加熱部と前記シャッタ部の間に設けられ、前記第
1の加熱部と前記シャッタ部とを熱的に分離するための
断熱部材と、前記インク室の前記吐出孔近傍に設けら
れ、前記吐出孔の温度が前記第1の加熱部の温度と同程
度の温度になるまで前記シャッタ部を加熱する第2の加
熱部と、前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段とを
含む吐出ヘッドを含む画像記録装置であって、前記シャ
ッタ部が印字すべき画像データに基づいた開閉動作を終
了することにより、印字が終了した時点で、前記シャッ
タ部を閉状態に保持し、前記第2の加熱部への通電を止
めるステップと、前記温度検知手段により前記吐出孔の
温度を検知するステップと、検知された前記温度値が所
要値に下がるまで、前記シャッタ部を閉状態に保持する
ステップとを含むことを特徴とする。
【0036】請求項14に記録の画像記録装置は、吐出
孔を有するインク室と、前記インク室内のインクを加熱
して気化させるための第1の加熱部と、前記インクを帯
電させるための帯電電極部と、前記吐出孔に対面して配
置される記録媒体の背面に前記吐出孔に対向して配設さ
れ、帯電した気化インクを前記記録媒体側に誘導するた
めの背面電極部と、前記吐出孔部に設けられ、記録すべ
き画像データに対応した電気信号に基づいて気化インク
を断続的に吐出させるように制御されるシャッタ部と、
前記インク室の前記吐出孔近傍に設けられ、前記吐出孔
の温度が前記第1の加熱部の温度に対して十分低くなる
ように冷却する冷却装置と、前記吐出孔の温度を検知す
る温度検知手段とを含む吐出ヘッドを含む画像記録装置
であって、前記第1の加熱部と前記冷却装置とを駆動す
るステップと、前記温度検知手段により前記吐出孔の温
度を検出するステップと、検知された前記温度値が第1
の所要値を超えた状態で、印字を命令するヘッド制御信
号に応答して前記冷却装置の動作を停止するステップ
と、検知された前記温度値が前記第1の所要値よりも大
きな第2の所要値に達した時点から、前記シャッタ部
に、印字すべき画像データに基づいて開閉動作を開始さ
せるステップとを含むことを特徴とする。
【0037】請求項15に記載の画像記録装置は、吐出
孔を有するインク室と、前記インク室内のインクを加熱
して気化させるための第1の加熱部と、前記インクを帯
電させるための帯電電極部と、前記吐出孔に対面して配
置される記録媒体の背面に前記吐出孔に対向して配設さ
れ、帯電した気化インクを前記記録媒体側に誘導するた
めの背面電極部と、前記吐出孔部に設けられ、記録すべ
き画像データに対応した電気信号に基づいて気化インク
を断続的に吐出させるように制御されるシャッタ部と、
前記インク室の前記吐出孔近傍に設けられ、前記吐出孔
の温度が前記第1の加熱部の温度に対して十分低くなる
ように冷却する冷却装置と、前記吐出孔の温度を検知す
る温度検知手段とを含む吐出ヘッドを含む画像記録装置
であって、前記シャッタ部が、印字すべき画像データに
基づいた開閉動作を終了することにより印字が終了した
時点で、前記シャッタ部を閉状態に保持し、前記冷却装
置を駆動するステップと、検知された前記温度値が所要
値に下がるまで、前記シャッタ部を閉状態に保持しなが
ら、前記冷却装置を駆動するステップとを含むことを特
徴とする。
【0038】請求項16に記載の画像記録装置は、吐出
孔を有するインク室と、前記インク室内のインクを加熱
して気化させるための第1の加熱部と、前記吐出孔の温
度を前記第1の加熱部の温度と同程度の温度になるまで
加熱し、または加熱を停止することにより、記録すべき
画像データに対応した電気信号に基づいて、気化インク
を断続的に吐出させるためのサーマルシャッタ部と、画
像データの記録の開始前および終了後において、前記第
1の加熱部の動作時における前記吐出孔の温度を、前記
第1の加熱部の温度に対して十分低く保つための第1の
手段とを含む吐出ヘッド、および、前記サーマルシャッ
タ部を制御するコントロール部を含むことを特徴とす
る。請求項17に記載の画像記録装置は、請求項16に
記載の画像記録装置であって、前記第1の手段は、前記
第1の加熱部と前記サーマルシャッタ部との間に設けら
れ前記第1の加熱部と前記サーマルシャッタ部とを熱的
に分離するための断熱部材を含むことを特徴とする。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本願の発明の実施の形態を
図面を参照して説明する。 [実施の形態1]従来の技術で述べたとおり、従来の技
術の第1の手法、第2の手法で印字を行なうためには、
前もって印字ヘッド内を気体状のインク3bで満たして
おく必要がある。しかし、加熱されたインクが気化する
ことにより印字ヘッド1内の圧力は上昇する。したがっ
て、ヘッド内圧がヘッド外気圧以上となると、背面電極
11による電界がない場合においてもインクがスリット
から漏れ出してしまう。そこで、電気信号に応じた断続
的なインクの吐出を可能にするために、インクの確実な
遮断を実現すべく、インク吐出部分の温度をインク加熱
温度とは無関係に制御することにより、気体状のインク
の圧力上昇を抑制する方法を考案したものである。
【0040】以下、インク吐出部分の温度をインク加熱
温度とは無関係に制御することにより、気体状のインク
の圧力上昇を抑制する方法の有効性について、図面を参
照して説明する。図4は、本願発明に係る気体状のイン
クの圧力上昇を抑制する方法の有効性を実証するための
実験器の全体構成図である。図4を参照して、実験器
は、インク吐出孔14としてスリットが形成され、第2
の加熱ヒータ20を含む上部ヘッド103aと、昇華性
インクを加熱するための加熱ヒータ13が取付けられた
下部ヘッド103bと、上部ヘッド103aと下部ヘッ
ド103bとの相互の熱的影響を避けるために両者の間
に配設された断熱部材15と、インク3を昇華温度以上
となるように加熱ヒータ13を駆動するとともに、第2
の加熱ヒータ20により吐出部近傍の温度を制御する加
熱制御装置16とを含む。
【0041】下部ヘッド103bは、粉末状の昇華性塗
料インク3が入れられたインクケース17を含む。ま
た、上部ヘッド103aは、そのスリット状に配置され
た昇華性染料用の印画紙12を含む。次に、実験器を使
用して、インク吐出部の温度Ts に対するインクの漏れ
具合を確認するための実験の結果を説明する。まず、昇
華性インク3を加熱するための加熱ヒータ13を通電
し、インク3を160℃以上に加熱して、ヘッド103
内に気体状のインク3bを充満させる。このときの、上
部ヘッド103aの吐出孔近傍の温度を測定したとこ
ろ、Ts =50℃であった。また、このとき印画紙12
に染料の転写は認められなかった。
【0042】次に、第2の加熱ヒータ20を通電して、
s を上昇させていき、印画紙12へ染料が転写されて
いるか否かを確認した。この場合、インク加熱温度がT
i =160℃の場合において、インク吐出部の温度がT
s =100℃に達するまでは、インクの吐出は認められ
ない。また、Ts =160℃に達したときに、インクの
吐出が顕著に認められる。Ts =100℃〜160℃の
とき、たとえば、Ts=135℃のときは、インクの吐
出が認められる場合と認められない場合とがある。この
ことより、Ts ≒135℃近傍に、吐出を生ずるしきい
値温度Tthが存在すると考えられる。
【0043】したがって、上記実験結果より、インク吐
出部の温度Ts がTs ≦100℃となるようにインクヘ
ッドを構成することにより、ヘッド内圧力の影響による
インクの不要な吐出を防止することができる。以上よ
り、インクの不要な吐出を防止するためには、インク加
熱温度Ti に対して、インク吐出部の温度Ts が十分低
くなるように、材質および構造等を考慮して、ヘッドを
設計すればよい。たとえば、以下に示す手段が考えられ
る。すなわち、図4を参照して、インク加熱用のヒータ
13が配設されている下部ヘッド103bとインク吐出
孔が形成されている上部ヘッド103aとの間に断熱部
材15を介入させてヘッドを構成すればよい。あるい
は、インク吐出孔が形成されている上部ヘッド103a
そのものを断熱部材によって構成してもよい。また、併
せてインク吐出孔の温度を加熱制御することが有効であ
る。
【0044】一方、両者、すなわち、インク加熱温度T
i とインク吐出部の温度Ts との間に明らかな差が生じ
ないヘッドである場合には、インク吐出部の温度Ts
低くする方策をとればよい。すなわち、 (a) インク加熱温度Ti >インク吐出部温度Ts
なるヘッドである場合には、インク吐出部を加熱する加
熱装置を設ければよい。 (b) インク加熱温度Ti ≒インク吐出部温度Ts
なるヘッドである場合には、インク吐出部を冷却する冷
却装置を設ければよい。
【0045】以下、便宜上、(a)のヘッドを加熱ヘッ
ドと呼び、(b)のヘッドを冷却ヘッドと呼ぶことと
し、画像記録装置のヘッドが、加熱ヘッドである場合
と、冷却ヘッドである場合とに分けて、実施の形態1の
画像記録装置を説明する。 (1) 画像記録装置のヘッドが加熱ヘッドである場合 図1は、実施の形態1の加熱ヘッドを用いた画像記録装
置の全体構成図である。図15は実施の形態1の加熱ヘ
ッドを用いた画像記録装置における主要な信号の流れを
示した図である。また、図16は各動作のタイムチャー
トを示した図である。
【0046】図3は、実施の形態1における、加熱ヘッ
ドを用いた画像記録装置の要部説明図である。ここで、
加熱ヘッドとは、インクヘッドの熱伝導性があまり良く
ないために、インク加熱温度Ti >インク吐出部温度T
s となるヘッドであって、インク吐出部を加熱する加熱
装置を設けることにより、インクの不要な吐出を防止す
ることができるヘッドをいう。加熱ヘッドは、ヘッド材
質として熱伝導性の悪い材料を用いることによって実現
することができる。また、図3に示すように、上部ヘッ
ド100aと下部ヘッド100bとの間に断熱部材15
を介することによっても実現することができる。
【0047】なお、断熱部材としては、以下のものを用
いることができる。すなわち、アルミナ(Al
2 3 )、ベリリア(BeO)、マグネシア(MgO)
等のセラミックス、あるいは、サファイア(Al
2 3 )、石英(SiO2 )、ルチル(TiO2 )等の
金属酸化物、あるいは、石英ガラス、ソーダガラス、ホ
ウケイ酸ガラス等のガラス類、あるいは、耐熱性を兼ね
備えたゴムあるいはプラスチック等が熱伝導率がλ=
0.1〜0.4[W/m・K]であるので、断熱部材と
して用いることができる。
【0048】一方、補足すれば、熱伝導率の良い部材と
しては、銅、アルミ、あるいはそれらの合金が挙げられ
る(λ=200〜400[W/m・K])。次に、図
1、図15および図16を用いて実施の形態1の加熱ヘ
ッドを用いた画像記録装置の動作について説明する。図
1を参照して、画像記録装置は、吐出孔14を有する印
字ヘッド100と、印字ヘッド100内の粉体インク3
を加熱して気化させるための加熱装置2と、吐出孔14
部に設けられ、記録すべき画像データに対応した電気信
号に基づいて気化インク3bを断続的に吐出させるよう
に制御される電界シャッタ8a、8bからなる電界シャ
ッタ8と、電界シャッタ8a、8bを制御するコントロ
ール部9と、吐出孔14を加熱する第2の加熱装置20
と、第1の加熱装置2と第2の加熱装置20とを制御す
る温度制御装置16と、インクを帯電させるための帯電
電極部4(図示せず)と、吐出孔14の対面に配置され
る記録媒体12(図示せず)の背面に吐出孔14に対向
して配設され、帯電した気化インクを記録媒体12側に
誘導するための背面電極部11(図示せず)とを含む。
なお、帯電電極部4と、背面電極部11と、記録媒体1
2とは、図5、図6により先に説明した従来の技術と共
通であるが、説明を簡潔にするために図1では図示を省
略している。
【0049】図15および図16を参照して、CPU
(図示せず)からヘッド制御信号が出力されると、温度
制御装置16はB点において印字ヘッド100内にある
第1の加熱装置2を駆動し、昇華性インク3は加熱され
る。インク昇華温度Tg 以上になるとインク3は気化し
始め、やがて印字ヘッド1内は気体状のインク3bで満
たされるようになる(B′点以降)。実施の形態1にお
ける加熱ヘッドの場合には、図1を参照して、インク吐
出部が形成されているインクヘッド上部に、電界シャッ
タ8とともに第2の加熱装置としてのヒータ20を設け
た構成となっている。
【0050】図2は、その要部の斜視図である。ヒータ
20は、インクヘッド上部の温度、特にスリット近傍の
温度を均一に制御できるようにスリットを取囲むように
形成されている。なお、前述のとおり、加熱用ヒータ2
が配設されているヘッド下部とインク吐出孔が形成され
ているインクヘッド上部を断熱部材によって熱的に分離
し、さらに、インクヘッド上部を熱伝導性の良い部材で
構成すると、より一層効果的な方法となる。再び図16
を参照して、オペレータあるいは他の情報機器から印字
命令が画像記録装置に対して発せられると、画像記録装
置のCPUからヘッド1に対して、ヘッド制御信号が送
信される。この信号は、ローレベルのとき、ヘッドが非
動作状態であることを示し、また、ハイレベルのとき、
動作状態であることを示す。温度制御装置16は、この
信号の立上がり(A点)をトリガとして、B点において
第1の加熱装置2を駆動する。また、このとき帯電電極
4に+2〜5kVの電圧が印加される。
【0051】第1の加熱装置2が駆動されることによ
り、固体あるいは液体状のインク3が加熱され、インク
の昇華温度Tg 以上になるとインクは気体状となる。時
間の経過とともに気体状インク3bの量は増加してい
き、B′点において、しきい値に到達する。なお、温度
制御装置16は、インク加熱温度Ti がインク昇華温度
g 以上の温度となるように、第1の加熱装置2を一定
制御する。たとえば、Ti =Tg +ΔTにおいて、イン
ク昇華温度Tg が、140℃のとき、ΔT=15℃とし
て、Ti =155℃となるように制御する。
【0052】インクヘッド下部の温度がインク昇華温度
以上であっても、この実施の形態1においてはインク吐
出部との間には大きな温度差が生ずる加熱ヘッドを用い
ているので、たとえば、インク吐出部温度はTs =60
℃となり、前述したように、インク吐出部の温度がイン
ク昇華温度よりも十分低い場合には、第1の加熱装置2
を駆動してもインクは吐出しない。印字可能状態となっ
た時間C点において、CPUは温度制御装置16に対し
て第2の加熱装置20を駆動するように制御信号を発生
する。
【0053】この実施の形態1においては、気体状イン
ク量がしきい値を超えたかどうかの判断は、直接、気体
状インクを測定しているわけではなく、ヘッドの温度を
検出することにより推測している。より詳細に説明する
と、まず、実験室段階において、インク昇華温度Tg
上のヘッド温度Tに対する気体状のインクの生成量を予
め測定して、ヘッド温度−気体状のインク生成量特性を
把握しておき、吐出に十分な気体状のインクが生成する
ときのヘッドしきい値温度Tthを求めておく。気体状イ
ンクの計量は、実際に印画紙に吐出を行ない、その濃度
測定により行なう。したがって、必要な濃度が得られた
ときのヘッド温度をTthとする。
【0054】次に、画像記録装置には、ヘッド温度検出
装置、たとえば、サーミスタ等を配設する。このサーミ
スタからヘッド温度を測定して、前述のしきい値温度T
thと比較することにより、気体状インク量を間接的に求
め、第2の加熱装置20を駆動するための制御信号を発
生する。温度制御装置16は、当信号を基に第2の加熱
装置20をたとえば、インク吐出部の温度がT=155
℃となるように、加熱制御する。インク吐出部近傍に設
けられたヘッド温度検出装置によりインク吐出部の温度
がCPUに取込まれ、目標値である温度、たとえば、T
=155℃に達した時点以降のD点において、CPUは
印字開始/終了信号を発生する。当信号は、ローレベル
のとき、ヘッドが非印字状態であることを示し、また、
ハイレベルのときは、印字状態であることを示す。
【0055】図15および図16を参照して、印字開始
/終了信号の立上がりをトリガとして、図示しないメモ
リからコントロール部9に対して画像データが送出され
る。メモリからのデータ転送の完了後において、コント
ロール部9は電界シャッタ8に対して画像データに応じ
たオン/オフ信号を出力する。電界シャッタ8は、50
0Vの電圧を供給する図示しない電源に接続されてお
り、画像データに応じて500Vがオン/オフされる。
また、電界シャッタがオン/オフを開始すると同時に、
背面電極に−1kVの電圧が印加されることにより印字
が開始される。
【0056】以上のように、印字開始前においてインク
吐出部の温度がインク加熱温度よりも低くなるようにヘ
ッドを構成しているので、印字開始前のB〜D点におい
てインクが漏れ出すことによる字汚れといった問題はな
くなる。また、印字開始時には、インク吐出部の温度を
加熱制御することにより、インクが吐出しやすい状態と
なるので、背面電極による電気的なクーロン力および電
界シャッタのオン/オフにより選択的な印字を行なうこ
とができる。印字中は、加熱装置2および20をともに
動作させて、インクが吐出しやすい状態を維持しなが
ら、電界シャッタの複数の制御電極に選択的に電圧を印
加してインクの吐出および遮断を制御する。
【0057】なお、加熱装置2は、画像記録装置の電源
が入っている間は、常に、駆動しておき、印字する場合
のみ、加熱装置20を駆動するようにしても同様の効果
を得ることができる。次に、印字終了後の電界シャッタ
およびインク吐出部温度の制御方法について説明する。
図16を参照して、印字が終了したE点において、印字
開始/終了信号はローレベルとなり、この立下がりのタ
イミングをトリガとして、第1および第2の加熱装置2
および20、帯電電極4および背面電極11はすべてオ
フとなる。印字が終了した時点においては、印字ヘッド
1内には気体状の、すなわち、高圧力状態のインク3b
が存在するので、電界シャッタ8の動作をオフにしてし
まうと、背面電極の値にかかわらず、高エネルギ状態に
あるインク3bはインク吐出孔から漏れ出すという不具
合が生じてしまう。
【0058】したがって、印字が終了してからも印字ヘ
ッド1内に気体状(=高エネルギ状態)のインク3bが
存在している間は、電界シャッタ8のすべての制御電極
に電圧を加えて、インクの吐出を遮断するような制御を
行なう。第1および第2の加熱装置への通電が遮断され
ると、固体状のインク3の気化がストップすると同時
に、放熱板による放熱効果によって気体状のインク3b
は効果的に冷却されて、徐々に運動エネルギを失ってい
く。やがてミスト状、そして液体状のインク3aとな
り、さらに時間が経過すると固体状のインク3となる。
完全に液体状または固体状となったインクに対しては言
うまでもないが、ミスト状となったインクにおいても、
その運動エネルギは極端に減少し、印字ヘッド1内外の
圧力差がなくなった状態では、インク3aが外部に一方
的に漏れ出すという事態はなくなる。
【0059】したがって、この状態の温度を予め実験に
より確認しておき、温度検出装置、たとえば、サーミス
タを用いて較正された温度−電圧変換回路からの信号が
当温度、たとえば、T=60℃に達した時点で電界シャ
ッタ8をオフに、つまり、すべての制御電極8bに加わ
る電圧を0V(L)にすれば、インクの不必要な吐出を
防止することができる。なお、加熱装置2は、画像記録
装置の電源が入っている間は、常に駆動しておき、印字
が終了したときに加熱部20をオフにするようにしても
よい。
【0060】以下、温度検出装置について、図を参照し
て、より詳しく説明する。図21は、サーミスタによる
温度検出方法のための構成図を示したものである。RTH
はサーミスタ、Rは抵抗を表わす。サーミスタと抵抗と
は直列に接続され、サーミスタの他の端子は電源Vcc
に、また、抵抗の他の端子は接地されている。そして、
サーミスタと抵抗の接続点は、コンパレータの非反転入
力に接続され、また、コンパレータの反転入力には基準
電圧Vref が接続されている。コンパレータは反転入力
の電圧と非反転入力の電圧の大小とを比較し、 (反転入力の電圧値)>(非反転入力の電圧値) のとき、出力=ハイレベル (反転入力の電圧値)<(非反転入力の電圧値) のとき、出力=ローレベル となるように動作する。
【0061】また、図22は、サーミスタの抵抗−温度
特性の一例を示す図である。図22によれば、室温、た
とえばT=25℃のときのサーミスタ抵抗値は、点Aで
与えられ、R25=500kΩとなる。また、インク加熱
温度、たとえば、T=155℃のときの抵抗は、点Bで
与えられ、R155 =10kΩとなる。したがって、図2
1の回路構成において、Vcc=5V、R=10kΩ、V
ref =2.5Vとすると、T=25℃においては、RTH
=500kΩなので、非反転入力の電圧は、 V+ =Vcc・R/(R+RTH) より、V+(25) =0.1Vとなる。したがって、V
+(25) <V- であるので、コンパレータの出力はローレ
ベルである。同様に、T=155℃となると、V+(15 5)
=V- =2.5Vとなり、155℃を超えた時点で、V
+ >V- となって、コンパレータ出力はハイレベルとな
る。
【0062】したがって、コンパレータ出力を監視して
おき、ローレベルからハイレベルへの変化によって、イ
ンク加熱温度T=155℃を超えたことを判断すること
ができ、また、ハイレベルからローレベルへの変化によ
って、インク加熱温度T=155℃を下回ったことを判
断することができる。図23にその様子を示す。(a)
は、加熱装置2を駆動するタイミングを示し、(b)は
サーミスタからの出力信号を示している。温度の上昇に
伴いサーミスタの抵抗値は減少するので、図21におけ
るサーミスタと抵抗の接続点からの信号電圧は次第に高
くなる。そして、時間t1において、サーミスタと抵抗
の接続点からの信号電圧がコンパレータ反転入力に接続
された基準電圧値Vref を超えると、コンパレータの出
力は、(c)に示すように、ローレベルからハイレベル
に変化する。
【0063】その後、加熱装置2は温度制御装置16に
よって、一定の温度に制御されるので、サーミスタと抵
抗の接続点からの信号電圧も一定となる。このとき、コ
ンパレータ出力はハイレベルのままである。印字終了と
ともに、加熱装置2の駆動が停止されると、ヘッド温度
は徐々に低下していくので、サーミスタと抵抗の接続点
からの信号電圧もそれに従って低くなる。そして、サー
ミスタと抵抗の接続点からの信号電圧が基準電圧値V
ref を下回った時点t2において、コンパレータ出力は
ハイレベルからローレベルに変化する。
【0064】なお以上の説明では、インク加熱温度がT
=155℃の場合について示したが、T=60℃を監視
温度にする場合には、図22によって、T=60℃のと
きのサーミスタ抵抗値を求め、抵抗Rにその値のものを
用いればよい。よって、上記監視温度として、インク室
内の気体状インク量が液化により十分少なくなる温度を
用い、また、上記コンパレータから得られる出力信号の
立下がりを検出することによって、インク室内の気体状
インク量が十分減衰した状態を検知することができる。
したがって、コンパレータから得られる出力信号の立下
がりをトリガとして、すべての制御電極8bに加わる電
圧が0Vとなるように、電界シャッタを制御することに
より、印字終了後のインク漏れを防止することができ
る。
【0065】(2) 画像記録装置のヘッドが冷却ヘッ
ドである場合 冷却ヘッドとは、インクヘッドの熱伝導性が極めて良い
ために、インク加熱温度Ti ≒インク吐出部温度Ts
なるヘッドであって、インク吐出部を冷却する冷却装置
を設けることにより、インクの不要な吐出を防止するこ
とができるヘッドをいう。冷却ヘッドは、インクヘッド
材質として、熱伝導性が極めて良い材料を用いて実現す
ることができる。たとえば、Al等を用いてヘッドの熱
容量が小さくなるように構成したヘッドが該当する。
【0066】以下図を参照して、実施の形態1における
冷却ヘッドを使用した画像記録装置について説明する。
図24は実施の形態1における冷却装置を使用した画像
記録装置の全体構成図である。図17は実施の形態1に
おける冷却装置を使用した画像記録装置の主要な信号の
流れを示した図であり、また、図18は、各動作のタイ
ミングチャートを表わした図である。図24、図17お
よび図18を参照して、CPUからヘッド制御信号が出
力されると、印字ヘッド101内にある加熱装置2が通
電され、インク3は加熱される。インク昇華温度、たと
えば、T=140℃前後になると、インク3は気化し始
め、やがて印字ヘッド1内は気体状のインク3bで満た
されるようになる(C点以降)。ここで、本発明による
印字ヘッド101は、インク吐出孔以外は密閉されてい
るので、気化されて高圧力状態のインク3bは、容易に
インク吐出孔から漏れ出してしまう。
【0067】そこで実施の形態1の冷却ヘッドを用いた
画像記録装置においては、図24に示すように、冷却装
置21、たとえば、ペルチェ素子によってインク吐出孔
近傍の温度を下げるようにする。図9は、その要部斜視
図である。再び図18を参照して、CPUからヘッド制
御信号が出力されて、B点において印字ヘッド1内にあ
る加熱装置2がインク3の加熱を開始すると同時に、温
度制御装置16は、インク吐出部の温度が上昇するのを
防ぐために、たとえば冷却装置21を駆動してインク吐
出部を冷却する。インク吐出部を冷却しない場合には、
ヘッドの高熱伝導性のために、インク吐出部の温度Ts
も加熱装置2による加熱温度の近く、たとえば、インク
加熱温度がTi =160℃のとき、145℃まで上昇し
てインクが吐出してしまう。しかし、ペルチェ素子は、
インク吐出孔が形成されたインクヘッド上部に配設され
ており、温度制御装置16によって、昇華温度より十分
低くなるように制御されているので、たとえば、Ts
100℃になるように制御されており、印字開始に先立
ってインクが漏れ出ることはない。
【0068】さらに、インク3bが気化する前の任意の
時点において、制御電圧8bにたとえば500V(H)
の電圧が印加されるような制御を行なうことにより、確
実な遮断ができる。この場合、制御電圧8bに500V
(H)の電圧が印加される時点は、加熱装置2に通電さ
れるのと同時であってもよいし、また、印字開始信号が
出力されてから加熱装置2に通電されるまでの間であっ
てもよい。これにより、共通電極8aと、制御電極8b
との間に電界が形成されるので、印字ヘッド101内に
仮に帯電した気体状のインク3bが存在していたとして
も、インク3bは電界シャッタ8の通過を阻止される。
【0069】温度制御装置16は、インク加熱温度Ti
=160℃=一定となるように、加熱装置2を制御し、
また、インク吐出部温度がTs =100℃=一定となる
ように冷却装置21を制御する。この場合、インク加熱
温度とインク吐出部の温度との差は、ΔT=Ti −Ts
=60℃であるが、冷却装置21を動作させない場合の
インク吐出部温度は145℃であるので、冷却装置21
としては、145−100=45℃の冷却能力があれば
よい。インク加熱時間の経過とともに気体状のインク量
は増加していき、吐出に十分な量の気体状のインク3b
が生成された時点Cにおいて、温度制御装置16は冷却
装置21によるインク吐出部温度の冷却動作を停止する
ような制御を行なう。冷却装置21の冷却動作の停止に
よって、インク吐出部の温度は上昇し、D点においてイ
ンク吐出可能温度、たとえば、Ts =145℃となる
と、電界シャッタ8の制御電極8bに画像データに応じ
た電圧が印加されてインクの吐出、すなわち、印字が開
始される。
【0070】なお、冷却装置21が冷却動作を停止して
から、インク吐出部の温度がインク吐出可能温度になる
までの時間を短縮するためには、インクヘッド全体を熱
伝導性の良い単一の部材で構成することが効果的であ
る。以上のように、加熱装置2を加熱してから印字が開
始されるまでの間、インク吐出部の温度を冷却制御する
ようにしたので、印字開始前のB〜D点においてインク
が漏れ出すことによる字汚れといった問題はなくなり、
また、インク3bが気化する前の時点で、制御電極8b
に電圧が印加されるような制御を行なえば、インクの遮
断はより確実となる。
【0071】なお、加熱装置2および冷却装置21は、
画像記録装置の電源が入っている間は、常に、駆動して
おき、印字する場合にのみ冷却装置をオフするようにし
てもよい。次に、印字終了後のインク吐出部温度および
電界シャッタの制御方法について説明する。印字が終了
した時点Eにおいては、印字ヘッド1内には気体状のす
なわち、高圧力状態のインク3bが存在するので、温度
制御装置16は冷却装置21を駆動してインク吐出孔近
傍の温度を下げるようにする。しかし、冷却温度、たと
えばT=50℃に達するまでには時間がかかるので、電
界シャッタ8の動作をオフにしてしまうと、背面電極の
値にかかわらず、高エネルギ状態にあるインク3bはイ
ンク吐出孔から漏れ出すという不具合が生じてしまう危
険性がある。したがって、印字が終了してからも、印字
ヘッド101内に気体状(=高エネルギ状態)のインク
3bが存在している間は、ペルチェ素子からなる冷却装
置21を駆動してインク吐出孔近傍の温度を下げるとと
もに、電界シャッタ8のすべての制御電極に電圧を印加
して、インクを遮断するような制御を行なう。加熱装置
2への通電が遮断されると、放熱板による放熱効果およ
び冷却装置21による冷却効果によって、気体状のイン
ク3bは効果的に冷却されて、徐々に運動エネルギを失
っていく。
【0072】やがて、ミスト状、そして液体状のインク
3aとなり、さらに、場合によっては固体状のインク3
となる。完全に液体状あるいは固体状となったインクに
対しては、無論のことであるが、ミスト状となったイン
クにおいても、その運動エネルギが極端に減少し、印字
ヘッド101内外の圧力差がなくなった状態では、イン
ク3aが外部に一方的に漏れ出すという事態はなくな
る。したがって、前述の場合と同様に、この状態の温度
を予め実験により確認しておき、温度検出装置、たとえ
ば、サーミスタを用いて較正された温度−電圧変換回路
からの信号が当温度、たとえば、T=60℃に達した時
点で電界シャッタ8をオフに、つまり、すべての制御電
極8bに加わる電圧を0V(L)にすれば、インクの不
必要な吐出を防止することができる。
【0073】なお、前述の場合と同様に、加熱装置2お
よび冷却装置21は画像記録装置の電源が入っている間
は、常に、駆動しておき、印字する場合にのみ冷却装置
21をオフするようにしてもよい。この実施の形態1の
冷却装置を用いた画像記録装置においては、ペルチェ素
子を用いた場合の制御方法について説明したが、これに
限ることはなく、たとえば、最も簡単な冷却方法とし
て、放熱板を取付けてもよい。しかし、冷却能力を稼ご
うとすると大きなものが必要となってくる。また、ヒー
トパイプを用いることも考えられる。ヒートパイプは、
放熱板に比べて、冷却能力が優れるが構成が複雑とな
り、煩わしさがある。また、ヒートパイプ、放熱板のい
ずれも、冷却温度の正確な設定を行なうことができな
い。一方、ペルチェ素子は電流制御により冷却温度を任
意に設定できるという特徴がある反面、高価であるとい
う欠点がある。すなわち、それぞれ一長一短があるの
で、その特徴、性能およびコストを考えながら決定す
る。
【0074】以上のように、本願の実施の形態1に記載
の発明によれば、以下のような効果を得ることができ
る。すなわち、インク吐出孔の温度がインク加熱温度よ
りも低くなるようにインクヘッドを構成することによ
り、ヘッド内圧力の上昇に伴うインクの漏れ出しを防ぐ
ことができる。また、インク吐出孔の温度がインク加熱
温度と同程度の温度となるインクヘッドである場合に
は、冷却装置を設けることにより同様にインクの漏れ出
しを防ぐ効果を得ることができる。さらに、インク吐出
孔の温度を適宜制御することにより、インクの漏れ出し
を防ぐとともに迅速なインクの吐出を行なうことができ
る。
【0075】また、インク吐出孔の温度をインク昇華温
度と同程度とするための第2のヒータを付加することに
より、シャッタ部で阻止されてシャッタ部へ付着したイ
ンクを再び昇華することができるため、目詰まりの発生
を軽減することができ、付着したインクの回収、クリー
ニングといった装置が不要となる。また、インクが気化
する前に電界シャッタをオンにするような制御を行なう
と同時に、インク吐出部の温度をヘッドの温度特性に合
わせた制御を行なうようにすることにより、インク吐出
タイミングに先立ってインクが吐出してしまう不具合を
解消することができる。
【0076】また、印字終了時において、温度検出手段
からの信号を基に、ある一定温度以下となった時点で電
界シャッタをオフにし、また、インク吐出部の温度を制
御するようにすることにより、印字ヘッド内に残ってい
る気体あるいはミスト状のインク粒子が吐出孔から漏れ
出ることを防止することができる。 [実施の形態2]次に、本願の実施の形態2における画
像記録装置について説明する。図10は、実施の形態2
における画像記録装置の全体構成図である。図11は、
実施の形態2における画像記録装置の吐出孔部の斜視図
である。
【0077】図10を参照して、画像記録装置は、粉体
または液体の状態で蓄えられたインク3と、このインク
3を加熱する加熱装置2とを含むインクヘッド下部10
2bと、サーマルシャッタとしてのヒータ群20を含む
インクヘッド上部102aと、インクヘッド上部102
aとインクヘッド下部102bとの間に設けられ両者を
熱的に分離する断熱部材15とを含む。図11を参照し
て、サーマルシャッタ18は、気化インク3bの吐出孔
14が、記録密度に対応した間隔、たとえば、150d
ot/inchであるときには、169μm間隔で櫛歯
状に複数個設けられた吐出孔に対して各々設けられたヒ
ータ20を含む。
【0078】次に、図19および図20を用いて実施の
形態2の画像記録装置の動作について説明する。図19
は実施の形態2の画像記録装置における主要な制御信号
の流れを示す図である。また、図20は各動作のタイム
チャートを示す図である。図19および図20を参照し
て、オペレータあるいは他の情報機器から印字命令が画
像記録装置に対して発せられると、画像記録装置のCP
Uからヘッド102に対して、ヘッド制御信号が送信さ
れる。当信号は、ローレベルのとき、ヘッドが非動作状
態であることを示し、また、ハイレベルのとき、動作状
態であることを示す。温度制御装置16は、当信号の立
上がり(A点)をトリガとして、B点において加熱装置
2を駆動する。加熱装置2が駆動されることにより固体
あるいは液体状のインク3が加熱され、インクの昇華温
度Tg 以上になるとインクは気体状となる。時間の経過
とともに気体状インク3bの量は増加していく。なお、
温度制御装置16は、インク加熱温度Ti がインク昇華
温度Tg 以上の温度となるように、加熱装置2を一定制
御する。たとえば、Ti =Tg +ΔTにおいて、インク
昇華温度Tg が、140℃のとき、ΔT=15℃とし
て、Ti =155℃となるように制御する。
【0079】実施の形態2の画像記録装置においては加
熱ヘッドを用いており、インクヘッド下部の温度がイン
ク昇華温度以上であっても、インク吐出部との間には大
きな温度差がある。そのため、たとえば、インク吐出部
温度はTs =60℃となって、実施の形態1で述べたよ
うに、インク吐出部の温度がこのように低い場合には、
加熱装置2を駆動してもインクは吐出しない。
【0080】インクヘッド内に設けられた温度検知装置
により、インクの温度がCPUに取込まれ、目標値であ
る温度、たとえば、T=155℃に達した時点以降のD
点において、CPUは印字開始/終了信号を発生する。
当信号は、ローレベルのとき、ヘッドが非印字状態であ
ることを示し、また、ハイレベルのとき、印字状態であ
ることを示す。印字開始/終了信号の立上がりをトリガ
として、図示しないメモリからコントロール部91に対
して画像データが送出される。データ伝送形態として
は、シリアル方式であってもよいし、またパラレル方式
であってもよい。メモリからの1ライン分のデータ転送
の完了後において、コントロール部91はデータをラッ
チし、サーマルシャッタ18を構成する複数のヒータ2
0の電極に対して画像データに応じたオン/オフ信号を
出力する。
【0081】サーマルシャッタ18は、数アンペアの電
流を供給する図示しない電源に接続されており、画像デ
ータに応じて1つのヒータ電極に対して数ミリアンペア
〜数十ミリアンペアの電流がオン/オフされる。1つの
ヒータ電極に対して供給する電流値は、それによってそ
のヒータが形成されたインク吐出部の温度がインク吐出
可能温度、たとえば、Ts =145℃に加熱できる値と
する。つまり、印字を行なわない画素に対しては、その
吐出孔の温度を制御する目的で形成されているヒータ2
0には電流を供給せず、また、印字を行なう画素に対し
ては、その吐出孔のヒータ20をオンとして数ミリアン
ペア〜数十ミリアンペアの電流を供給する。
【0082】実施の形態1で述べたように、ヒータ20
がオフの場合、そのインク吐出部の温度はインク加熱部
の温度よりも十分低いので、気体状のインク3bはサー
マルシャッタ18を通って漏れ出すことはない。また、
ヒータ20がオンの場合、そのインク吐出部の温度はイ
ンク加熱部の温度に等しくなるので、インク3bはサー
マルシャッタ18を通り抜けることができる。この場
合、サーマルシャッタ18はオフとして機能している。
こうして、インク吐出部の温度を制御することにより、
インクの吐出を制御することができる。また、各々の画
素に対応して形成されたヒータをそれぞれ独立に制御す
ることにより、気体状のインク3bの通過を画素単位で
制御することができる。
【0083】以上のように、インク吐出部の温度がイン
ク加熱温度より低くなるようにヘッドを構成しているの
で、印字開始前のB〜D点においてインクが漏れ出すこ
とによる字汚れといった問題はない。また、印字開始時
には、インク吐出部の温度を選択的に加熱制御すること
により、温度が上昇した吐出孔においてはインクが吐出
するようになるので選択的な印字を行なうことができ
る。印字中は、加熱装置2を動作させて気体状のインク
を生成し、サーマルシャッタの複数の制御電極に選択的
に電流を供給して、所望のインク吐出部の温度を制御す
ることにより、インクの吐出および遮断を制御する。
【0084】次に、印字終了後のサーマルシャッタの制
御方法について説明する。印字が終了したE点におい
て、印字開始/終了信号はローレベルとなり、この立下
がりのタイミングをトリガとして、加熱装置2およびサ
ーマルシャッタはすべてオフとなる。印字が終了した時
点においては、印字ヘッド1内には気体状の、すなわ
ち、高圧力状態のインク3bが存在するが、インク吐出
部は熱伝導性の良い部材で形成されているのでサーマル
シャッタ18のすべてのヒータ電極に加える電流を停止
すると、直ちにインクの吐出部の温度が冷却されてイン
クは吐出しない。
【0085】実施の形態1においては、インクの吐出/
遮断の方法は、電界シャッタによる帯電インクの電気的
な制御であった。したがって、電界シャッタを駆動する
電源としては、高圧電圧源が必要であった。これに対し
て、実施の形態2においては、ヒータを用いた吐出部の
温度制御により、気体状インクの吐出/遮断の制御を行
なっている。したがって、サーマルシャッタ18を駆動
するための電源は電流源となる。また、電界シャッタに
よるインク吐出制御法の場合には、吐出部の周りには制
御電極および共通電極からなる電界シャッタの他に第2
のヒータあるいは冷却装置が必要であったが、サーマル
シャッタによるインク吐出制御法の場合には、シャッタ
としてのヒータ群だけでよいので、構成が簡単であると
いう利点がある。
【0086】以上のように、本願の実施の形態2に記載
の発明によれば、以下のような効果を得ることができ
る。すなわち、インク吐出部の温度をオン/オフ制御す
ることにより、断続的なインクの吐出が可能となる。さ
らに、解像度に応じて形成されたヒータ群からなるサー
マルシャッタ部を構成し、個々のヒータをオン/オフ制
御することによって、断続的なインクの吐出が可能とな
る。
【0087】
【発明の効果】本願の請求項1に記載の画像記録装置に
よれば、画像記録装置は、画像データの記録の開始前お
よび終了後において、第1の加熱部の動作時における吐
出孔の温度を第1の加熱部の温度に対して十分低く保つ
ための第1の手段を含む吐出ヘッドを有する。吐出孔の
温度が十分低いと、インクは吐出孔から漏れ出さないの
で、印字開始前および終了後に発生する好ましくないイ
ンクの漏れ出しを有効に防止することができる。
【0088】請求項2に記載の画像記録装置によれば、
請求項1に記載の画像記録装置の効果に加えて、第1の
手段は、第1の加熱部とシャッタ部との間に設けられた
第1の加熱部とシャッタ部とを熱的に分離するたきの断
熱部材を含むことにより、第1の加熱部の動作時におけ
る吐出孔の温度を第1の加熱部の温度に対して十分低く
保つことができる。したがって請求項1と同様に、印字
開始前および終了後に発生する好ましくないインクの漏
れ出しを有効に防止することができる。請求項3に記載
の画像記録装置によれば、請求項1または請求項2に記
載の画像記録装置の効果に加えて、画像記録装置は、吐
出孔の温度が第1の加熱部の温度と同程度の温度になる
までシャッタ部を加熱する第2の加熱部をさらに含むの
で、印字中は第2の加熱部を動作させるが印字開始前お
よび終了後は第2の加熱部を停止させることができる。
したがって請求項1と同様に、印字開始前および終了後
に発生する好ましくないインクの漏れ出しを有効に防止
することができる。
【0089】請求項4に記載の画像記録装置によれば、
請求項1に記載の画像記録装置の効果に加え、第1の手
段は、インク室の吐出孔近傍に設けられ、吐出孔の温度
が第1の加熱部の温度に対して十分低くなるように冷却
する冷却装置を含むので、印字中は冷却装置を停止させ
るが印字開始前および終了後は冷却装置を動作させるこ
とができる。したがって請求項1と同様に、印字開始前
および終了後に発生する好ましくないインクの漏れ出し
を有効に防止することができる。請求項5に記載の画像
記録装置によれば、請求項1から請求項4のいずれかに
記載の画像記録装置の効果に加え、吐出ヘッドは吐出孔
の温度を検知する温度検知手段をさらに含むので、気体
状インク量がしきい値を超えたか否か、または気体状イ
ンク量がしきい値以下になったか否かの判断を、温度検
知手段により行なうことができる。したがって請求項1
と同様に、印字開始前および終了後に発生する好ましく
ないインクの漏れ出しを有効に防止することができる。
【0090】請求項6に記載の画像記録装置によれば、
請求項5に記載の画像記録装置の効果に加え、画像記録
装置は、温度検知手段からの信号に基づいて吐出孔の温
度を制御するための温度制御手段をさらに含むので、温
度制御装置が第1の加熱装置および、第2の加熱装置ま
たは冷却装置を制御することができる。したがって請求
項1と同様に、印字開始前および終了後に発生する好ま
しくないインクの漏れ出しを有効に防止することができ
る。請求項7に記載の画像記録装置によれば、請求項6
に記載の画像記録装置の効果に加え、温度制御装置は、
吐出孔の温度Ts が第1の加熱部の温度Ti に対して一
定の温度差ΔT(>0)をもって、Ts =Ti −ΔTと
なるように、吐出孔の温度を制御することができる。し
たがって請求項1と同様に、印字開始前および終了後に
発生する好ましくないインクの漏れ出しを有効に、かつ
精度よく防止することができる。
【0091】請求項8に記載の画像記録装置の制御方法
によれば、第1の加熱部を駆動するステップと、温度検
知手段により吐出孔の温度を検知するステップと、検知
された温度値が第1の所要値を超えたことに応答して、
第2の加熱部を駆動するステップと、温度値が第1の所
要値よりも大きな第2の所要値に達したことに応答し
て、シャッタ部が、印字すべき画像データに基づく開閉
動作を開始するステップとを含む。したがって印字開始
前に発生する好ましくないインクの漏れ出しを防止する
ことができる。
【0092】請求項9に記載の画像記録装置の制御方法
によれば、シャッタ部が印字すべき画像データに基づい
た開閉動作を終了することにより、印字が終了した時点
で、前記シャッタ部を閉状態に保持し、第1および第2
の加熱部への通電を止めるステップと、温度検知手段に
より吐出孔の温度を検知するステップと、検知された温
度値が所要値に下がるまで、シャッタ部を閉状態に保持
するステップとを含む。したがって印字終了後に発生す
る好ましくないインクの漏れ出しを防止することができ
る。
【0093】請求項10に記載の画像記録装置の制御方
法によれば、印字を命令するヘッド制御信号に応答して
第1の加熱部と冷却装置とを駆動するステップと、温度
検知手段により吐出孔の温度を検出するステップと、検
知された温度値が第1の所要値を超えた時点で、冷却装
置の動作を停止するステップと、検知された温度値が第
1の所要値よりも大きな第2の所要値に達した時点か
ら、シャッタ部に、印字すべき画像データに基づいて開
閉動作を開始させるステップとを含む。したがって請求
項8と同様に、印字開始前に発生する好ましくないイン
クの漏れ出しを防止することができる。
【0094】請求項11に記載の画像記録装置の制御方
法によれば、シャッタ部が、印字すべき画像データに基
づいた開閉動作を終了することにより印字が終了した時
点で、シャッタ部を閉状態に保持し、第1の加熱装置へ
の通電を止めるとともに、冷却装置を駆動するステップ
と、検知された温度値が所要値に下がるまで、シャッタ
部を閉状態に保持しながら、冷却装置を駆動するステッ
プとを含む。したがって請求項9と同様に、印字終了後
に発生する好ましくないインクの漏れ出しを防止するこ
とができる。
【0095】 請求項1記載の画像記録装置の制御方法
によれば、第1の加熱部を駆動するステップと、温度検
知手段により吐出孔の温度を検知するステップと、検知
された温度値が第1の所要値を超えた状態で、印字を命
令するヘッド制御信号に応答して第2の加熱部を駆動す
るステップと、温度値が、第1の所要値よりも大きな第
2の所要値に達したことに応答して、シャッタ部が、印
字すべき画像データに基づき開閉動作を開始するステッ
プとを含む。したがって請求項8と同様に、印字開始前
に発生する好ましくないインクの漏れ出しを防止するこ
とができる。
【0096】請求項1に記載の画像記録装置の制御方
法によれば、シャッタ部が印字すべき画像データに基づ
いた開閉動作を終了することにより、印字が終了した時
点で、シャッタ部を閉状態に保持し、第2の加熱部への
通電を止めるステップと、温度検知手段により吐出孔の
温度を検知するステップと、検知された温度値が所要値
に下がるまで、シャッタ部を閉状態に保持するステップ
とを含む。したがって請求項9と同様に、印字終了後に
発生する好ましくないインクの漏れ出しを防止すること
ができる。
【0097】請求項1に記載の画像記録装置の制御方
法によれば、第1の加熱部と冷却装置とを駆動するステ
ップと、温度検知手段により吐出孔の温度を検出するス
テップと、検知された温度値が第1の所要値を超えた状
態で、印字を命令するヘッド制御信号に応答して冷却装
置の動作を停止するステップと、検知された温度値が第
1の所要値よりも大きな第2の所要値に達した時点か
ら、シャッタ部に、印字すべき画像データに基づいて開
閉動作を開始させるステップとを含む。したがって請求
項8と同様に、印字開始前に発生する好ましくないイン
クの漏れ出しを防止することができる。
【0098】請求項1に記載の画像記録装置の制御方
法によれば、シャッタ部が、印字すべき画像データに基
づいた開閉動作を終了することにより印字が終了した時
点で、シャッタ部を閉状態に保持し、冷却装置を駆動す
るステップと、検知された温度値が所要値に下がるま
で、シャッタ部を閉状態に保持しながら、冷却装置を駆
動するステップとを含む。したがって請求項9と同様
に、印字開始後に発生する好ましくないインクの漏れ出
しを防止することができる。請求項16に記載の画像記
録装置によれば、記録すべき画像データに対応した電気
信号に基づいて、気化インクを断続的に吐出させるため
のサーマルシャッタ部を含むので、サーマルシャッタ部
が吐出孔の温度を第1の加熱部の温度と同程度の温度に
なるまで加熱し、または加熱を停止することができ、画
像データの記録の開始前および終了後において、第1の
加熱部の動作時における吐出孔の温度を第1の加熱部の
温度に対して十分低く保つための第1の手段を含む吐出
ヘッドを有する。したがって請求項1と同様に、印字開
始前および終了後に発生する好ましくないインクの漏れ
出しを防止することができる。請求項17に記載の画像
記録装置によれば、請求項16に記載の画像記録装置の
効果に加えて、第1の手段は、第1の加熱部とサーマル
シャッタ部との間に設けられた第1の加熱部とサーマル
シャッタ部とを熱的に分離するたきの断熱部材を含むこ
とにより、第1の加熱部の動作時における吐出孔の温度
を第1の加熱部の温度に対して十分低く保つことができ
る。したがって請求項1と同様に、印字開始前および終
了後に発生する好ましくないインクの漏れ出しを有効に
防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における画像記録装置の一例を示
した全体構成図である。
【図2】図1に示した画像記録装置の要部斜視図であ
る。
【図3】実施の形態1における加熱ヘッドを用いた画像
記録装置の要部斜視図である。
【図4】実施の形態1の実験器の概略図である。
【図5】従来の画像記録装置の一例を示した全体構成図
である。
【図6】従来の画像記録装置の他の一例を示した全体構
成図である。
【図7】従来の電界シャッタ部分の一例を示した斜視図
である。
【図8】従来の電界シャッタ部分の他の一例を示した斜
視図である。
【図9】実施の形態1における冷却ヘッドを用いた画像
記録装置の一例を示した要部斜視図である。
【図10】実施の形態2における画像記録装置の一例を
示した全体構成図である。
【図11】図10に示す画像記録装置の要部斜視図であ
る。
【図12】従来の画像記録装置の一例の全体構成図であ
る。
【図13】従来の画像記録装置の主要な信号の流れを示
した図である。
【図14】図13の従来の各装置の動作タイミングを示
した図である。
【図15】実施の形態1における加熱ヘッドを用いた画
像記録装置の主要な信号の流れを示した図である。
【図16】図15の各装置の動作タイミングを示した図
である。
【図17】実施の形態1における冷却ヘッドを用いた画
像記録装置の主要な信号の流れを示した図である。
【図18】図17の各装置の動作タイミングを示した図
である。
【図19】実施の形態2における画像記録装置の主要な
信号の流れを示した図である。
【図20】図19の各装置の動作タイミングを示した図
である。
【図21】実施の形態1における温度検出方法の一例を
示した図である。
【図22】実施の形態1における測温素子の温度特性の
一例を示した図である。
【図23】実施の形態1における温度検出装置の動作を
示した図である。
【図24】実施の形態1における冷却ヘッドを用いた画
像記録装置の一例を示した全体構成図である。
【符号の説明】
100、100a、100b 印字ヘッド 2 第1の加熱装置 20 第2の加熱装置 3b 気体状インク 8、8a、8b 電界シャッタ 9 コントロール部(吐出制御装置) 12 記録媒体 15 断熱部材 16 温度制御装置 18 サーマルシャッタ 21 冷却装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樋口 馨 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−233844(JP,A) 特開 平5−338143(JP,A) 特開 平3−51134(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/06 B41J 2/175 B41J 2/325

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出孔を有するインク室と、 前記インク室内のインクを加熱して気化させるための第
    1の加熱部と、 前記インクを帯電させるための帯電電極部と、 前記吐出孔に対面して配置される記録媒体の背面に前記
    吐出孔に対向して配設され、帯電した気化インクを前記
    記録媒体側に誘導するための背面電極部と、 前記吐出孔部に設けられ、記録すべき画像データに対応
    した電気信号に基づいて気化インクを断続的に吐出させ
    るように制御されるシャッタ部と、 画像データの記録の開始前および終了後において、前記
    第1の加熱部の動作時における前記吐出孔の温度を、前
    記第1の加熱部の温度に対して十分低く保つための第1
    の手段とを含む吐出ヘッド、および、 前記シャッタ部を制御する吐出制御装置を含む画像記録
    装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の手段は、前記第1の加熱部と
    前記シャッタ部との間に設けられ前記第1の加熱部と前
    記シャッタ部とを熱的に分離するための断熱部材を含む
    請求項1に記載の画像記録装置。
  3. 【請求項3】 前記吐出ヘッドは、前記吐出孔の温度が
    前記第1の加熱部の温度と同程度の温度になるまで前記
    シャッタ部を加熱する第2の加熱部をさらに含む請求項
    1または請求項2に記載の画像記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の手段は、前記インク室の、前
    記吐出孔近傍に設けられ、前記吐出孔の温度が前記第1
    の加熱部の温度に対して十分低くなるように冷却する冷
    却装置を含む請求項1に記載の画像記録装置。
  5. 【請求項5】 前記吐出ヘッドは、前記吐出孔の温度を
    検知する温度検知手段をさらに含む請求項1から請求項
    4のいずれかに記載の画像記録装置。
  6. 【請求項6】 前記温度検知手段からの信号に基づいて
    前記吐出孔の温度を制御するための温度制御装置をさら
    に含む請求項5に記載の画像記録装置。
  7. 【請求項7】 前記温度制御装置は、前記吐出孔の温度
    Ts が前記第1の加熱部の温度Ti に対して一定の温度
    差ΔT(>0)をもって、 Ts =Ti −ΔT となるように、前記吐出孔の温度を制御する請求項6に
    記載の画像記録装置。
  8. 【請求項8】 吐出孔を有するインク室と、 前記インク室内のインクを加熱して気化させるための第
    1の加熱部と、 前記インクを帯電させるための帯電電極部と、 前記吐出孔に対面して配置される記録媒体の背面に前記
    吐出孔に対向して配設され、帯電した気化インクを前記
    記録媒体側に誘導するための背面電極部と、 前記吐出孔部に設けられ、記録すべき画像データに対応
    した電気信号に基づいて気化インクを断続的に吐出させ
    るように制御されるシャッタ部と、 前記第1の加熱部と前記シャッタ部の間に設けられ、前
    記第1の加熱部と前記シャッタ部とを熱的に分離するた
    めの断熱部材と、前記インク室の前記吐出孔近傍に設け
    られ、前記吐出孔の温度が前記第1の加熱部の温度と同
    程度の温度になるまで前記シャッタ部を加熱する第2の
    加熱部と、 前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段とを含む吐出
    ヘッドを含む画像記録装置において、 印字を命令するヘッド制御信号に応答して前記第1の加
    熱部を駆動するステップと、 前記温度検知手段により前記吐出孔の温度を検知するス
    テップと、 検知された前記温度値が第1の所要値を超えたことに応
    答して、前記第2の加熱部を駆動するステップと、 前記温度値が、前記第1の所要値よりも大きな第2の所
    要値に達したことに応答して、前記シャッタ部が、印字
    すべき画像データに基づく開閉動作を開始するステップ
    とを含む画像記録装置の制御方法。
  9. 【請求項9】 吐出孔を有するインク室と、 前記インク室内のインクを加熱して気化させるための第
    1の加熱部と、 前記インクを帯電させるための帯電電極部と、 前記吐出孔に対面して配置される記録媒体の背面に前記
    吐出孔に対向して配設され、帯電した気化インクを前記
    記録媒体側に誘導するための背面電極部と、 前記吐出孔部に設けられ、記録すべき画像データに対応
    した電気信号に基づいて気化インクを断続的に吐出させ
    るように制御されるシャッタ部と、 前記第1の加熱部と前記シャッタ部の間に設けられ、前
    記第1の加熱部と前記シャッタ部とを熱的に分離するた
    めの断熱部材と、前記インク室の前記吐出孔近傍に設け
    られ、前記吐出孔の温度が前記第1の加熱部の温度と同
    程度の温度になるまで前記シャッタ部を加熱する第2の
    加熱部と、 前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段とを含む吐出
    ヘッドを含む画像記録装置において、 前記シャッタ部が印字すべき画像データに基づいた開閉
    動作を終了することにより、印字が終了した時点で、前
    記シャッタ部を閉状態に保持し、前記第1および第2の
    加熱部への通電を止めるステップと、 前記温度検知手段により前記吐出孔の温度を検知するス
    テップと、 検知された前記温度値が所要値に下がるまで、前記シャ
    ッタ部を閉状態に保持するステップとを含む画像記録装
    置の制御方法。
  10. 【請求項10】 吐出孔を有するインク室と、 前記インク室内のインクを加熱して気化させるための第
    1の加熱部と、 前記インクを帯電させるための帯電電極部と、 前記吐出孔に対面して配置される記録媒体の背面に前記
    吐出孔に対向して配設され、帯電した気化インクを前記
    記録媒体側に誘導するための背面電極部と、 前記吐出孔部に設けられ、記録すべき画像データに対応
    した電気信号に基づいて気化インクを断続的に吐出させ
    るように制御されるシャッタ部と、 前記インク室の前記吐出孔近傍に設けられ、前記吐出孔
    の温度が前記第1の加熱部の温度に対して十分低くなる
    ように冷却する冷却装置と、 前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段とを含む吐出
    ヘッドを含む画像記録装置において、 印字を命令するヘッド制御信号に応答して前記第1の加
    熱部と前記冷却装置とを駆動するステップと、 前記温度検知手段により前記吐出孔の温度を検出するス
    テップと、 検知された前記温度値が第1の所要値を超えた時点で、
    前記冷却装置の動作を停止するステップと、 検知された前記温度値が前記第1の所要値よりも大きな
    第2の所要値に達した時点から、前記シャッタ部に、印
    字すべき画像データに基づいて開閉動作を開始させるス
    テップとを含む画像記録装置の制御方法。
  11. 【請求項11】 吐出孔を有するインク室と、 前記インク室内のインクを加熱して気化させるための第
    1の加熱部と、 前記インクを帯電させるための帯電電極部と、 前記吐出孔に対面して配置される記録媒体の背面に前記
    吐出孔に対向して配設され、帯電した気化インクを前記
    記録媒体側に誘導するための背面電極部と、 前記吐出孔部に設けられ、記録すべき画像データに対応
    した電気信号に基づいて気化インクを断続的に吐出させ
    るように制御されるシャッタ部と、 前記インク室の前記吐出孔近傍に設けられ、前記吐出孔
    の温度が前記第1の加熱部の温度に対して十分低くなる
    ように冷却する冷却装置と、 前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段とを含む吐出
    ヘッドを含む画像記録装置において、 前記シャッタ部が、印字すべき画像データに基づいた開
    閉動作を終了することにより印字が終了した時点で、前
    記シャッタ部を閉状態に保持し、前記第1の加熱装置へ
    の通電を止めるとともに、前記冷却装置を駆動するステ
    ップと、 検知された前記温度値が所要値に下がるまで、前記シャ
    ッタ部を閉状態に保持しながら、前記冷却装置を駆動す
    るステップとを含む画像記録装置の制御方法。
  12. 【請求項12】 吐出孔を有するインク室と、 前記インク室内のインクを加熱して気化させるための第
    1の加熱部と、 前記インクを帯電させるための帯電電極部と、 前記吐出孔に対面して配置される記録媒体の背面に前記
    吐出孔に対向して配設され、帯電した気化インクを前記
    記録媒体側に誘導するための背面電極部と、 前記吐出孔部に設けられ、記録すべき画像データに対応
    した電気信号に基づいて気化インクを断続的に吐出させ
    るように制御されるシャッタ部と、 前記第1の加熱部と前記シャッタ部の間に設けられ、前
    記第1の加熱部と前記シャッタ部とを熱的に分離するた
    めの断熱部材と、前記インク室の前記吐出孔近傍に設け
    られ、前記吐出孔の温度が前記第1の加熱部の温度と同
    程度の温度になるまで前記シャッタ部を加熱する第2の
    加熱部と、 前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段とを含む吐出
    ヘッドを含む画像記録 装置において、 前記第1の加熱部を駆動するステップと、 前記温度検知手段により前記吐出孔の温度を検知するス
    テップと、 検知された前記温度値が第1の所要値を超えた状態で、
    印字を命令するヘッド制御信号に応答して前記第2の加
    熱部を駆動するステップと、 前記温度値が、前記第1の所要値よりも大きな第2の所
    要値に達したことに応答して、前記シャッタ部が、印字
    すべき画像データに基づき開閉動作を開始するステップ
    とを含む画像記録装置の制御方法。
  13. 【請求項13】 吐出孔を有するインク室と、 前記インク室内のインクを加熱して気化させるための第
    1の加熱部と、 前記インクを帯電させるための帯電電極部と、 前記吐出孔に対面して配置される記録媒体の背面に前記
    吐出孔に対向して配設され、帯電した気化インクを前記
    記録媒体側に誘導するための背面電極部と、 前記吐出孔部に設けられ、記録すべき画像データに対応
    した電気信号に基づいて気化インクを断続的に吐出させ
    るように制御されるシャッタ部と、 前記第1の加熱部と前記シャッタ部の間に設けられ、前
    記第1の加熱部と前記シャッタ部とを熱的に分離するた
    めの断熱部材と、前記インク室の前記吐出孔近傍に設け
    られ、前記吐出孔の温度が前記第1の加熱部の温度と同
    程度の温度になるまで前記シャッタ部を加熱する第2の
    加熱部と、 前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段とを含む吐出
    ヘッドを含む画像記録装置において、 前記シャッタ部が印字すべき画像データに基づいた開閉
    動作を終了することにより、印字が終了した時点で、前
    記シャッタ部を閉状態に保持し、前記第2の加熱部への
    通電を止めるステップと、 前記温度検知手段により前記吐出孔の温度を検知するス
    テップと、 検知された前記温度値が所要値に下がるまで、前記シャ
    ッタ部を閉状態に保持するステップとを含む画像記録装
    置の制御方法。
  14. 【請求項14】 吐出孔を有するインク室と、 前記インク室内のインクを加熱して気化させるための第
    1の加熱部と、 前記インクを帯電させるための帯電電極部と、 前記吐出孔に対面して配置される記録媒体の背面に前記
    吐出孔に対向して配設され、帯電した気化インクを前記
    記録媒体側に誘導するための背面電極部と、 前記吐出孔部に設けられ、記録すべき画像データに対応
    した電気信号に基づいて気化インクを断続的に吐出させ
    るように制御されるシャッタ部と、 前記インク室の前記吐出孔近傍に設けられ、前記吐出孔
    の温度が前記第1の加熱部の温度に対して十分低くなる
    ように冷却する冷却装置と、 前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段とを含む吐出
    ヘッドを含む画像記録装置において、 前記第1の加熱部と前記冷却装置とを駆動するステップ
    と、 前記温度検知手段により前記吐出孔の温度を検出するス
    テップと、 検知された前記温度値が第1の所要値を超えた状態で、
    印字を命令するヘッド制御信号に応答して前記冷却装置
    の動作を停止するステップと、 検知された前記温度値が前記第1の所要値よりも大きな
    第2の所要値に達した時点から、前記シャッタ部に、印
    字すべき画像データに基づいて開閉動作を開始させるス
    テップとを含む画像記録装置の制御方法。
  15. 【請求項15】 吐出孔を有するインク室と、 前記インク室内のインクを加熱して気化させるための第
    1の加熱部と、 前記インクを帯電させるための帯電電極部と、 前記吐出孔に対面して配置される記録媒体の背面に前記
    吐出孔に対向して配設され、帯電した気化インクを前記
    記録媒体側に誘導するための背面電極部と、 前記吐出孔部に設けられ、記録すべき画像データに対応
    した電気信号に基づいて気化インクを断続的に吐出させ
    るように制御されるシャッタ部と、 前記インク室の前記吐出孔近傍に設けられ、前記吐出孔
    の温度が前記第1の加熱部の温度に対して十分低くなる
    ように冷却する冷却装置と、 前記吐出孔の温度を検知する温度検知手段とを含む吐出
    ヘッドを含む画像記録装置において、 前記シャッタ部が、印字すべき画像データに基づいた開
    閉動作を終了することにより印字が終了した時点で、前
    記シャッタ部を閉状態に保持し、前記冷却装置 を駆動す
    るステップと、 検知された前記温度値が所要値に下がるまで、前記シャ
    ッタ部を閉状態に保持しながら、前記冷却装置を駆動す
    るステップとを含む画像記録装置の制御方法。
  16. 【請求項16】 吐出孔を有するインク室と、 前記インク室内のインクを加熱して気化させるための第
    1の加熱部と、 前記吐出孔の温度を前記第1の加熱部の温度と同程度の
    温度になるまで加熱し、または加熱を停止することによ
    り、記録すべき画像データに対応した電気信号に基づい
    て、気化インクを断続的に吐出させるためのサーマルシ
    ャッタ部と、 画像データの記録の開始前および終了後において、前記
    第1の加熱部の動作時における前記吐出孔の温度を、前
    記第1の加熱部の温度に対して十分低く保つための第1
    の手段とを含む吐出ヘッド、および、 前記サーマルシャッタ部を制御するコントロール部を含
    む画像記録装置。
  17. 【請求項17】 前記第1の手段は、前記第1の加熱部
    と前記サーマルシャッタ部との間に設けられ前記第1の
    加熱部と前記サーマルシャッタ部とを熱的に分離するた
    めの断熱部材を含む請求項16に記載の画像記録装置。
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