JPH11192518A - 順送り打ち抜き加工方法およびその装置 - Google Patents

順送り打ち抜き加工方法およびその装置

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JPH11192518A
JPH11192518A JP10001986A JP198698A JPH11192518A JP H11192518 A JPH11192518 A JP H11192518A JP 10001986 A JP10001986 A JP 10001986A JP 198698 A JP198698 A JP 198698A JP H11192518 A JPH11192518 A JP H11192518A
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JP
Japan
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punching
punch
die
stage
progressive
Prior art date
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JP10001986A
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English (en)
Inventor
Noriaki Kawauchi
範明 川内
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 下抜き工程でのクリアランスを小さくかつ下
抜き荷重を小さくするために、上抜き工程のプレス型に
改良を加える。 【解決手段】 上抜き加工用のポンチ3の先端部を面取
りするべくテーパ部25を形成して、相手側のダイ13
との間に正のクリアランスCをもたせる。上抜き時にコ
イル材51側のせん断面51aをテーパ状に形成し、下
抜き時に乗り越えなければならない円板状ワークWとコ
イル材51とのオーバーラップ量aを可及的に小さくす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中央穴を有する円
板状のワークを順送りプレス加工法によって打ち抜き加
工する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】中央穴と
輪郭形状とが同心状をなす穴付き円板状ワークを量産加
工する方法として順送りプレス加工法がある。この方法
は、図6に示すように、素材であるコイル材51を間欠
的に順送りしつつ、第1ステージS1にてパイロット穴
52と中央穴Hとをピアス加工にて打ち抜き加工する一
方、第2ステージS2では、上記のパイロット穴52を
基準としてパイロットピン(ロケートピン)53にてコ
イル材51を位置決めした上で外周穴加工としてコイル
材51から円板状ワークWを下方に打ち抜くものであ
る。
【0003】この方法では、コイル材51の送り動作を
司るフィーダの送りずれ、もしくは送り動作時のコイル
材51の蛇行等をパイロット穴52とそれに対応するパ
イロットピン53との係合によって矯正する際に、図7
に示すようにパイロット穴52の周縁部が変形しやす
く、結果的に中央穴Hと輪郭形状との同心精度の向上が
望めない。
【0004】その上、上記のパイロット穴52とパイロ
ットピン53とを係合させるためには、最低でも0.0
5mm程度の適正なクリアランスが必要であり、このク
リアランス未満の同心精度が要求されるワークの加工に
は理論上対応することができない。
【0005】一方、順送りプレス加工法の他の形態とし
て上下抜き加工法と称される工法があり、さらにこの上
下抜き加工法は三工程法と二工程法に分けられる。
【0006】三工程法は、図8に示すように、最初の半
抜きステージS1にてピアスポンチ54により中央穴H
を打ち抜き形成するとともに、半抜き加工用のポンチ5
5とダイ56との間に負のクリアランスC10を与えて加
工することによりワークWをコイル材51の上方に半抜
き状態とし、それに続くフラットステージS2では上下
のポンチ57,58にて上記ワークWを押し戻すべく平
押しする。そして、最後の下抜きステージS3ではポン
チ59とダイ60とによりワークWをコイル材51の下
方に打ち抜いて離脱させることになる。
【0007】また、二工程法は、上記三工程法における
フラットステージS2を省略したものと理解することが
でき、一旦上方に半抜きされたワークWを次ステージで
一気に下方に打ち抜いてコイル材51から離脱させるも
のである。
【0008】これらの三工程法および二工程法では、ワ
ークWの輪郭形状が決定される半抜き状態での上抜き加
工と中央穴Hのピアス加工とが同時に行われるために、
その中央穴HとワークWの輪郭形状との同心精度は高精
度のものとなる。
【0009】その反面、三工程法は、図8に示すフラッ
トステージS2での加工を終えた段階ではワークWの輪
郭に相当する部分にクラックが生じていて、実質的にワ
ークWがコイル材51から切離された状態となっている
ため、下抜きステージS3におけるポンチ59とダイ6
0との間に比較的大きなクリアランスC11を与えること
ができ、結果的に下抜きステージS3でのワーク(素
材)の位置決め精度を緩和することができるものの、そ
の名のとおり三工程を必要とするために、プレス型が大
型化することとなって好ましくない。
【0010】また、二工程法では、フラットステージS
2がないために、下抜きステージS3におけるポンチ59
とダイ60との間のクリアランスC11を極小(最大でも
素材板厚の8%程度)に管理する必要があり、必然的に
その下抜きステージS3におけるワークWの位置決め精
度に高精度を要求され(例えば上記クリアランスC11
三分の一以下)、コイル材51の送り速度の向上に限界
がある。
【0011】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、上記の二工程法を前提とした上で、中央穴
とワークの輪郭形状との同心精度を高精度に維持しつ
つ、下抜きステージにおけるクリアランスの拡大化とワ
ーク位置決め精度の緩和を図り、その結果として素材の
高速送りひいてはプレス加工の高速化を可能とした方法
および装置を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、中心部に輪郭形状と同心状をなす中央穴が形成され
た円板状のワークを順送りプレス加工法により打ち抜き
加工する方法であって、ピアスポンチとそれに対応する
ダイ穴とのせん断作用に基づいて中央穴を打ち抜き加工
するとともに、ポンチとダイとのせん断作用により素材
に対して円板状ワークの上抜き加工を施す上抜き加工工
程と、前記上抜き加工工程から順送りされてきた素材を
前記中央穴を基準に位置決めした上で、該素材に対して
ダイとポンチとのせん断作用により円板状ワークの下抜
き加工を施してこの円板状ワークを素材から離脱させる
下抜き加工工程とを含んでいて、前記上抜き加工工程で
は、その上抜き加工用のポンチの先端部外周をテーパ状
に形成して、該ポンチの先端面での切刃直径と相手側の
ダイの切刃直径との間に正のクリアランスをもたせた状
態で加工することを特徴としている。
【0013】そして、請求項2に記載の発明は、上記の
請求項1に記載の発明におけるクリアランスは素材の板
厚の10〜20%に設定されているとともに、上抜き加
工用ポンチのテーパ部とポンチ軸心とのなす角度が15
〜35度に設定されていることを特徴としている。
【0014】また、請求項3に記載の発明は、請求項2
に記載の発明の上抜き加工時における素材への上抜き加
工用ポンチの食い込み量が素材の板厚の60〜80%に
設定されていることを特徴としている。
【0015】請求項4に記載の発明は、中心部に輪郭形
状と同心状をなす中央穴が形成された円板状のワークを
順送りプレス加工法により打ち抜き加工する装置であっ
て、ピアスポンチとそれに対応するダイ穴とのせん断作
用に基づいて中央穴を打ち抜き加工するとともに、ポン
チとダイとのせん断作用により素材に対して円板状ワー
クの上抜き加工を施す上抜き加工ステージと、前記上抜
き加工ステージと隣接配置され、この上抜き加工ステー
ジから順送りされてきた素材を前記中央穴を基準に位置
決めした上で、該素材に対してダイとポンチとのせん断
作用により円板状ワークの下抜き加工を施してこの円板
状ワークを素材から離脱させる下抜き加工ステージとを
備えていて、前記上抜き加工用のポンチの先端部外周を
テーパ状に形成して、該ポンチの先端面での切刃直径と
相手側のダイの切刃直径との間に正のクリアランスをも
たせたことを特徴としている。
【0016】さらに、請求項5に記載の発明は、請求項
4に記載の発明における下抜き加工用のポンチに、中央
穴に係合して素材との相対位置決めを司るロケートピン
が設けられていることを特徴とことを特徴としている。
【0017】したがって、請求項1,4に記載の発明で
は、中央穴のピアス加工とワークの輪郭形状の上抜き加
工とを同時に行うために、両者の同心精度は高精度に維
持される。そして、上抜き加工の際に、ポンチとダイと
の間に正のクリアランスをもたせているために、素材と
ワークとのせん断面にはその全周にクラックが発生し
て、ワークの輪郭形状が決定される。
【0018】この時、上抜き加工用のポンチの先端部に
テーパ部を形成してあるため、このテーパ形状がワーク
側のせん断面に転写されて、素材側のせん断面を拡径す
るべく押し広げる作用をし、結果的に素材側のせん断面
とワーク側のせん断面とのオーバーラップ量が小さくな
る。
【0019】これにより、上抜き工程に続く下抜き工程
では、小さな下抜き荷重をもってワークを素材から下抜
きすることができる。そして、この下抜き工程では、上
抜き工程と同様にポンチとダイとのせん断作用をもって
ワークを下抜きすることになるものの、先の上抜き工程
で正のクリアランスをもって上抜きしてあるために、そ
の下抜き工程ではポンチのダイとの間のクリアランスを
厳格に管理する必要がなく、十分に大きなクリアランス
であってもワークを容易に下抜きすることができる。
【0020】そして、請求項2に記載の発明のように、
上抜き加工用のポンチとダイとの間のクリアランスを素
材板厚の10〜20%望ましくは15%とし、かつその
ポンチ先端部のテーパ角度を15〜35度、望ましくは
25度に設定すると、上記テーパ状のポンチによって正
のクリアランスを与えることの効果が最も顕著となる。
【0021】この場合、上抜き加工用ポンチとダイとの
間のクリアランスが上記範囲を超えるとその効果が不十
分となり、またテーパ角度についても特に15°を下回
ると素材側とワーク側のせん断面同士のまで二次せん断
が生じて、ワーク側のせん断面に傷が発生することとな
って好ましくない。
【0022】また、請求項3に記載の発明のように、上
抜き加工用ポンチの素材への食い込み量を素材板厚の6
0〜80%望ましくは70%程度に設定すると、上抜き
加工をもってワークの輪郭形状に相当する部位の全周に
クラックが発生してワークが素材から完全にせん断され
る。
【0023】さらに、請求項5に記載の発明では、下抜
き加工の際に、その下抜き加工用のポンチに設けたロケ
ートピンが中央穴に係合することで、その下抜き加工用
ポンチとワークとの相対位置決めがより正確になされる
ことになる。
【0024】
【発明の効果】請求項1,4に記載の発明によれば、二
工程法で、かつ上抜き加工と中央穴のピアス加工とを同
時に行うことを前提とした上で、上抜き加工用ポンチの
先端部をテーパ状に形成して、そのポンチと相手側のダ
イとの間に正のクリアランスをもたせた状態で加工する
ようにしたことにより、上抜き加工完了時にワークの輪
郭形状に相当する部位の全周にクラックが生じて実質的
に素材とワークとがその段階で完全にせん断された状態
となるため、下抜き加工工程では素材からワークを下抜
きできる力を加えるだけで足りることになる。したがっ
て、下抜き加工工程ではそのポンチのダイとの間のクリ
アランスを厳格に管理する必要がなくなってその拡大化
が可能となり、それに伴ってその下抜き加工工程での素
材(ワーク)の位置決め精度が大幅に緩和されることか
ら、中央穴とワーク輪郭形状との同心精度を高精度に維
持しつつ、二工程法のもとでの高速プレス加工が可能と
なる効果がある。
【0025】その上、上記上抜き加工用ポンチの先端部
をテーパ状に形成したことによって、素材側のせん断面
を拡径化するような力が加わることから、素材側のせん
断面とワーク側のせん断面との間のオーバーラップ量が
小さくなる。その結果、下抜き加工時に要する下抜き荷
重を大幅に小さくできる効果がある。
【0026】また、請求項2に記載の発明によれば、先
端部をテーパ状に形成した上抜き加工用ポンチと相手側
のダイとの間のクリアランスを素材板厚の10〜20%
とするとともに、上記テーパ部の角度を15〜35度に
設定したことにより、上抜き加工時におけるせん断がよ
り確実に且つスムーズに行われる効果がある。
【0027】さらに、請求項3に記載の発明によれば、
上抜き加工用ポンチの素材への食い込み量を素材板厚の
60〜80%としたことにより、上記の上抜き加工時の
せん断作用の信頼性が大幅に向上する。
【0028】請求項5に記載の発明によれば、下抜き加
工時にその下抜き加工用ポンチに設けたロケートピンと
中央穴との係合によってワークとの相対位置決めがなさ
れるために、請求項4に記載の発明と同様の効果のほか
に、下抜き加工工程でのワークの位置決め精度が一段と
向上する効果がある。
【0029】
【発明の実施の形態】図2は本発明の好ましい実施の形
態として、図6に示したものと同様の円板状ワークWを
素材たるコイル材から打ち抜き加工するための順送りプ
レス型の要部の構成を示している。なお、ワークWは、
例えば外径が300mm程度で板厚が2〜3mm程度の
ものである。
【0030】図2において、S11は上抜き加工ステージ
を、またS12は上抜き加工ステージS11に隣接する下抜
き加工ステージをそれぞれ示している。
【0031】また、1は下ホルダ、2は上ホルダであっ
て、下ホルダ1のうち上抜き加工ステージS11に相当す
る位置には上抜き加工用のポンチ3が固定されていると
ともに、このポンチ3の中央部には後述するピアスポン
チ14に対応するボタンダイ4が固定されている。ま
た、ポンチ3の外周には上抜き加工ステージS11と下抜
き加工ステージS12とで共用される下パッド5が配設さ
れている。この下パッド5は、下ホルダ1に立設された
複数のガイドピン6によりストロークST3の範囲内で
昇降可能に支持されているとともに、同じく下ホルダ1
上のガイドピン7に案内された昇降式のスプリングシー
ト8と圧縮コイルスプリング9とを介して上方に付勢さ
れている。そして、この下パッド5のうち下抜き加工ス
テージS12に相当する位置には下抜き加工用のダイ1
0が固定されている。
【0032】一方、上ホルダ2には、上抜き加工ステー
ジS11および下抜き加工ステージS12にまたがるよう
にして上パッド11が圧縮コイルスプリング12を介し
て上下動可能に弾性支持されていて、この上パッド11
が順送りされてくる素材たるコイル材51を下パッド5
との間で加圧拘束することになる。また、上ホルダ2の
うち上抜き加工ステージS11に相当する位置には、下側
のポンチ3に対向するリング状の上抜き加工用のダイ1
3が固定されているとともに、このダイ13の内部空間
には該ダイ13と同心状に中央穴H加工用のピアスポン
チ14が配設されている。このピアスポンチ14は、ポ
ンチリテーナ15とバックプレート16とを介して上ホ
ルダ2に固定されている。
【0033】前記ダイ13の内周には円板状のストリッ
パ17がポンチ3と対向するように配設されている。こ
のストリッパ17はポンチリテーナ15に固定されたガ
イドスリーブ18に昇降可能に支持されているととも
に、上ホルダ2との間に設けられた圧縮コイルスプリン
グ19によって下方に付勢されている。
【0034】一方、上ホルダ2のうち下抜きステージS
12に相当する位置には、ダイ10に対向するようにして
下抜き加工用のポンチ20がボルト21にて固定されて
いる。このポンチ20の中央部には中央穴Hと係合する
ことになるロケートピン22が固定されているととも
に、圧縮コイルスプリング23にて下方に付勢されたセ
クショナルストリッパ24が上下動可能に設けられてい
る。
【0035】そして、図1に示すように、上抜き加工用
のポンチ3の先端部には面取りを施すべくテーパ部25
が形成されており、これにより切刃となるポンチ3の先
端面の直径と相手側のダイ13の内径との間には正のク
リアランスCをもたせてある。ここで、上記テーパ部2
5の角度θすなわちそのテーパ面とポンチ3の軸心との
なす角度θは15〜35度、望ましくは25度に設定さ
れているとともに、上記クリアランスCは素板51の板
厚tの10〜20%、望ましくは15%に設定され、さ
らに素材51に対するポンチ3の食い込み量は同じく板
厚tの60〜80%、望ましくは70%に設定されてい
る。
【0036】他方、図3に示すように、下抜き加工用の
ポンチ20とダイ10との間には比較的大きな正のクリ
アランスC2をもたせ、クリアランスC2の大きさとして
板厚tの二分一に設定してある。
【0037】したがって、本実施の形態によれば、上ホ
ルダ2が所定のサイクルで昇降動作を繰り返し、それに
同期してコイル材51がステージS11,S12間ピッチ分
ずつ間欠的に送り動作することで、上抜き加工ステージ
11と下抜き加工ステージS12での加工が並行して行わ
れる。
【0038】すなわち、上抜き加工ステージS11では、
上ホルダ2が下降することによりコイル材51が下パッ
ド5とストリッパ17とにより加圧拘束された上、ピア
スポンチ14とボタンダイ4とが相互に噛み合うことに
より両者のせん断作用のもとに中央穴Hが打ち抜き加工
される。同時に、図1に示すように、上抜き加工用のポ
ンチ3とダイ13とのせん断作用によってワークWが上
抜きされる。
【0039】この時、上抜き加工用のポンチ3がテーパ
部25を有していて、しかも相手側のダイ13との間に
正のクリアランスCをもたせてあるため、ワークWの輪
郭形状に相当する部分の全周のせん断部にクラック26
が入り、ワークWは一旦コイル材51から完全にせん断
され、同時にテーパ部25がコイル材51側のせん断面
51aの内径を拡径方向に押圧する結果、そのせん断面
51aがテーパ状のものとなる。
【0040】そして、上ホルダ2が下死点に達して再び
上昇し始めると、上抜きされたワークWはストリッパ1
7で押圧されて図3に示すようにそのままコイル材51
上の元の位置に残るかたちとなる。
【0041】一方、下抜き加工ステージS12では上抜き
加工ステージS11での加工と並行して、上ホルダ2の下
降に伴ってコイル材51が下パッド5と上パッド11と
で加圧拘束されたのち、図1の(B)に示すように下抜
き加工用のポンチ20とダイ10とのせん断作用によっ
てワークWがコイル材51の下方に打ち抜かれて回収さ
れる。
【0042】すなわち、下抜き加工ステージS12では、
上ホルダ2の下降に伴い、ロケートピン22がワークW
側の中央穴Hに係合することでそのポンチ20とワーク
Wとの相対位置決めがなされ、その状態をもってワーク
Wが下抜きされて、コイル材51から完全に分離する。
なお、下抜き加工後のワークWはセクショナルストリッ
パ24によってロケートピン22から抜き落とされる。
【0043】ここで、図1に示すように、上抜き加工時
にコイル材51側のせん断面51aがテーパ部25によ
って拡径されてテーパ状に形成されているために、コイ
ル材51側のせん断面51aとワークW側のせん断面2
7との間のオーバーラップ量aとしてはきわめて小さい
ものとなっている。同時に、上抜き加工をもってワーク
Wが実質的に完全にせん断されていることは前述したと
おりである。したがって、下抜き加工に必要とされる荷
重は上記のオーバーラップ量aを乗り越えることができ
るだけの力で十分であり、しかも下抜き加工用のポンチ
20とワークWとは、前述したようにロケートピン22
と中央穴Hとの係合によってその相対位置決めがなされ
ているために、上記ポンチ20とダイ10との間のクリ
アランスC2はt/2程度とかなり大きくても何ら問題
はない。
【0044】ここで、上記上抜き加工用のポンチ3にテ
ーパ部25を付加しない場合には、図4,5に示すよう
に、コイル材51とワークWとの間のオーバーラップ量
aが図1のものより大きくなり、必然的に下抜き加工時
の加工力が著しく大きくなるほか、図5に示すようにワ
ークW側のせん断面27に二次せん断による傷28が発
生することとなって好ましくない。
【0045】本発明者等の実験によれば、上記下抜き加
工に要する力は通常のピアス打ち抜き加工時に1/10
〜1/20程度まで軽減できることが判明した。
【0046】このように本実施の形態によれば、下抜き
加工時のクリアランスC2を大きくできることからその
下抜き加工ステージS12におけるコイル材51(ワーク
W)の位置決め精度を緩和してコイル材51の送り速度
を高速化でき、結果として、二工程打ち抜き加工法によ
って中央穴Hと輪郭形状との同心精度の高いワークWを
加工することを前提としつつも、より一層の高速プレス
加工が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる順送り打ち抜き加工装置の実施
の形態を示す図で、(A)は図2のA部拡大図、(B)
は同じく図2のB部拡大図。
【図2】本発明にかかる順送り打ち抜き加工装置の実施
の形態を示す要部断面説明図。
【図3】上抜き加工後の素材たるコイル材とワークとの
関係を示す要部拡大断面図。
【図4】図1に示す上抜き加工用ポンチにテーパ部を形
成しない場合の加工形態を示す要部拡大断面図。
【図5】図4の要部斜視図。
【図6】従来の順送りプレス加工方法の代表的な形態を
示す工程説明図。
【図7】図6の要部拡大断面図。
【図8】従来の順送りプレス加工方法の他の形態として
上下抜き法の加工手順を示す工程説明図。
【符号の説明】
1…下ホルダ 2…上ホルダ 3…上抜き加工用のポンチ 5…下パッド 10…下抜き加工用のダイ 11…上パッド 13…上抜き加工用のダイ 14…ピアスポンチ 17…ストリッパ 20…下抜き加工用のポンチ 22…ロケートピン 25…テーパ部 51…コイル材(素材) C…正のクリアランス H…中央穴 S11…上抜きステージ S12…下抜きステージ W…円板状ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B21D 28/34 B21D 28/34 M

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心部に輪郭形状と同心状をなす中央穴
    が形成された円板状のワークを順送りプレス加工法によ
    り打ち抜き加工する方法であって、 ピアスポンチとそれに対応するダイ穴とのせん断作用に
    基づいて中央穴を打ち抜き加工するとともに、ポンチと
    ダイとのせん断作用により素材に対して円板状ワークの
    上抜き加工を施す上抜き加工工程と、 前記上抜き加工工程から順送りされてきた素材を前記中
    央穴を基準に位置決めした上で、該素材に対してダイと
    ポンチとのせん断作用により円板状ワークの下抜き加工
    を施してこの円板状ワークを素材から離脱させる下抜き
    加工工程と、 を含んでなり、 前記上抜き加工工程では、その上抜き加工用のポンチの
    先端部外周をテーパ状に形成して、該ポンチの先端面で
    の切刃直径と相手側のダイの切刃直径との間に正のクリ
    アランスをもたせた状態で加工することを特徴とする順
    送り打ち抜き加工方法。
  2. 【請求項2】 前記クリアランスは素材の板厚の10〜
    20%に設定されているとともに、上抜き加工用ポンチ
    のテーパ部とポンチ軸心とのなす角度が15〜35度に
    設定されていることを特徴とする請求項1に記載の順送
    り打ち抜き加工方法。
  3. 【請求項3】 上抜き加工時における素材への上抜き加
    工用ポンチの食い込み量が素材の板厚の60〜80%に
    設定されていることを特徴とする請求項2に記載の順送
    り打ち抜き加工方法。
  4. 【請求項4】 中心部に輪郭形状と同心状をなす中央穴
    が形成された円板状のワークを順送りプレス加工法によ
    り打ち抜き加工する装置であって、 ピアスポンチとそれに対応するダイ穴とのせん断作用に
    基づいて中央穴を打ち抜き加工するとともに、ポンチと
    ダイとのせん断作用により素材に対して円板状ワークの
    上抜き加工を施す上抜き加工ステージと、 前記上抜き加工ステージと隣接配置され、この上抜き加
    工ステージから順送りされてきた素材を前記中央穴を基
    準に位置決めした上で、該素材に対してダイとポンチと
    のせん断作用により円板状ワークの下抜き加工を施して
    この円板状ワークを素材から離脱させる下抜き加工ステ
    ージと、 を備えてなり、 前記上抜き加工用のポンチの先端部外周をテーパ状に形
    成して、該ポンチの先端面での切刃直径と相手側のダイ
    の切刃直径との間に正のクリアランスをもたせたことを
    特徴とする順送り打ち抜き加工装置。
  5. 【請求項5】 下抜き加工用のポンチに、中央穴に係合
    して素材との相対位置決めを司るロケートピンが設けら
    れていることを特徴とする請求項4に記載の順送り打ち
    抜き加工装置。
JP10001986A 1998-01-08 1998-01-08 順送り打ち抜き加工方法およびその装置 Pending JPH11192518A (ja)

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