JPH11198163A - 難成形樹脂成形品の製造方法、および難成形樹脂成形品、ならびに難成形樹脂成形体製造装置 - Google Patents

難成形樹脂成形品の製造方法、および難成形樹脂成形品、ならびに難成形樹脂成形体製造装置

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JPH11198163A
JPH11198163A JP10088883A JP8888398A JPH11198163A JP H11198163 A JPH11198163 A JP H11198163A JP 10088883 A JP10088883 A JP 10088883A JP 8888398 A JP8888398 A JP 8888398A JP H11198163 A JPH11198163 A JP H11198163A
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mold
mold resin
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Koji Harada
浩次 原田
Hiroyuki Hirano
博之 平野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機溶媒などを用いずに、そしてコストを抑
え、軽量化図るために内部に空間が形成されているかあ
るいは熱可塑性樹脂を充填された難成形樹脂成形品の製
造方法、およびそのような難成形樹脂成形品、ならびに
難成形樹脂成形体製造装置を提供すること。 【解決手段】 メルトインデックスが0.1g/10分
以下の難成形樹脂に、常温・常圧で気体状態の非反応性
ガスを溶解させて溶融混練した難成形樹脂溶融組成物を
射出機の計量部に充填し、次に該射出機から金型キャビ
ティ内に該難成形樹脂溶融組成物を圧入し、さらに該金
型キャビティ内に圧入された該難成形樹脂溶融組成物に
空間形成ガスを注入することにより、表面が該難成形樹
脂からなり内部に空間が形成されている難成形樹脂成形
品の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難成形樹脂成形品
の製造方法、およびそのような難成形樹脂成形品、なら
びに難成形樹脂成形体製造装置に関し、より詳細には、
表面が0.1g/10分以下のメルトインデックスを有
する難成形樹脂からなり、内部に空間が形成されている
かあるいは熱可塑性樹脂を充填された難成形樹脂成形品
の製造方法、およびそのような難成形樹脂成形品、なら
びに難成形樹脂成形体製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超高分子量ポリエチレン、フッ素置換ポ
リエチレン、超高重合度ポリ塩化ビニル、高塩化度ポリ
塩化ビニル、ポリイミドなどは、耐衝撃性、耐摩耗性、
耐熱性、自己潤滑性、耐薬品性などに示されるような特
殊な樹脂性能を有している。しかし、これらの樹脂は、
溶融粘度が極めて高く流動性が極めて低い、分解しやす
いなどの理由により、成形が非常に難しい樹脂である。
そのため、これらの樹脂は一般に難成形樹脂と呼ばれて
いる。
【0003】このような溶融粘度が高い難成形樹脂から
成形体を製造する従来の方法として、以下のような方法
が挙げられる: (1) 粉末状の樹脂を圧縮成形、焼結成形、またはラ
ム押出成形により、板状あるいはロッド状の成形体を作
成し、この成形体を切削などの切り出し加工により所望
の製品に賦形する方法、(2) 特公昭57−3006
7号公報に記載されているように、わずかに開いた状態
の金型キャビティ内に所定の剪断速度で溶融状態の樹脂
をフラッシュ射出し、次いで金型キャビティ内に射出さ
れた固体形態の樹脂を所定の容積まで金型キャビティの
容積を減少させて圧縮する方法、および(3) 特公平
4−47608号公報に記載されているように、難成形
樹脂の粉末に、p−キシレン、テトラクロロエタンなど
の有機溶媒を加えて得られる所定の濃度の難成形樹脂分
散物または混合物を加熱溶融した後にフィルム状または
シート状に押出し、次いでこのフィルム状またはシート
状の難成形樹脂成形体を加熱して有機溶媒を揮散させる
方法。
【0004】しかし、上記(1)または(2)の方法で
は、フラッシュ射出などのため、金型キャビティ内部に
充填された難成形樹脂は固体状態であるので、このよう
な樹脂を圧縮する必要がある。このため、中実かつ単層
の成形体しか得られない。従って、所定の形状の成形体
を得るためには、高価な難成形樹脂を大量に使う必要が
あり、そのためコストが高くなり、そして軽量化を図れ
ないという欠点を有する。さらに、上記(2)の方法で
は、金型の注入口(図示せず)から射出された樹脂は、
射出によるフラッシュのため固体状態になり、このよう
な状態で金型キャビティ内に充填されるため、固体状態
における樹脂の形状などによっては、金型キャビティ内
に一様に充填されなかったり、あるいは一様に充填され
た場合であっても、固体状態の樹脂を圧縮させる必要が
あったため、図10に示すように、平板状の成形体以外
の成形体を製造することは困難であり、そのため、圧縮
時の型締方向に対して平行な側壁を有するなどの複雑な
形状に賦形することが極めて困難である。
【0005】また、上記(3)の方法では、p−キシレ
ン、テトラクロロエタンなどの有機溶媒を用いて難成形
樹脂を溶解または膨潤させることにより、難成形樹脂の
加工性を向上させて溶融成形が可能となる。これによ
り、内部に空間が形成された難成形樹脂成形品、または
内部に他の材料を充填した多層構造の難成形樹脂成形品
を製造できる可能性があるが、上記の有機溶媒により、
製造された難成形樹脂成形品中にこの有機溶媒が残存し
得る。これにより、難成形樹脂成形品が有する優れた性
質(例えば、上記で説明したような、耐摩耗性、自己潤
滑性など)が損なわれるおそれがあるという問題点があ
る。
【0006】また、これらの優れた性質の低下を抑制す
るためには、難成形樹脂成形品から有機溶媒を除去する
必要があり、そのためには設備および手間を必要とする
という問題点がある。また、環境面を考慮した場合に
は、除去した有機溶媒を回収することが好ましいが、こ
の場合にも、除去の場合と同様に、設備を必要とし、手
間が掛かるという問題点がある。
【0007】また、近年では二酸化炭素などの非反応性
ガスを難成形樹脂に溶解して、難成形樹脂を溶融状態に
する方法が行われているが、このような方法に用いられ
る装置として、例えば、特開平8−85128号公報に
記載されている熱可塑性樹脂発泡成形体の製造装置が挙
げられる。この装置においては、射出機の上部に設けら
れたホッパとその射出機との間に耐圧チャンバを設け、
さらに耐圧チャンバとホッパおよび射出機との間にそれ
ぞれ耐圧バルブを設けている。まず、耐圧チャンバとホ
ッパとの間に設けられた耐圧バルブを開け、ホッパから
耐圧チャンバ内に樹脂を供給する。次いで樹脂は、耐圧
チャンバ内で撹拌されながら二酸化炭素を溶解される。
最後に、耐圧チャンバと射出機との間に設けられた耐圧
バルブを開けて、非反応性ガスを溶解された樹脂を射出
機に供給する。
【0008】しかし、この装置においては、耐圧チャン
バ内で二酸化炭素を樹脂に溶解するためには時間がかか
るだけでなく、非反応性ガスを溶解された樹脂が射出機
に供給される際には、樹脂は耐圧チャンバから自重によ
り落下して射出機に供給されるため、樹脂が射出機に供
給されるためにも時間がかかり、生産性が低いという欠
点を有する。
【0009】さらに、非反応性ガスを溶解された樹脂が
射出機に供給される間には、耐圧チャンバへの二酸化炭
素の供給を一旦停止する必要がある場合がある。このた
め、二酸化炭素を耐圧チャンバへ間欠的に供給する必要
があり、そのためには二酸化炭素を間欠的に供給する装
置が必要となるが、このような装置は非常に高価である
だけでなく、二酸化炭素を間欠的に供給すると、樹脂に
対する二酸化炭素の溶解量が一定にならず、統一された
品質の難成形樹脂成形体が作製できなくなる場合があ
る。
【0010】一方、非反応性ガスを溶解された樹脂が射
出機に供給される間にも耐圧チャンバへ二酸化炭素を供
給することを続けると、二酸化炭素が射出機などに漏洩
するという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するためになされ、その目的とするところは、有機溶
媒などを用いずに、そしてコストを抑え、軽量化を図る
ために内部に空間が形成されているかあるいは熱可塑性
樹脂を充填された難成形樹脂成形品の製造方法、および
そのような難成形樹脂成形品、ならびに難成形樹脂成形
体製造装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】(請求項1のリクレー
ム)上記課題を解決するために、表面が0.1g/10
分以下のメルトインデックス(以下、「MI」という)
を有する難成形樹脂からなり、内部に空間が形成されて
いる難成形樹脂成形品を製造する本発明に係る方法は、
メルトインデックスが0.1g/10分以下の難成形樹
脂に、常温・常圧で気体状態の非反応性ガスを溶解させ
て溶融混練した難成形樹脂溶融組成物を射出機の計量部
に充填し、次に射出機から金型キャビティ内に難成形樹
脂溶融組成物を圧入し、さらに金型キャビティ内に圧入
された難成形樹脂溶融組成物に空間形成ガスを注入する
構成とした。
【0013】(請求項2のリクレーム)また、表面が
0.1g/10分以下のMIを有する難成形樹脂からな
り、内部に熱可塑性樹脂が充填されている難成形樹脂成
形品を製造する、上記課題を解決する他の手段としての
本発明に係る方法は、メルトインデックスが0.1g/
10分以下の難成形樹脂に、常温・常圧で気体状態の非
反応性ガスを溶解させて溶融混練した難成形樹脂溶融組
成物を射出機の計量部の前方に充填し、次に溶融状態の
熱可塑性樹脂を射出機から計量部の後方に充填し、さら
に射出機から金型キャビティ内に難成形樹脂溶融組成物
および熱可塑性樹脂を順に圧入する構成とした。
【0014】(請求項3のリクレーム)また、上記構成
において、難成形樹脂の充填と熱可塑性樹脂の充填との
順序を逆にしても良い。すなわち、表面が0.1g/1
0分以下のMIを有する難成形樹脂からなり、内部に熱
可塑性樹脂が充填されている難成形樹脂成形品を製造す
る、上記課題を解決するさらに他の手段としての本発明
に係る方法は、溶融状態の熱可塑性樹脂を射出機の計量
部に充填し、次にメルトインデックスが0.1g/10
分以下の難成形樹脂に、常温・常圧で気体状態の非反応
性ガスを溶解させて溶融混練した難成形樹脂溶融組成物
を射出機の計量部の前方に充填し、さらに射出機から金
型キャビティ内に難成形樹脂溶融組成物および熱可塑性
樹脂を順に圧入する構成としてもよい。
【0015】(各請求項に共通する事項) (難成形樹脂について)MIが0.1g/10分以下で
ある難成形樹脂としては、例えば、粘度平均分子量10
0万以上の超高分子量ポリエチレン、フッ素置換ポリエ
チレン、超高重合度ポリ塩化ビニル、高塩化度ポリ塩化
ビニル、およびポリイミドが挙げられる。なお、本明細
書において用いられる用語「フッ素置換ポリエチレン」
とは、以下の化学式で表される重合体を指し、このよう
な重合体としては例えば、ポリテトラフルオロエチレン
(Xは全てF)などが挙げられる:
【0016】
【化1】 (ここで、Xは水素又はフッ素である。)。
【0017】MIが0.1g/10分を超える樹脂は、
通常の成形用樹脂と比較して溶融粘度が高いとはいえ、
通常の成形技術を用いて成形できるので、本明細書にお
ける難成形樹脂とはいえない。なお、以下、特に明確に
指示しない限り、難成形樹脂とは、MIが0.1g/1
0分以下の樹脂を指す。
【0018】(難成形樹脂に非反応性ガスを溶解させて
溶融状態とする工程について)難成形樹脂に常温・常圧
で気体状態の非反応性ガスを溶解させて溶融混練するこ
とにより難成形樹脂を難成形樹脂溶融組成物とする方法
としては特に限定されないが、例えば、スクリュー式押
出機内部で、常温・常圧で気体状態の非反応性ガスを可
塑化剤として用いて難成形樹脂に溶解させて難成形樹脂
を易成形状態にし、次いでこのような状態の難成形樹脂
を溶融混練して難成形樹脂を溶融状態とする方法が挙げ
られる。
【0019】難成形樹脂に常温・常圧で気体状態の非反
応性ガスを溶解させる方法としては、(1) 熱などに
より溶融状態とされた難成形樹脂に非反応性ガスを溶解
させる方法、および(2) 非反応性ガスを固体状態の
難成形樹脂に溶解させ、樹脂を膨潤させる方法、が挙げ
られる。難成形樹脂に対する樹脂の溶解性などの観点か
ら、高圧下で非反応性ガスを溶解させることが好まし
い。また、上記のいずれの方法を用いてもよく、両者を
併用してもよい。
【0020】熱などにより溶融状態とされた難成形樹脂
に非反応性ガスを溶解させる方法(上記方法(1))と
しては、例えば、ベントタイプスクリューを用いて、熱
などにより溶融状態とされた難成形樹脂が充填されたシ
リンダーの途中からベント部分に非反応性ガスを混入す
る方法が挙げられる。
【0021】非反応性ガスを固体状態の難成形樹脂に溶
解させて樹脂を膨潤させる方法(上記方法(2))とし
ては、(2−A) 予め高圧容器中などでペレットまた
はパウダー状態の難成形樹脂に非反応性ガスを溶解させ
て膨潤させる方法、および(2−B) スクリュー式押
出機内のホッパから固体輸送部において非反応性ガスを
難成形樹脂中に溶解させて膨潤させる方法、が挙げられ
る。
【0022】上記(2−A)の方法の場合、非反応性ガ
スを溶解させた難成形樹脂を押出機に供給する際には、
樹脂に溶解した非反応性ガスが拡散によって樹脂の外へ
抜けてしまうことを抑制するために、できるだけ速やか
にこの供給を行うことが好ましい。
【0023】上記(2−B)の方法の場合には、非反応
性ガスがスクリュー式押出機外に揮散しないように、ス
クリュー駆動軸およびホッパを耐圧シール構造とするこ
とが好ましい。
【0024】本明細書において用いられる用語「非反応
性ガス」とは、常温・常圧で気体状態の有機または無機
物質であって、難成形樹脂と反応を起こさず、さらにこ
の樹脂を劣化させるなどの悪影響を樹脂に与えないガス
を指す。このようなガスは、上記の条件を満たせば特に
限定されず、例えば、無機ガス、有機ガス(例えば、フ
ロンガス、低分子量の炭化水素ガス)などが挙げられ
る。環境に与える悪影響が低く、そしてガスの回収を必
要としない点で、無機ガスが好ましく、難成形樹脂に対
する溶解度が高く、樹脂の溶融粘度の低下が大きい(す
なわち、得られる難成形樹脂溶融組成物の粘度が低い)
という観点から、二酸化炭素が好ましい。なお、このよ
うな非反応性ガスは、単独で用いられてもよく、あるい
は2種類以上の非反応性ガスを併用してもよい。
【0025】非反応性ガスとして二酸化炭素を用いる場
合には、難成形樹脂に対する二酸化炭素の溶解量は、1
重量%以上30重量%以下の範囲が好ましく、3重量%
以上20重量%以下の範囲がより好ましい。
【0026】難成形樹脂に対する二酸化炭素の溶解量が
1重量%未満である場合には、難成形樹脂の粘度が充分
に低下せず、流動性に欠け、難成形樹脂を難成形樹脂溶
融組成物とすることができない場合がある。一方、難成
形樹脂に対する二酸化炭素の溶解量を30重量%を超え
る量にしようとする場合には、大がかりな設備を用いて
溶解時の圧力を極端に高くする必要がある場合があり、
不適切である。
【0027】非反応性ガスとして二酸化炭素が用いられ
る場合には、難成形樹脂に対する二酸化炭素の溶解量を
上記の範囲内とするためには、二酸化炭素の圧力は約2
Kg/cm2以上約500Kg/cm2以下(すなわち、
約0.196MPa以上約49MPa以下)であること
が好ましく、約6Kg/cm2以上約350Kg/cm2
以下(すなわち、約0.588MPa以上約34.3M
Pa以下)であることがより好ましい。
【0028】ガスは、ガスボンベから直接供給してもよ
く、プランジャーポンプなどを用いて加圧供給しても良
い。なお、難成形樹脂の可塑化、およびその粘度の低下
は、樹脂の分子量、ガスの種類、樹脂に対するガスの溶
解量などに依存する。
【0029】(溶融状態の難成形樹脂を射出機の計量部
に充填する工程について)次いでこのように非反応性ガ
スを溶解され、そして溶融混練されることにより得られ
た難成形樹脂溶融組成物を、射出機の計量部に充填す
る。計量部に充填されるのであれば、計量部の後側(す
なわち、スクリュー側)、計量部の側面側、または計量
部の前側のいずれから難成形樹脂溶融組成物を充填して
も良いが、内部に熱可塑性樹脂が充填されている難成形
樹脂成形品を製造する場合には熱可塑性樹脂がスクリュ
ー側から供給され得るので、難成形樹脂溶融組成物と熱
可塑性樹脂とが混合しないようにすること、工程を簡略
化することなどを考慮すれば、計量部の側面側あるいは
前側から充填されることが好ましい。
【0030】難成形樹脂溶融組成物が計量部の先端側
(すなわち、前側)から充填される場合には、難成形樹
脂溶融組成物が押出機または射出機から漏れ出さないよ
う、また難燃性樹脂溶融組成物を空気に触れさせないよ
うに、射出機の計量部の先端にバルブを設けておくこと
が好ましい。後に説明するが、難成形樹脂溶融組成物を
射出機から金型キャビティに圧入する場合には、押出機
と射出機とを分離する場合があるので、好ましくは、押
出機の先端部および射出機の先端部にそれぞれバルブを
設けておくことが好ましい。
【0031】(クレーム4、プランジャー式押出機につ
いて)難成形樹脂溶融組成物を射出機の計量部に充填す
る際には、スクリュー式押出機と射出機との間に、プラ
ンジャー式押出機を設けることが好ましい。すなわち、
スクリュー式押出機から押し出される難成形樹脂溶融組
成物を、プランジャー式押出機内に一旦蓄積し、次いで
プランジャー式押出機内に備えられているプランジャー
により、難成形樹脂溶融組成物を射出機の計量部に充填
することが好ましい。後の他の発明の詳細および実施例
2に詳細に説明するが、このようなプランジャー式押出
機が設けられることにより、成形サイクルの短縮化およ
びガス溶解量の安定化を図ることができる。なお、本明
細書において用いられる用語「押出機」は、特に限定し
ない限り、スクリュー式押出機およびプランジャー式押
出機を包含する。
【0032】(クレーム1について)表面が難成形樹脂
からなり内部に空間が形成されている難成形樹脂成形品
を製造する方法においては、難成形樹脂溶融組成物を射
出機の計量部に充填した後、射出機から金型キャビティ
内に難成形樹脂溶融組成物を圧入し、次いで金型キャビ
ティ内に圧入された難成形樹脂溶融組成物に空間形成ガ
スを注入する。
【0033】金型キャビティ内に難成形樹脂溶融組成物
を圧入する際には、金型キャビティ内に圧入された難成
形樹脂溶融組成物が発泡することを防止するために、カ
ウンタープレッシャー法により、高圧ガスなどを用いて
予め金型キャビティ内の圧力を高圧にし、そのような高
圧の圧力が保たれた金型キャビティ内に難成形樹脂溶融
組成物を圧入することが好ましい。このような高圧の金
型キャビティ内の圧力としては、約0.196MPa以
上約49MPa以下であることが好ましく、約0.58
8MPa以上約34.3MPa以下であることがより好
ましい。予め金型キャビティ内の圧力を高圧にするため
に用いられる高圧ガスなどとしては、圧入される樹脂に
悪影響を与えない限り特に限定されないが、難成形樹脂
成形体製造装置の構造を簡略化するという観点から、後
述する空間形成ガスと同一のガスを用いることが好まし
い。
【0034】次いで、射出機から金型キャビティ内に圧
入された難成形樹脂溶融組成物に空間形成ガスを注入す
る。最終的に得られる難成形樹脂成形品内部の空間を充
分に大きくするという観点から、注入される空間形成ガ
スの圧力は、金属キャビティ内の圧力よりも高いことが
好ましい。注入される空間形成ガスの圧力が金属キャビ
ティ内の圧力よりも低い場合には、空間形成ガスにより
充分な大きさの空間が形成されず、結果として難成形樹
脂成形品内部に空間がほとんど形成されない場合があ
る。
【0035】本明細書において用いられる用語「空間形
成ガス」とは、常温・常圧で気体状態の有機または無機
物質であって、注入される難成形樹脂溶融組成物と反応
を起こさず、さらにこの難成形樹脂溶融組成物を劣化さ
せるなどの悪影響を樹脂に与えずに、射出機から金型キ
ャビティ内に圧入された難成形樹脂溶融組成物に注入さ
れ、金型キャビティ内の難成形樹脂溶融組成物を金型壁
面に押しやるガスを指す。
【0036】このようなガスは、上記の条件を満たせば
特に限定されず、例えば、無機ガス、有機ガス(例え
ば、フロンガス、低分子量の炭化水素ガス)などが挙げ
られる。環境に与える悪影響が低く、そしてガスの回収
を必要としない点で、無機ガスが好ましく、難成形樹脂
および難成形樹脂溶融組成物に対する溶解度が低く、低
コストであるという観点から、窒素がより好ましい。な
お、このような空間形成ガスは、単独で用いられてもよ
く、あるいは2種類以上の空間形成ガスを併用してもよ
い。このような方法により、表面が0.1g/10分以
下のメルトインデックスを有する難成形樹脂からなり、
内部に空間が形成されている難成形樹脂成形品が製造さ
れ得る。
【0037】(クレーム2および3について)表面が難
成形樹脂からなり内部に熱可塑性樹脂が充填されている
難成形樹脂成形品を製造する方法においては、難成形樹
脂溶融組成物を射出機の計量部の前部に充填した後、次
いで溶融状態の熱可塑性樹脂を射出機から計量部の後方
に充填し、そして射出機から金型内に難成形樹脂溶融組
成物および熱可塑性樹脂を順に圧入する。なお、難成形
樹脂溶融組成物の充填と熱可塑性樹脂の充填との順序を
逆にしても良い。すなわち、上記方法において、溶融状
態の熱可塑性樹脂を射出機の計量部に充填し、次いで難
成形樹脂溶融組成物を射出機の計量部の前部に充填し、
そして射出機から金型内に難成形樹脂溶融組成物および
熱可塑性樹脂の順に圧入してもよい。
【0038】前部に難成形樹脂溶融組成物が充填された
射出機の計量部の後部に溶融状態の熱可塑性樹脂を充填
する方法としては特に限定されず、射出機後部のホッパ
から熱可塑性樹脂を供給し、次いで射出機内部のスクリ
ューによりこの熱可塑性樹脂を溶融混練し、熱可塑性樹
脂を溶融状態にして計量部の後方に充填する周知の方法
が挙げられる。また、難成形樹脂溶融組成物の充填と熱
可塑性樹脂の充填との順序を逆にした場合においても、
上記と同様の方法で熱可塑性樹脂を計量部に充填するこ
とができる。
【0039】上記熱可塑性樹脂としては特に限定され
ず、このような熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフ
ィン系樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。難成
形樹脂が粘度平均分子量100万以上の超高分子量ポリ
エチレンまたはフッ素置換ポリエチレンの場合には、ポ
リエチレン(低密度、中密度、および高密度のいずれを
も含む)、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂が好
ましい。なぜなら、上記の難成形樹脂からなる表面に対
して良好な接着性を有するためである。
【0040】次いで、射出機から金型キャビティ内に難
成形樹脂溶融組成物および熱可塑性樹脂を順に圧入す
る。また、上記と同様に、金型キャビティ内に圧入され
た組成物および樹脂の発泡を防止するために予め金型キ
ャビティ内の圧力を高圧に保つことが好ましい。このよ
うにして、表面が0.1g/10分以下のMIを有する
難成形樹脂からなり、内部に熱可塑性樹脂が充填されて
いる難成形樹脂成形品が製造される。なお、金型キャビ
ティ内に難成形樹脂溶融組成物および熱可塑性樹脂を順
に圧入した後、上記と同様な方法で空間形成ガスを樹脂
に注入することにより、表面が0.1g/10分以下の
MIを有する難成形樹脂からなり、内部に熱可塑性樹脂
が充填され、さらに熱可塑性樹脂内部に空間が形成され
ている難成形樹脂成形品が製造され得るが、このような
難成形樹脂成形品も特許請求の範囲における請求項6あ
るいは7に記載された発明の趣旨に包含されると考える
べきである。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面と共に詳細に
説明する。
【0042】図1および図2は、本発明に係る方法を実
施するための装置を示す図である。この図に示されるよ
うに、この製造方法は、以下のようにして行われる。ま
ず、難成形樹脂を難成形樹脂成形体製造装置(1)の高
圧ホッパ(7)に投入し、この高圧ホッパ(7)に加圧
ポンプ(8)を介して接続されている開閉バルブ(9)
を開けて、ガスボンベ(10)から加圧ポンプ(8)に
より加圧された非反応性ガスを高圧ホッパ(7)に供給
して、高圧状態の非反応性ガスを難成形樹脂に溶解させ
る。
【0043】次に、高圧ホッパ(7)内の非反応性ガス
を溶解された難成形樹脂を、スクリュー式押出機(3)
のシリンダー内に供給して溶融混練することにより難成
形樹脂溶融組成物とし、次いで先端にバルブ(32)が
設けられ、他端がスクリュー式押出機(3)の先端に接
続された樹脂輸送管(31)を介して、先端にバルブ
(54)が設けられた射出機(5)の計量部(51)に
この難成形樹脂溶融組成物を射出機(5)の計量部(5
1)の先端から充填する。この充填時においては、射出
機(5)の計量部(51)に充填された難成形樹脂溶融
組成物が発泡することを防止するという観点から、計量
部(51)に圧力を保持しておくために、スクリュー
(52)に対して後部から図の左(金型)方向に圧力を
かけつつ、難成形樹脂溶融組成物が充填されると図の右
方向に押し戻されるようにしておく。このようにして、
所定の位置まで射出機(5)内部のスクリュー(52)
が後退するまで、射出機(5)の計量部(51)に難成
形樹脂溶融組成物を充填する。なお、この充填の際に
は、射出機(5)に対しても、図の左方向に力をかけ、
射出機(5)自体が後退しないようにする。
【0044】次いで、所定の位置まで射出機(5)内部
のスクリュー(52)が後退すると、スクリュー式押出
機(3)の運転を中止し、難成形樹脂溶融組成物を射出
機(5)の計量部(51)に供給することを停止する。
そして、バルブ(32)(54)を閉め、図2のよう
に、射出機(5)自体が後退することを防止するために
射出機(5)に対して図の左方向にかけていた力を解放
し、射出機(5)自体を後退させる。これによりスクリ
ュー式押出機(3)と射出機(5)との連結を解除し、
次いで、スクリュー式押出機(3)の下部に備えられた
モーター(図示せず)によりスクリュー式押出機(3)
を後退させる。
【0045】次に、射出機(5)のホッパ(53)から
一般の熱可塑性樹脂を可塑化混練し、射出機(5)内部
のスクリュー(52)をさらに所定の位置まで後退させ
ながら射出機(5)の計量部(51)に溶融状態の熱可
塑性樹脂を射出機の後方から充填する。このようにし
て、射出機(5)の計量部(51)の前部に難成形樹脂
溶融組成物を、射出機(5)の計量部(51)の後部に
溶融状態の熱可塑性樹脂を充填する。
【0046】続いて、ガスボンベ(11)から供給され
る高圧ガスを加圧ポンプ(12)を用いて加圧し、次い
でこの加圧された高圧ガスを、開閉バルブ(13)を介
して金型(6)内に供給し、金型キャビティ(61)内
の圧力を所定の圧力にする。金型キャビティ(61)内
の圧力が所定の圧力になった後、開閉バルブ(13)を
閉じ、高圧ガスの供給を停止する。
【0047】次いで、射出機(5)自体を図の左方向に
前進させ、射出機(5)と金型(6)とを連結し、バル
ブ(54)を開けた後に射出機(5)内部のスクリュー
(52)を前進させて計量部(51)に充填された難成
形樹脂溶融組成物および熱可塑性樹脂を順に金型キャビ
ティ(61)内に圧入する。なお、これらの組成物およ
び樹脂を金型キャビティ(61)内に圧入する際には、
金型(6)に設けられた圧力調整バルブ(65)を用い
て、金型キャビティ(61)内部の圧力を上記の所定の
圧力に保つ。
【0048】ここで、順に金型キャビティ(61)内に
圧入される難成形樹脂溶融組成物および熱可塑性樹脂の
状態を図9を用いて詳細に説明する。図9においては、
図の右側が射出機(5)方向、図の左側が金型末端(6
2)方向である。圧入される難成形樹脂溶融組成物およ
び熱可塑性樹脂は溶融状態であり、粘度が低下している
だけでなく、高圧の非反応性ガスを溶解されているた
め、金型キャビティ(61)内では噴流流れを示しなが
ら金型キャビティ(61)内に圧入される。この噴流流
れが生じている際に、難成形樹脂溶融組成物から少なく
とも一部の非反応性ガスが放出される。
【0049】図9(a)に示すように、まず、先に圧入
された難成形樹脂溶融組成物の一部が金型側壁(63)
に接する。すると、難成形樹脂溶融組成物が硬化しはじ
める温度より金型側壁(63)の温度の方が低いので、
この金型側壁(63)近傍の難成形樹脂溶融組成物は硬
化し、固化層(64)を形成する。次いで難成形樹脂溶
融組成物は次々に図の左方向に圧入されてゆき、それと
共にその一部が金型側壁(63)に接していくので固化
層(64)も金型側壁(63)の近傍で図の左方向に形
成されてゆく。図9(b)に示すように、ある程度難成
形樹脂溶融組成物が図の左方向に圧入され、それと共に
固化層(64)がある程度形成された後に、熱可塑性樹
脂が金型キャビティ(61)内に圧入される。後に圧入
される熱可塑性樹脂は、先に圧入され、まだ金型側壁
(63)に接していない難成形樹脂溶融組成物を図の左
方向に押すようにして次々に金型キャビティ(61)内
に圧入され、最終的に、図9(c)のように、金型側壁
(63)の近傍には難成形樹脂溶融組成物が固化層(6
4)として形成され、そしてその内部には熱可塑性樹脂
が充填される。
【0050】難成形樹脂溶融組成物および熱可塑性樹脂
を金型キャビティ(61)内に圧入し、難成形樹脂溶融
組成物の温度が所定の温度になるまで冷却した後、圧力
調整バルブ(65)を開放し、脱圧することによって、
図5に示されるように、表面(21)が上記のような難
成形樹脂であり、そして内部(22)に熱可塑性樹脂が
充填された多層形の難成形樹脂成形品(2)が作製され
る。なお、難成形樹脂溶融組成物が冷却される際にも、
その内部から非反応性ガスが放出される。
【0051】本発明にかかる製造方法は、上記の構成を
有するため、以下のような効果を有する。まず、非反応
性ガスを溶解され、溶融混練された難成形樹脂溶融組成
物を射出機(5)の計量部の先端から充填し、次いで溶
融状態の熱可塑性樹脂を射出機の後方から射出機(5)
の計量部(51)に充填することによって、難成形樹脂
溶融組成物と熱可塑性樹脂とが混合されずに射出機
(5)の計量部(51)に充填することが可能になる。
【0052】また、このようにして射出機(5)の計量
部(51)に難成形樹脂溶融組成物と熱可塑性樹脂とを
充填することにより、図9に示したように難成形樹脂溶
融組成物、熱可塑性樹脂の順に樹脂が圧入されるため、
図5に示すように、表面(21)が難成形樹脂からな
り、内部(22)に熱可塑性樹脂が充填されている難成
形樹脂成形品(2)を製造することができる。このよう
な難成形樹脂成形品(2)は、全体が難成形樹脂からな
り中実である従来の難成形樹脂成形品と比較して、大き
さは同じであるが、内部(22)に難成形樹脂より密度
の低い熱可塑性樹脂が充填されているため軽量であり、
多くの難成形樹脂を必要としないのでコストダウンが図
れる。また、表面(21)が難成形樹脂であるため、難
成形樹脂成形品(2)においても難成形樹脂が有する耐
衝撃性などの優れた性質を有する。また、強度に関して
も、内部(22)に熱可塑性樹脂が充填されているた
め、上記のような従来の難成形樹脂成形品とほぼ同様の
強度を有する難成形樹脂成形品(2)が提供される。む
ろん、成形品の剛性や外観のニーズに応じて、逆に表面
が一般の熱可塑性樹脂で内部が難成形樹脂の成形品も提
供することも可能である。
【0053】また、本発明に係る方法では、高圧の非反
応性ガスを溶解されるために金型キャビティ(61)内
では噴流流れ(いわゆる、「ファウンテンフロー」)を
示しながら溶融状態で金型キャビティ(61)内に圧入
される。これにより、難成形樹脂溶融組成物はキャビテ
ィ内に一様に充填され、従来の成形方法のように、難成
形樹脂を圧縮させる必要がない。従って、圧縮時の型締
方向に対して平行な側壁を有するなどの複雑な形状の難
成形樹脂成形品を作製することもできる。
【0054】また、難成形樹脂溶融組成物の充填時にお
いては、難成形樹脂溶融組成物が充填されるとともにス
クリュー(52)が図の右方向に押し戻されるようにし
ておくことにより、射出機(5)の計量部(51)に充
填される難成形樹脂溶融組成物の量を計量することがで
きる。次いで、射出機(5)内部のスクリュー(52)
をさらに所定の位置まで後退させながら射出機(5)の
計量部(51)に溶融状態の熱可塑性樹脂を充填するこ
とにより、充填される難成形樹脂溶融組成物の量および
溶融状態の熱可塑性樹脂の量をそれぞれ調整することが
できる。従って、これらの樹脂の量を上記のように調節
することができるので、製造される難成形樹脂成形品
(2)の難成形樹脂および熱可塑性樹脂の厚みをそれぞ
れ調整することができる。
【0055】(他の発明の実施の形態)図3および図4
は、本発明に係る他の方法を実施するための装置を示す
図である。この図に示されるように、この製造方法は、
以下のようにして行われる。まず、難成形樹脂を、図3
に示す難成形樹脂成形体製造装置(1)の高圧ホッパ
(7)に投入する。次いで、上記の発明の実施の形態と
同様に、ガスボンベ(10)から非反応性ガスを高圧ホ
ッパ(7)に供給して、高圧ホッパ(7)内の非反応性
ガスを所定の圧力にして難成形樹脂に非反応性ガスを溶
解させる。
【0056】次に、高圧ホッパ(7)内の非反応性ガス
を溶解された難成形樹脂を、所定の温度に設定されたス
クリュー式押出機(3)のシリンダー内に供給して溶融
混練することにより難成形樹脂溶融組成物とし、この難
成形樹脂溶融組成物をプランジャー式押出機(4)の蓄
積部(41)にその側面側から蓄積する。なお、この場
合には、難成形樹脂溶融組成物がプランジャー式押出機
(4)に設けられたプランジャー(42)を押し戻しな
がら、蓄積部(41)に蓄積される。
【0057】蓄積が完了し、射出機(5)が所定の位置
まで戻り、プランジャー押出機(4)と射出機(5)と
が接続されると(図3の状態)、プランジャー式押出機
(4)の先端に設けられたバルブ(43)と射出機
(5)の先端に設けられたバルブ(54)とを開けて、
プランジャー式押出機(4)のプランジャー(42)を
前進させながら、難成形樹脂溶融組成物を射出機(5)
の計量部(51)に充填する。図3では、難成形樹脂溶
融組成物を射出機(5)の計量部(51)にその前方か
ら充填するようになっているが、計量部(51)の側面
側から充填しても良く、バルブ(43)および(54)
を統合して三方向バルブ(図示せず)とし、難成形樹脂
溶融組成物を射出機(5)の計量部(51)にその前方
から充填しても良い。このように難成形樹脂溶融組成物
が射出機(5)の計量部(51)に充填される際の充填
方向は特に限定されない。この点は先の実施の形態でも
同様である。なお、三方向バルブ(図示せず)が用いら
れる場合には、スクリュー式押出機(3)、プランジャ
ー式押出機(4)、および射出機(5)は固定された状
態でも用いられ得る。上記の発明の実施の形態と同様
に、この充填時においても、難成形樹脂溶融組成物が充
填されるとともに図の右方向に押し戻されるようにして
おきながらも、射出機(5)内部のスクリュー(52)
に、その後部から図の左方向に圧力をかけて難成形樹脂
の発泡を防ぐ。これにより、所定の位置まで射出機
(5)内部のスクリュー(52)が後退するまで、射出
機(5)の計量部(51)に難成形樹脂溶融組成物を充
填する。
【0058】次いで、所定の位置まで射出機(5)内部
のスクリュー(52)が後退すると、プランジャー式押
出機(4)のプランジャー(42)の前進を中止し、バ
ルブ(43)および(54)を閉め、難成形樹脂溶融組
成物を射出機(5)の計量部(51)内に供給すること
を停止する。そして、図4のように、射出機(5)自体
が後退することを防止するために射出機(5)に対して
図の左方向にかけていた力を開放し、射出機(5)自体
を後退させる。これにより、プランジャー式押出機
(4)と射出機(5)との連結を解除し、次いで、スク
リュー式押出機(3)およびプランジャー式押出機
(4)の下部に設けられたモーター(図示せず)により
これらの押出機(3)(4)を後退させる。
【0059】続いて、上記の発明の実施の形態と同様
に、ガスボンベ(11)から供給される高圧ガスを加圧
ポンプ(12)を用いて加圧し、次いでこの加圧された
窒素を、開閉バルブ(13)を介して供給し、金型キャ
ビティ(61)内部の圧力が所定の圧力になった時点で
開閉バルブ(13)を閉じ、高圧ガスの供給を停止す
る。
【0060】次いで、射出機(5)自体を図の左方向に
前進させ、射出機(5)と金型(6)とを連結し、射出
機(5)の計量部(51)と金型(6)との間に設けら
れたバルブ(54)を開け、計量部(51)に充填され
た難成形樹脂溶融組成物を金型キャビティ(61)内に
圧入する。なお、難成形樹脂溶融組成物を金型キャビテ
ィ(61)内に圧入する際には、金型(6)に設けられ
た圧力調整バルブ(65)を用いて、金型キャビティ
(61)内部の圧力を上記の所定の圧力に保つ。
【0061】金型キャビティ(61)内に難成形樹脂溶
融組成物が完全に充填される直前若しくは充填後に、開
閉バルブ(13)を再び開き所定の圧力の空間形成ガス
を金型キャビティ(61)内に供給する。難成形樹脂溶
融組成物が金型(6)の端部に達した時点、あるいはそ
の数秒後に、開閉バルブ(13)を閉じて空間形成ガス
の供給を停止する。その後、難成形樹脂溶融組成物の温
度が所定の温度になるまで冷却した後、圧力調整バルブ
(65)を開放し、脱圧することによって、図6に示す
ように、表面(21)が上記のような難成形樹脂である
難成形樹脂であり、そして内部(22)に空間が形成さ
れた難成形樹脂成形品(2)を作製する。
【0062】なお、上記のように、射出機(5)のスク
リュー(52)が所定の位置まで後退し、プランジャー
式押出機(4)の先端に設けられたバルブ(43)を閉
めた直後にも、スクリュー式押出機(3)の運転を続
け、難成形樹脂溶融組成物をプランジャー式押出機
(4)の蓄積部(41)に蓄積し、プランジャー(4
2)を所定の位置まで後退させる。この間には上記の難
成形樹脂成形品(2)の作製が終了しているため、射出
機(5)自体を図の右方向に後退させて射出機(5)と
金型(6)との連結を解除し、次いでスクリュー式押出
機(3)およびプランジャー式押出機(4)を図の下方
向に前進させて射出機(5)とプランジャー式押出機
(4)とを接続した後、再びバルブ(43)および(5
4)を開け、プランジャー(42)を前進させて難成形
樹脂溶融組成物を射出機(5)の計量部(51)に充填
する。充填後、バルブ(43)および(54)を閉め、
射出機(5)とプランジャー式押出機(4)との連結を
解除し、スクリュー式押出機(3)、プランジャー式押
出機(4)、および射出機(5)をそれぞれ後退させ、
次いで射出機(5)を前進させて射出機(5)と金型
(6)とを連結させ、射出機(5)の計量部(51)と
金型(6)との間に設けられたバルブ(54)を開け、
難成形樹脂成形品(2)の作製を繰り返す。
【0063】本発明にかかる製造方法は、上記の構成を
有するため、上記の発明の実施の形態で詳述した効果だ
けでなく、さらに以下のような効果を有する。
【0064】スクリュー式押出機(3)と射出機(5)
との間にプランジャー式押出機(4)を設けることによ
り、スクリュー式押出機(3)から射出機(5)に難成
形樹脂溶融組成物を充填する方法と比較してより迅速に
射出機(5)に難成形樹脂溶融組成物を充填することが
できる。また、スクリュー式押出機(3)から押し出さ
れた難成形樹脂溶融組成物を、一旦プランジャー式押出
機(4)の蓄積部(41)に蓄積する間に、射出機
(5)の計量部(51)に充填された難成形樹脂溶融組
成物を金型(6)に射出することにより、難成形樹脂溶
融組成物を金型(6)に射出した直後に、この蓄積部
(41)から難成形樹脂溶融組成物を射出機(5)に充
填することができる(図7および図8を参照)。これら
のことにより、難成形樹脂成形体(2)を作製する成形
プロセスの短縮化が図れる。特に、スクリュー式押出機
(3)から難成形樹脂が押し出される速度が遅い場合
(すなわち、スクリュー式押出機(3)内のスクリュー
(31)の回転数が遅い場合)に、上記のようなプラン
ジャー式押出機(4)を設けることが成形プロセスの短
縮化の観点から効果的である。
【0065】さらに、難成形樹脂溶融組成物を、一旦プ
ランジャー式押出機(4)の蓄積部(41)に蓄積する
ことによって予め難成形樹脂溶融組成物をある程度計量
することにより、射出機(5)における計量作業が軽減
される。これによっても、成形プロセスの短縮化が図れ
る。
【0066】また、本実施の形態に係る方法では、上記
と同様に、金型キャビティ(61)内の難成形樹脂溶融
組成物は、噴流流れ(いわゆる、「ファウンテンフロ
ー」)を示しながら金型キャビティ(61)内を流動す
る。これにより、難成形樹脂溶融組成物は金型側面(6
1)に沿って流動することができ、次いで、金型キャビ
ティ(61)内に難成形樹脂溶融組成物が完全に充填さ
れる直前に、開閉バルブ(13)を再び開き所定の圧力
の空間形成ガスを金型キャビティ(61)内に供給する
ことによって、図6に示すように、表面(21)が難成
形樹脂からなり、内部(22)に空間(23)が形成さ
れている難成形樹脂成形品(2)を製造することができ
る。このような難成形樹脂成形品(2)は、上記のよう
な従来の難成形樹脂成形品と比較して、大きさは同じで
あるが、内部(22)に空間(23)が形成されている
ため、極めて軽量であり、多くの難成形樹脂を必要とし
ないのでコストダウンが図れる。また、表面(21)が
難成形樹脂であるため、難成形樹脂成形品(2)におい
ても難成形樹脂が有する耐衝撃性などの優れた性質を有
する。
【0067】
【実施例】本発明を以下の実施例を用いてさらに詳細に
説明するが、以下の実施例は例示の目的でのみ用いら
れ、限定の目的で用いられてはならない。
【0068】(実施例1)難成形樹脂として、超高分子
量ポリエチレン樹脂(Hoechst社製、商品名「H
ostalenGUR4120」、平均分子量:約44
0万、非常に高粘度のためメルトインデックスの測定は
不能)を、図1に示す難成形樹脂成形体製造装置(1)
の高圧ホッパ(7)に投入した。次いで、この高圧ホッ
パ(7)に加圧ポンプ(8)を介して接続されている開
閉バルブ(9)を開けて、ガスボンベ(10)から加圧
ポンプ(8)により加圧された二酸化炭素を高圧ホッパ
(7)に供給した。高圧ホッパ(7)内の二酸化炭素の
圧力を約15.0MPa、温度を約60℃で約1時間保
持し、超高分子量ポリエチレン樹脂に二酸化炭素を溶解
させた。
【0069】次に、高圧ホッパ(7)内の二酸化炭素を
溶解された超高分子量ポリエチレン樹脂を、約180℃
に設定されたスクリュー式押出機(3)のシリンダー内
に供給して溶融混練することにより超高分子量ポリエチ
レン樹脂溶融組成物とし、次いで先端にバルブ(32)
が設けられ、他端がスクリュー式押出機(3)の先端に
接続された樹脂輸送管(31)を介して、先端にバルブ
(54)が設けられた射出機(5)の計量部(51)に
この超高分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物を射出機
(5)の計量部の先端から充填した。この場合には、当
然ながら、バルブ(32)(54)はいずれも開状態で
あった。なお、この充填時においては、超高分子量ポリ
エチレン樹脂溶融組成物の発泡を防ぐために、スクリュ
ー(52)に対して後部から超高分子量ポリエチレン樹
脂溶融組成物の発泡を防ぐことができる程度の圧力(約
50Kg/cm2〜約300Kg/cm2)をその後ろ側
からかけて計量部(51)の圧力を保持しつつも、超高
分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物が充填されるととも
に図の右方向に押し戻されるようにしておいた。このよ
うにして、所定の位置まで射出機(5)内部のスクリュ
ー(52)が後退するまで、射出機(5)の計量部(5
1)に超高分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物を充填し
た。なお、この充填の際には、射出機(5)に対して、
図の左方向に約20〜30kN(キロニュートン)の力
をかけ、射出機(5)自体が後退しないようにした。
【0070】次いで、所定の位置まで射出機(5)内部
のスクリュー(52)が後退すると、スクリュー式押出
機(3)の運転を中止し、超高分子量ポリエチレン樹脂
溶融組成物を射出機(5)の計量部(51)に供給する
ことを停止した。次に、バルブ(32)(54)を閉
め、図2のように、射出機(5)自体が後退することを
防止するために射出機(5)に対して図の左方向にかけ
ていた力を解放し、射出機(5)自体を後退させた。こ
れによりスクリュー式押出機(3)と射出機(5)との
連結が解除され、次いで、スクリュー式押出機(3)の
下部に備えられたモーター(図示せず)によりスクリュ
ー式押出機(3)を後退させた。
【0071】次に、射出機(5)のホッパ(53)から
高密度ポリエチレン樹脂(旭化成工業株式会社製、商品
名「サンテック−HD」)を可塑化混練し、射出機
(5)内部のスクリュー(52)をさらに所定の位置ま
で後退させながら射出機(5)の計量部(51)に溶融
状態の高密度ポリエチレン樹脂を射出機の後方から充填
した。このようにして、射出機(5)の計量部(51)
の前部に超高分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物を、射
出機(5)の計量部(51)の後部に溶融状態の高密度
ポリエチレン樹脂を充填した。
【0072】続いて、ガスボンベ(11)から供給され
る窒素を加圧ポンプ(12)を用いて加圧し、次いでこ
の加圧された窒素を、開閉バルブ(13)を介して、金
型キャビティ(61)内部の圧力が約16.0MPaに
なるまで金型(6)内に供給した。金型キャビティ(6
1)内部の圧力が約16.0MPaになった時点で開閉
バルブ(13)を閉じ、窒素の供給を停止した。
【0073】次いで射出機(5)自体を図の左方向に前
進させ、射出機(5)と金型(6)とを連結し、バルブ
(54)を開けた後に射出機(5)内部のスクリュー
(52)を前進させて計量部(51)に充填された超高
分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物および溶融状態の高
密度ポリエチレン樹脂を順に金型キャビティ(61)内
に圧入した。なお、これらの組成物および樹脂を金型キ
ャビティ(61)内に圧入する際には、金型(6)に設
けられた圧力調整バルブ(65)を用いて、金型キャビ
ティ(61)内部の圧力を約16.0MPaに保った。
【0074】超高分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物お
よび溶融状態の高密度ポリエチレン樹脂を金型キャビテ
ィ(61)内に圧入し、超高分子量ポリエチレン樹脂溶
融組成物の温度が約110℃になるまで冷却した後、圧
力調整バルブ(65)を開放し、脱圧することによっ
て、図5に示されるように、表面(21)が上記のよう
な難成形樹脂である超高分子量ポリエチレン樹脂であ
り、そして内部(22)に高密度ポリエチレン樹脂が充
填された多層形の難成形樹脂成形品(2)を作製した。
このようにして作製された多層形の難成形樹脂成形品
(2)を切断したところ、超高分子量ポリエチレン樹脂
の厚みは約1.1mmであり、高密度ポリエチレン樹脂
の厚みは約1.9mmであった。
【0075】(実施例2)難成形樹脂として、超高分子
量ポリエチレン樹脂(Hoechst社製、商品名「H
ostalenGUR4120」、粘度平均分子量:約
440万、非常に高粘度のためメルトインデックスの測
定は不能)を、図3に示す難成形樹脂成形体製造装置
(1)の高圧ホッパ(7)に投入した。次いで、この高
圧ホッパ(7)に加圧ポンプ(8)を介して接続されて
いる開閉バルブ(9)を開けて、ガスボンベ(10)か
ら二酸化炭素を高圧ホッパ(7)に供給した。高圧ホッ
パ(7)内の二酸化炭素の圧力を約15.0MPa、温
度を約60℃で約1時間保持し、超高分子量ポリエチレ
ン樹脂に二酸化炭素を溶解させた。
【0076】次に、高圧ホッパ(7)内の二酸化炭素を
溶解された超高分子量ポリエチレン樹脂を、約180℃
に設定されたスクリュー式押出機(3)のシリンダー内
に供給して溶融混練することにより超高分子量ポリエチ
レン樹脂溶融組成物とし、この超高分子量ポリエチレン
樹脂溶融組成物をプランジャー式押出機(4)の蓄積部
(41)にその側面側から蓄積した。なお、この場合に
おいても、超高分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物がプ
ランジャー式押出機(4)に設けられたプランジャー
(42)を押し戻しながら、蓄積部(41)に蓄積され
た。
【0077】蓄積が完了し、図3のように、射出機
(5)が所定の位置まで戻り、プランジャー押出機
(4)と射出機(5)とを接続し、次いでプランジャー
式押出機(4)と射出機(5)との間に設けられたバル
ブ(43)を開けて、プランジャー式押出機(4)のプ
ランジャー(42)を前進させながら、超高分子量ポリ
エチレン樹脂溶融組成物を射出機(5)の計量部(5
1)に充填した。なお、実施例1と同様に、この充填時
においても、射出機(5)内部のスクリュー(52)の
後部から力をかけて射出機(5)の計量部(51)に充
填された超高分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物の発泡
を防ぎながら、超高分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物
が充填されるとともに図の右方向に押し戻されるように
しておいた。これにより、所定の位置まで射出機(5)
内部のスクリュー(52)が後退するまで、射出機
(5)の計量部(51)に超高分子量ポリエチレン樹脂
溶融組成物を充填した。
【0078】次いで、所定の位置まで射出機(5)内部
のスクリュー(52)が後退すると、プランジャー式押
出機(4)のプランジャー(42)の前進を中止し、プ
ランジャー式押出機(4)の先端に設けられたバルブ
(43)および(54)を閉め、超高分子量ポリエチレ
ン樹脂溶融組成物を射出機(5)の計量部(51)内に
供給することを停止した。
【0079】そして、図4に示すように、射出機(5)
自体が後退することを防止するために射出機(5)に対
して図の左方向にかけていた力を開放し、射出機(5)
自体を後退させる。これにより、プランジャー式押出機
(4)と射出機(5)との連結を解除し、次いで、スク
リュー式押出機(3)およびプランジャー式押出機
(4)の下部に設けられたモーター(図示せず)により
スクリュー式押出機(3)およびプランジャー式押出機
(4)を後退させた。
【0080】続いて、実施例1と同様に、ガスボンベ
(11)から供給される窒素を加圧ポンプ(12)を用
いて加圧し、次いでこの加圧された窒素を、開閉バルブ
(13)を介して、金型キャビティ(61)内部の圧力
が約16.0MPaになるまで金型(6)内に供給し
た。金型キャビティ(61)内部の圧力が約16.0M
Paになった時点で開閉バルブ(13)を閉じ、窒素の
供給を停止した。
【0081】次いで、射出機(5)自体を図の左方向に
前進させ、射出機(5)と金型(6)とを連結し、射出
機(5)の計量部(51)と金型(6)との間に設けら
れたバルブ(54)を開け、計量部(51)に充填され
た超高分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物を金型キャビ
ティ(61)内に圧入した。なお、超高分子量ポリエチ
レン樹脂溶融組成物を金型キャビティ(61)内に圧入
する際には、金型(6)に設けられた圧力調整バルブ
(65)を用いて、金型キャビティ(61)内部の圧力
を約16.0MPaに保った。
【0082】金型キャビティ(61)内に超高分子量ポ
リエチレン樹脂溶融組成物が完全に充填される直前若し
くは充填後に、開閉バルブ(13)を再び開き圧力約1
8.0MPaの窒素を金型キャビティ(61)内に供給
した。組成物が金型(6)の端部に達した時点、あるい
はその数秒後に、開閉バルブ(13)を閉じて窒素の供
給を停止した。その後、超高分子量ポリエチレン樹脂溶
融組成物の温度が約110℃になるまで冷却した後、圧
力調整バルブ(65)を開放し、脱圧することによっ
て、図6に示すように、表面(21)が上記のような難
成形樹脂である超高分子量ポリエチレン樹脂であり、そ
して内部(22)に空間が形成された難成形樹脂成形品
(2)を作製した。このようにして作製された難成形樹
脂成形品(2)を切断したところ、超高分子量ポリエチ
レン樹脂の厚みは約1.3mmであり、空間の幅は約
1.7mmであった。
【0083】なお、上記のように、射出機(5)のスク
リュー(52)が所定の位置まで後退し、プランジャー
式押出機(4)と射出機(5)との間に設けられたバル
ブ(43)を閉めた直後にも、スクリュー式押出機
(3)を運転を続け、超高分子量ポリエチレン樹脂溶融
組成物をプランジャー式押出機(4)の蓄積部(41)
に蓄積し、プランジャー(42)を所定の位置まで後退
させた。この間には上記の難成形樹脂成形品(2)の作
製が終了したため、射出機(5)自体を図の右方向に後
退させ、射出機(5)と金型(6)との連結を解除し、
次いでスクリュー式押出機(3)およびプランジャー式
押出機(4)を図の下方向に前進させて射出機(5)と
プランジャー式押出機(4)とを接続した後、バルブ
(43)を開け、プランジャー(42)を前進させて超
高分子量ポリエチレン樹脂溶融組成物を射出機(5)の
計量部(51)に充填した。充填後、バルブ(43)お
よび(54)を閉め、射出機(5)とプランジャー式押
出機(4)との連結を解除し、スクリュー式押出機
(3)、プランジャー式押出機(4)、および射出機
(5)をそれぞれ後退させ、次いで射出機(5)を前進
させて射出機(5)と金型(6)とを連結させ、射出機
(5)の計量部(51)と金型(6)との間に設けられ
たバルブ(54)を開け、難成形樹脂成形品(2)の作
製を繰り返した。
【0084】
【発明の効果】本発明により、従来の難成形樹脂成形品
と比較して、同じ大きさで耐衝撃性などを保持したま
ま、軽量かつ、多くの難成形樹脂を必要とせず、コスト
ダウンが図れる難成形樹脂成形品を製造する方法、およ
びそのような難成形樹脂成形品、ならびに難成形樹脂成
形品製造装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、難成形樹脂樹脂溶融組成物が射出機
(5)の計量部(51)に蓄積されている状態におけ
る、本発明に係る難成形樹脂成形体製造装置(1)を示
す図である。
【図2】 図2は、図1の装置において、スクリュー式
押出機(3)から射出機(5)の計量部(51)に難成
形樹脂樹脂溶融組成物を充填した後の難成形樹脂成形体
製造装置(1)を示す図である。
【図3】 図3は、プランジャー式押出機(4)を用
い、難成形樹脂樹脂溶融組成物がプランジャー式押出機
(4)の蓄積部(41)に蓄積されている状態におけ
る、本発明に係る難成形樹脂成形体製造装置(1)示す
図である。
【図4】 図4は、図3の装置において、スクリュー式
押出機(3)から射出機(5)の計量部(51)に難成
形樹脂溶融組成物を充填した後の難成形樹脂成形体製造
装置(1)を示す図である。
【図5】 図5は、表面(21)が難成形樹脂からな
り、内部(22)に熱可塑性樹脂空間が充填されてい
る、本発明に係る難成形樹脂成形品(2)を示す図であ
る。
【図6】 図6は、表面(21)が難成形樹脂からな
り、内部(22)に空間が形成されている、本発明に係
る難成形樹脂成形品(2)を示す図である。
【図7】 図7は、プランジャー式押出機(4)を用い
た場合の難成形樹脂成形品(2)の成形サイクルを表す
図である。
【図8】 図8は、プランジャー式押出機(4)を用い
た場合の難成形樹脂成形品(2)の成形サイクルを表す
図である。
【図9】 図9は、金型キャビティ(61)内に順に圧
入される難成形樹脂および熱可塑性樹脂の状態を詳細に
説明する図である。
【図10】 図10は、難成形樹脂を成形する従来の方
法を示す図である。
【符号の説明】
1…難成形樹脂成形体製造装置 2…難成形樹脂成形品 21…表面 22…内部 3…スクリュー式押出機 31…樹脂輸送管 32…バルブ 4…プランジャー式押出機 41…蓄積部 42…プランジャー 43…バルブ 5…射出機 51…計量部 52…スクリュー 53…ホッパ 54
…バルブ 6 金型 61…金型キャビティ 62…金型末端 63…金型側
壁 64…固化層 65…圧力調整バルブ 7…高圧ホッパ 8…加圧ポンプ 9…開閉バルブ 10…ガスボンベ 11…ガスボンベ 12…加圧ポンプ 13…開閉バルブ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メルトインデックスが0.1g/10分
    以下の難成形樹脂に、常温・常圧で気体状態の非反応性
    ガスを溶解させて溶融混練した難成形樹脂溶融組成物を
    射出機の計量部に充填し、次に該射出機から金型キャビ
    ティ内に該難成形樹脂溶融組成物を圧入し、さらに該金
    型キャビティ内に圧入された該難成形樹脂溶融組成物に
    空間形成ガスを注入することにより、表面が該難成形樹
    脂からなり内部に空間が形成されている難成形樹脂成形
    品の製造方法。
  2. 【請求項2】 メルトインデックスが0.1g/10分
    以下の難成形樹脂に、常温・常圧で気体状態の非反応性
    ガスを溶解させて溶融混練した難成形樹脂溶融組成物を
    射出機の計量部の前方に充填し、次に溶融状態の熱可塑
    性樹脂を該射出機から該計量部の後方に充填し、さらに
    該射出機から金型キャビティ内に該難成形樹脂溶融組成
    物および該熱可塑性樹脂を順に圧入することにより、表
    面が該難成形樹脂からなり内部に該熱可塑性樹脂が充填
    されている難成形樹脂成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶融状態の熱可塑性樹脂を射出機の計量
    部に充填し、次にメルトインデックスが0.1g/10
    分以下の難成形樹脂に、常温・常圧で気体状態の非反応
    性ガスを溶解させて溶融混練した難成形樹脂溶融組成物
    を射出機の計量部の前方に充填し、さらに該射出機から
    金型キャビティ内に該難成形樹脂溶融組成物および該熱
    可塑性樹脂を順に圧入することにより、表面が該難成形
    樹脂からなり内部に該熱可塑性樹脂が充填されている難
    成形樹脂成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記難成形樹脂溶融組成物をプランジャ
    ー式押出機内に一旦蓄積し、次いでプランジャーにより
    該難成形樹脂溶融組成物を前記射出機の計量部あるいは
    前記射出機の計量部の前方に充填する、請求項1から3
    のいずれかに記載の難成形樹脂成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】 表面が0.1g/10分以下のメルトイ
    ンデックスを有する難成形樹脂からなり、内部に空間が
    形成されている難成形樹脂成形品。
  6. 【請求項6】 表面が0.1g/10分以下のメルトイ
    ンデックスを有する難成形樹脂からなり、内部に熱可塑
    性樹脂が充填されている難成形樹脂成形品。
  7. 【請求項7】 前記難成形樹脂が、粘度平均分子量10
    0万以上の超高分子量ポリエチレンまたはフッ素置換ポ
    リエチレンである、請求項5または6のいずれかに記載
    の難成形樹脂成形品。
  8. 【請求項8】 メルトインデックスが0.1g/10分
    以下の難成形樹脂に、常温・常圧で気体状態の非反応性
    ガスを溶解させて溶融混練し、難成形樹脂溶融組成物に
    して押し出すスクリュー式押出機と、 該スクリュー式押出機に接続され、該押出機から押し出
    された該難成形樹脂溶融組成物を充填される計量部を有
    する射出機とを備えた、難成形樹脂成形体製造装置。
  9. 【請求項9】 メルトインデックスが0.1g/10分
    以下の難成形樹脂に、常温・常圧で気体状態の非反応性
    ガスを溶解させて溶融混練し、難成形樹脂溶融組成物に
    して押し出すスクリュー式押出機と、 該スクリュー式押出機に接続され、該スクリュー式押出
    機から押し出された該難成形樹脂溶融組成物を一旦蓄積
    する蓄積部を備えたプランジャー式押出機と、 該プランジャー式押出機に接続され、該プランジャー式
    押出機の蓄積部から押し出された該難成形樹脂溶融組成
    物を充填される計量部を有する射出機とを備えた、難成
    形樹脂成形体製造装置。
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