JP2005017352A - フレキソ印刷版の製版方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】PET等の可撓性支持体上に備えられた感光性樹脂層の上にリスフィルムを画像マスクとして使用し、UV光で全面爆光してフレキソ印刷版を得る所謂「アナログ型フレキソ印刷版」をそのまま使用して、コンピューターから画像情報を直接出力できるリスフィルム不使用の「デジタル型フレキソ印刷版」に変換することができる製版方法を提供すること。
【解決手段】支持体上に設けられた感光性樹脂層上に静電式インクジェット法により、露光する光を吸収又は反射する着色粒子を含む油性インクを吐出して画像マスクを形成した後、該画像マスクを介して該感光性樹脂層を露光し、現像することを特徴とするフレキソ印刷版の製版方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレキソ印刷版の製版方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今ではコンピューターによる画像処理及び各種高出力レーザーの急速な進歩により、印刷版のCTP(コンピューターtoプレート)化が急速に進んでいる。フレキソグラフ印刷版(本発明において、「フレキソ印刷版」と略称する。)においては、高出力のIRレーザーを用いて画像様にマスクを形成した後、UV全面露光及び現像によりフレキソ印刷版を得るフレキソCTPシステムが提案されている。
しかし、現状のフレキソCTPはUV全面露光からのマスク形成以後の工程は従来からのフレキソ版システムと変わっておらず、CTP化の大目的である生産性向上に対しては十分ではない。
一方、市販されているフレキソCTP版はポリエチレンテレフタレート(PET)等の可撓性支持体上に設けられた感光性樹脂(「コンベフレキソ版」ともいう。)上にさらにIRレーザーに感応しマスクを形成するIR感応層が設けられており、重層構成を採る複雑な感材となっており、コンベフレキソ版に比較し高価なものである。また、提案されているこのシステムは寿命の短い高価な高出力レーザーを利用していること、マスク形成時に除去されたIR感応層が廃棄物として出るといった問題等がある。
特許文献1には感光性樹脂層を有する印刷版上に水系インク画像を付与した後、露光し、水系現像剤で現像してレリーフ像を製造する方法が開示されている。また、特許文献2には透明なトップコート層を感光性記録層上に有し、インクジェットプリンターにより該トップコート層上に画像マスクを形成して製版する版材が開示されている。特許文献3にはシリンダ状の版材上にインクジェットマスクを形成し、露光・現像を行うことによるシームレスフレキソ版の製版方法が開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭63−109052号公報
【特許文献2】
独国特許出願公開第417127号明細書
【特許文献3】
特開平6−166162号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、PET等の可撓性支持体上に備えられた感光性樹脂層の上にリスフィルムを画像マスクとして使用し、UV光で全面爆光してフレキソ印刷版を得る所謂「アナログ型フレキソ印刷版(コンベフレキソ版)」をコンピューターから画像情報を直接出力できるリスフィルム不使用の「デジタル型フレキソ印刷版(フレキソCTP)」に変換することができるシステム及び製版方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下の手段により解決された。
(1)支持体上に設けられた感光性樹脂層上に静電式インクジェット法により、露光する光を吸収又は反射する着色粒子を含む油性インクを吐出して画像マスクを形成した後、該画像マスクを介して該感光性樹脂層を露光し、現像することを特徴とするフレキソ印刷版の製版方法、
(2)該油性インクが顔料を含有する帯電粒子を絶縁性有機溶媒中に分散したものである(1)に記載の製版方法、
(3)該顔料が高抵抗カーボンブラックである(2)に記載の製版方法、
(4)感光性樹脂層上に画像マスクを形成する際に、吐出される油性インクを複数回重ねて着弾させる(1)から(3)いずれか1つに記載の製版方法、
(5)支持体上に設けられた感光性樹脂層の表面抵抗が1×1010Ω/□以上である感光性樹脂層上に静電式インクジェット法により露光する光を吸収又は反射する着色粒子を含む油性インクを吐出して画像マスクを形成した後、露光し、現像することを特徴とするフレキソ印刷版の製版方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明における画像マスク形成工程について、以下図面を参照しながら説明する。
図1は本発明に用いる静電式インクジェット装置の一例を示す模式的断面図である。
本装置では、フレキソ版(フレキソ原版)の支持体上に設けられた感光性樹脂層上に直接静電式インクジェット法により、露光する光(200〜500nmの光)を吸収又は反射する着色粒子を含む油性インクを吐出して画像マスクを形成することを特徴とする。
【0007】
図1に示される静電式インクジェット装置1は、吐出ヘッド10、吐出ヘッド10にインクを供給するインクタンク12、図示されないコンピュータ等の外部機器からの画像信号により吐出ヘッド10を駆動させるヘッド駆動ドライバ14を備えている。また静電式インクジェット装置1は、フレキソ版の表面を帯電させるための帯電器16、及びマスク画像形成終了後にフレキソ版の帯電を除去するための除電器18を備える。吐出ヘッド10の上流、下流にはそれぞれ、フレキソ版をフレキソ版ストッカー26から背面電極59に供給するフィードローラ20、マスク画像形成後のフレキソ版にインクを定着させると共にマスク形成済フレキソ版ストッカー28に搬送する搬送ローラ22及び画像定着ローラ24が配置されている。画像定着ローラ24はマスク画像を形成するインク中の溶媒を揮発させてフレキソ版にインクを定着させる。定着手段としては、加熱定着、溶媒定着、フラッシュ露光定着などの公知の手段を単独、あるいは組み合わせて使用することができる。また静電式インクジェット装置1の内部には、油性インクから揮発する溶媒蒸気を回収するための溶剤回収手段30が配置され、装置内部の溶剤蒸気は該回収手段により回収され、装置外部には脱溶剤された空気が排出される。
【0008】
図2は図1における吐出ヘッド10の周囲の構造を詳細に示す模式的な断面図である。
吐出ヘッド10は、一定方向にインクが流れるインク室34と、インクをフレキソ版32へ向けて吐出する吐出部36を有する。吐出部36には、インク室34から飛翔するインク滴80をフレキソ版32へ向けて案内する絶縁性インクガイド38が設けられている。絶縁性インクガイド38と背面電極59上に静電吸着されたフレキソ版32とのギャップdは約200μm〜約1,000μmであることが好ましい。吐出部36の周囲には、第一吐出電極50及び第二吐出電極52が設けられ、画像信号に従って電圧が印加される。
ガード電極54は、第1吐出電極50や第2吐出電極52に印加された電圧によって隣接する吐出部36に電界上の影響が生じることを防止するために設けられている。
インク室上部には泳動電極56が設置されており、これに所定の電圧を印加することにより、絶縁性インクガイド38の吐出位置方向へのインク中の荷電粒子の電気泳動を制御でき、吐出の応答性を向上することができる。
第二吐出電極52の上部にはシールド電極58が設置される。シールド電極58に電圧を印加することにより、インク中の帯電粒子をインク室34下部に偏在させ、飛翔するインク滴80中の帯電粒子濃度を高くすることができる。
【0009】
図1において、フィードローラ20は公知のローラが使用でき、未処理のフレキソ版をストッカーからマスク画像形成位置に搬送することができるように配置される。未処理のフレキソ版は表面にカバーシートを有していることがあり、該カバーシートを付けたまま吐出ヘッドによるマスク形成を行っても良いし、カバーシートの剥離手段を静電式インクジェット装置内に設け、剥離後に吐出ヘッドによるマスク形成を行っても良い。またフレキソ版上には埃等が付着していることがあるため、それらの除去を行うことが望ましい。除去手段としては公知の吸引除去、空気(エアー)による吹き飛ばし除去、静電除去等の非接触法の他、ブラシ、ローラー等による接触法が使用でき、本発明では望ましくはエアー吸引、あるいはエアーによる吹き飛ばしのいずれか、あるいはそれらを組み合わせて使用される。またフィードローラを微粘着ローラにより構成するとともに、該ローラクリーナーを設けた構成とし、フレキソ版供給時に埃等の除去を行っても良い。
【0010】
図1において、フィードローラ20によって搬送されたフレキソ版は背面電極59に供給される。また図1のようにローラのみでフレキソ版の搬送を行う他に、搬送ベルトを使用することもできる。搬送ベルトとして金属ベルトにフッ素樹脂コートを行った搬送ベルトを使用することができる。
【0011】
帯電器16としては、スコロトロンの他、コロトロン、固体チャージャ、放電針等種々の方法が適用でき、また導電性ローラも好適に使用される。帯電器16により、フレキソ版表面を均一帯電する。
【0012】
帯電されたフレキソ版は帯電電位をバイアスとして吐出電極に記録信号電圧を印加することによりインク滴80を飛翔させ、フレキソ版32上に着弾させマスク画像形成がなされる。
ここで、フレキソ版の加熱手段を設け、フレキソ版温度を高めることも描画画質の向上に有効であり、着弾したインク滴81のフレキソ版32上での速やかな定着を促進するため、より一層滲みが抑制される。
【0013】
マスク画像形成されたフレキソ版は除電器18により除電され、背面電極59から剥離されて搬送ローラ22により画像定着ローラ24へ搬送される。図1では除電器18として、コロナ除電器の例を示しているが、スコロトロン、固体チャージャ、放電針等種々の方法が適用でき、また導電性ローラも好適に使用される。
剥離されたフレキソ版は搬送ローラ22により画像定着ローラ24に送られ、定着がなされる。定着手段としては、加熱定着、溶媒定着、フラッシュ露光定着などの公知の手段を単独、あるいは組み合わせて使用できる。
【0014】
加熱定着では赤外線またはハロゲンランプやキセノンフラッシュランプ照射、あるいはヒーターを利用した熱風定着、ヒートロール定着が一般的である。溶媒定着ではインク中の樹脂成分と親和性のある溶媒を噴霧または蒸気の暴露をし、余分な溶媒蒸気は回収する。またキセノンランプ等を使用してのフラッシュ定着は、定着を短時間に行えるという利点がある。なお、少なくとも吐出ヘッド10による油性インク画像形成から、画像定着ローラ24による定着までの行程では、フレキソ版上の画像には何物も接触しないように保たれることが望ましい。
【0015】
定着の際のフレキソ版の移動速度は、任意にとることができる。定着されたフレキソ版は、マスク形成済フレキソ版ストッカー28に蓄積される。
【0016】
また本発明で用いる静電式インクジェット装置1は油性インクから発生する溶剤の回収手段30を有する。回収手段は溶媒蒸気吸収材からなり、溶媒蒸気吸着材としては各種活性炭が好適に使用され、排気ファンにより機内の溶媒蒸気を含む気体が吸着材に導入され、蒸気が吸着回収された後、機外に排気される。
【0017】
本発明は上記例に限定されず、ローラ、帯電器、等の構成デバイスの数、形状、相対配置、帯電極性等は任意に採用できる。
【0018】
本発明における静電式インクジェット装置の動作の一例を説明する。ここでは正荷電した顔料粒子を含むインクを用いた場合を例にとって説明する。
図2において、マスク画像形成時には、泳動電極56に+300Vの電圧を印加し、シールド電極58に+100Vの電圧を印加することにより、インク中の帯電粒子をインク室34下部に偏在させる。このとき、インクはインク中の帯電粒子濃度が高くなった状態で絶縁性インクガイド38の先端のインク飛翔位置に供給される。ここで、第一吐出電極50及び第二吐出電極52には画像信号に応じた信号電圧として例えばON時に+600Vのパルス電圧が印加される。一方、フレキソ版32はスコロトロン帯電器により電圧−1.5kVに帯電されている。今、吐出電圧ON状態(600Vが印加された状態)となると、絶縁性インクガイド38の先端のインク飛翔位置から、インク滴80が飛び出し、フレキソ版32に向けて飛翔する。フレキソ版32に着弾したインク滴81によりマスク画像が形成される。なお、飛翔後のインク液滴の飛翔を精密制御しフレキソ版32上での着弾精度を向上するため、電界干渉抑制用のガード電極54に+100Vの電圧を印加することが好ましい。
【0019】
静電式インクジェット法では、飛翔時にもヘッドより吐出されたインク滴80にフレキソ版に向かう電界がかかっており、インク滴80のフレキソ版上への着弾精度が良いので、吐出される油性インクを複数回重ねて着弾させても精度良い高濃度画像マスクを形成することができる。通常1回のドット画描により、1.3〜2.2程度の光学濃度が得られるので、2,3回油性インクを重ねて吐出すると、複数回の着弾により生じるドットに好ましい3.0以上の光学濃度が得られる。
【0020】
静電式インクジェット法に用いる油性インクとしては、露光する光の波長成分中で感光性樹脂層の感光波長域を吸収又は反射する材料を含有することが好ましい。このような材料として着色粒子を使用することが好ましく、着色粒子の例として、顔料及び染料を挙げることができる。感光波長域としては200〜500nmであることが好ましい。
200〜500nmの光を吸収する顔料としては、カーボンブラック等の黒色顔料が挙げられ、該波長の光を反射する顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛等の白色顔料が挙げられる。
本発明で用いる顔料としては、黒色顔料が好ましく、なかでも高抵抗値を有する高抵抗カーボンブラックがより好ましく用いられる。高抵抗カーボンブラックを用いることにより、吐出ヘッドの電極部への粒子付着が起こりにくくなるという効果が発現する。後に詳しく説明する。
【0021】
インクとして使用する油性インクは、粒径0.1〜5.0μm程度の帯電粒子をキャリア液中に分散したものを用いることが好ましい。キャリア液は、高い電気抵抗率(1×1010Ωcm以上)を有する絶縁性の有機溶媒であることが要求される。仮に電気抵抗率の低いキャリア液を使用すると、吐出電極によって印加される電圧によりキャリア液自身が電荷注入を受けて帯電してしまうため、帯電粒子(帯電したインク粒子)の濃度が高められず、濃縮がおこらない。また、電気抵抗率の極端に低いキャリア液は、隣接する記録電極間で電気的導通を生じさせる懸念もあるため、本発明で使用するには不向きである。
【0022】
絶縁性有機溶媒の比誘電率は5以下が好ましく、より好ましくは4以下、更に好ましくは3.5以下である。このような比誘電率の範囲を有する有機溶媒とすることによって、絶縁性有機溶媒中の帯電粒子に有効に電界が作用され、泳動が起こりやすくなる。
【0023】
本発明に用いる絶縁性有機溶媒としては、好ましくは直鎖状もしくは分岐状の脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または芳香族炭化水素、およびこれらの炭化水素のハロゲン置換体がある。例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナン、ドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、シクロデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、アイソパーC、アイソパーE、アイソパーG、アイソパーH、アイソパーL(アイソパー:エクソン社の商品名)、シェルゾール70、シェルゾール71(シェルゾール:シェルオイル社の商品名)、アムスコOMS、アムスコ460溶剤(アムスコ:スピリッツ社の商品名)、シリコーンオイル(例えは信越シリコーン社製KF−96L)等を単独あるいは混合して用いる。
【0024】
画像マスクは感光性樹脂層を感光させる紫外または可視光成分に対して不透明であるか、反射性を有していなければならない。従って、画像マスクは放射線不透明材料を含むべきである。感光性樹脂層に対する活性光線の透過を阻止するどの材料も、放射線不透明材料として画像マスクの形成に用いることができる。適当な放射線不透明材料の例には紫外光または可視光を吸収する色素、暗色の無機顔料およびこれらの組合わせが含まれる。好ましい放射線不透明材料はカーボンブラックとグラファイトである。放射線不透明材料としてのカーボンブラック濃度は、所要の光学的濃度に達するように、つまり画像マスクが感光性樹脂層に対する化学放射線の透過を阻止する程度に選定される。一般的に、2.0より大きい透過光学濃度(OD)が好ましく、3.0以上がより好ましく、4.0以上が特に好ましい。
【0025】
適当な画像マスク形成に用いる不透明材料としての顔料にはカーボンブラック、グラファイト、亜クロム酸銅、酸化クロームおよびアルミン酸クロム−コバルトのような暗色の無機顔料が含まれる。適当な色素の例にはポリ(置換)フタロシアニン化合物;シアニン色素;スクアリーリウム色素;カルコゲノピリロアリーリデン色素;ビス(カルコゲノピリロ)−ポリメチン色素;オキシインドリジン色素;ビス(アミノアリール)−ポリメチン色素;メロシアニン色素;クロコニウム色素;金属チオレート色素;およびキノイド色素などが含まれる。
【0026】
暗色の無機顔料は放射線不透明材料として一般に作用する。カーボンブラック、グラファイトおよびこれらの混合物はとくに好ましい暗色の無機顔料である。金属と合金も放射線不透明材料として作用する。金属の例にはアルミニウム、銅および亜鉛が含まれ、そしてビスマス、インジウムおよび銅の合金が含まれる。
【0027】
上記の非水溶媒中に、分散される粒子は、前記の顔料自身を分散粒子として誘電性液体中に分散させてもよいし、定着性を向上させるための分散樹脂粒子中に含有させてもよい。含有させる場合、顔料は分散樹脂粒子の樹脂材料で被覆して樹脂被覆粒子とする方法などが一般的であり、染料などは分散樹脂粒子を着色して着色粒子とする方法などが―般的である。これらの粒子は、インク全体に対して0.5〜30重量%の範囲で含有されることが好ましく、より好ましくは1.5〜25重量%、更に好ましくは3〜20重量%の範囲で含有されることが望ましい。
【0028】
本発明に使用する顔料としては、黒色顔料が好ましい。
黒色顔料としては、カーボンブラック、グラファイト等が挙げられ、カーボンブラックが好ましく用いられる。
カーボンブラックの中でも高抵抗カーボンブラックがより好ましく用いられる。この場合、非水性溶媒中にそのまま分散して用いることもできる。
高抵抗カーボンブラックとは、体積抵抗で1×10−2Ω・cm以上、好ましくは1×10−1Ω・cm以上のカーボンブラックをいう。
カーボンブラックの体積抵抗は次のように測定した。
断面積1.327cmの底面積を有する円形の真鍮製の底板とその側面を囲う円筒からなるカップに、測定対象であるカーボンブラックを0.10g量り取り、表面を平らにならした後に、上から断面積1.327cmの底面積を有する真鍮製の蓋を乗せて、300kg/cmの圧力を100秒間かけた。その後に、カップの周りの円筒のみ取り外して、上下真鍮板間に3Vの直流電圧を印加したときに流れる電流値を検出し、その値とカーボンブラックペレットの厚みより体積抵抗値を算出した。
高抵抗カーボンブラックを用いることにより、吐出ヘッドの電極部への粒子付着が起こりにくくなるという効果が発現する。
【0029】
本発明の絶縁性溶媒中に、分散された顔料粒子の平均粒径は0.1μm〜5μmが好ましい。より好ましくは0.2μm〜1.5μmであり、更に好ましくは0.4μm〜1.0μmの範囲である。この粒径はCAPA−500(堀場製作所(株)製商品名)により求めたものである。
【0030】
またインク組成物として、粘度は0.5〜5mPa・secの範囲が好ましく、より好ましくは0.6〜3.0mPa・sec、更に好ましくは0.7〜2.0mPa・secの範囲である。顔料粒子は荷電を有し、必要に応じて電子写真用液体現像剤に用いられている種々の荷電制御剤が使用でき、その荷電量は5〜200μC/gの範囲が望ましく、より好ましくは10〜150μC/g、更に好ましくは15〜100μC/gの範囲である。また荷電制御剤の添加によって誘電性溶媒の電気抵抗が変化する事もあり、下記に定義する分配率Pが、50%以上、より好ましくは60%以上、さらに好ましくは70%以上である。
【0031】
P=100×(σ−σ)/σ
ここでσはインク組成物の電気伝導度、σはインク組成物を遠心分離器にかけた上澄みの電気伝導度である。電気伝導度はLCRメーター(安藤電気(株)製AG−4311)及び液体用電極(川口電機製作所(株)製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数lkHzの条件で測定を行った値である。また遠心分離は、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)製SRX−201)を使用し、回転速度14,500rpm、温度23℃の条件で30分間行った。
【0032】
以上のようなインク組成物とすることによって、帯電粒子の泳動が起こりやすくなり、濃縮しやすくなる。
【0033】
一方、インク組成物の電気伝導度σは、100〜3000pS/cmの範囲が好ましく、より好ましくは150〜2500pS/cm、更に好ましくは200〜2000pS/cmの範囲である。以上の様な電気伝導度の範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、隣接する記録電極間での電気的導通を生じさせる懸念もない。またインク組成物の表面張力は、15〜50mN/mの範囲が好ましく、より好ましくは15.5〜45mN/m、さらに好ましくは16〜40mN/mの範囲である。表面張力をこの範囲とすることによって、吐出電極に印加する電圧が極端に高くならず、ヘッド周りにインクが濡れ広がり汚染することがない。
【0034】
感光性フレキソ版は支持体およびこの上に設けられた感光性樹脂層を必須の構成とする。
支持体は、フレキソ印刷版を調製するために適した柔軟な材料のどれでも良い。適当な支持体材料の例には、付加重合ポリマーおよび線状縮合ポリマーにより形成されたポリマー製フィルム、透明なフォームおよび織り物、およびアルミニウムのような金属が含まれる。支持体は化学放射線(本明細書を通じ紫外線および/または可視光線を意味する)に対して透明であることが好ましく、また場合により赤外光に対しても透明、すなわち、光線が支持体中を減衰せずにまたは実質的に減衰せずに通過し得るのが好ましい。金属支持体は放射線に対して透明ではないが、これはある種の最終用途に許容される。好ましい支持体はポリエステルフィルムであり、とくに好ましいのはポリエチレンテレフタレート(PET)である。支持体は典型的に0.0051〜0.025cmの厚みで、好ましくは0.0076〜0.020cmの厚みを有している。
【0035】
ここに用いられた「感光性樹脂層」の用語は光重合性、光架橋性、またはこの両方を含むものと意味している。この感光性樹脂層は、エラストマー性バインダー、少なくとも1つのモノマーおよび光重合開始剤を必須成分として構成される。光重合開始剤は非赤外の化学放射線に対して感光性を有している。多くの場合、光重合開始剤は可視光および/または紫外光に対して感光性である。フレキソグラフ印刷版の形成のため適当な感光性樹脂組成物はどれも本発明に用いることができる。適当な組成物の例は、たとえば、Chen氏他の米国特許第4,323,637号;Grueetzmacher氏他の同第4,427,749号およびFeinberg氏他の同第4,894,315号などで示されている。
【0036】
エラストマー性バインダーは単一のポリマーまたはポリマー混合物とすることができ、これは水性、半水性または有機溶剤の各現像液中に可溶性、膨潤可能または分散可能とすることができる。
水性または半水性現像液中に可溶または分散可能なバインダーはAlles氏の米国特許第3,458,311号;Pohl氏の同第4,442,302号;Pine氏の同第4,361,640号;Inoue氏他の同第3,794,494号;Proskow氏の同第4,177,074号;同第4,431,723号;およびWorns氏の同第4,517,279号などに示されている。
有機溶剤現像液中に可溶性、膨潤可能または分散可能なバインダーにはポリイソプレン、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、ブタジエン/アクリロニトリル、ブタジエン/スチレン熱可塑性−エラストマー性ブロックコポリマーおよびその他のコポリマーを含む共役ジオレフィン炭化水素の天然また合成ポリマーが含まれる。Chen氏の米国特許第4,323,636号;Heinz氏他の同第4,430,417号;およびToda氏他の同第4,045,231号などで述べられているブロックポリマーを用いることができる。
バインダーは感光性樹脂層の少なくとも65重量%を占めることが好ましい。ここで用いたバインダーの用語にはFryd氏他の米国特許第4,956,252号中で述べられたもののような、コアシェルマイクロゲルおよびマイクロゲルと予め形成されたマクロ分子ポリマーとの混合物を含むものである。
【0037】
本発明に好ましく使用できるバインダーは、水性または半水性現像液中に可溶または分散可能なバインダーであり、このような水溶性バインダーの代表例を以下に詳しく説明する。すなわち、(1)特開平7−84362号に開示された、エラストマー、及びこれに吸着する疎水性及び親水性の両部分を具備する両性安定剤を組み合わせたミクロゲルバインダー、(2)特開平7−84369号に開示された、エラストマーをコアとして親水性成分をシェルとするコアシェル型ミクロゲルバインダー、及び(3)特開平7−333830号に開示されたエラストマー成分とこれに吸着する親水性ポリアミドとの混合物よりなるミクロゲルバインダー、について以下に説明する。
【0038】
上記(1)のミクロゲルバインダーについて説明する。
このミクロゲルバインダーは弾性ポリマーの水性分散物から調製される。この分散物中には少なくとも1種の重合体安定剤が存在し、これは疎水性部分と親水性の部分とを有している。疎水性部分は分散している弾性ポリマーの表面に向って配向している。親水性の部分は弾性ポリマーの表面から離れて、水性相に向って配向している。固形状バインダーはこの水性分散物から水を除去することにより得ることができる。
【0039】
感光性樹脂層中のバインダーは最終的なフレキソ印刷版に全体的な諸特性を付与する。したがってこれは弾性であるべきで、また充分な弾性、屈曲性または柔軟性、耐久性、インキ溶剤耐性および良好なインキ転写性を印刷版に与えなければならない。このような望ましい諸特性はフレキソグラフ技術の分野で良く知られている。本発明を実施するのに適したバインダーは、架橋化することのできる弾性ポリマーのミクロゲルであり、これはその表面上に吸着した疎水性部分と親水性の部分とをもつ少なくとも1種の化合物をもっている。このようなバインダーを「複合バインダー」と呼ぶ。
【0040】
このミクロゲルバインダーに使用することのできる弾性ポリマーはフレキソ印刷版に必要な弾性、耐久性および化学的耐性をもち、また水性分散液に形成または再分散できるものである。適当なポリマーの例としてはポリ(ブタジエン);ポリ(ブタジエン−スチレン);ポリ(イソプレン);ポリ(イソプレン−スチレン);天然ゴム;ネオプレン;などが含まれる。好ましい弾性ポリマーはポリ(スチレン−ブタジエン)コポリマーで、約10重量%以上のスチレンを有しないものである。使用できるこの他のものには、ポリウレタンエラストマーおよびエチレン−プロピレン−ジエンモノマーのポリマーが含まれる。弾性ポリマーの混合物はそれらが相溶性である。すなわち、それらが良好な解像性をもって現像する感光性樹脂層を形成する限り用いることができる。一般的に、くもりまたはヘイズのない感光性樹脂層を形成する混合物は使用することができる。弾性ポリマーはある程度の架橋を有することができる。しかしながら、架橋はあまりにも広範囲であってはならず、さもないとポリマー弾性に不都合な作用をする。
【0041】
弾性ポリマーは乳化重合によりラテックス分散物状にまず形成される。乳化重合は一般に水性系中での重合のことで、ここではモノマーは分散した第2相中にあり、ポリマーは分散固形相として生成する。この水性溶液中の固形弾性ポリマー分散物は、ゴムラテックス、エラストマーラテックス、コロイド状エラストマー、またはミクロゲル分散物などと色々呼ばれる。非常に小さなポリマー粒子、典型的にはサブミクロンのものが生成される。乳化重合は従来から良く知られた技術で、論説はたとえばI. PiirmaとJ. L. Gardon両氏編の、Emulsion Polymerization, ACS Symposium Series,24 (1976);およびD. R. BassettとA. E. Hamieliec両氏編の、Emulsion Polymers and Emulsion Polymerization, ACS Symposium Series, Vol. 165 (1981)に見ることができる。
【0042】
ラテックス中のポリマー粒子の表面上に吸着しているのは重合体安定剤である。この重合体安定剤は疎水性部分と親水性の部分とをもつ化合物である。ラテックス中で、この重合体安定剤は固−液中間界面において弾性ポリマーの表面上に、疎水性部分が分散している弾性ポリマーの表面に向けて配向し、同時に親水性の部分がポリマー表面から離れてかつ水性相中に伸びて配向するよう選択的に吸着する。重合体安定剤として用いることのできるポリマーの種類には、ジブロックコポリマーとグラフトコポリマーとがある。ジブロックコポリマー中、ポリマー分子の一部はほとんど疎水性モノマーで構成され、一方他の部分はほとんど親水性モノマーで構成されている。グラフトコポリマーでは、疎水性かまたは親水性モノマーのいずれかの骨格が、その上に他の種類のモノマーの側鎖をグラフト化している。この他の種類のポリマーも、それらが疎水性部分と親水性の部分とをもつ限り使用することができる。
【0043】
疎水性部分に適当なモノマーの例には、アクリル酸とメタクリル酸のC1〜C6アルキルエステル;プロピレンオキサイド;およびこれらの組合わせが含まれる。親水性部分に適したモノマーの例には、アクリル酸およびメタクリル酸;アクリル酸とメタクリル酸のナトウムおよびカリウム塩;エチレンオキサイド;ビニルピロリドン;およびこれらの組合わせが含まれる。適当な重合体安定剤の例には、メタクリル酸ブチルとメタクリル酸とのジブロックコポリマーおよびそのアンモニウム、ナトリウムまたはカリウム塩;プロピオンオキサイドとエチレンオキサイドとのジブロックコポリマー;メタクリル酸メチルとエチレンオキサイドとのグラフトコポリマー;およびメタクリル酸メチルとビニルピロリドンとのグラフトコポリマーが含まれる。好ましい重合体安定剤はメタクリル酸ブチルとメタクリル酸のジブロックコポリマーである。
【0044】
印刷版の機械的性質と同じくウオッシュアウト速度は、ラテックス中のエラストマー粒子の大きさ;弾性ポリマーと重合体安定剤の相対的量;重合体安定剤中の疎水性部分と親水性部分の相対的量;弾性ポリマーと疎水性部分間の相溶性の程度;親水性部分の水中での溶解または分散の容易性;およびその他を含めた各種変数の相関的な組合わせに依存することが認められた。最終的な印刷版の弾性的特性、すなわち、ジュロメーター、弾性、屈曲性などは、重合体安定剤が通常弾性ではないから、一般に弾性ポリマーに依存する。ウオッシュアウト速度は、重合体安定剤が水溶液中に分散または溶解する親水性の部分を供給するので、一般的に重合体安定剤に依存する。したがって、一定のラテックス粒子サイズのものについて弾性特性は、弾性重合体対重合体安定剤の比が増加すると改善され(ジュロメーター低下、弾性上昇、屈曲性増大)、同時にウオッシュアウト速度は減少する。しかしながら、最終的な印刷版の弾性特性はまたラテックス中の粒子サイズの増大により改善される。一般的に、より大きな粒子サイズのラテックスを使用し、弾性ポリマー対重合体安定剤の比を増大し、そして良好な弾性特性とウオッシュアウト速度の両者を達成することができる。
【0045】
重合体安定剤中には、これが弾性ポリマー粒子の表面上に吸着して留まるため、充分な量の疎水性部分がなければならない。同時に、水処理可能性を得るために充分な量の親水性の部分がなければならない。一般に、重合体安定剤中の疎水性のモノマー対親水性モノマーのモル比は、約4:1〜1:4の範囲内のものである。好ましい範囲は3:2〜2:3である。疎水性部分と弾性ポリマーの相溶性および親水性部分の溶解または分散の容易性は、使用した物質の化学的性質に依存する。これらは所望の特性を有する感光性樹脂層及びフレキソ印刷版が生成されるように選択しなければならない。
【0046】
本発明において用いる複合バインダーは一般にまず弾性ポリマーラテックスを生成し、重合体安定剤を添加し、そして水を除去することにより調製する。
一般的に、弾性ポリマーラテックスを作る方法は、重合触媒と通常エマルジョンを安定化するための乳化剤を含有する、油/水エマルジョンの形成が含まれる。ここで用いる「油」の用語は水と実質的に混和せずに第2の相を形成するような液体を指すものである。このような液体は乳化重合の技術で良く知られている、たとえば、アイソパールである。触媒は油または水相のどちらにも存在させることもできる。エラストマーかコポリマーの場合、モノマーの1つはエマルジョンの通常油相中に存在させることができる。少量の架橋化剤、メタアクリル酸アリルまたはマレイン酸ジアリルなどを存在させることもできる。しかし弾性ポリマー中の架橋化の量はかなり低く、たとえば約10%以下の架橋化とすべきである。エマルジョン中に存在できるその他のものは前記の文献中に述べられている。
【0047】
エマルジョンが安定化した後に、弾性ポリマーのモノマーをこのエマルジョンに加えて重合を開始する。普通これは熱を与えることにより、典型的には50°〜70℃で達成される。重合が完了したとき、重合体安定剤をこのラテックスに通常水性溶液として添加する。場合によっては、重合体安定剤は充分な水溶性を得るために水性塩基で中和する。この2つの成分はついで吸着を生じさせるのに充分な時間混合する。慣用の任意の混合法も用いることができる。混合時間はかなり変わりうるが一般に24時間で充分である。
【0048】
また重合体安定剤を、重合工程の前またはその途中で添加することもできる。重合体安定剤は重合粒子のための乳化剤として作用することができる。重合体安定剤が弾性ポリマー粒子の表面上に吸着されている弾性ラテックスはラテックスとして用いることができ、Kafka氏等の米国特許第4,970,037号で述べられている脱水押出機のような装置を使用してモノマーと光重合開始剤と直接混合して感光性樹脂層を形成することができる。しかしながら、液体(すなわち、水と油)は脱水押出機または周知の他の技術、たとえば凝結、濾過、水洗そして乾燥などのような方法を使用し、モノマーと光重合開始剤とを混合する前にラテックスから除去し固形状に変化させることができる。冷凍乾燥および噴霧乾燥は本発明を実施するのに有用な方法である。このように、液相はモノマーと光開始剤とを混合する前に、同時に、あるいはその後に除去することができる。
【0049】
複合バインダーの他に1種以上の追加的な高分子ポリマーバインダーを加えることもできる。これらは最終的なフレキソ印刷版の機械的特性、たとえば耐久性を改善するために添加することができるが、所望する弾性を損うようにしてはならない。この追加的な高分子ポリマーバインダーは、水性現像液中でバインダーを処理可能にする充分な酸性基またはその他の基を含むことができる。有用な水性処理可能なバインダーは、たとえば米国特許第3,458,311号;同第4,273,857号;および同第4,293,635号に開示されている。例としては酸含有ポリマーまたはそれらの塩;およびN−アルキルアクリルアミドまたはメタクリルアミド、酸性のフィルム−形成性コモノマーおよびアクリル酸アルキルまたはヒドロキシアルキルから導かれたインターポリマーのような両性ポリマー類などが含まれる。一般に、複合バインダーまたは複合バインダーと高分子ポリマーバインダーとの混合物は、感光性樹脂層の全重量を基準に約40〜95重量%、好ましくは70〜90重量%の量で存在する。
【0050】
次に、コア−シェル型ミクロゲルバインダーについて説明する。
【0051】
本発明に使用できるコア−シェル型ミクロゲルバインダーは、架橋できる熱可塑性のエラストマー性のコアと、熱可塑性の非架橋シェルとをもつコアシェルマイクロゲルである。コアはバインダーのエラストマー的の特性を与え、これとともにシェルは水性現像可能性を与えるのである。コアはエラストマー性モノマーのホモポリマーまたはコポリマーからなり、またシェルはエラストマー性モノマーと酸性官能価を有するエチレン性の不飽和モノマーまたはオリゴマーのコポリマーから構成されている。
【0052】
ここで用いる「エラストマー性モノマー」の用語はエチレン性の不飽和モノマーで、10℃またはそれより低いガラス転移温度をもつホモポリマーを形成するものを意味している。適当なエラストマー性モノマーにはブタジエン、イソプレン、ネオプレン、ウレタン、およびこれらの混合物が含まれる。好ましいエラストマー性モノマーはブタジエンである。
【0053】
コアを形成するためにエラストマー性モノマーとともに共重合させることのできるモノマー(「コアコモノマー」)は、エラストマー性モノマーのホモポリマーと類似の弾性的特性をもつコポリマーを形成するようなものである。一般的に、コアコモノマーはコアの耐久性または堅ろう性を改良するためと、乳化重合プロセスを促進するために添加される。多くの場合に、コアコモノマーは付加的な官能基、すなわち酸性官能価を有しない。適当なコアコモノマーの例には重合性のアルケニル芳香族炭化水素、とくにスチレンとアルファ−メチルスチレンのようなビニル性単環状芳香族炭化水素が含まれる。コアコポリマー中に存在するコアコモノマーの分量は、コポリマーの重量を基準に20重量%より少なく、好ましくは10重量%より少なくするべきである。
【0054】
マイクロゲルシェルを形成するためにエラストマー性モノマーとともに共重合させるのに適したモノマーは、(1)エラストマー性モノマーと共重合し得る少なくとも1つのエチレン性の不飽和基、と(2)少なくとも1つの酸性官能価とを有するものである。酸性基は好ましくカルボン酸であるが、スルホン酸およびその他の酸性基も用いることができる。適当なモノマー(「酸性モノマー」)の例にはアクリルおよびメタクリル酸、クロトン酸およびイソクロトン酸、ソルビン酸、マレイン酸、桂皮酸、フマル酸、イタコン酸、その他が含まれる。酸性モノマーの混合物もまた使用できる。アクリル酸とメタクリル酸が好ましいものである。
【0055】
コアがコポリマーであるとき、若干のコアコモノマーがシェルを形成するために酸性モノマーが添加されるときに残留することもある。したがって、シェルはエラストマー性モノマー/コアコモノマー/酸性モノマーのターポリマーの若干量を含むことがあり得る。しかしながら、このようなターポリマーの分量は、コアコモノマーの量がエラストマー性モノマーに対して少ないことから、もしあったとしても非常に少ないことだろう。コアコモノマーのほとんど全部がコア中に在るだろう。以下の説明において、コアコモノマーの若干の少量がシェル中に重合しているかも知れないと考えられようが、マイクロゲルシェルはエラストマー性モノマーと酸性モノマー(または酸性モノマー混合物)のコポリマーと称する。
【0056】
エラストマー性モノマーと共重合する酸性モノマーの分量はマイクロゲルバインダーに対して水性処理の可能性を与えるのに充分とすべきであるが、そのことを除いては最低量にするべきである。すなわち、酸性のシェルコポリマー対エラストマー性のコアホモポリマーまたはコポリマーの比率は、水性処理の可能性を維持すると同時にできる限り小さくするべきである。これはマイクロゲル中のエラストマー性ポリマー量を最大とし、かくてマイクロゲルバインダーの弾性的特性を最適化する。以前に述べたように、95%以下のエラストマー性モノマーがコア中に重合されているのが好ましく、もっとも好ましくは60〜90%である。
【0057】
好ましいコアシェルマイクロゲルの1つは、スチレンとブタジエンのコポリマーでスチレン含有量が10%より少ないものからなるコアと、酸性官能価をもつエチレン性の不飽和モノマーまたはオリゴマーとブタジエンのコポリマーからなるシェルとを有するものである。さらに好ましいコアシェルマイクロゲルの1つは、スチレンとブタジエンのコポリマーでスチレン含有量が10%より少ないものからなるコアと、アクリル酸またはメタクリル酸とブタジエンのコポリマーからなるシェルとを有するものである。ポリブタジエンのコアおよびアクリル酸またはメタクリル酸とブタジエンのコポリマーからなるシェルも好ましい。
【0058】
ここで用いた「マイクロゲル」の用語には、乳化重合により調製された直径0.01〜1.0ミクロンの粒子サイズをもつ、架橋した球形のポリマー分子が含まれる。非常にうすいシェルをもつマイクロゲルを使用することがもっとも望ましい。したがってバインダーは本質的に純粋なエラストマー性ポリマーの大きな領域をもち、このポリマーにごく似た弾性的特性をもつことであろう。酸性官能価を中和するためマイクロゲルに対して塩基性化合物を添加したとき、感光性材料は水道水中で処理することができる。以下の説明のために、エラストマー性モノマーの例としてブタジエンが用いられる。しかしながら、この他のエラストマー性の各モノマーも使用できることが理解されよう。
【0059】
コアシェルマイクロゲルを調製するために、コアのブタジエンホモポリマーまたはコポリマーが、乳化重合によりラテックス分散体としてまず形成される。乳化重合は一般的に水性系中での重合を指しており、ここでブタジエンまたはブタジエンとコアコモノマーとの混合物のようなモノマーは分散した第2相中に存在し、分散固体相としてポリマーが生成する。この水溶液中の固体状のエラストマー性ポリマー分散体はラバーラテックス、エラストマーラテックス、コロイド状エラストマー、またはマイクロゲル分散体のように色々に呼称される。非常に小さなポリマー粒子が生成され典型的にサブミクロンのサイズのものである。乳化重合法は当業者によく知られており、また論説はI. PiirmaおよびJ. L. Gardon編、Emulsion Polymerization,ACS Symposium Series, Vol. 24, 1976; およびD. R. BassettおよびA. E. Hamieliec編、 Emulsion Polymers and Emulsion Polymerization, ACSSymposium Series, Vol. 165, 1981などで知ることができる。
【0060】
一般に、エラストマー性ポリマーラテックスを作るための方法には油/水エマルジョンの形成を含み、これは重合触媒と普通乳剤を安定化するための乳化剤とを含んでいる。ここで用いた「油」の用語は実質的に水と混和せずに第2相を形成する液体を指している。このような液体は従来からよく知られらており、たとえばアイソパールである。触媒は油または水のいずれの相中にも存在することができる。少量のアリルメタクリレートのような架橋剤を存在させることもできる。しかしながら、ブタジエンホモポリマーまたはコポリマー中の架橋の量はかなり低く、すなわち約10%より少ない架橋とするのが好ましい。コア中の過大な架橋はマイクロゲルの弾性的特性を損うことになる。エマルジョン中に存在することのできる他の物質は前記の文献中に示されている。
【0061】
エマルジョンが安定化したのち、このエマルジョンにブタジエンモノマーを加えて重合を開始する。通常これは50〜70℃の熱を与えることが好ましい。コアコモノマーはエラストマー性モノマーを添加する前かまたは同時に、安定化したエマルジョンに対して添加することができる。
【0062】
本発明を実施する際に使用するマイクロゲルバインダーのために、ブタジエンはこの時点で一部だけ重合される。ブタジエンモノマーの約95重量%より少なく重合されるのが好ましく、さらに好ましくは60〜90%が重合されることである。この時点で、酸性官能価をもつモノマーをこの反応混合物に対して添加する。このモノマーはポリブタジエンのコア上にうすいシェルを形成するよう残留ブタジエンモノマーとともに重合する。
【0063】
このように形成されたコアシェルマイクロゲル粒子をもつエラストマー性ラテックスは、感光性組成物の他の各成分と混合し、そしてKafka氏他の米国特許第4,970,037号中で述べられている脱水押出機のような装置を使用して、感光性樹脂層を形成するためのラテックスとして使用することができる。しかしながら、液体(つまり、水と油)は他の各成分と混合する前に、固形状のバインダーを作るためにラテックスから除去することもできる。これは脱水押出により行うか、または凝集、濾過、水洗そして乾燥のよく知られた別の方法で行うこともできる。冷凍乾燥および噴霧乾燥もまた本発明実施のための有用な方法である。
【0064】
コアシェルマイクロゲルバインダーに加えて、1つまたはいくつかの追加の巨大分子ポリマー性バインダーを存在させることもできる。これらは最終的なフレキソ印刷版の機械的な特性、たとえば耐久性を改善するために添加することができるが、所要の弾性的特性に悪影響をするものであってはならない。この追加の巨大分子ポリマー性バインダーは、このバインダーが水性現像液中でまた処理可能であるのに充分な酸性またはその他の基を含むことができる。有用な水性処理可能なバインダーは、たとえば米国特許第3,458,311号;同第4,273,857号;および同第4,293,635号中で示されている。この例には酸−含有ポリマーまたはそれらの塩;およびN−アルキルアクリルアミドまたはメタクリルアミド、酸性のフィルム形成性コモノマー、およびアルキルまたはヒドロキシアルキルアクリレートから導かれるインターポリマーのような両性ポリマーが含まれる。
【0065】
一般に、コアシェルマイクロゲルバインダーまたはこれと巨大分子ポリマー性バインダーとの混合物は、感光性樹脂層の全重量を基準に約40〜95重量%、好ましくは70〜90重量%の分量で存在する。
【0066】
次に、エラストマー成分とこれに吸着する親水性ポリアミドとの混合物よりなるミクロゲルバインダーについて説明する。該バインダーは、A:親水性ポリマー、及びB:分子量4万以上のゴム、または、A:親水性ポリマー及びB:固体ゴム、からなる。
【0067】
A成分で特徴づけられる「親水性」とは、水に溶解および/または分散する性質をいい、たとえばフィルム状に成形したポリマーを水または温水に浸漬し、ブラシ等で擦過したときポリマーが全面溶出するか、または一部溶出することにより、あるいはポリマーが膨潤離散し水中に分散することにより、フィルムが減量あるいは崩壊するものをいう。本発明の目的から、0.5mmの厚みのフィルムとして、25℃の水に1時間浸漬して、溶解するか、溶解しなくともポリマーに対して200重量%以上の水が膨潤し得るものが好ましく用いられる。
【0068】
このような親水性のポリマーとしては、アルコールおよび/または水に溶解し得るポリマーが例としてあげられ、ポリアミド、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、セルロース類等が例示されるが、B成分との相溶性および親水性ポリマーと光重合性不飽和化合物との相溶性、得られる印刷版の耐刷性の観点から、本発明ではポリアミドが好ましく使用される。
【0069】
本発明において使用される親水性ポリアミドとしては、側鎖にスルホン酸基またはスルホネート基を有するポリアミド、エーテル結合を分子中に有するポリアミド、ピペリジン骨格を有するポリアミドおよび側鎖にアミノ基を有するポリアミドのいずれかが好ましい。
【0070】
側鎖にスルホン酸基またはスルホネート基を有するポリアミドとしては、特開昭48−72250号公報に示されるように、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸ナトリウムなどと、通常のポリアミド原料、例えばラクタム、アミノカルボン酸、ジアミン、ジカルボン酸とを共重合することによって得られるところのスルホン酸基またはスルホネート基を含有するポリアミドが例示される。またエーテル結合を分子中に有するポリアミドとしては、分子中にエーテル結合を持つジカルボン酸、ジアミン、アミノカルボン酸およびラクタムのうち少なくともいずれか1種類を共重合して得られるポリアミドや、特開昭55−74537号公報で提案されているポリアルキレンエーテルセグメントを含有する共重合ポリアミドが例示される。またピペリジン骨格を有するポリアミドとしては、特開昭50−7605号公報に示されているようなN,N´−ジ(γ−アミノプロピル)ピペラジンと、必要に応じてジカルボン酸、ジアミン、アミノカルボン酸およびラクタムと(共)重合して得られるポリアミドが例示される。また側鎖にアミノ基を有するポリアミドとしては、側鎖のアミノ基として3級のものが好ましく用いられ、α−(N,N´−ジアルキルアミノ)−ε−カプロラクタムの開環重合体またはα−(N,N´−ジアルキルアミノ)−ε−カプロラクタムとジアミン、アミノカルボン酸およびラクタムのうち少なくともいずれか1種類とを共重合して得られるポリアミドが例示される。またピペラジン骨格を有するポリアミドおよび側鎖にアミノ基を有するポリアミドにおいては、この窒素原子をアクリル酸等で四級化したものも使用できる。
【0071】
これらの親水性ポリアミドのうちでは、エーテル結合を分子中に有するポリアミドが好ましく用いられ、さらにエーテル結合がポリアルキレンエーテルセグメントにおいて存在するものが好ましく用いられる。このポリアルキレンエーテルセグメントとしては分子量150〜1500のものがさらに好ましく用いられる。具体的なポリアミドの構造としては、末端にアミノ基を有しポリエーテルセグメント部分の分子量が150〜1500であるポリオキシエチレンと脂肪族ジカルボン酸またはジアミンとから成る構成単位を30〜70重量%含有するところの共重合ポリアミドが好ましく用いられる。
これらの親水性ポリマーは単独で使用してもよいが、2種類以上を混合して使用することもできる。
【0072】
B成分である分子量4万以上のゴムあるいは固体ゴムとしては、特に限定されるものではなく、いわゆる液状ゴム以外のゴムが使用できる。
ここで言うゴムの分子量とは数平均分子量を意味する。
【0073】
このようなゴムとしては、高分子量のイソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、シリコーンゴム、等の原料ゴムあるいはエラストマーや、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、ブタジエン−アクリル酸共重合体、等のジエン類の共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、等のオレフィン類の共重合体が挙げられる。中でも、得られる印刷版の水性インキ耐性の面から、ジエンの重合体またはオレフィン類の共重合体が好ましく使用される。
【0074】
印刷版材の水現像性と印刷版の水性インキへの適合性を両立させるためには、本発明の感光性樹脂組成物中に、ゴムが独立した形態で分散していることが好ましい。感光性樹脂組成物中にゴムを分散させる方法としては、親水性ポリマーとゴムを溶融混合して溶融混合物とする工程をへる方法が好ましく用いられる。溶融混合とは、二種以上のポリマーを、通常これらの軟化点以上の温度で混合することをいう。溶融混合を行なうことにより、連続ポリママトリックス全体に微小サイズでゴム粒子が分散するようになる。溶融混合は、通常の素練り装置例えばバンバリーミキサー、ブラベンダーミキサー、ニーダー、2軸押出機等の混合機を使用して行なえばよい。また溶融混合の温度は100〜250℃の範囲にあることが好ましい。
【0075】
本発明で使用するポリアミドバインダーにおいて、親水性ポリマーとゴムの配合比率は、重量比として1対9〜8対2が好ましく、より好ましくは1対9〜5対5である。ゴムの配合量が上記範囲であると、フレキソ印刷版としたときの柔軟性及び中性水における現像性が良化する。
【0076】
親水性ポリマーの使用量は全感光性樹脂層で3〜40重量%であることが好ましく、より好ましくは5〜20重量%である。前記範囲内で下限以上であると、現像性や感光性樹脂版材とした際の生版での形態保持性が良化する。前記範囲内で上限以下であると、刷版の耐水性が向上し、水性インキにより膨潤しにくくなり、耐刷性が良好となる傾向がある。
【0077】
ゴムの使用量は全感光性樹脂層中で10〜80重量%であることが好ましく、より好ましくは30〜70重量%である。ここでゴムは、溶融混合物に配合されるゴムの他に、さらに感光性樹脂層調製時にゴムエマルジョン、ゴムラテックスなどのゴムの微粒子などの形で配合することもできる。ゴムの量が前記範囲であると刷版の柔軟性及び現像性が良化する。
【0078】
A成分の親水性ポリマーおよびB成分のゴムの合計量は全感光性樹脂組成物中で20〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは50〜80重量%である。前記範囲内で上限以上の場合には得られた版表面の粘着が小さくなり、感光性樹脂版材とした時の原版の形態保持性が良化する。前記範囲内で下限以下であると版の感光特性、特に画像再現性が良化する。
【0079】
ポリアミドバインダーには、不飽和エポキシ化合物を添加してもよい。親水性ポリマーとゴムの溶融混合物の溶液に不飽和エポキシ化合物を添加し、親水性ポリマーおよびゴムの末端カルボキシル基に不飽和エポキシ化合物を付加することによって、ポリマー、ゴム自体に光重合性を持たせたために光重合性化合物との光重合反応によって作られるレリーフの網目構造がより高密度に形成され、得られるレリーフは良好な耐水性を有し高度の画像再現性を保持することができ、かつレリーフが強靭であるために印刷中にクラック発生などの問題を防止することができる。
【0080】
次に、感光性樹脂層に使用するモノマーについて説明する。
感光性樹脂層は単一のモノマーまたはモノマーの混合物を含むことができ、これは透明な、くもりのない感光性樹脂層が作られるようにバインダーと相溶性でなければならない。感光性樹脂層中に用いることのできるモノマーは従来からこの技術分野で良く知られており、比較的低い分子量(一般的に約30,000より小さい)を有する付加重合エチレン性の不飽和化合物が含まれるが、これに限定されない。好ましくは、モノマーは約5000より小さい比較的低い分子量を有している。とくに記載しないかぎり、この明細書を通じて分子量は重量平均分子量である。
【0081】
適当なモノマーの実例には限定はしないがt−ブチルアクリレート、ラウリルアクリレート、アルカノール類のようなアルコールおよびポリオールのアクリレートおよびメタアクリレートのモノ−およびポリ−エステルなどで、たとえば、1,4−ブタンジオール、ジアクリレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジメタアクリレート、および2,2−ジメチロールプロパンジアクリレート;アルキレングリコール類、トリプロピレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジメタアクリレート、ヘキサメチレングリコールジアクリレート、およびヘキサメチレングリコールジメタアクリレート;トリメチロールプロパン;エトキシル化トリメチロールプロパン;ペンタエリトリトール、たとえば、ペンタエリトリトールトリアクリレート;ジペンタエリトリトール;その他が含まれる。適当なモノマーのこの他の実例にはイソシアネート、エステル、エポキシド、その他のアクリレートおよびメタアクリレート誘導体が含まれ、たとえば、デカメチレングリコールジアクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタアクリレート、ポリオキシエチル−2,2−ジ(p−ヒドロキシフェニル)プロパンジメタアクリレート、および1−フェニルエチレン−1,2−ジメタアクリレート、などである。さらに別のモノマーの実例はChen氏の米国特許第4,323,636号;Fryd氏他の同第4,753,865号;同第4,726,877号;およびFeinberg氏他の同第4,894,315号中で知ることができる。
【0082】
モノマーは感光性樹脂層の少なくとも5重量%添加するすることが好ましい。一般には、5〜50重量%、好ましく5〜30重量%が一般的であるが、場合によっては、10〜80重量%の範囲とすることが好ましく、この場合は、10〜60重量%がより好ましい。
【0083】
感光性樹脂層中の光重合性不飽和化合物の割合は10〜80重量%の範囲にあることが好ましい。より好ましくは10〜60重量%である。感光性樹脂層中の光重合性不飽和化合物の割合が前記範囲内で下限以上であると、光重合によって生成する架橋構造の密度が十分となるために水を主成分とする水性インキの希釈溶剤に対して膨潤しにくくなり印刷中にベタ部の膨潤破壊、印刷不良が起こりにくくなる。しかも、露光によっても架橋密度が十分となるため、所望の画像再現性が得られる傾向になる。
【0084】
逆に感光性樹脂層中の光重合性不飽和化合物の割合が前記範囲内で上限以下であると光重合によって生成する架橋構造の密度が過剰とならないために、製版されたレリーフの強度が十分となり、そのため印刷中にレリーフにクラックが入るなどの問題が生じない。
【0085】
本発明の感光性樹脂層に用いる光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤は単一の化合物または化合物の組合わせのどれかにすることができ、これは化学放射線に対して感受性であり、モノマーまたは複数モノマーの重合を開始するフリーラジカルを発生する。光重合開始剤は一般に可視光または紫外光、好ましくは紫外光に感受性である。また光重合開始剤は185℃またはそれ以下で熱的に不感性であることが好ましい。適当な光重合開始剤の実例には置換および未置換の多核キノン類、芳香族ケトン類、ベンゾインとベンゾインエーテル類および2,4,5−トリアリールイミダゾイルダイマー類、ベンゾフェノン類、ベンジル類、アセトフェノン類、ジアセチル類などが含まれる。適当なシステムの実例はGrueetzmacher氏の米国特許第4,460,675号およびFeinberg氏他の同第4,894,315号中に示されている。
【0086】
光重合開始剤は一般に光重合組成物の重量を基準に0.001〜15.0%使用することが好ましく、約0.01〜10重量%使用することがより好ましく、0.1〜5.0重量%使用することが特に好ましい。
【0087】
感光性樹脂層には、所望の最終的特性に関連してその他の添加物を使用することができる。このような添加物には増感剤、可塑剤、レオロジー変更剤、熱重合阻止剤、粘着付与剤、着色材、抗酸化剤、オゾン劣化防止剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、強化剤、相溶助剤、界面活性剤、消泡剤、香料または充填剤などが挙げられる。その他の添加物は一般的に感光性樹脂層の全重量を基準に10重量%以下、好ましくは5重量%以下を構成している。
可塑剤はエラストマーの皮膜形成特性を調整するために用いられる。適当な可塑剤の実例には脂肪族炭化水素油、たとえば、ナフテン油およびパラフィン油;液状ポリジエン、たとえば、液状ポリブタジエン;液状ポリイソプレン、が含まれる。一般に、可塑剤は約5,000より小さい分子量を有する液体であるが、約30,000までの分子量をもつことができる。低分子量可塑剤は約30,000より小さな分子量のものを包含しよう。
【0088】
親水性ポリマーと光重合性不飽和化合物との相溶助剤としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンなどの多価アルコール類、N−エチル−p−トルエンスルホンアミド、N−ブチルベンゼンスルホンアミド,N−メチルベンゼンスルホンアミドなどを添加することも可能である。これらの多価アルコール類、スルホンアミド系化合物は、光重合によって硬化した部分の柔軟性をより高めて、レリーフクラックの発生を防止する効果が認められる。このような多価アルコール、スルホンアミド系化合物は感光性樹脂層に対して30重量%以下の範囲で使用できる。
熱重合阻止剤としては、フェノール類、ハイドロキノン類、カテコール類などが挙げられる。これらの熱重合阻止剤は感光性樹脂層全量に対して0.001〜5重量%の範囲で使用することができる。
【0089】
コア−シェル型ミクロゲルバインダーを使用する感光性樹脂層には、塩基性化合物を添加してもよい。塩基性化合物は任意のものであり、感光性フレキソ版を水道水で現像することが望まれるときに添加される。塩基性化合物はマイクロゲルシェルの酸性官能価を中和し、そしてマイクロゲルバインダーを淡水中で現像可能なものとする。この塩基性化合物は無機塩基かまたはアミンのような塩基性の有機化合物とすることができる。適当な無機塩基の例にはIA属およびIIA属金属のヒドロキシドが含まれる。適当な有機塩基の例にはC2〜C12のアルキルまたはアリールアミン、C2〜C12のアルキルまたはアリールのジ−またはトリアミン、アルカノールアミン、アミノジオールなどのような1級、2級および3級の各アミン類が含まれる。
【0090】
好ましい塩基性化合物の1つは少なくとも1つのエチレン性不飽和基をもつ窒素−含有化合物である。これらのタイプの塩基性化合物が存在する感光性組成物は、水性ベースのインクに対して改善された抵抗性をもつフレキソ印刷版を与える。とくに適当なものは(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミドまたは(メタ)アクリルオイルカルバメート基とアミノ基との両者を含む化合物である。適当な化合物の例にはジアルキルアミノアルキルアクリレートとメタクリレート、ジアルキルアミノアルキルアクリルアミドとメタクリルアミド、およびジアルキルアミノアルキルアクリルオイルカルバメートとメタクリルオイルカルバメートなどが含まれ、ここで各アルキル基はそれぞれ1〜6個の炭素原子を有するものである。塩基性化合物の組み合わせも使用することができる。
【0091】
塩基性化合物は感光性フレキソ版調製中のほとんどどの時期にでも添加することができ、すなわち、化合物は(a)ラテックス中でマイクロゲルの形成直後に、(b)マイクロゲルバインダーがラテックス中の水から分離された後に、または(c)感光性樹脂層の他の各成分の添加とともに、添加することができる。添加する塩基性化合物の量は、感光性組成物が水溶性になる程度に酸性官能価を中和するに充分とすべきである。コポリマーシェル中の酸性モノマーに対して添加する塩基性化合物のモル比は普通1:2〜2:1の範囲内である。一般に、塩基性化合物は感光性樹脂層の全重量を基準に約1〜15重量%の分量に存在する。
【0092】
本発明で使用するポリアミドバインダー系感光性樹脂層を製造する方法としては以下の方法が好ましく用いられる。まず先に説明したように、親水性ポリマーとゴムとの溶融混合物を調製する。溶融混合物に、さらに重合性モノマー成分および光重合開始剤成分を混合し、本発明で使用するポリアミドバインダー形感光性樹脂層とする。重合性モノマー成分および光重合成分の添加時期は同時でも、いずれかが先であっても構わない。
【0093】
溶融混合物とその他の成分との混合方法としては、例えば親水性ポリマーとゴムの溶融混合物を、水/アルコールなどの混合溶媒に、加熱しながら溶解する。その工程によって、親水性ポリマーの一部または全部が溶解し、ミクロに分散したゴムが溶媒に分散する。この溶液に、必要に応じて、不飽和エポキシ化合物を添加してポリマーに付加反応せしめる。さらに、光重合性不飽和化合物、光重合開始剤、および必要に応じて熱安定剤を添加して攪拌して十分に混合することによって、印刷版用感光性樹脂からなる溶液が得られる。
【0094】
感光性樹脂層は単一の層または同じ組成をもつ多重層に作成するか、または異なる組成をもつ2層またはさらに多くの層に作ることもできる。一般に、異なる層は同じかまたは類似のバインダーをもつべきであるが、各成分の濃度、モノマーおよび光重合開始剤の種類および添加物は相違してもよい。
【0095】
感光性樹脂層の厚みは所望のフレキソ印刷版のタイプに関連して広い範囲にわたって変えることができる。いわゆる“薄板”用には、感光性樹脂層は約0.05〜0.17cmの厚みとすることができる。より厚い板で、感光性樹脂層は0.25〜0.64cmまでまたはさらに大きな厚みを有しよう。一般に、感光性樹脂層はホトポリマー層の表面にそしておそらく隣接する層中に移動できる、1つまたはさらに多くの化合物を含んでいる。一般的に低分子量化合物、すなわち30,000より小さな分子量のものは移動性である。移動性の低分子量化合物は主に液体であるが低融点の物質も含まれる。このような移動性物質の例にはモノマーと可塑剤が含まれる。この移動性物質はこれらが隣接層中の物質と相溶性であるとき時間とともに移動する傾向がある。
【0096】
本発明で用いられる感光性樹脂層は、該感光性樹脂層の表面抵抗が1×1010Ω/□以上であることが好ましく、2×1010Ω/□以上がより好ましい。上限としては、1×1018Ω/□以下が好ましい。表面抵抗が1×1010Ω/□以上である感光性樹脂層は、帯電効率が高く、また帯電均一性が高いために高画質マスク画像を形成することができる。
本発明において、表面抵抗値とは、以下の測定法により計測した抵抗値をいう。
温度20℃/湿度RH65%の環境下で、川口電気社製エレクトロメーター(同社製Universal Electrometer MMAII−17A)を用い、測定チャンバーにフレキソ版をセットし、表面抵抗測定モードで配線を行い、エレクトロメーターの測定印加電圧を100Vとし、電圧印加後1分後の抵抗値を測定値とした。
【0097】
上記の印刷版用感光性樹脂組成物の溶液を、支持体上に、感光層として塗設して感光性樹脂版材とする。感光層を形成せしめるには、たとえば溶剤の大部分を留出した後に加熱して溶融状態にして支持体上に押し出して成形することができる。その他には、乾式製膜法で感光性シートを作り、このシートを支持体上に接着して感光層を形成することも可能である。またその他には、支持体上に直接に乾式製膜して感光層を得ることもできる。支持体としては、スチール、ステンレス、アルミニューム、銅などの金属板、ポリエステルフイルムなどのプラスチックシート、スチレン−ブタジエン共重合体などの合成ゴムシートが使用される。感光層は、0.01〜10mmの厚さに形成することが好ましい。このようにして支持体上に本発明の感光性樹脂組成物を塗工することにより、感光性樹脂版材が得られる。
【0098】
本発明において、フレキソ版にマスク画像を形成した後の工程はマスクを通じての化学放射線による感光性フレキソ版の全面露光である。
使用される放射線の形式は感光性樹脂層中の光重合開始剤のタイプに関連する。感光性樹脂層の表面上に形成されたマスク画像は、すぐ下の物質が化学放射線に露光されることを防止し、そこでこの放射線不透明材料によりカバーされた区域は重合することがない。放射線不透明材料によりカバーされていない区域は化学放射線に露光されそして重合する。このステップのために化学放射線の普通の光源をどれも使用することができる。適当な可視またはUV光源の例にはカーボンアーク、水銀蒸気アーク、蛍光燈、電子せん光ユニット、電子ビームユニットおよび写真用フラッド燈などが含まれる。もっとも適当なUV光源は水銀蒸気燈、とくに太陽燈である。標準的な光源はシルバニア350ブラックライト蛍光燈(FR 48T 12/350 VL/VHO/180、115w)であり、これはほぼ354nm付近の中心放射波長を有している。
【0099】
化学放射線に対する全面露光は、平坦な台の上で行うことができるが、ドラムを使用して行っても良い。
【0100】
化学放射線の露光時間は、放射線の強さとスペクトルのエネルギー分布、感光性フレキソ版からの距離、および感光性樹脂組成物の性質と分量などに関連して数秒から数分までに変化することができる。典型的には水銀蒸気アークまたは太陽燈が感光性フレキソ版から約1.5〜約60インチ(3.8〜153cm)の距離で用いられる。露光温度は好ましく周囲温度または僅かに高め、すなわち、約20〜約35℃である。
【0101】
普通、化学放射線に対する感光性フレキソ版の画像形成露光は、大気の酸素の存在を排除し真空中で行われる。露光は原版(例、ネガチブ)と光重合性表面間の密着を確実とし、そしてホトポリマー層中で生じる重合反応に酸素が有害な作用をするのを防止するために真空中で行われるのである。(酸素が存在するとき重合反応は長い露光時間と高強度の光源を必要とし、そして結果は再現性が低下する)本発明の方法において、全露光ステップは真空中で行うことができるし、あるいはまた真空外で、すなわち、感光性フレキソ版が大気酸素の存在下において行うこともできる。この全露光ステップを真空外で行うことができることは、とくに感光性フレキソ版が重合に及ぼす酸素の作用を防止するバリヤー層を有していないことから、驚くことである。感光性フレキソ版のための真空なしでの全体的な露光は、版のレリーフ構造の側壁が広い範囲の露光時間にわたってより直線的であるという、すなわち広い露光ラチチュードを与えるという製品特性上の1つの改善を与えた。使用者は一般的に彼等の処理に際しての広い露出ラチチュードは有利である。真空でないとき全体露光ステップを行うためのもう1つの利点は、露光前に真空にするための時間を要しないからより簡便でかつ迅速になることである。
【0102】
本発明の方法には普通バック露光またはバックフラッシュステップが含まれる。これは支持体を通じて化学放射線に対しての全面露光である。これは感光性樹脂層の支持体側に重合した材料の浅い層または床を生じさせ、かつ感光性樹脂層を感受性化するために用いられる。この床は感光性樹脂層と支持体間の接着を改善し、ハイライト部ドットの解像性を助長しそしてまた版のレリーフの深さを確定させる。バックフラッシュ露光は画像化プロセスの前、後あるいはその間に行うことができる。前述の普通の光源のどれもバックフラッシュ露光ステップに用いることができる。露光時間は一般に数秒から約1分までの範囲である。
【0103】
化学放射線不透明材料により形成されたマスクを通じてのUV光に対する全面的露光後に、画像は適当な現像液でウオッシュすることにより処理される。この処理ステップは少なくとも非赤外の化学放射線に露光されなかった区域中の感光性樹脂層をとり除くのである。現像液は感光性樹脂層の未光重合区域をとり除くのである。
【0104】
現像は普通ほぼ周囲温度で行われる。現像液は有機性溶液、水、水性または半水性の各溶液とすることができる。現像液として水を用いるとき、この水は界面活性剤を含むことができる。現像液の選定は除去されるべき感光性樹脂の化学的性質に関連しよう。適当な有機性溶液の現像液には芳香族または脂肪族炭化水素および脂肪族または芳香族ハロゲン化炭化水素溶液、またはかかる溶液と適当なアルコールとの混合物が含まれる。この他の有機性溶液の現像液は公開されたドイツ国特許出願第38 28 551号および米国特許第5,354,645号中で述べられている。適当な半水性現像液は、普通水および水混和性有機溶液およびアルカリ性材料を含んでいる。適当な水性現像液は普通水とアルカリ性材料とを含んでいる。この他の適当な水性現像液の組合わせは米国特許第3,796,602号中で述べられている。
【0105】
現像時間はまちまちであるか、好ましく約2〜25分の範囲内である。現像液は浸漬、スプレーおよびブラシまたはローラー付与などを含む普通のどのような方式でも付与することができる。ブラッシング助剤を組成物の未重合部分を除くために用いることができる。しかしながら、自動処理ユニットにおいてはウオッシュアウトがしばしば用いられ、これは版の未露光部分をとり除き、露光された区域と床とからなるレリーフを残すため現像液と機械的なブラッシングとを使用している。
【0106】
溶解現像後に、このレリーフ印刷版は普通吸い取りまたはぬぐい取って乾かし、ついで強制通気または赤外オーブン中で乾燥する。乾燥時間と温度はまちまちであるが、典型的に版は60℃において60〜120分乾燥される。高い温度は、支持体が収縮し位置決め上の問題が生じるので推奨されない。大部分のフレキソ印刷版は、光重合プロセスを完結しかつ版がプリントおよび保存中も安定とするために一様な後露光をする。この後露光ステップには主露光と同じ光源が利用される。
【0107】
脱粘着化(または光仕上げということもできる)は随意の1つの現像後処理であり、これは表面がなお粘着性でこの粘着性が一般に後露光で除去されないようなとき適用することができる。粘着性はブロム水または塩素水による処理のように、従来良く知られている方法により除去することができる。このような処理は、たとえば、Grueetzmacher氏の米国特許第4,400,459号;Fickes氏他の同第4,400,460号およびドイツ国特許第28 23 300号中に述べられている。脱粘着化はまた欧州公開特許出願第0 017 927号およびGibson氏の米国特許第4,806,506号中に示されたように、300nmより長くない波長を有する光源に対し露光することによっても達成される。
【0108】
これらのフレキソ版はつぎ目のない、連続的なプリント用フレキソ版の作成にとくに好都合に用いることができる。光重合性の平面シート状フレキソ版は円筒状の形のもの、通常プリント用スリーブまたはプリント用シリンダー自体、のまわりをフレキソ版で包み、そして両端を互いに融着してつぎ目なしの、連続的なフレキソ版とすることにより再処理できる。好ましい方法では、光重合性層は円筒状の形をとりまいて包みそして両端を結合する。この両端を結合するための1つの方法がドイツ国特許DE 28 44 426号中に示されている。この光重合性層はついで少なくとも1つの赤外感受性層を、たとえば、スプレー塗布法により塗布することができる。
【0109】
連続的なプリント用フレキソ版は壁紙、デコレーション用およびギフト用の包装紙のような、連続的なデザインのフレキソグラフプリントに用途を有している。その上、このような連続的なプリント用フレキソ版は、普通のレーザー装置上にとり付けるため最適である。その上をプリント用フレキソ版で包みその両端が融着されているスリーブまたはシリンダーは、レーザー装置中に直接とり付けることができ、そこでレーザー露光ステップの際に回転ドラムとして機能する。
その上、本発明のプロセスは版を円筒状にとり付けたまま、すなわち、円筒形体をとりまいて包んだままで行うことができるのが認められた。従って、画像状のアブレーション、全面露光、現像および追加的な各ステップなどが、版を円筒状にとり付けたまま行うことができる。本件方法を使用して得ることのできるその他の利点には、処理スピードの増加、良好な版面の整合および装着時間を減少あるいは、ときにはなくすことなどが含まれる。
【0110】
とくに記載しないかぎり、“フレキソ印刷版またはフレキソ版”の用語にはフレキソグラフプリント用に適当な、限定はしないが、平面シートおよびつぎ目なしの連続状を含めて、どのような形の版またはフレキソ版をも包含するものである。ここに記載したすべての出版物/文献はとくに示さない限り参照により組入れたものである。
【0111】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下に示す5種類の感光性樹脂を有するフレキソ印刷版を使用して、静電式インクジェット法によりカーボンブラック含有インクにより感光性樹脂層上にマスクパターンを作成した後、露光して、現像した。
【0112】
(感光性樹脂1)
Du Pont社製サイレル(Cyrel(登録商標))フレキソ版、タイプ67HLSのカバーシートと剥離層とを除去したものを使用した。
【0113】
(感光性樹脂2)
Du Pont社製サイレル(Cyrel(登録商標))フレキソ版、タイプHOS45のカバーシートを除去したものを使用した。
【0114】
(感光性樹脂3)
以下のように調製した水性現像型の感光性樹脂層を有するフレキソ版をカバーシートなしで使用した。
【0115】
以下の説明に使用する略称は以下の通りである:
ベース1 ジエチルアミノエチルメタアクリレート
BD ブタジエン
BHT ブチル化ヒドロキシトルエン
DAM マレンイ酸ジアリル、MTMハードウィック社
DDM ドデシルメルカプタン
t−DDM 第三級ドデシルメルカプタン
HMDA 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
HEC ヒドロキシエチルセルローズ
HPC ヒドロキシプロピルセルローズ、クルーセル(登録商標)E−F、ハーキュレス社
開始剤 2−フェニル−2,2−ジメトキシアセトフェノン
重合防止剤 2,3−ジアザビシクロ〔3.2.2〕ノン−2−エン、1,4,4−トリメチル−N,N′−ジオキサイド、CAS No.34122−40−2
アイソパーV C14〜C18のイソパラフィン系炭化水素、CAS No.64742−46−7、エクソン社、
ローマーPW ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒドポリマー、ナトリウム塩、CAS No.9084−06−4、ヘンケル社
MAA メタアクリル酸
NaDDBS ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
NLA n−ラウリルアクリレート
ピッコテックスR 置換ポリスチレン、ハーキュレス社
PVP−VA ポリ(ビニルピロリドン/ビニルアセテート)
ロド No.0 臭気マスキング剤として用いられる混合油、アール.ティ.バンデルビルト社
TBP トリブトキシエチルホスフェート
チヌビン(登録商標)1130 ポリエチレングリコールモノ(2−2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−t−ブチル−4−(3−メトキシ−3−オキシプロピル)フェニル)エーテルおよびポリエチレングリコールビス(2−2(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−t−ブチル−4−(3−メトキシ−3−オキシプロピル)フェニル)エーテルの混合物、チバガイギー社
TKPP ピロリン酸テトラカリウム、モンサント社
バゾ(登録商標)67 2,2”−アゾ−ビス(2−メチルブチロニトリル)、デュポン社
ザポン(登録商標)335 赤色色素、CAS No.73297−15−1
水で現像可能な感光性樹脂層を有するフレキソ版は、以下のようにして調製したマイクロゲルバインダーを使用した:
【0116】
I.マイクロゲルバインダーの調製
A 水相溶液の作成
水相溶液は以下の各成分から構成された。
ローマーPW 56g
NaDDBS 239g
脱イオン水 13093g
ローマーPWとNaDDBSは窒素雰囲気下に水に対して添加した。各成分はそれらがとけるまで混合した。
【0117】
B 油相の作成
油相溶液は以下の各成分から構成された。
スチレン 1332g
DDM 56g
バゾ(登録商標)67 35g
アイソパーV 2244g
DAM 140g
DDMとDAMを窒素雰囲気下にスチレン中に溶解した。ついでバゾ(登録商標)67を添加して溶解した。アイソパーVは窒素雰囲気下のままスチレン溶液に対してゆっくりと添加した。
【0118】
C 油エマルジョンの作成
油相を窒素雰囲気下に水相に対して添加し、溶液を混合しながら保つ。ついでこれをマイクロフルーダイザー(登録商標)M210(マイクロフルーディクス社)を用い、3000〜6000psi(211〜422kg/cm)で粒子サイズが100〜250nm(ガウス分布、NICOMPサブミクロン粒子サイズ解析計、モデル270、パシフィックサイエンティフィック社)となるまでホモジナイズした。
【0119】
D ブタジエン重合
重合のため以下の組成物を使用した:
脱イオン水 79.00ポンド
油エマルジョン 52.00ポンド
FeSO 0.02g
TKPP 33.00g
BD 43.18ポンド
FeSOとTKPPを窒素雰囲気下に脱イオン水中に溶解した。油エマルジョンを加えてこれをオートクレーブ中に入れた。BDを添加し、1時間撹拌しながら油エマルジョンの小滴を膨潤させた。ついで温度を60〜65℃に上昇させて重合反応を開始させた。重合はほぼ85%のBDが重合するまで進行させた。
【0120】
以下の各成分を予め混合してBDの重合率がほぼ85%に達したときその中に注入した。
MAA 2.27ポンド
t−DDM 0.65ポンド
NaDDBS 0.31ポンド
脱イオン水 22.47ポンド
【0121】
反応は全体の重合のほぼ90〜95%が完結するまで進行させた。得られたポリマームーニー粘度は65であった。最終的の粒子サイズは144nmであった(ガウス分布、NICOMPサブミクロン粒子サイズ解析計、モデル270、パシフィックサイエンティフィック社)。
上記エマルジョンを凍結乾燥して水を除いた。この結果ポリ(ブタジエン/スチレン)のコアとポリ(ブタジエン/メタアクリル酸)のシェルをもつ固体のマイクロゲルバインダーを得た。MAAの%は3.9%である。
【0122】
II.水性現像可能な感光性樹脂層を含む感光性要素の調製
感光性樹脂層3は以下の各成分から調製した。
マイクロゲルバインダー(A〜Dで調製した) 65.1重量部
HMDA 4.0重量部
NLA 4.9重量部
ベース1 9.8重量部
TBP 4.9重量部
開始剤 3.0重量部
BHT 2.0重量部
重合防止剤 0.1重量部
ピッコテックス(登録商標) 5.0重量部
PVP−VA 1.0重量部
ザポン(登録商標)335 0.01重量部
チヌビン(登録商標)1130 0.1重量部
ロド(登録商標)No.0 0.1重量部
【0123】
カバーシートは厚み5ミル(0.013cm)のポリエチレンテレフタレートシートに、HPCとHEC混合物の層を20mg/dmの塗布量に塗布することにより調製した。支持体は火炎処理をした7ミル(0.018cm)厚のポリエチレンテレフタレートを使用した。感光性樹脂層の各成分を混合、脱泡および組成物の濾過の各機能を果す30mmのツインスクリューエクストルーダー中に供給した。材料はダイを通じて135℃で2重ロールカレンダーの回転バンク中に押し出し、そして支持体フィルムとカバーシート間でカレンダーリングした。
【0124】
ホトマスクを形成する際には、上記のカバーシートをはずして使用した。
ホトマスク形成後に、感光性エレメントは真空なしで3分間の表面露光、つまり形成された放射線不透明のマスクを通じて露光した。エレメントはロータリー処理機中でブラシを使用し、水道水で周囲温度において10分間現像した。未重合の水性感光層は所期のように除去された。新鮮な水ですすぎついで60℃のオーブン中で15分間乾燥した。良好な画像が得られた。
【0125】
以下のように調製した水性現像型の感光性樹脂層を有するフレキソ印刷版をカバーシートなしで使用した。
以下の説明に使用する略称は以下の内容を示す:
(感光性樹脂4)
AMA アリルメタクリート
BD ブタジエン
BHT 2,6−ジメチル−4−t−ブチルフェノール
ブルー3R−RF
マクロレックス(登録商標)ブルーRR,CIソルベントブルー97の90%とマクロレックス(登録商標) バイオレットB、C.I.ソルベントバイオレット13の10%との混合物、両方ともモーベイケミカル社製
BMA メタクリル酸ブチル
CP−1216
ポリ(ビニリデンクロライド/イタコン酸/メチルアクリレート)2.8部とポリ(エチルアクリレート)1部とのラテックス
DDM ドデシルメルカプタン
デーレジネート(登録商標)731
変性樹脂のナトリウム石ケン、CAS No.61790−51−0の70%水溶液、ハーキュリーズ社製
HEC ヒドロキシエチルセルロース、HEC WP−09−L、ユニオンカーバイド社製
HMDA 1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
HPC ヒドロキシプロピルセルロース、クルーセル(登録商標)E−F、ハーキュリーズ社製
【0126】
開始剤 2−フェニル−2,2−ジメトキシアセトフェノン
抑制剤 2,3−ジアザビシクロ〔3.2.2〕ノン−2−エン4,4−トリメチル−N,N′−ジオキサイド
アイソパールV C14〜C18のイソパラフィン系炭化水素、エクソン社製、CAS No.64742−46−7
ロマールPW ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒドポリマーのナトリウム塩、CAS No.9084−06−4の90%、硫酸ナトリウム、CASNo.7757−82−6の5%、水 CAS No.7732−18−5の5%
MAA メタクリル酸
MMA メチルメタクリレート
NaDDBS ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(22.5%水溶液)
76RES−P546 ビニリデンクロライド/アクリレートコポリマーラテックス、ウノカルケミカル社製
樹脂90 トール油樹脂、CAS No.8050−09−7、ウエストバコ社製
TKPP ピロリン酸テトラカリウム、モンサント社製 タモール(登録商標)SN ナフタレンスルホン酸ナトリウム塩、ロームアンドハース社製
UV吸収剤 2−〔3′,5′−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)−2′−ヒドロキシフェニル〕ベンゾトリアゾール
バゾ(登録商標)67 2,2′−アゾ−ビス(2−メチルブチロニトリル)、デュポン社製
【0127】
(感光性樹脂4)
以下に感光性樹脂4に使用した複合バインダーの調製を示す。
A.水相溶液の調製
水相溶液は下記の各成分から構成した。
デーレジネート731 1298g
NaOH 38g
タモールSN 282g
NaDDBS 1279g
脱イオン水 69267g
デーレジネート731とNaOHとを窒素通気により水中に溶解した。NaDDBSとタモールSNを窒素雰囲気下にこの溶液に添加した。各成分はそれらが溶解するまで混合した。
【0128】
B.油相の調製
油相溶液は下記の各成分から構成される
スチレン 6711g
DDM 282g
バゾ67 176g
アイソパールV 11304g
AMA 706g
DDMとAMAを窒素雰囲気下にスチレン中に溶解した。ついでバゾ67を添加して溶解した。アイソパールVをこのスチレン溶液に窒素雰囲気下でゆっくりと添加した。
【0129】
C.油エマルジョンの調製
油相を窒素雰囲気下に水相に添加し、溶液を混合状態に維持する。ついでこれをマイクロフルーダイザー(登録商標)M210(マイクロフルーディクス社製)を3000〜6000ポンド/平方インチ(210.9〜421.8kg/cm)で使用し、粒子サイズが100〜250nm(ブルックヘブン社のB190で測定して)となるまで均質化した。
【0130】
D.ブタジエンの重合
下記成分を重合に用いた。
脱イオン水 276.6ポンド
油エマルジョン 201.2ポンド
FeSO 0.06g
TKPP 130.1g
BD 172.0ポンド
FeSOとTKPPを窒素雰囲気下に脱イオン水に溶解する。油エマルジョンを添加してこれをオートクレーブ中に入れた。BDを添加し油エマルジョンの小滴を1時間撹拌しながら膨潤させた。温度を60°〜65℃に高めて重合反応を開始させた。重合はほぼ90〜95%のBDの転換が完了するまで進行させた。得られたポリマーのムーニー粘度は69であった。最終的の粒子サイズは196nmであった(パシフィックサイエンティフイック社のナイコンプ粒子サイズ分析器モデル270によるガウス分布により測定した)。
【0131】
B.重合体安定剤
使用したポリマーはBMA(10分子単位)/MMA(5分子単位)/MAA(10分子単位)で構成されるグルーフトランスフアーポリマーである。このポリマーはテトラヒドロフラン(THF)中で調製された。これに1−プロパノールと水とを添加し、ポリマー13部、THF9部、1−プロパノール6部、そして水70部からなる混合物を作った。ついで酸官能基の75%をKOHによって中和した。
【0132】
C.複合バインダー
重合体安定剤液(固体分13%)の135gを弾性ラテックス(固体分31.7%)の1049gとともに24時間混合した。得られたエマルジョンを0℃以下で冷凍乾燥して水を除去した。吸着したBMA/MMA/MAA重合体安定剤をもつブタジエン/スチレンコポリマーエラストマーの固形状複合バインダーが得られた。
【0133】
感光性樹脂層4は下記の各成分から調製された。
複合バインダー 88.2重量部
HMDA 10重量部
開始剤 1.2重量部
BHT 0.5重量部
抑制剤 0.1重量部
上記各成分を115〜120℃で8分間2−ロールミル上で混合した。カバーシートは厚さ5ミル(0.013cm)のポリエチレンテレフタレートシートに、HEC1部とHPC1部の混合物の層を20mg/dmの塗布量で塗布することにより調製した。
【0134】
支持体はUV吸収剤0.24%とブルー3R−RF0.57%とを含んだ、厚さ7ミル(0.018cm)のクロナーRポリエチレンテレフタレート支持体シートに、CP−1216の塗布量0.8mg/dmの第1層と76 RES P546の塗布量70mg/dmの第2層とを塗布することにより調製した。混合した感光性組成物を支持体とカバーシート間に入れて140℃で水圧機の中に入れ、そして全体の厚さ(感光性層+支持体+カバーシート)が112ミル(0.28cm)となるように圧縮成形した。
【0135】
(感光性樹脂5)
以下に感光性樹脂5に使用した親水性バインダーの調製を記す。
なお以下の実施例で使用される部数は重量部であり、特に記載が無い場合の数平均分子量は粘度測定法とGPC法を組み合わせて求めた値である。相対粘度〔ηr〕は98%硫酸に重合体を1g/100ccの割合で溶解し25℃で測定したものである。
【0136】
以下に感光性樹脂5に用いた親水性ポリマの合成例を説明する。
【0137】
合成例 A−1<エーテル結合を有するポリアミドの合成> ε−カプロラクタム/ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の等モル塩/α、ω−ジアミノプロピルポリオキシエチレン(数平均分子量1000)とアジピン酸の等モル塩(20/20/60重量比)から、共重合ポリアミドを得た。
【0138】
ここで得られた共重合ポリアミドの末端基を定量すると第一級アミノ基4.0×10−5モル/g,カルボキシル基2.1×10−5モル/gであり、末端基定量法による数平均分子量はほぼ33000であった。このポリマは25℃の水に溶解する性質を有するものであった。
【0139】
A−2<側鎖にスルホン酸基を有するポリアミドの合成> ε−カプロラクタム113g,ヘキサメチレンジアミン17.6gおよびα−アミノカプロン酸66gをオートクレーブ中に仕込み、窒素置換後、内容物を温度230℃で3時間反応させた。冷却後、反応混合物に3−ヒドロキシ−ブタンスルホン酸ラクトン244gと硫酸カリウム13.8gを添加し、窒素置換後再び温度230℃で1時間反応させて共重合ポリアミドを得た。このポリマは25℃の水に溶解する性質を有するものであった。
【0140】
A−3<ピペラジン骨格を有するポリアミドの合成> N,N´−ジ(γ−アミノプロピル)ピペラジンアジペート50部、ε−カプロラクタム30部および水20部をオートクレーブ中に仕込み、窒素置換後、密閉して徐々に加熱する。内圧が10kg/cmに達した時点から、その圧力を保持できなくなるまで水を留出させ、約2時間で常圧にもどし、その後1時間常圧で反応させた。最高重合反応温度は255℃であった。得られた重合体は軟化点90〜105℃,〔ηr〕2.3の透明淡黄色のポリアミドであった。このポリマは25℃の水に溶解する性質を有するものであった。
【0141】
A−4<側鎖にアミノ基を有するポリアミドの合成>
α−ジメチルアミノ−ε−カプロラクタム90部、水10部をオートクレーブ中に仕込み、窒素置換後、密閉して徐々に加熱する。内圧が3.5kg/cmに達した時点から、その圧力を保持できなくなるまで水を留出させ、約2時間で常圧にもどし、その後2時間常圧で反応させた。最高重合反応温度は260℃であった。得られた重合体の〔ηr〕2.5であった。このポリマは25℃の水に溶解する性質を有するものであった。
【0142】
感光性樹脂5 上記合成例A−1で得られた共重合ポリアミド20部と、カルボキシル基変性ニトリルブタジェンゴム(Nipol 1072 数平均分子量500000 日本ゼオン(株)製)80部とを180℃で運転されている密閉式ミキサーを使用して溶融混合物を得た。
【0143】
また、この溶融混合物の形態を走査電子顕微鏡(日本電子製JSM−T300,測定条件:反射電子組成像)で観察した。その観察結果、A−1ポリマが海でカルボキシル化ニトリルブタジェンゴムが島となる海島分散構造を有し、その直径は0.5〜4ミクロンの範囲にあることが確認された。
【0144】
この溶融混合物60部をエタノール/水=60/40(重量部)の混合溶剤160重量部に90℃で加温溶解した。
【0145】
ついで、グリシジルメタクリレートを2重量部添加して、80℃で1時間反応させてポリアミドの末端にあるアミノ基およびカルボキシル基にグリシジルメタクリレートのエポキシ基を反応させてポリアミド末端にメタクリロイル基を導入した。ついで、光重合性不飽和化合物としてβ−ヒドロキシエチル−β’−アクリロイルオキシエチルフタレート30重量部を添加し、さらに光重合開始剤としてジメチルベンジルケタール2重量部、熱重合禁止剤ハイドロキノンモノメチルエーテル0.1重量部、メチレンビスナフタリンスルホン酸ナトリウム6重量部を加えて十分に攪拌混合した。
【0146】
このようにして得られた感光性樹脂組成物からなる溶液を、予めポリエステル系接着剤が塗布・キュアされている厚さ100μmのポリエステル基板上に、感光層の厚さが1700μmとなるように流延、塗布、室温放置して、生版の圧縮強度が4kg/cmである固形のフレキソ印刷版を得た。
【0147】
また、この版材の形態を走査電子顕微鏡(日本電子製JSM−T300、測定条件:反射電子組成像)で観察した。その観察結果、A−1ポリマと光重合性不飽和化合物からなる海と、カルボキシル化ニトリルブタジェンゴムの島とからなる海島分散構造を有し、その直径は0.5〜4ミクロンの範囲にあることが確認された。
【0148】
(感光性樹脂層6)
Du Pont社製サイレル(Cyrel(登録商標))フレキソ印刷版、タイプHOS45のカバーシートを除去せずに使用した。
【0149】
<インク組成物の作成>
カーボンブラック顔料(三菱化学社製MA−200RB)10gと被覆剤[AP−1]20gを、入江商会(株)製卓上ニーダーPBV−0.1に入れ、ヒーター温度を100℃に設定し2時間加熱混合した。得られた混合物30gをトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーにて粗粉砕し、さらに協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルにて微粉砕した。得られた微粉砕物30gを、分散剤[BZ−2]7.5g、アイソパーG75g、および直径約3.0mmのガラスビーズと共に、東洋精機製作所(株)製ペイントシェーカーにて予備分散した。ガラスビーズを除去した後、直径約6.0mmのジルコニアセラミックビーズと共に、シンマルエンタープライゼズ(株)製TypeKDLダイノミルにて、内温を25℃に保ちながら5時間、引き続き45℃で8時間、2,000rpmの回転数で分散(粒子化)した。得られた分散液からジルコニアセラミックビーズを除去し、アイソパーG316gと荷電調整剤[CT−1]0.6gを加え、インク組成物を得た。インク組成物の物性値は以下の通りであった。
【0150】
インク組成物の20℃での電気伝導度を、LCRメーター(安藤電気(株)製AG−4311)及び液体用電極(川口電機製作所(株)製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定したところ、100nS/mであった。
インク組成物を、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)製SRX−201)を使用し、回転速度14,500rpm、温度20℃の条件で30分間、遠心分離し荷電粒子を沈降させた後、上澄み液の電気伝導度を測定したところ、30nS/mであった。荷電粒子の電気伝導度は、70nS/mであり、インク組成物の電気伝導度に対して70%であった。また、荷電粒子の荷電は正であった。
荷電粒子の体積平均直径を、堀場製作所(株)製CAPA−700で5,000rpmの回転数で測定したところ、2.0μmであった。尚、数平均直径は、0.15μmであった。
インク組成物の20℃での粘度を、東京計器(株)製E型粘度計で測定したところ1.5mPa・sであった。また、インク組成物の20℃での表面張力を、協和界面科学(株)製FACE自動表面張力計で測定したところ、25mN/mであった。
インク組成物の作成に用いた被覆剤[AP−1]、分散剤[BZ−2]及び荷電調整剤[CT−1]の化学構造式を以下に示す。
【0151】
【化1】
Figure 2005017352
【0152】
(実施例1)
感光性樹脂1に対し、前述のカーボンブラック含有油性インクを用いて静電式インクジェットプリンターにより2〜95%(120線/インチ、スクリーン)の階調域を有する画像マスクを形成した。
得られたマスク形成済みのフレキソ版をインクジェット装置からとり出し、サイレル3040光源で14秒のバックフラッシュ露光を与え、ついで放射線不透明のパターン化マスクを通じ50mmHgの真空で9分間の表面露光を与えた。
露光したエレメントはサイレルロータリーズ処理機中で、パークレンとブタノールの3:1混合物(容量/容量)を使用し6分間現像した。画像状のマスクのアブレーション後に、感光性樹脂の未露光区域はとり除かれ、レリーフ状の印刷版が形成された。印刷版は60℃で1時間オーブン乾燥し、ついでサイレル光仕上げユニット中で5分間後露光と仕上げとを同時に行い、フレキソ印刷版を得た。
印刷はマークアンディプレスシステム830でこの印刷版により、フィルムIIIデンスブラックEC 8630インク(エンバイロンメンタル インク アンドコーティング社製)を、Zahn2号カップを使用して測定し27秒の粘度にうすめたものを用いて行った。良好な印刷画像が得られた。
画質の再現性を評価した。
【0153】
(実施例2)
感光性樹脂1のかわりに感光性樹脂2を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0154】
(実施例3)
感光性樹脂3に対し、静電式インクジェットプリンターにより2〜95%(120線/インチ、スクリーン)の階調域を有する画像様のマスクを形成した。
得られたマスク形成済みのフレキソ印刷版をインクジェット装置からとり出し、サイレル3040光源で14秒のバックフラッシュ露光を与え、ついで放射線不透明のパターン化マスクを通じ真空でなしに9分間の表面露光を与えた。
露光したエレメントはサイレルロータリーズ処理機中で、水道水を使用し10分間現像した。マスクパターンのアブレーション後に感光性樹脂層の未露光区域とはとり除かれ、レリーフ状の印刷版が形成された。印刷版は60℃で15分間オーブン乾燥し、ついでサイレル光仕上げユニット中で5分間後露光と仕上げとを同時に行い、フレキソ印刷版を得た。
得られたフレキソ印刷版を用い、フレキソ印刷機にて印刷を行い、画質の再現性を評価した。
【0155】
(実施例4)
感光性樹脂層3のかわりに感光性樹脂層4を用いる以外は、実施例3と同様の操作を行った。
【0156】
(実施例5)
感光性樹脂層3のかわりに感光性樹脂層5を用いる以外は、実施例3と同様の操作を行った。
【0157】
(実施例6)
感光性樹脂層1のかわりに感光性樹脂層6を用いる以外は、実施例1と同様の操作を行った。
【0158】
(比較例1)
感光性樹脂層として、 Du Pont社製サイレル(Cyrel(登録商標))フレキソ版、タイプ67HLSを用い、2〜95%(120線/インチ、スクリーン)の階調域を有するリスフィルムを乗せて、実施例1と同様に全面露光及び現像を行い、フレキソ印刷版を得た。
【0159】
(比較例2)
感光性樹脂層として、 Du Pont社製サイレル(Cyrel(登録商標))フレキソ版、FASTを用い、830nmの赤外線レーザーによりマスク層をアブレーションし、2〜95%(120線/インチ、スクリーン)の階調域を有する画像様のマスクを形成し、実施例1と同様に全面露光及び現像を行い、フレキソ印刷版を得た。
【0160】
得られたフレキソ印刷版を用い、フレキソ印刷機にて印刷を行い、画質の再現性を確認した。
ランニングコストに関しては、1000版使用時の版材、電気代、現像液等廃棄物処理代等を計算し、相対的なコストとして見積もった。
実施例1〜6及び比較例1〜2で得られたフレキソ印刷版の印刷評価結果を表1に示す。
評価は以下のように行った。
(画質)
○:マスク同様の2〜95%の階調が再現できている。
△:3〜95%の階調が再現できている。
×:4〜95%の階調が再現できている(再現性が悪い)。
(ランニングコスト)
○:コンベフレキソ版システムよりも安価(リスフィルム関連工程の分が削減される)
×:コンベフレキソ版システム以上のコスト
【表1】
Figure 2005017352
以上の結果より、本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、コンベフレキソ版をフレキソCTPに変える新しい方法であり、さらにユーザーメリットとして高画質化とランニングコスト低下を両立できるシステムであることが分かった。
【0161】
(実施例7)
<インク組成物の作成>
表2のカーボンブラック顔料10gと被覆剤[AP−1]20gを、入江商会(株)製卓上ニーダーPBV−0.1に入れ、ヒーター温度を100℃に設定し2時間加熱混合した。得られた混合物30gをトリオサイエンス(株)製トリオブレンダーにて粗粉砕し、さらに協立理工(株)製SK−M10型サンプルミルにて微粉砕した。得られた微粉砕物30gを、分散剤[BZ−2]7.5g、アイソパーG75g、および直径約3.0mmのガラスビーズと共に、東洋精機製作所(株)製ペイントシェーカーにて予備分散した。ガラスビーズを除去した後、直径約6.0mmのジルコニアセラミックビーズと共に、シンマルエンタープライゼズ(株)製TypeKDLダイノミルにて、内温を25℃に保ちながら5時間、引き続き45℃で8時間、2,000rpmの回転数で分散(粒子化)した。得られた分散液からジルコニアセラミックビーズを除去し、アイソパーG316gと荷電調整剤[CT−1]0.6gを加え、インク組成物を得た。インク組成物の物性値は以下の通りであった。
【0162】
インク組成物の20℃での電気伝導度を、LCRメーター(安藤電気(株)製AG−4311)及び液体用電極(川口電機製作所(株)製LP−05型)を使用し、印加電圧5V、周波数1kHzの条件で測定したところ、100nS/mであった。
インク組成物を、小型高速冷却遠心機(トミー精工(株)製SRX−201)を使用し、回転速度14,500rpm、温度20℃の条件で30分間、遠心分離し荷電粒子を沈降させた後、上澄み液の電気伝導度を測定したところ、30nS/mであった。荷電粒子の電気伝導度は、70nS/mであり、インク組成物の電気伝導度に対して70%であった。また、荷電粒子の荷電は正であった。
荷電粒子の体積平均直径を、堀場製作所(株)製CAPA−700で5,000rpmの回転数で測定したところ、2.0μmであった。尚、数平均直径は、0.15μmであった。
インク組成物の20℃での粘度を、東京計器(株)製E型粘度計で測定したところ1.5mPa・sであった。また、インク組成物の20℃での表面張力を、協和界面科学(株)製FACE自動表面張力計で測定したところ、25mN/mであった。
インク組成物の作成に用いた被覆剤[AP−1]、分散剤[BZ−2]及び荷電調整剤[CT−1]の化学構造式は前記のとおりである。
【0163】
顔料として種々のカーボンブラックを用いたインクを使用して、実施例1と同様の操作を行い、マスク画像形成性について評価した。
油性インクを2回重ねて着弾させることにより、十分高い光学濃度のマスクを形成することができた。
結果を表2に示す。
【表2】
Figure 2005017352
表中、マスク形成性とは、1回の描画での画像濃度を意味する。画像濃度としては、2.0以上が好ましく、3.0以上がより好ましく、4.0以上が特に好ましい。
以上の結果より、高抵抗のカーボンブラックを用いたときに、良好なマスク画像濃度が得られることが分かった。また、300時間描画後でもヘッド電極の洗浄は不要であった。
【0164】
(実施例8)
(樹脂1)
感光性樹脂層1を作成する際に、感光性樹脂層全組成物量に対し、帯電防止剤としてベタイン(化学構造を下記に示す。)を5重量%添加した。
【化2】
Figure 2005017352
(樹脂2)
感光性樹脂層1を作成する際に、感光性樹脂層全組成物量に対し、帯電防止剤としてベタインを2重量%添加した。
(樹脂3)
感光性樹脂層1をそのまま用いた。
上記樹脂1〜3を感光性樹脂層として用い、実施例1と同様の操作を行い、感光性樹脂層の表面抵抗値と帯電安定性、帯電均一性及び描画性の関係について評価した。
【0165】
評価は以下のように行った。
(帯電安定性)
○:帯電してから1分間放置後のフレキソ版の表面電位/帯電直後のフレキソ版の表面電位×100(%)が90%以上95%未満
◎:帯電してから1分間放置後のフレキソ版の表面電位/帯電直後のフレキソ版の表面電位×100(%)が95%以上
(帯電均一性)
○:フレキソ版の全表面での表面電位変動が10%以下
×:フレキソ版の全表面での表面電位変動が10%を超える
(描画性)
良好:30cm離れた位置から目視観察してムラが確認できない
【0166】
結果を表3に示す。
【表3】
Figure 2005017352
以上の結果より、感光性樹脂層の表面抵抗値が2×1010Ω/□以上であるときに良好な帯電安定性、帯電均一性及び描画性が得られることがわかった。
【発明の効果】
本発明によれば、ランニングコストが低く、良好なマスク画像濃度、帯電安定性及び帯電均一性を有するフレキソ印刷版の製版方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる静電式インクジェット装置の一例を示す模式的断面図である。
【図2】図1における吐出ヘッドの周囲の詳細な構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1 静電式インクジェット装置
10 吐出ヘッド
12 インクタンク
14 ヘッド駆動ドライバ
16 帯電器
18 除電器
20 フィードローラ
22 搬送ローラ
24 画像定着ローラ
26 フレキソ版ストッカー
28 マスク形成済フレキソ版ストッカー
30 溶剤回収手段
32 フレキソ版
34 インク室
35 インクの流れ方向
36 吐出部
38 絶縁性インクガイド
50 第一吐出電極
52 第二吐出電極
54 ガード電極
56 泳動電極
58 シールド電極
59 背面電極
80 インク滴
81 フレキソ版上に着弾したインク滴
d 絶縁性インクガイド38と背面電極59上のフレキソ版32とのギャップ

Claims (5)

  1. 支持体上に設けられた感光性樹脂層上に静電式インクジェット法により、露光する光を吸収又は反射する着色粒子を含む油性インクを吐出して画像マスクを形成した後、該画像マスクを介して該感光性樹脂層を露光し、現像することを特徴とするフレキソ印刷版の製版方法。
  2. 該油性インクが顔料を含有する帯電粒子を絶縁性有機溶媒中に分散したものである請求項1に記載の製版方法。
  3. 該顔料が高抵抗カーボンブラックである請求項2に記載の製版方法。
  4. 感光性樹脂層上に画像マスクを形成する際に、吐出される油性インクを複数回重ねて着弾させる請求項1から3いずれか1つに記載の製版方法。
  5. 支持体上に設けられた感光性樹脂層の表面抵抗が1×1010Ω/□以上である感光性樹脂層上に静電式インクジェット法により露光する光を吸収又は反射する着色粒子を含む油性インクを吐出して画像マスクを形成した後、露光し、現像することを特徴とするフレキソ印刷版の製版方法。
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