JPH0615707A - 射出成形機の射出成形方法 - Google Patents

射出成形機の射出成形方法

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JPH0615707A
JPH0615707A JP22893692A JP22893692A JPH0615707A JP H0615707 A JPH0615707 A JP H0615707A JP 22893692 A JP22893692 A JP 22893692A JP 22893692 A JP22893692 A JP 22893692A JP H0615707 A JPH0615707 A JP H0615707A
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JP
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synthetic resin
cavity
injection molding
mold
plasticized synthetic
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JP22893692A
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Akira Yokota
明 横田
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Komatsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融粘度が高く流動性が低い可塑化合成樹脂
を射出充填する射出成形機の射出成形方法に関し、層状
剥離を防止することを目的とする。 【構成】 射出成形機本体のシリンダ内から、金型の目
的の成形品容積の、またはその目的の成形品容積を超え
るキャビティ内に前記可塑化合成樹を高速かつ高圧に
て、例えば0.1〜1.0秒の短時間で射出充填し、この射出
充填される可塑化合成樹脂が例えば1000〜1500kg/cm2
比較的に高い平均樹脂圧力になるように充填するととも
に、この射出充填後は前記射出成形機本体のシリンダ内
と金型のキャビティ内との間における前記可塑化合成樹
脂の流れを瞬時を含み速やかに停止させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機本体のシリ
ンダ内から金型のキャビティ内に溶融粘度が高く流動性
が低い可塑化合成樹脂を射出充填する射出成形機の射出
成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】射出成形は寸法精度が高い成形ができ、
また種々の射出成形材料のうちにおいても、例えば超高
分子量ポリエチレン、フッ素樹脂等は耐衝撃性、耐摩耗
性、自己潤滑性、耐薬品性等に優れていることから、各
種機械部品、家庭用品等の用途に広く使用されつつあ
る。しかしながら、これら超高分子量ポリエチレン、フ
ッ素樹脂等の可塑化合成樹脂は、溶融粘度が高く極めて
流動性が低いために、通常の射出成形方法では成形が困
難である。
【0003】ところで、一般に通常の射出成形方法とし
ては、次のようなものがある。 1.射出成形機本体のシンリダ内から金型の目的の成形
品容積のキャビティ内に可塑化合成樹脂をその金型のゲ
ート部を通じて射出し充填する。この射出充填における
終わりには、一定樹脂量の可塑化合成樹脂をキャビティ
内に射出充填するために、一定のいわゆる保圧圧力でも
ってゲート部における可塑化合成樹脂が固化するまで一
定時間に亙って可塑化合成樹脂を充填する。 2.射出成形機本体のシリンダ内から金型の目的の成形
品容積を超えるキャビティ内に可塑化合成樹脂をその金
型のゲート部を通じて射出し充填する。同様に、この射
出充填における終わりには、一定保圧圧力でもってゲー
ト部における可塑化合成樹脂が固化するまでの一定時間
に亙って可塑化合成樹脂を充填する。次に、この射出充
填後のゲート部における可塑化合成樹脂の固化後におい
て金型のキャビティ内に射出充填されている可塑化合成
樹脂を目的の成形品容積に至るまで圧縮する。 なお、1.、2.においては、射出充填される可塑化合
成樹脂のキャビティ内の平均樹脂圧力が約300〜500kg/c
m2 程度であるように可塑化合成樹脂が射出充填され
る。また、ゲート部における可塑化合成樹脂が固化する
までの間の、一定保圧圧力でもって可塑化合成樹脂が充
填される一定時間は約2〜数秒である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述さ
れた方法によれば、射出充填される可塑化合成樹脂のキ
ャビティ内の平均樹脂圧力が約300〜500kg/cm2 程度で
あるように可塑化合成樹脂が射出充填されるに過ぎず、
また約300〜500kg/cm2 の平均樹脂圧力であることから
冷却による収縮量も大きいことも相俟って、一定樹脂量
をキャビティ内に射出充填するに際して前述のように一
定保圧圧力でもって可塑化合成樹脂をゲート部が固化す
るまで充填する必要がある。したがって、特に溶融粘度
が高く流動性が低い可塑化合成樹脂を用いる場合には、
キャビティ内において可塑化合成樹脂が固化し始めても
まだ可塑化合成樹脂がキャビティ内に充填され続け、キ
ャビティ内を可塑化合成樹脂が移動することになるため
に、この移動にともなってキャビティの壁面側から層状
に順次に固化するようになって層状剥離が生じるという
問題点がある。
【0005】本発明は、このような問題点を解消するこ
とを目的として、層状剥離が生じない射出成形機の射出
成形方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明による射出成形機
の射出成形方法は、前述された目的を達成するために、
基本的には、射出成形機本体のシリンダ内から金型のキ
ャビティ内に溶融粘度が高く流動性が低い可塑化合成樹
脂を射出充填する射出成形機の射出成形方法において、
前記射出成形機本体のシリンダ内から、前記金型の目的
の成形品容積の、またはその目的の成形品容積を超える
キャビティ内に前記可塑化合成樹脂を高速かつ高圧にて
短時間で射出充填し、この射出充填される可塑化合成樹
脂が比較的に高い樹脂圧力になるように充填するととも
に、この射出充填後は前記射出成形機本体のシリンダ内
と金型のキャビティ内との間における前記可塑化合成樹
脂の流れを瞬時を含み速やかに停止させる射出充填工程
を具えることを特徴とするものである。
【0007】
【作用】射出成形機本体のシリンダ内から金型のキャビ
ティ内に可塑化合成樹脂を射出充填するに際して、可塑
化合成樹脂を高速かつ高圧にて、例えば0.1 〜1.0 秒の
短時間でもってその可塑化合成樹脂に冷却固化する暇を
与えることなく射出充填する。しかも、射出充填される
可塑化合成樹脂のキャビティ内の樹脂圧力が比較的に高
い平均樹脂圧力である、例えば1000〜1500kg/cm2程度に
なるように可塑化合成樹脂を射出充填する。したがっ
て、冷却による収縮が殆どなくて収縮量を考慮する必要
がないことから、基本的には所定樹脂量をキャビティ内
に射出充填するに際して保圧圧力を必要としない。しか
しながら、キャビティ内に特に正確に所定樹脂量を射出
充填する必要がある場合においては、金型のゲート部に
おける可塑化合成樹脂が固化するまでに時間が充分にあ
ることから、可塑化合成樹脂の所定樹脂量以上のキャビ
ティ内への流れまたはキャビティ内からの流出を阻止す
る前記可塑化合成樹脂の流れの瞬時を含む速やかな停止
を、金型のキャビティ内に射出充填されている可塑化合
成樹脂に対する一定保圧圧力を例えば0〜1.5 秒間の短
時間保持させた後における射出充填後において行なうの
も良い。
【0008】このように、キャビティ内において可塑化
合成樹脂が固化し始めるまでには既に所定樹脂量の可塑
化合成樹脂がキャビティ内に射出充填されている。ま
た、この射出充填後においては、可塑化合成樹脂のキャ
ビティ内への流入またはキャビティ内からの流出は、射
出成形機本体のシリンダ内と金型のキャビティ内との間
における可塑化合成樹脂の流れが瞬時を含み速やかに停
止させられることから阻止される。したがって、キャビ
ティ内に射出充填されている所定樹脂量の可塑化合成樹
脂は移動するようなことがないためにキャビティの壁面
側から層状に順次に固化するようなことがなく、層状剥
離は生じることがない。
【0009】前記可塑化合成樹脂の流れの瞬時を含む速
やかな停止は、次のように行なえば良い。 前記金型のキャビティ内に射出充填されている可塑化
合成樹脂の樹脂圧力の低下と平衡してその射出充填され
ている可塑化合成樹脂に対する保圧圧力を低下させる。 前記射出成形機本体のシリンダ内と金型キャビティ内
との間の可塑化合成樹脂の流路に設けられてそれら射出
成形機本体のシリンダ内と金型のキャビティ内との間に
おける前記可塑化合成樹脂の流れを阻止可能な流路開閉
手段によりその可塑化合成樹脂の流れを阻止する。
【0010】なお、前記金型の目的の成形品容積を超え
るキャビティ内に前記可塑化合成樹脂が射出充填される
場合には、加えて前記可塑化合成樹脂の流れの瞬時を含
む速やかな停止後に直ちに、前記金型を構成する可動金
型に押圧力を付加して前記金型のキャビティ内に射出充
填されている可塑化合成樹脂を目的の成形品容積に至る
まで圧縮する圧縮工程または、前記可塑化合成樹脂の流
れの瞬時を含む速やかな停止後における前記金型のキャ
ビティ内に射出充填されている可塑化合成樹脂の樹脂圧
力分布の均一化後に、前記金型を構成する可動金型に押
圧力を付加して前記金型のキャビティ内に射出充填され
ている可塑化合成樹脂を目的の成形品容積に至るまで圧
縮する圧縮工程を具えるようにすれば良い。このように
圧縮することにより成形品の精度を向上させることがで
きる。
【0011】前述のように金型のキャビティ内に射出充
填されている可塑化合成樹脂の樹脂圧力分布が均一化さ
れた後に圧縮するようにすれば、成形品が光学的なレン
ズ等のようなものであるときには一様な屈折率のものが
得られることになる。なお、可塑化合成樹脂の樹脂圧力
分布の均一化は、可塑化合成樹脂の冷却による収縮、弾
性回復応力等によっても行なわれる。
【0012】また、前述の溶融粘度が高く流動性が低い
可塑化合成樹脂としては、例えば超高分子量ポリエチレ
ン、フッ素樹脂等がある。この超高分子量ポリエチレン
とは、例えばチーグラー重合により得られて通常のポリ
エチレンよりもはるかに大きい分子量を有して、射出成
形に用いられる可塑化合成樹脂のうちでも溶融粘度が極
めて高いために他の可塑化合成樹脂に比べて成形困難な
樹脂として知られている。一例として、135℃のデリ
カン中において極限粘度〔η〕が16.7dl/g、メルト
インデックス(ASTM D 1238F MI120)が0.01g/10mm以
下の「ハイゼックスミリオン340M」(三井石油化学
社製)がある。また、フッ素樹脂とは、四ふっ化エチレ
ン樹脂、四ふっ化エチレン、六ふっ化プロピレン共重合
樹脂、三ふっ化塩化エチレン樹脂等のフッ素を含む樹脂
である。これら超高分子量ポリエチレン、フッ素樹脂等
の射出時の温度は、樹脂の融点よりも実質的に高い温度
でかつ樹脂の分解温度よりも低い温度である限り特に制
限はない。
【0013】
【実施例】次に、本発明による射出成形機の射出成形方
法の具体的実施例につき、図面を参照しつつ説明する。
なお、各実施例としては、溶融粘度が高く流動性が低い
可塑化合成樹脂として、具体的には超高分子量ポリエチ
レンである「ハイゼックスミリオン340M」を、樹脂
の融点よりも実質的には高い温度でかつ樹脂の分解温度
よりも低い温度である170〜240℃の範囲内におい
て射出温度を設定して用いている。
【0014】(第1実施例)まず、射出成形機1の全体
概略が示されている図1において、射出成形品を成形す
る金型10に、射出成形機本体11はノズル部12において接
合している。この射出成形機本体11のシリンダ13内に
は、加熱されているそのシリンダ13内において材料ホッ
パ14から供給される可塑化合成樹脂のペレット状または
粉末状等の材料樹脂を溶融混練しつつ、溶融可塑化され
ている材料樹脂を計量してノズル部12に穿設されている
流路15、更には図2に示されているように金型10におけ
るランナー部16およびゲート部17を介してその金型10の
キャビティ18内に射出充填するスクリュー19が内装され
ている。このスクリュー19の材料樹脂の溶融混練等のた
めの回転はスクリュー回転モータ20により行なわれる。
また、スクリュー19およびスクリュー回転モータ20は基
盤21に取り付けられており、この基盤21は流量制御弁22
および電磁リリーフ弁23を制御装置24により制御操作を
行なうことでもって圧油源25から管路26を介して油圧ピ
ストン装置27に給排される圧油を制御することにより、
図1において左右に駆動される。言い換えれば、射出充
填される可塑化合成樹脂の計量および計量されている可
塑化合成樹脂の金型10のキャビティ18内への射出充填等
のためのスクリュー19のノズル部12に向かっての進退、
更にはシリンダ13内の可塑化合成樹脂を所定射出圧力と
するためのスクリュー19に対する所定押圧力の付与等
は、油圧ピストン装置27への圧油の給排により基盤21を
介して行なわれる。
【0015】一方、制御装置24には、ストローク設定器
28に設定されるストローク設定値と基盤21に係合されて
いるスクリュー位置検出器29により実測されるスクリュ
ー位置値との比較結果が比較器30により与えられる。こ
の比較結果にもとづき制御装置24は、所定のプログラム
にしたがって前述の流量制御弁22に対する流量制御およ
び電磁リリーフ弁23に対する圧力値設定制御の制御操作
を行なうことでもってスクリュー19のノズル部12に向か
っての進退および所定押圧力の付与等の制御を行なって
いる。また、スクリュー回転モータ20の回転または停止
の制御も、制御装置24によりスクリュー19の進退等に関
連して行なっている。
【0016】ところで、図1および図2に示されている
ように、金型10は射出成形機本体11のノズル部12に接合
している固定金型31とキャビティ18を形成する中間金型
32および可動金型33とより構成されているとともに、こ
の可動金型33の進退によりキャビティ容積が所望キャビ
ティ容積に収縮・拡大される。この可動金型33は圧縮シ
リンダ34のピストンロッド35に係合されているととも
に、このピストンロッド35は同様に制御装置24により電
磁切換弁36に対する励磁切換制御および電磁リリーフ弁
37に対する圧力値設定制御の制御操作を行なうことでも
って圧油源38から管路39a 、39b を介して圧縮シリンダ
34に給排される圧油を制御することにより、図1におい
て左右に駆動される。言い換えれば、電磁切換弁36のソ
レノイドaが励磁されると、圧縮シリンダ34のピストン
側34a に圧油源38から管路39a を介して圧油が供給され
るとともに、ピストンロッド35側内に供給されている圧
油は管路39b を介してタンクに排出されてピストンロッ
ド35が図1において右方へ駆動され、可動金型33は前進
してキャビティ18のキャビティ容積は収縮される。ま
た、電磁切換弁36のソレノイドbが励磁されると、可動
金型33のピストン側34a内に供給されている圧油は管路3
9a を介してタンクに排出されるとともに、ピストンロ
ッド35側に圧油源38から管路39b を介して圧油が供給さ
れてピストンロッド35が図1において左方へ駆動され、
可動金型33は後退してキャビティ18のキャビティ容積は
拡大される。なお、電磁切換弁36の両ソレノイドa,b の
励磁が断たれている状態においては、圧縮シリンダ34の
ピストン側34a およびピストンロッド35側がともにタン
クに通じるようになる。
【0017】なお、可動金型33の前面側にはリターンピ
ン40が設けられており、このリターンピン40が可動金型
33の前進時に中間金型32に当接することにより可動金型
33の前進を規制してキャビティ18の目的の成形品容積が
確保されるようになっている。また、可動金型33の背後
にはストッパ41が設けられており、このストッパ41に可
動金型33の後退時にその可動金型33が当接することによ
り可動金型33の後退を規制してキャビティ18のキャビテ
ィ容積の更なる拡大を規制している。
【0018】次に、前述されたように構成される射出成
形機1における本発明による射出成形機の射出成形方法
につき、各工程を順次に説明する。 (1) 型閉じ工程 公知の手段により固定金型31に中間金型32、可動金型33
およびストッパー41を一体的に近づけて行き型閉じを行
なう。 (2) キャビティ収縮工程 金型10が閉じられた後に、電磁切換弁36のソレノイドa
を励磁しかつ電磁リリーフ弁37の設定圧力値を設定可能
範囲の最高値に設定制御して、圧油源38から圧縮シリン
ダ34のピストン側34a に最高圧力の圧油を供給する。こ
の供給される圧油により圧縮シリンダ34のピストン側34
a 内の油圧の圧力値は最高値まで上昇してピストンロッ
ド35は図1において右方へ駆動され可動金型33に右方へ
の押圧力を付加し、この押圧力の付加により可動金型33
はリターンピン40が中間金型32に当接するまで前進され
る。こうして、キャビティ18におけるキャビティ容積
は、目的の成形品容積に確保される。
【0019】(3) 射出充填工程 可動金型33のリターンピン40が中間金型32に当接した後
に、可塑化合成樹脂をキャビティ18内へ高速かつ高圧に
て、好ましくは0.1 〜0.8 秒間の短時間で射出充填する
ために電磁リリーフ弁23の設定圧力値を高く設定制御し
て、圧油源25から油圧ピストン装置27に圧油を供給す
る。この供給される圧油によりスクリュー19は図1にお
いて左方へ駆動される押圧力が付加され、ストローク設
定器28に設定されている所定ストローク設定値分だけ前
進される。なお、この所定ストローク設定値分だけの前
進は、流量制御弁22による圧油の流量制御によって行な
われる。こうして、スクリュー19の前進によりシリンダ
13内の目的の成形品に対応する所定樹脂量の溶融可塑化
されている可塑化合成樹脂が目的の成形品容積のキャビ
ティ18内に射出充填される可塑化合成樹脂の平均樹脂圧
力が好ましくは1,000〜1,500kg/cm2 になるように高圧
かつ高速にて射出充填される。次に、シリンダ13内とキ
ャビティ18内との間における可塑化合成樹脂の流れを停
止させるために、キャビティ18内に射出充填されている
可塑化合成樹脂の冷却の進行にともなう図3に示されて
いる指数関数的に低下する樹脂圧力と平衡させて電磁リ
リーフ弁23の設定圧力を低下させ、スクリュー19に付加
される押圧力を低下させて保圧圧力を低下させる。こう
して、保圧圧力を低下させながら、金型10のゲート部17
における可塑化合成樹脂が固化するまで保圧をキャビテ
ィ18内の可塑化合成樹脂に加える。
【0020】(4)型開き工程 キャビティ18内の可塑化合成樹脂の冷却後に、電磁切換
弁36のソレノイドa の励磁を断って圧縮シリンダ34のピ
ストン側34a およびピストンロッド35側をタンクに通じ
させることより圧縮シリンダ34のピストン側34a 内の油
圧を低下させた後に、公知の手段により固定金型31に対
して中間金型32、可動金型33およびストッパ41を離間さ
せて行き金型10を開く。 (5)エジェクト工程 金型10を開いた後に、電磁切換弁36のソレノイドa を励
磁して圧油源38から圧縮シリンダ34のピストン側34a に
圧油を供給し、ピストンロッド35を図1 において右方へ
駆動させて可動金型33を前進させることにより中間金型
32に保持されている成形品を背後から突き出して金型10
から離型させる。次に、電磁切換弁36のソレノイドa の
励磁を断ってソノレイドb を励磁しかつ電磁リリーフ弁
37の設定圧力値を設定可能範囲の最低値に設定制御して
圧油源38から圧縮シリンダ34のピストンロッド35側に圧
油を供給し、ピストンロッド35を図1 において左方へ駆
動させて可動金型33を後退させ、次の成形サイクルに備
える。
【0021】(第2実施例)次に、第1実施例における
射出成形機本体11のノズル部12の流路15に閉止弁が設け
られ場合において、本発明による射出成形機の射出成形
方法につき、各工程を順次に説明する。なお、第1 実施
例において用いている符号と同一符号は同一内容を示す
とともに、重複する説明は省略する。
【0022】まず、図4 において射出成形機本体11のノ
ズル部12の流路15に、シリンダ13内とキャビティ18内と
の間における可塑化合成樹脂の流れを阻止可能な流路開
閉手段としての閉止弁50が設けられている。この閉止弁
50の開閉操作は、閉止弁50に係着している操作レバー51
を駆動する駆動装置52を制御装置24により制御操作する
ことによって行なわれる。
【0023】次に、各工程の説明ではあるが、(1)型閉
じ工程、(2)キャビティ収縮工程、(4)型開き工程および
(5)エジェクト工程は第1実施例の場合と同様であるた
めに、次に(3)射出充填工程のみを説明する。 (3)射出充填工程 可動金型33のリターンピン40が中間金型32に当接した後
において、目的の成形品に対応する所定樹脂量の溶融可
塑化されている可塑化合成樹脂が目的の成形品容積のキ
ャビティ18内に高圧かつ高速にて樹脂圧力が比較的に高
い樹脂圧力になるように射出充填されるまでは第1実施
例と同様である。次に、シリンダ13内とキャビティ18内
との間における可塑化合成樹脂の流れを停止させるため
に、直ちに閉止弁50を閉じて可塑化合成樹脂の流れを阻
止する。
【0024】第1実施例および第2実施例においては、
キャビティ18内に目的の成形品に対応する所定樹脂量の
可塑化合成樹脂を射出充填後に、直ちにシリンダ13内と
キャビティ18内との間における可塑化合成樹脂の流れを
停止させている。言い換えれば、第1実施例においては
冷却の進行にともなう樹脂圧力の低下と平衡させて保圧
圧力を低下させることにより、また第2実施例において
は閉止弁50を閉じることにより可塑化合成樹脂の流れを
停止させている。しかし、可塑化合成樹脂の射出充填の
終わりにキャビティ18内に射出充填されている可塑化合
成樹脂に対して一定保圧圧力を短時間、例えば0〜1.5
秒間、好ましくは0.2 〜0.5 秒間保持させた後に、シリ
ンダ13内とキャビティ18内との間における可塑化合成樹
脂の流れを停止させるようにしても良い。なお、このよ
うに一定保圧圧力を保持する時間が短時間であっても、
本来的にはキャビティ18内の樹脂圧力が比較的に高い樹
脂圧力になるように可塑化合成樹脂が充填されて冷却に
よる収縮が殆んどなく収縮量を考慮する必要がないこと
から、特に正確に所定樹脂量をキャビティ18内に射出充
填し、更にはキャビティ18内の樹脂圧力のバランスをと
り多数個取りの金型10の場合における各キャビティ18内
に充填される樹脂量を均等にする際でも十分な時間であ
る。
【0025】第1実施例および第2実施例においては、
目的の成形品容積のキャビティ18内に所定樹脂量の可塑
化合成樹脂を射出充填させている。しかし、目的の成形
品容積を超えるキャビティ18内に所定樹脂量の可塑化合
成樹脂を射出充填し、次にゲート部17における可塑化合
成樹脂の固化後に可動金型33に押圧力を付加してキャビ
ティ18内に射出充填されているいまだ固化していない可
塑化合成樹脂を目的の成形品容積まで圧縮するのも良
い。このような圧縮は、特に高い寸法精度が要求される
精密部品の成形には特に好適である。なお、第1実施例
および第2実施例において、キャビティ18のキャビティ
容積を目的の成形品容積を超えるように設定するに際し
て、射出成形機1の機構および油圧回路等において当業
者の自明の範囲内において変更する必要があることは言
うまでもない。特に、このような圧縮をキャビティ18内
の可塑化合成樹脂の樹脂圧力分布の均一化後に行なうよ
うにすれば、成形品が光学的なレンズ等のようなもので
ある場合には、一様な屈折率のものを得ることができ
る。なお、キャビティ18内の可塑化合成樹脂の樹脂圧力
分布の均一化は、可塑化合成樹脂の弾性回復応力、更に
は可塑化合成樹脂の冷却による収縮によっても行なわれ
る。
【0026】第1実施例および第2実施例において、可
塑化合成樹脂のキャビティ18内に射出される状態を明ら
かにしなかったが、溶融粘度が高く流動性が低い可塑化
合成樹脂を高速かつ高圧にて射出するためには必然的に
キャビティ18内に粉末状態で射出されるようになる。
【0027】本発明の精神と範囲に反することなしに広
範に異なる実施態様を構成することができることは明白
なことから、本発明は添付請求の範囲において限定した
以外はその特定の実施態様に制約されるものではないこ
とを言明する。
【0028】本発明によれば、溶融粘度が高く流動性が
低い可塑化合成樹脂を成形品の1個取りの金型は勿論、
多数個取りの金型に用いても成形品間に重量あるいは形
状ばらつきが生じることなく、しかも層状剥離が生じな
い優れた品質および外観の成形品が得られる。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、キャビティ内において可塑化合成樹脂が固化し始め
るまでには既に可塑化合成樹脂がキャビティ内に射出充
填され、またその射出充填後においては可塑化合成樹脂
のキャビティ内への流入またはキャビティ内からの流出
は阻止されることから、キャビティ内に射出充填されて
いる可塑化合成樹脂は移動するようなことがなく、キャ
ビティの壁面側から層状に順次に固化するようなことが
なくて層状剥離は生じることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の射出成形機の全体の半図
解式縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大縦断面図である。
【図3】本発明の第1実施例の説明に用いる射出充填さ
れる可塑化合成樹脂の金型キャビティ内の樹脂圧力の時
間変化を示すグラフ図である。
【図4】本発明の第2実施例の射出成形機の全体の半図
解式縦断面図である。
【符号の説明】
1 射出成形機 10 金型 11 射出成形機本体 12 ノズル部 13 シリンダ 14 材料ホッパ 15 流路 16 ランナー部 17 ゲート部 18 キャビティ 19 スクリュー 20 スクリュー回転モータ 21 基盤 22 流量制御弁 23、37 電磁リリーフ弁 24 制御装置 25、38 圧油源 26、39、39a 、39b 管路 27 油圧ピストン装置 28 ストローク設定器 29 スクリュー位置検出器 30 比較器 31 固定金型 32 中間金型 33 可動金型 34 圧縮シリンダ 35 ピストンロッド 36 電磁切換弁 a,b ソレノイド 40 リターンピン 41 ストッパ 50 閉止弁 51 操作レバー 52 駆動装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形機本体のシリンダ内から金型の
    キャビティ内に溶融粘度が高く流動性が低い可塑化合成
    樹脂を射出充填する射出成形機の射出成形方法におい
    て、 前記射出成形機本体のシリンダ内から、前記金型の目的
    の成形品容積の、またはその目的の成形品容積を超える
    キャビティ内に前記可塑化合成樹脂を高速かつ高圧にて
    短時間で射出充填し、この射出充填される可塑化合成樹
    脂が比較的に高い樹脂圧力になるように充填するととも
    に、この射出充填後は前記射出成形機本体のシリンダ内
    と金型のキャビティ内との間における前記可塑化合成樹
    脂の流れを瞬時を含み速やかに停止させる射出充填工程
    を具えることを特徴とする射出成形機の射出成形方法。
  2. 【請求項2】 前記可塑化合成樹脂の流れの瞬時を含む
    速やかな停止は、この可塑化合成樹脂の射出充填の終わ
    りの前記金型のキャビティ内に射出充填されている可塑
    化合成樹脂に対する一定保圧圧力を短時間保持させた後
    における射出充填後において行なわれることを特徴とす
    る請求項1に記載の射出成形機の射出成形方法。
  3. 【請求項3】 前記可塑化合成樹脂の流れの瞬時を含む
    速やかな停止は、前記金型のキャビティ内に射出充填さ
    れている可塑化合成樹脂の樹脂圧力の低下と平衡してそ
    の射出充填されている可塑化合成樹脂に対する保圧圧力
    を低下させることにより行なわれることを特徴とする請
    求項1または2に記載の射出成形機の射出成形方法。
  4. 【請求項4】 前記可塑化合成樹脂の流れの瞬時を含む
    速やかな停止は、前記射出成形機本体のシリンダ内と金
    型のキャビティ内との間の可塑化合成樹脂の流路に設け
    られてそれら射出成形機本体のシリンダ内と金型のキャ
    ビティ内との間における前記可塑化合成樹脂の流れを阻
    止可能な流路開閉手段によりその可塑化合成樹脂の流れ
    を阻止することにより行なわれることを特徴とする請求
    項1または2に記載の射出成形機の射出成形方法。
  5. 【請求項5】 前記金型の目的の成形品容積を超えるキ
    ャビティ内に前記可塑化合成樹脂が射出充填される場合
    には、加えて前記可塑化合成樹脂の流れの瞬時を含む速
    やかな停止後に直ちに、前記金型を構成する可動金型に
    押圧力を付加して前記金型のキャビティ内に射出充填さ
    れている可塑化合成樹脂を目的の成形品容積に至るまで
    圧縮する圧縮工程を具えることを特徴とする請求項1に
    記載の射出成形機の射出成形方法。
  6. 【請求項6】 前記金型の目的の成形品容積を超えるキ
    ャビティ内に前記可塑化合成樹脂が射出充填される場合
    には、加えて前記可塑化合成樹脂の流れの瞬時を含む速
    やかな停止後における前記金型のキャビティ内に射出充
    填されている可塑化合成樹脂の樹脂圧力の分布の均一化
    後に、前記金型を構成する可動金型に押圧力を付加して
    前記金型のキャビティ内に射出充填されている可塑化合
    成樹脂を目的の成形品容積に至るまで圧縮する圧縮工程
    を具えることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機
    の射出成形方法。
  7. 【請求項7】 前記金型のキャビテイ内に射出充填され
    ている可塑化合成樹脂の樹脂圧力分布の均一化は、この
    金型のキャビティ内に射出充填されている可塑化合成樹
    脂の冷却による収縮によって行なわれることを特徴とす
    る請求項6に記載の射出成形機の射出成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11198163A (ja) * 1997-11-17 1999-07-27 Sekisui Chem Co Ltd 難成形樹脂成形品の製造方法、および難成形樹脂成形品、ならびに難成形樹脂成形体製造装置

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JPH11198163A (ja) * 1997-11-17 1999-07-27 Sekisui Chem Co Ltd 難成形樹脂成形品の製造方法、および難成形樹脂成形品、ならびに難成形樹脂成形体製造装置

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