JP2012101401A - インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの駆動方法および駆動装置 - Google Patents

インクジェット記録装置のインクジェットヘッドの駆動方法および駆動装置 Download PDF

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Abstract

【課題】階調印字方式によるインクジェット記録装置において、サテライト滴を含むインク滴の着弾ずれを極力小さくし、印字品質の向上を図る。
【解決手段】インクジェットヘッドのノズルが階調印字を行うのに要する時間を1サイクルタイムTcとし、最大階調のインク滴数をn、前記ノズルから1つのインク滴を吐出するのに要するドロップ周期をTD、最大階調の最終インク滴吐出のための駆動パルスの後に次の1サイクルタイムが開始されるまでの間に設定した休止時間をTeとし、前記1サイクルタイムTcを、Tc=TD×n+Teとすると、連続して吐出するサテライト滴を含む複数の液滴の飛翔方向のばらけ量が前記休止時間Teの経過に従って増減を繰り返しながら減衰する予め求めた特性線に基づいて、前記ばらけ量が極小となる休止時間を設定した。
【選択図】図7

Description

本発明の実施形態は、インクジェット記録装置において、小さな複数の液滴を連続的に吐出させ、液滴数によって記録紙等の記録媒体に着弾したインク滴のドット径の大きさを可変させて階調印字を行う、いわゆるマルチドロップ駆動によるインクジェットヘッドの駆動方法および駆動装置に関する。
インクジェット(記録)ヘッドとして、図13に示す構成が提案されている。このインクジェットヘッド50は、圧電アクチュエータ54を駆動すると、振動板53を介してインクが充填されている圧力発生室57に圧力振動が付与され、この圧力振動によって圧力発生室57内部の体積が変化してノズルプレート51のノズル55からインク滴59が吐出される。インク滴59は、インクジェットヘッド50と相対的に移動する記録紙等の記録媒体に着弾して記録紙表面にドットを形成する。このドットの連続形成により、画像データに基づいた所定の文字、図形、画像等が印刷される。圧力発生室57には、圧力発生室57の体積変化によって、不図示のインクタンクからインク室58に供給されたインクがインク供給路56を通してインクが供給される。
このインクジェットヘッドを備えた記録装置において、高画質の印字を行うために、小さな複数の液滴を連続的に吐出させ、その液滴数によって記録紙等の記録媒体に着弾したインク滴のドット径の大きさを可変させて階調印字を行う、いわゆるマルチドロップ駆動が採用されている。
マルチドロップ駆動において、複数の液滴を連続的に吐出させた場合、最初に吐出して記録媒体に向かって飛翔する液滴と最後に吐出して記録媒体に向かって飛翔する液滴との間隔は、液滴数が多くなるほど広くなる。このため、インクジェットヘッドと相対的に移動する記録媒体に液滴が順次着弾した際に、ずれが生じてドットが細長く歪んだ形状となる場合がある。この現象は、インクジェットヘッドと記録媒体との相対速度が大きくなる、すなわち高速印字の場合に生じる傾向にある。
このマルチドロップ駆動における液滴の着弾ずれを防ぐために、連続的に噴射された液滴が記録媒体上に到達する前に合体して、単一の液滴となって着弾させるように後続する液滴の吐出速度を大きくするように、駆動パルスの形状を工夫した駆動方式が提案されている(特許文献1)。
特開2007−062326号公報
ところで、一般に最後尾の液滴がノズルから吐出する際、ノズルから吐出した最後の液滴は尾を引いた状態でノズルから吐出され、ノズル内の液滴と分離する際にこの尾を引いた部分(液柱)が球形状のサテライト滴となって主液滴に続いて飛翔する現象が知られている。
しかし、特許文献1には、このようなサテライト滴については何等の考察はなされていない。
インクジェットヘッドからインクを吐出させるための駆動電圧が小さく、吐出圧力が小さい場合、前記液柱は短く主液滴とは分離せず一体となって飛翔していくため、サテライト滴は殆ど発生することはなく、サテライト滴が発生したとしても主液滴の吐出速度が遅いので、サテライト滴は飛翔中に主液滴と合体し問題とはならない。
このため、サテライト滴の発生の観点から吐出速度を小さくすれば良いが、全体的に吐出速度が小さいと、ノズル毎の吐出速度のばらつきによる液滴の着弾ずれが顕著となり、ノズル列方向のドットの並びに乱れが生じる場合があり、印字品質の低下を招くおそれがある。したがって、吐出速度をあまり小さくすることができない。
特許文献1に記載の駆動方式のように、後続する液滴の吐出速度を大きくした場合、最後の液滴の吐出速度が大きいことから、上述のようにサテライト滴の発生が顕著となり、サテライト滴の着弾位置のずれ等により印字品質の低下が生じ易い。また、サテライト滴の形成は、ノズルから液滴が吐出した後の挙動であるため、一般に駆動パルスの形状を変えることによって、サテライト滴の吐出速度を、サテライト滴に先行して飛翔する主液滴の吐出速度よりも大きくして飛翔中に合体させるという制御は困難である。
一方、ノズルの穴形状の真円度が微妙に悪い場合、ノズル穴周縁の撥水膜が不均一であった場合に、サテライト滴を含めた個々の液滴の吐出方向が変化し、ノズル穴から記録媒体に向かう正規の飛翔方向に沿った軸心からずれた状態で飛翔することがある。このとき、記録媒体に着弾した液滴のずれにより、ドット形状が真円とはならずに、長円(楕円)となり、図14に示すように、サテライト滴がメインドットと完全に離れた位置に着弾し、サテライトドットとして印字される。
このサテライト滴を含めた液滴の飛翔方向のばらつきによる着弾ずれは、特に、圧電アクチュエータの駆動周波数が高く、連続的に液滴を吐出させる場合、および記録媒体との相対速度が大きい場合に顕著となる傾向にあるため、高速印字の場合に問題となる。
また、ノズルによって液滴の飛翔方向のばらつきによる着弾ずれが有る部分と無い部分が濃淡むらとなって見えることがあり、図14に示すように印字品質の低下を招くおそれがある。
本発明は、高速印字において、サテライト滴を含めた液滴の飛翔方向のばらつきによる記録媒体に対する着弾ずれを極力無くし、高印字品質の印字画像を得るようにしたインクジェット記録装置のインクジェットヘッドの駆動方法および駆動装置を提供することを目的とする。
実施形態によれば、ノズルから吐出するインク滴の数を変化させることで階調印字を行うインクジェット記録装置であって、前記ノズルが階調印字を行うのに要する時間を1サイクルタイムTcとし、最大階調のインク滴数をn、前記ノズルから1つのインク滴を吐出するのに要するドロップ周期をTD、最大階調の最終インク滴吐出のための駆動パルスの後に次の1サイクルタイムが開始されるまでの間に設定した休止時間をTeとし、前記1サイクルタイムTcを、
Tc=TD×n+Te
とすると、前記階調印字のために連続して吐出するサテライト滴を含む複数の液滴の飛翔方向のばらけ量または着弾状態のドット面積が前記休止時間Teの経過に従って増減を繰り返しながら減衰する予め求めた特性線に基づいて、前記ばらけ量または着弾面積が極小となる時間を休止時間に設定した。
本発明を有効に実施できるインクジェット記録装置の要部構成を示し、ノズル列と直交方向のインクジェットヘッドの縦断面図および駆動信号発生回路の実施形態を示す。 図1のA−A矢視図。 階調印字の基本駆動波形を示す図。 マルチドロップ駆動における駆動波形を示す図。 ストロボを用いた液滴の飛翔観察装置の一実施形態を示す概略図。 液滴のばらけ状態示す図。 図5の観察装置により観察した結果を示すばらけ量と休止時間との関係を示す特性線図。 液滴の着弾状態を示す図。 液滴の着弾状態を示す図。 液滴の着弾状態を示す図。 図8〜図10に示す液滴の着弾状態の面積測定装置の一実施形態を示す概略図。 図11の面積測定装置により測定した結果を示すドット面積と休止時間との関係を示す図。 従来のインクジェットヘッドの縦断面図。 サテライトドットの着弾状態を示す図。
図1はインクジェット記録装置におけるノズル列と直交方向のインクジェットヘッドの縦断面図および駆動信号発生回路の実施形態を示し、図2は図1のA−A矢視図を示す。
図1および図2において、インクジェットヘッド1は、駆動信号発生手段2により駆動される。インクジェットヘッド1の概略構成は、インクを収容する複数の圧力室3がノズル列方向に所定間隔を有して設けられた隔壁4により仕切られて形成される。各圧力室3の底面には、インク滴を吐出するノズル5を形成したノズルプレート6が隔壁4および不図示の枠部材等に接着されている。
各圧力室3の天面側には振動板7を隔壁4等に接着し、振動板7の上面側には各圧力室3に対応して積層型の圧電部材8の下端側をそれぞれ固着している。また、各圧電部材8の上端を保持部材9により保持固定している。
振動板7と圧電部材8によりインク吐出用のアクチュエータを構成している。圧電部材8は、圧電層8aと電極層8bとを交互に複数積層し、上下方向における奇数枚目の電極層8bを第1端子部8cに接続し、偶数枚目の電極層8bを第2端子部8dに接続している。そして、この第1端子部8cと第2端子部8dを駆動信号発生手段2に接続配線パターン10a、10bを介して接続されている。
インクジェットヘッド1には、各圧力室3に連通する共通圧力室11が形成され、天面側に形成されたインク供給口12を通して不図示のインク供給手段からインクが注入される。共通圧力室11と各圧力室3とを区画する壁部13には、各圧力室3に連通するインク供給路14が形成され、インク供給路14を通して共通圧力室11からインクが圧力室3に供給され、さらにノズル6内にインクが満たされることで、ノズル6内にインクのメニスカスが形成される。
インクジェットヘッド1は、駆動信号発生手段2からの駆動信号が接続配線パターン10a、10bを介して奇数枚目の電極層8bと偶数枚目の電極層8bに印加し、印加電圧を切り替えて圧電部材8に膨張と収縮を行わせることで、振動板7を変形させて圧力室3の容積を変化させる。圧力室3の容積変化により、圧力室3内に圧力波が発生し、ノズル6からインク滴を吐出させる。
マルチドロップ駆動の駆動信号を出力する駆動信号発生手段2において、駆動信号生成部では、図3に示す基本駆動波形が生成され、本実施形態ではこの基本駆動波形に基づいて、図4に示すようなマルチドロップ駆動における駆動波形を出力する。
図3に示す階調印字の基本駆動波形の駆動パルスは、吐出パルスSPと、ダンピングパルスDPとを有しており、通常状態においては圧電部材8の第1端子部8cと第2端子部8dに基準電位(Vm)を常に印加する。吐出パルスSPは、第1端子部8cと第2端子部8dに基準電位(Vm)と、基準電位(Vm)よりも低い電位(Vl)を印加し、電極層8b間に電圧振幅(−Vs)をパルス幅(Ts)の時間印加する。ダンピングパルスDPは、第1端子部8cと第2端子部8dに基準電位(Vm)と、基準電位(Vm)よりも高い電位(Vh)を印加し、電極層8b間に電圧振幅(+Vd)をパルス幅(Td)の時間印加する。
基本駆動波形は、先ず、吐出パルスSPの生成するために、第1端子部8cと第2端子部8dに基準電位(Vm)と低電位(Vl)を印加する(Vm−Vl=−Vs)。電極層8b間に−Vsの電圧が印加されると、圧電部材8が通常状態よりも収縮し、保持部材9に保持されている圧電部材8の下端が上方に移動し、圧力室3に対応する振動板7が圧力室3の容積を拡張させる方向に変形する。そして、圧電部材8の収縮状態を一定時間(Ts)保持した後、第1端子部8cと第2端子部8dに印加する電位をVmとし、電極層8b間に印加する電圧を零にすると、圧電部材8が通常状態の長さとなり、振動板7が通常状態の形態に戻り、圧力室3が通常状態の容積に戻る。
電極層8b間の印加電圧を零とする待ち時間(Tw)が経過後、ダンピングパルスDPを生成するために、第1端子部8cと第2端子部8dに基準電位(Vm)と高電位(Vh)を印加する(電位差Vh−Vm=+Vd)。電極層8b間に+Vdの電圧が印加されると、圧電部材8が通常状態よりも膨張し、保持部材9に保持されている圧電部材8の下端が下方に移動し、圧力室3に対応する振動板7が圧力室3の容積を収縮させる方向に変形する。そして、圧電部材8の膨張状態を一定時間(Td)保持した後、第1端子部8cと第2端子部8dに印加する電位をVmとし、電極層8b間に印加する電圧を零にすると、圧電部材8が通常状態の長さとなり、振動板7が通常状態の形態に戻り、圧力室3が通常状態の容積に戻る。
上述した基本駆動波形において、吐出パルスPSのパルス幅(Ts)と、待ち時間(Tw)と、ダンピングパルスDPのパルス幅(Td)の和(TD)が一つのインク滴を吐出させる1周期(ドロップ周期)としている。マルチドロップ駆動方式においては、この1ドロップ周期(TD)の駆動パルスが吐出するインク滴の数だけ連続的に発生する。なお、ドロップ周期の駆動パルスの波形は、図3の波形に限定されるものではない。
ここで、圧力室3内におけるインクの固有振動周期の1/2をTa(圧力伝播時間「圧力室3の後端から先端まで圧力波が伝播する時間」)とすると、本実施形態においては、おおよそ吐出パルスSPの通電時間Tsを圧力伝播時間Taに設定し、ダンピングパルスDPの通電時間Tdも圧力伝播時間Taの近辺に設定し、吐出パルスSPとダンピングパルスDP間の待ち時間Twも圧力伝播時間Taに設定している。すなわち、ドロップ周期TDは、TD=Ts+Tw+Td=3Taとなる。
ドロップ周期TDをこのように設定することで、先ず、吐出パルスSPを生成するために、圧電部材8の第1端子部8cと第2端子部8dに基準電位Vmと低電位(Vl)を印加し、電極層8b間に電圧−Vsを印加すると、圧電部材8が長さ方向に収縮して圧力室3の容積が急激に拡大し、圧力室3内に負の圧力が瞬間的に発生する。この状態をおよそTs=Ta(圧力伝播時間)の時間保持することで、その間に共通圧力室11側からインクがインク供給路14を通して圧力室3内に流入し、ノズル6の先端のメニスカスは圧力室3側へ後退すると共に、圧力室3内の圧力は、負から正の圧力に反転する。
次に、圧電部材8の第1端子部8cと第2端子部8dに印加する電位を基準電位Vmに切り替えると、圧電部材8が長さ方向に収縮した状態から元の長さに戻り、圧力室3の容積が拡大した状態から急激に元の状態に戻り、圧力室3内には正の圧力が瞬間的に発生する。電位をVmに切り替えたときに瞬間的に発生するこの正圧力の圧力波は、基準電位Vmと低電位Vlを印加したときに発生する圧力波に対して位相が一致するので、この圧力波の振幅が急激に増大し、このときノズル6からインク滴が吐出する。
吐出パルスSPからダンピングパルスDPまでの待ち時間Tw(=Ta)において、圧力室3内は、インク滴の吐出により正圧から負圧へと変化する。
そして、ダンピングパルスDPを生成するために、圧電部材8の第1端子部8cと第2端子部8dに基準電位(Vm)と高電位(Vh)を印加し、電極層8b間に電圧+Vdを印加すると、圧電部材が長さ方向に膨張して圧力室3の容積が収縮して圧力室3の容積が急激に縮小する。したがって、圧力室3内には正の圧力が瞬間的に発生するが、このときに発生する圧力波は、第1端子部8cと第2端子部8dに基準電位(Vm)と低電位(Vl)を印加した時に発生する圧力波とは逆位相となるため、圧力室3内の圧力は減衰されることになる。
この状態をおよそTd(=Ta)の時間保持することで、その間に圧力室3内の圧力は負から正に反転する。このとき、圧電部材8の第1端子部8cと第2端子部8dに基準電位(Vm)を印加し、電極層8b間の電圧を基準電圧(零)とすると、今度は、圧電部材8が元の基準長さに戻り、圧力室3の容積が縮小状態から基準容積に急激に戻る。このため、圧力室3内には負の圧力が瞬間的に発生し、この圧力により発生する圧力波は、先の低電位(Vl)を基準電位(Vm)に切り替えたときに発生する圧力波に対して逆位相となるので、圧力室3内の圧力はさらに減衰される。
マルチドロップ駆動において、以降、順次同じようなタイミングでの圧力変化と共にインク滴が連続的に駆動パルスの数だけ吐出することになるが、ダンピングパルスDPによって、前ドロップの残留振動の影響をできるだけ受けない駆動パルスの構成としている。
図4は、図3に示す基本駆動波形に基づいて、インク滴を5滴吐出させるマルチドロップ駆動における駆動波形の実施形態を示す。
図4において、各ドロップのドロップ周期TDは共に等しく設定し、ドロップ周期TDと最大階調ドロップ数N(本実施形態では、ドロップ数N=5)を掛けた値と、休止時間Teを加えた値を印字ドット毎の周期であるサイクルタイムTc(駆動周波数の逆数)としている。
なお、休止時間Teは、連続した液滴が吐出した後の残留振動を減衰させるために設定したもので、次のサイクルへの影響を小さくためには十分に長く設定する必要があるが、印字速度を上げるには、逆に休止時間Teを短く設定する必要がある。
このため、休止時間Teと液滴のばらけ量との関係、ドット径の測定等のために、図5に示すストロボを用いた液滴の飛翔観察装置により休止時間Teを変化させながら液滴のばらけ量を観察した。観察結果を図7に示す。
図5に示す飛翔観察装置30は、CCDカメラ31を装着した顕微鏡32を有し、CCDカメラ31で読み取った映像をモニタ33に入力し、モニタ33に表示し、その映像をパソコン34に取り込む。顕微鏡32には、インクジェットヘッド1が取り付けられ、ストロボ装置35の発光部36をインクジェットヘッド1に対向して取り付けている。インクジェットヘッド1には、駆動信号発生手段2を内蔵した通電装置37が接続されている。また、通電装置37には、ストロボの発光タイミングを定めるトリガー信号として、信号発生手段2の通電波形の開始時間に対してディレイ時間を設定できる遅延回路38を接続している。
この飛翔観察装置30によって、インクジェットヘッド1に印加する通電波形を起点としてストロボの発光タイミングを、起点からのディレイ時間を適宜に設定することにより、マルチドロップ駆動における全ての液滴の画像をモニタ33に表示させ、パソコン34の画像処理ソフトによってその画像を二値化してサテライト滴を含む液滴の重心位置を測定し、図6に示すように、その近似直線L(飛翔方向)と直交する方向に対する各液滴のばらけの最大偏差をばらけ量とした。
図7に示すように、ばらけ量は休止時間Te、すなわち駆動周波数によって変化し、駆動周波数によってばらけ量が大きくなったり小さくなったり周期的に変化する。ここで、休止時間Teが十分に長い場合、ほぼ液滴のばらけ量は零に近くなるが、そのときサテライト滴を含めた全ての液滴が連続的に着弾して形成されたドット径は約70μmであった。
また、休止時間Teを2.8μs近辺、あるいは7.8μs近辺に設定すると、ばらけ量は10μm以下となり、液滴のばらけによる印字品質の影響を殆ど無視することができた。休止時間Teはできるだけ短くすることが駆動周波数を大きくして高速印字を可能とするので、この場合は休止時間Teを2.8μsとすることが好ましい。本実施形態において、圧力伝播時間Taは、Ta=2.5μsとしているので、液滴のばらけ量が最初に極小となる休止時間Teは、Te=2.8μsで、圧力伝播時間Taよりも約1.1倍ほど長くなる。また、ばらけ量の次の極小値となる休止時間Teは、Te=7.8μsであって、最初の極小値との間隔は、2×Taとなり、以降、2×Taの周期で変化することになる。
したがって、休止時間Teは、
Te=1.1×Ta+2×n×Ta (nは0,1,2,3・・・の自然数)
により設定すれば良い。
このように、ストロボ等を利用した液滴の飛翔観察装置50を用いて、休止時間Teを変化させながら画像計測により、サテライト滴を含む液滴の重心位置によって、ばらけ量を測定し、そのばらけ量が極小となる時間に休止時間Teを設定することで、駆動周波数を大きくした高速印字においても、液滴の着弾ずれがなく、良好な印字品質を得ることができる。
なお、液滴飛翔観察装置50を用いて液滴のばらけ量を直接測定するのではなく、媒体に着弾したドットの面積を測定してもよい。例えば、図8に示すように、液滴のばらけがない場合には、ドットの形状はほぼ真円となるが、液滴のばらけがある場合には、図9に示すように一部が重なり、長円や瓢箪形となったり、図10に示すように、完全にドットが分離する、といった場合が例示できる。
そして、これらの着弾したドットの面積は、液滴のばらけがない場合に最小となるため、ドットの面積が最小となるように休止時間Teを設定する方法であっても良い。
図11に図8〜図10に示すドットの面積を測定するための印字画像測定装置の概略構成を示す。この印字画像測定装置40は、インクジェットヘッドより連続した液滴を吐出させ、静止した媒体41に印字し、この媒体41に印字されたドットを、パソコン42に接続されたマイクロスコープ43で拡大し、その画像をパソコン42に取り込む。そして、パソコン42の画像処理ソフトにより二値化処理を行い、ドットの面積を画像計測により算出する。
図12に、休止時間Teを変化させながら図11の印字画像測定装置によりドットの面積を測定した結果を示す。図7の場合と同様に、ドットの面積は、休止時間Te、すなわち駆動周波数によっておおきくなったり小さくなったり周期的に変化する。休止時間Teを7.8μs近辺となるように設定することでドットの面積は最小となるが、休止時間Teはできるだけ短い方が、駆動周波数を大きくして高速印字を可能とするので、ドットの面積が極小となる2.8μs近辺に設定するのが良い。
以上説明したように、本実施形態によれば、マルチドロップ駆動のインクジェット記録装置において、休止時間Teを可変しながら、ストロボ等を用いた液滴の飛翔観察装置を用いて、画像計測によりサテライト滴を含む液滴の重心位置によってばらけ量を測定し、測定結果に基づくばらけ量と休止時間は、ばらけ量の増減を繰り返しながら減衰する特性線を予め求め、その特性線に基づいてばらけ量が極小となる時間を休止時間、特に最も短い時間を休止時間に設定すること、あるいは印字画像測定装置等を用いて媒体に着弾したドットの面積を測定し、測定結果に基づく着弾のドット面積と休止時間は、ドット面積の増減を繰り返しながら減衰する特性線を求め、その特性線に基づいてドット面積が極小となる時間を休止時間、特に最も短い時間を休止時間に設定する。このように、休止時間設定を設定することで、駆動周波数を大きくした高速印字においても、液滴の着弾ずれがなく、良好な印字品質を得ることができる。
1 インクジェットヘッド
2 駆動信号発生手段
3 圧力室
4 隔壁
5 ノズル
6 ノズルプレート
7 振動板
8 圧電部材
8a 圧電層 8b 電極層 8c 第1端子部 8d 第2端子部
9 保持板
10a、10b 接続配線パターン
11 共通圧力室
12 インク供給口
13 壁部
30 飛翔観測装置
31 CCDカメラ
32 顕微鏡
33 モニタ
34 パソコン
35 ストロボ装置
36 発光部
37 通電装置
38 遅延回路
40 印字画像測定装置
41 媒体
42 パソコン
43 マイクロスコープ

Claims (6)

  1. 駆動信号発生手段からの駆動パルスによりアクチュエータ駆動制御して、インクが収容されている圧力室の容積を変化させ、前記圧力室内のインクに圧力変動を与えることにより、前記圧力室のノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッドを有し、前記ノズルから吐出するインク滴の数を変化させることで階調印字を行うインクジェット記録装置であって、
    前記ノズルが階調印字を行うのに要する時間を1サイクルタイムTcとし、最大階調のインク滴数をn、前記ノズルから1つのインク滴を吐出するのに要するドロップ周期をTD、最大階調の最終インク滴吐出のための駆動パルスの後に次の1サイクルタイムが開始されるまでの間に設定した休止時間をTeとし、前記1サイクルタイムTcを、
    Tc=TD×n+Te
    とすると、
    前記階調印字のために連続して吐出するサテライト滴を含む複数の液滴の飛翔方向のばらけ量または着弾状態のドット面積が前記休止時間Teの経過に従って増減を繰り返しながら減衰する予め求めた特性線に基づいて、前記ばらけ量または着弾面積が極小となる時間を休止時間に設定したインクジェットヘッドの駆動方法。
  2. 前記休止時間の設定は、前記特性線において複数存在する休止時間のうちで、最も短い時間を休止時間に設定した請求項1に記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
  3. 前記ドロップ周期TDは、前記圧力室内の容積を増加させてから元の容積に戻してノズルからインク滴を吐出させる吐出時間Tsと、前記吐出時間後も前記圧力室の容積をそのまま所定時間維持する待機時間Twと、前記待機時間後に前記圧力室の容積を収縮させた後前記圧力室の容積を元に戻すダンピング時間Tdの和とし、前記圧力室内のインクの固有振動周期の1/2を圧力伝播時間Taとすると、
    Ts=Tw=Td=Taとし、
    休止時間Teは、
    Te=1.1×Ta+2×n×Ta (nは0、1、2、・・・の自然数)
    に設定した請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
  4. アクチュエータの駆動により、インクが収容されている圧力室の容積を変化させ、前記圧力室内のインクに圧力変動を与えることにより、前記圧力室のノズルからインク滴を吐出させるインクジェットヘッドと、
    前記アクチュエータに駆動パルスを出力する駆動信号発生手段と、
    を有し、前記駆動信号発生手段からの駆動パルスにより、前記ノズルから吐出するインク滴の数を変化させることで階調印字を行うインクジェット記録装置であって、
    前記ノズルが階調印字を行うのに要する時間を1サイクルタイムTcとし、最大階調のインク滴数をn、前記ノズルから1つのインク滴を吐出するのに要するドロップ周期をTD、最大階調の最終インク滴吐出のための駆動パルスの後に次の1サイクルタイムが開始されるまでの間に設定した休止時間をTeとし、前記1サイクルタイムTcを、
    Tc=TD×n+Te
    とすると、
    前記駆動信号発生手段は、前記階調印字のために連続して吐出するサテライト滴を含む複数の液滴の飛翔方向のばらけ量または着弾状態のドット面積が前記休止時間Teの経過に従って増減を繰り返しながら減衰する予め求めた特性線に基づいて、前記ばらけ量または着弾面積が極小となる時間を休止時間に設定したインクジェットヘッドの駆動装置。
  5. 前記駆動信号発生手段は、前記特性線において複数存在する休止時間のうちで、最も短い時間を休止時間に設定した請求項4に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。
  6. 前記駆動信号発生手段は、前記ドロップ周期TDとして、前記圧力室内の容積を増加させてから元の容積に戻してノズルからインク滴を吐出させる吐出時間Tsと、前記吐出時間後も前記圧力室の容積をそのまま所定時間維持する待機時間Twと、前記待機時間後に前記圧力室の容積を収縮させた後前記圧力室の容積を元に戻すダンピング時間Tdとの和とし、前記圧力室内のインクの固有振動周期の1/2を圧力伝播時間Taとすると、
    Ts=Tw=Td=Taとし、
    休止時間Teは、
    Te=1.1×Ta+2×n×Ta (nは0、1、2、・・・の自然数)
    に設定した請求項1または2に記載のインクジェットヘッドの駆動装置。




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