JPH10100411A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

Info

Publication number
JPH10100411A
JPH10100411A JP25922096A JP25922096A JPH10100411A JP H10100411 A JPH10100411 A JP H10100411A JP 25922096 A JP25922096 A JP 25922096A JP 25922096 A JP25922096 A JP 25922096A JP H10100411 A JPH10100411 A JP H10100411A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
substrate
individual
ink jet
recording apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP25922096A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3367840B2 (ja
Inventor
Koichi Ishii
井 浩 一 石
Shuzo Hirahara
原 修 三 平
Kazushi Nagato
戸 一 志 永
Teruo Murakami
上 照 夫 村
Yasuo Hosaka
坂 靖 夫 保
Hideyuki Nakao
尾 英 之 中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP25922096A priority Critical patent/JP3367840B2/ja
Publication of JPH10100411A publication Critical patent/JPH10100411A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3367840B2 publication Critical patent/JP3367840B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクをヘッド先端に確実に供給でき、安定
した記録動作を確保できる。 【解決手段】 絶縁基板10上のインクに対して静電力
を作用させるための複数個の個別ノズル20を配列して
なるヘッド基板100と、このへッド基板上にインク5
0を供給するインク供給手段40と、を備え、個別ノズ
ル20はV状の溝を有し、かつ先端が先細り形状を呈し
ており、その一部あるいは全部が導電層よりなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に係り、特に色剤を分散させた液状インクを用い
て、この液状インク中の少なくとも色剤成分をインク滴
として記録媒体上に飛翔させて文字・図形等の画像の記
録を行なうインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液状インクをインク滴と呼ばれる微小な
液滴として記録媒体上に飛翔させて記録ドットを形成す
ることによリ画像を記録する記録装置は、インクジェッ
トプリンタとして実用化されている。このインクジェッ
トプリンタは、ワイヤドットプリンタのような機械式記
録装置等と比べて騒音が少なく、また、カールソン法等
の電子写真式記録装置等に比べて現像や定着等の処理が
不要であるという利点を有し、普通紙記録技術として注
目されている。
【0003】このインクジェットプリンタは、現在まで
に種々のものが提案されているが、その代表的な方式と
しては、(a) 発熱体の熱によリ発生する蒸気の圧力によ
りインク滴を吐出・飛翔させる電気・熱変換方式(例え
ば、特公昭56−9429号公報、特公昭61-59911号公報等参
照)や、(b) 圧電素子により発生された機械的な圧力パ
ルスによりインク滴を飛翔させる圧電方式(特公昭53-1
2138号公報参照)等がある。
【0004】インクジェットプリンタに使用される記録
ヘッド(以下、インクジェットヘッドという。)は、キ
ャリッジに搭載されて記録紙の搬送方向(以下、副走査
方向という。)に対して直交する方向(以下、主走査方
向という。)に移動しながら記録を行なうシリアル走査
型ヘッドが実用化されている。このシリアル走査型へッ
ドは、主走査方向に必ず所定量だけ移動しなければ記録
を行なえないので、記録速度を高速にすることは困難で
ある。そこで、記録へッドの長さを記録紙の幅と略同一
に設定した長尺ヘッドを用いて記録速度を飛躍的に高速
化したライン走査型プリンタも考えられているが、この
ようなライン走査型ヘッドを実用化することは以下の理
由により容易なことではない。
【0005】インクジェット記録方式は、解像度に対応
する個別の細かいノズルが多数設けられているが、本質
的に溶媒の蒸発や揮発により局部的なインクの濃縮が生
じやすく、これが前記ノズルの目詰まりの原因となって
いる。さらに、インクジェットの形成に蒸気の圧力を用
いる方式においては、インクと熱的あるいは化学的に反
応して形成された不溶物質の付着がノズルの目詰まりを
誘起し、また、圧電素子による圧力を用いる方式におい
ては、インク流路等の複雑な構造がノズルの目詰まりを
更に誘起し易くしている。数十個から百数十個程度のノ
ズルを用いているシリアル走査型へッドよりもさらに多
い数千個にも上る多数のノズルを用いるライン走査型へ
ッドにおいては、確率的にかなり高い発生頻度でノズル
に目詰まりが生じるため、実用上の信頼性の面で問題を
有していた。
【0006】さらに、蒸気の圧力を用いる方法において
は、記録紙上で直径50μm程度の記録ドットに相当す
る直径20数μm以下の粒径のインク粒を生成するのが
難しいために、解像度の高いヘッドを製造することが困
難である。また、圧電素子による圧力を用いる方式にお
いては、記録ヘッドの構造が複雑であるために、加工技
術上の問題からやはり解像度の高いヘッドを製造するこ
とが困難である。このため、従来のインクジェット記録
装置においては、何れの方式のものであっても解像度の
向上を図ることが困難であるという問題を有していた。
【0007】これらの問題を解決するために、基板上に
薄膜により形成された複数の個別電極を配列して形成さ
れた電極アレイに電圧を印加し、静電力を用いてインク
液面からインクあるいはその中の色剤成分をインク滴と
して飛翔させるインクジェット記録方式が提案されてい
る。
【0008】具体的には、静電的引力を用いてインク滴
を飛翔させる方式(特開昭49-62024号公報、特開昭56−
4467号方法等参照)や、帯電した色剤成分を含むインク
を用いて色剤の濃度を高めてインク滴を飛翔させる方式
(特表平7‐502218号公報参照)等が提案されている。
これらの方式においては、記録へッドの構成が個別のド
ット毎のノズルを必要としないスリット状ノズル構造
か、あるいは個別のドット毎のインク流路の隔壁を必要
としないノズルレス構造であるために、ライン走査型記
録ヘッドを実現する上で大きな障害であった目詰まりの
防止と復旧に対して有効である。また、後者の色剤濃度
を高める方式においては、非常に小さい粒径のインク滴
を安定的に生成して飛翔させることができるので、解像
度の向上にも資するものとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た静電力により色剤成分をインク滴として飛翔させる方
式のインクジェット記録装置においては、記録へッドが
ノズルレスであることから、目詰まり防止に有効である
反面、記録へッドの基板上でインクが主走査方向に対し
て自由に移動できるためにインク滴の吐出位置が不安定
となるという問題があった。
【0010】また、色剤の帯電極性と同極性の電圧によ
りインク滴を吐出させて記録媒体に飛翔させることか
ら、記録へッド上の電極位置から色剤成分が反発して逃
げてしまい、色剤成分をインク滴の吐出位置に安定的に
供給できないという問題も有していた。したがって、充
分な量のインク滴を所定点の吐出位置から安定して飛翔
させることが難しく、良好な画点形成ができないという
問題があった。
【0011】本発明は、インク中に含まれる色剤成分を
インク滴の吐出位置である個別電極の最先端まで目詰ま
りさせることなく安定して供給でき、これにより、イン
ク滴の安定した吐出・飛翔を実現できるインクジェット
記録装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係るインクジェット記録装置は、溶媒中に
色剤成分を分散させた液体インクに静電力を作用させる
ことにより、少なくとも前記色剤成分を含むインク滴を
記録媒体に向けて飛翔させて記録媒体上に記録を行なう
インクジェット記録装置において、絶縁基板上に前記イ
ンク中の色剤成分に静電力を作用させるための複数個の
個別ノズルを配列させてなるへッド基板と、このヘッド
基板上に前記インクを供給するインク供給手段と、を備
え、前記個別ノズルはV状の溝を有し、かつ、先端が先
細り形状を呈しておリ、その一部あるいは全部が導電層
より構成されることを特徴とする。
【0013】このように、本発明に係るインクジェット
記録装置においては、インク供給手段によりヘッド基板
上に供給されたインクに対して個別ノズルのV状溝内で
毛管現象に基づく表面張力が強く作用するため、インク
到達可能距離が長くインク滴飛翔位置に確実にインクを
供給することができる。また、供給されたインクは、V
状溝内の底部におけるインクに働く強い表面張力により
保持されているため、たとえインク流の脈動や記録装置
に振動等が生じたような場合でも個別ノズル先端のイン
クの形状に及ぼす影響を抑制することができる。
【0014】また、インクの供給流路であるV状溝は、
個別ノズル毎に形成されているためにインクが横方向へ
移動することがなく、隣接する個別ノズル間で相互に影
響を及ぼすことがない。本発明によるインクジェット記
録装置においては、大きな開口の電極から微小なインク
滴を飛翔することができるので、従来の個別ノズルを用
いたインクジェット記録装置のようにノズルを小径化す
る必要がないこと、各個別ノズルは一面側にV状溝が形
成されて開放状態にあること、等によりノズル内でのイ
ンクの目詰まりが生じることがない。更に、個別ノズル
の最先端は先細り形状を呈しているためにインク滴の飛
翔位置が安定する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明に係る
インクジェット記録装置の好適な実施の形態を詳細に説
明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るライ
ン走査型ヘッドを用いたインクジェット記録装置の構成
を示し、図2はその要部を示したものである。
【0016】図1において、記録ヘッドは絶縁基板10
上にアレイ状に配列された個別ノズル20を具備するヘ
ッド基板100と、その上に設置されたインク回収用基
板30と、より構成されている。絶縁基板10にはピー
ク(PEEK―Poly EtherEther Ketone―)などの加工
性に優れた樹脂や、あるいは表面が絶縁コートされたセ
ラミックスが用いられている。絶縁基板10の上面に
は、個別ノズル20を保持するための溝11が形成され
ており、また、絶縁基板端面及び裏面には、残留インク
回収用の溝12が形成されている。残留インク回収用の
溝12は、一例として矩形形状に形成されているが、本
発明はこのような形状に限定されず、例えばV字形状な
ど、窪みを形成するものであれば如何なる形状であるか
を問わない。
【0017】残留インク回収機構は、図3に示されるよ
うに、絶縁基板10の端面から裏面に平行に複数本形成
された溝12と、基板10の裏面に取り付けられた残留
インク保存タンク41とを備えている。
【0018】個別ノズル20は金属材料からなり、図2
に示すように、長手方向にV状の溝を有しかつ先端が先
細り形状となっている。具体的には図4に示すように、
最先端が一側面を欠いた四角錐形状となっており、V溝
は個別ノズル20の略中央位置まで形成されている。絶
縁材料を同様の形状に加工し、V状溝の内壁にメッキあ
るいは蒸着等によリ導電層を形成することによっても個
別ノズル20を形成することができる。また、図1乃至
図3に図示のものにおいては、個別ノズル20の先端は
キリのような先鋭な形状に形成されているが、個別ノズ
ルの先端に微小な丸みを付けて形成しても良い。
【0019】インク回収用基板30は、絶縁基板10と
同様の材料により構成され、その傾斜部には個別ノズル
20に対応する溝が形成されている。この溝は、インク
回収流路31となっている。また、へッド基板100と
インク回収用基板30を接合したときには、ヘッド基板
100のV状溝の深さ分だけの空間ができ、インク供給
流路20を形成している。インク回収用の溝は断面矩形
形状となっているが、窪みを有するものであればその形
状を問わない。このことは、残留インク回収用の溝12
と同様である。
【0020】記録ヘッドには、ポンプ及びインク流路を
含むインク還流機構40が接続されておリ、インク50
の流れを適正化している。インク50は、プラス帯電性
の色剤成分を帯電制御剤やバインダ等と共に、108 Ω
cm以上の抵抗率を有する絶縁性の溶媒中にコロイド状
に分散・浮遊させたものである。記録ヘッドの前方に
は、表面に記録媒体60を保持する対向ドラム61が設
置されており、プラテンとしての役割を兼ねている。
【0021】次に、本実施の形態に係るインクジェット
記録装置の動作について説明する。インク還流機構40
より供給されたインク50はインク供給路21を通過し
てへッド先端へと到達する。インク供給路21はV状溝
により形成されているためにインク50に対して溝底部
において毛管現象に基づく表面張力が作用して、インク
50は確実にインク飛翔位置である個別ノズルの最先端
22へと供給される。供給されたインク量がV状溝を埋
める程度に達すると、余分なインク50はインク回収用
基板30に形成された溝を通って、回収流路31へと流
れる。ヘッド基板100においては、絶縁基板10と同
様にインク回収用基板30の溝もインクに対して毛管現
象に基づく強い表面張力を及ぼすために、インクを確実
に回収することが可能となる。このように、余分なイン
クを常に循環させることにより、個別ノズル20先端の
インク量を常時適正化することができる。
【0022】インクジェット記録装置が記録動作に入る
と、個別ノズル20にはバイアス電圧源70から常時バ
イアスとして例えばDC1.5kVの電圧が与えられ、
これに信号電圧源71からの画像信号に応じた信号電圧
として、例えばオン時に500Vのパルス電圧が重畳さ
れる。一方、記録媒体60の背面に設けられた対向電極
61は、図1のように接地電位0Vに設定されている。
今、個別ノズル20のうちの任意の個別ノズル20がオ
ン状態(500Vが印加された状態)となり、バイアス
DC1.5kVに500Vのパルス電圧が重畳された合
計2kVの電圧が加わると、オン状態となった個別ノズ
ル20上の先端のインク滴飛翔位置22から、色剤成分
を含有したインク滴51が飛び出し、対向電極61に引
っ張られて、記録媒体60に向けて飛翔して画点を形成
する。また、インク滴飛翔位置22からインク滴として
飛翔されず記録に寄与しなかったインク、すなわち色剤
成分の濃度が薄まり溶媒成分が多くなったインクは、ヘ
ッド基板100の端面及び裏面に形成された残留インク
回収流路12を経て、残留インク保存タンク41に集め
られて保存される。
【0023】このように本実施の形態においては、個別
ノズル20はV状溝を有しており少なくとも溝の内部は
濡れ性の高い金属で構成されているために、溝内部にお
ける毛管現象に基づく強い作用力が働き、インク50の
供給は確実なものとなる。しかも、インク50は個別ノ
ズル20の中央部に当たるV状溝の底を直線状に辿って
いくために、インクの飛翔位置である個別ノズルの最先
端22に確実に到達する。これにより、インク滴の吐出
も確実に行なうことができる。
【0024】また、V状溝の底では表面張力が働いてい
るために、インク50が横方向に流れ出し難く、隣接部
への影響が殆どない。また、インク供給の脈動や装置の
振動等が生じた場合でもヘッド先端部でのインク50の
状態に与える影響が少ない、といった利点がある。さら
に、個別ノズル20先端が先細り形状を呈していること
により、インク滴51の吐出位置が安定し、形成される
電界強度が高くなるので、記録媒体60とのギャップを
広げることができる。個別ノズル20は厚みを持たせて
形成することができるため、記録媒体60の接触等によ
り損傷することがなくなり、へッド寿命を長く保つこと
もできる。
【0025】図5は、個別ノズル20先端形状の変形例
を示したものである。図5(a)は記録媒体側から見た
個別ノズル23の先端が、一側面を欠いた三角錐に相当
する形状となっている。図4の形状と比較して同じ空間
内において個別ノズル20が占める領域が狭くなってい
るので、先端の電界強度を向上させることができる。そ
の結果、より低い駆動電圧での動作が可能となる。この
とき、ヘッド基板10上に形成される、個別ノズル20
を保持するための溝11は、V字形状となる。図5
(b)は、記録媒体側から見た個別ノズル26が薄層の
V字形状を呈しており(図中左)、ヘッド側面から見た
形状は先端が先細り形状となっている(図中右)。この
ような構造によれば、個別ノズル26がさらに薄層化す
るため、より高い電界をインク50に対して作用させる
ことができる。したがって、低電圧による駆動を可能に
することができる。
【0026】図6は、ヘッド基板100の変形例を示し
たものである。隣接する個別ノズル20間には山型の仕
切り13が設けてある。この記録へッドは流路が個別化
されているので、インク50が横方向に流れ出る可能性
が少ないことは上述した通りであるが、供給系の不具合
などによリインク量に異常を来たしたときには対処でき
ないことも考えられる。そこで、図6のような仕切り1
3を設けることによりこのような場合にも、インク50
の横方向への流出を防止することができる。
【0027】次に、本発明の第2の実施の形態に係るイ
ンクジェット記録装置について説明する。図7に第2の
実施の形態による記録装置の主要部を示す。図7におい
てはヘッド基板100を構成する絶縁基板10とインク
回収用基板30との端面位置が略一致しておリ、そこか
ら突出した個別ノズル20間はノズル延長方向に長い間
隙を介して確実に分離された状態にある。これ以外の部
分の構成については第1の実施の形態に係る記録装置と
同様である。このように個別ノズル20が完全に分離さ
れた状態にあると、たとえインクの供給が過剰となって
V状溝内からインク50が溢れたとしても、インク50
は個別ノズル20の裏側に回り込んで残留インク回収流
路12へと流れていくだけである。したがって、インク
50が隣接する個別ノズル20へ流出する不具合を完全
に防止することが可能となる。また、隣接する個別ノズ
ル20間に樹脂等が充填されている構成と比較すると、
誘電率が低下するために個別ノズル20が形成する電界
コントラストが向上して、その結果、電界強度を上昇さ
せることが可能となる。このため、より低い駆動電圧で
の動作が期待できる。
【0028】次に、本発明の第3の実施の形態を説明す
る。図8に第3の実施の形態に係るインクジェット記録
装置における個別ノズル20の先端部を示す。図8はヘ
ッド基板100の平面図であり、個別ノズル20の最先
端にスリット24が形成されている。このスリット24
は径の小さいワイヤを用いたワイヤカット放電加工機等
によリ形成することができる。これ以外の部分について
は第1の実施の形態と同様である。個別ノズル20内に
形成されたV状溝の曲率Rが大きい場合には、個別ノズ
ル20の最先端は平板に近い状態になっておリ、インク
供給能力が低下する。また、図9(a)に示すように、
個別ノズル20の最先端に傾斜部が斜めにカットされる
ことにより肉厚が大き目に残されている場合や、図9
(b)に示すように、先端の頂点22とV状溝の底25
とが不一致の場合などは、個別ノズル20の最先端への
インク供給が困難となる。インク50が個別ノズル20
の先端22に到達しないと、インク吐出の確度が低下し
てヘッドの信頼性を大きく損なう不具合がある。そこ
で、個別ノズル20の先端22にスリット24を形成し
ておくと、インク50をスリット24の一部にさえ供給
できれば、スリット24内における毛管現象により、イ
ンク50は個別ノズル20の最先喘へと到達できる。
【0029】これにより、製造上の不具合により個別ノ
ズル20の先端が所望の形状に形成されない場合であっ
ても、インク50を確実に個別ノズル20の先端に供給
することが可能となり、安定した動作を確保することが
できる。さらに、製造上の高い精度を要求されることが
ないので、へッド製造の歩留まりを向上させることにも
なる。また、本実施の形態で説明したような先端にスリ
ットを形成するのではなく、最先端にのみ微小な溝を設
けるように構成することによっても、インク供給能力の
向上を図ることができる。
【0030】
【発明の効果】上記のように、本発明によれば以下に示
す効果を奏する。インク滴の吐出を行なう個別ノズルは
V状の溝を有しているために、溝の内部に供給されたイ
ンクを確実に個別ノズル最先端へと供給することがで
き、インク滴の吐出動作を確実に行なうことが可能とな
る。
【0031】V状溝内部ではインクに対して毛管現象に
基づく強い表面張力が作用しているためにインク供給の
変動や装置の振動といった外乱が生じた場合であって
も、個別電極の先端でのインクに及ぼす影響を低く抑え
ることができ、信頼性の高い動作が期待できる。
【0032】また、流路が分離しているためにインクが
隣接する個別ノズルに流出することがないのは勿論のこ
と、ノズルを形成しているにも拘わらずノズル上面が開
放状態であるために、インクの付着やこびり着きが生じ
難いという効果もある。
【0033】さらに、個別ノズル先端にスリットを形成
することにより、製造上の不具合が発生した場合にも安
定した動作を確保することが可能となり、製品の歩留ま
りを向上させることができる。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェット記録装置の全体を
示す図。
【図2】第1の実施の形態によるインクジェット記録装
置の主要部を示す図。
【図3】図1のインクジェット記録装置のヘッド基板先
端側の裏面を示す斜視図。
【図4】第1の実施の形態による記録ヘッドのノズル先
端形状を示す説明図。
【図5】第1の実施の形態による記録ヘッドの変形例を
示す図。
【図6】第1の実施の形態による記録ヘッドの異なる変
形例を示す図。
【図7】第2の実施の形態によるインクジェット記録装
置の主要部を示す図。
【図8】第3の実施の形態による記録ヘッドの先端を示
す図。
【図9】本発明によるインクジェット記録ヘッドの製造
不良の例を示す図。
【符号の説明】
10 絶縁基板 12 残留インク回収流路 13 仕切り 20、23、26 個別ノズル 21 インク供給流路 22 個別ノズル最先端(インク滴吐出位置) 24 スリット 30 インク回収用基板 31 インク回収流路 40 インク還流機構 41 残留インク保存タンク 50 インク 100 へッド基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村 上 照 夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 保 坂 靖 夫 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中 尾 英 之 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶媒中に色剤を分散させたインク中の色剤
    成分に静電力を作用させて少なくとも色剤成分を含むイ
    ンク滴を記録媒体に向けて飛翔させることにより記録を
    行なうインクジェット記録装置において、 絶縁基板上に前記インク中の色剤成分に静電力を作用さ
    せるための複数個の個別ノズルを配列してなるへッド基
    板と、 このヘッド基板上に前記インクを供給するインク供給手
    段と、を備え、 前記個別ノズルはV状の溝を有し、かつ、先端が先細り
    形状を呈し、その一部あるいは全部が導電層からなるこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】前記個別ノズル上面の一部が開放状態にな
    っていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェ
    ット記録装置。
  3. 【請求項3】前記ヘッド基板の個別ノズル配列側の面に
    は、端面側に傾斜面を有し、かつ、前記個別ノズルの各
    配列箇所に個別ノズルのV溝より連通する平行溝を有す
    ると共に、この平行溝を通してインクを回収するインク
    回収用基板が張り合わせられていることを特徴とする請
    求項1に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】前記ヘッド基板は、前記絶縁基板の端面が
    並列的に設けられた前記個別ノズルを支持するように前
    記インク回収用基板の端面よりも記録媒体側に突出して
    位置決めされていることを特徴とする請求項3に記載の
    インクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】前記ヘッド基板には、隣接する前記個別ノ
    ズルを仕切るような仕切りが設けられていることを特徴
    とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】前記ヘッド基板は、前記絶縁基板の端面が
    前記インク回収用基板の端面と同一面を形成するように
    位置決めされていることを特徴とする請求項3に記載の
    インクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】前記個別ノズルの各々の先端には、前記V
    溝の形成方向に沿って形成されたスリットが設けられて
    いることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット
    記録装置。
JP25922096A 1996-09-30 1996-09-30 インクジェット記録装置 Expired - Fee Related JP3367840B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25922096A JP3367840B2 (ja) 1996-09-30 1996-09-30 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP25922096A JP3367840B2 (ja) 1996-09-30 1996-09-30 インクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10100411A true JPH10100411A (ja) 1998-04-21
JP3367840B2 JP3367840B2 (ja) 2003-01-20

Family

ID=17331079

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP25922096A Expired - Fee Related JP3367840B2 (ja) 1996-09-30 1996-09-30 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3367840B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002373781A (ja) * 2001-03-29 2002-12-26 Hitachi Ltd 有機el表示体、及びカラーフィルターの製造装置
WO2005095001A1 (en) * 2004-04-02 2005-10-13 Wladimir Janssen Efficient and flexible multi spray electrostatic deposition system
JP2017047691A (ja) * 2016-12-13 2017-03-09 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002373781A (ja) * 2001-03-29 2002-12-26 Hitachi Ltd 有機el表示体、及びカラーフィルターの製造装置
WO2005095001A1 (en) * 2004-04-02 2005-10-13 Wladimir Janssen Efficient and flexible multi spray electrostatic deposition system
US7845307B2 (en) 2004-04-02 2010-12-07 Wladimir Janssen Efficient and flexible multi spray electrostatic deposition system
JP2017047691A (ja) * 2016-12-13 2017-03-09 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3367840B2 (ja) 2003-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6158844A (en) Ink-jet recording system using electrostatic force to expel ink
JP3288278B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3315334B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3367840B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH08149253A (ja) インクジェット記録装置
JP3264637B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3313603B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3288279B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3657662B2 (ja) インクジェットヘッドの製造方法およびインクジェット記録装置
JP3600687B2 (ja) 画像形成装置
JP3433020B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3340378B2 (ja) インクジェット記録装置
EP0780229A1 (en) Electrostatic ink jet recording head
JPH11263018A (ja) インクジェット記録装置
JP3340379B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3916184B2 (ja) インクジェット記録装置
JP3745435B2 (ja) 画像形成装置および画像形成方法
JP3381625B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH10323983A (ja) 静電式インクジェットプリントヘッド
EP0761442B1 (en) Electrostatic ink-jet recording head having a plurality of partitions in the direction of ink ejection
JP3591998B2 (ja) 画像形成装置
JPH1120170A (ja) インクジェット記録装置
JPH11277747A (ja) インクジェット記録装置
JPH11254706A (ja) インクジェット記録装置
JP2000190507A (ja) 転写型インクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071108

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081108

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 7

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091108

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees