JPH11196884A - トポイソメラーゼ阻害剤 - Google Patents

トポイソメラーゼ阻害剤

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JPH11196884A
JPH11196884A JP10235201A JP23520198A JPH11196884A JP H11196884 A JPH11196884 A JP H11196884A JP 10235201 A JP10235201 A JP 10235201A JP 23520198 A JP23520198 A JP 23520198A JP H11196884 A JPH11196884 A JP H11196884A
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JP
Japan
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topoisomerase
reagent
dna
dti
topo
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JP10235201A
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English (en)
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Masaru Ueda
勝 上田
Keitaro Suzuki
啓太郎 鈴木
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Mercian Corp
Original Assignee
Mercian Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DNAの複製に関係する酵素トポイソメラー
ゼIおよびトポイソメラーゼIIを強く阻害し、DNA鎖
に切断等の障害を引き起こさない新規なトポイソメラー
ゼ阻害剤の提供。 【解決手段】 ストレプトマイセス属に属する微生物が
生産する、以下の理化学的性質を有するトポイソメラー
ゼ阻害剤:(1)外観:白色粉末、(2)溶解性:水に
易溶、酸性水、メタノール、アセトン、クロロホルムに
不溶、(3)分子量:45000、(4)UV吸収スペ
クトル:水に溶解して測定したUV吸収スペクトルは2
24nmに吸収極大を有する。(5)トポイソメラーゼ
阻害活性:トポイソメラーゼIおよびIIのDNA緩和活
性に対し阻害活性を有し、IC50値はそれぞれ0.48
ng/μl、0.17ng/μlである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トポイソメラーゼ
阻害剤に関する。さらに詳しく言えば、放線菌に属する
微生物より抽出され分離精製された、DNAに損傷を与
えない新規トポイソメラーゼ阻害剤、その製造方法、そ
の阻害剤を産生する新規な微生物ストレプトマイセス・
スピーシーズ(Streptomyces sp.)
C−127およびその阻害剤を有効成分とする医薬に関
する。
【0002】
【従来の技術】高等生物は細胞の形態を形づくるのに必
要な細胞増殖の度合いを調節する能力を有しているが、
がん化した細胞ではこの能力に異常な変化がおこってお
り、正常細胞に比べて急速な増殖をするのが特徴と考え
られている。がん細胞では、正常細胞に比べて主に2つ
の異常、すなわち「細胞分裂の制御性の異常」と「がん
細胞の転移」とが存在すると考えられている。正常細胞
の分裂は細胞増殖抑制遺伝子により制御されており、必
要なときにだけ分裂が誘発される。がん細胞は正常細胞
の制御機構から逃れ増殖を繰り返す。つまり、1個のが
ん巣は繰り返し遺伝的な変化を受けた単一細胞から発生
し、分裂を繰り返し無数の同じように変化した異常な細
胞を作り出す。正常細胞は、その個体の全体的な形態を
維持するのに必要なルールに従って、それぞれの構成組
織の中に限定されている。これに対して、がん細胞はそ
れが生じた組織にとどまることなく、増殖しながら他の
組織へ転移していく。このような性質をもつがん細胞に
変化してしまう原因としては、化学物質による遺伝子の
損傷、放射線による遺伝子の損傷、ウイルスによる遺伝
子の変異および先天的な遺伝子の欠損等が挙げられる。
【0003】がんを治療する戦略として、制がん剤を用
いる方法は最も一般的であり、多くの薬剤が研究開発さ
れてきた。中でも増殖細胞に対する抑制機能を指標とし
開発された制がん剤としては、アルキル化剤、抗腫瘍性
抗生物質、植物アルカロイドおよびキレート剤等が知ら
れている。しかし、これらは殆どが遺伝子に作用するも
のであるため、選択毒性が低く、またその効果も必ずし
も満足できるものではない。また、これらの制がん剤は
遺伝子の変異を引き起こすこともあり、二次的ながんを
誘発する可能性も高い等の問題がある。
【0004】一方、がん細胞に関する分子生物学的研究
の進展は、従来明らかでなかった制がん剤の作用機構に
重大な手掛かりを与えている。中でも、エピポドフィロ
トキシン(epipodophyllotoxin)、
m−ΑMSΑ、ドキソルビシン(doxorubici
n)、ストレプトニグリン(streptonigri
n)等の制がん剤は、がん細胞内に多く存在する酵素で
あるトポイソメラーゼ(topoisomerase)
の酵素活性を阻害することで、制がん効果を示すことが
明らかになった(Yamashita,Cancer
Res.,50,5841〜5844(1990)
等)。
【0005】このトポイソメラーゼ(topoisom
erase)は、超らせん型DNΑを一時的な切断と再
結合により弛緩型DNΑに変換する酵素であり、DNΑ
の複製、転写、組み換え等の過程で生じる高次構造のひ
ずみを解消し、DNΑ代謝をスムーズに進行させる機能
を有している。トポイソメラーゼには、超らせん2本鎖
DNΑの1本鎖のみを切断し開環型DNΑとした後、再
結合して弛緩型DNΑとするトポイソメラーゼI(to
poisomerase I)と、2本鎖を同時に切断
し直鎖DNAとした後、再結合して弛緩型DNΑとする
トポイソメラーゼII(topoisomerase I
I)の2種類がある。がん細胞のような増殖の激しい細
胞には、正常細胞に比べてこのトポイソメラーゼが多く
存在することが報告されている(Spitzner,N
ucleic,Acids,Res.,16,5533
〜5556(1988))。従って、トポイソメラーゼ
の酵素活性を阻害する薬剤は、がん細胞の増殖を抑える
有効な制がん剤の一つとなり得る。
【0006】そこで、トポイソメラーゼに作用する制が
ん剤の探索研究が行われ、カンプトテシン(campt
othecin)、テルペンテシン(terpente
cin)、セイントピン(saintopin)、ブル
ガレイン(bulgarein)等、制がん剤の新しい
リード化合物となりうる酵素阻害剤が近年次々に報告さ
れている(Yamashita,Biochemist
ry,30,5838〜5845(1991)等)。し
かし、これらの阻害剤は遊離のトポイソメラーゼに結合
して阻害するのではなく、酵素と切断されたDNΑから
なるトポイソメラーゼ−DNΑ切断複合体(cleav
able complex)に結合してトポイソメラー
ゼの酵素活性を阻害するものであり、そのため、DNΑ
に切れ目や切断等の障害を引き起こし強い毒性を示す。
従って、制がん剤としては、トポイソメラーゼに直接作
用しDNΑには障害を残さない阻害剤、つまり副作用の
少ない薬剤が要求されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、直接トポイ
ソメラーゼに作用しDNΑに障害を残さない酵素阻害剤
およびその酵素阻害剤を含有しがん等の治療に有効な医
薬を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、指標酵素としてトポイソメラーゼII
(topoisomerase II)を用い、直接トポ
イソメラーゼに作用しDNΑには障害を残さないトポイ
ソメラーゼ阻害剤の探索を行ったところ、新たに分離し
たストレプトマイセス(Streptomyces)属
に属する微生物が培養液中にトポイソメラーゼ酵素活性
を阻害する物質を生産していることを見出した。その培
養液からトポイソメラーゼ阻害活性を有する物質を分離
精製し、その理化学的性質を調べたところ、その阻害物
質は分子量約45000の文献未載の新規物質であり、
さらに、トポイソメラーゼI(topoisomera
seI)およびトポイソメラーゼII(topoisom
erase II)に直接作用して阻害効果を示し、DN
Αに損傷を与えないことを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、下記の理化学的性質
を有するトポイソメラーゼ阻害剤を提供するものであ
る。 (1)外観:白色粉末 (2)溶解性:水に易溶、酸性水、メタノール、アセト
ン、クロロホルムに不溶。 (3)分子量:45000 (4)UV吸収スペクトル:水に溶解して測定したUV
吸収スペクトルは224nmに吸収極大を有する。
【0010】(5)呈色反応:硫酸試薬、ブロムクレゾ
ールグリーン(bromcresolgreen)試
薬、ニンヒドリン(ninhydrin)試薬、ライド
ン−スミス(Rydone−Smith)試薬およびア
ズレA(Azure A)試薬による呈色反応は陽性で
あり、モーリッシュ(Molisch)試薬、フェノー
ル硫酸試薬、アニスアルデヒド(anisaldehy
de)試薬、エルソン−モルガン(Elson−Mor
gan)試薬、エーリッヒ(Ehrlich)試薬およ
びジットマー(Dittmer)試薬による呈色反応は
陰性である。 (6)トポイソメラーゼ阻害活性:トポイソメラーゼI
およびIIのDNA弛緩活性に対し阻害活性を有し、IC
50値はそれぞれ0.48ng/μl、0.17ng/μ
lである。 (7)熱安定性:100℃において15分間加熱したと
き、トポイソメラーゼ阻害活性は100%残存する。
【0011】なお、本発明者らは、本トポイソメラーゼ
阻害剤をC127−DTIと命名した。以降、その名称
を使用して説明することがある。
【0012】さらに本発明は、ストレプトマイセス属に
属する微生物を培養し、培養物からC127−DTIを
採取するトポイソメラーゼ阻害剤C127−DTIの製
造方法を提供するものである。本発明において使用され
る微生物は、ストレプトマイセス属に属し、本発明のト
ポイソメラーゼ阻害剤C127−DTIを産生する能力
を有する微生物であれば、どのようなものでも使用でき
るが、代表例として本発明者らが熊本市郊外の土壌より
分離した、ストレプトマイセス・スピーシーズ(Str
eptomyces sp.) C−127株を挙げる
ことができる。
【0013】以下、C−127株の菌学的性状を説明す
る。 1.形態的性質 よく分枝した基生菌糸よりラセン状ないしはフック状の
気中菌糸を伸長する。成熟した気中菌糸の先に10〜5
0個の楕円〜円筒形の胞子からなる胞子鎖を形成する。
胞子のうは認められない。胞子の大きさは0.7〜1.
0×1.0〜1.5μmであり、鞭毛は認められない。
【0014】2.各種培地における生育状態 培養は全て28℃で行った。結果を表1に示す。
【0015】
【表1】 表1.C−127株の各種培地における生育状態 ──────────────────────────────────── 培 地 生育状態 気中菌糸 コロニー 溶解性色素 とその色調 の裏面 ──────────────────────────────────── イースト・麦芽 良好 良好 暗灰褐色 褐色 寒天培地(ISP2) 灰褐色 ──────────────────────────────────── オートミール 良好 良好 赤味がかった 赤味がかった 寒天培地(ISP3) 灰褐色 灰褐色 灰褐色 ──────────────────────────────────── シュークロース・硝酸塩 良好 良好 緑灰色 なし 寒天培地(Czapek's soln.) 灰白色 ──────────────────────────────────── スターチ・無機塩 良好 良好 茶色 なし 寒天培地(ISP4) 灰褐色 ──────────────────────────────────── グリセリン・アスパラギン 良好 良好 黒褐色 黒褐色 寒天培地(ISP5) 淡灰褐色 ──────────────────────────────────── ペプトン・酵母エキス 普通 なし なし 暗褐色 鉄寒天培地(ISP6) ──────────────────────────────────── チロシン寒天培地 良好 良好 黒褐色 濃褐色 (ISP7) 灰褐色 ──────────────────────────────────── 栄養寒天培地 普通 なし なし なし ──────────────────────────────────── (表中 ISPは、International Streptomyces Projectの略である。)
【0016】3.生理学的性質 (1)生育温度範囲 MGA寒天培地(pH7)において、20〜37℃で生
育が認められた。 (2)メラニン様色素の生成 ワックスマンのメラニン生成用寒天培地(pH7)を用
い、28℃で培養したところ、メラニン様色素の生成が
認められた。 (3)ゼラチンの液化 ゼラチン培地(pH7)を用い、28℃で14日間培養
したがゼラチンの液化は認められない。 (4)脱脂牛乳の凝固・ペプトン化 培地として脱脂牛乳を用い、28℃で14日間培養し
た。ペプトン化は認められたが、凝固は認められなかっ
た。
【0017】(5)スターチの加水分解 スターチ・無機塩寒天培地(pH7)を用い、28℃で
培養したところ、顕著な水解性が認められた。 (6)セルロースの分解 濾紙片添加ツアぺック培地を用い、28℃で14日間培
養したところ、わずかに分解が認められた。 (7)各種炭素源の利用性 プリドハム・ゴトリープ寒天培地(ISP9)に各種炭
素源を加え、28℃における生育をみた。結果を表2に
示す。
【0018】
【表2】 + 利用する ± わずかに利用する − 利用しない
【0019】以上の菌学的性質から本微生物は、ストレ
プトマイセス(Streptomyces)属に属する
ことは明確であるので、本発明者らは本微生物をストレ
プトマイセス・スピーシーズ(Streptomyce
s sp.) C−127と命名し、平成9年11月1
0日付で、工業技術院生命工学工業技術研究所にFER
M P−16509の番号で寄託した。その後、さらに
菌学的性状を調べたところ、気菌糸の色調が灰色(gr
ay:Gy)であること、気菌糸の形状がらせん状(s
piral:S)であること、メラニン色素を生成(c
hromogenicity:C+)すること、および
電子顕微鏡観察による胞子表面の形状が滑らか(smo
oth:SM)であることから[Gy;S;C+;S
M]に分類されることが明らかになった。従って、本微
生物をストレプトマイセス・アベルミティリス(Str
eptomyces avermitilis)に属す
る菌株と同定した。
【0020】本発明のトポイソメラーゼ阻害剤C127
−DTIは、上記微生物を栄養培地に接種し、好気的に
培養することにより製造される。上記微生物の培養方法
は、原則的には一般の微生物の培養方法に準ずるが、通
常は液体培養による振とう培養、通気撹拌培養などの好
気的条件下で行うのが好適である。
【0021】培養に用いられる培地としてはストレプト
マイセス(Streptomyces)属に属する微生
物が利用できる栄養源を含有する培地であればよく、各
種の合成培地、半合成培地、天然培地などいずれも用い
ることができる。培地組成としては炭素源としてのグル
コース、シュークロース、フルクトース、グリセリン、
デキストリン、スターチ、糖蜜などを単独または組合わ
せて用いることができる。
【0022】窒素源としてはファーマメディア、ペプト
ン、肉エキス、大豆粉、カゼイン、アミノ酸、酵母エキ
ス、尿素などの有機窒素源、硝酸ナトリウム、硫酸アン
モニウムなどの無機窒素源を、単独または組合わせて用
いることができる。その他、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム、リン酸ナト
リウム、リン酸カリウム、塩化コバルトなどの塩類、ビ
タミンB、ビオチンなどのビタミン類も必要に応じて添
加することができる。なお、培養中に発泡が著しいとき
は公知の各種消泡剤を適宜培地中に添加することもでき
る。
【0023】培養条件は、上記微生物が良好に生育して
C127−DTIを良好に生産しうる範囲内で適宜選択
すればよい。例えば、培地のpHは、7〜7.6程度と
することが好ましい。培養温度は、微生物が良好に生育
する温度、通常20〜37℃、好ましくは28℃に保つ
のがよい。培養時間は5〜8日間程度でよく、好ましく
は6〜7日間である。もちろん上述した各種の培養条件
は、使用する微生物の種類や特性、外部条件などに応じ
て適宜変更でき、またそれに応じて上記範囲から最適条
件を選択、調整できる。
【0024】先に述べたとおり、本発明のトポイソメラ
ーゼ阻害剤C127−DTIは、トポイソメラーゼIお
よびIIに対して阻害作用を示すので、後述するトポイソ
メラーゼ阻害活性測定法により培養液中の蓄積量を定量
することができる。
【0025】C127−DTIは、上記培養液の液体部
分に蓄積されるので分離精製にあたっては、まず濾過、
遠心分離などの一般的固液分離手段を用いて菌体を除去
し、上澄液を得る。次に酸による沈殿、酢酸エチル、n
−ブタノール等を用いた溶媒抽出やダウエックス50W
×2(ダウケミカル社製)、アンバーライトIR−12
0B(オルガノ社製)、ダイヤイオンPK208(三菱
化学社製)などの強酸性イオン交換樹脂、セルロース、
活性炭などの担体を用いるカラムクロマトグラフィー、
さらにセファデックスG−75、セファデックスG−1
00(ファルマシア社製)などのゲル濾過などの各種精
製手段を単独または適宜組合わせて、場合によっては反
復使用することにより分離精製することができる。
【0026】以上のようにして得られるトポイソメラー
ゼ阻害剤C127−DTIは、以下に示す理化学的性質
を示す。 (1)外観:白色粉末 (2)溶解性:水に易溶、酸性水、メタノール、アセト
ン、クロロホルムに不溶。 (3)分子量:セファデックスG−75を用いたゲル濾
過法により測定された結果は図1に示すとおりであり、
分子量は45000である。 (条件)カラムサイズ:φ1.8×85cm、流速:1
0ml/hr、溶離液:0.1M KClを0.02M
Tris−HCl(pH8.0)、マーカー:チトク
ロームC、アルカリ性プロテアーゼインヒビター、卵ア
ルブミン、牛血清アルブミン (4)UV吸収スペクトル:0.02mg/mlの濃度
となるよう水に溶解して測定したUV吸収スペクトル
は、図2に示すとおりであり、224nmに吸収極大を
有する。
【0027】(5)呈色反応:硫酸試薬、ブロムクレゾ
ールグリーン(bromcresolgreen)試
薬、ニンヒドリン(ninhydrin)試薬、ライド
ン−スミス(Rydone−Smith)試薬およびア
ズレA(Azure A)試薬による呈色反応は陽性で
あり、モーリッシュ(Molisch)試薬、フェノー
ル硫酸試薬、アニスアルデヒド(anisaldehy
de)試薬、エルソン−モルガン(Elson−Mor
gan)試薬、エーリッヒ(Ehrlich)試薬およ
びジットマー(Dittmer)試薬による呈色反応は
陰性である。 (6)トポイソメラーゼI阻害活性:後述する実施例に
示すとおり、トポイソメラーゼIのDNA弛緩(rel
axation)活性に対するIC50値は0.48ng
/μlである。阻害形式は非拮抗阻害であり、Ki値
は、3.7nMである。
【0028】(7)トポイソメラーゼII阻害活性:後述
する実施例に示すとおり、トポイソメラーゼIIのDNA
弛緩(relaxation)活性に対するIC50値は
0.17ng/μlである。阻害形式は非拮抗阻害であ
り、Ki値は、1.3nMである。またトポイソメラー
ゼIIのDNA相互通り抜け(decatenatio
n)活性に対するIC50値はそれぞれ0.09ng/μ
lである。阻害形式は非拮抗阻害であり、Ki値は、
3.0nMである。 (8)熱安定性:100℃において15分間加熱したと
き、トポイソメラーゼIに対する阻害活性は、100%
残存する。 (9)核酸関連酵素に対する阻害活性:表3に示すとお
り、多くの制限酵素に対して阻害活性を示す。
【0029】
【表3】表3.核酸関連酵素に対するC127−DTI
の阻害活性 ───────────────────────── 酵 素 IC50(ng/μl) ───────────────────────── Eco RI 0.09 Bam HI 0.40 Pst I 0.16 Sca I 0.06 Hind III 0.16 Alu I 0.16 RNase A >20.0 DNase I >20.0 DNase II >20.0 T4 ligase >20.0 ─────────────────────────
【0030】(10)DNA切断複合体の形成:後述す
る実施例に示すとおり、DNA切断複合体を形成しな
い。 (11)DNAへのインターカレート作用:後述する実
施例に示すとおり、DNAへインターカレートしない。
【0031】以上、記したとおり本発明のトポイソメラ
ーゼ阻害剤C127−DTIは、直接トポイソメラーゼ
に強く作用し、DNAへの作用が少ない阻害剤であり、
DNAに障害を与えないことから副作用の少ない薬剤、
特に制がん剤となることが期待される。
【0032】がん細胞は、正常細胞に比べ急速な増殖を
するのが特徴と考えられている。制がん剤は、この特徴
を利用して増殖性の細胞に対し毒性を持つ薬剤を用いる
化学療法である。本発明の阻害剤は、がん細胞の核酸合
成を抑制する制がん剤として、肉腫、白血病、リンパ腫
およびがん腫などの悪性腫瘍(がん)等の治療のために
用いることができる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものでは
ない。
【0034】実施例1:C127−DTIの製造 ストレプトマイセス・スピーシーズ(Streptom
yces sp.)C−127(FERM P−165
09)を種母培地(グルコース2%、スターチ3%、ペ
プトン0.5%、コーン・スティープ・リカー1%、大
豆粉1%、塩化ナトリウム0.3%、炭酸カルシウム
0.5%、加熱滅菌前にpH7.0に調整)50mlを
含む200ml容フラスコに接種し、28℃で2日間ロ
ータリーシェーカー(180rpm)上で培養し、種母
を得た。
【0035】次に種母培地と同組成の培地50mlを含
む200ml容フラスコ20本に種母を4%添加し、2
8℃で6日間ロータリーシェーカー(180rpm)上
で培養した。培養終了後、培養液を集め濾過により菌体
を除き、濾液1000mlを得た。これに塩酸を加え、
pH3に調整し、5℃にて3時間靜置した。生成した沈
殿を遠心分離(6000rpm、15分)して集め、
0.2N水酸化ナトリウムに溶解させ、精製水に対して
一晩透析し、粗精製液を得た。
【0036】これを精製水で平衡化した陽イオン交換樹
脂ダウエックス50W×2(ダウケミカル社製)カラム
(φ3.0×20cm)に付し、吸着させた後、精製水
で洗浄し、さらに0.1N水酸化ナトリウムにて溶出さ
せた。溶出液をエバポレーターにて濃縮乾固し、さらに
これを水酸化ナトリウム水溶液に溶解させ、等量のn−
ブタノールと振り混ぜ、脂溶性物質を除去した。C12
7−DTIが含まれる水相部を濃縮して活性画分Iを得
た。
【0037】その後、塩酸酸性水(pH3.0)で平衡
化した活性炭カラム(和光純薬社製、φ2.6×20c
m)に活性画分Iを流し、C127−DTIが含まれる
通過液をエバポレーターにて濃縮し、活性画分IIを得
た。次に0.05M KClを含む水酸化ナトリウム水
溶液(pH12)で平衡化したセファデックスG−75
カラム(ファルマシア社製、φ1.8×90cm)に活
性画分IIを付し、0.05M KClを含む水酸化ナト
リウム水溶液(pH12)で溶出した。C127−DT
Iが含まれる画分を集め、エバポレーターで濃縮し、活
性画分IIIを得た。
【0038】さらに精製水で平衡化したセファデックス
G−100カラム(ファルマシア社製、φ1.8×90
cm)に活性画分IIIを付し、精製水で展開した。C1
27−DTIが含まれる画分を集め、エバポレーターで
濃縮し、活性画分IVとした。次に1%酢酸を含む20
%メタノール水溶液で平衡化したセルロースカラム(メ
ルク社製、φ1.8×16cm)に活性画分IVを付
し、1%酢酸含有20%メタノール水溶液で溶出した。
C127−DTIを含有する画分を集め、精製水に対し
て一晩室温にて透析し、さらに凍結乾燥してC127−
DTIの精製品4mgを得た。以上述べた精製工程の結
果を表4にまとめて示す。
【0039】
【表4】 ──────────────────────────────────── 精製工程 容量 阻害活性 総阻害活性 収率 比活性 精製比率 (ml) (U/μl) (U×10-3) (%) (U/OD210) ──────────────────────────────────── 培養濾液 1000 13 13000 100 0.3 1.0 粗精製液 100 45 4500 35 0.4 1.2 活性画分I 50 92 4600 35 0.7 2.2 活性画分II 8 525 4200 32 1.5 4.6 活性画分III 4 920 3680 28 3.4 10.3 活性画分IV 2 478 956 7 14.5 43.9 C127-DTI 1 420 420 3 55.3 167.5 ────────────────────────────────────
【0040】なお、阻害活性は、トポイソメラーゼIの
活性を50%阻害する量を1unitと定めた。
【0041】実施例2:トポイソメラーゼI阻害活性測
定 トポイソメラーゼIは、二重鎖DNAに切断を導入する
ことにより超らせんを弛緩する活性を有しているので、
トポイソメラーゼIによるDNA弛緩(relaxat
ion)活性の減少を測定して、C127−DTIの阻
害活性を算出した。96穴プレートに2倍濃度のトポイ
ソメラーゼI活性測定用緩衝液(2×TopoI as
say buffer;100mM Tris−ΗCl
緩衝液(pΗ7.5)、240mM KCl、20mM
MgCl2、1mM EDTA、1mMジチオスレイ
トール、60μg/ml 牛血清アルブミン(BS
A))10μl、C127−DTI試料溶液8.3μ
l、子牛胸腺由来のトポイソメラーゼI(2unit/
μl)0.5μlを添加後、37℃で5分間プレインキ
ュベーションする。次に、基質DNΑであるpBR32
2(0.125μg/μl)1.2μlを添加し、37
℃、40分間反応させる。反応後、電気泳動試料用緩衝
液(2倍濃度のTBE緩衝液(200mM Tris、
200mMホウ酸、5mM EDTA)、10%ブロム
フェノールブルー、50%グリシン)10μlを添加
し、その反応液12μlをアガロースゲル電気泳動に用
いた。
【0042】電気泳動は、次のようにして行った。アガ
ロース0.3gにTBE緩衝液30mlを加え、加熱溶
解する。電気泳動用プレートにアガロース液を流し入
れ、固化後、アガロースゲルの溝に試料溶液を添加し、
100V、1時間、TBE緩衝液中で電気泳動を行う。
泳動後、ゲルをエチジウムブロマイド溶液(50μg/
ml)200mlで1分間染色し、次に水500mlで
5分、10分および10分間隔で3回脱色する。泳動お
よび染色後、pBR322の弛緩DNA(relaxe
d DNA)のバンドと超らせんDNΑ(superc
oiled DNA)のバンドとは移動度の違いにより
別バンドとして現れるので、各バンドをUVトランスイ
ルミネーター(TM36(商品名、フナコシ(株))と
デンシトメーター(AE−6900M(商品名、アトー
(株)))で測定し、反応前後における各DNA量の変
化を求める。すなわち、C127−DTIによってトポ
イソメラーゼIが阻害されるために現れる未反応のpB
R322のバンド(超らせんDNΑ量)から、トポイソ
メラーゼIのDNA弛緩(relaxation)活性
の減少を求め、阻害活性を算出した。
【0043】C127−DTIの濃度変化に伴う、トポ
イソメラーゼIに対する阻害活性を図3に示す(○)。
図3中の横軸は反応系中の阻害剤の濃度(試料溶液中n
g/μl)、縦軸はトポイソメラーゼIに対する阻害活
性(%)を表わす。この阻害活性は、トポイソメラーゼ
IによるDNA弛緩(relaxation)活性の減
少を指標としている。図3から明らかなように、C12
7−DTIはトポイソメラーゼIのDNA弛緩活性を阻
害し、IC50値は0.48ng/μlであった。
【0044】また上記のトポイソメラーゼI阻害活性測
定法においてC127−DTI濃度を0.53ng/μ
lに固定し、基質DNAであるpBR322の濃度を変
化させて活性を測定した。これをLineweaver
−Burkプロットにしたものを図4に示す。図4から
明らかなようにC127−DTIの阻害形式は、非拮抗
阻害であり、Ki値は3.7nMである。
【0045】実施例3:トポイソメラーゼII阻害活性測
定(1) トポイソメラーゼIIによるDNA弛緩(relaxat
ion)活性が、C127−DTIによって減少する程
度を測定し、C127−DTIの阻害活性を算出した。
阻害活性の測定は以下のようにして行った。DNA弛緩
活性の阻害を測定するための反応混合液は、96穴プレ
ートに2倍濃度のトポイソメラーゼII活性測定用緩衝液
(2×Topo II assay buffer(商品
名、トポゲン(TopoGen)社);10mM Tr
is−HCl,pΗ8.0、24mM KCl、2mM
ΜgCl2、0.1mM ATP、0.1mΜ ジチ
オスレイトール、6μg/ml BSΑ)10μl、C
127−DTI試料溶液8.3μl、ヒト胎盤由来のト
ポイソメラーゼII(2unit/μl)0.5μlおよ
びpBR322(0.125μg/μl)1.2μlを
添加後、37℃で40分間反応させたものである。
【0046】反応後、前記の電気泳動試料用緩衝液4μ
lを添加し、その12μlをアガロースゲル電気泳動に
用いた。泳動後、pBR322の超らせんDNΑ(su
percoiled DNA)量の変化をデンシトメー
ターで測定し、DNA弛緩(relaxation)活
性の減少から、C127−DTIの阻害活性を求めた。
【0047】C127−DTIの濃度変化に伴う、トポ
イソメラーゼIIのDNA弛緩(relaxation)
活性に対する阻害活性を図3に示す(●)。図3中の横
軸は反応系中のC127−DTIの濃度(試料溶液中n
g/μl)、縦軸はトポイソメラーゼIIのDNA弛緩
(relaxation)活性に対する阻害活性(%)
を表わす。図3から明らかなように、C127−DTI
はトポイソメラーゼIIのDNA弛緩活性を阻害し、その
IC50値は0.17ng/μlであった。
【0048】また上記のトポイソメラーゼIIのDNA弛
緩(relaxation)活性に対する阻害活性測定
法において、C127−DTI濃度を0.20ng/μ
lに固定し、基質DNAであるpBR322の濃度を変
化させて活性を測定した。これをLineweaver
−Burkプロットにしたものを図5に示す。図5から
明らかなようにC127−DTIの阻害形式は、非拮抗
阻害であり、Ki値は1.3nMである。
【0049】実施例4:トポイソメラーゼII阻害活性測
定(2) トポイソメラーゼIIによるDNA相互通り抜け反応(d
ecatenation)活性が、C127−DTIに
よって減少する程度を測定し、C127−DTIの阻害
活性を算出した。阻害活性の測定は以下のようにして行
った。DNA弛緩活性の阻害を測定するための反応混合
液は、96穴プレートに2倍濃度のトポイソメラーゼII
活性測定用緩衝液(2×Topo II assay b
uffer(商品名、トポゲン(TopoGen)
社);10mM Tris−HCl,pΗ8.0、24
mM KCl、2mM ΜgCl2、0.1mM AT
P、0.1mΜ ジチオスレイトール、6μg/ml
BSΑ)10μl、C127−DTI試料溶液4.5μ
l、ヒト胎盤由来のトポイソメラーゼII(2unit/
μl)0.5μlおよびKinetoplast DN
A(0.065μg/μl)5.0μlを添加後、37
℃で40分間反応させたものである。
【0050】反応後、前記の電気泳動試料用緩衝液4μ
lを添加し、反応液中12μlをアガロースゲル電気泳
動に用いた。泳動後、Kinetoplast DNA
の相互通り抜けしたDNA(decatenated
DNA)量の変化をデンシトメーターで測定し、DNA
相互通り抜け反応活性の減少から、C127−DTIの
阻害活性を求めた。その結果、C127−DTIは、ト
ポイソメラーゼIIによるDNA相互通り抜け反応(de
catenation)活性を阻害し、そのIC50値は
0.09ng/μlであった。
【0051】また上記のトポイソメラーゼIIのDNA相
互通り抜け反応(decatenation)活性に対
する阻害活性測定法において、C127−DTI濃度を
0.11ng/μlに固定し、基質DNAであるkin
etoplast DNAの濃度を変化させて活性を測
定した。これをLineweaver−Burkプロッ
トにしたものを図6に示す。図6から明らかなようにC
127−DTIの阻害形式は、非拮抗阻害であり、Ki
値は3.0nMである。
【0052】実施例4:C127−DTIとDNAの相
互作用 公知のトポイソメラーゼ阻害剤であるカンプトテシンは
トポイソメラーゼ−DNΑ複合体に結合して切断複合体
を形成することが報告されており(Yamashit
a,Biochcmistry,30,5838〜58
45(1991))、この性質のためにDNAに損傷を
与える。そこで、本発明による阻害剤であるC127−
DTIのDNAに対する影響を調べた。
【0053】(1)DNA切断複合体の形成図7にC1
27−DTIおよびカンプトテシンの濃度に対する、こ
れらの阻害剤によって生成したニックの入ったDNA
(nicked DNΑ)の量(%)を示す。図7より
明らかなように、カンプトテシンは前記したようにトポ
イソメラーゼI−DNΑ複合体に結合して切断複合体を
形成するため、該阻害剤を添加したもの(図中○)で
は、ニックの入ったDNA量の増加が認められた。一
方、C127−DTIを添加したもの(図中●)では、
ニックの入ったDNA量の増加が認められなかったこと
から、C127−DTIはDNA切断複合体を形成せ
ず、遊離のトポイソメラーゼIに直接結合して酵素活性
を阻害すると考えられる。
【0054】なお、測定は、以下のようにして行った。
エッペンドルフチューブに、2倍濃度のトポイソメラー
ゼI活性測定用緩衝液(2×TopoI assay
buffer)10μl、pBR322(0.1μg/
μl)1.7μl、試料溶液7.5μl、トポイソメラ
ーゼI(25unit/μl)0.8μlを加え、37
℃にて40分間反応させた。次に反応停止液(5%SD
S、2.5mg/mlプロテイナーゼK)5μlを添加
し、再度37℃にて40分間処理した。その後、電気泳
動試料用緩衝液(2倍濃度のTBE緩衝液(200mM
Tris、200mMホウ酸、5mM EDTA)、
10%ブロムフェノールブルー、50%グリシン)10
μlを添加し、その反応液20μlををエチジウムブロ
マイド0.5μg/mlを含むアガロースゲルを用いて
電気泳動を行い、ニックの入ったpBR322量をデン
シトメーターで測定した。
【0055】(2)インターカレート作用 C127−DTIのインターカレート作用について調べ
るため、インターカレート作用を有する蛍光剤であるエ
チジウムブロマイド(Ethidium bromid
e)を用い、該阻害剤と拮抗阻害させて調べた(堀口ら
の方法に準じて行った。Horiguchi,J.An
tibiotics,47,545〜555(199
4))。すなわち、ニシン精子DNA6.6μg、10
mMエチジウムブロマイド、100mM NaCl、1
mM EDTAを含む50mM Tris−HCl(p
H7.5)緩衝液100μlに阻害剤溶液100μlを
混合した後、575nmにおける蛍光強度を測定した。
なお、ドキソルビシンについては300nm、C127
−DTIおよびカンプトテシンについては545nmの
励起光をそれぞれ用いた。
【0056】図8に、C127−DTI、カンプトテシ
ンおよびドキソルビシンのエチジウムブロマイドとの拮
抗阻害活性について調べた結果を示す。図8の横軸は図
7と同様であり、縦軸はコントロールに対するエチジウ
ムブロマイドの蛍光強度(%)を示す。図8から明らか
なように、DNΑにインターカレートすることが知られ
ているドキソルビシン(図中□)では、エチジウムブロ
マイドの蛍光強度の減少が認められ、DNAに本剤がイ
ンターカレートすることが確認された。一方、C127
−DTI(図中●)およびカンプトテシン(図中○)で
は、エチジウムブロマイドの蛍光強度の減少が認められ
ず、C127−DTIはDNAにインターカレートしな
いことが明らかとなった。
【0057】
【発明の効果】本発明の酵素阻害剤であるC127−D
TIは、トポイソメラーゼIおよびIIを強く阻害し、そ
の阻害形式は非拮抗阻害である。現在制がん剤として用
いられているカンプトテシンおよびドキソルビシンとは
異なり、DNA鎖に切断等の障害を全く引き起こさない
ので、副作用の少ない新しい制がん剤として期待され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ゲル濾過法によるC127−DTIの分子量
を示すグラフである。
【図2】 C127−DTIのUV吸収スペクトルであ
る。
【図3】 トポイソメラーゼIおよびトポイソメラーゼ
IIのDNA弛緩活性に対するC127−DTIの阻害活
性を示すグラフである。
【図4】 C127−DTIのトポイソメラーゼIのD
NA弛緩活性に対する阻害形式を示すLineweav
er−Burkプロットである。
【図5】 C127−DTIのトポイソメラーゼIIのD
NA弛緩活性に対する阻害形式を示すLineweav
er−Burkプロットである。
【図6】 C127−DTIのトポイソメラーゼIIのD
NA相互通り抜け反応活性に対する阻害形式を示すLi
neweaver−Burkプロットである。
【図7】 C127−DTIおよびカンプトテシンによ
る、酵素−DNAの切断複合体の形成度を示すグラフで
ある。
【図8】 C127−DTI、カンプトテシンおよびド
キソルビシンとDNAとの結合に対するエチジウムブロ
マイドの拮抗阻害を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の理化学的性質を有するトポイソメ
    ラーゼ阻害剤; (1)外観:白色粉末 (2)溶解性:水に易溶、酸性水、メタノール、アセト
    ン、クロロホルムに不溶。 (3)分子量:45000 (4)UV吸収スペクトル:水に溶解して測定したUV
    吸収スペクトルは224nmに吸収極大を有する。 (5)呈色反応:硫酸試薬、ブロムクレゾールグリーン
    (bromcresolgreen)試薬、ニンヒドリ
    ン(ninhydrin)試薬、ライドン−スミス(R
    ydone−Smith)試薬およびアズレA(Azu
    re A)試薬による呈色反応は陽性であり、モーリッ
    シュ(Molisch)試薬、フェノール硫酸試薬、ア
    ニスアルデヒド(anisaldehyde)試薬、エ
    ルソン−モルガン(Elson−Morgan)試薬、
    エーリッヒ(Ehrlich)試薬およびジットマー
    (Dittmer)試薬による呈色反応は陰性である。 (6)トポイソメラーゼ阻害活性:トポイソメラーゼI
    およびIIのDNA弛緩活性に対し阻害活性を有し、IC
    50値はそれぞれ0.48ng/μl、0.17ng/μ
    lである。 (7)熱安定性:100℃において15分間加熱したと
    き、トポイソメラーゼ阻害活性は100%残存する。
  2. 【請求項2】 ストレプトマイセス属に属する微生物を
    培養し、培養物から請求項1に記載のトポイソメラーゼ
    阻害剤を採取することを特徴とする請求項1記載のトポ
    イソメラーゼ阻害剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のトポイソメラーゼ阻害剤
    を生産する能力を有する微生物、ストレプトマイセス・
    スピーシーズ(Streptomycessp.) C
    −127(FERM P−16509)。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のトポイソメラーゼ阻害
    剤を有効成分とする医薬。
JP10235201A 1997-11-12 1998-08-21 トポイソメラーゼ阻害剤 Pending JPH11196884A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001010857A1 (fr) * 1999-08-04 2001-02-15 Institute Of Biotechnology Applied To Soil Eumycetes Composes possedant des actions antitumorale, antivirale et antibacterienne

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WO2001010857A1 (fr) * 1999-08-04 2001-02-15 Institute Of Biotechnology Applied To Soil Eumycetes Composes possedant des actions antitumorale, antivirale et antibacterienne

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