JPH11191918A - コンクリート製品の接続方法、接続構造およびシール用可とう性継手 - Google Patents

コンクリート製品の接続方法、接続構造およびシール用可とう性継手

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JPH11191918A
JPH11191918A JP9357841A JP35784197A JPH11191918A JP H11191918 A JPH11191918 A JP H11191918A JP 9357841 A JP9357841 A JP 9357841A JP 35784197 A JP35784197 A JP 35784197A JP H11191918 A JPH11191918 A JP H11191918A
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concrete
sealing
pipe
rubber ring
connection
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JP9357841A
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Masanori Shinozaki
正典 篠崎
Mitsuo Yamashita
三男 山下
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Ito Yogyo Co Ltd
Original Assignee
Ito Yogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期のシール性を保持しかつ作業性に優れた
コンクリート製品の接続構造を提供する。 【解決手段】 コンクリートブロック体1同士を、それ
ぞれに形成されたケーブル挿通孔12同士を連通させる
ように突き合わせ状に接続する構造において、前記両コ
ンクリートブロック体1の、それぞれのケーブル挿通孔
12の接続面側に、該ケーブル挿通孔12より径大な穴
状の接合部11を形成し、これら接合部11のそれぞれ
に内嵌される筒状の弾性変形可能なシール用可とう性継
手2を設け、この可とう性継手2に、コンクリートブロ
ック体1の、接続側面に接当する位置決め用顎211を
設けると共に、可とう性継手2の内周側にシール用突起
部221,222を設け、さらに、コンクリートブロッ
ク体1の、それぞれの接合部11に内嵌された可とう性
継手2に亘って内嵌されてケーブル挿通孔12同士を連
通させる管形カラー3を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地下埋設用コンクリー
ト製品、特に電線共同溝(C.C.BOX)やハンドホ
ール等のコンクリートブロック体、マンホールや桝等の
下水・雨水排水設備あるいはコンクリート製、陶器製、
塩化ビニール製または鉄製等の地下埋設管(以下、単に
配管という。)において、コンクリートブロック体同
士、配管同士またはマンホールや桝等の開口部と配管と
を接続(接合)する場合に適用する接続方法、接続構造
およびシール用可とう性継手(接続用継手部材)に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような地下埋設用コンクリ
ート製品を接続する場合、大別して次のような方法が採
用されている。 (1)接続部にモルタル、コンクリート、または接着剤
等を用いる可とう性のない剛構造の接続方法。 (2)接続部に弾性変形によるシール力を活用したゴム
製等の継手を用いる可とう性のある柔構造の接続方法。 以下、(1)の方法は長期のシール性を保持することが
困難との通説になっているので説明を省略し、(2)の
方法について説明する。
【0003】一般に、コンクリート製品はその表面がざ
らざらした粗面であるので、接続部において内部からの
漏水や内部への地下水等水の侵入を防止(すなわち止水
またはシール)するために、コンクリートブロック体の
接続においてはゴム製平板が用いられ、また配管同士の
接続もしくはマンホールや桝等の開口部と配管との接続
においてはゴム製シール用可とう性継手(以下、ゴムリ
ングという。)が用いられる。図13は図17に示すゴ
ム製平板を用いてコンクリートブロック体同士を接続す
る場合の接続部の要部断面を示す。また、図14〜16
はそれぞれ図18〜20に示すゴムリングを用いて配管
同士を接続する場合あるいはマンホールや桝等の開口部
と配管とを接続する場合の接続部の要部断面を示し、図
中、下側が配管の内周側を示し、上側が配管の外周側を
示し、管の軸心を中心線とした対称部分を省略してい
る。
【0004】先ず、電線地中化の動きに伴って最近急速
に需要が拡大している電力・通信ケーブル等を収容する
電線共同溝(C.C.BOX)とは、図12に示すよう
に、円形状貫通孔からなる複数のケーブル挿入孔a′を
設けたプレキャストコンクリート製のブロック体aであ
る。この電線共同溝には、ケーブル挿入孔a′と平行に
連結孔a″が貫通形成されている。
【0005】このようなブロック体a同士を接続するに
は、図13および図17に示すように、ケーブル挿入孔
a′と連結孔a″の大きさ、個数および配置に応じた孔
あきのゴム製平板bを一方のブロック体aの接合面cに
接着剤を用いて貼り付け、前記ゴム製平板bに他方のブ
ロック体aの接合面cをその挿入孔a′と連結孔a″と
が一致するように位置合わせしたのち、両端にネジ部を
設けたPC鋼線(図示せず)を連結孔a″に挿入し、専
用の緊締工具(図示せず)を用いてPC鋼線の両端を緊
締しながらブロック体a同士を接続する接続方法であ
る。なお、この方法に用いられるゴム製平板bは、水を
注入すると膨張するいわゆる水膨張ゴムである。
【0006】つぎに、コンクリート製の管同士を接続す
る代表例を図14および図15に示す。すなわち、図1
4は、特にヒューム管d同士を接続する場合であって、
一方のヒューム管dの接続端面には、内周側の孔d1に
連通する円筒状の凸部d′が一体形成され、他方のヒュ
ーム管dには、内周側の孔d1の接続側に、該孔d1よ
り径大で前記一方のヒューム管dの凸部d′が挿入され
る円形穴状の凹部d″が接続側端面から凹設されてい
る。
【0007】図18に示す断面形状のゴムリングe(図
中下側がリングの内周側を示し、上側がリングの外周側
を示し、リングの軸心を中心線とした対称部分を省略し
ている。以下、ゴムリングについて同様である。)を一
方のヒューム管dの凸部d′に外嵌して装着したのち、
その凸部d′を他方のヒューム管dの凹部d″に押し込
んでヒューム管d同士を接続する接続方法である。この
方法は、凸部d′を押し込む際にゴムリングの突起部
e′が弾性変形してコンクリート表面の凹凸を吸収する
ことにより、接続部の凹凸部の隙間fをシールするもの
である。
【0008】また、図15は、いわゆる下水道推進工法
(地中を掘削しつつ、配管を順次埋設する工法)により
埋設されるコンクリート製の推進管同士を接続する場合
を示す場合であって、鋼製カラーhおよび図19に示す
断面形状のゴムリングiを用いて二つの推進管gを接続
するものである。すなわち、二つの推進管gの管接続端
g′のほぼ中央の外周面に設けたシール用溝g″にゴム
リングiを外嵌して装着し、次いで一方の推進管g(図
15右側)の管接続端g′を鋼製カラーhに押し込んで
内嵌したのち、他方の推進管g(図15左側)の管接続
端g′を鋼製カラーhに押し込んで内嵌し、最後に二つ
の推進管gを緊締工具(図示せず)を用いて緊締する接
続方法である。そして、この緊締工程を繰り返すことに
より順次管路を延長して行くので、推進工法と言われる
ゆえんである。この場合、ゴムリングiの突起部i′が
弾性変形して鋼製カラーhの内面に密着する一方、ゴム
リングiの下面i″がシール用溝g″のコンクリート面
に密着することにより、鋼製カラーhと推進管gの管端
g′との間の隙間jがシールされる。この方法は、シー
ル用溝の加工と鋼製カラーの準備および緊締工程を必要
とする点で工数は増加するが、図14の場合よりもシー
ル性を向上させたものである。
【0009】つぎに、図16はマンホールkの側壁開口
部k′に、前記一方のヒューム管dと同様の凸部d′を
有するヒューム管dを接続する場合であって、図20に
示す断面形状のゴムリングlをヒューム管dの凸部d′
に当接するように装着し、次いでこの凸部d′を開口部
k′に押し込んで開口部とヒューム管との隙間mをシー
ルする接続方法である。この方法は、複数のリップ形状
に形成された突起部l′が弾性変形して開口部k′側の
コンクリート表面の凹凸を吸収するとともにゴムリング
lのフランジ部l″を開口部k′の垂直面k″に当接さ
せて垂直面k″と凸部d′の端との間の隙間m′をシー
ルすることにより、シール性を向上させたものである。
【0010】ところで、図15〜17に示す接続方法に
おいて、共通している点は以下のとおりである。 (1)ゴムリングの外周面に複数のシール用突起部が形
成されていること。 (2)シール用突起部はコンクリート表面の凹凸を吸収
するとともに、該突起部を複数設けて接続部における水
の侵入および漏れを防止することにより、シール性を向
上させていること。 (3)ゴムリングが挿入する管の凸部の外周面に装着さ
れ、このゴムリングを開口部または他方の管の凹部に押
し込むという接続方法であること。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の技術においては以下のような問題点がある。先ず、
図13に示す電線共同溝同士の接続においては、ケーブ
ル挿入孔a′や連結孔a″の位置合わせを行なう際のガ
イドとなるものがないので、接合面を正確に一致させる
調整に熟練を要し時間がかかること、両ブロック体aの
接続に際しては緊締工具の設置と緊締作業のためのスペ
ースが必要であり、それに見合う地下開削を行なう必要
があること、水膨張ゴムは乾燥すると収縮しシール性が
悪くなるので、接続部付近は常に湿潤状態に保持する必
要があるが、雨水次第や機械的手段による保持は必ずし
も期待できないこと、さらに埋設後の車の振動や地盤沈
下等により接合面が剥離する恐れがあり、長期のシール
性を保持することができないこと、等の問題がある。
【0012】つぎに、図14に示すコンクリート製の管
同士の接続においては、ゴムリングeを装着した一方の
管の凸部d′を他方の管の凹部d″に押し込む際に多少
でも管の芯ブレや倒れがあると、ゴムリングeに捩じれ
が生じてシール機能が悪くなり漏水の原因となる恐れが
あるため、ゴムリングの位置決めや管の芯出し等の作業
には相当の熟練を要するという問題がある。また管の芯
出し作業を充分に行なっても、施工後の外部要因(例え
ば埋設配管周辺の土砂の陥没)により埋設配管が大なり
小なりの芯ブレを起こすことは避けられず、その結果、
ゴムリングeに捩じれが生じて漏水の危険性が次第に大
きくなるという欠陥が生じ、長期のシール性を保持する
ことができないという問題がある。また、コンクリート
製であるので、凸部d′の強度不足が生じ、強度を十分
に保つと凸部の厚さが厚くなり、管全体が大型化すると
いう問題もある。
【0013】また、図15に示すコンクリート製の推進
管同士の接続においては、ゴムリングiと鋼製カラーh
との併用によりシール性がほぼ完璧に近いという利点を
有するが、鋼製カラーや推進管は一体化するとトンレベ
ルの重量物となるゆえ、接続する際の両者の芯出し作業
には細心の注意と相当な技術力を要する。しかも、推進
管の管端が鋼製カラーで固定されるという実質的に可と
う性のない剛構造のシール構造となるので、管の芯ブレ
や傾きに対する吸収力が小さく、その結果、例えば施工
後の地盤の不同沈下により、接続部において剥離、管の
亀裂・破損事故等の起こる可能性が大となり、したがっ
て長期のシール性を保持することができないという問題
がある。また、コンクリートブロック体同士の接続と同
様、緊締工具の設置と緊締作業のためのスペースが必要
であり、それに見合う地下開削を行なう必要があるとい
う問題がある。
【0014】さらに、図16に示すマンホールの開口部
k′へのヒューム管dの接続においては、それに用いら
れるゴムリングlはそれ自体の優れたシール効果を有す
ることに加えて接続する際の管の芯ブレや倒れに対する
変位を吸収する可とう性効果を有するので、長期間のシ
ール性が保持されるという利点があるが、側壁開口部が
段付き構造であるので、貫通穿孔のみならず切削研磨の
加工手段を必要とし、そのため手間や時間がかかり、費
用が高くつくという問題がある。また、側壁開口部の径
が大きくなればなるほど側壁が蛇行した曲面状となるの
で、ゴムリングlはその曲面に追従して開口部の壁面に
密着するような特殊な形状とせざるを得ないが、そのよ
うな特殊な形状を有するゴムリングを製作することは価
格面で高くつくという問題がある。
【0015】ところで、図18〜20に示すゴムリング
e,i,lは主にコンクリート製品、特にコンクリート
製マンホールとコンクリート製管との接続あるいはコン
クリート製管同士の接続に好適に用いられる、いわば特
別仕様に近いものである。このようなゴムリングを例え
ばマンホールや桝等の開口部と塩化ビニール製の管(以
下、塩ビ管という。)との接続あるいはコンクリート製
の管と塩ビ管といった異種管同士の接続にも適用するこ
とは原理的には可能であるが、ゴムリングの内側シール
部が突起部のない構造であるため、この内側シール部と
接触する塩ビ管の外周面が凹凸の無い極めて滑らかな表
面であるがゆえに、シール機能の確保および長期のシー
ル性の保持に対する保証は必ずしも得られないという問
題がある。
【0016】図20に示すゴムリングに代わるものとし
て、実開昭63−60794には、特にマンホールの側
壁開口部への配管の接続に好適なゴムリングが開示され
ている。図21は、実開昭63−60794に記載のゴ
ムリングを用いてマンホールの側壁開口部に配管を接続
する場合の接続部分の要部断面を示す。すなわち、図2
1に示す接続方法は、ゴムリングnの突起部n′が挿入
する配管oの外周面をシールすること、ゴムリングnは
マンホールpの側壁開口部p′に装着すること、ゴムリ
ングnに位置決め用顎と山型形状案内部とからなるフラ
ンジ部n″を設けたことなどを特徴とすることで、前述
の図16に示す接続方法とはほぼ逆になっている点が従
来の方法と大きく異なるものである。
【0017】図21に示す接続方法によれば、表面がざ
らざらした粗面であるコンクリート製の管はもちろんの
こと、表面が滑らかな平滑面を有する例えば塩ビ管の外
周面を確実にシールすることができる、また管の芯ブレ
や倒れが多少あってもゴムの有する可とう性によりフラ
ンジ部が芯ブレや倒れに対する変位を吸収するので、シ
ール機能が損なわれることがない、さらに位置決め用顎
を設けているので、ゴムリングの装着が容易であるとと
もに装着の際の捩じれが生じない、などの効果がある。
【0018】しかしながら、図21に示す接続方法は、
側壁開口部が小口径である場合には優れたシール効果を
発揮するが、側壁開口部が大口径である場合には、図1
6に示す接続方法と同様、特殊な形状のゴムリングとし
なければならず、高コストになるという問題がある。ま
た、山型形状のシール構造では、長期間の使用によって
山型部が押しつぶされて平板状に変形したままとなり、
その結果シール性が徐々に悪くなって漏水を起こすとい
う事態となり、結局は長期のシール性を保持することが
できないという問題がある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、前記
の問題点を解決するために、実開昭63−60794に
記載のゴムリングに改良を加えてより優れたシール性を
有する新型ゴムリングを開発するとともにこの新型ゴム
リングと管形カラーとの併用による接続方法を実用化し
た結果なされたもので、長期のシール性を保持しかつ作
業性に優れたコンクリート製品の接続方法および接続用
継手部材を提供するものである。
【0020】すなわち、請求項1又は2は、特にコンク
リート製品同士を接続する場合に好適であって、可とう
性継手(ゴムリング)と管形カラーを用いることを特徴
とし、具体的には、位置決め用顎とシール用突起部とを
有するゴムリングおよび管形カラーを用い、コンクリー
トブロック体同士、コンクリート製の管同士またはコン
クリート製の管とコンクリート製以外の管とをそれぞれ
接続する方法において、コンクリートブロック体、コン
クリート製の管またはコンクリート製以外の管の両端に
凹形状の接合部が設けられ、該接合部に位置決め用顎を
当接するように前記ゴムリングを装着したのち、一方の
前記コンクリートブロック体、コンクリート製の管また
はコンクリート製以外の管に装着した前記ゴムリングに
前記カラーの一端を押し込み、次いで前記カラーの他端
に他方の前記コンクリートブロック体、コンクリート製
の管またはコンクリート製以外の管に装着した前記ゴム
リングを外嵌して接続することを特徴とするコンクリー
ト製品の接続方法、又は、コンクリートブロック体また
はコンクリート製の管からなる連結体と、コンクリート
ブロック体、コンクリート製の管またはコンクリート製
以外の管からなる被連結体とを、それぞれに形成された
孔同士を連通させるように突き合わせ状に接続する構造
において、前記連結体及び被連結体の、それぞれの孔の
接続面側に、該孔より径大な穴状の接合部を形成し、こ
れら接合部のそれぞれに内嵌される筒状の弾性変形可能
なシール用可とう性継手を設け、この可とう性継手に、
連結体又は被連結体の、接続側面に接当する位置決め用
顎を設けると共に、可とう性継手の内周側にシール用突
起部を設け、さらに、連結体及び被連結体の、それぞれ
の接合部に内嵌された可とう性継手に亘って内嵌されて
連結体及び被連結体の孔同士を連通させる管形カラーを
設けたことを特徴とするコンクリート製品の接続構造で
ある。
【0021】請求項1又は2によれば、コンクリート製
品は凹形状接合部において突き合わせの形で接続され、
その際管形カラーがガイドとなるので、位置決めの微調
整を要することなく短時間に接続作業を終えることがで
きる。また後述するように、本発明のゴムリングの構造
により、凹形状の接合部におけるシール性が一層向上す
るとともに、剥離に対する抵抗力が大きいので、例えば
地盤の不同沈下が生じてもコンクリート製品の接合部で
の剥離を防止することができる。
【0022】つぎに、請求項3は、請求項2の構成に加
えて、シール用突起部の、管形カラー進入側の面と管形
カラー反進入側の面とが、可とう性継手の径方向内方に
向かうにしたがって管形カラーの進入方向に移行する傾
斜面となるように、シール用突起部を傾斜状に形成して
なることを特徴とするコンクリート製品の接続構造であ
る。
【0023】請求項3によれば、ゴムリングが開口部ま
たは配管の凹形状接合部に装着されるので、従来の接続
方法において生じるゴムリングの捩じれの問題が完全に
解消される。また、後述する請求項4と同様に、凹形状
接合部におけるシール性が一層向上するとともに、接合
部におけるカラーの剥離(離脱)を防止することができ
る。
【0024】さらに、請求項4は、ゴムリングの構造に
関し、具体的には、請求項1又は2に記載のゴムリング
が、連結体に形成された穴状の接合部に、筒状の被接合
部を挿入して接続するために用いられる弾性変形可能な
シール用可とう性継手であって、前記接合部に内嵌され
ると共に被接合部が挿入される筒状の外側シール部と、
連結体の被接合部挿入側に接当する位置決め用顎と、外
側シール部内周面から径方向内方側に突設されて該外側
シール部と被接合部との間で押し潰されるシール用突起
部を備えて構成されたシール用可とう性継手において、
前記シール用突起部の、被接合部進入側の面と被接合部
反進入側の面とが、外側シール部の径方向内方に向かう
にしたがって被接合部進入方向に移行する傾斜面となる
ように、シール用突起部を傾斜状に形成してなることを
特徴とする。
【0025】請求項4によれば、位置決め用顎をコンク
リートブロック体または配管の凹形状接合部の内壁ある
いは開口部の壁面に当接させることにより、ゴムリング
の装着の位置決めが容易になる。また、カラーまたは配
管等の被接合部が挿入されると、シール用突起部が弾性
変形して挿入された被接合部の外周面に押圧されるよう
に密着するので、被接合部の外周面が確実にシールされ
るとともに、この弾性変形に伴う反発力が外側シール部
に伝達して凹形状接合部の内壁がシールされる。そし
て、この弾性変形性すなわち可とう性性により、配管の
芯ブレや倒れが多少あってもその変位を吸収してシール
性能を保持することができる。なおかつ、シール用突起
部は被接合部の進入方向に傾斜しているので、進入方向
とは逆方向に被接合部を引き抜こうとしても、このシー
ル用突起部に進入前の形状に戻ろうとする反発力が働
き、接合部における被接合部の剥離(離脱)が防止され
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。図1〜3は本発明に係るゴムリング
(シール用可とう性継手)と管形カラーとの併用による
コンクリート製品の接続方法及び接続構造の一実施形態
を示す要部断面図、図4〜6は本発明に係るゴムリング
を用いたコンクリート製品の接続方法の一実施形態を示
す要部断面図、図7は本発明に係るゴムリングの一実施
形態を示す斜視図、図8は図7のA−A断面図、図9〜
11は本発明に係るゴムリングの他の実施形態を示す要
部断面図である。図1〜11において、1は電線共同溝
(コンクリートブロック体)、2はゴムリング、3はカ
ラー、4および9はコンクリート製の管、5および8は
塩ビ管、6はコンクリート製のマンホール、7はコンク
リート製の桝である。また、21はフランジ部、22は
内側シール部、23は外側シール部である。
【0027】なお、図1〜6において、ゴムリング2は
弾性変形前の状態をそれぞれ示している。図1は、コン
クリートブロック体同士の接続構造を示し、特に、円形
状貫通孔からなる複数のケーブル挿入孔12を設けたプ
レキャストコンクリート製のブロック体である電線共同
溝1、1同士を、図7及び図8に示すゴムリング2およ
び管形カラー3を用いて、それぞれに形成されたケーブ
ル挿入孔12同士を連通させるように、突き合わせ状に
接続する場合を示し、本発明の優れた効果が最もよく発
揮されるに好適な実施例であり、先ず、これについて説
明する。
【0028】電線共同溝1、1のそれぞれのケーブル挿
入孔12の軸方向両端(接続側端部)には、ケーブル挿
入孔12よりも径大で該ケーブル挿入孔12と同心状の
円形穴状接合部11が、接続側端面から凹設されてい
る。ゴムリング2は、図8に示すように、位置決め用顎
211およびシール用突起部212とからなるフランジ
部21と、複数のシール用突起部221、222からな
る内側シール部22と、全周に亘って肉厚が略均等な円
筒体231からなる外側シール部23とで構成され、フ
ランジ部21と内側シール部22と外側シール部23と
が弾性変形可能なゴム(又は樹脂等)にて一体成形され
てなるものである。
【0029】前記外側シール部23は、図1に示すよう
に、電線共同溝1の接合部11に内嵌され、外側シール
部23の外径は接合部11の内径と略等しく形成され
る。また、外側シール部23には、前記カラー3が挿入
される。位置決め用顎211は、外側シール部23のカ
ラー3挿入側端部に径方向外方に突出状に形成され、シ
ール用突起部212は、外側シール部23内周面側から
径方向内方に突出するリング状に形成され、斜面21
b、21cで囲まれる断面山型形状をなしている。カラ
ー3の進入側のフランジ表面21aは平坦面に形成され
ている。
【0030】また、シール用突起部221、222は、
外側シール部23内周面側から径方向内方に突出するリ
ング状に形成され、第1〜3斜面22a、22b、22
cで囲まれる断面楔状台形型形状をなすとともに、カラ
ー3の進入側の面である第1斜面22aと、カラー3の
反進入側の面である第3斜面22cとが、外側シール部
23の径方向内方に向かうにしたがってカラー3の進入
方向Bに移行する傾斜面となるように形成されていて、
シール用突起221、222が全体的に外側シール部2
3の径方向内方に向かうにしたがってカラー3の進入方
向Bに移行する傾斜状に形成されている。
【0031】前記一対の電線共同溝1、1を相互に接続
させるには、電線共同溝1、1の接続側に設けられた各
凹形状接合部11のそれぞれにゴムリング2を装着し、
次いで一方の電線共同溝1(図1右側)の各凹形状接合
部11に装着したゴムリング2にカラー3の一端側を押
し込むようにして挿入したのち、カラー3の他端側に他
方の電線共同溝1(図1左側)の各凹形状接合部11に
装着したゴムリング2を押し嵌めて外嵌することによ
り、電線共同溝1、1同士が相互に接続されるのであ
り、したがって、この図1に示す実施の形態では、これ
ら電線共同溝1、1の内、一方が連結体とされ、他方が
被連結体とされている。また、管形カラー3のゴムリン
グ2に対する挿入部分が被接合部31とされている。
【0032】そして、この接続工程を繰り返して電線共
同溝1を順次継ぎ足すことにより、前述した下水推進工
法における推進管と同じように管路を延長することがで
きるものである。なお、図示しないが、図1に示す接続
方法は、電線共同溝1をその中継点である例えばハンド
ホールの側壁開口部に接続する場合にも適用することが
できる。
【0033】図1に示す接続方法及び構造は、シール
性、剥離防止性(被接合部31のゴムリング2に対する
離脱防止性)および作業性等において、前述した図13
に示す接続方法よりも格段に優れた効果を発揮する。す
なわち、シール性においては、カラー3のゴムリング2
への挿入によって、ゴムリング2の内側シール部22の
シール用突起部221、222が、それらのカラー3反
進入側の斜面22cが外側シール部23の内周面に密着
するように、且つ、カラー3によって押圧されて押し潰
されるように弾性変形し、その弾性変形によりカラー3
の外周面に密着する一方、弾性変形に伴う反発力がゴム
リング2の外側シール部23の表面231に伝達し、そ
の反発力によって外側シール部23の表面23aが凹形
状接合部11の内壁面に押し付けられるので、凹形状接
合部11の内壁面とカラー3の外周面との間の隙間を確
実にシールするとともに長期に渡ってそのシール性を確
保することができる。
【0034】また、剥離防止性においては、ゴムリング
2の内側シール部22のシール用突起部221、222
が、外側シール部23の径方向内方に向かうにしたがっ
てカラー3の進入方向Bに移行するように傾斜している
ので、カラー3を進入方向Bと逆方向に引き抜こうとし
てもシール用突起部221、222に元の形に戻ろうと
する反発力が作用するため、剥離(カラー3がゴムリン
グ2から離脱)しない。
【0035】なおかつ、地盤の不同沈下により電線共同
溝1がその凹形状接合部11において多少の芯ブレや倒
れが生じても、その変位をゴムリング2のフランジ部2
1の山型形状のシール用突起部212が吸収することに
なるので、シール機能が損なわれることがない。さら
に、接続の作業性においては、カラー3がケーブル挿入
孔12のガイドとなるので、位置決めが容易で、かつ短
時間で接続作業を完了させることができるとともに従来
方法のような緊締作業を全く必要としないので、作業時
間および作業コストを大幅に低減することができる。
【0036】また、カラー3の進入側に山型形状のシー
ル用突起部212を設けたことにより、この山型形状の
シール用突起部212がコンクリートブロック体あるい
は配管の芯ブレや倒れおよび引き抜き等に伴う変位を吸
収することによりコンクリートブロック体または配管の
剥離を防止することができると共に、山型形状のシール
用突起部212を有することにより接続部分におけるカ
ラー3(または配管)の芯出しおよび挿入が容易にな
る。
【0037】また、コンクリート製品同士(特に、電線
共同溝同士)を接続するのに、図14に示すように筒状
突部を、シール部材を介して円形穴状凹部に挿入するよ
うにしたのでは、製品がコンクリートであるがゆえ、突
部の強度(根本部分の強度)が問題となり、突部の肉厚
を厚くしなければならないと共に、それに対応して凹部
の径も大となり、コンクリート製品が大型化するが、図
1に示すような接続構造であれば、コンクリート製品が
大型化することなく接続部分の強度確保が図れる。
【0038】上述した効果は、図2および3に示す接続
方法においても同様に発揮される。すなわち、図2はコ
ンクリート製の管4、4同士を、内周側の孔42同士が
連通されるように、接続する場合、図3はコンクリート
製の管4とコンクリート製以外の管5とを、内周側の孔
42同士が連通されるように接続する場合の、それぞれ
の凹形状接合部41、51の要部断面図であり、図中、
下側が管4、5の内周側を示し、上側が管4、5の外周
側を示し、管4、5の軸心を中心線とした対称部分を省
略している。
【0039】それぞれの接続方法は、前述の図1のそれ
と同様であるので、説明は省略するが、これらの実施効
果も図1の場合と同様であることは言うまでもない。こ
れらのものにおいても、相互に連結されるものの一方が
連結体で、他方が被連結体であり、管形カラー3のゴム
リング2に対する挿入部分が被接合部31である。
【0040】なお、図1〜3に示すものにおいて、管形
カラー3の材質は特に限定されず、普通鋼、ステンレス
またはアルミ等の金属材料、塩化ビニール樹脂、アクリ
ル樹脂またはポリプロピレン等の合成樹脂あるいは硬質
ゴムなどが好んで用いられる。また、コンクリート製以
外の管5とは、鉄管、塩ビ管、陶管等を指す。つぎに、
カラー3を使用せず、本発明のゴムリング2のみを用い
てコンクリート製品を接続する方法について、図4〜6
に基づいて説明する。このような接続方法は、例えば、
コンクリート製のマンホールや桝等の開口部に配管を接
続する場合、一端が凹形状で他端が凸形状に形成される
コンクリート製の管同士を接続する場合あるいはコンク
リート製の凹形状接合部にコンクリート製以外の管を接
続する場合など、いわゆる嵌め込み式の接続に好適なも
のである。
【0041】すなわち、図4(a)はコンクリート製の
マンホール6の側壁開口部61にコンクリート製以外の
管(例えば塩ビ管)8を接続する場合の接続部分の要部
断面図であり、同図(b)はコンクリート製の桝7の上
部開口部71にコンクリート製以外の管(例えば塩ビ
管)8を接続する場合の接続部分の要部断面図である。
なお、図中、(a)では、下側が管8の内周側を示し、
上側が管8の外周側を示し、(b)では、右側が管8の
内周側を示し、左側が管8の外周側を示し、管8の軸心
を中心線とした対称部分を省略している。
【0042】ここで、(a)と(b)の相違は開口部が
横か上かだけであり、両者の接続方法は同じである。す
なわち、図4(a)において、図8に示すゴムリング2
をその位置決め用顎21がマンホール6の外側壁面62
((b)では桝7の上側壁面72)に沿うように、開口
部61((b)では開口部71)の端部周囲に当接する
ように装着したのち、次いで塩ビ管8の一端を押し込む
ように開口部61((b)では開口部71)に挿入して
マンホール6((b)では桝7)と塩ビ管8とを接続す
るものである。したがって、この例では、前記開口部6
1、71が接合部とされ、管8のゴムリング2への挿入
部分が被接合部81とされている。
【0043】なお、配管の種類として、図4には塩ビ管
を例示したが、これに限定されるものではなく、コンク
リート製の管はもちろんのこと、金属製の管、合成樹脂
製の管あるいは陶器製の管であってもよい。図4の接続
方法によれば、ゴムリング2の位置決め用顎21が開口
部61または71の壁面に密着するように装着されるの
で、配管を挿入する際の従来方法の問題点であるゴムリ
ングの捩じれが完全に解消される。また、ゴムリング2
の内側シール部22に設けられたシール用突起部22
1、222がその弾性変形により塩ビ管8の外周面に強
く密着する一方、弾性変形に伴う反発力が外側シール部
23に伝達し、その反発力によって外側シール部23の
表面23aが開口部61または71の内壁面に押し付け
られるので、接続部分における開口部61または71の
壁面と塩ビ管8との間の隙間を確実にシールするととも
に長期に渡ってそのシール性を確保することができる。
さらに、配管の芯ブレや倒れが多少生じても、ゴムリン
グ2のフランジ部21の山型形状のシール用突起部21
2がその変位を吸収することになるので、シール機能が
損なわれることがない。
【0044】ところで、図4(a)に示す接続方法にお
いては、前述したように、開口部61の径が大きくなれ
ばなるほど開口部61が蛇行した曲面状となるので、ゴ
ムリング2をその曲面に追従して開口部61の壁面に密
着させるようにする必要があるが、このような課題解決
には、ゴムリング2自体を蛇行した曲面状の構造に予め
成形しておくか、もしくは開口部61の形成部分を予め
厚みを増した平坦な壁面に形成しておくことが考えられ
る。前者は成形加工上に難点がありかつ加工費が高くつ
くことから、装着が容易で確実なシール性を保証し得る
後者の方法を採用することが望ましい。後者の場合に
は、開口部61の壁面が厚くなることから、好ましくは
図9〜11に示すようなゴムリングのいずれかを用いる
ことが望ましい。
【0045】つぎに、図5はコンクリート製の管9同士
を接続する場合の接続部分の要部断面図である。なお、
図中、下側が管9の内周側を示し、上側が管9の外周側
を示し、管9の軸心を中心線とした対称部分を省略して
いる。すなわち、コンクリート製の管9の一方(図5左
側)の、内周側の孔93の軸方向接続側端部には、孔9
3よりも径大で且つ該孔93と同心状の円形穴状接合部
91が、接続側端面から凹設されている。また、コンク
リート製の管9の他方(図5右側)の接続側端面には、
内周側の孔93と同径の内径を有すると共に該孔93と
同心状の筒状被接合部92が突設されている。
【0046】これらコンクリート製の管9を接続するに
は、ゴムリング2を一方のコンクリート製の管9の凹形
状接合部91の内壁面に当接するように装着したのち、
他方のコンクリート製の管9の凸形状被接合部92をゴ
ムリング2に押し込むように挿入して、コンクリート製
の管9、9を接続するものである。なお、この接続方法
においてはゴムリング2は図11に示すものが用いられ
るが、これは凹形状接合部91および凸形状被接合部9
2とゴムリング2との各接触面において、シール用突起
部212、213、221〜223、232がコンクリ
ート表面の凹凸を吸収することになるので、シール性が
一層向上するからである。
【0047】図5に示す接続方法は、従来の接続方法
(図14)における捩じれの問題を完全に解消するとと
もに、シール性および剥離防止性においても、従来の接
続方法よりも格段に優れた効果を発揮するものである。
なお、本発明の接続方法における実施効果は図4の場合
と同じであるので、以下説明を省略する。つぎに、図6
は、コンクリート製の管9とコンクリート製以外の管
(例えば塩ビ管)8とを接続する場合の接続部分の要部
断面図である。なお、図中、下側が管8、9の内周側を
示し、上側が管8、9の外周側を示し、管8、9の軸心
を中心線とした対称部分を省略している。
【0048】ここで、図6と図4とを比較すると、図4
のマンホール6または桝7が図6のコンクリート製の管
9に相当することになり、接続方法そのものは全く同一
である。従って、図6の接続方法における実施効果も同
一であるので、以下説明は省略する。なお、接続される
配管の種類として、図6には塩ビ管を例示したが、これ
に限定されるものではなく、金属製の管、合成樹脂製の
管あるいは陶器製の管であってもよい。91は前記と同
様の接合部である。
【0049】上述したごとく、図1〜6においてコンク
リート製品の接続方法の代表的な実施例を示したが、こ
れに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しな
い範囲で、種々の接続方法において本発明が適用できる
ことは言うまでもない。ここで、ゴムリング2の作用を
もう一度説明すると、前記カラー3または配管8、9が
ゴムリング2に挿入された時、前述の図1〜6に示すカ
ラー3または配管8、9の肉厚部分にかかっているシー
ル用突起部212、221、222の山型および楔状台
形型の形状の一部が配管挿入方向に押圧されるように弾
性変形して、あたかも平板のごとき形状(図示せず)を
なす結果、シール用突起部212の斜面21bおよびシ
ール用突起部221、222の斜面22aがカラー3ま
たは配管8、9の外周面に密着する一方、前記弾性変形
に対する反発力が外側シール部23に伝達し、その反発
力により外側シール部23の表面23aが凹形状接合部
11、41、51、91または開口部(接合部)61、
71のそれぞれの内壁面に密着する。これによって、カ
ラー3または配管8、9の外周面と凹形状接合部11、
41、51、91または開口部61、71の内壁面との
間の隙間が確実にシールされる。
【0050】なお、図1〜6の接続方法においてゴムリ
ング2を装着する際およびカラー3または配管8、9を
挿入する際には、ゴムリング2と接触する凹形状の接合
部11、41、51、91または開口部61、71の内
壁面およびカラー3または配管8、9の外周面に、予め
石鹸水や親水性樹脂などの滑剤を塗布しておくと、ゴム
リング2の装着やカラー3または配管8、9の挿入がよ
り容易になる。
【0051】前述のように、ゴムの弾性変形性すなわち
可とう性を利用して接合部11、41、51、91また
は開口部61、71をシールすること自体は従来よりよ
く知られた方法であるが、本発明はこの弾性変形に対す
る反発力をも利用して、従来の方法よりもさらにシール
性能を向上させていることおよび挿入されたカラー3ま
たは配管8、9の剥離を防止していることに特徴があ
る。
【0052】すなわち、シール性能については、シール
用突起部212の斜面21bおよびシール用突起部22
1、222の斜面22aがカラーまたは配管の外周面に
密着し、複数の接触面を有することおよび弾性変形に対
する反発力により外側シール部23の表面23aが各凹
形状接合部11、41、51、91または開口部61、
71の内壁面に密着することになるので、例えば配管内
に圧力がかかっても、この内圧が弾性変形に対する反発
力と同様の力として働くことにより各接触面において漏
水を防止することができる。
【0053】また、内圧がかかった状態で、例えばシー
ル用突起部222の斜面22aにおいて漏水が生じたと
しても、次のシール用突起部221の斜面22aにおい
て漏水を防ぐことができ、さらにシール用突起部221
の斜面22aにおいても漏水が生じたとしても、次のシ
ール用突起部212の斜面21bにおいて漏水を防ぐこ
とができるといったように二重三重の漏水防止機能を備
えているので、シール性能が格段に向上しているのであ
る。
【0054】また、剥離の防止については、シール用突
起部221、222がカラー3または配管8、9の挿入
方向Bに傾斜しているので、前述したように、ブロック
体または配管の芯ブレや倒れあるいは引き抜き等により
カラー3または配管8、9の挿入方向Bとは逆方向の力
が作用しても、弾性変形に対する反発力が逆方向の力の
作用に伴う変位を吸収することにより、配管等の剥離を
防止することができるのである。
【0055】つぎに、シール用ゴムリング2の他の実施
例について、図9〜11に基づき説明する。先ず、図9
に示すゴムリング2は、図8のものに内側シール部22
のシール用突起部223を追加したものである。このタ
イプは、図1〜6に示す各凹形状接合部11、41、5
1、91におけるシール幅が大きい場合に好適に用いら
れる。なお、シール用突起部223のシール性が同22
1,222と同じであることは言うまでもない。
【0056】また、図10に示すゴムリングは、外側シ
ール部23の表面23aに複数のリップ形状のシール用
突起部232を設けているものである。図5に示すよう
に、配管9の被接合部92(またはカラー)が挿入され
た時、リップ形状のシール用突起部232はそのリップ
形状の一部が弾性変形により凹形状の接合部91の内壁
面に押圧されるように密着する結果、リップ形状部分に
おいて局部的に大きい壁面への押圧力が働くことになる
ので、平坦な面全体でシールするよりもシール性が一層
向上するのである。このタイプは、外側シール部23の
表面23aがコンクリート製品の表面と接触する場合に
好適に用いられる。
【0057】さらに、図11に示すゴムリングは、フラ
ンジ部21の形状を変えたものであって、カラー3また
は配管8、9進入口側のフランジ表面21aがシール用
突起部212に続く山型形状に形成されてシール用突起
部213が形成されているものである。これにより、フ
ランジ表面21aにおいて肉厚が大きくなりかつゴムリ
ングと配管との接触面が増すので、配管の芯ブレや倒れ
に対する変位の吸収力がより大きくなるとともにシール
性能がさらに向上する。例えば、図5に示すように、特
にコンクリート製の配管9同士を接続した場合には、山
型形状のシール用突起部213が配管の垂直壁面(軸心
方向接続側端面)を確実にシールすることができる。
【0058】
【発明の効果】上述のごとく、本発明の接続方法および
接続構造によれば、ゴムリングの位置決め用顎を凹形状
の接合部または開口部の接続側端部の周囲壁面に当接す
るように装着するので、従来方法において生じていたゴ
ムリングの捩じれが皆無となる、複数のシール用突起部
により接続部分における漏水を確実に防止することがで
きるとともに長期のシール性を保持することができる、
さらに高度な熟練を要することなく接続部分における配
管の芯出しおよび位置決めを容易に行なうことができる
とともに短時間で接続作業を完了させることができる、
等の効果がある。
【0059】また、コンクリート製品同士を接続するの
に、図14に示すように筒状突部を、シール部材を介し
て円形穴状凹部に挿入するようにしたのでは、製品がコ
ンクリートであるがゆえ、突部の強度(根本部分の強
度)が問題となり、突部の肉厚を厚くしなければならな
いと共に、それに対応して凹部の径も大となり、コンク
リート製品が大型化する(コンクリート製品とコンクリ
ート製品以外の配管等を接続する場合において、コンク
リート製品に筒状突部を形成し、これを配管側の凹部に
挿入する場合もこれと同様である)が、本発明の接続構
造であれば、コンクリート製品が大型化することなく接
続部分の強度確保が図れる。
【0060】また、本発明のシール用可とう性継手によ
れば、シール用突起部がカラーまたは配管等の被接合部
の進入方向に傾斜するように形成されていることにより
被接合部の挿入時の弾性変形力とそれに対する反発力と
の相乗効果によって接続部分を確実にシールすることが
できるとともに長期に渡ってシール性を保持することが
でき、しかも、被接合部の可とう性継手からの抜けに対
する抵抗が大とされ、被接合部の可とう性継手からの離
脱を防止することができる、等の優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電線共同溝同士を接続する場合の
接続部分の要部断面図。
【図2】本発明に係るコンクリート製の管同士を接続す
る場合の接続部分の要部断面図。
【図3】本発明に係るコンクリート製の管と塩ビ管とを
接続する場合の接続部分の要部断面図。
【図4】本発明に係るマンホールまたは桝の開口部に配
管を接続する場合の接続部分の要部断面図。
【図5】本発明に係るコンクリート製の管同士を接続す
る場合の接続部分の要部断面図。
【図6】本発明に係るコンクリート製の管と塩ビ管とを
接続する場合の接続部分の要部断面図。
【図7】本発明に係るゴムリングの斜視図。
【図8】図7のA−A断面図。
【図9】本発明に係る代表的なゴムリングの要部断面
図。
【図10】本発明に係る代表的なゴムリングの要部断面
図。
【図11】本発明に係る代表的なゴムリングの要部断面
図。
【図12】電線共同溝の要部斜視図。
【図13】従来の方法による電線共同溝同士を接続する
場合の接続部分の要部断面図。
【図14】従来の方法によるコンクリート製の管同士を
接続する場合の接続部分の要部断面図。
【図15】従来の方法によるコンクリート製の管同士を
接続する場合の接続部分の要部断面図。
【図16】従来の方法によるマンホールの側壁開口部に
配管を接続する場合の接続部分の要部断面図。
【図17】従来の方法による電線共同溝同士を接続する
場合に用いられる水膨張ゴム平板。
【図18】従来の代表的なゴムリングの要部断面図。
【図19】従来の代表的なゴムリングの要部断面図。
【図20】従来の代表的なゴムリングの要部断面図。
【図21】実開昭63−60794に記載のゴムリング
を用いてマンホールの側壁開口部に配管を接続する場合
の接続部分の要部断面図。
【符号の説明】
1 電線共同溝 2 ゴムリング 3 カラー 4 コンクリート製の管 5 塩ビ管 6 コンクリート製のマンホール 7 コンクリート製の桝 8 塩ビ管 9 コンクリート製の管 11 電線共同溝における凹形状接合部 12 電線共同溝におけるケーブル挿入孔 21 ゴムリングのフランジ部 22 ゴムリングの内側シール部 23 ゴムリングの外側シール部 41 コンクリート製の管における凹形状接合部 51 コンクリート製以外の管における凹形状接合部 61 コンクリート製マンホールの側壁開口部 62 コンクリート製マンホールの側壁外周面 71 桝の開口部 72 桝の開口部の状面 91 コンクリート製の管における凹形状接合部 211 位置決め用顎 212 ゴムリングのフランジ部におけるシール用突起
部 213 ゴムリングのフランジ部におけるシール用突起
部 221、222、223 ゴムリングの内側シール部に
おけるシール用突起部 231 ゴムリングの外側シール部における筒体 232 ゴムリングの外側シール部におけるシール用突
起部 a 電線共同溝 b 水膨張ゴム平板 d ヒューム管 e ゴムリング g 推進管 h カラー i ゴムリング k マンホール l ゴムリング n ゴムリング o コンクリート製以外の管 p マンホール
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置決め用顎とシール用突起部とを有す
    る弾性変形可能なシール用可とう性継手および管形カラ
    ーを用い、コンクリートブロック体同士、コンクリート
    製の管同士またはコンクリート製の管とコンクリート製
    以外の管とをそれぞれ接続する方法において、コンクリ
    ートブロック体、コンクリート製の管またはコンクリー
    ト製以外の管の両端に凹形状の接合部が設けられるとと
    もに該接合部に位置決め用顎を当接するように前記シー
    ル用可とう性継手を装着したのち、一方の前記コンクリ
    ートブロック体、コンクリート製の管またはコンクリー
    ト製以外の管に装着した前記シール用可とう性継手に前
    記カラーの一端を押し込み、次いで前記カラーの他端に
    他方の前記コンクリートブロック体、コンクリート製の
    管またはコンクリート製以外の管に装着した前記シール
    用可とう性継手を外嵌して接続することを特徴とするコ
    ンクリート製品の接続方法。
  2. 【請求項2】 コンクリートブロック体またはコンクリ
    ート製の管からなる連結体と、コンクリートブロック
    体、コンクリート製の管またはコンクリート製以外の管
    からなる被連結体とを、それぞれに形成された孔同士を
    連通させるように突き合わせ状に接続する構造におい
    て、 前記連結体及び被連結体の、それぞれの孔の接続面側
    に、該孔より径大な穴状の接合部を形成し、これら接合
    部のそれぞれに内嵌される筒状の弾性変形可能なシール
    用可とう性継手を設け、この可とう性継手に、連結体又
    は被連結体の、接続側面に接当する位置決め用顎を設け
    ると共に、可とう性継手の内周側にシール用突起部を設
    け、さらに、連結体及び被連結体の、それぞれの接合部
    に内嵌された可とう性継手に亘って内嵌されて連結体及
    び被連結体の孔同士を連通させる管形カラーを設けたこ
    とを特徴とするコンクリート製品の接続構造。
  3. 【請求項3】 シール用突起部の、管形カラー進入側の
    面と管形カラー反進入側の面とが、可とう性継手の径方
    向内方に向かうにしたがって管形カラー進入方向に移行
    する傾斜面となるように、シール用突起部を傾斜状に形
    成してなることを特徴とする請求項2に記載のコンクリ
    ート製品の接続構造。
  4. 【請求項4】 連結体に形成された穴状の接合部に、筒
    状の被接合部を挿入して接続するために用いられる弾性
    変形可能なシール用可とう性継手であって、 前記接合部に内嵌されると共に被接合部が挿入される筒
    状の外側シール部と、連結体の被接合部挿入側に接当す
    る位置決め用顎と、外側シール部内周面から径方向内方
    側に突設されて該外側シール部と被接合部との間で押し
    潰されるシール用突起部を備えて構成されたシール用可
    とう性継手において、 前記シール用突起部の、被接合部進入側の面と被接合部
    反進入側の面とが、外側シール部の径方向内方に向かう
    にしたがって被接合部の進入方向に移行する傾斜面とな
    るように、シール用突起部を傾斜状に形成してなること
    を特徴とするシール用可とう性継手。
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