JPH11196815A - 魚醤油の製造方法 - Google Patents

魚醤油の製造方法

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JPH11196815A
JPH11196815A JP10013539A JP1353998A JPH11196815A JP H11196815 A JPH11196815 A JP H11196815A JP 10013539 A JP10013539 A JP 10013539A JP 1353998 A JP1353998 A JP 1353998A JP H11196815 A JPH11196815 A JP H11196815A
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JP
Japan
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soy sauce
fish soy
fish
exchange membrane
chambers
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JP10013539A
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English (en)
Inventor
Makoto Okayasu
誠 岡安
Mikio Uehara
三喜夫 上原
Tadanobu Nakadai
忠信 中台
Katsuhiro Ogiso
勝啓 小木曽
Toshio Furukawa
俊夫 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】魚醤油の特徴的な香気を損なわずに不快な臭気
を除去する。 【解決手段】魚醤油をイオン交換膜を用いて電気透析処
理をおこなう。陽イオンのみを通す陽イオン交換膜と陰
イオンのみを通す陰イオン交換膜を交互に組み合わせ
て、一室おきに脱塩室及び濃縮室を作り、被脱塩液と濃
縮液を所定の室に導いて直流電流を通じ、イオン除去と
脱塩を同時におこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は香気の改良された魚
醤油の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】魚醤油は、欧州では「アンチョビ−ソ−
ス」として、東南アジアでは「ニョクマム」「ナムプ
ラ」「パティス」などがあり、日本でも「しょっつる」
「いしり」などが知られている。特に、これらの魚醤油
は東南アジアでは、この地域の人々の食生活に重要な地
位を占めている。これらの製造方法、特に最も生産量の
多い「ニョクマム」は、多少地域により異なるが、通
常、仕込み容器にアカジ、カタクチイワシ、ニシン等の
小型の魚類を食塩などとともに堆積して仕込み、最上部
を食塩でおおい、重しをのせて1〜数年熟成させる方法
である。
【0003】このようにして得られる魚醤油は、魚介類
の蛋白質から生成されたグルタミン酸などのアミノ酸を
豊富に含み、複雑で伸びのある濃厚な旨味をもつ調味料
であるが、魚介類特有な生臭さや熟成時の腐敗細菌の繁
殖などによる腐敗臭、また魚油に由来する不飽和脂肪酸
の酸化生成物によると考えられる臭気などを含んだ不快
臭気を有している。このため、わが国では隠し味として
使われることが多く、大豆、小麦等の穀類などを原料と
した通常の醤油のようには用いられていない。
【0004】しかしながら、近年、日本でも東南アジア
諸国の料理がエスニック料理と呼ばれ、一つの流行とな
ってきている。このようなことから、上記した不快な臭
気は除去されているが、魚醤油の特徴的な香気や旨味を
有している調味料の開発が業界の課題となっている。こ
の不快な臭気の除去および改良方法としては、魚醤油の
製造工程で、市販の蛋白質分解酵素を添加して魚介類の
分解を促進させたり、通常の醤油などの麹の酵素により
不快な臭気の成分を分解するために、魚介類を醤油麹と
仕込み、発酵、熟成させる方法などが知られている。ま
た、魚介類の内蔵が変性して不快臭気を発生させること
から内蔵を除去した魚介類を用いて醤油麹と仕込む方法
などがある。また、物理的手法、化学的手法により、こ
の不快臭気の成分を除去する方法としては限外濾過膜を
用いて除去する方法などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、酵素処
理することにより新たに苦み成分が生成されたり、醤油
麹を用いることにより、植物性の原料由来の香気が付加
されたりして、不快臭気は改良されるが、同時に魚醤油
のもつ特徴的な香気や旨味も変質する欠点を有してい
る。また、限外濾過膜を用いて除去する方法などでも、
不快臭気の成分の除去と同時に魚醤油のもつ特徴的な香
気や旨味の成分も除去される欠点がある。本発明は魚醤
油の不快臭気が除去され、しかもこの調味料のもつ特徴
的な香気は有する魚醤油を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究した結果、魚醤油をイオン交
換膜を用いて電気透析処理をおこなったときに、この魚
醤油の有する不快臭気が除去され、しかもこれのもつ特
徴的な香気は有することを知り、この知見に基づいて本
発明を完成した。すなわち本発明は、魚醤油をイオン交
換膜を用いて電気透析処理することを特徴とする魚醤油
の製造方法であり、それの固形状又はペ−スト状魚醤油
の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】まず本発明に用いられる魚醤油
は、海産魚、淡水魚などの魚類や小エビ、貝などを原料
として調製された調味料であり、例えばタイの「ナムプ
ラ」「ナムカビ」、ベトナムの「ニョクマム」「トムチ
ャット」、カンボジアの「タクトレイ」、フィリピンの
「パティス」、中国の「魚露」「蝦油」やヨ−ロッパの
「アンチョビソ−ス」「ガルム」及び日本の「しょっつ
る」「いしる」「いかなご醤油」「せんじ」などが挙げ
られ、魚介類の原料の他に植物性の原料を含めて調製し
た魚醤油様調味料や魚介類を麹とともに仕込んで熟成さ
せた魚醤油様調味料も用いられる。好適に用いられる魚
醤油としては魚醤油の特徴的な香気や旨味を有している
魚介類のみの原料からなる魚醤油である。
【0008】次に、本発明に用いられるイオン交換膜を
用いて電気透析処理をおこなう操作は、醤油、アミノ酸
液などの電解質を含有する食品水溶液の脱塩処理に用い
られる通常の装置を用いておこなえばよく、例えば徳山
曹達株式会社製のイオン交換膜法電気透析装置や旭硝子
株式会社製のイオン交換膜法電気透析装置が好適に用い
られる。これらの装置の原理は、陽イオンのみを通す陽
イオン交換膜と陰イオンのみを通す陰イオン交換膜を交
互に組み合わせて、一室おきに脱塩室及び濃縮室を作
り、被脱塩液と濃縮液を所定の室に導いて直流電流を通
じ、イオン除去と脱塩を同時におこなうものである。
【0009】このように、この装置によりイオン除去が
脱塩と同時におこなわれるものであるから、魚醤油を上
記装置で処理することにより、それの有するイオン化し
たアミン類、アンモニア類などの不快臭気の成分が除去
される。そして上記装置は処理時間を調節することによ
り任意の食塩濃度まで脱塩が可能である。すなわち処理
時間を少なくすると脱塩程度の小さいもの(イオン除去
の程度が小さいもの)が得られ、反対に処理時間を多く
すると脱塩程度の大きいもの(イオン除去の程度が大き
いもの)が得られる。
【0010】このことから本発明の処理時間は、用いる
魚醤油の種類やそれの製造状態などにより不快臭気の程
度が異なるため任意の時間が用いられるが、処理時間が
少ないと不快臭気の除去が不十分であり、反対に多すぎ
ると魚醤油のもつ特徴的な香気が変質するため処理前の
魚醤油の食塩濃度の20〜80%の濃度に減少させる処
理時間が好適に用いられる。そして上記処理により魚醤
油が不快臭気の除去と同時に減塩化されるため微生物に
よる汚染の恐れがあり、上記処理前に魚醤油を通常行わ
れる除菌処理、例えば精密濾過膜(MF膜)などを用い
た膜処理をおこなうことが好ましい。
【0011】このようにして得られる本発明の魚醤油
は、魚醤油のもつ特徴的な香気を損なわずに、不快な臭
気が除去された魚醤油であり、このままの状態でも用い
られるが、魚醤油中の諸酵素の失活と殺菌をかねて通常
の醤油の火入れと同様な火入れをおこなうことが香味、
色沢などの安定化のために好ましい。
【0012】また、この本発明の魚醤油を脱水処理して
固形状又はペ−スト状の魚醤油を得るが、この脱水処理
は液体から水分を除去して固形状態又はペ−スト状態に
する通常の方法が用いられる。例えば、通常の凍結乾
燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、真空乾燥、減圧加熱濃縮な
どが挙げられ、容易に大量処理が可能な噴霧乾燥が好適
に用いられる。
【0013】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を説明する。
【0014】(実施例1)日東電気工業社製のプレ−ト
アンドフレ−ム(MF膜)で除菌処理をおこなったタイ
の代表的な魚醤油である「ナムプラ」{食塩濃度27.
5(W/V)%}10Lを徳山曹達(株)製のイオン交
換膜電気透析装置(型式、TS3B−2)にて29時間
循環させながら処理をおこない食塩濃度18.1(W/
V)%の魚醤油8.6L得、次いでこれを通常の醤油の
火入れと同様な火入れをおこない本発明1の魚醤油を得
た。
【0015】(実施例2)日東電気工業社製のプレ−ト
アンドフレ−ム(MF膜)で除菌処理をおこなったベト
ナムの代表的な魚醤油である「ニョクマム」{食塩濃度
25.9(W/V)%}10Lを徳山曹達(株)製のイ
オン交換膜電気透析装置(型式、TS3B−2)にて5
3時間循環させながら処理をおこない食塩濃度11.4
(W/V)%の魚醤油8.2L得、次いでこれを通常の
醤油の火入れと同様な火入れをおこない本発明2の魚醤
油を得た。
【0016】次に、実施例1、2で得た本発明の魚醤油
について処理前のタイの魚醤油「ナムプラ」およびベト
ナムの魚醤油である「ニョクマム」をそれぞれ対照とし
て、不快な臭気が感じられる程度について、識別能力を
有する10名のパネルにより官能検査をおこなった。そ
の評価方法は、対照と差がないを「0」として、やや差
があるを「1」として、差があるを「2」とし、不快な
臭気が対照より減少している場合は「−」として、増加
している場合を「+」として、パネル10名の平均値で
示した。この官能検査の結果を表1に記載する。
【0017】
【表1】表 1
【0018】このように本発明の魚醤油は、魚醤油の特
徴的な香気を損なわずに、不快な臭気が除去されている
魚醤油であることが判る。
【0019】(実施例3)実施例1と同様な方法で得た
本発明の魚醤油1,000mlにデキストリン300g
を混和し、溶解したのちモ−ビルマイナ−型噴霧乾燥機
(デンマ−ク、ニロ社製)を用いて噴霧乾燥をおこなっ
た。処理条件は、熱風温度140〜160℃、排風温度
85〜95℃、供給量700g/時、アトマイザ−の回
転数1×104r.p.mでおこない粉末状態の魚醤油
570gを得た。この粉末魚醤油は魚醤油の特徴的な香
気を損なわずに、不快な臭気の除去された粉末である。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、魚醤油の特徴的な香気
を損なわずに、不快な臭気が除去された魚醤油および固
形状又はペ−スト状の魚醤油が容易に得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小木曽 勝啓 千葉県野田市野田339番地キッコーマン株 式会社内 (72)発明者 古川 俊夫 千葉県野田市野田339番地キッコーマン株 式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】魚醤油をイオン交換膜を用いて電気透析処
    理することを特徴とする魚醤油の製造方法。
  2. 【請求項2】魚醤油をイオン交換膜を用いて電気透析処
    理し、次いでこれを脱水処理することを特徴とする固形
    状又はペ−スト状魚醤油の製造方法。
JP10013539A 1998-01-09 1998-01-09 魚醤油の製造方法 Pending JPH11196815A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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