JP2000204174A - 多孔質フイルム及び電池用セパレ―タ - Google Patents

多孔質フイルム及び電池用セパレ―タ

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JP2000204174A
JP2000204174A JP11006045A JP604599A JP2000204174A JP 2000204174 A JP2000204174 A JP 2000204174A JP 11006045 A JP11006045 A JP 11006045A JP 604599 A JP604599 A JP 604599A JP 2000204174 A JP2000204174 A JP 2000204174A
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porous film
battery
additive
separator
film
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Masayuki Kiuchi
政行 木内
Sumio Terada
澄夫 寺田
Tomoji Nakakita
友二 中北
Kenji Kawabata
健嗣 川端
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気化学的安全性を保持したままでセパレー
タの樹脂改質を行った多孔質フイルムを提供し、電池組
立が容易でしかも安全性及び信頼性に優れた電池用セパ
レータを提供する。 【解決手段】 樹脂改質用添加剤を10〜10000p
pm含むポリオレフィン系多孔質フイルムであって、該
添加剤の酸化電位がリチウムに対して+4.5V以上で
ある多孔質フイルム、及びそれを用いた電池用セパレー
タに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電池用セパレータ
や電解コンデンサ用隔膜等として有用な多孔質フイルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電池用セパレータや電解コンデン
サ用隔膜等としてポリオレフィン系多孔質フイルムが使
用されている。特に、近年技術の高度化に伴い、リチウ
ム電池等においては高精度、高機能のセパレータが要求
されるようになってきた。
【0003】電池を例にとってみると、近年高エネルギ
ー密度、高起電力、自己放電の少ないリチウム電池のよ
うな非水電解液電池、特にリチウム二次電池が開発、実
用化されている。リチウム電池の負極としては例えば金
属リチウム、リチウムと他の金属との合金、カーボンや
グラファイト等のリチウムイオンを吸着する能力又はイ
ンターカレーションにより吸蔵する能力を有する炭素材
料、リチウムイオンをドーピングした導電性高分子材料
等が知られており、また正極としては例えば(CFxn
で示されるフッ化黒鉛、MnO2、V25、CuO、A
2CrO4、TiO2、LiCoO4、LiMn24等の
金属酸化物や硫化物、塩化物が知られている。
【0004】また、非水電解液として、エチレンカーボ
ネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、テト
ラヒドロフラン等の有機溶媒にLiPF6、LiBF4
LiClO4、LiCF3SO3等の電解質を溶解したも
のが使用されている。このようなリチウム二次電池の構
成材料であるセパレータの役割は、正負両極の短絡を防
止するとともに電池反応を阻害しないことにあり、前記
有機電解液に対する耐薬品性の観点から以下のようなポ
リオレフィン系多孔質膜が提案されている。
【0005】ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可
塑性樹脂からなる単層の多孔質フイルム(特公昭46−
40119号公報、特公昭55−32531号公報、特
公昭59−37292号公報、特開昭60−23954
号公報、特開平2−75151号公報、米国特許第36
79538号明細書等)。 分子量の異なるポリエチレン混合物やポリエチレンと
ポリプロピレンの混合物を素材とした多孔質フイルム
(特開平2−21559号公報、特開平5−33130
6号公報)。 支持体に熱可塑性樹脂や不織布を用いた多孔質フイル
ム(特開平3−245457号公報、特開平1−258
358号公報等)。 材質の異なる熱可塑性樹脂の多孔質膜が複数枚積層さ
れた積層多孔質フイルム(特開昭62−10857号公
報、特開昭63−308866号公報、特開平2−77
108号公報、特開平5−13062号公報、特公平3
−65776号公報、特開平6−55629号公報、特
開平6−20671号公報、特開平7−307146号
公報等)。これらの多孔質フイルムの多孔化方法には大
別して延伸法(乾式法)と抽出法(湿式法)とがある。
湿式法は、熱可塑性樹脂に充填剤や可塑剤を配合した樹
脂組成物を押出ししてフイルムを製造し、その後フイル
ムから充填剤や可塑剤を抽出して多孔化して、多孔質フ
イルムを得る方法であるが、この方法では充填剤や可塑
剤の配合や抽出を必要とし、微細で均一な孔径を有する
多孔質フイルムにするためには操作工程が複雑化するだ
けでなく、抽出液の処理等の問題がある。これに対して
延伸法は、熱可塑性樹脂を押出しした後に延伸多孔化す
る方法で製造される。この延伸法は全く溶剤を使用しな
い乾式プロセスであるため極めて簡便で安全性に優れ且
つ低コストのプロセスである上に、微細で均一な孔径の
多孔質膜が得られる点で電池用セパレータの製造方法と
して湿式法に比較して優れている。
【0006】また、抽出法による多孔質膜の製造方法で
は酸化防止剤、界面活性剤、可塑剤、難燃剤等の樹脂改
質用添加剤を配合しても、溶剤による抽出工程でこれら
の添加剤が抽出されてしまうために、添加剤による樹脂
改質が困難である。一方、乾式法による多孔質膜の製造
方法ではこれらの添加剤を適宜配合することが可能であ
り、添加剤による多孔質膜の改良を容易に行うことがで
きる。
【0007】樹脂改質用添加剤によるセパレータの改良
としては、例えば摩擦係数の低減が挙げられる。リチウ
ム二次電池の組立工程においては、正極シート、負極シ
ート及びセパレータを金属製の卷回ピンを用いて渦巻状
に卷回し、その後、前記卷回ピンを卷回体から抜取るこ
ととなるが、この際にセパレータの摩擦抵抗が大きいと
卷回ピンの抜取りが困難であるばかりでなく、卷回体が
損傷するという不具合が生じる。セパレータの摩擦係数
の低減は、電池の製造工程の効率化のみならず、電池の
安全性及び信頼性の向上につながる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、摩擦係
数の低減や酸化防止のために従来公知の樹脂改質用添加
剤を含有させたポリオレフィン系多孔質フイルムをセパ
レータ用多孔質膜としてリチウム二次電池等に使用した
ような場合、電池の使用中に電池反応以外の電気化学反
応によって添加剤が分解或いは変性し、電池使用時の信
頼性及び安全性を低減させるという問題があった。さら
に、前記分解生成物は、電極材の不活性化やセパレータ
のイオン透過性の低下を引き起すことが危惧され、添加
剤の配合量を極微量に抑えざるを得なかった。このた
め、電池使用時の信頼性及び安全性において未だ十分で
はなく、摩擦係数低減等の改良を行い、リチウム電池用
セパレータとして、電池組立が容易でしかも使用時の信
頼性及び安全性に優れた多孔質フイルム及び電池用セパ
レータが求められている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、リチウム二次電池の使用電圧域に酸化電位を有
さない樹脂改質用添加剤を用いることで、電池組立が容
易でしかも使用時の信頼性及び安全性に優れたポリオレ
フィン系多孔質フイルムが得られることを見出した。
【0010】本発明は、樹脂改質用添加剤を10〜10
000ppm含むポリオレフィン系多孔質フイルムであ
って、該添加剤の酸化電位がリチウムに対して+4.5
V以上であることを特徴とする多孔質フイルムに関す
る。また本発明は、多孔質フイルムを構成要素として含
有する電池用セパレータにおいて、多孔質フイルムが前
記多孔質フイルムであることを特徴とする電池用セパレ
ータに関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に使用される樹脂改質用添
加剤は、その酸化電位がリチウムに対して+4.5V以
上、特に+5V以上であることが電気化学的に安定で好
ましい。本発明の多孔質フイルムを電池用セパレータと
して使用した場合、リチウム二次電池の作動範囲が通常
2.5V〜4.2Vであるため、使用時に添加剤が分解
或いは変性することがなく、長期にわたり信頼性及び安
全性に優れた電池用セパレータを提供することができ
る。
【0012】本発明に示す樹脂改質用添加剤の酸化電位
の測定は、ジメチルカーボネートにLiPF6を溶解し
て1M/Lに調製した非水電解液を用いて行った。すな
わち、この非水電解液に樹脂改質用添加剤を0.05M
/Lになるように加え、参照電極には金属リチウム箔
を、作用電極に白金電極を用いて、毎秒10mVの速度
で±0V〜+4.5Vまで電位を掃引し、0.1mAの
電流が検知された電圧を酸化電位とした。
【0013】本発明における添加剤としては、酸化防止
剤、界面活性剤、可塑剤及び難燃剤のうち少なくとも1
種が樹脂改質用として好適に使用される。
【0014】酸化電位がリチウムに対して+4.5V以
上の樹脂改質用添加剤としては、酸化防止剤では、S
(CH2CH2COOC12252、S(CH2CH2CO
OC13272、S(CH2CH2COOC14292、S
(CH2CH2COOC1837 2、(H2512SCH2
2COOCH24等の硫黄系酸化防止剤が挙げられ
る。また、界面活性剤としては、シリコン系微粒子等が
酸化電位が高く好適である。従来、よく知られているジ
ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、テトラキス−
[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(Ir
ganox1010 日本チバガイギー社製)等のフェ
ノール系酸化防止剤は、酸化電位がリチウムに対して+
4.5Vより小さい電圧域にあるので好ましくない。ま
た、可塑剤や難燃剤としては、酸化電位がリチウムに対
して+4.5V以上であれば使用することができ、例え
ばパラフィン、ワックス等の長鎖アルキルのような可塑
剤が挙げられる。本発明に使用される添加剤としては、
その凝固点が25℃以上、さらに好ましくは40℃以上
であって、有機溶媒に対する溶解性の小さいものが、電
解液中に溶け出して電池反応を阻害しないことから好適
である。
【0015】 本発明の多孔質フイルムは上記樹脂改質
用添加剤とポリオレフィンとからなり、添加剤の配合量
が10〜10000ppm、より好ましくは30〜50
00ppmである。添加剤の配合量が10ppmより過
度に少なくなると樹脂の改質効果が期待できず、添加剤
の配合量が10000ppmより過度に多くなると延伸
法による多孔化が困難となるばかりでなく、多孔質膜を
電池に組込んだ際に添加剤が電解液に溶出するという不
具合が生じる。また、ポリオレフィンとしては、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ(エチレン−プロピレ
ン)共重合体、ポリブテン1、ポリ(プロピレン−ブテ
ン1)共重合体等が使用できる。特に、ポリプロピレン
を用いた際には摩擦係数低減の効果が大きく好ましい。
【0016】樹脂改質用添加剤とポリオレフィンとを配
合する方法については特に制限はないが、通常の混練機
を用いた混練により配合することができる。例えば、一
軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール等を用いて溶
融混練し、ペレットを得ることができる。また、ヘンシ
ェルミキサー、タンブラー等を用いてドライブレンドに
よって配合しても良い。
【0017】また、本発明の多孔質フイルムは延伸法に
よって多孔化された単層又は積層多孔質フイルムが好ま
しい。本発明の多孔質フイルムを製造する方法として
は、ポリプロピレンの単層多孔質フイルムを製造する特
開平2−75151号公報等の公知の方法がある。ま
た、本発明の多孔質フイルムと例えばポリエチレンとを
積層する場合は、特開平4−181651号公報、特開
平7−307146号公報、特開平8−221977号
公報等の方法で積層多孔質フイルムを製造することがで
きる。積層するポリエチレンとしては、高密度ポリエチ
レン、中密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン等
のいずれであっても良いが、好ましくは高密度ポリエチ
レンである。積層多孔質フイルムの製造方法の具体例と
しては、樹脂改質用添加剤を配合したポリプロピレンか
らなる添加剤配合ポリプロピレンフイルムとポリエチレ
ンフイルムとをそれぞれ別々に溶融押し出し積層した後
延伸多孔化する方法、添加剤配合ポリプロピレンフイル
ムとポリエチレンフイルムとをそれぞれ別々に溶融押し
出し延伸多孔化した後積層する方法がある。いずれの方
法でも本発明の電池用セパレータを製造することができ
る。溶融押出方法はTダイによる溶融押出成形法、イン
フレーション法等により行われる。例えばフイルムをT
ダイにより溶融成形する場合、一般に樹脂の溶融温度よ
り20〜60℃高い温度で、ドラフト比10〜100
0、好ましくは100〜500のドラフト比で行われ、
また引取速度は特に限定されないが通常10〜100m
/分で成形される。
【0018】溶融押出しされた添加剤配合ポリプロピレ
ンフイルムは、結晶性及びその配向性を高めるために熱
処理される。熱処理温度は、120℃以上150℃以下
が好ましく、より好ましくは130℃以上150℃以下
である。
【0019】熱処理された添加剤配合ポリプロピレンフ
イルムは、その複屈折が15×10 -3〜25×10-3
好ましくは17×10-3〜23×10-3で、100%伸
長時の弾性回復率が80〜94%、好ましくは84〜9
2%の範囲にあるのがよい。複屈折がこれらの範囲をは
ずれると、延伸しても多孔化が十分にできないので適当
ではなく、また弾性回復率が上記範囲をはずれた場合も
多孔化の程度が十分でなくなり、延伸後の多孔質フイル
ムの孔径や孔径分布、空孔率、機械的強度等に影響し、
品質にバラツキが生じ易くなる。
【0020】本発明において、複屈折は偏光顕微鏡を使
用し、直交ニコル下でベレックコンペンセータを用いて
測定された値である。また、弾性回復率は、次の式
(1)による。なお、添加剤配合ポリプロピレンフイル
ムは、25℃、65%相対湿度において試料幅10m
m、長さ50mmで引張試験機にセットし50mm/m
inの速度で100%まで伸長した後、直ちに同速度で
弛緩させたものを測定した。 式(1) 弾性回復率(%)=[(100%伸長時の長さ−100
%伸長後荷重0となった時の長さ)/伸長前の長さ]×
100
【0021】熱処理された添加剤配合ポリプロピレンフ
イルムは、延伸により多孔化する。延伸温度は70〜1
40℃、特に100℃〜135℃が好ましく、この範囲
を外れると十分に多孔化されないので適当でない。延伸
の倍率は、100〜400%の範囲である。延伸倍率が
低すぎると、ガス透過率が低く、また高すぎるとガス透
過率が高くなりすぎるので上記範囲が好適である。
【0022】また、例えばポリエチレンフイルムと積層
された添加剤配合ポリプロピレンを延伸する場合、延伸
は、低温延伸した後、高温延伸するのが好ましい。低温
延伸の温度はマイナス20℃〜プラス50℃、特に20
℃〜35℃が好ましい。この延伸温度が低すぎると作業
中にフイルムの破断が生じ易く、逆に高すぎると多孔化
が不十分になるので好ましくない。低温延伸の倍率は5
〜200%、好ましくは10〜100%の範囲である。
延伸倍率が低すぎると、所定の空孔率が小さいものしか
得られず、また高すぎると所定の空孔率と孔径のものが
得られなくなるので上記範囲が適当である。本発明にお
いて低温延伸倍率(E1)は次の式(2)に従う。式
(2)のL1は低温延伸後のフイルム寸法を意味し、L0
は低温延伸前のフイルム寸法を意味する。 式(2) E1=[(L1−L0)/L0]×100
【0023】低温延伸したフイルムは次いで高温延伸さ
れる。高温延伸は普通には加熱空気循環オーブン中で行
われる。高温延伸の温度は70〜140℃、特に100
℃〜135℃が好ましい。この範囲を外れると十分に多
孔化されないので適当でない。また、高温延伸は低温延
伸の温度より40〜100℃高い温度で行うのが好適で
ある。高温延伸の倍率は、100〜400%の範囲であ
る。延伸倍率が低すぎると、ガス透過率が低く、また高
すぎるとガス透過率が高くなりすぎるので上記範囲が好
適である。本発明において高温延伸倍率(E2)は次の
式(3)に従う。式(3)のL2は高温延伸後のフイル
ム寸法を意味し、L1は低温延伸後のフイルム寸法を意
味する。 式(3) E2=[(L2−L1)/L1]×100
【0024】本発明において、低温延伸と高温延伸をし
た後、高温延伸の温度で熱固定する。熱固定は、延伸時
に作用した応力残留によるフイルムの延伸方向への収縮
を防ぐために予め延伸後のフイルム長さが10〜50%
減少する程度熱収縮させる方法や、延伸方向の寸法が変
化しないように規制して加熱する方法等で行われる。こ
の熱固定によって寸法安定性のよいセパレータにするこ
とができる。
【0025】このようにして製造される多孔質フイルム
は、電池用セパレータとして使用される。本発明の多孔
質フイルムは、前記製造条件の選択によっても多少異な
るが、空孔率は30〜80%、好ましくは35〜60
%、極大孔径は0.02〜2μm、好ましくは0.05
〜0.30μmである。空孔率が小さすぎると電池用セ
パレータとして使用したときの機能が十分でなく、また
大きすぎると機械的強度が悪くなる。また、極大孔径が
小さすぎると、電池用セパレータとして使用したときイ
オンの移動性が悪くなり、極大孔径が大きすぎるとイオ
ン移動が大きすぎるので不適当である。
【0026】本発明の電池用セパレータは、電池の使用
電圧域に酸化電位を有さない添加剤を用いることで、樹
脂改質という観点からセパレータの改良を行っている。
樹脂改質の一例としては、セパレータの摩擦係数低減が
挙げられる。摩擦係数は、中心線表面粗さRaが0.4
になるように研削加工した機械構造用炭素鋼(S45
C)を、四方を拘束したセパレータ上で100mm/m
inの速度で移動させた際の最大荷重から測定した。金
属面の大きさは60mm×60mmとし、摩擦係数は前
記最大荷重を金属面に与えた荷重510gで除した値と
して見積った。本発明における添加剤を含む多孔質フイ
ルムの摩擦係数が、過度に大きくなると、リチウム二次
電池の組立工程において、卷回ピンの抜取りが困難とな
るので、多孔質フイルムの摩擦係数は0.7以下が好ま
しい。
【0027】
【実施例】次に実施例及び比較例を示し、本発明の多孔
質フイルムについて更に詳細に説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0028】実施例1 数平均分子量70000、アイソタクチックインデック
ス94.3%、結晶化温度112℃のポリプロピレンに
凝固点37℃の樹脂改質用添加剤 S(CH2CH2CO
OC12252を2000ppm配合し、吐出幅400
mm、吐出リップ開度2mmのTダイを使用して溶融押
出しした。樹脂改質用添加剤 S(CH 2CH2COOC
12252の酸化電位は、リチウムに対して+4.5V
以上であった。吐出フイルムは、80℃の冷却ロールに
導かれ、25℃の冷風が吹きつけられて冷却された後、
50m/minで引取られた。得られた添加剤配合ポリ
プロピレンフイルムの膜厚は12μmであった。この未
延伸ポリプロピレンフイルムは、引取り方向を固定され
た状態で、150℃に30分間熱処理した後、室温まで
冷却した。熱処理された未延伸ポリプロピレンフイルム
の複屈折は、22.3×10-3、100%延伸時の弾性
回復率は91%であった。
【0029】熱処理された未延伸ポリプロピレンフイル
ムは、恒温槽を装着したテンシロン万能試験機(オリエ
ンテック株式会社製 RTA−500)を用いて、25
℃で25%低温延伸された後、120℃で総延伸量18
0%になるまで高温延伸し、次いで30%緩和させ、1
分間熱固定して多孔質フイルムを得た。
【0030】得られた多孔質フイルムのガーレー値、ニ
ードル貫通力及び摩擦係数の測定結果を表1に示す。上
記評価の方法は以下に従って行った ガーレー値 JIS P8117に準じて測定した。測定装置として
B型ガーレーデンソメーター(東洋精機社製)を使用し
た。試料片を直径28.6mm、面積645mm2の円
孔に締付ける。内筒重量567gにより、筒内の空気を
試験円孔部から筒外へ通過させる。空気100ccが通
過する時間を測定し、透気度(ガーレー値)とした。 ニードル貫通力 試料を直径11.28mm、面積1cm2の円孔ホルダ
ーに固定し、先端形状が0.5R、直径1mmφのニー
ドルを2mm/secの速度で下降させ突刺し、貫通荷
重を測定した。 摩擦係数 摩擦係数は、中心線表面粗さRaが0.4になるように
研削加工した機械構造用炭素鋼(S45C)を、四方を
拘束したセパレータ上で100mm/minの速度で移
動させた際の最大荷重から測定した。金属面の大きさは
60mm×60mmとし、摩擦係数は最大荷重を金属面
に与えた荷重510gで除した値として見積った。
【0031】実施例2 数平均分子量70000、アイソタクチックインデック
ス94.3%、結晶化温度112℃のポリプロピレンに
凝固点48℃の樹脂改質用添加剤 S(CH2CH2CO
OC14292を2000ppm配合した添加剤配合ポ
リプロピレンについて、実験例1と同様にして多孔質フ
イルムを得た。樹脂改質用添加剤 S(CH2CH2CO
OC14292の酸化電位は、リチウムに対して4.5
V以上であった。この多孔質フイルムの測定結果は表1
に示す。
【0032】比較例1 数平均分子量70000、アイ
ソタクチックインデックス94.3%、結晶化温度11
2℃のポリプロピレンについて、樹脂改質用添加剤の配
合なしに実施例1と同様にして多孔質フイルムを得た。
この多孔質フイルムの測定結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】本発明の電池用セパレータは、電池の使
用電圧域に酸化電位を有さない添加剤を用いることで、
樹脂改質という観点から電気化学的安全性を保持したま
までセパレータの改良を可能とした。樹脂改質の一例と
しては、適当量の硫黄系酸化防止剤の配合によって、摩
擦係数が小さく、電池組立が容易でしかも安全性及び信
頼性に優れたセパレータを提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 23:00 105:04 C08L 23:00 (72)発明者 川端 健嗣 山口県宇部市西本町1−12−32 宇部興産 株式会社高分子研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA14 AE04 AE05 AE07 AE10 AF28 AH15 BB07 BC01 BC10 BC13 4F074 AA17 AA24 AA25 AA26 AD15 AG02 AG04 AG10 CA01 CA02 CA04 CC02Y CC04X CE02 DA20 DA49 5H021 BB05 CC00 CC04 EE04 EE31 EE34 HH00 HH01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂改質用添加剤を10〜10000p
    pm含むポリオレフィン系多孔質フイルムであって、該
    添加剤の酸化電位がリチウムに対して+4.5V以上で
    あることを特徴とする多孔質フイルム。
  2. 【請求項2】 添加剤が酸化防止剤、界面活性剤、可塑
    剤及び難燃剤のうち少なくとも1種である請求項1記載
    の多孔質フイルム。
  3. 【請求項3】 添加剤を含むポリオレフィン系多孔質フ
    イルムの摩擦係数が0.7以下である請求項1〜2記載
    の多孔質フイルム。
  4. 【請求項4】 多孔質フイルムが延伸法によって多孔化
    された単層又は積層多孔質フイルムである請求項1〜3
    記載の多孔質フイルム。
  5. 【請求項5】 多孔質フイルムを構成要素として含有す
    る電池用セパレータにおいて、多孔質フイルムが請求項
    1〜4記載の多孔質フイルムであることを特徴とする電
    池用セパレータ。
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