JP2000334960A - 静電式インクジェット記録装置 - Google Patents

静電式インクジェット記録装置

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JP2000334960A
JP2000334960A JP11153288A JP15328899A JP2000334960A JP 2000334960 A JP2000334960 A JP 2000334960A JP 11153288 A JP11153288 A JP 11153288A JP 15328899 A JP15328899 A JP 15328899A JP 2000334960 A JP2000334960 A JP 2000334960A
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recording
ink
pulse signal
printing
electrode
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JP11153288A
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Inventor
Hiroshi Shibata
寛 柴田
Kazunari Chikanawa
一成 近縄
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質で同時に高速印刷をも満足できる静電
式インクジェット記録装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 静電式インクジェット記録装置におい
て、安定吐出を行うためにプリパルス信号と吐出パルス
信号からなる記録信号を使用し、これらのプリパルス信
号や吐出パルス信号を可変することで吐出すべき色材粒
子量を可変とし、インク滴の体積を変調しドットの大き
さの異なる階調印字が安定して再現でき、各記録電極で
のドット径バラツキも小さくする。また、吐出パルス信
号により色材粒子の吐出を完全に終了させることで、記
録用紙31上に印字されたドットのバラツキの発生をな
くして均一化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は静電式インクジェッ
ト記録装置に係り、特に色材粒子を制御するようにした
静電式インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット技術は安価で高い画質と
高速な印字技術として、オフィスオートメーションやパ
ーソナル用の情報記録装置として、複写機、ファクシミ
リ、プリンタ、ワードプロセッサなどに広く用いられて
いる。
【0003】インクジェットの記録原理には、色材を飛
翔させるためのエネルギー発生手段として、電気熱変換
素子などの発熱抵抗体を用いたもの、電気機械変換素子
などのピエゾ素子を用いたもの、さらに電気エネルギー
をそのまま用いる静電式のものなどがある。その中でも
静電式のインクジェットにおいては、記録ヘッドの作製
が他の方式と比較して簡易で、記録電極に印加する電気
信号を制御することにより階調記録を行うことができ
る。また、記録時に消費される電流量は著しく少なく、
省エネルギーの機器としても将来的に利用価値のある記
録技術であるということができる。さらに油性顔料イン
クを用いることにより、耐水性に優れた印字を行うこと
ができ、特にオフィスオートメーション用途としての利
用価値が高い。
【0004】ここで簡単に静電式インクジェットの原理
的な側面について説明する。特開昭56−4467号公
報に開示されているように、インクの充填された記録電
極と記録媒体を保持する対向電極の間に数kVの記録信
号を印加すると、電極に接するインクに電荷が注入され
て、電極近傍インクが電荷を帯びる。これにより、記録
信号がある閾値を越えた時、電荷を帯びたインクに働く
静電的な力がインク表面張力に打ち勝ち、インク滴が記
録電極から対向電極へ吐出し、飛翔する。
【0005】しかし、この原理におけるインク滴は、色
材粒子よりも溶媒比率が非常に高く、インク滴が記録用
紙着弾時において、記録紙の繊維中にすばやく浸透し、
印字濃度の低下、にじみ、そして裏映り等の不具合が生
じるその解決策として、特開平8−295023号公報
及び特開平9−193389号公報に開示されているよ
うに、吐出インク滴中の溶媒比率を下げ、色材粒子を多
く吐出する新たな静電インクジェット方式が提案され
た。この方式は、インクの比抵抗が1×109Ωcm以
上、好ましくは1×1010Ωcm以上であることを特徴
とするもので、液体中に所定の極性に帯電した色材粒子
を分散させ、電気泳動電極と記録電極間の電位差によ
り、帯電した色材粒子を記録電極先端に集中させ、記録
電極と対向電極間に印加される電位差で、色材粒子を飛
翔させる原理となっている。(以後、色材粒子の帯電は
正の場合で説明を行う。)以下、図24及び図25を参
照して、従来の静電式インクジェット記録装置のについ
て説明する。図24は従来のインクジェット記録装置の
印字部の構成を示す斜視図であり、図25は同印字主要
部の側断面図である。ただし、図24においては説明の
ためインクは図示していない。
【0006】図24及び図25において、1はインク滴
を吐出するための記録電極2を備えた記録ヘッドであ
る。記録電極2は、その先端近傍に存在するインク3に
電位差が集中しやすい形状をしており、幾分凸状になっ
ている。また、記録電極2はインク吐出孔4より50〜
200μm程度突出していれば電位差集中性がさらに向
上するし、メニスカス5が安定に形成されるために安定
吐出がより向上するものである。記録電極2は一定間隔
に複数配列されており、信号電圧を印加するためのリー
ド線6及び記録電極ドライバに電気的接合を行うための
パッド(図示せず)と一体的に形成されたタブ配線基板
よりなる。8は電気泳動電極であり、この電気泳動電極
8は共通インク室9内のインク中の色材粒子10を電気
泳動現象によりインク吐出孔4方向に電気泳動させると
ともに、記録電極2近傍に色材濃度を高くするための機
能を有する。タブ配線基板と電気泳動電極8は下部筐体
12に接着され、下部筐体12は上部筐体13に接合さ
れる。
【0007】共通インク室9内とスリット状の連通孔1
4にインクが充填された状態において、インク3は表面
張力によりインク吐出孔4の周囲内にメニスカス5を形
成する。共通インク室9内のインクには±100Pa程
度の背圧が付与されているために、メニスカス5はイン
ク吐出孔4から緩やかに飛び出した状態で形成される。
そして、インク吐出方向には記録媒体となる記録用紙1
5と更に記録用紙15の背面には記録電極2との電位差
を制御するための対向電極16が配置される。記録時に
は、対向電極16は0〜−1kV程度の負電圧が印加さ
れる。また、記録電極2に印加する電圧は200〜20
00Vの範囲の正電圧が使用される。
【0008】なお、記録用紙15は、印刷時において、
搬送装置(図示せず)により1ライン毎に上方へ搬送さ
れる。
【0009】以上のように構成された静電式インクジェ
ット記録装置の印字動作について、印加電圧波形図およ
び印字主要部の側断面図を参照して以下に説明する。
【0010】図26は従来のインクジェット記録装置の
非記録時の印加電圧波形図、図27は従来のインクジェ
ット記録装置の記録時の印加電圧波形図である。また、
図28〜図31は従来のインクジェット記録装置のイン
ク吐出動作を示す図であってインク吐出動作を示す図で
ある。
【0011】非記録時には図26に示す様に、記録電極
2にV0、電気泳動電極8にV1、対向電極16にV2
の一定の電圧が印加されている。電気泳動電極8から記
録電極2へ向かうバイアス電位差と、記録電極2から対
向電極16へ向かう待機電位差が発生する。そして、こ
のバイアス電位差により、インク3中の色材粒子10
は、記録電極2方向へ移動し、インク吐出孔4の記録電
極2先端へと濃縮すると共に、図28に示すようにメニ
スカス5を形成する。続いて、記録時にはコンピュータ
より印字すべき旨の印字データが、記録電極ドライバに
入力されると、記録電極ドライバは、図27に示す所定
のパルス幅と電圧V3からなる記録信号を記録電極へ出
力する。これにより、記録電極2と対向電極16間に記
録電位差が発生し、記録電極2先端にあった色材粒子1
0は、図29及び図30に示すようにインクの表面張
力、粘性力等に打ち勝ってインク滴17を形成してい
く。そして遂には、図31に示す微小なインク滴17と
なって吐出し、記録用紙15上に印字される。そして、
記録信号の印加が終了すると、記録電極2から対向電極
16へ向かう電位差は、もとの待機電位差となって、色
材粒子10の吐出は終了する。以下、上述した動作が繰
り返されることにより、記録媒体上に画像が形成され
る。
【0012】なお、階調印字においては、パルス幅が短
い時には記録電極2からインク滴17が一滴吐出し、パ
ルス幅が十分に長い時にはインク滴17が一滴吐出して
も、さらに記録電位差が発生しているため連続して複数
のインク滴17が吐出することになる。そして、複数の
インク滴17を重ね印字することで階調印字が可能とな
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の静
電式インクジェット記録装置においては以下に示す複数
の課題があった。
【0014】第一の課題は記録信号に同期して安定に吐
出しないことである。すなわち、記録電極2に記録信号
が印加されている期間、インク滴17は記録電極2先端
から吐出する。そして、記録信号終了時には、記録電極
2へ印加していた記録信号が終了すると、記録電極2と
対向電極16間の電位差は待機電位差となって、インク
3の表面張力、粘性力等と均衡し、インク滴17の吐出
も終了するはずである。ところが、記録信号が付与され
ている間、インク滴17の吐出によりインク3の流れが
記録電極2先端に向かって発生しているため、記録信号
が終了し当初のメニスカス5を形成した待機電位差に戻
っても、色材粒子10の吐出はすぐには終了せず、イン
ク滴17は吐出し続け、ある期間過ぎた後に吐出終了と
なる。このことから、同一記録信号を各記録電極2に印
加しても、インク滴17の吐出終了にはバラツキが発生
し、記録用紙15上に印字されたドットは不均一なもの
となったり、記録信号を印加しない場合でも印字された
りして、画像品質に悪影響を与えるという課題があった
(以下、記録信号を印加しない場合でも印字されること
を「誤ドット」という)。
【0015】第二の課題は複数のインク滴17を重ね印
字することでの階調印字が安定して実現できないことで
ある。すなわち、インク滴17の吐出終了にはバラツキ
が発生し、記録用紙15上に印字されたドットは不均一
なものとなるために、ドットの大きさの異なる階調印字
が安定して再現できない、各記録電極2でのドット径の
バラツキが大きい等、画像品質に悪影響を与えるという
課題があった。
【0016】第三の課題は、高画質と高速印刷を同時に
満足する静電式インクジェット記録装置が実現できない
ことである。すなわち、インクジェット記録装置の階調
数を増やすと印刷速度が遅くなるという課題があった。
階調印字しないインクジェット記録装置ではパルス幅が
短い信号電圧でインク滴17が一滴吐出し印字が可能と
なるから、記録周波数は最小パルス幅で決定される。階
調印字可能なインクジェット記録装置(n階調とする)
では同じ記録媒体上の同一場所に少なくともn滴のイン
ク滴17を吐出・印字させるために、パルス幅はn倍の
長さとなり、その結果記録周波数は1/nとなる。高画
質のインクジェット記録装置は印刷速度が遅く、逆に、
低画質のインクジェット記録装置は印刷速度が速くな
り、高画質と高速印刷が両立できないとう不具合が起こ
る。
【0017】本発明は上記従来の3つの課題を解決する
もので、高画質の静電式インクジェット記録装置を提供
し、更に同時に高速印刷をも満足できる静電式インクジ
ェット記録装置の提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記第一の課題を解決す
るために、本発明の静電式インクジェット記録装置は、
安定吐出を行うためにプリパルス信号と吐出パルス信号
からなる記録信号を使用する。つまり、プリパルス信号
で電気泳動電極と記録電極との電位差を大きくすること
により、プリパルス信号時間内に色材粒子の電気泳動速
度を高め、急速に記録電極近傍に色材粒子を集める。そ
して、吐出パルス信号で電気泳動電極と記録電極との電
位差を小さくすることで色材粒子の電気泳動速度を緩く
し、更に色材粒子を記録電極から遠ざける。同時に記録
電極と対向電極との電位差を大きくすることにより、記
録電極近傍の色材粒子を吐出するものである。プリパル
ス信号は色材粒子を記録電極に集中させ濃縮させる機能
を持つものである。吐出パルス信号はプリパルス信号で
記録電極近傍に濃縮した色材濃度の高いインクを吐出す
る機能と吐出に至らなかった余剰の色材粒子を記録電極
より攪拌させる機能を持つものである。それ故に、吐出
パルス信号により吐出できる色材粒子は全て吐出するた
めに、バラツキの発生がなく記録用紙上に印字されたド
ットは均一なものとなり、その結果、高画質を実現でき
る。
【0019】第二と第三の課題を解決するために、本発
明の静電式インクジェット記録装置は、階調印字を複数
のインク滴を重ね印字して行うのではなく、インク滴の
体積を可変して吐出することにより一滴の吐出で階調印
字を行う。
【0020】第二と第三の課題を解決するための第一の
手段として、一滴の階調を安定に行うためにプリパルス
信号と吐出パルス信号からなる記録信号を使用する。こ
こで、プリパルス信号は、ドットの大きさに対応したパ
ルス数、パルス幅及びパルスピーク値等の少なくとも一
つを可変としたものである。プリパルス信号は色材粒子
を記録電極に集中させ濃縮させる機能を持つものである
から、プリパルス信号を可変することで色材粒子量を可
変することができる。吐出パルス信号はプリパルス信号
で記録電極近傍に濃縮した色材濃度の高いインクを吐出
する機能と吐出に至らなかった余剰の色材粒子を記録電
極より攪拌させる機能を持つものである。
【0021】したがって、吐出パルス信号により色材濃
度の高いインクの吐出を確実に終了できる。以上より、
一定のプリパルス信号を使用した場合は、記録用紙上に
印字されたドットは、バラツキの発生がなく均一なもの
となり、各記録電極でのドット径バラツキも小さくなる
ため、高画質を実現できる。更に、可変したプリパルス
信号を使用した場合は、インク液滴量を可変してドット
の大きさの異なる階調印字が安定して再現できるので、
高画質と高速印字が両立できる静電式インクジェット記
録装置を提供できる。
【0022】第二と第三の課題を解決するための第二の
手段として、一滴の階調を安定に行うためにプリパルス
信号と吐出パルス信号からなる記録信号を使用する。こ
こで、プリパルス信号と吐出パルス信号は、それぞれド
ットの大きさに対応したパルス数、パルス幅及びパルス
ピーク値等の少なくとも一つを可変としたものである。
【0023】プリパルス信号は色材粒子を記録電極に集
中させ濃縮させる機能を持つものであるから、プリパル
ス信号を可変することで色材粒子量を可変することがで
きる。吐出パルス信号はプリパルス信号で記録電極近傍
に濃縮した色材濃度の高いインクを吐出する機能と吐出
に至らなかった余剰の色材粒子を記録電極より攪拌させ
る機能を持つものであるが、吐出パルス信号を可変する
ことで吐出に至らなかった余剰の色材粒子も吐出するこ
とができる。従って、更に階調幅の広い印字が実現でき
る。
【0024】また、吐出パルス信号により色材粒子の吐
出を確実に終了できるので、一定の記録信号を使用した
場合は、記録用紙上に印字されたドットは、バラツキの
発生がなく均一なものとなり、各記録電極でのドット径
バラツキも小さくなるために、高画質を実現できる。更
に、可変した記録信号を使用した場合は、インク液滴量
を可変してドットの大きさの異なる階調印字が安定して
再現できるので、高画質と高速印刷が両立できる静電式
インクジェット記録装置を提供できる。
【0025】第三の課題を解決するために、本発明の静
電式インクジェット記録装置は、一滴の階調をプリパル
ス信号と吐出パルス信号からなる記録信号を使用し、更
に一印字周期内で複数のドットを重ね印字する事で階調
印字を行うものである。一滴のインク滴変調で階調印字
が可能であることより、重ね印字をすれば更に階調幅が
広く階調分解能の高い印字が実現できる。
【0026】また、少数滴の重ね印字で高画質を実現で
きるので、高画質と高速印刷が両立できる静電式インク
ジェット記録装置を提供できる。
【0027】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、帯電し
た色材粒子を絶縁性溶媒に分散してなるインクを保持す
るインクタンクと、前記インクタンクと一体連結され吐
出開口部を有するインク吐出孔と、前記色材粒子及び絶
縁性溶媒を前記インク吐出孔から吐出する記録電極と、
前記記録電極に前記色材粒子を濃縮または攪拌する機能
を持つ電気泳動電極とを備えた静電式インクジェット記
録装置であって、インク滴の一吐出あたり、インク滴を
吐出に至らしめないプリパルス信号とインク滴を吐出に
至らしめる吐出パルス信号からなる記録信号を前記記録
電極に印加することを特徴とする静電式インクジェット
記録装置であり、プリパルス信号で色材粒子を集め、吐
出パルス信号で色材濃度の高いインクを吐出させるため
に、バラツキの発生がなく記録媒体上に印字されたドッ
トは均一で誤ドットの発生も少なくなるので、その結
果、高画質の静電式インクジェット記録装置を実現でき
る。
【0028】請求項2に記載の発明は、前記プリパルス
信号を可変することによりインク滴量を可変させ吐出す
ることを特徴とする請求項1記載の静電式インクジェッ
ト記録装置であり、階調印字を複数のインク滴を重ね印
字して行うのではなく、プリパルス信号を可変しインク
滴の体積を可変して吐出することにより一滴の吐出でイ
ンク滴量を可変して階調印字ができるので、その結果、
高画質と高速印刷が両立できる静電式インクジェット記
録装置を提供できる。
【0029】請求項3に記載の発明は、前記プリパルス
信号と吐出パルス信号を可変することによりインク滴量
を可変させ吐出することを特徴とする請求項1記載の静
電式インクジェット記録装置であり、階調印字を複数の
インク滴を重ね印字して行うのではなく、プリパルス信
号と吐出パルス信号を可変しインク滴の体積を可変して
吐出することにより一滴の吐出でインク滴量を可変して
階調印字ができるので、その結果、高画質と高速印刷が
両立できる静電式インクジェット記録装置を提供でき
る。
【0030】請求項4に記載の発明は、帯電した色材粒
子を絶縁性溶媒に分散してなるインクを保持するインク
タンクと、前記インクタンクと一体連結され吐出開口部
を有するインク吐出孔と、前記色材粒子及び絶縁性溶媒
を前記インク吐出孔から吐出する記録電極と、前記記録
電極に前記色材粒子を濃縮または攪拌する機能を持つ電
気泳動電極とを備えた静電式インクジェット記録装置で
あって、記録信号を可変することによりインク滴量を可
変し印字するとともに、且つ複数のドットを重ね印字す
ることで階調印字することを特徴とする静電式インクジ
ェット記録装置であり、一滴の階調をプリパルス信号と
吐出パルス信号からなる記録信号を使用し、更に一印字
周期内で複数のドットを重ね印字する事で階調印字を行
うものである。一滴で階調印字が可能であり、且つ重ね
印字をすれば更に階調幅が広く階調分解能の高い印字が
実現できる。また、少数滴の重ね印字で高画質を実現で
きるので、高画質と高速印刷が両立できる静電式インク
ジェット記録装置を提供できる。
【0031】以下、本発明を適用した具体的な実施の形
態について、図面を参照しながら詳細に説明する。な
お、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲で、装置の動作、ヘッドの形
状及び印字条件等を任意に変更することが可能であるこ
とは言うまでもない。
【0032】図面を参照して本発明の静電式インクジェ
ット記録装置の実施の形態について詳細に説明する。こ
こで、従来の技術と同一番号のものは同一機能を持つも
のである。
【0033】図1は本発明の静電式インクジェット記録
装置の内部構造を示す概略図である。
【0034】図1に示すように、静電式インクジェット
記録装置20は、給紙部30、搬送部40、記録ユニッ
ト50、定着器60及び排紙口70を含む装置本体を有
している。
【0035】給紙部30は、装置本体の上部に配設され
ている。すなわち、装置本体の上面には、所定枚数の記
録用紙31を収容する用紙カセット32を挿入可能な開
口部が形成されているとともに、所定の角度で傾斜さ
れ、用紙カセット32を保持可能なカセットガイド33
が形成されている。また、給紙部30は、カセットガイ
ド33に保持された用紙カセット32に対向する位置
に、用紙カセット32に収容されている記録用紙31を
1枚ずつ取り出して搬送部40側に供給するピックアッ
プローラ41を備えている。このピックアップローラ4
1は、略半月状に形成されている。
【0036】搬送部40は、給紙部30から供給された
記録用紙31が記録ユニット50及び排紙口70に向け
て搬送される搬送路、及び搬送路の略中央に回転自在に
配置された回転ベルト42を有している。回転ベルト4
2は、用紙カセット32から供給された記録用紙31を
保持し、この記録用紙31に所定の電位を与えるように
形成されている。そして、記録ユニット50に含まれる
記録ヘッド51に対しての対向電極としても機能する。
また、搬送部40は、回転ベルト42とピックアップロ
ーラ41との間に、搬送路を案内された記録用紙31の
傾きを補正するとともに、記録ユニット50によって記
録される画像の先端と記録用紙31の記録位置とを整合
させるように所定のタイミングで記録用紙31を給紙す
る一対のタイミングローラを有している。さらに、搬送
部40は、回転ベルト42と排紙口70との間に定着器
60を備えている。定着器60は加熱ローラ61と加圧
ローラ62により構成され、記録用紙31に記録された
画像の乾燥と記録用紙31への定着を行なう。そして、
定着器60を通過した記録用紙31を排紙口70へ出
す。排紙口70は、装置本体の上部に形成され、排紙ト
レイ71を兼ねて所定の傾斜を有するように形成された
装置本体の上面に記録用紙31を排紙可能な状態で形成
されている。
【0037】記録ユニット50は4色の記録ヘッド51
と4色のインクを収容するインクタンクと導電性の回転
ベルト42から構成される。本実施の形態の各記録ヘッ
ド51はライン型静電式インクジェットヘッドの構成を
有している(以下、ライン型静電式インクジェットヘッ
ドを単にラインヘッドと言う。)。記録ヘッド51は、
回転ベルト42に対向する位置に配設されている。
【0038】図2は本実施の形態の記録ユニット50を
示す図であり、この記録ユニット50は、定濃度インク
を収容する第一のインク収容手段としての定濃度インク
タンク53、及び比較的高濃度に調整されたインクを収
容する第二のインク収容手段としての高濃度インクタン
ク54を有している。定濃度インクタンク53と高濃度
インクタンク54及びラインヘッド52の共通インク室
55の間では、供給パイプ56及び回収パイプ57によ
りインクが循環可能な状態で接続されている。定濃度イ
ンクタンク53において、所定濃度に調整されたインク
はポンプ58により供給パイプ56に送り出され、ライ
ンヘッドの共通インク室に供給される。また、定濃度イ
ンクタンク53に収容されていたインクの一部は、回収
パイプ57を介して高濃度インクタンク54に回収され
る。このように、定濃度インクタンク53及び高濃度イ
ンクタンク54は、それぞれ収容しているインクを循環
可能な状態で接続されている。そして、ラインヘッド5
2の共通インク室55の色材粒子の濃度をいつも一定に
維持するように機能している。
【0039】次に、本実施の形態のラインヘッド52に
ついて説明する。図3は本実施の形態のラインヘッドを
印字主要部となる記録電極の近傍の拡大図とともに示す
斜視図であって、ポンプやインクタンク等は図示してい
ない。この場合、多数の記録電極がライン状に配置、固
定して設けられている。この構成では、ラインヘッド5
2でライン分の印字が同時に行われ、印字が完了すると
回転ベルト42を記録ピッチ分だけ回転させて次のライ
ンの印字を行う。印字方法としては、全ラインを一括し
て印字したり、複数ブロックに分割したり、ラインおき
に交互に印字する方法等多くある。
【0040】このラインヘッド52の印字主要部となる
記録電極2近傍の拡大図を図3に示す。図3の拡大図に
示すように、下部筐体12と上部筐体13からなるイン
クタンク筐体にタブ配線基板からなるヘッドチップが接
着されており、共通インク室9内のインク(図示せず)
が連通孔14を通してインク吐出孔に供給される。そし
て、インクはタブ配線基板7に設けた記録電極2の先端
において緩やかなメニスカスが形成される。
【0041】ここで、図3に示したラインヘッド52に
おいて、各記録電極2間のピッチは、約85μmとして
いる。これは、300dpiの解像度に相当する。な
お、本実施の形態において、主な寸法は、連通孔14の
開口幅は300μm、連通孔14の深さは1mm、記録
電極2の幅は40μmとした。なお、記録電極2はスリ
ット状の連通孔14より幾分突出しており、その突出距
離は100μmとしている。インク中の色材粒子を記録
電極に電気泳動させ濃縮させる手段である電気泳動電極
の形状、配置及び制御条件は特に限定されないが、例え
ば次のようなものがある。
【0042】(第一の電気泳動電極の形態)図4は本実
施の形態のラインヘッド52の内部斜視図であって、図
5は図4のラインヘッド52の側断面図である。図4、
図5の如く共通インク室9後方に板状の電気泳動電極8
を設け、一定の電圧を印加することにより電気泳動電極
8と記録電極2の電位差でインク中の色材粒子が記録電
極2に電気泳動し、記録電極2の近傍に濃縮される。
【0043】(第二の電気泳動電極の形態)図6は本実
施の形態における別の構成例のラインヘッドの内部斜視
図であって、図7は図6のラインヘッド52の側断面図
である。図6、図7の如く共通インク室9の斜面に板状
の電気泳動電極8を設け、一定の電圧を印加することに
より電気泳動電極8と記録電極2の電位差でインク中の
色材粒子が記録電極に電気泳動し、記録電極2の近傍に
濃縮される。
【0044】(第三の電気泳動電極の形態)図8は本実
施の形態における更に別の構成例のラインヘッドの内部
斜視図であって、図9は図8のラインヘッド52の側断
面図である。図8、図9の如く連通孔14の上方に細長
い板状の電気泳動電極8を設け、一定の電圧を印加する
ことにより電気泳動電極8と記録電極2の電位差でイン
ク中の色材粒子が記録電極に電気泳動し、記録電極2の
近傍に濃縮される。
【0045】(第四の電気泳動電極の形態)第四の電気
泳動電極の形態としては、吐出記録電極に隣接する記録
電極を電気泳動電極8として使用することもできる。す
なわち、吐出記録電極の電圧値に対して隣接する記録電
極の電圧値を相対的に高くすれば電位差が発生し、その
結果、色材粒子が吐出記録電極に電気泳動し、記録電極
近傍に濃縮される。
【0046】以上の如く、電気泳動電極の形状には多く
のものがあるが、電気泳動電極の機能はプリパルス信号
により電気泳動電極と記録電極の電位差を利用し色材粒
子を電気泳動させ記録電極近傍に濃縮せしめるものであ
るから、本発明の要旨を逸脱しない範囲で電気泳動電極
の形状、配置及び印加電圧条件等は限定されるものでは
なく、任意に変更することが可能であることは言うまで
もない。
【0047】次に、本実施の形態の静電式インクジェッ
ト記録装置で使用するインクについて説明する。本実施
の形態の静電式インクジェット記録装置に使用するイン
クは、体積抵抗率が高く帯電した色材粒子が分散された
インクを用いることに特徴がある。溶媒としてイソパラ
フィン系炭化水素、シリコンオイル等を用い、樹脂やワ
ックスからなるバインダもしくは表面にカーボンブラッ
クなどの顔料を含有した色材、分散剤、帯電制御剤、分
散助剤等の構成材料から成るインクが用いられている。
【0048】また、高い電気抵抗率を有することが要求
される。この溶媒を使用することにより、インクに印加
された電位差が溶媒を介して色材粒子に到達することが
可能となる。色材粒子を電気泳動させるために、色材粒
子自体を帯電させる必要も生じてくる。色材粒子は、静
電的反発力を利用してインク中から一定のインク滴量を
吐出するため、帯電量が安定していることが要求され
る。具体的には、インクの体積抵抗率が1×109Ωc
m〜1×1012Ωcmで、色材粒子のζ電位の絶対値が
30〜200mVの範囲であるインクを使用している。
【0049】(実施の形態1)本実施の形態の静電式イ
ンクジェットヘッドにおけるインク吐出過程の特徴は、
まず吐出の第一段階としてインクの色材粒子が電気泳動
で吐出位置近傍へ移動し、吐出位置にインクを集めるこ
とである。色材粒子濃度の高いインクは、同極性の色材
粒子を含んでいるので、色材粒子同士の静電的な反発力
が生じている。そして、第二段階として吐出位置より高
濃度の色材粒子を含んだインクが引き出され分裂し、細
かなインク滴となり、対向電極に向かって吐出する。
【0050】本実施の形態ではプリパルス信号と吐出パ
ルス信号からなる記録信号を記録電極に印加する事によ
り上記吐出過程を実現するものである。すなわち、吐出
の第一段階の手段としてプリパルス信号を使用し吐出位
置に高濃度のインクを集め、吐出の第二段階の手段とし
て吐出パルス信号を使用し高濃度のインクを吐出に至ら
しめることを特徴としている。
【0051】次に、本実施の形態におけるインク滴の吐
出の動作を、印加電圧波形図および印字主要部の側断面
図を参照して以下に説明する。図10は実施の形態1に
おける非記録時の印加電圧波形図、図11は実施の形態
1における記録時の印加電圧波形図である。ここで、記
録電極V0、プリパルス信号V3、吐出パルス信号V4
の関係はV4>V0>V3としている。また、プリパル
ス信号V3、電気泳動電極V1、吐出パルス信号V4の
関係はV4>V1>V3としている。そして、対向電極
にはV2を印可している。なお、プリパルス信号は、記
録電極近傍へ色材粒子の電気泳動を促し、濃縮させるだ
けであり、インクを吐出する機能は持たないようにす
る。
【0052】図12〜図15は、実施の形態1における
インクジェット記録装置のインク吐出動作を示す図であ
って、記録電極の先端付近の側断面図と上断面図であ
る。電気泳動電極の位置や形状等は限定されるものでは
ないが、吐出の動作の説明では連通孔の上方に細長い板
状の電気泳動電極を設けた場合で説明する。
【0053】図10は非記録時であって、対向電極16
には電圧V2そして電気泳動電極8には電圧V1の一定
のDC電圧が印加されている。この状態においては、図
12の如くメニスカス5はインク吐出孔4において記録
電極2の先端形状に沿って緩やかに飛び出したように形
成される。
【0054】記録時には、記録電極2にプリパルス電圧
V3を印加し電気泳動電極8の電圧V1と記録電極2の
電位差を大きくし、帯電した色材粒子10を記録電極2
の方向へ電気泳動させる。すると、高濃度の色材粒子1
0が記録電極2近傍に集中する。そして、図13の如く
メニスカス5は色材粒子10の集中により幾分膨らんだ
形状になる。
【0055】しかし、色材粒子10を集めてもプリパル
ス電圧の記録電極2と対向電極16間の電位差では吐出
に至らない状態となっている。更に、記録電極ドライバ
により記録電極2に吐出パルス信号V4が印加され、記
録電極2と対向電極16間の電位差が大きくなると記録
電極2の先端に電位差が集中する。電位差が集中した記
録電極2先端は、図14の如く、高濃度のインク中の色
材粒子10と少量の溶媒で構成されたメニスカス5の変
形が対向電極16方向に向かって始まる。更に、静電力
によりメニスカス5がインク滴状に形成され、対向電極
16に向かい成長していく。ついには図15の如くメニ
スカス5からインク滴17が分離され、インク滴17は
吐出する。同時に吐出パルス印加中は、吐出パルス信号
V4と電気泳動電極8の電圧V1の電位差は逆転し、吐
出に至らなかった余剰の色材粒子10を記録電極2から
電気泳動電極8の方向へ電気泳動させる。その結果、吐
出パルス終了時には記録電極2先端及び近傍には色材粒
子10が極めて低濃度の状態となっている。記録信号電
圧が切られると、吐出したインク滴17は対向電極16
との間に配置された記録用紙15に付着する。最後に、
定着器(図示せず)により記録用紙15上のインクは加
熱定着され、記録用紙15への記録が行われる。所望の
インク滴17の吐出が終わると、共通インク室9内の色
材粒子10はインク吐出孔4方向に移動することにより
記録電極2近傍の付近に色材粒子10が補給され、図1
2の如く記録電極2のメニスカス5はインク吐出前の初
期状態と同じくインク吐出孔4において記録電極2の先
端形状に沿って緩やかに飛び出したように形成される。
そして、以後は以上説明したインク吐出の動作が繰り返
され、継続して記録が行われる。
【0056】(実施の形態1の具体例1)具体例1とし
て、電気泳動電極は図8、図9に示した第三の電気泳動
電極の形態の場合のラインヘッドを使用した場合を説明
する。非記録時と記録時の印加電圧の具体的な例を示す
(以下、カッコ内は具体的数値であるが、本発明はこの
数値に限定されない。)。
【0057】(1)非記録時 記録電極・・・常時V0(500V) 電気泳動電極・・・常時V1(800V) 対向電極・・・常時V2(−500V) (2)記録時 記録電極・・・プリパルス信号V3(0V)、吐出パル
ス信号V4(1kV) 電気泳動電極・・・常時V1(500V) 対向電極・・・常時V2(−500V) 本具体例の効果を従来の技術と比較して印字結果で示し
た。印字評価は記録用紙上に印字されたドットの均一性
と誤ドットの発生確率を調べた。なお、従来の技術とは
プリパルス信号のない場合であり、プリパルス時間の間
には吐出パルス信号を印加し複数のインク滴を吐出させ
印字を行っている。
【0058】 (従来の技術) (本具体例) ドット径 φ50±10μm φ50±2μm 誤ドット率 0.1% 0.01% 印字結果より、本具体例によれば各記録電極でのドット
径バラツキが小さくなり、誤ドットも確実に少なくでき
るので、高画質な印字ができることが確認された。
【0059】(実施の形態1の具体例2)本具体例にお
いては、電気泳動電極として第四の電気泳動電極の形態
の場合のラインヘッドを使用した場合を説明する。非記
録時と記録時の印加電圧の具体的な例を示す(以下、カ
ッコ内は具体的数値であるが、本発明はこの数値に限定
されない。)。
【0060】(1)非記録時 吐出記録電極・・・常時V0(500V) 隣接記録電極・・・常時V1(500V) 対向電極 ・・・常時V2(−500V) (2)記録時 吐出記録電極・・・プリパルス信号V3(0V)、吐出
パルス信号V4(1kV) 隣接記録電極・・・常時V1(500V) 対向電極 ・・・常時V2(−500V) 本具体例の効果を従来の技術と比較して印字結果で示し
た。印字評価は記録用紙上に印字されたドットの均一性
と誤ドットの発生確率を調べた。なお、従来の技術とは
プリパルス信号のない場合であり、プリパルス時間の間
には吐出パルス信号を印加し複数のインク滴を吐出させ
印字を行っている。
【0061】 (従来の技術) (本具体例) ドット径 φ50±10μm φ50±2.5μm 誤ドット率 0.1% 0.01% 印字結果より、本具体例によれば各記録電極でのドット
径バラツキが小さくなり、誤ドットも確実に少なくでき
るので、高画質な印字ができることが確認された。
【0062】(実施の形態1の具体例3)本具体例にお
いては、電気泳動電極として第三と第四の電気泳動電極
の形態を併用して持つラインヘッドを使用した場合を説
明する。
【0063】非記録時と記録時の印加電圧の状態の一例
を示す。
【0064】(1)非記録時 吐出記録電極・・・常時V0(500V) 隣接記録電極・・・常時V1(500V) 電気泳動電極・・・常時V1(800V) 対向電極 ・・・常時V2(−500V) (2)記録時 吐出記録電極・・・プリパルス信号V3(0V)、吐出
パルス信号V4(1kV) 隣接記録電極・・・常時V1(500V) 電気泳動電極・・・常時V1(800V) 対向電極 ・・・常時V2(−500V) 本具体例の効果を従来の技術と比較して印字結果で示し
た。印字評価は記録用紙上に印字されたドットの均一性
と誤ドットの発生確率を調べた。なお、従来の技術とは
プリパルス信号のない場合であり、プリパルス時間の間
には吐出パルス信号を印加し複数のインク滴を吐出させ
印字を行っている。
【0065】 (従来の技術) (本具体例) ドット径 φ50±10μm φ50±1.5μm 誤ドット率 0.1% 0.005% 印字結果より、本具体例によれば各記録電極でのドット
径バラツキが小さくなり、誤ドットも確実に少なくでき
るので、高画質な印字ができることが確認された。
【0066】以上、インク滴を吐出する方法として、各
形状の泳動電極の形態を持つラインヘッドや、吐出のた
めの電圧制御方法を挙げたが、これらの方法はいずれか
一方法だけを用いるようにしても、幾つかの方法を組み
合わせてインク滴を吐出するようにしてもよい。
【0067】また、本発明の要旨はプリパルス信号手段
により色材粒子の量を濃縮して、吐出パルス信号手段に
よりインク滴を吐出することで高画質の印字を実現する
ものであるから、その要旨を逸脱しない範囲においてプ
リパルス信号の駆動条件や泳動電極の形態等は特に限定
されないことは言うまでもない。
【0068】(実施の形態2)ところで、実施の形態1
では、色材粒子を記録電極近傍に確実に集め、吐出する
ことにより安定印字を行うようにしたが、これにインク
滴のサイズを変調する方法を組み合わせて用いることも
できる。すなわち、記録電極にプリパルス信号を印加
し、そのパルス幅、パルス数、パルスピーク値等を可変
することによって、プリパルス信号による記録電極近傍
の色材粒子量が変化させることができる。その結果、イ
ンク滴のサイズを変調することができるので、階調幅の
広い階調記録が可能となる。
【0069】記録電極に与える記録信号については、ド
ット径の大小に応じて可変するプリパルス信号を印加し
た後、吐出パルス信号を印加する。なお、本実施の形態
では、吐出パルス信号は一定のパルス幅と電圧値を持つ
信号としている。
【0070】(実施の形態2の具体例1)プリパルス信
号の印加方法の具体的な例を図に示す。図16は実施の
形態2の具体例1におけるプリパルス信号の印加方法を
示した図である。図16は、プリパルス信号としてパル
ス幅で印加する方法を示している。図16に示すよう
に、大ドットを印字するときはプリパルス幅を長くし、
小ドットを印字するときはプリパルス信号のパルス幅を
短くする。この方法において、プリパルス信号の終了時
間と吐出パルス信号の開始時間との差は常に均一になる
ように固定し、プリパルス信号の開始時間を変化させて
パルス幅を変化させるようにする。以上のように印加さ
れるプリパルス信号は、記録電極近傍に存在する顔料の
電気泳動を促し濃縮させるだけであり、インク滴を吐出
する機能は持たないようにする。そして、吐出パルス信
号が印加された時に一定量のインク滴が記録電極先端か
ら吐出する。
【0071】一例として、本具体例の効果を従来の技術
と比較して印字結果で示した。印字評価は記録用紙上に
印字されたドットの階調幅と階調分解能を調べた。な
お、従来の技術とはプリパルス信号のない場合であり、
プリパルス時間の間には吐出パルス信号を印加し複数の
インク滴を吐出させ階調印字を行っている。
【0072】 (従来の技術) (本具体例) 階調幅 φ40〜60μm φ10〜100μm 階調分解能 3階調 16階調 印字結果より、本具体例によれば階調幅と階調分解能と
も飛躍的に向上し、ドットの大きさの異なる階調印字が
安定して再現でき、各記録電極でのドット径バラツキも
小さくできるので、高画質と高速印刷が両立できること
も確認された。
【0073】(実施の形態2の具体例2)図17は、実
施の形態2の具体例2におけるプリパルス信号の印加方
法を示した図を示している。図17に示すように、大ド
ットを印字するときはプリパルス信号のパルス数を多く
し、小ドットを印字するときはプリパルス信号のパルス
数を少なくする。。
【0074】一例として、本具体例の効果を従来の技術
と比較して印字結果で示した。印字評価は記録用紙上に
印字されたドットの階調幅と階調分解能を調べた。な
お、従来の技術とはプリパルス信号のない場合であり、
プリパルス時間の間には吐出パルス信号を印加し複数の
インク滴を吐出させ階調印字を行っている。
【0075】 (従来の技術) (本具体例) 階調幅 φ40〜60μm φ10〜100μm 階調分解能 3階調 16階調 印字結果より、本具体例によれば階調幅と階調分解能と
も飛躍的に向上し、ドットの大きさの異なる階調印字が
安定して再現でき、各記録電極でのドット径バラツキも
小さくできるので、高画質と高速印刷が両立できること
が確認された。
【0076】(実施の形態2の具体例3)図18は、実
施の形態2の具体例3におけるプリパルス信号の印加方
法を示した図を示している。この方法では図18に示す
ように、大ドットを印字するときはプリパルス信号の電
圧を大きくし、小ドットを印字するときはプリパルス信
号の電圧を小さくする。
【0077】一例として、本具体例の効果を従来の技術
と比較して印字結果で示した。印字評価は記録用紙上に
印字されたドットの階調幅と階調分解能を調べた。な
お、従来の技術とはプリパルス信号のない場合であり、
プリパルス時間の間には吐出パルス信号を印加し複数の
インク滴を吐出させ階調印字を行っている。
【0078】 (従来の技術) (本具体例) 階調幅 φ40〜60μm φ30〜90μm 階調分解能 3階調 16階調 印字結果より、本具体例によれば階調幅と階調分解能と
も飛躍的に向上し、ドットの大きさの異なる階調印字が
安定して再現でき、各記録電極でのドット径バラツキも
小さくできるので、高画質と高速印刷が両立できること
が確認された。
【0079】(実施の形態2の具体例4)図19は、実
施の形態2の具体例4におけるプリパルス信号の印加方
法を示した図を示している。この方法では、プリパルス
信号の終了から吐出パルス信号の開始までの時間が長く
なればなるほど、記録電極の近傍の色材粒子が拡散して
いき記録電極近傍の色材粒子濃度が低下することなる。
そこで図19に示すように、大ドットを印字するときは
プリパルス信号の終了から吐出パルス信号の開始までの
時間を短くし、小ドットを印字するときはプリパルス信
号の終了から吐出パルス信号の開始までの時間を長くす
る。
【0080】一例として、本具体例の効果を従来の技術
と比較して印字結果で示した。印字評価は記録用紙上に
印字されたドットの階調幅と階調分解能を調べた。な
お、従来の技術とはプリパルス信号のない場合であり、
プリパルス時間の間には吐出パルス信号を印加し複数の
インク滴を吐出させ階調印字を行っている。
【0081】 (従来の技術) (本具体例) 階調幅 φ40〜60μm φ20〜90μm 階調分解能 3階調 16階調 印字結果より、本具体例によれば階調幅と階調分解能と
も飛躍的に向上し、ドットの大きさの異なる階調印字が
安定して再現でき、各記録電極でのドット径バラツキも
小さくできるので、高画質と高速印刷が両立できること
が確認された。
【0082】以上、吐出するインク滴量の大小を制御す
る方法として、プリパルス信号のパルス幅を可変する方
法、プリパルス信号のパルス数を可変とする方法、プリ
パルス信号の電圧の大きさを可変とする方法、及びプリ
パルス信号と吐出パルス信号の間隔を可変とする方法を
挙げたが、これらの方法は、いずれか一方法だけを用い
てインク滴量の大小を制御するようにしても、幾つかの
方法を組み合わせてインク滴量の大小を制御するように
してもよい。
【0083】また、本実施の形態ではプリパルス信号の
パルス幅、パルス数、パルスピーク値及びプリパルス信
号と吐出パルス信号の時間間隔を可変したが、本発明の
要旨はプリパルス信号手段により色材粒子の量を可変し
てインク滴を吐出することで階調印字を実現するもので
あるから、その要旨を逸脱しない範囲においてプリパル
ス信号の駆動条件は特に限定されないことは言うまでも
ない。
【0084】(実施の形態3)実施の形態2では、イン
ク滴のサイズを変調する方法をプリパルス信号による記
録電極の色材粒子量で変化させた。すなわち、プリパル
ス信号のパルス幅、パルス数、パルスピーク値等を変化
させることで、インク滴のサイズを変調することによ
り、階調幅の広い階調記録が可能となった。
【0085】ここでは、更に階調幅の広い階調記録を実
現するために、プリパルス信号だけでなく吐出パルス信
号をも可変することによりこれを実現するものである。
すなわち、吐出パルス信号を印加し、そのパルス幅、パ
ルスピーク値等を可変することにより行う。なお、プリ
パルス信号は記録電極近傍へ色材粒子の電気泳動を促
し、濃縮させるだけであり、インクを吐出する機能は持
たないようにする。そして、吐出パルス信号が印加され
た時に、一定量のインクが記録電極先端から吐出する。
ところが、吐出パルス信号を可変すると次のような現象
が起こる。吐出パルス信号印加時は電気泳動電極や隣接
記録電極に比較して吐出記録電極は高電圧となっている
ために、吐出に至らなかった記録電極近傍の色材粒子は
逆に電気泳動電極や隣接記録電極に向かって電気泳動し
ていく。しかし、吐出パルス信号を可変する事により、
吐出に至らなかった色材粒子を吐出に至らしめることが
できる。逆に、吐出パルス信号を可変する事により、吐
出に至る色材粒子を吐出に至らしめないようにすること
もできる。その結果、階調幅の広い階調記録が可能とな
るのである。
【0086】(実施の形態3の具体例1)記録信号の印
加方法の具体的な例を図20に示す。図20はプリパル
ス幅と吐出パルス幅で印加する方法を示している。この
方法では図20に示すように、大ドットを印字するとき
はプリパルス幅と吐出パルス幅を長くし、小ドットを印
字するときはプリパルス幅と吐出パルス幅を短くする。
この方法において、プリパルス信号の終了時間と吐出パ
ルス信号の開始時間との差は、常に均一になるように固
定している。プリパルス幅と吐出パルス幅とを可変する
ことで更に分解能が高く、階調幅が広い階調を実現でき
る。
【0087】一例として、本具体例の効果を従来の技術
と比較して印字結果で示した。印字評価は記録用紙上に
印字されたドットの階調幅と階調分解能を調べた。な
お、従来の技術とはプリパルス信号のない場合であり、
プリパルス時間の間には吐出パルス信号を印加し複数の
インク滴を吐出させ階調印字を行っている。
【0088】 (従来の技術) (本具体例) 階調幅 φ40〜60μm φ10〜100μm 階調分解能 3階調 24階調 印字結果より、本具体例によれば階調幅と階調分解能と
も飛躍的に向上し、ドットの大きさの異なる階調印字が
安定して再現でき、各記録電極でのドット径バラツキも
小さくできるので、高画質と高速印刷が両立できること
が確認された。
【0089】(実施の形態3の具体例2)図21は記録
信号として、プリパルス信号として一定の大きさの電圧
で印加し、吐出パルス信号として一定の大きさの電圧で
印加する方法を示している。この方法では図21に示す
ように、大ドットを印字するときはプリパルス信号と吐
出パルス信号の電圧を大きくし、小ドットを印字すると
きはプリパルス信号と吐出パルス信号の電圧を小さくす
る。
【0090】この方法においては、プリパルス信号の終
了時間と吐出パルス信号の開始時間との差は常に均一に
なるように固定している。
【0091】一例として、本具体例の効果を従来の技術
と比較して印字結果で示した。印字評価は記録用紙上に
印字されたドットの階調幅と階調分解能を調べた。な
お、従来の技術とはプリパルス信号のない場合であり、
プリパルス時間の間には吐出パルス信号を印加し複数の
インク滴を吐出させ階調印字を行っている。
【0092】 (従来の技術) (本具体例) 階調幅 φ40〜60μm φ15〜110μm 階調分解能 3階調 24階調 印字結果より、本具体例によれば階調幅と階調分解能と
も飛躍的に向上し、ドットの大きさの異なる階調印字が
安定して再現でき、各記録電極でのドット径バラツキも
小さくできるので、高画質と高速印刷が両立できること
が確認された。
【0093】以上、吐出するインク滴量の大小を制御す
る方法として、プリパルス信号と吐出パルス信号のパル
ス幅とパルス電圧を可変する方法を挙げたが、これらの
方法はいずれか一方法だけを用いてインク滴量の大小を
制御するようにしても、幾つかの方法を組み合わせてイ
ンク滴量の大小を制御するようにしてもよい。
【0094】また、本発明の要旨はプリパルス信号と吐
出パルス信号手段により色材粒子の量を可変してインク
滴を吐出することで階調印字を実現するものであるか
ら、その要旨を逸脱しない範囲においてプリパルス信号
と吐出パルス信号の駆動条件は特に限定されないことは
言うまでもない。
【0095】(実施の形態4)ところで、実施の形態2
〜3では、階調幅の広い階調記録を実現するために、プ
リパルス信号若しくはプリパルス信号と吐出パルス信号
を可変することによりこれを実現した。更に、インク滴
の記録用紙上で重ね印字する方法を組み合わせて階調印
字することもできる。すなわち、一印字周期内で2滴以
上のインク滴を吐出し、重ね印字を行い、且つ各々のイ
ンク滴のサイズは実施の形態2〜3と同様の手段で変調
することにより、階調幅の広く階調分解能の高い階調記
録が可能となる。
【0096】(実施の形態4の具体例1)記録信号の印
加方法の具体的な例を図に示す。図22は本実施の形態
の記録信号の印加方法を示した図である。図22におい
ては、一印字周期内において吐出するインク液適数は2
滴の場合で示した。図22は、実施の形態4の具体例1
における記録信号の印加方法を示した図を示している。
図22に示すように、大ドットを印字するときはプリパ
ルス幅と吐出パルス幅を長くし、小ドットを印字すると
きはプリパルス幅と吐出パルス幅を短くする。この方法
において、プリパルス信号の終了時間と吐出パルス信号
の開始時間との差は常に一定になるように固定し、プリ
パルス信号の開始時間を変化させてパルス幅を変化させ
るようにする。なお、以上のように印加されるプリパル
ス信号は、記録電極近傍に存在する色材粒子の電気泳動
を促し濃縮させるだけであり、インクを吐出する機能は
持たないようにする。そして、吐出パルス信号が印加さ
れた時に一定量のインクが記録電極先端から吐出する。
一例として、本実施の形態の効果を従来の技術と比較し
て印字結果で示した。印字評価は記録用紙上に印字され
たドットの階調幅と階調分解能を調べた。
【0097】 (従来の技術) (本具体例) 階調幅 φ40〜60μm φ10〜120μm 階調分解能 3階調 32階調 印字結果より、本具体例によれば階調幅と階調分解能と
も飛躍的に向上し、ドットの大きさの異なる階調印字が
安定して再現でき、各記録電極でのドット径バラツキも
小さくなるために、高画質の印字が確認された。更に、
少数滴の重ね印字で階調印字ができるので、高画質と高
速印字が両立できることも確認された。
【0098】(実施の形態4の具体例2)図23は実施
の形態4の具体例2における記録信号の印加方法を示し
た図である。図23においても、一印字周期内において
吐出するインク液適数は2滴の場合で示した。図23
は、プリパルス信号としてパルス幅の短いパルス電圧を
一定の数だけ印加し、吐出パルス信号はパルス電圧の大
小で印加する方法を示している。図23に示すように、
大ドットを印字するときはプリパルス数を多くし吐出パ
ルス電圧を大きくする。小ドットを印字するときはプリ
パルス数を少なくし吐出パルス電圧を小さくする。この
方法において、プリパルス信号の終了時間と吐出パルス
信号の開始時間との差は常に一定になるように固定し、
プリパルス信号の開始時間を変化させてパルス幅を変化
させるようにする。なお、以上のように印加されるプリ
パルス信号は、記録電極近傍に存在する色材粒子の電気
泳動を促し濃縮させるだけであり、インクを吐出する機
能は持たないようにする。そして、吐出パルス信号が印
加された時に一定量のインクが記録電極先端から吐出す
る。一例として、本具体例の効果を従来の技術と比較し
て印字結果で示した。印字評価は記録用紙上に印字され
たドットの階調幅と階調分解能を調べた。
【0099】 (従来の技術) (本具体例) 階調幅 φ40〜60μm φ10〜120μm 階調分解能 3階調 32階調 印字結果より、本具体例によれば階調幅と階調分解能と
も飛躍的に向上し、ドットの大きさの異なる階調印字が
安定して再現でき、各記録電極でのドット径バラツキも
小さくなるために、高画質の印字が確認された。更に、
少数滴の重ね印字で階調印字ができるので、高画質と高
速印刷が両立できることも確認された。
【0100】なお、本実施の形態1〜4について、イン
クは正に帯電している色材粒子の場合について説明した
が、負に帯電している色材粒子のインクでも、この場合
は吐出条件の設定電圧の極性を逆にすれば良く、本発明
の要旨を逸脱することなく、本発明の目的を実現できる
ことは言うまでもない。
【0101】以上より、本実施の形態1によれば、プリ
パルス信号で色材粒子を集め、吐出パルス信号で色材濃
度の高いインクを吐出が可能なために、バラツキの発生
がなく記録媒体上に印字されたドットは均一で誤ドット
の発生も少なくなるので、その結果、高画質の静電式イ
ンクジェット記録装置を実現できる。
【0102】また、本実施の形態2によれば、階調印字
を複数のインク滴を重ね印字して行うのではなく、プリ
パルス信号を可変しインク滴の体積を可変して吐出する
ことにより一滴の吐出で階調印字ができるので、その結
果、高画質と高速印刷が両立できる静電式インクジェッ
ト記録装置を提供できる。
【0103】さらに、本実施の形態3によれば、階調印
字を複数のインク滴を重ね印字して行うのではなく、プ
リパルス信号と吐出パルス信号を可変しインク滴の体積
を可変して吐出することにより一滴の吐出で階調印字が
できるので、その結果、高画質と高速印刷が両立できる
静電式インクジェット記録装置を提供できる。
【0104】最後に、本実施の形態4によれば、一滴の
階調をプリパルス信号と吐出パルス信号からなる記録信
号を使用し、更に一印字周期内で複数のドットを重ね印
字する事で階調印字を行うものである。一滴で階調印字
が可能であり、且つ重ね印字をすれば更に階調幅が広く
階調分解能の高い印字が実現できる。また、少数滴の重
ね印字で高画質を実現できるので、高画質と高速印刷が
両立できる静電式インクジェット記録装置を提供でき
る。
【0105】
【発明の効果】本発明によれば、プリパルス信号で記録
電極に所定の色材粒子を記録電極に集め、吐出パルス信
号で安定した吐出を行い且つ吐出に至らなかった色材粒
子の攪拌を行うので、安定した吐出と色材粒子の吐出切
れが向上し、吐出する色材粒子のバラツキが抑制され
る。よって、記録媒体に印字されたドットは均一なもの
となり、高画像な画像を提供できるインクジェット記録
装置が可能となる。
【0106】また、本発明によれば、印字対象のドット
の大きさに対応するように、インク滴量を正確にコント
ロールして吐出することができ、階調印字を精度良く制
御することができる。したがって、多くの階調印字を精
度良く行うことが可能となり、中間調を含むような画像
であっても、非常に美しく印刷することが可能となる。
【0107】更に、インク滴の大きさを変調して階調印
字を行うので、従来の多滴印字とは異なり、高画質と高
速印刷の両立が可能となる。従って、本発明によれば高
画質の静電式インクジェット記録装置を提供し、しかも
同時に高速印刷をも満足できる静電式インクジェット記
録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の静電式インクジェット記録装置の内部
構造を示す概略図
【図2】本実施の形態の記録ユニットを示す図
【図3】本実施の形態のラインヘッドを印字主要部とな
る記録電極の近傍の拡大図とともに示す斜視図
【図4】本実施の形態のラインヘッドの内部斜視図
【図5】図4のラインヘッドの側断面図
【図6】本実施の形態における別の構成例のラインヘッ
ドの内部斜視図
【図7】図6のラインヘッドの側断面図
【図8】本実施の形態における更に別の構成例のライン
ヘッドの内部斜視図
【図9】図8のラインヘッドの側断面図
【図10】実施の形態1における非記録時の印加電圧波
形図
【図11】実施の形態1における記録時の印加電圧波形
【図12】実施の形態1におけるインクジェット記録装
置のインク吐出動作を示す図
【図13】実施の形態1におけるインクジェット記録装
置のインク吐出動作を示す図
【図14】実施の形態1におけるインクジェット記録装
置のインク吐出動作を示す図
【図15】実施の形態1におけるインクジェット記録装
置のインク吐出動作を示す図
【図16】実施の形態2の具体例1におけるプリパルス
信号の印加方法を示した図
【図17】実施の形態2の具体例2におけるプリパルス
信号の印加方法を示した図
【図18】実施の形態2の具体例3におけるプリパルス
信号の印加方法を示した図
【図19】実施の形態2の具体例4におけるプリパルス
信号の印加方法を示した図
【図20】実施の形態3の具体例1におけるプリパルス
信号の印加方法を示した図
【図21】実施の形態3の具体例2におけるプリパルス
信号の印加方法を示した図
【図22】実施の形態4の具体例1における記録信号の
印加方法を示した図
【図23】実施の形態4の具体例2における記録信号の
印加方法を示した図
【図24】従来のインクジェット記録装置の印字部の構
成を示す斜視図
【図25】従来のインクジェット記録装置の印字主要部
の側断面図
【図26】従来のインクジェット記録装置の非記録時の
印加電圧波形図
【図27】従来のインクジェット記録装置の記録時の印
加電圧波形図
【図28】従来のインクジェット記録装置のインク吐出
動作を示す図
【図29】従来のインクジェット記録装置のインク吐出
動作を示す図
【図30】従来のインクジェット記録装置のインク吐出
動作を示す図
【図31】従来のインクジェット記録装置のインク吐出
動作を示す図
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 記録電極 3 インク 4 インク吐出孔 5 メニスカス 6 リード線 7 タブ配線基板 8 電気泳動電極 9 共通インク室 10 色材粒子 12 下部筐体 13 上部筐体 14 連通孔 15 記録用紙 16 対向電極 17 インク滴 20 静電式インクジェット記録装置 30 給紙部 31 記録用紙 32 用紙カセット 33 カセットガイド 40 搬送部 41 ピックアップローラ 42 回転ベルト 50 記録ユニット 51 記録ヘッド 52 ラインヘッド 53 定濃度インクタンク 54 高濃度インクタンク 55 共通インク室 56 供給パイプ 57 回収パイプ 58 ポンプ 60 定着器 61 加熱ローラ 62 加圧ローラ 70 排紙口 71 排紙トレイ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯電した色材粒子を絶縁性溶媒に分散して
    なるインクを保持するインクタンクと、前記インクタン
    クと一体連結され吐出開口部を有するインク吐出孔と、
    前記色材粒子及び絶縁性溶媒を前記インク吐出孔から吐
    出する記録電極と、前記記録電極に前記色材粒子を濃縮
    または攪拌する機能を持つ電気泳動電極とを備えた静電
    式インクジェット記録装置であって、インク滴の一吐出
    あたり、インク滴を吐出に至らしめないプリパルス信号
    とインク滴を吐出に至らしめる吐出パルス信号からなる
    記録信号を前記記録電極に印加することを特徴とする静
    電式インクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】前記プリパルス信号を可変することにより
    インク滴量を可変させ吐出することを特徴とする請求項
    1記載の静電式インクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】前記プリパルス信号と吐出パルス信号を可
    変することによりインク滴量を可変させ吐出することを
    特徴とする請求項1記載の静電式インクジェット記録装
    置。
  4. 【請求項4】帯電した色材粒子を絶縁性溶媒に分散して
    なるインクを保持するインクタンクと、前記インクタン
    クと一体連結され吐出開口部を有するインク吐出孔と、
    前記色材粒子及び絶縁性溶媒を前記インク吐出孔から吐
    出する記録電極と、前記記録電極に前記色材粒子を濃縮
    または攪拌する機能を持つ電気泳動電極とを備えた静電
    式インクジェット記録装置であって、記録信号を可変す
    ることによりインク滴量を可変し印字するとともに、且
    つ複数のドットを重ね印字することで階調印字すること
    を特徴とする静電式インクジェット記録装置。
JP11153288A 1999-06-01 1999-06-01 静電式インクジェット記録装置 Pending JP2000334960A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005017352A (ja) * 2003-06-23 2005-01-20 Fuji Photo Film Co Ltd フレキソ印刷版の製版方法
JP2015093428A (ja) * 2013-11-12 2015-05-18 セイコーエプソン株式会社 記録装置
JP2019018519A (ja) * 2017-07-21 2019-02-07 株式会社ピーエムティー インクジェット印刷装置及びインクジェット吐出制御方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005017352A (ja) * 2003-06-23 2005-01-20 Fuji Photo Film Co Ltd フレキソ印刷版の製版方法
JP2015093428A (ja) * 2013-11-12 2015-05-18 セイコーエプソン株式会社 記録装置
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