JP3749339B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、帯電された色剤粒子(トナー粒子)を絶縁性液体(液体キャリア)中に分散させてなるインクを記録電極に供給し、この記録電極と記録媒体との間に所定の電界を形成することにより、トナー粒子をインク中から分離吐出させて記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録方法には、ピエゾ圧電方式、サーマル(バブル)方式、静電加速方式などがある。
【0003】
この中で、静電気を用いるインクジェット記録方法は、ノズルや多数の電極を有するスリット状のインク保持部の内部にインクを供給し、ノズルや電極に選択的に高電圧を印加することにより、ノズルや電極と近接対向する記録媒体にインクを噴出させて、画像を記録するものである。
【0004】
ここに、インクは、106 〜108 Ω・cm程度の電気抵抗を有するものが用いられており、一般的には油性溶媒に顔料または染料からなる着色剤を分散助剤により分散して、抵抗値を調節したものが使用されている。
【0005】
インクの飛翔原理は、電極に印加された高電圧により、電極に接するインクに電荷が注入されて、インクが電荷を帯び、電界によりインクが噴出されるものと解釈されている。したがって、インクは通常は帯電しておらず、電圧を印加したときのみ、電極近傍のインクが帯電されて、吐出力を得ている。
【0006】
以上の説明から分かるように、このインクジェット記録方法は、インク中の全ての成分(溶媒、着色剤、分散助剤)が一緒に消費されるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようなインクジェット記録技術は、小形で消費電力も小さく、パーソナル分野での普及は目覚ましいものがある。しかし、インクジェット記録技術には解決しなければならない共通の課題も多い。第1に、着色成分として染料を用いるため、日光に対する褪色が著しく、長期保存用の記録用途には用いることが困難である。第2に、流動性の高いキャリア液インクを用いるため、受像体である紙などの記録媒体に対してにじみやフェザリングと呼ばれる画像不良が生じる。このため、記録媒体としてシリカや水溶性バインダを塗布した受像紙を用いなければならず、記録媒体の自由な選択ができないという問題がある。
【0008】
このような問題を解決するものとして、たとえば、特開昭62−5282号公報には、絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを用いた記録装置が開示されている。この記録装置では、記録媒体に対向して配設された記録電極にインクを供給し、このインクが供給される記録電極にバイアス電圧を印加することにより、記録電極の先端近傍にてトナー粒子を凝集させ、この凝集体を静電気力により絶縁性液体から記録媒体に向けて分離吐出させ、記録媒体上に画像を記録している。
【0009】
しかし、このような技術では、にじみなどが少なく、従来の問題を解決できるものの、画像の記録パターンによってはインクの吐出量が変動してしまい、均一なドット形状が得られず、画質が劣化してしまうという問題があった。
【0010】
また、信頼性の確保(インク中のトナー粒子の記録電極への固着防止)、高速記録(記録感度の向上)と高画質化(非記録画素におけるインクの転写防止)などの問題を全て満たすことは困難であった。
【0011】
そこで、本発明は、注目画素以前の画素群の記録パターンによらず、常に一定量のインクを吐出し、ドット径の均一な高画質な画像を得ることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、注目画素以前の画素群の記録パターンによらず、トナー粒子の固着防止、記録パルスに良好に応答したインクの吐出が得られるとともに、バイアスパルスによる不要なインクの吐出を防止でき、記録電極の信頼性と高画質の画像を得ることができるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、同一記録電極の注目画素が記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が非記録画素の場合、前記注目画素の記録電極に印加する電圧のパルス幅を長くするよう、前記記録電極に印加する電圧のパルス幅を制御するパルス幅制御手段とを具備している。
【0014】
また、本発明のインクジェット記録装置は、絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、同一記録電極の注目画素が記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が記録画素の場合、前記注目画素の記録電極に印加する電圧のパルス幅を短くするよう、前記記録電極に印加する電圧のパルス幅を制御するパルス幅制御手段とを具備している。
【0015】
また、本発明のインクジェット記録装置は、絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、記録する画像信号に応じて前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成することにより、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、この電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を画像の記録パターンに応じて制御する電界制御手段とを具備している。
【0016】
さらに、本発明のインクジェット記録装置は、絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、前記記録電極にインクを吐出するときとほぼ同じ電圧のパルス状の電圧を印加することにより、前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、この電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を画像の記録パターンに応じて制御する電界制御手段とを具備している。
【0017】
本発明によれば、注目画素以前の画素群の記録パターンに応じて注目画素の記録電極に印加する記録パルスの幅を制御することで、注目画素以前の画素群の記録パターンによらず、常に一定量のインクを吐出し、記録媒体に記録することができるので、ドット径の均一な高画質な画像を得ることができる。
【0018】
また、本発明によれば、注目画素以前の画素群の記録パターンに応じて注目画素の記録電極に印加するバイアスパルスを制御することで、注目画素以前の画素群の記録パターンによらず、トナー粒子の固着防止、記録パルスに良好に応答したインクの吐出が得られるとともに、バイアスパルスによる不要なインクの吐出を防止できるので、記録電極の信頼性と高画質の画像を得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0020】
まず、第1の実施の形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の構成を概要的に示すものである。図1において、インクジェット記録装置1は、イエロウY、マゼンタM、シアンC、ブラックBKの各記録ヘッド2,3,4,5から、対向電極を兼ねた転写ベルト6に向けてインクを吐出することにより、転写ベルト6上に一旦画像を形成し、その画像を用紙P上に一括して転写することにより、用紙P上に画像を形成するようになっている。
【0022】
各色の記録ヘッド2,3,4,5は、それぞれの色に対応したインクレザヴァ7,8,9,10とインク循環機構(Y用のみ図示)を介して連結されている。たとえば、イエロウYの記録ヘッド2に関しては、インク供給用ポンプ11とインク回収用ポンプ12とを用いて、チューブ13,14を介して記録ヘッド2とインクレザヴァ7との間でインクが循環されるようになっている。これらは他色の記録ヘッドにおいても同様である。
【0023】
各記録ヘッド2,3,4,5の駆動、制御、インクの循環、転写ベルト6と用紙Pの搬送の各動作は、インクジェット記録装置1内の図示しない制御部と電源とによってそれぞれ行なわれるようになっている。転写ベルト6は、ローラ15,16の間に掛け渡され、図示しない駆動装置によって図中の矢印方向(図中では時計回り)に搬送駆動される。
【0024】
転写ベルト6の搬送速度と記録ヘッド2,3,4,5のインクの吐出周波数との同期をとることで、転写ベルト6上に画像データに応じた画像を得ることができる。また、各記録ヘッド2,3,4,5のインク吐出点は、記録解像度よりも低い密度で配置されている。このため、転写ベルト6を複数回転搬送しながら、記録ヘッド2,3,4,5を紙面奥行き方向に走査することで全面の画像を形成するようになっている。
【0025】
最終的に画像が形成される用紙Pの搬送ユニットは、記録前の用紙Pを保存する給紙カセット17、給紙カセット17から用紙Pを1枚づつ取出す取出しローラ18、取出した用紙Pを搬送する搬送ローラ群19、搬送される用紙Pを導くガイド板20、転写ベルト6上の画像を用紙P上に転写して定着させる定着ローラ21、および、画像形成後の用紙Pを受取るトレー22を備えている。
【0026】
転写ベルト6に対する画像形成中においては、定着ローラ21は転写ベルト6から離れている。定着ローラ21は、転写ベルト6に画像が形成された後に、これと接触する。このとき、画像の用紙Pへの転写定着を促進するために、定着ローラ21はヒータ23によって加熱され、80〜200℃の温度域に温度調節されている。
【0027】
ここで、本実施の形態で用いるインクについて説明しておく。本実施の形態では、インクとして、絶縁性のキャリア液であるイソパラフィン系溶媒(たとえば、商品名でアイソパーG,H,L/電気抵抗が1012〜1013Ω・cm以上)からなる絶縁性分散媒(以下、キャリア液という)中に、0.01〜5μm程度の粒子径で、キャリア液中において所定の極性に帯電し、少なくとも着色成分を有する樹脂粒子(以下、トナー粒子という)を重量比濃度で10%以下に分散させたものを用いている。このようなインクは、電子写真などで用いられるキャリア液現像剤と基本的に同じであるが、液の電気抵抗はこれよりも高いものが要求される。
【0028】
このようなインクを、この状態でそのまま用紙に転写すると、濃度の低い画像しか得られない。その理由は、トナー粒子の濃度(以下、トナー濃度という)が上記の値では低く、色材であるトナー粒子の量が不足するからである。しかし、初期状態でトナー濃度を高くすると粘度も高まるので、インクの搬送が困難になってしまう。
【0029】
そこで、本実施の形態では、インクをインクタンクから記録ヘッドへ供給、さらに回収する搬送の状態では低濃度で、記録ヘッドから吐出する直前にトナー粒子を濃縮させ、トナー濃度の高いインクを用紙に転写するようにしている。
【0030】
次に、記録ヘッド2,3,4,5について説明する。なお、各記録ヘッド2,3,4,5はそれぞれ同一構成であるので、代表して記録ヘッド2を例にとって説明する。
【0031】
図2において、記録ヘッド2は、複数のインク供給路31(図3参照)、その各インク供給路面を複数の記録電極32とする2つの記録電極基板33、および、インクを各インク吐出点34に導く誘電体で形成されたフィルム状のインクガイド35を備えている。この場合、2つの記録電極基板33の間にインクガイド35が挟み込まれ、各インク供給路31の開口部からインクガイド35の先端部35aが突出した構成になっている。
【0032】
インク供給路31に供給されたインクは、図中矢印36のようにインク供給路31の開口部から外へあふれ出し、記録電極基板33の斜面33aを流れ落ちる。また、インク供給路31からインクガイド35を伝わってインク吐出点34に達するまでは、インクはインク供給路31間の隔壁37によって隣接するインク供給路31のインクと混じり合わないようになっている。
【0033】
図3は、記録ヘッド2,3,4,5の縦断面図であり、以下、この図を参照して更に詳細に説明する。インクは、ポンプ(図示せず)によって、インク供給路31の入口部から矢印38の方向に供給され、インク供給路31の開口部から外へあふれ出し、斜面33aを矢印36の方向に流れ落ち、共通インク室39に貯まる。さらに、インクは、ポンプ(図示せず)によって、共通インク室39から矢印40の方向へ吸い出され、インクレザヴァ7,8,9,10に回収されるようになっている。
【0034】
なお、記録動作中、インクは常に流れているので、充分な量のトナー粒子をインク吐出点34に供給することができるようになっている。また、インク吐出点34であるインクガイド35の先端部35aのメニスカス41は、インクの表面張力やインクガイド35との濡れによりほとんど静止した状態である。このため、インク吐出点34ではメニスカス41の振動がなく安定したインク吐出が可能になる。さらに、インクガイド35は先端へ行くほど細くなっているので、トナー粒子は先端のインク吐出点34に移動すると効率的に凝集、濃縮する。
【0035】
図4(a)は、記録ヘッド2,3,4,5のインク吐出点近傍の電界と等電位面を模式的に示した図であり、図4(b),(c)はトナー粒子の挙動をそれぞれ模式的に示した図である。
【0036】
まず、記録電極32(斜線部)と対向電極である転写ベルト6との電位の関係を、トナー粒子の帯電極性を正として説明する。装置の動作が開始し、インクの吐出を行なわない場合、記録電極32にV1の電位が印加され、対向電極(転写ベルト)6にV0の電位が印加され、両電位の関係は[V0<V1]である。
【0037】
このとき、記録電極基板33、記録電極32、対向電極6、インクメニスカス41の形状や誘電率によって、図4(a)に示すように、等電位線aと電界bとが両電極6,32間に形成される。次に、インクの吐出を行なう場合、電位の関係が[V0<V1<V2]となるような電位V2が記録電極32に印加される。このときも、等電位線が密になり、電界が強くなるが、分布はほぼ同じである。
【0038】
図4(b)は、記録電極32に電圧V1が印加されているときのトナー粒子の挙動を模式的に示した図である。図3を用いて前述したように、インクがインク供給路31の開口部からあふれ出ると、正に帯電しているトナー粒子は図4(a)で示した電界により対向電極6の方向に電気泳動で移動し、さらに、インクの表面に導かれ、インクガイド35の先端部35aに凝集する。また、電圧V1は、このときの電界ではトナー粒子の受けるクーロン力が表面張力よりも弱く、インクが吐出しない電位に設定されている。
【0039】
ここで、インクを吐出しない場合でも、記録電極32にV1の電位を与えることで(直流バイアス)、対向電極6に電界を形成し、インクガイド35の先端部35aに常時トナー粒子を濃縮させることができ、吐出周波数を高くすることと、スイッチング電圧を下げられるので、駆動回路の小形化、低コスト化が図れる。
【0040】
図4(c)は、記録電極32に電圧V2が印加されているときのトナー粒子の挙動を模式的に示した図である。この場合は、上述した図4(b)の場合よりも強い電界を生じる。この強い電界の作用によって、トナー粒子の受けるクーロン力がインクの表面張力を上まわり、インク滴42が記録電極32から離脱するようになる。離脱したインク滴42は対向電極6に向けて飛翔し、用紙に転写される。このとき、飛翔、転写するインク滴42はトナー粒子が凝集しており、固形成分が多く、高濃度であるので、転写ベルト6上で面方向に流れて滲むことがない。
【0041】
また、ここで記録電極32に直流バイアスである電位V1が印加されている状態から、図4(c)の電位V2が印加されると、電荷を帯びているトナー粒子に電界が作用して対向電極6の方向へ移動し、液面の表面張力に打ち勝ち、吐出するが、キャリア液も表面張力や粘性によりトナー粒子と一緒に移動し、メニスカス41が対向電極6へ盛り上がる。
【0042】
次に、電位V2の印加が終了すると、インクの吐出も終了し、メニスカス41も電位V1が印加されている図4(b)の状態に復元しようとする。インクの吐出は、インクガイド35の先端部35aの微小領域で生じる現象なので、その周期は短いが、メニスカス41はインク供給路31の開口部全体にわたりインクの吐出の行なわれる領域に比べ非常に大きく、復元する周期は長いので、ある画素で記録(インクの吐出)を行なったとき、メニスカス41が復元するには記録しない画素が複数個必要となる。
【0043】
このため、インクを吐出する動作が開始するときのメニスカス41は、その画素以前の記録の有無や記録パターンによって異なり、記録電極32に同じV2 (電位、パルス幅)を印加しても、吐出するインク量が変動してしまい、画質の劣化を招く。
【0044】
具体的には、その画素以前に記録が行なわれない画素が連続すると、メニスカス41は対向電極6から離れた位置にあり、記録電極32に電位V2が印加されてからインクが吐出するまでの時間が長く、インク吐出量が少ない。また、その画素以前に記録が行なわれる画素が連続すると、メニスカス41は対向電極6に近い位置にあり、記録電極32に電位V2が印加されてからインクが吐出するまでの時間が短く、インク吐出量が多い。
【0045】
図5は、本実施の形態の記録動作における記録電極の電位の関係を従来例と比較して示したタイミングチャートである。
【0046】
図5(a)は、従来例の記録電極の電位を示し、記録周期は1画素を記録する時間で、画像データに応じて記録(インク吐出)をする画素でV2の電位(Aの箇所、以下、画像データに応じて記録のために記録電極に印加されるパルス状の電圧を記録パルスと呼ぶ)が印加される。
【0047】
図5(b)は、本実施の形態の記録電極の電位を示し、画像データに応じて記録(インク吐出)をする画素で記録パルスが印加されるのは図5(a)と同じであるが、画像の第1画素(Bの箇所)や自分以前に非記録画素が連続した画素 (Cの箇所)では、記録電極に長い時間の電位V2を印加する。このことにより、メニスカスが対向電極から離れた位置にある場合でも、トナー粒子に強い電界が作用する時間が長くなり、インクを所定量吐出することができる。
【0048】
ここでは、Cの箇所では、自分よりも前の3つの画素が記録していない場合に、電位V2を印加するパルス幅を長くしているが、パルス幅を長くする条件はメニスカスの大きさや、目標とするインク吐出量、インクの特性などにより変更する必要がある。
【0049】
また、単純に記録しない画素が連続した場合だけでなく、たとえば、非記録−記録−非記録などの記録パターンにより、記録する画素のパルス幅(記録パルスのパルス幅)を制御することで、吐出するインク量を記録パターンよらず、均一にすることが可能となる。
【0050】
図5(c)も、本実施の形態の記録電極の電位を示し、画像データに応じて記録(インク吐出)をする画素で記録パルスが印加されるのは図5(a)と同じであるが、自分以前に記録画素が連続した画素(D,Eの箇所)では、記録電極に短い時間の電位V2を印加する。このことにより、メニスカスが対向電極から近い位置にある場合でも、トナー粒子に強い電界が作用する時間が短くなり、インクを所定量吐出することができる。
【0051】
ここでは、Dの箇所では、自分よりも前の3つの画素が記録した場合に、電位V2を印加するパルス幅を短く、さらに、3つの画素が連続した場合はパルス幅を更に短くしているが、パルス幅を短くする条件も、前記したようなメニスカスの大きさや、目標とするインク吐出量、インクの特性などにより変更する必要がある。
【0052】
また、単純に記録した画素が連続した場合だけでなく、たとえば、記録−非記録−記録などの記録パターンにより、記録する画素のパルス幅を制御することで、吐出するインク量を記録パターンによらず、均一にすることが可能となる。
【0053】
図6は、本発明に係るインクジェット記録装置のブロック図を示している。図6において、CPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)51は、本装置全体の動作の制御を行なうもので、その動作、制御手順はROM(リード・オンリ・メモリ)52に記憶されている。利用者は、コントロールパネル53を介して本装置の操作を行なう。入力インタフェイス(I/F)54は、外部の画像入力、編集機器、たとえば、スキャナやパーソナルコンピュータからの画像データや制御データを通信、転送するのに用いられる。
【0054】
RAM(ランダム・アクセス・メモリ)55は、外部の画像機器から転送された画像データの記憶や、後述する画像データの処理時にワーキングメモリとして用いられる。パルス発生回路56は、RAM55に記憶されている画像データをパルスに変換し、前記記録ヘッド2,3,4,5の駆動回路57に転送する。駆動回路57には、高圧電源58が接続されており、パルス発生回路56から転送されるパルスに応じて、駆動回路57が高圧電源58からの電圧をスイッチングする。
【0055】
用紙、転写ベルト制御回路59は、前記転写ベルト6を駆動するモータ60の動作を制御し、ポンプ制御回路61は、前記ポンプ11,12の各動作をそれぞれ制御する。
【0056】
図7は、外部の画像機器から転送された画像データを、図5(b)(c)で示したタイミングチャートのように、パルス幅を補正した画像データに変換する方法を説明する図である。ここでは、説明を簡単にするため、1つの記録電極の画像データを記録順に上から下へ並べてある。
【0057】
図7(a)は、補正前で、図5(b)の記録の有無を1(記録)と0(非記録)の2値で表わしている。図7(b)は、補正後で、図5(b)のように、前の記録パターンによってパルス幅を補正した画像データであり、補正を必要としない画素は「04」、必要とする画素は「07」という画像データに変換される。
【0058】
ここでは、第1画素で記録(1)の場合と、自分よりも前の3つの画素が連続して非記録(0)で、自分が記録(1)の場合に、「1」のデータは「07」に変換されるようにプログラムされている。なお、図7中ではAとBの画素が補正されている。
【0059】
図7(c)は、補正前で、図5(c)の記録の有無を1(記録)と0(非記録)の2値で表わしている。図7(d)は、補正後で、図5(c)のように、前の記録パターンによってパルス幅を補正した画像データであり、補正を必要としない画素は「04」、必要とする画素は「03」、あるいは、「02」という画像データに変換される。
【0060】
ここでは、自分よりも前の3つの画素が連続して記録(1)で、自分が記録 (1)の場合に、「1」のデータは「03」に変換され、さらに6つの画素が連続して記録(1)で、自分が記録(1)の場合に、「1」のデータは「02」に変換されるようにプログラムされている。なお、図7中ではCとDの画素が補正されている。
【0061】
図8は、図7で示した補正後の画像データをパルス幅の異なる記録パルスとして記録電極32に印加するためのパルス発生回路56の構成を示している。パルス発生回路56は、1記録周期内を複数のサブラインの走査に分割し、記録パルスが発生するサブライン数を変えることで、パルス幅を可変するもので、書込制御回路71、2つのFIFO72,73、読出制御回路74、サブラインカウンタ75、および、メモリ76から構成されている。
【0062】
画像データは、書込制御回路71によって選択されたFIFOに書込まれる。書込制御回路71には、1記録周期ごとに発生するHSYNC信号が入力されており、このHSYNC信号が入力されると、画像データを書込む対象となるFIFOを切換える構成になっている。
【0063】
一方、読出制御回路74にも、同様のHSYNC信号が入力されており、読出し対象となるFIFOが切換えられる。また、それぞれ1ライン(記録ヘッドの記録電極の並び方向)づつの画像データがFIFOに書込まれ、もう一方は読出され、この動作を2つのFIFO72,73で交互に行なっている。
【0064】
サブラインカウンタ75は、図示しないタイミング回路から送られてくるサブラインクロックをカウントし、HSYNC信号によりその値はクリアされる。本実施の形態では、1記録周期内に7つカウントし、このサブラインカウンタ75の出力はメモリ76に入力されている。
【0065】
FIFO72,73からの読出し動作は、サブラインカウンタ75のカウント動作と同期して1記録周期内で8回行なわれる。この8回の読出し動作によって読出されるデータは同じデータである。この読出されたデータは、メモリ76にアドレスとして供給される。
【0066】
図9は、図5(b)(c)のようにパルスを発生させるパルス発生回路56に内蔵されたメモリ76を説明する図である。メモリ76には、アドレスとして先に説明したサブラインカウンタ75の値と、FIFO72,73からの読出しデータが入力される。このメモリ76の役割は、画像データの値とサブラインカウンタ75の値をアドレス入力として、記録ヘッドの駆動回路57にパルス発生データを出力することである。
【0067】
メモリマップは、画像データによってデータ領域が分けられている。すなわち、アドレス「0000H」から「0007H」は画像データが「00」の、アドレス「0100Hから「0107H」は画像データが「01」の、アドレス「0700H」から「0707H」は画像データが「07」のパルス発生データが格納されている。
【0068】
メモリ76のアドレスの振り分けを更に詳細に説明すると、上位8ビットは画像データが、下位8ビットはサブラインカウンタ75の出力が、それぞれ割り当てられている。本実施の形態では、画像データは上位8ビットのうち下位3ビットだけが割り振られ、上位5ビットは「0」に固定である。また、サブライン数は「8」なので、下位8ビットのうち下位3ビットだけが割り振られ、上位5ビットは「0」に固定である。
【0069】
ここで、画像データが「00」の場合は、アドレス「0000H」から「0007H」までをアクセスする。すなわち、サブラインカウンタ75の値が「0」のときは、アドレス「0000H」に格納されているデータ「0」が記録ヘッドの駆動回路57に転送される。さらに、サブラインカウンタ75の値が1つづつ繰り上がるにつれて、「1」のときは「0」、「2」のときは「0」、……「7」のときは「0」と、全て「0」が出力される。
【0070】
画像データが「07」の場合は、アドレス「0700H」から「0707H」がアクセスされ、サブラインカウンタ75の値が「0」から「6」までのときは「1」が、「7」のときは「0」が出力される。また、画像データが「01」、「02」、…「06」のときも同様に、画像データとサブラインカウンタ75の値でアクセスされるアドレスに適当なデータを書込んでおく。
【0071】
出力されたパルスデータに応じて、「1」の場合は電位V2を、「0」の場合はV1を、記録電極32に印加するようにスイッチングすることで、画像データに応じてパルス幅を可変することができる。
【0072】
このように、外部の画像機器から転送された画像データを、注目画素の前の記録パターンに応じて補正し、1記録周期内の記録パルスが発生するサブライン数を制御することでパルス幅を可変することができる。
【0073】
以上説明したように、第1の実施の形態によれば、注目画素以前の画素群の記録パターンに応じて注目画素の記録電極に印加する記録パルスのパルス幅を制御することで、注目画素以前の画素群の記録パターンによらず、常に一定量のインクを吐出し、用紙に転写することができるので、ドット径の均一な高画質な画像を得ることができる。
【0074】
特に、画像の記録パターンに応じて記録電極に印加する記録パルスのパルス幅を制御する手段を有し、同一記録電極に所定数の非記録画素が連続した後に記録画素がある場合、記録電極に印加する記録パルスのパルス幅を長くすることで、他の記録パターンと同じドット径を得ることができる。
【0075】
さらに、同一記録電極に所定数の記録画素が連続した後に更に記録画素がある場合、記録電極に印加する記録パルスのパルス幅を短くすることで、他の記録パターンと同じドット径を得ることができる。
【0076】
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0077】
第2の実施の形態の第1の実施の形態と異なる点は、注目画素以前の画素群の記録パターンに応じて注目画素の記録電極に印加するバイアスパルスの印加を制御するようにした点にあり、以下、それについて詳細に説明する。
【0078】
図10は、インクガイド35へのトナー粒子の付着を説明する図である。インクを吐出しない場合でも、記録電極32と対向電極6との間が一定の電位差となる直流バイアスが印加されていると、非記録画素が連続するような記録パターンでは、トナー粒子が長い間インクガイド35の先端部35aに留まるような状態になる。
【0079】
この状態においては、トナー粒子はインクガイド35に押し付けられ付着し、その後のトナー粒子の供給を阻害してしまう。これは、インクガイド35に付着したトナー粒子の電荷により、新たに供給されるトナー粒子が反発してしまうためと思われる。実験においては、一旦記録動作を終了し、メニスカスがインク供給路31に戻った後、再度インクをインクガイド35の先端部35aに供給し、記録動作を行なった場合、吐出周波数が低下してしまうなどの記録特性の劣化が生じる。
【0080】
図11は、図10で述べた問題点を解決する記録方法を説明する図で、記録動作における記録電極の電位の関係を示したタイミングチャートである。対向電極6の電位は、図示しないが記録動作中マイナスの電位であるV0が印加されている。記録電極32の電位は、通常V1(たとえば、0V)であり、記録(インク吐出)をする画素の周期でV2の電位(たとえば、600V)の記録パルス81が印加される。
【0081】
また、インクを吐出しない画素の周期でも、記録電極32にV2の電位で記録パルス81よりもパルス幅が短く、インクが吐出しない程度の電圧(以下、これをバイアスパルスと呼ぶ)82が印加され、記録電極32と対向電極6との間で電界が周期的に変動する。
【0082】
図12は、バイアスパルス82を印加したときのインクガイド35の先端部35aでのインク中のトナー粒子の挙動を模式的に示した図である。図12(a)は、バイアスパルス82として記録電極32の電位がV2になったときのトナー粒子の動きを示している。記録電極32から対向電極6に向かう電界により、トナー粒子は低電位であるインクガイド35の先端部35aに移動して凝集するが、凝集するトナー粒子の数は単純に増加するわけではなく、ある数のトナー粒子がインクガイド35の先端部35aに凝集すると、凝集したトナー粒子の電荷と、インク供給路31から出てきたトナー粒子とは互いに反発しあい、図示矢印C方向に戻される。
【0083】
このように、記録電極32と対向電極6の電位の関係で、インクガイド35の先端部35aに凝集できるトナー粒子の量は限定される。この状態でバイアスパルス82の印加が終了し、記録電極32の電位がV1になったときのトナー粒子の動きを図12(b)に示す。図12(a)の状態は、記録電極32と対向電極6との電位差が[V2−V0]と大きいので、インクガイド35の先端部35aに多量のトナー粒子が凝集できたが、図12(b)では電位差が[V1−V0]と小さくなるので、トナー粒子は図12(a)の状態ほどインクガイド35の先端部35aに凝集することができず、矢印C方向に戻る。
【0084】
以上説明したように、記録電極32と対向電極6の電位差、つまり、電界の強度を変えることで、インクガイド35の先端近傍のトナー粒子群を移動させることができる。
【0085】
このように、バイアスパルス82を印加して、周期的にインクガイド35の先端部35aのトナー粒子を揺り動かすことで、トナー粒子がインクガイド35へ固着することがなくなり、長期間使用した場合でも記録特性の劣化を防止することができる。また、記録電極32にバイアスパルス82を印加すると、インクの吐出応答性が向上し、V1とV2との電位差であるスイッチング電圧を低減することができ、小形で低コストなスイッチング素子を用いることができる。
【0086】
しかし、バイアスパルス82のパルス幅をあまり短く設定すると、前記したような効果が得られず、また、パルス幅を長くした場合、非記録画素が連続すると、バイアスパルス82の印加でインクが吐出してしまい、画像に不必要なインクの転写が生じ、画質が劣化する。このように、バイアスパルス82の効果と高画質化を両立させるようなバイアスパルス82の印加条件は極めて僅かな範囲でしかなく、調整が困難である。
【0087】
図13は、本実施の形態の記録動作における記録電極の電位の関係を従来例と比較して示したタイミングチャートである。
【0088】
図13(a)は、図11で説明した従来の記録方法で、記録パターンによらず、常に記録電極と対向電極との間に一定の電界の変動が生じるような記録電極の電位を示している。
【0089】
図13(b)は、本実施の形態の記録電極の電位を示し、記録を行なわない画素の記録周期でも、記録電極にV2の電位で記録パルス81よりもパルス幅が短いバイアスパルス82を印加し、記録電極と対向電極との間で電界が周期的に変動するが、記録パターンに応じてバイアスパルス82の印加を行なわなくしている。
【0090】
図13(c)は、本実施の形態の別の例で、記録パターンに応じてバイアスパルス82を印加する周期を長くしている。通常、1記録周期に2回バイアスパルス82を印加しているが、ここでは1回にしている。
【0091】
図13(d)も、本実施の形態の別の例で、記録パターンに応じてバイアスパルス82を印加する時間、つまり、パルス幅を短くしている。
【0092】
図13(b)〜(d)で共通していることは、ある画素に着目して、その画素では記録せず、さらに、その前に記録しない画素があると、記録電極と対向電極との間の電界の変動を少なくするように、バイアスパルス82を制御していることである。
【0093】
具体的には、図13(b)〜(d)では、記録周期Aに対応する画素に注目すると、注目画素は非記録で、さらに、その前の記録周期B,C,Dに対応する3つの画素が連続して非記録の場合に、図13(b)では電界の変動を行なわず、図13(c)では周期を長くし、図13(d)では変動する時間を短くしている。
【0094】
このことで、通常のバイアスパルス82のパルス幅は、インクガイドにトナー粒子が付着せず、また、記録パルス81に応答してインク吐出が得られる充分な長さを印加でき、また、非記録画素が連続しても、バイアスパルス82でインクが吐出してしまうことがなく、記録ヘッドの信頼性と画質の向上の両立が可能となる。
【0095】
以上の説明では、具体的な実施の形態として、注目する画素の前に非記録画素が複数個連続した場合に、対向電極方向への電界が少なくなるようにバイアスパルスを制御しているが、インクがバイアスパルスで吐出してしまうのは、必ずしも非記録画素が連続した場合だけでなく、連続するある画素群のなかの非記録画素の割合が高い場合である。
【0096】
このような場合、インクガイドの先端でトナー粒子の濃縮量が多く、バイアスパルスでもインクは吐出してしまう。したがって、インクガイドのトナー粒子固着とバイアスパルスでのインク吐出の両方を満たすには、非記録画素の連続数だけを考慮するのではなく、連続するある画素群のなかの非記録画素の割合を考慮することが必要である。
【0097】
図14は、本実施の形態の記録動作における記録電極の電位の関係を従来例と比較して示した別のタイミングチャートである。
【0098】
図14(a)は、図11で説明した従来の記録方法で、記録パターンによらず、常に記録電極と対向電極との間に一定の電界の変動が生じるような記録電極の電位を示している。
【0099】
図14(b)は、本実施の形態の記録電極の電位を示し、記録を行なわない画素の記録周期でも、記録電極にV2の電位で記録パルス81よりもパルス幅が短いバイアスパルス82を印加し、記録電極と対向電極との間で電界が周期的に変動するが、記録パターンに応じてバイアスパルス82の印加の周期を短くしている。
【0100】
図14(c)は、本実施の形態の別の例で、記録パターンに応じてバイアスパルス82を印加する時間、つまり、パルス幅を長くしている。
【0101】
図14(b)(c)で共通していることは、ある画素に注目して、その画素では記録せず、さらに、その前に記録しない画素があり、その後に記録する画素があると、記録電極と対向電極との間の電界の変動を大きくするように、バイアスパルス82を制御していることである。
【0102】
具体的には、図14(b)(c)では、記録周期Aに対応する画素に注目すると、注目画素は非記録で、さらに、その前の記録周期B,C,Dに対応する3つの画素が連続して非記録で、その2つの画素後のEが記録の場合に、図14(b)では電界の変動の周期を短くし、図14(c)では変動する時間を長くしている。
【0103】
このことで、通常のバイアスパルス82のパルス幅は、インクガイドにトナー粒子が固着せず、非記録画素が連続してもインクが吐出しない長さで、また、記録画素でも応答良くインクを吐出することができ、記録ヘッドの信頼性と画質の向上の両立が可能となる。
【0104】
以上の説明では、具体的な実施の形態として、注目する画素の前に非記録画素が複数個連続し、その所定個後に記録画素がある場合に、対向電極方向への電界が強くなるようにバイアスパルスを制御しているが、インクが記録パルスに対応して吐出しづらくなるのは、必ずしも非記録画素が連続した場合だけでなく、連続する画素群のなかの非記録画素の割合が高い場合である。
【0105】
このような場合、インクガイドの先端でのトナー粒子の濃縮量は少なく、記録パルスでもインクは吐出しなくなる。したがって、インクガイドのトナー粒子固着防止、バイアスパルスでのインク吐出防止、記録パルスでの良好なインク吐出の全てを満たすには、非記録画素の連続数だけを考慮するのではなく、連続するある画素群の中の非記録画素の割合を考慮することが必要である。
【0106】
図15は、外部の画像機器から転送された画像データを、図13(b)〜(d)で示したタイミングチャートのように、パルス幅を補正した画像データに変換する方法を説明する図である。ここでは、説明を簡単にするため、1つの記録電極の画像データを記録順に上から下へ並べてある。
【0107】
図15(a)は、補正前で、図13(a)の記録の有無を1(記録)と0(非記録)の2値で表わしている。
【0108】
図15(b)は、補正後で、図13(b)〜(d)のように、前の記録パターンによってバイアスパルスを補正した画像データであり、図13(b)〜(d)どの場合も1記録周期内で記録パルス、バイアスパルスの印加パターンは、(1)記録パルスを印加、(2)通常のバイアスパルス印加、(3)補正したバイアスパルス印加、の3種類で、それぞれを「00H」、「01H」、「02H」の画像データが対応している。
【0109】
ここでは、非記録(0)は通常「01」に変換されるが、自分よりも前の3つの画素が連続して非記録(0)の場合、たとえば、画素A,Bは、「0」のデータが「02」に変換されるようにプログラムされている。
【0110】
図16は、外部の画像機器から転送された画像データを、図14(b)(c)で示したタイミングチャートのように、パルス幅を補正した画像データに変換する方法を説明する図である。ここでは、説明を簡単にするため、1つの記録電極の画像データを記録順に上から下へ並べてある。
【0111】
図16(a)は、補正前で、図14(a)の記録の有無を1(記録)と0(非記録)の2値で表している。
【0112】
図16(b)は、補正後で、図14(b)(c)のように、前後の記録パターンによってバイアスパルスを補正した画像データであり、図14(b)(c)どちらの場合も1記録周期内で記録パルス、バイアスパルスの印加パターンは、 (1)記録パルス印加、(2)通常のバイアスパルス印加、(3)補正したバイアスパルス印加、の3種類で、それぞれを「00H」、「01H」、「02H」の画像データが対応している。
【0113】
ここでは、非記録(0)は通常「01」に変換されるが、自分よりも前の3つの画素が連続して非記録(0)で、後の1画素または2画素が記録の場合、たとえば、画素A,Bは、「0」のデータが「02」に変換されるようにプログラムされている。
【0114】
図17は、パルス発生回路56に内蔵されたメモリ76を説明する図である。メモリ76には、アドレスとして先に説明したサブラインカウンタ75の値と、FIFO72,73からの読出しデータが入力される。このメモリ76の役割は、画像データの値とサブラインカウンタ75の値をアドレス入力として、記録ヘッドの駆動回路57にパルス発生データを出力することである。
【0115】
メモリマップは、画像データによってデータ領域が分けられている。すなわち、アドレス「0000H」から「0007H」は画像データが「00」の、アドレス「0100Hから「0107H」は画像データが「01」の、アドレス「0200H」から「0207H」は画像データが「02」のパルス発生データが格納されている。
【0116】
メモリ76のアドレスの振り分けを更に詳細に説明すると、上位8ビットは画像データが、下位8ビットはサブラインカウンタ75の出力が、それぞれ割り当てられている。本実施の形態では、画像データは上位8ビットのうち下位2ビットだけが割り振られ、上位6ビットは「0」に固定である。また、サブライン数は「8」なので、下位8ビットのうち下位3ビットだけが割り振られ、上位5ビットは「0」に固定である。
【0117】
ここでは、図13(b)のタイミングチャートを得るためのメモリのデータを示す。画像データが「00」、つまり、記録パルスを出力する場合は、アドレス「0000H」から「0007H」までをアクセスする。すなわち、サブラインカウンタ75の値が「0」のときは、アドレス「0000H」に格納されているデータ「1」が記録ヘッドの駆動回路57に転送される。さらに、サブラインカウンタ75の値が1つづつ繰り上がるにつれて、「1」のときは「1」、「2」のときは「1」、……と、6回「1」が出力された後、「6」のとき、「7」のときは「0」が出力される。
【0118】
画像データが「01」、つまり、通常のバイアスパルスを出力する場合は、アドレス「0100H」から「0107H」にアクセスし、サブラインカウンタ75の値が「0,1」と「4,5」のときに「1」が、その他は「0」が出力される。
【0119】
また、画像データが「02」、つまり、補正後のバイアスパルス(ここではバイアスパルスを発生させない)を出力する場合は、全てのサブラインカウンタ75の値で「0」が出力される。出力されたデータが転送された駆動回路57は、データ「1」のときにV2の電位を与えるようになっているので、1記録周期内で3つのパターンのパルス電圧が印加される。
【0120】
また、画像データとサブラインカウンタ75の値でアクセスされるアドレスに適当なデータを書込んでおくことで、図13(c)(d)、図14(b)(c)のタイミングチャートが得られる。
【0121】
このように、外部の画像機器から転送された画像データを、注目画素の前後の記録パターンに応じて補正し、1記録周期内のパルスが発生するサブライン数を制御することで、バイアスパルスを制御する。
【0122】
以上説明したように、第2の実施の形態によれば、注目画素以前の画素群の記録パターンに応じて注目画素の記録電極に印加するバイアスパルスの印加を制御することで、注目画素以前の画素群の記録パターンによらず、トナー粒子の固着防止、記録パルスに良好に応答したインクの吐出と、バイアスパルスによる不要なインクの吐出を防止できるので、記録ヘッドの信頼性と高画質な画像を得ることができる。
【0123】
さらに、注目画素以前、以後の画素群の記録パターンに応じて注目画素の記録電極に印加するバイアスパルスの印加を制御することで、記録パターンによらず、トナー粒子の固着防止、記録パルスに良好に応答したインクの吐出と、バイアスパルスによる不要なインクの吐出を防止できるので、記録ヘッドの信頼性と高画質な画像を得ることができる。
【0124】
なお、前記実施の形態では、記録ヘッドから対向電極を兼ねた転写ベルトに向けてインクを吐出することにより転写ベルト上に一旦画像を形成し、その画像を用紙上に一括して転写する方式のインクジェット記録装置に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、たとえば、記録ヘッドに対向して対向電極を設け、この対向電極の前に用紙を置き、記録ヘッドから対向電極に向けてインクを吐出することにより、直接用紙上に画像を形成する方式のインクジェット記録装置にも同様に適用できる。
【0125】
また、前記実施の形態では、注目画素の前の状態に応じて注目画素の次の画素を記録する際の制御について説明しているが、注目画素の直後の画素でなくとも、注目画素の後に記録されるもので、注目画素に近いものであればよいことは言うまでもない。これらの制御は、記録すべき画像の記録パターンに応じて適切に設定すればよい。
【0126】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、注目画素以前の画素群の記録パターンによらず、常に一定量のインクを吐出し、ドット径の均一な高画質な画像を得ることができるインクジェット記録装置を提供できる。
【0127】
また、本発明によれば、注目画素以前の画素群の記録パターンによらず、トナー粒子の固着防止、記録パルスに良好に応答したインクの吐出が得られるとともに、バイアスパルスによる不要なインクの吐出を防止でき、記録電極の信頼性と高画質の画像を得ることができるインクジェット記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインクジェット記録装置の構成を概略的に示す模式図。
【図2】記録ヘッドのインク吐出点近傍の斜視図。
【図3】記録ヘッドの縦断面図。
【図4】(a)は記録ヘッドのインク吐出点近傍の電界と等電位面を示す模式図、(b),(c)はトナー粒子の挙動を示した模式図。
【図5】記録動作における記録電極の電位の関係を従来例と比較して示したタイミングチャート。
【図6】インクジェット記録装置のブロック図。
【図7】画像データを補正したパルス幅の画像データに変換する方法を説明する図。
【図8】補正後の画像データをパルス幅の異なる記録パルスとして発生するパルス発生回路の構成を示すブロック図。
【図9】パルス発生回路に内蔵されるメモリを説明する図。
【図10】インクガイドへのトナー粒子の付着を説明する図。
【図11】従来の記録方法を説明する図。
【図12】バイアスパルスを印加したときのインクガイド先端でのトナー粒子の挙動を示す模式図。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置の記録動作における記録電極の電位の関係を従来例と比較して示したタイミングチャート。
【図14】同じく第2の実施の形態に係るインクジェット記録装置の記録動作における記録電極の電位の関係を従来例と比較して示した別のタイミングチャート。
【図15】画像データを図13(b)〜(d)で示したタイミングチャートのように補正したパルス幅の画像データに変換する方法を説明する図。
【図16】画像データを図14(b)(c)で示したタイミングチャートのように補正したパルス幅の画像データに変換する方法を説明する図。
【図17】パルス発生回路に内蔵されるメモリを説明する図。
【符号の説明】
1……インクジェット記録装置、2〜5……記録ヘッド、6……転写ベルト (対向電極)、21……定着ローラ、P……用紙(記録媒体)、31……インク供給路、32……記録電極、35……インクガイド、39……共通インク室、41……メニスカス、51……CPU、56……パルス発生回路、57……駆動回路、58……高圧電源、81……記録パルス、82……バイアスパルス。
Claims (11)
- 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
同一記録電極の注目画素が記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が非記録画素の場合、前記注目画素の記録電極に印加する電圧のパルス幅を長くするよう、前記記録電極に印加する電圧のパルス幅を制御するパルス幅制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
同一記録電極の注目画素が記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が非記録画素の場合、前記注目画素の記録電極に印加する電圧のパルス幅を短くするよう、前記記録電極に印加する電圧のパルス幅を制御するパルス幅制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成することにより、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、
この電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を画像の記録パターンに応じて制御する電界制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
前記記録電極にインクを吐出するときとほぼ同じ電圧のパルス状の電圧を印加することにより、前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、
この電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を画像の記録パターンに応じて制御する電界制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
前記記録電極にインクを吐出するときとほぼ同じ電圧のパルス状の電圧を印加することにより、前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、
同一記録電極の注目画素が非記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が非記録画素の場合、前記注目画素の記録周期における電界の変化による記録媒体方向への強い電界が生じる割合を減少させるよう、前記電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を制御する電界制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
前記記録電極にインクを吐出するときとほぼ同じ電圧のパルス状の電圧を印加することにより、前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、
同一記録電極の注目画素が非記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が非記録画素の場合、前記注目画素の記録周期に記録媒体方向への強い電界を生じさせないよう、前記電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を制御する電界制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
前記記録電極にインクを吐出するときとほぼ同じ電圧のパルス状の電圧を印加することにより、前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、
同一記録電極の注目画素が非記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が非記録画素の場合、前記注目画素の記録周期における記録媒体方向への強い電界が生じる周期を長くするよう、前記電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を制御する電界制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
前記記録電極にインクを吐出するときとほぼ同じ電圧のパルス状の電圧を印加することにより、前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、
同一記録電極の注目画素が非記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が非記録画素の場合、前記注目画素の記録周期における記録媒体方向への強い電界が生じる時間を短くするよう、前記電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を制御する電界制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
前記記録電極にインクを吐出するときとほぼ同じ電圧のパルス状の電圧を印加することにより、前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、
同一記録電極の注目画素が非記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が非記録画素で、前記注目画素の所定個数後に記録画素がある場合、前記注目画素の記録周期における電界の変化による記録媒体方向への強い電界が生じる割合を増加させるよう、前記電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を制御する電界制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
前記記録電極にインクを吐出するときとほぼ同じ電圧のパルス状の電圧を印加することにより、前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、
同一記録電極の注目画素が非記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が非記録画素で、前記注目画素の所定個数後に記録画素がある場合、前記注目画素の記録周期における記録媒体方向への強い電界が生じる周期を短くするよう、前記電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を制御する電界制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 絶縁性液体中に帯電した色剤粒子を分散してなるインクを記録媒体と相対向して設けられた記録電極に対して供給する供給手段と、
記録する画像信号に応じて前記記録電極にパルス状の電圧を印加することにより前記記録電極と前記記録媒体との間に電界を形成し、前記供給手段で前記記録電極に供給されたインクの中の色剤粒子を前記記録媒体に向けて吐出させる電界形成手段と、
前記記録電極にインクを吐出するときとほぼ同じ電圧のパルス状の電圧を印加することにより、前記記録電極と前記記録媒体との間に前記インクが吐出しない程度の電界の変化を与える電界付与手段と、
同一記録電極の注目画素が非記録画素で、前記注目画素の前のm個の画素群のうちn個が非記録画素で、前記注目画素の所定個数後に記録画素がある場合、前記注目画素の記録周期における記録媒体方向への強い電界が生じる時間を長くするよう、前記電界付与手段で与えられた前記記録電極と前記記録媒体との間の電界の変化を制御する電界制御手段と、
を具備したことを特徴とするインクジェット記録装置。
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