JPH11192462A - ダクト管用粉塵清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダクト管内を流れる集塵用ブロアーによる吸
引作用を利用して、ダクト管内に堆積するダストの除去
と、ダクト管内に付着するダストの清掃を一挙に行うこ
とができるダクト管用粉塵清掃装置を提供する。 【解決手段】 集塵機４の集塵用ブロアーの吸引作用が
及ぶ粉塵輸送用ダクト管３の内部に、ねじれ羽根６Ｈを
備えた清掃ブラシ５を収納して、上記の吸引作用により
清掃ブラシ５を回転しながら移動させることによって、
粉塵輸送用ダクト管３の内部を清掃する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ダクト管内に付着
した粉塵（ダスト）を清掃する清掃装置に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】熔接作業や熔断作業等によって発生した
ヒュームや可燃性のスパッタ（火の粉）等の粉塵を集塵
機で収集する場合には、粉塵輸送用ダクト管の途中に不
燃性のプレフイルタを設けたり、例えば特願平９−９４
６４７号の出願に見られるように集塵フード装置を用い
たりして、火の粉が直接集塵機側に吸引されないように
工夫している。

【０００３】ところが、粉塵輸送用ダクト管の内部にヒ
ュームやスパッタの燃カスが残ってこれが堆積した状態
のまま、何らかの理由で微細なスパッタが燃えながらダ
クト管の内部に吸引された場合には、これ等堆積したヒ
ュームやスパッタの燃カスに着火してこれが新たな火種
となり、粉塵爆発を起したり火災の原因となる問題があ
った。

【０００４】そこで本出願人は、先の特願平９−２２０
２２２号の出願に見られるように、粉塵機の吸引作用が
及ぶ粉塵輸送用ダクト管の内部に、旋回流を発生させる
旋回流発生手段と、一端をこの旋回流発生手段の下流側
部分に固定したフレキシブルな紐体とを設けた構造のダ
クト管用粉塵堆積防止装置を開発した。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記出願に係るダクト
管用粉塵堆積防止装置によれば、ダクト管の内部に旋回
流を発生させ、この旋回流でフレキシブルな紐体をグル
グルと回転させることにより、ダクト管内に堆積又は堆
積中の粉塵にシヨックを与えて、吸引気流に乗せて強制
的に排出することができるのであるが、しかし、この装
置はあくまでもダクト管内への粉塵の堆積を防止するた
めのものであって、ダクト管内に付着した粉塵をきれい
に清掃することはできず、粉塵の清掃にはブラシ等を用
いた別の作業を行う必要があって、甚だ不便であった。

【０００６】従って本発明の技術的課題は、ダクト管内
を流れる集塵用ブロアーによる吸引作用を利用して、ダ
クト管内に堆積するダストの除去と、ダクト管内に付着
するダストの清掃を一挙に行うことができるダクト管用
粉塵清掃装置を提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために本発明で講じた手段は以下の如くである。

【０００８】（１） 集塵用ブロアーの吸引作用が及ぶ
ダクト管の内部を清掃ブラシを用いて清掃するダクト管
用粉塵清掃装置であって、上記清掃ブラシの全体を外側
面にブラシを植毛した筒状に構成し、この清掃ブラシの
内部にはねじれ羽根を取付けることにより、ダクト管内
を流れる空気の作用を受けて清掃ブラシをダクト管の内
部で回転及び移動するように構成すること。（請求項
１）

【０００９】（２） 集塵用ブロアーの吸引作用が及ぶ
ダクト管に対して、その上流側より下流側に向けて線状
又は杆状に構成した牽引部材を抜き差し自在に挿入し、
この挿入された牽引部材の先端に内部にねじれ羽根を取
付けた円筒状の清掃ブラシを回転自在に連結すること。
（請求項２）

【００１０】（３） 清掃ブラシを回転自在に連結する
牽引部材としてワイヤー等の紐体の途中に回転制止羽根
を取付けること。（請求項３）

【００１１】

【作用】上記（１）で述べた請求項１に係る清掃装置に
よれば、集塵用ブロアーの吸引作用を受けると、その空
気の流れがねじれ羽根に作用して清掃ブラシを回転しな
がら移動するため、この清掃ブラシの回転移動運動によ
ってダクト管内に堆積或は堆積しつつある粉塵と、ダク
ト管内に付着している粉塵にシヨックを与えて吸引気流
に乗せて強制的に輸送できるから、ダクト管内をきれい
に清掃することを可能にする。

【００１２】上記（２）で述べた請求項２に係る装置に
よれば、集塵用ブロアーの吸引作用を受けてダクト管内
を回転しながら移動する清掃ブラシを、牽引部材を操作
することにより元のスタート位置や任意の位置に自由に
移動することができるため、ダクト管内の全ての場所を
思い通り清掃することを可能にする。

【００１３】上記（３）で述べた請求項３に係る手段に
よれば、ワイヤーを操作することによって、清掃ブラシ
をダクト管内の任意の場所に移動して清掃することがで
きると共に、回転制止羽根によってワイヤーのねじれを
少くして清掃ブラシのみを円滑に回転できるため、優れ
た清掃作用を発揮することを可能にする。

【００１４】以上の如くであるから、上記（１）〜
（３）の手段によって上述した技術的課題を解決して、
前記従来の技術の問題点を解消することができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下に、本発明に係るダクト管用
粉塵清掃装置の実施の形態を図面と共に説明すると、図
１は本発明を実施した装置の全体を説明した構成図であ
って、図中１は作業室、Ｔはワーク、Ｒは溶接機、ＳＰ
…は溶接又は溶断作業等によって生じたヒューム及びス
パッタ等の粉塵、２は作業室１の上面に取付けた集塵フ
ード、２Ｈは集塵フード２に直立した状態に接続した吸
引ダクト管、３は粉塵輸送用のダクト管で、３ａはその
内部通路、４はこのダクト管３の先端に接続した集塵
機、３Ｈは上記の吸引ダクト管２Ｈを中心にして上記粉
塵輸送用ダクト管３とは反対の方向に連設したブラシ待
機室、３ｂはこの待機室３Ｈの入口に取外し自在に嵌着
したキャップ体であって、上記の集塵機４には図示はし
ていないが集塵用のブロアーが設けられている。

【００１６】次に、符号５で全体的に示したのは上記粉
塵輸送用ダクト管３の内部に収納した清掃ブラシであっ
て、図２はこの清掃ブラシ５を拡大して示した側面図、
図３はその側断面図、図４は図３のＸ−Ｘ線に沿った断
面図を示す。

【００１７】上述した各図に示すように、清掃ブラシ５
は前後を開口５Ｔａ，５Ｔｂした円筒体５Ｔの周面にブ
ラシ５Ｓを植毛した全体が上記の内部通路３ａより若干
小径の円筒形状を成し、その内部には周面に複数枚のね
じれ羽根６Ｈ…を設けた羽根体６が空気が流れて来る方
向（図面上左方向）に向けて取付けられている。

【００１８】６Ｒ…は上記の各ねじれ羽根６Ｈ…を保持
する保持板、７は羽根体６のヘッドに取付けた連結体、
７ａはこの連結体の先端に連設した連結球、９は牽引部
材を構成するワイヤーであって、上述したキャップ体３
ａに設けた挿通穴（図示省略）より粉塵輸送用ダクト管
３の内部３ａに進退作動自在に挿入したこのワイヤー９
の先端に回転軸受体８が取付けられており、更に、この
回転軸受体８の内部に上記羽根体６の連結球７ａが回転
自在に連結されている。

【００１９】１０は上記ワイヤー９の途中に取付けた回
転制止羽根で、牽引部材としてワイヤー９以外の例えば
細長い杆のようなものを用いた場合には、この回転制止
羽根１０を取付ける必要がなく、また、牽引部材として
ワイヤー９以外の丈夫な紐体を用いる場合もあって、そ
の素材の選択は任意とする。

【００２０】本発明に係るダクト管用粉塵清掃装置は以
上述べた如き構成であるから、普段は図１に示すように
清掃ブラシ５を粉塵輸送用ダクト管３の待機室３Ｈの内
部に待機させておき、清掃時にはワイヤー９、又は、そ
の他の部材等で押すようにして清掃ブラシ５を粉塵輸送
用ダクト管３の内部通路３ａに押し出せば、集塵機４の
集塵用ブロアーによる吸引作用を受けて粉塵輸送用ダク
ト管３の内部を図面の矢印方向に流れる気流が、ねじれ
羽根６Ｈ…に当って清掃ブラシ５の全体を回転し、且
つ、この清掃ブラシ５を集塵機４の方向に吸引移動す
る。

【００２１】従って、この清掃ブラシ５の回転しながら
の移動により、粉塵輸送用ダクト管３の内部通路３ａ内
に堆積及び堆積中の粉塵、或は、内部通路３ａに付着し
ている粉塵をきれいに払い落して、集塵機４側に集塵さ
せることができる。

【００２２】また、清掃ブラシ５にはワイヤー９の如き
牽引部材が連結されているため、この牽引部材を操作す
ることにより集塵用ブロアーの吸引作用を受けて集塵機
４の方向に回転移動していた清掃ブラシ５を、元の待機
室３Ｈに引き戻したり、或は、輸送用ダクト管３の適当
な位置に引き戻して再び清掃を繰返すことができるもの
であって、この様に清掃ブラシ５を粉塵輸送用ダクト管
３の内部で回転させながら進退作動することにより、内
部通路３ａの全ての場所をきれいに清掃することができ
る。

【００２３】尚、牽引部材としてワイヤー９の様な紐体
を使用した場合には、この紐体の途中に回転制止羽根１
０を取付けることにより、紐体のねじれを少くして清掃
ブラシ５のみを円滑に回転して清掃能力を向上させるこ
とができる。

【００２４】

【発明の効果】以上述べた次第で、本発明に係るダクト
管用粉塵清掃装置によれば、集塵機の集塵用ブロアーに
よる吸引作用を利用して清掃ブラシを回転移動させて、
粉塵輸送用ダクト管の内部をきれいに清掃することがで
きるものであって、清掃用として特別な駆動機構を必要
としないから、極めて簡単に実施できる経済性と、粉塵
輸送用ダクト管の如何なる場所もきれいに清掃できる機
能性を発揮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るダクト管用粉塵清掃装置を備えた
集塵装置の構成を説明した一部断面正面図である。

【図２】本発明の要部を拡大して示した側面図である。

【図３】本発明の要部を拡大して示した側断面図であ
る。

【図４】図３のＸ−Ｘ線に沿った断面図である。

【符号の説明】

３ 粉塵輸送用ダクト管 ３ａ 内部通路 ４ 集塵用ブロアーを備えた集塵機 ５ 清掃ブラシ ５Ｔ 円筒体 ５Ｓ ブラシ ６Ｈ ねじれ羽根 ９ ワイヤー（牽引部材） １０ 回転制止羽根

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 集塵用ブロアーの吸引作用が及ぶダクト
   管の内部を清掃ブラシを用いて清掃するダクト管用粉塵
   清掃装置であって、上記清掃ブラシの全体を外側面にブ
   ラシを植毛した筒状に構成し、この清掃ブラシの内部に
   はねじれ羽根を取付けることにより、ダクト管内を流れ
   る空気の作用を受けて清掃ブラシをダクト管の内部で回
   転及び移動するように構成したことを特徴とするダクト
   管用粉塵清掃装置。
2. 【請求項２】 集塵用ブロアーの吸引作用が及ぶダクト
   管に対して、その上流側より下流側に向けて線状又は杆
   状に構成した牽引部材を抜き差し自在に挿入し、この挿
   入された牽引部材の先端に内部にねじれ羽根を取付けた
   円筒状の清掃ブラシを回転自在に連結したことを特徴と
   する請求項１記載のダクト管用粉塵清掃装置。
3. 【請求項３】 清掃ブラシを回転自在に連結する牽引部
   材としてワイヤー等の紐体を使用し、この紐体の途中に
   回転制止羽根を取付けたことを特徴とする請求項２記載
   のダクト管用粉塵清掃装置。