JP2019018519A - インクジェット印刷装置及びインクジェット吐出制御方法 - Google Patents

インクジェット印刷装置及びインクジェット吐出制御方法 Download PDF

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】簡単な吐出制御構成ながら、ノズルからの液滴を適正形状で高速かつ多量に形成可能で、良好な印刷品質等が可能なインクジェット印刷装置等を提供する。【解決手段】吐出ノズル、加圧室、及び圧電素子を有する吐出ヘッドと、主パルス40a3から成る主パルス部40の前に印加され、主パルス40a3よりもピーク電圧V1が小さく、かつ主パルス40a3と同位相の第一のパルス391から成る第一のパルス部39、第一のパルス391が基準電位V0まで戻った後に印加される主パルス部40、及び主パルス部40の後に印加され、主パルス40a3よりもピーク電圧V3が小さく、かつ主パルス40a3と逆位相の第二のパルス41aから成り、主パルス40a3が基準電位V0まで戻った後に印加される第二のパルス部41を含む電圧波形を発生する制御ユニットとを備える。【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット印刷装置及びインクジェット吐出制御方法に関する。詳しくは、簡単な吐出制御構成でありながら、ノズルから吐出される液滴を適正形状で高速かつ多量に形成可能にして、良好な印刷品質、印刷速度を達成可能なインクジェット印刷装置及びインクジェット吐出制御方法に係わるものである。
従来より、インク滴をノズルから吐出して印刷媒体上にドット印刷を行うインクジェット印刷装置においては、ノズルに連通する加圧室に圧電素子を取り付け、この圧電素子に印加して生じる変形力によって加圧室の容積を増減させることにより、加圧室内に貯留したインクの引き込み、押し出しを行って液滴をノズルから吐出させるピエゾ方式が知られている。
このピエゾ方式においては、吐出した後のインク滴(以下、「液滴」とする)の形状、速さ、体積は、圧電素子に印加される駆動電圧の電圧波形によって大きく異なる。なお、この電圧波形には、駆動回路のコストが安価で制御も容易なことから矩形波によるパルス信号が多く用いられている。
そこで、圧力室を圧縮してノズルから液滴を吐出させるために印加する波形部分(以下、「主パルス部」とする)に加え、主パルス部の前後に、ノズル内のインクに予備振動を発生させる波形部分(以下「第一のパルス部」とする)と、ノズル内のインクの残留振動を抑制する波形部分(以下「第二のパルス部」とする)とをそれぞれ設けた吐出制御技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。
この技術では、通常の如く、第一のパルス部を所定時期に印加して加圧室を膨張させ、インクのメニスカス(ノズル内液面)をノズル内に引き込むようにして、所定の運動エネルギーを有する予備振動を発生させるが、その際、図12に示すように、第一のパルス部を第1電圧変化プロセスP1と第2電圧変化プロセスP2という二段の階段状プロセスに分けて連続印加させることにより、メニスカスの引き込み量を適正に抑えて、液滴の過度な体積減少や曳糸化を抑制することができる。そして、続く第3電圧変化プロセスP3によってインク滴の吐出が行われる。
更に、この技術によると、第二のパルス部を第4電圧変化プロセスP4として所定時期に印加して加圧室を膨張させ、前過程の主パルス部印加時に発生した残留振動を打ち消して、圧力摂動のない安定した液滴の吐出を行うことができる。なお、図12中の縦軸は電圧V、横軸は通電時間T、Tcは固有周期を示す。
特開2005−199662号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術には、予備振動の発生と残留振動の抑制に必要な各変化プロセスP1、P2、P4の印加時期が規定されているものの、印刷品質、印刷速度を向上させる吐出制御技術については何ら記載されていない。このため、たとえ各変化プロセスの印加時期が適正であっても、メニスカスへの影響が大きい各パルスのピーク電圧の設定次第では、ノズルから吐出された液滴が略球体状となって高速かつ多量に印刷媒体に衝突するのが困難となり、印刷品質はもとより、液滴の速さが減少して印刷速度も悪化する。
更に、前述の如く、第一のパルス部が、第1電圧変化プロセスP1と第2電圧変化プロセスP2という二段の階段状プロセスに分けて連続印加されている。このため、第1電圧変化プロセスP1のピーク電圧の基準電位との電位差の大きさによっては、この第1電圧変化プロセスP1に続く第2電圧変化プロセスP2のピーク電圧の基準電位との電位差が過大となってメニスカスの引き込み量も多くなり、液滴の過度な体積減少や曳糸化を招いて印刷品質が一層悪化する。
加えて、印刷というのは一つの印刷物に対し、一か所ではなく複数の部分に印刷することが多く、一つの色であっても複数の場所に印刷する必要がある。その上、一つの色でも品質印刷を向上させるためには色合いを向上させるために吐出量を変化させ、他の色との微妙なバランスを取りながら、複数回印刷する必要がありうる。しかも、現在の印刷技術に対するニーズは、これらの連続印刷を高速で複数の対象物に連続で印刷する必要があり、短時間のうちに正確な多種類の吐出を連続で行う必要がある。しかしながら、主パルス部に第一のパルス部を設けるだけでは、主パルス部後の加圧室内の圧力変化がメニスカスの変化に追従できずに、連続印刷する際に前の吐出の影響を受けるため、うまく吐出を制御することができず、結果として正確な吐出が行えずに印刷品質が更に一層悪化する。
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、簡単な吐出制御構成でありながら、ノズルから吐出される液滴を適正形状で高速かつ多量に形成可能にして、良好な印刷品質、印刷速度を達成可能なインクジェット印刷装置及びインクジェット吐出制御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のインクジェット印刷装置は、ノズル、ノズルに連通する加圧室、および加圧室内に圧力を付与する圧電素子を有する吐出ヘッドと、主パルスから成る主パルス部の前に印加され、主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ主パルスと同位相の第一のパルスから成る第一のパルス部、第一のパルスが基準電位まで戻った後に印加される主パルス部、及び、主パルス部の後に印加され、主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ主パルスと逆位相の第二のパルスから成ると共に、主パルスが基準電位まで戻った後に印加される第二のパルス部を含む電圧波形を発生する制御ユニットとを備えている。
そして、ノズル、ノズルに連通する加圧室、および加圧室内に圧力を付与する圧電素子を有する吐出ヘッドを備えることによって、通路内のインクを加熱して発生する気泡によりインクを押し出してノズルから液滴を吐出させるサーマル式に比べ、良好な印刷品質、印刷速度を確保すると共に、部品コスト、インクコストを低減することができる。すなわち、これらのノズル、加圧室、圧電素子を使用することで前述したピエゾ方式による印刷ができるため、サーマル式に比べると、圧電素子の変形量そのものを電圧制御することから、液滴の形状、速さ、体積のより精密な制御が可能になると共に、非加熱による液滴の吐出制御を行うことから、吐出ヘッドの寿命の向上や使用可能なインクの種類の拡大も図ることができる。
更に、制御ユニットによる電圧波形が、主パルスから成る主パルス部の前に印加され、主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ主パルスと同位相の第一のパルスから成る第一のパルス部を含むことによって、印刷品質、印刷速度を向上させることができる。すなわち、主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有する第一のパルスを予め印加しておくだけで、メニスカスへの影響が大きい第一のパルスによって発生した予備振動が、主パルス部で吐出される液滴の形状、速さ、体積を適正化し、好適な略球状の液滴を高速かつ多量に印刷媒体に衝突させることができる。
この際、従来の如く二段の階段状プロセスに分けて連続印加される場合とは異なり、第一のパルスのピーク電圧が過大となるのを抑制できるため、メニスカスの引き込み量が多くなって液滴の過度な体積減少や曳糸化が進むのを抑止し、印刷品質、印刷速度を更に向上させることができる。
加えて、制御ユニットによる電圧波形が、第一のパルスが基準電位まで戻った後に印加される主パルス部を含むことによって、第一のパルスによる予備振動の発生を促進することができる。すなわち、圧電素子が第一のパルスの熱負荷等によって変形するのを抑制することができ、圧電素子の可動部分を振動しやすくすることができる。
更に、制御ユニットによる電圧波形が、主パルス部の後に印加され、主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ主パルスと逆位相の第二のパルスから成ると共に、主パルスが基準電位まで戻った後に印加される前記第二のパルス部を含むことによって、印刷品質、印刷速度を更に一層向上させることができる。すなわち、主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有する第二のパルスを後で印加するだけで、メニスカスへの影響が大きい第二のパルスによって、主パルス部で発生した残留振動の抑制が、次サイクルの主パルス部で吐出される液滴の形状、速さ、体積を適正化し、好適な略球状の液滴を高速かつ多量に印刷媒体に衝突させることができる。
しかも、主パルスが基準電位まで戻った後に第二のパルス部が印加されるので、圧電素子が第二のパルスの熱負荷等によって変形するのを抑制することができ、圧電素子の可動部分が振動しやすくなって、第二のパルスによる残留振動の抑制効果を促進することができる。
この際、第二のパルスのピーク電圧が過大となるのを抑制できるため、メニスカスの引き込み量が多くなって次サイクルの主パルス部で吐出される液滴の過度な体積減少や曳糸化が進むのを抑止し、印刷品質、印刷速度を更に向上させることができる。
従って、以上のような吐出ヘッドと制御ユニットとを備えることによって、メニスカスへの影響が大きい、第一のパルス部、主パルス部、及び第二のパルス部の各パルスのピーク電圧に上限を設定すると共に、例えば後述のように、各パルスのピーク電圧間に所定の関係を設定するだけの簡単な吐出制御構成を備えることにより、主パルス部でノズルから吐出される液滴の形状、速さ、体積を適正化し、液滴を略球状で高速かつ多量に形成して印刷媒体に衝突させることができ、印刷品質、印刷速度を大きく向上させることができる。
また、第一のパルス部が、単一の第一のパルスから構成されると共に、第一のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差が、主パルスの所定のピーク電圧の基準電位との電位差の20%以上かつ50%以下である場合は、まず、第一のパルス部が単一の第一のパルスから構成されることから、第一のパルス部の印加をより単純な電圧制御によって行うことができる。これにより、圧電素子に安定した第一のパルス部の印加が行えると共に、電圧制御に必要な制御装置の装置コストの低減も図ることができる。
更に、第一のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差は、主パルスの所定のピーク電圧の基準電位との電位差の20%以上かつ50%以下である。これは、主パルス部のピーク電圧の基準電位との電位差に対する第一のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差の比率(以下、「第一のパルス電圧比」とする)が20%未満では、第一のパルス部で印加される電圧が小さくてまだ液滴が内部に溜まったままであり、メニスカスのノズル内への引き込みによる運動エネルギーが有効に作用して、続く主パルス部で吐出される液滴の速さは増加するが、電圧が小さいために加圧室の圧縮程度が小さくて吐出する体積が小さくなるからである。一方、第一のパルス電圧比が50%超えでは、インクへの印加電圧が過大となって粘性が極端に小さくなり、長いリガメントが発生しやすくなるからである。
また、第一のパルス部が、二つの第一のパルスから構成されると共に、各第一のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差が、主パルスの所定のピーク電圧の基準電位との電位差の20%以上かつ50%以下である場合は、まず、第一のパルス部が二つの第一のパルスから構成されることから、各第一のパルスの形状やピーク電圧を変更することで、ノズル内のインクに様々な周期や大きさの予備振動を発生させることができる。これにより、第一のパルスが単一の場合に比べ、インクの種類や温度、印刷速度等の様々な印刷条件に応じ、より適した予備振動を発生させることができ、良好な印刷品質、印刷速度を確保することができる。
更に、各第一のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差は、主パルスの所定のピーク電圧の基準電位との電位差の20%以上かつ50%以下である。これも、単一の第一のパルスの場合と同様、第一のパルス電圧比が20%未満では、第一のパルス部で印加される電圧が小さくてまだ液滴が内部に溜まったままであり、メニスカスのノズル内への引き込みによる運動エネルギーが有効に作用して、続く主パルス部で吐出される液滴の速さが若干増加するが、電圧が小さいために加圧室の圧縮程度が小さくて吐出する体積が小さいからである。一方、第一のパルス電圧比が50%超えでは、インクへの印加電圧が過大となって粘性が極端に小さくなり、長いリガメントが発生しやすくなるからである。
また、二つの第一のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差が、互いに異なる場合は、圧電素子に印加されるピーク電圧の電位を一律とせずに、圧電素子に同じ電位のピーク電圧の第一のパルスが続けては印加されないようにすることができる。これにより、過大な運動エネルギーを有する予備振動の発生を抑制し、液滴の速さを適正にして良好な印刷品質、印刷速度を確保することができる。
また、主パルス部が、複数の主パルスから構成されると共に、各主パルスのピーク電圧の基準電位との電位差が、通電時間とともに所定の変化率で増大する場合は、まず、主パルス部が複数の主パルスから構成されることから、各本パルスの形状やピーク電圧を変更することで、ノズル内のインクに様々な周期や大きさの押し出し力を付与することができる。これにより、主パルスが単一の場合に比べ、インクの種類や温度、印刷速度等の様々な印刷条件に応じ、より適した押し出し力を付与することができ、良好な印刷品質、印刷速度を確保することができる。
更に、各主パルスのピーク電圧の基準電位との電位差が、通電時間とともに所定の変化率で増大することから、圧電素子に印加されるピーク電圧の電位を通電時間と共に低下させ、圧電素子に同じ電位のピーク電圧が繰り返しては印加されないようにすることができる。これにより、過大な運動エネルギーを有する押し出し力の発生を抑制し、液滴の速さを適正にして、良好な印刷品質、印刷速度を確保することができる。
また、変化率が、主パルスのピーク電圧の基準電位との電位差の最大値の1%以上かつ5%以下である場合は、適正な運動エネルギーを有する押し出し力が発生し、液滴の速さを適正にして、良好な印刷品質、印刷速度を確保することができる。
これは、変化率が1%未満では、主パルス間のピーク電圧の電位差が小さすぎて、圧電素子に同じピーク電圧の主パルスが繰り返して印加されるのと同等になって、過大な運動エネルギーを有する押し出し力が発生し、液滴の速さが過大になるからである。一方、変化率が5%超えでは、第一のパルス部、第二のパルス部に比べてピーク電圧の基準電位との電位差が大きな主パルス間であるがために、ピーク電圧間の電位差が大きくなって、圧電素子には階段状の複数の主パルスが連続印加されることとなり、ピーク電圧が最も小さい主パルスの基準電位との電位差の大きさによっては、主パルス部のピーク電圧の基準電位との電位差のうちの最大値が著しく大きくなって、過大な運動エネルギーを有する押し出し力が発生し、液滴の速さが過大になるからである。
また、第二のパルス部が、単一の第二のパルスから構成されると共に、第二のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差が、主パルスのピーク電圧の基準電位との電位差の最大値の20%以上かつ60%以下である場合は、まず、第二のパルス部が単一の第二のパルスより構成されることから、第二のパルス部の印加をより単純な電圧制御によって行うことができる。これにより、圧電素子に安定した第二のパルス部の供給が行えると共に、電圧制御に必要な制御装置の装置コストの低減も図ることができる。
更に、第二のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差は、主パルスのピーク電圧の基準電位との電位差の最大値の20%以上かつ60%以下である。これは、主パルス部のピーク電圧の基準電位との電位差に対する第二のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差の比率(以下、「第二のパルス電圧比」とする)が20%未満では、第二のパルス部41で印加される電圧が小さくて残留振動の抑制に必要な運動エネルギーが発生せず、液滴の速さがそれほど抑制できないからである。一方、第二のパルス電圧比が50%超えでは、インクへの印加電圧が過大となって粘性が極端に小さくなり、長いリガメントが発生しやすくなるからである。
上記の目的を達成するために、本発明のインクジェット吐出制御方法は、所望の印刷を行う主パルス部の主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ主パルスと同位相の第一のパルスから成る第一のパルス部を印加する第一過程と、第一のパルスが基準電位まで戻った後に主パルス部を印加する第二過程と、主パルス部の主パルスが基準電位まで戻った後に、主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ主パルスと逆位相の第二のパルスから成る第二のパルス部を印加する第三過程とを備えている。
そして、所望の印刷を行う主パルス部の主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ主パルスと同位相の第一のパルスから成る第一のパルス部を印加する第一過程を備えることによって、印刷品質、印刷速度を向上させることができる。すなわち、主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有する第一のパルスを予め印加しておくだけで、メニスカスへの影響が大きい第一のパルスによって発生した予備振動が、主パルス部で吐出される液滴の形状、速さ、体積を適正化し、好適な略球状の液滴を高速かつ多量に印刷媒体に衝突させることができる。
しかも、従来の如く二段の階段状プロセスに分けて連続印加される場合とは異なり、第一のパルスのピーク電圧が過大となるのを抑制できるため、メニスカスの引き込み量が多くなって液滴の過度な体積減少や曳糸化が進むのを抑止し、印刷品質、印刷速度を更に向上させることができる。
更に、第一のパルスが基準電位まで戻った後に主パルス部を印加する第二過程を備えることによって、印刷装置の汎用性を高めることができる。すなわち、主パルス部内の主パルスのピーク電圧を変えるだけで液滴の形状、速さ、体積を適正化できるため、印刷品質、印刷速度の微調整が容易となる。
加えて、主パルス部の主パルスが基準電位まで戻った後に、主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ主パルスと逆位相の第二のパルスから成る第二のパルス部を印加する第三過程を備えることによって、印刷品質、印刷速度を更に一層向上させることができる。すなわち、主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有する第二のパルスを後で印加するだけで、メニスカスへの影響が大きい第二のパルスによって、主パルス部で発生した残留振動の抑制が、次サイクルの主パルス部で吐出される液滴の形状、速さ、体積を適正化し、好適な略球状の液滴を高速かつ多量に印刷媒体に衝突させることができる。
しかも、第二のパルスのピーク電圧が過大となるのを抑制できるため、メニスカスの引き込み量が多くなって次サイクルの主パルス部で吐出される液滴の過度な体積減少や曳糸化が進むのを抑止し、印刷品質、印刷速度を更に向上させることができる。
従って、以上のような第一過程、第二過程、第三過程を順に行うことによって、メニスカスへの影響が大きい、第一のパルス部、主パルス部、及び第二のパルス部の各パルスのピーク電圧に上限を設定すると共に、各パルスのピーク電圧間に所定の関係を設定するだけの簡単な吐出制御構成を利用することができ、主パルス部でノズルから吐出される液滴の形状、速さ、体積を適正化し、液滴を略球状で高速かつ多量に形成して印刷媒体に衝突させることができ、印刷品質、印刷速度を大きく向上させることができる。
本発明に係わるインクジェット印刷装置及びインクジェット吐出制御方法は、簡単な吐出制御構成でありながら、ノズルから吐出される液滴を適正形状で高速かつ多量に形成可能にして、良好な印刷品質、印刷速度を達成可能なものとなっている。
本発明に係わる吐出ヘッドと制御ユニットとを備えるインクジェット印刷装置の全体構成を示す側面図である。 吐出ヘッドの構造を示す図であって、図2(a)は吐出ヘッドの正面斜視図、図2(b)は同じく吐出ヘッドの右半部の正面断面図である。 印刷処理部の制御構成を示すブロック図である。 電圧波形の各種波形パターンを示す波形図である。 主パルスの電圧の経時変化を示す減衰曲線であって、図5(a)は主パルスの直前に同位相の第一のパルスを印加した場合の減衰曲線、図5(b)は主パルスの直後に逆位相の第二のパルスを印加した場合の減衰曲線である。 撮影システムの構成図である。 液滴形状の類型を示す側面図である。 液滴の形状、速さ、体積に及ぼす第一のパルス電圧比とベース電圧の影響を示すグラフである。 液滴の形状、速さ、体積に及ぼす第二のパルス電圧比とベース電圧の影響を示すグラフである。 各種波形パターンの液滴の形状に及ぼすベース電圧の影響を示す説明図である。 本発明に係わるインクジェット吐出制御方法の手順を示すフローチャートである。 先行技術である特許文献1に記載されているインクジェット印刷装置の電圧波形の波形図である。
以下、インクジェット印刷装置及びインクジェット吐出制御方法に関する本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
なお、図1、2の矢印Fで示す方向を前方、矢印Rで示す方向を右方、及び矢印Tで示す方向を上方とし、以下で述べる各部の位置や方向等はこの前方、右方、及び上方を基準とするものである。
まず、本発明を適用した電圧制御を行う制御ユニット7を組み込んだインクジェット印刷装置であって、印刷媒体であるせんべい等の食品9上に可食性インクを吐出して印刷作業を行う印刷装置1の全体構成について、図1、図2により説明する。なお、ここでの使用態様は、本発明を適用したインクジェット印刷装置の一例にすぎず、この態様に特に限定されるものではない。
印刷装置1は、食品9上に可食性インクを吐出して文字等を印刷する印刷処理部2と、左側面視で時計方向に回転するベルト10の上面に食品9を載せて印刷処理部2の直下まで搬送するベルト搬送部3とを備えている。
そして、このうちの印刷処理部2は、ベルト搬送部3の前後略中央にあって、可食性インクを吐出する吐出ノズル18が形成された吐出ヘッド19を有するヘッドユニット4と、吐出ヘッド19に可食性インクを供給するインク供給部5と、ヘッドユニット4やインク供給部が取り付けられる印刷ユニット6と、ヘッドユニット4やインク供給部5に対し、各種信号に基づいて、可食性インクの供給や、可食性インクを吐出する駆動電力の制御等を行う制御ユニット7と、前述したヘッドユニット4にヘッドクリーニング等のメンテナンス作業を施す維持ユニット8とが組み合わせて構成されている。
また、ベルト搬送部3においては、前述の印刷処理部2を間に挟んで前後に回転可能に配置される入口ローラ11と出口ローラ12、両ローラ11、12間の途中部の前後に配置された第一アイドラローラ13と第二アイドラローラ16、及び両アイドラローラ13、16間の前後に配置されたテンションローラ14と駆動ローラ15が、いずれも軸心を左右方向にして配置されている。これらのローラ11〜16に前述のベルト10が巻回されると共に、このベルト10を左右から挟むようにして左右一対の図示せぬ装置フレームが配置され、この装置フレーム間に、上述のローラ11〜16が前後回転可能に軸支されている。
更に、ベルト搬送部3においては、印刷処理部2の直前位置のベルト10の上方には、食品9の幅方向位置を検知する位置センサとしてカメラ27が設置されている。更に、このカメラ27よりも前方には、光や音波を送受信可能な図示せぬ送信機と受信機が取り付けられた搬送位置センサ28が設置されている。この搬送位置センサ28において、ベルト10によって搬送されてきた食品9が送信機と受信機間を通過して光や音波を遮断することにより、食品9の搬送方向20の位置を検知できるようにしている。
これにより、カメラ27によって得られた画像から、ベルト10上の食品9の搬送方向20、幅方向の位置を求めることができ、その信号を基に、幅方向中央からのずれ量を求めてセンタリング制御を行ったり、搬送位置センサ28によって食品9の通過を検知してから所定時間経過後に、食品9がヘッドユニット4の下方に到達したとみなして、通過する食品9上にヘッドユニット4から可食性インクのインク滴を吐出して印刷処理を行ったりすることができる。
次に、前述した吐出ヘッド19と、その駆動を制御する制御ユニット7の構成について、図2、図3により説明する。
図2に示すように、吐出ヘッド19において、その筐体であるハウジング29は、板状の流路部29aと、その上面に固設されたブロック状の枠部29bとから構成される。
このうちの流路部29aの下面に、前述の食品9の上面に対向する吐出面17が設けられ、この吐出面17には、吐出ノズル18の開口部である吐出口18aが、吐出面17の幅方向21において少なくとも印刷領域の最大幅に渡って形成されている。
更に、流路部29aの内部には、吐出口18a毎に1個の加圧室22が形成されると共に、枠部29bには、前述のインク供給部5に連通されるインクポート23と、このインクポート23の下端に連通される共通流路24とが形成され、この共通流路24の下端は、流路部29a内に形成された供給孔25を介して、各加圧室22に連通されている。これにより、前述のインク供給部5からのインクが、インクポート23、共通流路24、供給孔25を介して加圧室22内に供給されるようにしている。
一方、流路部29aにおいて加圧室22を形成する壁のうち、吐出面17と反対側の壁は、振動板26によって構成され、この振動板26は、複数の加圧室22に跨って配置されると共に、振動板26の上には、圧電素子30aが配置され、更に、その上面には、カバープレート31等が覆設されている。
加えて、これら複数の圧電素子30aとカバープレート31の側方にあって、内部に共通流路24が形成されたハウジング29の側面には、板状のヒータ32が付設されている。
また、このような構成の吐出ヘッド19を制御する制御ユニット7には、図3に示すように、タッチパネル、キーボード等のようなデータ入力部33、吐出ヘッド19に駆動電力を供給するパルス発生部34に加え、これらが接続されるコントローラ35が収容されており、このコントローラ35には、前述したインク供給部5、ヘッドユニット4内の複数の圧電素子30aから成る素子群30、ヒータ32、及び、これらに駆動電力を供給するための電源36等が接続されている。
更に、コントローラ35内には、メモリ37が設けられており、このメモリ37には、前述のデータ入力部33から入力される電圧波形の各種波形パターン、それを構成するピーク電圧等の諸条件を規定するための各種データ、電圧制御を行うための制御プログラム等が記憶されている。
そして、このような制御ユニット7において、データ入力部33から入力されたインクの種類や印刷パターン等の印刷条件に基づき、コントローラ35からはインク供給部5にインク供給信号が送信され、更に、このインク供給信号に基づいて、インク供給部5からインクポート23、共通流路24、供給孔25を介して加圧室22内にインクが供給される。同時に、コントローラ35からの信号に基づいてヒータ32が発熱してハウジング29が加熱されるようにして、吐出ヘッド19の温度が所定温度に設定される。
それに並行して、データ入力部33から入力された波形パターンや諸条件の入力信号、メモリ37内の各種データや制御プログラム等に基づき、コントローラ35からパルス発生部34にパルス発生信号が送信され、このパルス発生信号に基づいて、パルス発生部34から素子群30の各圧電素子30aに駆動パルスが印加される。
すると、圧電素子30aは、電圧変化に応じて変形し、その変形が振動板26に伝達されると、振動板26の変形によって加圧室22が圧縮される。その結果、容積が減少した加圧室22内からインクが押し出され、吐出ノズル18を通り、吐出口18aから液滴38となって食品9上に吐出される。
以上のように、吐出ノズル18、吐出ノズル18に連通する加圧室22、および加圧室22内に圧力を付与する圧電素子30aを有する吐出ヘッド19を備えることによって、これらの吐出ノズル18、加圧室22、圧電素子30aを使用することでピエゾ方式による印刷ができるため、サーマル式に比べると、圧電素子30aの変形量そのものを電圧制御することから、液滴38の形状、速さ、体積のより精密な制御が可能になると共に、非加熱による液滴38の吐出制御を行うことから、吐出ヘッド19の寿命の向上や使用可能なインクの種類の拡大も図ることができる。
次に、前述の制御ユニット7によって得られる電圧波形の各種波形パターンについて、図4、図5により説明する。
図4に示す波形パターンPaとは、本発明を適用する基準となる基本波形であって、単一の主パルス40a3から成る主パルス部40のみが印加されている。そして、この主パルス部40の印加だけで、圧電素子30aが大きく変形して加圧室22を圧縮し、液滴38を吐出ノズル18から吐出できるようにしている。
本実施例では、基本波形である主パルス40a3は、インクの固有周期をTan(≒8μs)とした場合、電位が低下する下降時間td、一定電位を示す保持時間tk、電位が上昇する上昇時間tuのいずれも、Tan/4(≒2μs)に設定されると共に、このうちの保持時間tkにおける電圧は、基準電位V0との電位差が最も大きい電圧(以下、「ピーク電圧」とする)V2となっている。なお、固有周期Tanとは、インクが自由振動を開始してから、その自由振動が止まる間での周期を意味する。
このようにして、波形パターンPaでは、所定のピーク電圧V2を有する主パルス40a3から成る主パルス部40が生成されている。
また、波形パターンPbは、基本波形の波形パターンPaに本発明を適用した場合の電圧波形であって、主パルス部40の前後に、第一のパルス部39と第二のパルス部41が、それぞれに連続して印加されている。
この波形パターンPbの例では、第一のパルス部39は単一の第一のパルス391から成っている。そして、本実施例では、この第一のパルス391における電位の下降時間td、主パルス40a3の保持時間tkよりも長い保持時間tk1、上昇時間tuは、それぞれ、約2μs、6μs、2μsに設定されると共に、このうちの保持時間tk1におけるピーク電圧V1の基準電位V0との電位差は、主パルス部40における主パルス40a3のピーク電圧V2の基準電位V0との電位差よりも小さく、ここでは、ピーク電圧V2の基準電位V0との電位差の40%に設定されている。
ここで、図5(a)に示すように、圧電素子30aに対し、主パルス部40の前に同位相の第一のパルス391を連続して印加すると、主パルス40a3の減衰波42と第一のパルス391の減衰波43との合成波44は、波の重なりによって、主パルス40a3を減衰途中で増幅したものとなる。すなわち、第一のパルス391を、主パルス40a3と同位相で圧電素子30aに予め印加しておくと、吐出ノズル18内に予備振動が発生し、その予備振動が、主パルス部40で吐出される液滴38の形状、速さ、体積に良い影響を及ぼす。
従って、主パルス40a3のピーク電圧V2よりも基準電位V0との電位差が小さいピーク電圧V1を有する第一のパルス391を予め印加しておくだけで、メニスカスへの影響が大きい第一のパルス391によって発生した予備振動が、主パルス部40で吐出される液滴38の形状、速さ、体積を適正化し、好適な略球状の液滴38を高速かつ多量に食品9に衝突させることができる。
しかも、従来の如く二段の階段状プロセスに分けて連続印加される場合とは異なり、第一のパルス391のピーク電圧V1が過大となるのを抑制できるため、メニスカスの引き込み量が多くなって液滴38の過度な体積減少や曳糸化が進むのを抑止することができるという効果もある。
そして、このように、第一のパルス部39が単一の第一のパルス391から構成されると、複数の第一のパルスから構成される場合に比べ、第一のパルス部39の印加をよりより単純な電圧制御によって行うことができ、圧電素子30aに安定した第一のパルス部39の印加が行えると共に、電圧制御に必要な制御装置の装置コストの低減も図ることができる。
第二のパルス部41も、単一の第二のパルス41aから成っている。
本実施例では、第二のパルス41aにおける電位の下降時間tda、保持時間tka、上昇時間tuaのいずれも、Tan/8(≒1μs)に設定されると共に、保持時間tkaにおけるピーク電圧V3の基準電位V0との電位差は、主パルス部40における主パルス40a3のピーク電圧V2の基準電位V0との電位差よりも小さく、ここでは、ピーク電圧V2の基準電位V0との電位差の30%に設定されている。
ここで、図5(b)に示すように、圧電素子30aに対し、主パルス部40の後に逆位相の第二のパルス41aを連続して印加すると、主パルス40a3の減衰波42と第二のパルス41aの減衰波45との合成波46は、波の重なりによって、主パルス40a3を減衰途中で更に減衰させたものとなる。すなわち、第二のパルス41aを、主パルス40a3と逆位相で圧電素子30aに後で印加すると、吐出ノズル18内の残留振動を抑制して、次サイクルの主パルス部40で吐出される液滴の形状、速さ、体積に影響を及ぼすと考えられる。
従って、主パルス40a3のピーク電圧V2よりも基準電位V0との電位差が小さいピーク電圧V3を有する第二のパルス41aを後で印加するだけで、メニスカスへの影響が大きい第二のパルス41aによって、主パルス部40で発生した残留振動の抑制が、次サイクルの主パルス部40で吐出される液滴38の形状、速さ、体積を適正化し、好適な略球状の液滴を高速かつ多量に印刷媒体に衝突させることができる。
しかも、第二のパルス41aのピーク電圧V3が過大となるのを抑制できるため、メニスカスの引き込み量が多くなって次サイクルの主パルス部40で吐出される液滴の過度な体積減少や曳糸化が進むのを抑止することができる。
そして、このように、第二のパルス部41が単一の第二のパルス41aから構成されると、複数の第二のパルス41aから構成される場合に比べ、第二のパルス部41の印加をより単純な電圧制御によって行うことができ、圧電素子30aに安定した第二のパルス部41の供給が行えると共に、電圧制御に必要な制御装置の装置コストの低減も図ることができる。
ここで、先行技術として前述した特許文献1の駆動波形である図12を用いて、本発明と先行技術との違いを詳細に説明する。
図12に示すように、本発明の主パルス40aに相当するのが、第2電圧変化プロセスP2から第3電圧変化プロセスP3の直前にかけた部分であり、第一のパルス391に相当するのが、第1電圧変化プロセスP1から第2電圧変化プロセスP2の直前にあたる部分である。そして、本発明の第二のパルス41aに相当するのが、第3電圧変化プロセスP3の直後から第4電圧変化プロセスP4にかけた部分である。
そして、本発明と先行技術との大きな違いは、各パルス391、40a3、41aへの変化が連続しているか、一度基準電位V0に戻っているか否かであり、先行技術のように圧電素子30aに電圧が長時間かかると、その間、圧電素子30aは熱等によって変形状態にある。
これに対し、本発明の駆動波形は、各パルス391、40a3、41aの間で、必ず、一度基準電位V0に戻り、その分、圧電素子30aの可動部分が振動しやすい状態となる。このため、本発明では、各パルス391、40a3、41aの間で生じる振動の相互作用を利用することができ、第一のパルス391による予備振動の発生を促進し、第二のパルス41aによる残留振動の抑制効果を促進することができる。
以上のような構成の吐出ヘッド19と制御ユニット7とを備えることによって、メニスカスへの影響が大きい、第一のパルス部39、主パルス部40、及び第二のパルス部41の各パルス391、40a3、41aのピーク電圧V1、V2、V3に上限を設定すると共に、各パルス391、40a3、41aのピーク電圧V1、V2、V3間に所定の関係、具体的には後述する各種電圧比R1、R2を設定するだけの簡単な吐出制御構成を備えることにより、主パルス部40で吐出ノズル18から吐出される液滴38の形状、速さ、体積を適正化し、液滴38を略球体状で高速かつ多量に形成して食品9に衝突させることができ、印刷品質、印刷速度を大きく向上させることができる。
また、波形パターンPcとは、前述の波形パターンPbにおける第一のパルス部39を、二つの第一のパルス39a1、39a2から構成されるW字状の第一のパルス部39aに変更したものであり、両第一のパルス39a1、39a2の間に、上下逆V字状の小電圧域47が設けられている。
本実施例では、各第一のパルス39a1、39a2の両保持時間tkは、主パルス40a3と同じ約2μsに設定されると共に、両ピーク電圧は、前述の波形パターンPbと同じV1に設定されている。更に、小電圧域47は、その通電時間tLが約2μsで、その最小電圧は、前述のピーク電圧V3と略同じ電圧に設定されている。
このように、第一のパルス部39aが、二つの第一のパルス39a1、39a2から構成されると、各第一のパルス39a1、39a2の形状やピーク電圧V1を変更することで、吐出ノズル18内のインクに様々な周期や大きさの予備振動を発生させることができる。これにより、第一のパルス391が単一の場合に比べ、インクの種類や温度、印刷速度等の様々な印刷条件に応じ、より適した予備振動を発生させることができ、良好な印刷品質、印刷速度を確保できると考えられる。
また、波形パターンPdとは、前述の波形パターンPcおける第一のパルス部39aを、二つの第一のパルスのピーク電圧の基準電位V0との電位差が互いに異なるものに変更したものである。
本実施例では、第一のパルス部39bは、二つの第一のパルス39b1、39b2から構成されると共に、それぞれのピーク電圧は、前述両第一のパルス39a1、39a2と同じ電位のピーク電圧V1と、このピーク電圧V1よりも基準電位V0との電位差が小さく、ピーク電圧V3と略同じ電位のピーク電圧V11とに設定されている。
このように、圧電素子30aに印加されるピーク電圧の電位を一律としないようにすることで、圧電素子30aに同じ電位のピーク電圧の第一のパルスが続けては印加されないようにして、過大な運動エネルギーを有する予備振動の発生が抑制されると考えられる。
また、波形パターンPeとは、前述の波形パターンPcにおける主パルス部40を、複数の主パルスから構成される主パルス部40aに変更したものである。
本実施例では、主パルス部40aは、三つの主パルス40a1、40a2、40a3から構成されると共に、それぞれ、基本波形である主パルス40a3のピーク電圧V2の基準電位V0との電位差の96%に相当するピーク電圧V21、98%に相当するピーク電圧V22、100%に相当するピーク電圧V2に設定されている。
このように、主パルス部40aが、複数の主パルス40a1、40a2、40a3から構成されると共に、各主パルス40a1、40a2、40a3のピーク電圧V21、V22、V2の電位を、通電時間とともに所定の変化率で低下させ、本実施例では2%の変化率でピーク電圧V21、V22、V2の基準電位V0との電位差が増大するように設定する場合は、まず、主パルス部40aが複数の主パルス40a1、40a2、40a3から構成されることから、各主パルス40a1、40a2、40a3の形状やピーク電圧V21、V22、V2を変更することで、吐出ノズル18内のインクに様々な周期や大きさの押し出し力を付与することができ、主パルス40a3が単一の場合に比べ、インクの種類や温度、印刷速度等の様々な印刷条件に応じ、より適した押し出し力を付与することができると考えられる。
更に、各主パルス40a1、40a2、40a3のピーク電圧V21、V22、V2の電位を、通電時間とともに所定の変化率で低下させ、圧電素子30aに同じ電位のピーク電圧が繰り返しては印加されないようにすることができ、過大な運動エネルギーを有する押し出し力の発生を抑制し、液滴の速さを適正にすることができると考えられる。なお、ここで変化率(%)とは、(V2/V22)×100、(V22/V21)×100で表される。
次に、このような各種波形パターンを印加して発生した液滴38の形状、速さ、体積について調査した結果を、図3、図4、図6乃至図10により説明する。
[液滴吐出方法]
インクには、代表的な検査用の評価インク(プロピレングリコールメチルエーテル系)を使用すると共に、吐出ヘッド19の温度は、図3に示す前述のヒータ32を使って略28℃に設定した。続いて、図4に示す波形パターンPbにおいて、基本波形のピーク電圧V2(以下、「ベース電圧」とする)を−14V〜−18Vの間に設定した上で、第二のパルス部41を省いて第一のパルス部39の第一のパルス電圧比R1[=(V1/V2)×100(%)]の値を変化させたものと、反対に第一のパルス部39を省いて第二のパルス部41の第二のパルス電圧比R2[=(V3/V2)×100(%)]の値を変化させたものを、駆動パルスとして図3のパルス発生器34から各圧電素子30aに印加し、液滴38を吐出させた。
[液滴測定方法]
吐出された液滴38の形状と速さS(m/s)については、図6に示す撮影システム48によって測定した。この撮影システム48は、ノート型パーソナルコンピュータ等の演算処理装置49と、この演算処理装置49に信号線50を介して内部の圧電素子30aが接続される前述の吐出ヘッド19と、この吐出ヘッド19のインクポート23にインクチューブ51を介して連通される前述のインク供給部5と、演算処理装置49に信号線52を介して接続されると共に、吐出ヘッド19から吐出される液滴38に発光面53aを向けたストロボライト53と、同じく演算処理装置49に信号線52を介して接続されると共に、ストロボライト53からの光によって液滴を高速度で撮影する高速度カメラ54とを備えている。
そして、圧電素子30aへの駆動パルスの印加直後に、図3に示すパルス発生部34へのパルス発生信号に基づき、演算処理装置49から、ストロボライト53と高速度カメラ54に信号線52を介して駆動信号を伝達するようにして、液滴38の吐出と同期して、ストロボライト53の発光と液滴38の高速度撮影を行った。これにより撮影された液滴38の画像を基に、液滴38の下降中の形状を把握すると共に、吐出ノズル18から液滴38までの距離55と経過時間から、液滴38の下降中の平均の速さS(m/s)を算出した。
吐出した液滴38の体積C(pL、ピコリットル)については、吐出したインクの重量を、画像やパルスカウントしたパルス信号の数から求めた液滴数で除することにより算出した。
また、液滴38の形状については、前述の各波形パターンPa、Pb、Pc、Pd、Peを、−14V〜−18Vの間の各ベース電圧V2で印加した場合も観察した。なお、その際の第一のパルス電圧比R1、第二のパルス電圧比R2は、それぞれ40%、30%に設定した。
[測定結果]
図7に、吐出ヘッド19の吐出面17から被印刷面56に向かって吐出されて下降する液滴38が、被印刷面56に衝突する直前における形状を類別した結果を示す。なお、吐出面17から被印刷面56までの距離は、約1000μmに設定した。
このうちのタイプaは、液滴38のうちで先行して流下する部分(以下、「ヘッド部分」とする)と、このヘッド部分に引きずられるように後から従属する部分(以下、「テール部分」とする)とが結合して略球状になった正常な液滴38aであり、タイプbは、ヘッド部分38b1からテール部分38b2が完全に離間してサテライト状になった液滴38bである。更に、タイプcは、先行するヘッド部分38c1とテール部分38c2との間に短い(長さ200μm未満)の紐状の部分(以下、「リガメント」とする)38c3が形成された液滴38cであり、タイプdは、先行するヘッド部分38d1とテール部分38d2との間に長い(長さ200μm以上)リガメント38d3が形成された液滴38dである。
図8には、−14V〜−18Vの間の各ベース電圧V2において、第一のパルス電圧比R1を変化させた場合の液滴38の速さS(m/s)、体積C(pL)、形状(波形パターンのタイプa、b、c、d)の測定結果を示す。
この図によると、液滴38の速さSについては、ベース電圧V2の基準電位V0との電位差の大きさにかかわらず、第一のパルス電圧比R1が40%未満では、増加するものの、40%以上では、減少傾向にある。液滴38の体積Cについては、ベース電圧V2の基準電位V0との電位差の大きさにかかわらず、第一のパルス電圧比R1が20%未満では、小さい値(5〜9pL)で減少傾向にあるのに対し、20%以上では、増加傾向にあって大きな値(8〜14pL)を示す。
これは、第一のパルス電圧比R1が20%未満では、第一のパルス部39で印加される電圧が小さくてまだ液滴が内部に溜まったままであり、メニスカスの吐出ノズル18内への引き込みによる運動エネルギーが有効に作用し、続く主パルス部40で吐出される液滴38の速さSは増加するが、一方、第一のパルス部39で印加される電圧が小さいことから、加圧室22の圧縮程度も小さくて、吐出する体積Cは小さくなるためと考えられる。
第一のパルス電圧比R1が20%以上40%未満では、まだ液滴が吐出されず、20%未満と同様に液滴38の速さSは依然として若干増加する。吐出する体積Cについても、第一のパルス部39で印加される電圧が増加することから、加圧室22の圧縮程度が大きくなって若干増加する。
第一のパルス電圧比R1が40%以上になると、第一のパルス部39で印加される電圧が充分大きくなることから、第一のパルス部39で液滴が流出直前の状態となり、続く主パルス部40で吐出される液滴38の質量が増加することから、液滴38の速さSは大きく減少する。一方、吐出する体積Cは、加圧室22の圧縮程度が大きくなって著しく増加するためと考えられる。
液滴38の形状については、ベース電圧V2の基準電位V0との電位差が小さいほど、第一のパルス電圧比R1が低いほど、タイプaが多くなって良好な液滴形状を呈する。反対に、ベース電圧V2が−17Vよりも基準電位V0との電位差が大きくなったり、第一のパルス電圧比R1が50%を超えたりすると、タイプdの液滴38dが増えて良好な液滴形状を得るのが難しくなる。これは、インクへの印加電圧が過大となって粘性が極端に小さくなり、長いリガメントが発生しやすくなるためと考えられる。
従って、液滴38の形状を正常に保って良好な印刷品質を保ちつつ、液滴の速さSや体積Cをある程度確保して良好な印刷速度を保つには、第一のパルス電圧比R1が20%以上かつ50%以下であるのが好ましいといえる。
図9には、−14V〜−18Vの間の各ベース電圧V2において、第二のパルス電圧比R2を変化させた場合の液滴の速さS(m/s)、体積C(pL)、形状(波形パターンのタイプa、b、c、d)の測定結果を示す。
この図によると、液滴38の速さSについては、ベース電圧V2の基準電位V0との電位差が大きい場合(V2=−17、−18V)を除いて、第二のパルス電圧比R2が20%未満では略一定であるものの、20%以上では、若干減少傾向となる。液滴38の体積Cについては、第二のパルス電圧比R2が30%で若干減少するのを除いて、略同等か増加傾向にある。
これは、第二のパルス電圧比R2が20%未満では、第二のパルス部41で印加される電圧が小さくて残留振動の抑制に必要な運動エネルギーが発生せず、液滴38の速さSをそれほど抑制できなかったためと考えられる。液滴38の体積Cについては、明確ではないが、第二のパルス電圧比R2の増加によって入熱が増えてインクの温度が上昇し、インクの粘度が小さくなって吐出重量が増えたためではないかと考えられる。
液滴38の形状については、第一のパルス電圧比R1の場合と同様に、ベース電圧V2の基準電位V0との電位差が小さいほど、第二のパルス電圧比R2が低いほど、タイプaが多くなって良好な液滴形状を呈する。特に、ベース電圧V2が−17Vよりも基準電位V0との電位差が大きくなったり、第二のパルス電圧比R2が50%を超えたりすると、タイプdの液滴38dが多く発生して良好な液滴形状を得るのが難しくなる。これも、インクへの印加電圧が過大となって粘性が極端に小さくなり、長いリガメントが発生しやすくなったためと考えられる。
従って、液滴38の形状を正常に保って良好な印刷品質を保ちつつ、第二のパルス部41による振動抑制効果を発揮するには、第二のパルス電圧比R2が20%以上かつ60%以下であるのが好ましいといえる。
図10には、前述の各波形パターンPa、Pb、Pc、Pd、Peにおける液滴38の形状の観察結果を示す。いずれの波形パターンも、前述の如く、第一のパルス391、39a1、39a2、39b1、39b2のピーク電圧V1、V11の基準電位V0との電位差は、主パルス40a3のピーク電圧V2の基準電位V0との電位差の20%以上かつ50%以下に設定されると共に、第二のパルス41aのピーク電圧V3の基準電位V0との電位差は、主パルス40a3のピーク電圧V2の基準電位V0との電位差の20%以上かつ60%以下に設定されている。なお、波形パターンPe0は、前述の波形パターンPeを構成する三つの主パルス40a1、40a2、40a3のピーク電圧が全て共通の電圧V2の場合である。
この図によると、基本波形の波形パターンPaに比べ、波形パターンPb、波形パターンPc、波形パターンPdの順に、タイプaを示す電圧領域が増加して液滴38の形状が向上している。更に、波形パターンPb、波形パターンPc、波形パターンPdについては、液滴38の速さS、体積Cについても、過大になることなくある程度確保できて、良好な印刷速度を保つことができた。
なお、波形パターンPeについては、波形パターンPe0よりもタイプaを示す電圧領域が増加して液滴38の形状が向上した。この場合、波形パターンPeにおける変化率(%)は、主パルス40a1、40a2、40a3のピーク電圧V21、V22、V2の基準電位V0との電位差の最大値V2の1%以上かつ5%以下に設定するのが好ましい。
これは、変化率が1%未満では、主パルス40a1、40a2、40a3間のピーク電圧V21、V22、V2の電位差が小さすぎて、圧電素子30aに同じピーク電圧の主パルス40a1、40a2、40a3が繰り返して印加されるのと同等になり、過大な運動エネルギーを有する押し出し力が発生し、液滴38の速さSが過大になるからである。一方、変化率が5%超えでは、第一のパルス部39、第二のパルス部41に比べてピーク電圧の基準電位V0との電位差が大きな主パルス40a1、40a2、40a3間であるがために、ピーク電圧間の電位差が大きくなって、圧電素子30aには階段状の複数の主パルス40a1、40a2、40a3が連続印加されることとなり、ピーク電圧V2が最も小さい主パルス40a1の基準電位V0との電位差の大きさによっては、主パルス部40のピーク電圧V21、V22、V2の基準電位V0との電位差のうちの最大値V2が著しく大きくなって、過大な運動エネルギーを有する押し出し力が発生し、液滴38の速さSが過大になるからである。
なお、このように、主パルス部40aが複数の主パルス40a1、40a2、40a3から構成される場合の主パルスの所定のピーク電圧は、そのうち、基準電位V0との電位差が最大の40a3に設定するのが好ましい。これは、第一のパルス39、第二のパルス41のピーク電圧V1、V3の基準を、最も基準電位V0との電圧差が大きくて変動の少ない、最大のピーク電圧V2を有する主パルス40a3に設定することで、第一のパルス部39、第二のパルス部41における安定した印加が可能となるからである。
そして、実機で使用する可食用の合成着色インクを使用した場合でも、以上で述べた測定結果と同様な結果が得られた。
次に、以上のような印刷装置1を使った印刷方法について、図11により説明する。
印刷手順としては、まず、吐出ヘッド19においてインクを吐出する吐出ノズル18に連通する加圧室22に圧電素子30aを取り付けた上で、この吐出ヘッド19に対し、所望の印刷を行う主パルス部40の主パルス40a3のピーク電圧V2よりも基準電位V0との電位差が小さいピーク電圧V1を有し、かつ主パルス40a3と同位相の第一のパルス391から成る第一のパルス部39を印加する第一過程S1が行われる。
これにより、主パルス40a3のピーク電圧V2よりも基準電位V0との電位差が小さいピーク電圧V1を有する第一のパルス391を予め印加しておくだけで、メニスカスへの影響が大きい第一のパルス391によって発生した予備振動が、主パルス部40で吐出される液滴38の形状、速さS、体積Cを適正化し、好適な略球状の液滴を高速かつ多量に食品9に衝突させることができる。
しかも、従来の如く二段の階段状プロセスに分けて連続印加される場合とは異なり、第一のパルス391のピーク電圧V1が過大となるのを抑制できるため、メニスカスの引き込み量が多くなって液滴38の過度な体積減少や曳糸化が進むのを抑止することができる。
続いて、第一のパルス391が基準電位V0まで戻った後に、主パルス部40を印加する第二過程S2が行われる。
これにより、主パルス部40内の主パルス40a3のピーク電圧V2を変えるだけで液滴38の形状、速さS、体積Cを適正化できるため、印刷品質、印刷速度の微調整が容易となる。
その後、主パルス部40の主パルス40a3が基準電位V0まで戻った後に、主パルス40a3のピーク電圧V2よりも基準電位V0との電位差が小さいピーク電圧V3を有し、かつ主パルス40a3と逆位相の第二のパルス41aから成る第二のパルス部41を印加する第三過程S3が行われる。
これにより、主パルス40a3のピーク電圧V2よりも基準電位V0との電位差が小さいピーク電圧V3を有する第二のパルス41aを後で印加するだけで、メニスカスへの影響が大きい第二のパルス41aによって、主パルス部40で発生した残留振動の抑制が、次サイクルの主パルス部40で吐出される液滴38の形状、速さS、体積Cを適正化し、好適な略球状の液滴を高速かつ多量に食品9に衝突させることができる。
しかも、第二のパルス41aのピーク電圧V3が過大となるのを抑制できるため、メニスカスの引き込み量が多くなって次サイクルの主パルス部40で吐出される液滴38の過度な体積減少や曳糸化が進むのを抑止し、印刷品質、印刷速度を更に向上させることができる。
以上のように、本発明を適用したインクジェット印刷装置及びインクジェット吐出制御方法は、簡単な吐出制御構成でありながら、ノズルから吐出される液滴を適正形状で高速かつ多量に形成可能にして、良好な印刷品質、印刷速度を達成可能なものとなっている。
1 印刷装置(インクジェット印刷装置)
7 制御ユニット
18 吐出ノズル(ノズル)
19 吐出ヘッド
22 加圧室
30a 圧電素子
39、39a、39b 第一のパルス部
391、39a1、39a2、39b1、39b2 第一のパルス
40、40a 主パルス部
40a1、40a2、40a3 主パルス
41 第二のパルス部
41a 第二のパルス
S1 第一過程
S2 第二過程
S3 第三過程
t 通電時間
V0 基準電位
V1、V11、V2、V21、V22、V3 ピーク電圧

Claims (8)

  1. ノズル、前記ノズルに連通する加圧室、および前記加圧室内に圧力を付与する圧電素子を有する吐出ヘッドと、
    主パルスから成る主パルス部の前に印加され、前記主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ前記主パルスと同位相の第一のパルスから成る第一のパルス部、前記第一のパルスが基準電位まで戻った後に印加される前記主パルス部、及び、前記主パルス部の後に印加され、前記主パルスのピーク電圧よりも前記基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ前記主パルスと逆位相の第二のパルスから成ると共に、前記主パルスが前記基準電位まで戻った後に印加される前記第二のパルス部を含む電圧波形を発生する制御ユニットとを備える
    インクジェット印刷装置。
  2. 前記第一のパルス部は、
    単一の第一のパルスから構成されると共に、該第一のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差は、前記主パルスの所定のピーク電圧の基準電位との電位差の20%以上かつ50%以下である
    請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  3. 前記第一のパルス部は、
    二つの第一のパルスから構成されると共に、該各第一のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差は、前記主パルスの所定のピーク電圧の基準電位との電位差の20%以上かつ50%以下である
    請求項1に記載のインクジェット印刷装置。
  4. 前記二つの第一のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差は、互いに異なる
    請求項3に記載のインクジェット印刷装置。
  5. 前記主パルス部は、
    複数の主パルスから構成されると共に、該各主パルスのピーク電圧の基準電位との電位差は、通電時間とともに所定の変化率で増大する
    請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
  6. 前記変化率は、
    前記主パルスのピーク電圧の基準電位との電位差の最大値の1%以上かつ5%以下である
    請求項5に記載のインクジェット印刷装置。
  7. 前記第二のパルス部は、
    単一の第二のパルスから構成されると共に、該第二のパルスのピーク電圧の基準電位との電位差は、前記主パルスのピーク電圧の基準電位との電位差の最大値の20%以上かつ60%以下である
    請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のインクジェット印刷装置。
  8. 所望の印刷を行う主パルス部の主パルスのピーク電圧よりも基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ前記主パルスと同位相の第一のパルスから成る第一のパルス部を印加する第一過程と、
    前記第一のパルスが基準電位まで戻った後に前記主パルス部を印加する第二過程と、
    前記主パルス部の主パルスが基準電位まで戻った後に、前記主パルスのピーク電圧よりも前記基準電位との電位差が小さいピーク電圧を有し、かつ前記主パルスと逆位相の第二のパルスから成る第二のパルス部を印加する第三過程とを備える
    インクジェット吐出制御方法。
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