JP2845852B2 - 静電式インクジェット記録ヘッド - Google Patents
静電式インクジェット記録ヘッドInfo
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- JP2845852B2 JP2845852B2 JP1427597A JP1427597A JP2845852B2 JP 2845852 B2 JP2845852 B2 JP 2845852B2 JP 1427597 A JP1427597 A JP 1427597A JP 1427597 A JP1427597 A JP 1427597A JP 2845852 B2 JP2845852 B2 JP 2845852B2
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は静電式インクジェッ
ト記録ヘッドに関し、特にトナーを記録媒体に付着させ
記録を行う静電式インクジェット記録ヘッドに関する。
ト記録ヘッドに関し、特にトナーを記録媒体に付着させ
記録を行う静電式インクジェット記録ヘッドに関する。
【０００２】
【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時におけ
る騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さいという点
において、最近関心を集めている。その中で、簡単な機
構で記録媒体上に直接高速で記録が可能であり、しかも
普通紙に記録の行えるインクジェット記録法は極めて有
力な記録法であって、これまでにも様々な方式が提案さ
れている。
る騒音の発生が無視し得る程度に極めて小さいという点
において、最近関心を集めている。その中で、簡単な機
構で記録媒体上に直接高速で記録が可能であり、しかも
普通紙に記録の行えるインクジェット記録法は極めて有
力な記録法であって、これまでにも様々な方式が提案さ
れている。
【０００３】その中に、記録媒体背面に設けた対向電極
と、これに対向した針状電極間に電圧を印加し、発生し
た電界の静電力によりインク等の色材を飛翔せしめ、記
録を行う方法がある。
と、これに対向した針状電極間に電圧を印加し、発生し
た電界の静電力によりインク等の色材を飛翔せしめ、記
録を行う方法がある。
【０００４】図６は、例えば特願平７−１２０２５２号
明細書に示される、この従来の静電式インクジェット記
録ヘッドの一例を示す斜視図である。図６を参照する
と、基板１３２はガラス等の絶縁体で、その表面には、
複数の吐出電極１２５が形成されている。吐出電極１２
５は基板１３２全面にスパッタしたクロム等の導電性材
料をフォトリソグラフィでパターニングしたもので、例
えば３００ｄｐｉ(dotsper inch)ピッチ、すなわち約８
５μｍ間隔で配置されている。吐出電極１２５は不図示
のドライバに接続されており、このドライバは記録時に
吐出電極１２５に選択的に高電圧パルスを印加する。
明細書に示される、この従来の静電式インクジェット記
録ヘッドの一例を示す斜視図である。図６を参照する
と、基板１３２はガラス等の絶縁体で、その表面には、
複数の吐出電極１２５が形成されている。吐出電極１２
５は基板１３２全面にスパッタしたクロム等の導電性材
料をフォトリソグラフィでパターニングしたもので、例
えば３００ｄｐｉ(dotsper inch)ピッチ、すなわち約８
５μｍ間隔で配置されている。吐出電極１２５は不図示
のドライバに接続されており、このドライバは記録時に
吐出電極１２５に選択的に高電圧パルスを印加する。
【０００５】メニスカス形成部材１２８は基板１３２上
にラミネートした感光性高分子フィルムをフォトリソグ
ラフィで加工したもので、吐出電極１２５の先端部より
やや後退した位置に、各吐出電極１２５に重なるように
形成されている。感光性高分子フィルムの厚みは３０μ
ｍで、メニスカス形成部材１２８の幅も約３０μｍであ
る。
にラミネートした感光性高分子フィルムをフォトリソグ
ラフィで加工したもので、吐出電極１２５の先端部より
やや後退した位置に、各吐出電極１２５に重なるように
形成されている。感光性高分子フィルムの厚みは３０μ
ｍで、メニスカス形成部材１２８の幅も約３０μｍであ
る。
【０００６】メニスカス形成部材１２８の上には、メニ
スカス形成部材１２８先端部よりさらに後退した位置
に、カバー１３３が取り付けられている。カバー１３３
は、絶縁性部材で、あらかじめインク供給口１２６およ
びインク排出口１２７が加工されている。基板１３２と
カバー１３３とがスリット状のインク噴射口１２２を形
成し、インク噴射口１２２の間には吐出電極１２５上に
乗ったメニスカス形成部材１２８が突き出ている。メニ
スカス形成部材１２８は、カバー１３３を支持し、イン
ク流路１３４を形成する目的も兼ねるため、一部カバー
１３３の下にも続いている。また、メニスカス形成部材
１２８は基板１３２およびカバー１３３とともにインク
室１２１を構成している。
スカス形成部材１２８先端部よりさらに後退した位置
に、カバー１３３が取り付けられている。カバー１３３
は、絶縁性部材で、あらかじめインク供給口１２６およ
びインク排出口１２７が加工されている。基板１３２と
カバー１３３とがスリット状のインク噴射口１２２を形
成し、インク噴射口１２２の間には吐出電極１２５上に
乗ったメニスカス形成部材１２８が突き出ている。メニ
スカス形成部材１２８は、カバー１３３を支持し、イン
ク流路１３４を形成する目的も兼ねるため、一部カバー
１３３の下にも続いている。また、メニスカス形成部材
１２８は基板１３２およびカバー１３３とともにインク
室１２１を構成している。
【０００７】さらに、インク１２０中のトナーを濃縮し
インク流路１３４を通してインク噴射口１２２近傍に供
給するために、インク流路１３４後方に泳動電極１２３
が配設されている。泳動電極１２３と記録媒体１２４背
面に設けた対向電極１２９との間の電界によりインク１
２０中のトナーは電気泳動力により移動しインク噴射口
１２２近傍に集中する。このとき、吐出電極１２５にパ
ルス電圧を印加することにより、トナーは飛翔粒子群１
３１として記録媒体１２４に向け飛翔する。
インク流路１３４を通してインク噴射口１２２近傍に供
給するために、インク流路１３４後方に泳動電極１２３
が配設されている。泳動電極１２３と記録媒体１２４背
面に設けた対向電極１２９との間の電界によりインク１
２０中のトナーは電気泳動力により移動しインク噴射口
１２２近傍に集中する。このとき、吐出電極１２５にパ
ルス電圧を印加することにより、トナーは飛翔粒子群１
３１として記録媒体１２４に向け飛翔する。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】この従来の静電式イン
クジェット記録ヘッドにおける第１の問題点は、記録品
質が変化しやすい、ということである。その理由は、マ
ルチエレメントヘッド駆動時には、任意の吐出電極に次
々とパルス電圧が印加されるため、吐出点周囲の電界は
常に変化し続ける。そのため吐出の際には、隣接電極に
より発生する電界が悪影響を及ぼし、吐出性能の変化に
つながるからである。
クジェット記録ヘッドにおける第１の問題点は、記録品
質が変化しやすい、ということである。その理由は、マ
ルチエレメントヘッド駆動時には、任意の吐出電極に次
々とパルス電圧が印加されるため、吐出点周囲の電界は
常に変化し続ける。そのため吐出の際には、隣接電極に
より発生する電界が悪影響を及ぼし、吐出性能の変化に
つながるからである。
【０００９】第２の問題点は、クロストークを起こしや
すい、ということである。その理由は、各吐出点に対応
する吐出電極はその真下にあり、隣接した吐出電極の発
生する電界を遮断する要素がないため、その影響を受け
やすく不慮の吐出を引き起こしやすいからである。
すい、ということである。その理由は、各吐出点に対応
する吐出電極はその真下にあり、隣接した吐出電極の発
生する電界を遮断する要素がないため、その影響を受け
やすく不慮の吐出を引き起こしやすいからである。
【００１０】本発明の目的は、このような点に鑑みなさ
れたもので、静電界でインク中のトナーのみを吐出させ
る静電式インクジェット記録ヘッドにおいて、クロスト
ークの影響のない、記録品質の安定した低コストなマル
チエレメントヘッドを供給することにある。
れたもので、静電界でインク中のトナーのみを吐出させ
る静電式インクジェット記録ヘッドにおいて、クロスト
ークの影響のない、記録品質の安定した低コストなマル
チエレメントヘッドを供給することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】本発明の静電式インクジ
ェット記録ヘッドは、帯電したトナーを含む絶縁性イン
クで内部が満たされているインク室と、前記インク室と
外部とを連通する吐出孔と、前記吐出孔内にあって前記
インク吐出の起点となる吐出点と、前記吐出点付近に位
置しパルス電圧をかけて静電力により前記トナーを外部
に吐出させる吐出電極と、前記吐出点から吐出方向に一
定距離離れた位置に前記吐出点の並びと平行になるよう
形成された対向電極と、前記インク室中の前記吐出孔の
位置する側と反対側に位置し前記トナーを電気泳動現象
により前記吐出孔近傍に集中させる泳動電極とを備え、
前記吐出孔と前記吐出電極と前記吐出点とをＴＡＢ(Tap
eAutomated Bonding)接合技術で用いられるテープ状基
材上に一括形成し、かつ前記吐出孔近傍で前記テープ状
基材を折り曲げることで前記吐出点を突出させる静電式
インクジェット記録ヘッドにおいて、隣接する前記吐出
孔の間に制御電極を備える。
ェット記録ヘッドは、帯電したトナーを含む絶縁性イン
クで内部が満たされているインク室と、前記インク室と
外部とを連通する吐出孔と、前記吐出孔内にあって前記
インク吐出の起点となる吐出点と、前記吐出点付近に位
置しパルス電圧をかけて静電力により前記トナーを外部
に吐出させる吐出電極と、前記吐出点から吐出方向に一
定距離離れた位置に前記吐出点の並びと平行になるよう
形成された対向電極と、前記インク室中の前記吐出孔の
位置する側と反対側に位置し前記トナーを電気泳動現象
により前記吐出孔近傍に集中させる泳動電極とを備え、
前記吐出孔と前記吐出電極と前記吐出点とをＴＡＢ(Tap
eAutomated Bonding)接合技術で用いられるテープ状基
材上に一括形成し、かつ前記吐出孔近傍で前記テープ状
基材を折り曲げることで前記吐出点を突出させる静電式
インクジェット記録ヘッドにおいて、隣接する前記吐出
孔の間に制御電極を備える。
【００１２】また、本発明の静電式インクジェット記録
ヘッドは、前記制御電極から前記吐出点までの距離は、
前記吐出電極から前記吐出点までの距離より常に長いこ
とを特徴とする。
ヘッドは、前記制御電極から前記吐出点までの距離は、
前記吐出電極から前記吐出点までの距離より常に長いこ
とを特徴とする。
【００１３】さらに、本発明の静電式インクジェット記
録ヘッドは、各々の前記制御電極は全て同電位であるこ
とを特徴とする。
録ヘッドは、各々の前記制御電極は全て同電位であるこ
とを特徴とする。
【００１４】さらに、本発明の静電式インクジェット記
録ヘッドは、前記制御電極と前記吐出電極とが、ともに
前記テープ状基材の表面側すなわち前記記録ヘッドの表
面に形成されていて、かつ両者は絶縁されていることを
特徴とする。
録ヘッドは、前記制御電極と前記吐出電極とが、ともに
前記テープ状基材の表面側すなわち前記記録ヘッドの表
面に形成されていて、かつ両者は絶縁されていることを
特徴とする。
【００１５】さらに、本発明の静電式インクジェット記
録ヘッドは、前記制御電極と前記吐出電極とが、ともに
前記テープ状基材の裏面側すなわち前記インクと接液す
る前記インク室側面に形成され、かつ前記吐出電極が前
記インクに対して絶縁され、前記制御電極が前記インク
に対して絶縁されていないことを特徴とする。
録ヘッドは、前記制御電極と前記吐出電極とが、ともに
前記テープ状基材の裏面側すなわち前記インクと接液す
る前記インク室側面に形成され、かつ前記吐出電極が前
記インクに対して絶縁され、前記制御電極が前記インク
に対して絶縁されていないことを特徴とする。
【００１６】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して詳細に説明する。
て図面を参照して詳細に説明する。
【００１７】図１（ａ）は本発明の一実施の形態の静電
式インクジェット記録ヘッドのＴＡＢ(Tape Automated
Bonding)テープをヘッドブロックに張り付ける状態を示
す斜視図、図１（ｂ）は本発明の一実施の形態の静電式
インクジェット記録ヘッドの斜視図、図２は図１（ｂ）
のＡ−Ａ断面図である。
式インクジェット記録ヘッドのＴＡＢ(Tape Automated
Bonding)テープをヘッドブロックに張り付ける状態を示
す斜視図、図１（ｂ）は本発明の一実施の形態の静電式
インクジェット記録ヘッドの斜視図、図２は図１（ｂ）
のＡ−Ａ断面図である。
【００１８】図１（ａ），（ｂ）および図２を参照する
と、この実施の形態の静電式インクジェット記録ヘッド
は、帯電したトナーを含む絶縁性インクで内部が満たさ
れているインク室２３と、このインク室２３と外部とを
連通する吐出孔１５と、この吐出孔１５内にあってイン
ク吐出起点となる吐出点１６と、この吐出点１６付近に
位置しパルス電圧をかけて静電力によりトナーを外部に
吐出させる吐出電極１２と、吐出点１６から吐出方向に
一定距離離れた位置に吐出点１６の並びと平行になるよ
う形成された不図示の対向電極と、インク室２３中の吐
出孔１５の位置する側と反対側に位置しトナーを電気泳
動現象により吐出孔１５近傍に集中させる泳動電極１３
とを備え、吐出孔１５と吐出電極１２と吐出点１６とを
ＴＡＢ(Tape Automated Bonding)接合技術で用いられる
テープ状基材であるＴＡＢテープ１１上に一括形成し、
かつ吐出孔１５近傍でＴＡＢテープ１１を折り曲げるこ
とで吐出点１６を突出させる静電式インクジェット記録
ヘッドであって、隣接する吐出孔１５の間に制御電極１
４を備える。
と、この実施の形態の静電式インクジェット記録ヘッド
は、帯電したトナーを含む絶縁性インクで内部が満たさ
れているインク室２３と、このインク室２３と外部とを
連通する吐出孔１５と、この吐出孔１５内にあってイン
ク吐出起点となる吐出点１６と、この吐出点１６付近に
位置しパルス電圧をかけて静電力によりトナーを外部に
吐出させる吐出電極１２と、吐出点１６から吐出方向に
一定距離離れた位置に吐出点１６の並びと平行になるよ
う形成された不図示の対向電極と、インク室２３中の吐
出孔１５の位置する側と反対側に位置しトナーを電気泳
動現象により吐出孔１５近傍に集中させる泳動電極１３
とを備え、吐出孔１５と吐出電極１２と吐出点１６とを
ＴＡＢ(Tape Automated Bonding)接合技術で用いられる
テープ状基材であるＴＡＢテープ１１上に一括形成し、
かつ吐出孔１５近傍でＴＡＢテープ１１を折り曲げるこ
とで吐出点１６を突出させる静電式インクジェット記録
ヘッドであって、隣接する吐出孔１５の間に制御電極１
４を備える。
【００１９】図３（ａ）は本発明の一実施の形態の静電
式インクジェット記録ヘッドに用いられるＴＡＢ接合技
術の際に用いられるテープ材（以後ＴＡＢテープとす
る）の概略図、図３（ｂ）は図３（ａ）におけるＡ部拡
大図である。
式インクジェット記録ヘッドに用いられるＴＡＢ接合技
術の際に用いられるテープ材（以後ＴＡＢテープとす
る）の概略図、図３（ｂ）は図３（ａ）におけるＡ部拡
大図である。
【００２０】図３（ａ）および（ｂ）を参照すると、Ｔ
ＡＢテープ１１上には解像度ピッチで形成された吐出孔
１５が１列に並んでいて、各吐出孔１５には孔内にＴＡ
Ｂテープ１１が突き出してできた吐出点１６がある。各
吐出孔１５の一端には吐出電極１２が位置し、さらに各
吐出孔１５の間には制御電極１４が配設されている。吐
出電極１２はその表面を絶縁被膜で覆われ、吐出電極１
２は各吐出部毎に電気的に独立し、それぞれ個別に電位
を制御できる。制御電極１４は同じくその表面を絶縁皮
膜で覆われていて、各制御電極１４は、全て等しい電位
に保たれている。各吐出電極１２および制御電極１４は
ＴＡＢテープ１１の一端または両端に引き出され、外部
電極と接合する。
ＡＢテープ１１上には解像度ピッチで形成された吐出孔
１５が１列に並んでいて、各吐出孔１５には孔内にＴＡ
Ｂテープ１１が突き出してできた吐出点１６がある。各
吐出孔１５の一端には吐出電極１２が位置し、さらに各
吐出孔１５の間には制御電極１４が配設されている。吐
出電極１２はその表面を絶縁被膜で覆われ、吐出電極１
２は各吐出部毎に電気的に独立し、それぞれ個別に電位
を制御できる。制御電極１４は同じくその表面を絶縁皮
膜で覆われていて、各制御電極１４は、全て等しい電位
に保たれている。各吐出電極１２および制御電極１４は
ＴＡＢテープ１１の一端または両端に引き出され、外部
電極と接合する。
【００２１】図１，図２および図３を参照すると、この
実施の形態の静電式インクジェット記録ヘッドは、ＴＡ
Ｂテープ１１を絶縁能力の高いヘッドブロック２４に貼
り付けた形となっている。ヘッドブロック２４先端には
インク室２３があり、インク室２３内の吐出方向につい
ては開口部が、またその反対側にはトナーを電気泳動現
象により吐出方向に集めるための泳動電極１３がある。
またインク室２３内には外部にあるインク貯蔵部との間
でインク循環を行うためのインク流入口２６とインク流
出口２７とがある。ＴＡＢテープ１１の張り付け時に
は、ヘッドブロック２４の先端の尾根上にＴＡＢテープ
１１の吐出孔１５が並ぶようにする。このように貼り付
けることにより、各吐出孔１５内の吐出点１６を形成す
るＴＡＢテープ１１の吐出孔１５端部は表側に突き出す
形となり、明確な吐出ポイントとなる。
実施の形態の静電式インクジェット記録ヘッドは、ＴＡ
Ｂテープ１１を絶縁能力の高いヘッドブロック２４に貼
り付けた形となっている。ヘッドブロック２４先端には
インク室２３があり、インク室２３内の吐出方向につい
ては開口部が、またその反対側にはトナーを電気泳動現
象により吐出方向に集めるための泳動電極１３がある。
またインク室２３内には外部にあるインク貯蔵部との間
でインク循環を行うためのインク流入口２６とインク流
出口２７とがある。ＴＡＢテープ１１の張り付け時に
は、ヘッドブロック２４の先端の尾根上にＴＡＢテープ
１１の吐出孔１５が並ぶようにする。このように貼り付
けることにより、各吐出孔１５内の吐出点１６を形成す
るＴＡＢテープ１１の吐出孔１５端部は表側に突き出す
形となり、明確な吐出ポイントとなる。
【００２２】このとき制御電極１４から吐出点１６の距
離をＬ１、吐出電極１２から吐出点１６への距離をＬ２
としたとき、常にＬ１＞Ｌ２であることが必要である。
つまり吐出電極１２は制御電極１４よりも吐出点１６に
近づいていなければならない。なぜならば、制御電極１
４が吐出電極１２よりも吐出点１６に近い場合、吐出電
極１２に印加されたパルス電圧により発生する電界が制
御電極１４により形成されている電界によって遮断また
減衰されるため、必要な駆動電圧が高くなるからであ
る。
離をＬ１、吐出電極１２から吐出点１６への距離をＬ２
としたとき、常にＬ１＞Ｌ２であることが必要である。
つまり吐出電極１２は制御電極１４よりも吐出点１６に
近づいていなければならない。なぜならば、制御電極１
４が吐出電極１２よりも吐出点１６に近い場合、吐出電
極１２に印加されたパルス電圧により発生する電界が制
御電極１４により形成されている電界によって遮断また
減衰されるため、必要な駆動電圧が高くなるからであ
る。
【００２３】図４はこの実施の形態の静電式インクジェ
ット記録ヘッド先端の図１（ｂ）におけるＢ−Ｂ断面図
である。図１，図２，図３および図４を参照して、この
実施の形態の動作について説明する。
ット記録ヘッド先端の図１（ｂ）におけるＢ−Ｂ断面図
である。図１，図２，図３および図４を参照して、この
実施の形態の動作について説明する。
【００２４】吐出電極１２および制御電極１４はＴＡＢ
テープ１１の外側に形成され、ともに絶縁皮膜で覆われ
ている。ヘッドブロック２４の溝部上面がＴＡＢテープ
１１で覆われることによって、インク室２３が形成さ
れ、吐出孔１５のみが吐出方向に連通した孔部ができ
る。吐出孔１５にはインク４０の表面張力によりインク
メニスカス４１が形成されていて、このため吐出点１６
は常にインク４０で濡れた状態となっている。インク４
０はインク流入口２６およびインク流出口２７を通じ
て、外部にある不図示のインク貯蔵部との間で常に循環
している。
テープ１１の外側に形成され、ともに絶縁皮膜で覆われ
ている。ヘッドブロック２４の溝部上面がＴＡＢテープ
１１で覆われることによって、インク室２３が形成さ
れ、吐出孔１５のみが吐出方向に連通した孔部ができ
る。吐出孔１５にはインク４０の表面張力によりインク
メニスカス４１が形成されていて、このため吐出点１６
は常にインク４０で濡れた状態となっている。インク４
０はインク流入口２６およびインク流出口２７を通じ
て、外部にある不図示のインク貯蔵部との間で常に循環
している。
【００２５】泳動電極１３には泳動電圧Ｖｅｐが印加さ
れているため、インク室２３内では電気泳動現象により
トナーが吐出孔１５付近に集められている。この状態で
吐出電極１２にパルス電圧Ｖｐを印加することによっ
て、吐出点１６周囲の電界密度が急激に高まり、インク
４０中のトナーが不図示の対向電極方向に飛翔トナー４
６として飛翔する。
れているため、インク室２３内では電気泳動現象により
トナーが吐出孔１５付近に集められている。この状態で
吐出電極１２にパルス電圧Ｖｐを印加することによっ
て、吐出点１６周囲の電界密度が急激に高まり、インク
４０中のトナーが不図示の対向電極方向に飛翔トナー４
６として飛翔する。
【００２６】このとき、各吐出孔１５の間は制御電極１
４で隔てられていて、かつ制御電極１４は一定の電位Ｖ
ｃに保たれているため、例えば隣接する吐出電極１２に
パルス電圧Ｖｐが印加され、周辺の電界分布が変化した
としても、隣接する制御電極１４により電界の変化が遮
断され、制御電極１４を隔ててある吐出点１６はその影
響は受けず、クロストークは起こらない。
４で隔てられていて、かつ制御電極１４は一定の電位Ｖ
ｃに保たれているため、例えば隣接する吐出電極１２に
パルス電圧Ｖｐが印加され、周辺の電界分布が変化した
としても、隣接する制御電極１４により電界の変化が遮
断され、制御電極１４を隔ててある吐出点１６はその影
響は受けず、クロストークは起こらない。
【００２７】図５は本発明の静電式インクジェット記録
ヘッドの別の実施の形態を示し、図１（ｂ）におけるＢ
−Ｂ断面図である。図５を参照すると、吐出電極１２お
よび制御電極１４はＴＡＢテープ１１の内側に形成され
ている。この場合制御電極１４はインク４０に対して絶
縁されていない。インク４０に接した制御電極１４を絶
縁すると、インク４０中の電位に応じてトナーまたはカ
ウンターイオンが制御電極１４周囲に集まり、平衡状態
に達し、制御電極１４が機能しなくなるためである。
ヘッドの別の実施の形態を示し、図１（ｂ）におけるＢ
−Ｂ断面図である。図５を参照すると、吐出電極１２お
よび制御電極１４はＴＡＢテープ１１の内側に形成され
ている。この場合制御電極１４はインク４０に対して絶
縁されていない。インク４０に接した制御電極１４を絶
縁すると、インク４０中の電位に応じてトナーまたはカ
ウンターイオンが制御電極１４周囲に集まり、平衡状態
に達し、制御電極１４が機能しなくなるためである。
【００２８】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の第１の効
果は、記録品質が向上することである。その理由は、各
吐出孔においてメニスカスが完全に独立して存在し、か
つ制御電極があることで吐出点周囲の電界分布が常に一
定となるためである。
果は、記録品質が向上することである。その理由は、各
吐出孔においてメニスカスが完全に独立して存在し、か
つ制御電極があることで吐出点周囲の電界分布が常に一
定となるためである。
【００２９】第２の効果は、安定した記録動作を実現で
きることである。その理由は、各吐出孔間に制御電極が
あることで、隣接電極の吐出時の電位の変化の影響が遮
断され、クロストークが起こらないためである。
きることである。その理由は、各吐出孔間に制御電極が
あることで、隣接電極の吐出時の電位の変化の影響が遮
断され、クロストークが起こらないためである。
【図１】図１（ａ）は本発明の一実施の形態の静電式イ
ンクジェット記録ヘッドのＴＡＢテープをヘッドブロッ
クに張り付ける状態を示す斜視図、図１（ｂ）は本発明
の一実施の形態の静電式インクジェット記録ヘッドの斜
視図である。
ンクジェット記録ヘッドのＴＡＢテープをヘッドブロッ
クに張り付ける状態を示す斜視図、図１（ｂ）は本発明
の一実施の形態の静電式インクジェット記録ヘッドの斜
視図である。
【図２】図１（ｂ）のＡ−Ａ断面図である。
【図３】図３（ａ）は本発明の一実施の形態の静電式イ
ンクジェット記録ヘッドに用いられるＴＡＢテープの概
略図、図３（ｂ）は図３（ａ）におけるＡ部拡大図であ
る。
ンクジェット記録ヘッドに用いられるＴＡＢテープの概
略図、図３（ｂ）は図３（ａ）におけるＡ部拡大図であ
る。
【図４】この実施の形態の静電式インクジェット記録ヘ
ッド先端の図１（ｂ）におけるＢ−Ｂ断面図である。
ッド先端の図１（ｂ）におけるＢ−Ｂ断面図である。
【図５】本発明の静電式インクジェット記録ヘッドの別
の実施の形態を示す図１（ｂ）におけるＢ−Ｂ断面図で
ある。
の実施の形態を示す図１（ｂ）におけるＢ−Ｂ断面図で
ある。
【図６】従来の静電式インクジェット記録ヘッドの斜視
図である。
図である。
１１ ＴＡＢテープ １２ 吐出電極 １３ 泳動電極 １４ 制御電極 １５ 吐出孔 １６ 吐出点 ２３ インク室 ２４ ヘッドブロック ２６ インク流入口 ２７ インク流出口 ４０ インク ４１ インクメニスカス ４６ 飛翔トナー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝口 忠志 新潟県柏崎市大字安田7546番地 新潟日 本電気株式会社内 (72)発明者 佐伯 智也 新潟県柏崎市大字安田7546番地 新潟日 本電気株式会社内 (72)発明者 峯本 仁史 新潟県柏崎市大字安田7546番地 新潟日 本電気株式会社内 (72)発明者 竹本 人司 新潟県柏崎市大字安田7546番地 新潟日 本電気株式会社内 (72)発明者 薬師寺 徹 新潟県柏崎市大字安田7546番地 新潟日 本電気株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−166590（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B41J 2/06
Claims (5)
- 【請求項１】 帯電したトナーを含む絶縁性インクで内
部が満たされているインク室と、前記インク室と外部と
を連通する吐出孔と、前記吐出孔内にあって前記インク
吐出の起点となる吐出点と、前記吐出点付近に位置しパ
ルス電圧をかけて静電力により前記トナーを外部に吐出
させる吐出電極と、前記吐出点から吐出方向に一定距離
離れた位置に前記吐出点の並びと平行になるよう形成さ
れた対向電極と、前記インク室中の前記吐出孔の位置す
る側と反対側に位置し前記トナーを電気泳動現象により
前記吐出孔近傍に集中させる泳動電極とを備え、前記吐
出孔と前記吐出電極と前記吐出点とをＴＡＢ(Tape Auto
mated Bonding)接合技術で用いられるテープ状基材上に
一括形成し、かつ前記吐出孔近傍で前記テープ状基材を
折り曲げることで前記吐出点を突出させる静電式インク
ジェット記録ヘッドにおいて、隣接する前記吐出孔の間
に制御電極を備えることを特徴とする静電式インクジェ
ット記録ヘッド。 - 【請求項２】 前記制御電極から前記吐出点までの距離
は、前記吐出電極から前記吐出点までの距離より常に長
いことを特徴とする請求項１記載の静電式インクジェッ
ト記録ヘッド。 - 【請求項３】 各々の前記制御電極は全て同電位である
ことを特徴とする請求項１または２記載の静電式インク
ジェット記録ヘッド。 - 【請求項４】 前記制御電極と前記吐出電極とが、とも
に前記テープ状基材の表面側すなわち前記記録ヘッドの
表面に形成されていて、かつ両者は絶縁されていること
を特徴とする請求項１，２または３記載の静電式インク
ジェット記録ヘッド。 - 【請求項５】 前記制御電極と前記吐出電極とが、とも
に前記テープ状基材の裏面側すなわち前記インクと接液
する前記インク室側面に形成され、かつ前記吐出電極が
前記インクに対して絶縁され、前記制御電極が前記イン
クに対して絶縁されていないことを特徴とする請求項
１，２または３記載の静電式インクジェット記録ヘッ
ド。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1427597A JP2845852B2 (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | 静電式インクジェット記録ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1427597A JP2845852B2 (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | 静電式インクジェット記録ヘッド |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10202881A JPH10202881A (ja) | 1998-08-04 |
| JP2845852B2 true JP2845852B2 (ja) | 1999-01-13 |
Family
ID=11856546
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1427597A Expired - Fee Related JP2845852B2 (ja) | 1997-01-28 | 1997-01-28 | 静電式インクジェット記録ヘッド |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2845852B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE69716391T2 (de) * | 1996-12-13 | 2003-06-12 | Nec Corp | Elektrostatischer Tintenstrahldruckkopf |
| KR100937007B1 (ko) * | 2009-01-12 | 2010-01-15 | 건국대학교 산학협력단 | 액적분사장치 및 방법 |
| CN102320189A (zh) | 2009-01-12 | 2012-01-18 | 建国大学校产业学校协力团 | 液滴喷射装置及方法 |
-
1997
- 1997-01-28 JP JP1427597A patent/JP2845852B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10202881A (ja) | 1998-08-04 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980929 |
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