JPH11195409A - 多孔質フイルム及び電池用セパレーター - Google Patents

多孔質フイルム及び電池用セパレーター

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JPH11195409A
JPH11195409A JP10000647A JP64798A JPH11195409A JP H11195409 A JPH11195409 A JP H11195409A JP 10000647 A JP10000647 A JP 10000647A JP 64798 A JP64798 A JP 64798A JP H11195409 A JPH11195409 A JP H11195409A
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JP
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porous film
polypropylene
film
porous
stretching
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JP10000647A
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Masayuki Kiuchi
政行 木内
Tomoji Nakakita
友二 中北
Kenji Kawabata
健嗣 川端
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リチウム電池等の電池用セパレーターとし
て、溶融時の形状保持性に優れ、電池組立時や使用時に
短絡の無い、特に突刺し強度が改良された多孔質フイル
ムを提供するものである。 【解決手段】 ポリエチレン、ポリ(エチレン−プロピ
レン)共重合体、ポリブテン1、ポリ(プロピレン−ブ
テン1)共重合体より選ばれたポリオレフィン1〜10
重量%と数平均分子量が8万以上であるポリプロピレン
99〜90重量%とからなるポリオレフィン系多孔質フ
イルムであって、ポリプロピレンのペンタッド分率が9
6%以上である多孔質フイルムに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
ーや電解コンデンサ用隔膜等として有用な多孔質フイル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電池用セパレーターや電解コンデ
ンサ用隔膜等としてポリオレフィン系多孔質フイルムが
使用されている。特に、近年技術の高度化に伴い、リチ
ウム電池等においては高精度、高機能のセパレーターが
要求されるようになってきた。
【0003】電池を例にとってみると、近年高エネルギ
ー密度、高起電力、自己放電の少ないリチウム電池のよ
うな非水電解液電池、特にリチウム二次電池が開発、実
用化されている。リチウム電池の負極としては例えば金
属リチウム、リチウムと他の金属との合金、カーボンや
グラファイト等のリチウムイオンを吸着する能力又はイ
ンターカレーションにより吸蔵する能力を有する炭素材
料、リチウムイオンをドーピングした導電性高分子材料
等が知られており、また正極としては例えば(CFx
n で示されるフッ化黒鉛、MnO2 、V2 5 、Cu
O、Ag2 CrO 4 、TiO2 、LiCoO4 、LiM
2 4 等の金属酸化物や硫化物、塩化物が知られてい
る。このようなリチウム二次電池の構成材料であるセパ
レーターの役割は、正負両極の短絡を防止することにあ
り、以下のような種々の多孔質フイルムが提案されてい
る。
【0004】ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可
塑性樹脂の単層の多孔質フイルム(特公昭46−401
19号公報、特公昭55−32531号公報、特公昭5
9−37292号公報、特開昭60−23954号公
報、特開平2−75151号公報、米国特許第3679
538号明細書等)。 分子量の異なるポリエチレン混合物やポリエチレンと
ポリプロピレンの混合物を素材とした多孔質フイルム
(特開平2−21559号公報、特開平5−33130
6号公報等)。 支持体に熱可塑性樹脂や不織布を用いた多孔質フイル
ム(特開平3−245457号公報、特開平1−258
358号公報等)。 材質の異なる熱可塑性樹脂の多孔質膜が複数枚積層さ
れた積層多孔質フイルム(特開昭62−10857号公
報、特開昭63−308866号公報、特開平2−77
108号公報、特開平5−13062号公報、特公平3
−65776号公報、特開平6−55629号公報、特
開平6−20671号公報、特開平7−307146号
公報等)。 上記多孔質フイルムは、一般に未延伸のフイルムを延伸
により多孔化する延伸法や、抽出可能な充填剤、可塑剤
等を配合した未延伸フイルムから溶媒で充填剤、可塑剤
等を抽出して多孔化し、必要に応じて抽出前または抽出
後に1軸または2軸延伸を施す抽出法で製造されてい
る。
【0005】リチウム電池の極板表面には、しばしば数
μm程度の凹凸が存在する。このため、ポリオレフィン
系多孔質フイルムを電池用セパレーターとしてリチウム
電池に組込むと、極板表面の凹凸によってフイルムが損
傷され、短絡に至ることが懸念されている。そこで、機
械的強度の異なる2種類の多孔質フイルムの組み合せに
よるフイルム強度の向上が提案されているが、未だ十分
とは言えず、更に改良の余地がある。
【0006】また、これらの多孔質フイルムの多孔化方
法には大別して延伸法(乾式法)と抽出法(湿式法)と
がある、湿式法は熱可塑性樹脂に充填剤や可塑剤を配合
した樹脂組成物を押出してフイルムを製造し、その後フ
イルムから充填剤や可塑剤を抽出して多孔化して、多孔
質フイルムを得る方法であるが、この方法では充填剤や
可塑剤の配合や抽出を必要とし、微細で均一な孔径を有
する多孔質フイルムにするためには操作工程が複雑化す
るだけでなく、抽出液の処理等の問題がある。これに対
して延伸法は、熱可塑性樹脂を押出した後に延伸多孔化
する方法で製造される。この延伸法は全く溶剤を使用し
ない乾式プロセスであるため極めて簡便で安全性に優れ
且つ低コストのプロセスである上に、微細で均一な孔径
の多孔質膜が得られる点で電池用セパレーターの製造方
法として湿式法に比較して優れている。これらの優れた
特徴を有する延伸法により得られた多孔質フイルムを使
用した電池用セパレーターとして各種のものが提案され
ているが、鋭い突起等で突き刺された場合に延伸方向に
縦裂きし易いという難点がありその改良が指摘されてい
た。本発明の目的は、リチウム電池等の電池用セパレー
ターとして、電池組立時や使用時の短絡のない機械的強
度の優れたポリオレフィン系多孔質フイルムを提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、高立体規則性ポリプロピレンに適切な種類及び
量のポリオレフィンを配合することで、これを簡便に延
伸多孔化することが可能となり、しかも突刺し強度等の
機械的強度の優れた多孔質フイルムが得られることを見
出した。すなわち、本発明は、ポリエチレン、ポリ(エ
チレン−プロピレン)共重合体、ポリブテン1、ポリ
(プロピレン−ブテン1)共重合体より選ばれたポリオ
レフィン1〜10重量%と数平均分子量が8万以上であ
るポリプロピレン99〜90重量%とからなるポリオレ
フィン系多孔質フイルムであって、ポリプロピレンのペ
ンタッド分率が96%以上であることを特徴とする多孔
質フイルムに関する。また、本発明は、前記多孔質フイ
ルムを構成要素として含有する電池用セパレーターに関
する。
【0008】本発明に使用されるポリプロピレンは、ペ
ンタッド分率が96%以上であって、数平均分子量が8
万以上、より好ましくは10万以上、数平均分子量と重
量平均分子量の比が5以下のものが機械的強度が高く好
ましい。また、ポリプロピレンの結晶化温度は110℃
以上が好ましく、特に112℃以上が好ましい。
【0009】ポリプロピレンのペンタッド分率は、高分
子分析ハンドブック(日本分析化学会編集)の記載に基
づいて帰属した13C−NMRスペクトルから、ピーク高
さ法によって算出した。13C−NMRの測定は、日本電
子製 EX−400型 FT−NMRを使用して、o−
ジクロロベンゼン中、測定温度130℃、積算回数80
00回の条件で行った。ペンタッド分率はポリプロピレ
ンの立体規則性の指標であり、この値が100%に近づ
くに伴って、ポリプロピレンの剛性及び融点が高くな
る。
【0010】また、ポリプロピレンに適宜配合するポリ
オレフィンとしては、ポリエチレン、ポリ(エチレン−
プロピレン)共重合体、ポリブテン1、ポリ(プロピレ
ン−ブテン1)共重合体が好ましく、さらに好ましくは
ポリプロピレンと相溶する共重合組成範囲に調製された
ポリ(エチレン−プロピレン)共重合体或いはポリ(プ
ロピレン−ブテン1)共重合体が好ましい。ポリプロピ
レンとポリオレフィンとが互いに相溶していると延伸法
による多孔化が容易となり、機械的強度改良効果も大き
い。
【0011】本発明の多孔質フイルムは上記ポリプロピ
レンとポリオレフィンとからなり、これら両成分の合計
重量中に占めるポリプロピレンの割合が99〜90重量
%、ポリオレフィンの割合が1〜10重量%であること
が好ましく、より好ましくはポリプロピレンの割合が9
8〜92重量%、ポリオレフィンの割合が2〜8重量
%、さらに好ましくはポリプロピレンの割合が98〜9
5重量%、ポリオレフィンの割合が2〜5重量%であ
る。ポリプロピレンの割合が99重量%を超えて多くな
ると延伸法による多孔化が困難となり、ポリプロピレン
の割合が90重量%よりも過度に少なくなると機械的強
度が低下する。
【0012】ポリプロピレンとポリオレフィンとを配合
する方法については特に制限はないが、通常の混練機を
用いた混練により配合することができる。例えば、一軸
押出機、二軸押出機、ミキシングロール等を用いて溶融
混練し、ペレットを得ることができる。また、ヘンシェ
ルミキサー、タンブラー等を用いてドライブレンドによ
って配合しても良い。さらに、ポリプロピレンを重合す
る際に、エチレン、ブテン1等のモノマーを添加するこ
とにより、逐次重合物としてポリプロピレンとポリオレ
フィンとの配合物を得ることもできる。
【0013】本発明の多孔質フイルムには、電池用セパ
レーターとしての特性を損なわない範囲において、界面
活性剤、老化防止剤、可塑剤、難燃剤、着色剤、或いは
ガラス繊維、ケイ素系繊維等の補強材が適宜含まれても
良い。
【0014】本発明の多孔質フイルムを製造する方法と
しては、ポリプロピレンの単層多孔質フイルムを製造す
る特開平2−75151号公報等の公知の方法がある。
また、本発明の多孔質フイルムと例えばポリエチレンと
を積層する場合は、特開平4−181651号公報、特
開平7−307146号公報、特開平8−221977
号公報等の方法で積層多孔質フイルムを製造することが
できる。積層するポリエチレンとしては、高密度ポリエ
チレン、中密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン
等のいずれであっても良いが、好ましくは高密度ポリエ
チレンである。積層多孔質フイルムの製造方法の具体例
としては、ポリプロピレンとポリオレフィンとからなる
ポリプロピレン組成物フイルムとポリエチレンフイルム
とをそれぞれ溶融押し出し積層した後、延伸多孔化する
方法、ポリプロピレン組成物フイルムとポリエチレンフ
イルムとをそれぞれ別々に溶融押し出し延伸多孔化した
後積層する方法がある。いずれの方法でも本発明の電池
用セパレーターを製造することができる。溶融押出方法
はTダイによる溶融押出成形法、インフレーション法等
により行われる。例えばフイルムをTダイにより溶融成
形する場合、一般に樹脂の溶融温度より20〜60℃高
い温度で、ドラフト比10〜1000、好ましくは10
0〜500のドラフト比で行われ、また引取速度は特に
限定されないが通常10〜100m/分で成形される。
【0015】溶融押出しされたポリプロピレン組成物フ
イルムは、結晶性及びその配向性を高めるために熱処理
される。熱処理温度は、ポリプロピレンとポリオレフィ
ンとの配合比によって異なるが、130℃以上150℃
以下が好ましく、より好ましくは140℃以上150℃
以下である。
【0016】熱処理されたポリプロピレン組成物フイル
ムは、その複屈折が15×10-3〜25×10-3、好ま
しくは17×10-3〜23×10-3で、100%伸長時
の弾性回復率が80〜94%、好ましくは84〜92%
の範囲にあるのがよい。複屈折がこれらの範囲をはずれ
ると、延伸しても多孔化が十分にできないので適当では
なく、また弾性回復率が上記範囲をはずれた場合も多孔
化の程度が十分でなくなり、延伸後の多孔質フイルムの
孔径や孔径分布、空孔率、機械的強度等に影響し品質に
バラツキが生じ易くなる。
【0017】本発明において、複屈折は偏光顕微鏡を使
用し、直交ニコル下でベレックコンペンセータを用いて
測定された値である。また、弾性回復率は、次の式
(1)による。なお、測定はポリプロピレン組成物フイ
ルムを25℃、65%相対湿度において試料幅10m
m、長さ50mmで引張試験機にセットし50mm/m
inの速度で100%まで伸長した後、直ちに同速度で
弛緩させたものについて行った。
【0018】
【数1】
【0019】熱処理されたポリプロピレン組成物フイル
ムは、延伸により多孔化する。延伸温度は70〜140
℃、特に100〜135℃が好ましく、この範囲を外れ
ると十分に多孔化されないので適当でない。延伸の倍率
は、100〜400%の範囲が好ましい。延伸倍率が低
すぎると、ガス透過率が低く、また高すぎるとガス透過
率が高くなりすぎるので上記範囲が好適である。
【0020】また、例えばポリエチレンフイルムと積層
されたポリプロピレン組成物フイルムを延伸する場合
は、延伸は、低温延伸した後、高温延伸するのが好まし
い。低温延伸する際の温度は、マイナス20℃〜プラス
50℃、特に20〜35℃が好ましい。この延伸温度が
低すぎると作業中にフイルムの破断が生じ易く、逆に高
すぎると多孔化が不十分になるので好ましくない。低温
延伸の倍率は5〜200%、好ましくは10〜100%
の範囲である。延伸倍率が低すぎると、空孔率が小さい
ものしか得られず、また高すぎると所定の空孔率と孔径
のものが得られなくなるので上記範囲が適当である。本
発明において低温延伸倍率(E1)は次の式(2)に従
う。式(2)のL1は低温延伸後のフイルム寸法を意味
し、L0は低温延伸前のフイルム寸法を意味する。
【0021】 (式2) E1=[(L1−L0)/L0]×100
【0022】低温延伸したフイルムは、次いで高温延伸
される。高温延伸は普通には加熱空気循環オーブン中で
行われる。高温延伸の温度は70〜140℃、特に10
0〜135℃が好ましい。この範囲を外れると十分に多
孔化されないので適当でない。また高温延伸は低温延伸
の温度より40〜100℃高い温度で行うのが好適であ
る。高温延伸の倍率は100〜400%の範囲が好まし
い。延伸倍率が低すぎると、ガス透過率が低く、また高
すぎるとガス透過率が高くなりすぎるので上記範囲が好
適である。本発明において高温延伸倍率(E2)は次の
式(3)に従う。式(3)のL2は高温延伸後のフイル
ム寸法を意味し、また、L1は低温延伸後のフイルム寸
法を意味する。
【0023】 (式3) E2=[(L2−L1)/L1]×100
【0024】本発明において、低温延伸と高温延伸をし
た後、高温延伸の温度で熱固定する。熱固定は、延伸時
に作用した応力残留によるフイルムの延伸方向への収縮
を防ぐために予め延伸後のフイルム長さが10〜50%
減少する程度熱収縮させる方法や、延伸方向の寸法が変
化しないように規制して加熱する方法等で行われる。こ
の熱固定によって寸法安定性のよい所期の課題を満たす
セパレーターとすることができる。
【0025】このようにして製造される電池用セパレー
ターの多孔質フイルムは、前記製造条件の選択によって
も多少異なるが、空孔率は30〜80%、好ましくは3
5〜60%、極大孔径は0.02〜2μm、好ましくは
0.05〜0.14μmである。空孔率が低すぎると電
池用セパレーターとして使用したときの機能が十分でな
く、また大きすぎると機械的強度が悪くなる。また極大
孔径が小さすぎると、電池用セパレーターとして使用し
たときイオンの移動性が悪くなり、極大孔径が大きすぎ
るとイオン移動が大きすぎるので不適当である。
【0026】本発明の電池用セパレーターは、ポリエチ
レン、ポリ(エチレン−プロピレン)共重合体、ポリブ
テン1、ポリ(プロピレン−ブテン1)共重合体等のポ
リオレフィンを適切に配合することで、(乾式)延伸法
では従来困難であったペンタッド分率が高くしかも高分
子量のポリプロピレンの多孔化を可能にしている。この
ポリプロピレン組成物の使用は、電池用セパレーターの
突刺し強度改良に効果がある。突刺し強度(g)は、試
料フイルムを11.28mmφのホルダーに固定し、先
端形状0.5R、径1mmφのニードルを2mm/se
cの速度で突き刺し、試料が破断したときの加重(g)
から求めた。
【0027】
【発明の実施の形態】次に実施例及び比較例を示し、本
発明の多孔質フイルムについて更に詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】
【実施例】実施例1 数平均分子量83000、ペンタッド分率96.6%、
結晶化温度112.8℃のポリプロピレン(グランドポ
リマー株式会社製;J104W)にプロピレンとブテン
1の共重合組成比がブテン1の重量分率で30%である
ポリ(プロピレン−ブテン1)共重合体(三井化学株式
会社製;XL107L)を重量分率で5%配合した組成
物を吐出幅400mm、吐出リップ開度2mmのTダイ
を使用して溶融押出しした。吐出フイルムは、80℃の
冷却ロールに導かれ、25℃の冷風が吹き付けられて冷
却された後、50m/minで引き取られた。得られた
ポリプロピレン組成物フイルムの膜厚は12μmであっ
た。この未延伸ポリプロピレン組成物フイルムは、引取
り方向を固定された状態で、150℃に30分間熱処理
した後、室温まで冷却した。熱処理された未延伸ポリプ
ロピレン組成物フイルムの複屈折は、21.9×1
-3、100%延伸時の弾性回復率は86%であった。
【0029】熱処理された未延伸ポリプロピレン組成物
フイルムは、恒温槽を装着したテンシロン万能試験機
(オリエンテック株式会社製;RTA−500)を用い
て、25℃で25%低温延伸された後、120℃で総延
伸量180%になるまで高温延伸し、次いで30%緩和
させ、1分間熱固定して多孔質フイルムを得た。
【0030】得られた多孔質フイルムのガーレー値、ニ
ードル貫通力及び引張り強度の測定結果を表1に示す。
上記評価の方法は以下に従って行った。 ガーレー値 JIS P8117に準じて測定した。測定装置として
B型ガーレーデンソメーター(東洋精機社製)を使用し
た。試料片を直径28.6mm、面積645mm2の円
孔に締め付ける。内筒重量567gにより、筒内の空気
を試験円孔部から筒外へ通過させる。空気100ccが
通過する時間を測定し透気度(ガーレー値)とした。 ニードル貫通力 試料を直径11.28m、面積1cm2 の円孔ホルダー
に固定し、先端形状が0.5R、直径1mmφのニード
ルを2mm/secの速度で下降させ突き刺し、貫通荷
重を測定した。 引張り強度 ASTM D−822に準じて、延伸方向の破断点強度
を測定した。
【0031】実施例2 数平均分子量83000、ペンタッド分率96.6%、
結晶化温度112.8℃のポリプロピレン(グランドポ
リマー株式会社製;J104W)にポリブテン1(三井
化学株式会社製;P2000)を重量分率で5%配合し
た組成物について、実施例1と同様にして多孔質フイル
ムを得た。この多孔質フイルムの測定結果を表1に示
す。
【0032】実施例3 数平均分子量108000、ペンタッド分率96.0
%、結晶化温度111℃のポリプロピレン(グランドポ
リマー株式会社製;E103)にプロピレンとブテン1
の共重合組成比がブテン1の重量分率で30%であるポ
リ(プロピレン−ブテン1)共重合体(三井化学株式会
社製;XL107L)を重量分率で5%配合した組成物
について、実施例1と同様にして多孔質フイルムを得
た。この多孔質フイルムの測定結果を表1に示す。
【0033】実施例4 数平均分子量108000、ペンタッド分率96.0
%、結晶化温度111℃のポリプロピレン(グランドポ
リマー株式会社製;E103)に密度0.964、融点
132℃の高密度ポリエチレン(三井化学株式会社製;
ハイゼックス5202B)を重量分率で3%配合した組
成物について、実施例1と同様にして多孔質フイルムを
得た。この多孔質フイルムの測定結果を表1に示す。
【0034】比較例1 数平均分子量70000、ペンタッド分率94.3%、
結晶化温度112℃のポリプロピレン(グランドポリマ
ー株式会社製;F104)について、実施例1と同様に
して多孔質フイルムを得た。この多孔質フイルムの測定
結果を表1に示す。
【0035】比較例2 数平均分子量70000、ペンタッド分率94.3%、
結晶化温度112℃のポリプロピレン(グランドポリマ
ー株式会社製;F104)にポリブテン1(三井化学株
式会社製;P2000)を重量分率で5%配合した組成
物について、実施例1と同様にして多孔質フイルムを得
た。この多孔質フイルムの測定結果を表1に示す。
【0036】比較例3 数平均分子量83000、ペンタッド分率96.6%、
結晶化温度112.8℃のポリプロピレン(グランドポ
リマー株式会社製;J104W)について、実施例1と
同様の延伸多孔化処理を行ったところ、延伸中にネッキ
ングが生じて多孔化することができなかった。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明の電池用セパレーターは、ポリエ
チレン、ポリ(エチレン−プロピレン)共重合体、ポリ
ブテン1、ポリ(プロピレン−ブテン1)共重合体等の
ポリオレフィンを適切に配合することで、(乾式)延伸
法では従来困難であったペンタッド分率が高くしかも高
分子量のポリプロピレンの多孔化が可能となった。この
ポリプロピレン組成物を使用することにより、突刺し強
度の改良された電池用セパレーターを提供することがで
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン、ポリ(エチレン−プロピ
    レン)共重合体、ポリブテン1、ポリ(プロピレン−ブ
    テン1)共重合体より選ばれたポリオレフィン1〜10
    重量%と数平均分子量が8万以上であるポリプロピレン
    99〜90重量%とからなるポリオレフィン系多孔質フ
    イルムであって、ポリプロピレンのペンタッド分率が9
    6%以上であることを特徴とする多孔質フイルム。
  2. 【請求項2】 多孔質フイルムが延伸法によって多孔化
    された単層または積層多孔質フイルムであることを特徴
    とする請求項1記載の多孔質フイルム。
  3. 【請求項3】 多孔質フイルムを構成要素として含有す
    る電池用セパレーターにおいて、多孔質フイルムが請求
    項1記載の多孔質フイルムであることを特徴とする電池
    用セパレーター。
JP10000647A 1998-01-06 1998-01-06 多孔質フイルム及び電池用セパレーター Pending JPH11195409A (ja)

Priority Applications (1)

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