JPH11191410A - 密閉型アルカリ蓄電池 - Google Patents

密閉型アルカリ蓄電池

Info

Publication number
JPH11191410A
JPH11191410A JP9360563A JP36056397A JPH11191410A JP H11191410 A JPH11191410 A JP H11191410A JP 9360563 A JP9360563 A JP 9360563A JP 36056397 A JP36056397 A JP 36056397A JP H11191410 A JPH11191410 A JP H11191410A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
electrode plate
nickel
current collecting
storage battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9360563A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3524744B2 (ja
Inventor
Hiroyuki Inoue
博之 井上
Takuya Tamagawa
卓也 玉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sanyo Electric Co Ltd filed Critical Sanyo Electric Co Ltd
Priority to JP36056397A priority Critical patent/JP3524744B2/ja
Publication of JPH11191410A publication Critical patent/JPH11191410A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3524744B2 publication Critical patent/JP3524744B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Connection Of Batteries Or Terminals (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 超急速充電を行っても正極の充電性が低下す
ることなく、かつ電池内部の発熱を抑えることができる
ようにする。 【解決手段】 所定の厚みのニッケル焼結基板に水酸化
ニッケルを所定量充填した後、所定の幅で所定の長さと
なるように切断して、正極板の片面の面積を正極板容量
に対して55〜110cm2/Ahになるように調整し
て焼結式ニッケル正極板12を作製する。このニッケル
正極板12と、このニッケル正極板12の面積の約1.
0〜1.3倍の面積の焼結式カドミウム負極板11と
を、セパレーター13を介して渦巻状に巻回して渦巻状
電極体14を作製する。この渦巻状電極体14を有底円
筒形の負極端子を兼ねる金属外装缶10内に挿入し、電
解液を充填した後、封口体(正極端子)17を封口して
密閉式アルカリ蓄電池とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ニッケル・水素
蓄電池、ニッケル・カドミウム蓄電池などの密閉型アル
カリ蓄電池に係わり、特に、短時間で充電が行える急速
充電用の密閉型アルカリ蓄電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ニッケル・水素蓄電池、ニッケル・カド
ミウム蓄電池などのアルカリ蓄電池はその優れた過充電
性能により密閉化が可能であり、種々のポータブル機器
に使用されている。最近の電池市場においては、以下の
条件を満たす電池の要求が非常に高くなっている。即
ち、(1)短時間で充電が可能である。(2)長寿命で
ある。(3)高容量である。(4)小型化が可能であ
る。特に、携帯用の小型電気・電子・通信機器用電源あ
るいはEV用途等の市場では一層の小型化、軽量化が行
われるに伴い、アルカリ蓄電池にも小型化、軽量化と同
時に高容量化や短時間充電等の高性能化が望まれてい
る。
【0003】ところで、アルカリ蓄電池を充電するに際
しては、定電流または定電圧で0.1C(C:公称容
量)から1C程度の充電レートで充電を行うのが一般的
である。しかしながら、このような充電方式にあって
は、即ち、0.1Cの充電レートで充電を行うと充電時
間は約16時間かかり、1Cの充電レートで充電を行う
と充電時間は1時間程度が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は
約3分以内という非常に短い時間で充電(超急速充電)
が行えることが可能なアルカリ蓄電池の検討を行った。
約3分以内という超短時間で充電が行えるアルカリ蓄電
池は過去に例がないが、これは次のようなことが原因と
なっている。
【0005】即ち、例えば、充電時間が3分の時には充
電レートは20C相当が必要となり、充電時間が1分の
時には充電レートは60C相当が必要となる。このよう
な大きな充電レートで充電を行うと、電池内部には非常
に大きな充電々流が流れるようになるため、電池内部の
各部分が大きな抵抗となり、発熱が大きくなることがそ
の原因の一つと考えることができる。これにより、容量
低下および電池内部で発生したガスの処理法等の問題が
生じてくる。
【0006】ニッケル・カドミウム蓄電池においては、
一般的な充電方法は一定電流(定電流)で行われるが、
電池内部の反応としては、第一段階では電極活物質の酸
化・還元が生じて吸熱反応となり、第2段階では正極活
物質が過充電状態となって酸素ガスを発生する。この酸
素ガスは負極側へ移行して金属カドミウム(Cd)と反
応して吸収(再結合)される。この再結合は発熱反応で
あり電池温度が上昇する。このような電池内部での温度
上昇は、正極での充電受け入れ性を低下させるととも
に、セパレーター及び封口ガスケット等の樹脂部品を溶
融させる。特に正極集電体と正極端子を兼ねる封口体と
を接続する集電タブ部での発熱が大きく、その周りの樹
脂部品を溶かして内部ショートの原因となる。
【0007】これら発熱対策としては極板寸法の改良に
より、電池の内部抵抗を削減することが考えられる。極
板寸法については、極板幅は電池サイズにより制限され
るため、ほぼ固定されることとなる。このため、極板寸
法は極板長さと厚みのみが変更できることとなる。
【0008】そこで、極板面積について検討すると、従
来のアルカリ蓄電池のエネルギー密度は300〜450
mAH/cm2であり、厚みは0.5〜1.0mm(例
えば、電池便覧(丸善発行)参照)であることにより、
従来の正極板容量に対する正極板面積は22〜57cm
2/Ahであることがわかる。例えば、急速充電用とし
て広く用いられているSCサイズの正極板容量に対する
正極板面積は、正極板容量を1300mAhとすると、
一般的な極板サイズとして極板幅34mm×長さ200
mmが用いられていることにより52cm2/Ahであ
る。この値は上述した正極板面積の範囲22〜57cm
2/Ahの上限に位置している。
【0009】この正極板容量に対する正極板面積では2
0C以上の充電においては、電池内部の部品(極板)の
抵抗が大きく、充電初期から水の電気分解反応を引き起
こし、酸素ガス及び水素ガスが発生する。このガス発生
は電池の充電効率を低下させる原因となる。そこで、本
発明は上記の問題に対処するためになされたものであっ
て、充電時間が5分以内の超急速充電を行っても、正極
の充電性が低下することなく、かつ電池内部の発熱を抑
えることができるようにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】こ
の発明は、正極板と負極板をセパレータを介して対向さ
せてアルカリ電解液を備えた電池容器内に密閉して収容
した密閉型アルカリ蓄電池であって、上記課題を解決す
るために、本発明の密閉型アルカリ蓄電池は、正極板の
片面の面積を正極板容量に対して55〜110cm2
Ahに規定したことを特徴とする。
【0011】このように、正極板容量に対する正極板面
積を増加させると、同一充電々流で充電する場合、単位
面積当たりの電流密度が低下するとともに、単位面積に
占める活物質の割合が減少することとなって、ハイレー
ト充電において導電性が向上する。そして、同一容量で
同一セルサイズにて極板面積を増加させるためには、必
然的に極板厚みを薄くする必要があるが、極板厚みを薄
くすると、芯体と活物質の距離が短くなることで、抵抗
成分が低下し、充電開始時の電圧が低下して、正極の充
電性が大幅に向上する。ただし、正極板の面積を増加さ
せすぎると、極板厚みが薄くなりすぎて、活物質の充填
性が低下するとともに、絶対容量が低くなる。このた
め、正極板の片面の面積を正極板容量に対して55〜1
10cm2/Ahに規定することが好ましく、最適には
70〜110cm2/Ahに規定することが好ましい。
【0012】電池内部で最も発熱するのは正極集電体と
封口体とを接続する集電タブ部であり、この集電タブ部
の抵抗値を低減させることにより、集電タブ部での発熱
を抑制することが可能となる。集電タブ部での発熱を抑
制すると、発熱による集電タブ部周囲の樹脂部品が溶融
されるのが抑制できるようになるので、電池内部短絡
(ショート)の発生を防止できるようになる。また、集
電タブ部での発熱を抑制すると、エネルギー損失を減少
させることができるようになるので、高容量化が可能と
なる。
【0013】そして、集電タブ部での発熱を抑制するた
めには、集電タブ部の抵抗値を4×10-6mΩ以下に規
定するのがこのましい。また、集電タブ部の抵抗値を低
減させる方法としては、集電タブ部の厚みを厚くした
り、集電タブ部の長さを短くしたり、あるいはアルミニ
ウム(Al)や銅(Cu)等の導電性の良い金属を用い
る等の方法がある。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
する。 1.ニッケル正極板の作製 実施例1 活物質充填後に正極板容量に対する正極板面積(片面)
が72cm2/Ahとなるように厚みを0.36mmに
調整したニッケル焼結基板に、化学含浸法にて硝酸ニッ
ケルを含浸後、アルカリ処理により水酸化ニッケルを生
成する工程を6回繰り返して、水酸化ニッケル活物質を
所定量充填する。この所定量の活物質を充填したニッケ
ル極板にブラッシング処理を施し、80℃で乾燥させた
後、幅が32.5mmで長さが290mmになるように
切断して、正極板容量に対する正極板面積(片面)が7
2cm2/Ahとなるように調整し、実施例1のニッケ
ル正極板aを作製する。
【0015】実施例2 活物質充填後に正極板容量に対する正極板面積(片面)
が105cm2/Ahとなるように厚みを0.20mm
に調整したニッケル焼結基板に、化学含浸法にて硝酸ニ
ッケルを含浸後、アルカリ処理により水酸化ニッケルを
生成する工程を6回繰り返して、水酸化ニッケル活物質
を所定量充填する。この所定量の活物質を充填したニッ
ケル極板にブラッシング処理を施し、80℃で乾燥させ
た後、幅が32.5mmで長さが420mmになるよう
に切断して、正極板容量に対する正極板面積(片面)が
105cm2/Ahとなるように調整し、実施例2のニ
ッケル正極板bを作製する。
【0016】比較例1 活物質充填後に正極板容量に対する正極板面積(片面)
が20cm2/Ahとなるように厚みを0.70mmに
調整したニッケル焼結基板に、化学含浸法にて硝酸ニッ
ケルを含浸後、アルカリ処理により水酸化ニッケルを生
成する工程を6回繰り返して、水酸化ニッケル活物質を
所定量充填する。この所定量の活物質を充填したニッケ
ル極板にブラッシング処理を施し、80℃で乾燥させた
後、幅が32.5mmで長さが80mmになるように切
断して、正極板容量に対する正極板面積(片面)が20
cm2/Ahとなるように調整し、比較例1のニッケル
正極板cを作製する。
【0017】比較例2 活物質充填後に正極板容量に対する正極板面積(片面)
が38cm2/Ahとなるように厚みを0.59mmに
調整したニッケル焼結基板に、化学含浸法にて硝酸ニッ
ケルを含浸後、アルカリ処理により水酸化ニッケルを生
成する工程を6回繰り返して、水酸化ニッケル活物質を
所定量充填する。この所定量の活物質を充填したニッケ
ル極板にブラッシング処理を施し、80℃で乾燥させた
後、幅が32.5mmで長さが150mmになるように
切断して、正極板容量に対する正極板面積(片面)が3
8cm2/Ahとなるように調整し、比較例2のニッケ
ル正極板dを作製する。
【0018】比較例3 活物質充填後に正極板容量に対する正極板面積(片面)
が45cm2/Ahとなるように厚みを0.57mmに
調整したニッケル焼結基板に、化学含浸法にて硝酸ニッ
ケルを含浸後、アルカリ処理により水酸化ニッケルを生
成する工程を6回繰り返して、水酸化ニッケル活物質を
所定量充填する。この所定量の活物質を充填したニッケ
ル極板にブラッシング処理を施し、80℃で乾燥させた
後、幅が32.5mmで長さが180mmになるように
切断して、正極板容量に対する正極板面積(片面)が4
5cm2/Ahとなるように調整し、比較例3のニッケ
ル正極板eを作製する。
【0019】比較例4 活物質充填後に正極板容量に対する正極板面積(片面)
が52cm2/Ahとなるように厚みを0.54mmに
調整したニッケル焼結基板に、化学含浸法にて硝酸ニッ
ケルを含浸後、アルカリ処理により水酸化ニッケルを生
成する工程を6回繰り返して、水酸化ニッケル活物質を
所定量充填する。この所定量の活物質を充填したニッケ
ル極板にブラッシング処理を施し、80℃で乾燥させた
後、幅が32.5mmで長さが210mmになるように
切断して、正極板容量に対する正極板面積(片面)が5
2cm2/Ahとなるように調整し、比較例4のニッケ
ル正極板fを作製する。
【0020】比較例5 活物質充填後に正極板容量に対する正極板面積(片面)
が120cm2/Ahとなるように厚みを0.15mm
に調整したニッケル焼結基板に、化学含浸法にて硝酸ニ
ッケルを含浸後、アルカリ処理により水酸化ニッケルを
生成する工程を6回繰り返して、水酸化ニッケル活物質
を所定量充填する。この所定量の活物質を充填したニッ
ケル極板にブラッシング処理を施し、80℃で乾燥させ
た後、幅が32.5mmで長さが490mmになるよう
に切断して、正極板容量に対する正極板面積(片面)が
120cm2/Ahとなるように調整し、比較例5のニ
ッケル正極板gを作製する。
【0021】比較例6 活物質充填後に正極板容量に対する正極板面積(片面)
が145cm2/Ahとなるように厚みを0.10mm
に調整したニッケル焼結基板に、化学含浸法にて硝酸ニ
ッケルを含浸後、アルカリ処理により水酸化ニッケルを
生成する工程を6回繰り返して、水酸化ニッケル活物質
を所定量充填する。この所定量の活物質を充填したニッ
ケル極板にブラッシング処理を施し、80℃で乾燥させ
た後、幅が32.5mmで長さが580mmになるよう
に切断して、正極板容量に対する正極板面積(片面)が
145cm2/Ahとなるように調整し、比較例6のニ
ッケル正極板hを作製する。
【0022】2.ニッケル・カドミウム蓄電池の作製 ついで、図1に示すように、上述したように正極板容量
に対する正極板面積(片面)を調整したa〜hの各ニッ
ケル正極板12と、a〜hの各ニッケル正極板12の面
積の約1.0〜1.3倍の面積となるように公知の製法
により作製した焼結式カドミウム負極板11とを用い、
それぞれセパレーター13を介して渦巻状に巻回して各
渦巻状電極体14を作製する。
【0023】これらの各渦巻状電極体14のカドミウム
負極板11の端部11aと負極用の円板状集電板15と
をスポット溶接するとともに、ニッケル正極板12の端
部12aと正極用の円板状集電板16とをスポット溶接
する。なお、正極用の円板状集電板16にはこの円板状
集電板16より延出して集電リード部(集電タブ)18
が一体的に形成されている。また、これらの各円板状集
電板15,16には多数の貫通孔が設けられている。
【0024】一方、有底円筒形の負極端子を兼ねる金属
外装缶10を用意し、上記のように各集電板15,16
を溶接した渦巻状電極体14を金属外装缶10内に挿入
し、負極集電板15と金属外装缶(負極端子)10の底
部をスポット溶接した後、集電リード部(集電タブ)1
8の先端部を正極端子を兼ねる封口体17の底部17a
に溶接して、正極用の円板状集電板16と封口体(正極
端子)17とを電気的に接続する。
【0025】ついで、金属外装缶10内にそれぞれ30
重量%の水酸化カリウム(KOH)水溶液よりなる電解
液を注液した後、金属外装缶10の上部開口部に封口ガ
スケット19を載置し、金属外装缶10の上部開口部を
内方にかしめて封口して、A,B,C,D,E,F,
G,Hの公称容量1300mAのSCサイズの各ニッケ
ル・カドミウム蓄電池を作製する。
【0026】3.電池容量試験 これらA,B,C,D,E,F,G,Hの各ニッケル・
カドミウム蓄電池の電池容量をつぎのようにして測定し
た。即ち、25℃の雰囲気中で60C(78000m
A)の充電々流で1分間充電を行った後、1時間休止す
る。その後、25℃の雰囲気中で1C(1300mA)
の放電々流で終止電圧が1.0Vになるまで放電を行
い、その放電時間から電池容量を算出すると以下の表1
および図2に示すような結果となった。なお、図2と表
1は、正極板の面積に対する電池容量の相関を示してお
り、正極面積が45cm2/Ahのニッケル・カドミウ
ム蓄電池Eの電池容量を100とした。
【0027】
【表1】
【0028】この表1および図2から明らかなように、
充電レートが60C相当の超急速充電においては、正極
板容量当たりの正極面積を従来値である22〜52cm
2/Ahから55〜110cm2/Ahへと増加させるこ
とで電池容量が向上していることが分かる。そして、正
極板容量当たりの正極面積を70〜110cm2/Ah
の範囲にするとさらに好ましくなる。ただし、正極板容
量当たりの正極面積が110cm2/Ah以上になる
と、極板厚みが薄く(その極板厚みは0.15mm以
下)なりすぎて、活物質の充填量が少なくなり、絶対容
量が低下するため電池容量が低下している。
【0029】このように、正極板容量に対する正極板の
面積を従来値(22〜52cm2/Ah)より55〜1
10cm2/Ahへと増加させることで、同一充電々流
で充電する場合、単位面積当たりの電流密度が低下する
とともに、単位面積に占める活物質の割合が減少(換言
すると、活物質あたりのニッケル焼結体量が増加)す
る。また、同一極板容量、同一セルサイズ(高さと径)
にて極板面積を増加させるためには、極板幅は変更でき
ないため、極板厚みを低下させ、極板を長くするしかな
い。
【0030】しかしながら、極板厚みを薄くすることで
ニッケル焼結体の芯体と活物質の距離が短くなり、極板
の抵抗成分が低下し、充電開始時の電圧が低下する。こ
の結果、活物質とニッケル焼結体との導電性が向上し、
ニッケル正極の充電性が大幅に向上する。そして、充電
レートが60C以上というような大電流で充電を行う
と、更にその効果は大きくなる。また、ニッケル焼結体
との導電性の向上はニッケル正極での水の電気分解反応
が起こる時期を遅らせることができ、更に充電性が向上
する。但し、あまり正極面積を上げることは、極板厚み
が薄くなりすぎることとなり、正極活物質の充填量が低
下して、容量低下につながるので好ましくない。
【0031】4.集電タブの検討 ついで、上述したAのニッケル・カドミウム蓄電池を用
い、このニッケル・カドミウム蓄電池の集電リード部
(集電タブ)18の厚みを変えてその抵抗値を変化させ
た場合の電池容量と温度上昇について検討する。
【0032】実施例3 上述した図1に示すような集電リード部(集電タブ)1
8に集電リード部と同形状で所定の厚み(例えば1.5
mm)の金属板を複数箇所で溶接して集電リード部(集
電タブ)18での抵抗値が1.3×10-6mΩ(ミリオ
ーム)になるように調整する。このように抵抗値を1.
3×10-6mΩ(ミリオーム)に調整した集電リード部
(集電タブ)18を備えた集電体16用いて図1に示す
ようにニッケル・カドミウム蓄電池を作製し、このニッ
ケル・カドミウム蓄電池を実施例4のニッケル・カドミ
ウム蓄電池Iとする。
【0033】実施例4 上述した図1に示すような集電リード部(集電タブ)1
8に集電リード部と同形状で所定の厚み(例えば0.7
5mm)の金属板を複数箇所で溶接して集電リード部
(集電タブ)18での抵抗値が2.6×10-6mΩ(ミ
リオーム)になるように調整する。このように抵抗値を
2.6×10-6mΩ(ミリオーム)に調整した集電リー
ド部(集電タブ)18を備えた集電体16用いて図1に
示すようにニッケル・カドミウム蓄電池を作製し、この
ニッケル・カドミウム蓄電池を実施例4のニッケル・カ
ドミウム蓄電池Jとする。
【0034】実施例5 上述した図1に示すような集電リード部(集電タブ)1
8に集電リード部と同形状で所定の厚み(例えば0.5
m)の金属板を複数箇所で溶接して集電リード部(集電
タブ)18での抵抗値が3.8×10-6mΩ(ミリオー
ム)になるように調整する。このように抵抗値を3.8
×10-6mΩ(ミリオーム)に調整した集電リード部
(集電タブ)18を備えた集電体16用いて図1に示す
ようにニッケル・カドミウム蓄電池を作製し、このニッ
ケル・カドミウム蓄電池を実施例5のニッケル・カドミ
ウム蓄電池Kとする。
【0035】比較例7 上述した図1に示すような集電リード部(集電タブ)1
8に集電リード部と同形状で所定の厚み(例えば0.4
mm)の金属板を複数箇所で溶接して集電リード部(集
電タブ)18での抵抗値が5.0×10-6mΩ(ミリオ
ーム)になるように調整する。このように抵抗値を5.
0×10-6mΩ(ミリオーム)に調整した集電リード部
(集電タブ)18を備えた集電体16用いて図1に示す
ようにニッケル・カドミウム蓄電池を作製し、このニッ
ケル・カドミウム蓄電池を比較例7のニッケル・カドミ
ウム蓄電池Lとする。
【0036】比較例8 上述した図1に示すような集電リード部(集電タブ)1
8に集電リード部と同形状で所定の厚み(例えば0.2
5mm)の金属板を複数箇所で溶接して集電リード部
(集電タブ)18での抵抗値が7.7×10-6mΩ(ミ
リオーム)になるように調整する。このように抵抗値を
7.7×10-6mΩ(ミリオーム)に調整した集電リー
ド部(集電タブ)18を備えた集電体16用いて図1に
示すようにニッケル・カドミウム蓄電池を作製し、この
ニッケル・カドミウム蓄電池を比較例8のニッケル・カ
ドミウム蓄電池Mとする。
【0037】これらのI,J,K,L,MのSCサイズ
で公称容量が1300mAのニッケル・カドミウム蓄電
池の封口体17の温度と電池容量の測定を以下のように
行った。即ち、25℃の雰囲気にて60C(78000
mA)の充電々流で1分間充電を行った後、1時間休止
した後、25℃の雰囲気にて1C(1300mA)の放
電々流で放電を行い、充電時の封口体17の温度を測定
するとともに、放電時間から電池容量の算出を行うと、
以下の表2および図3、図4に示すような結果となっ
た。なお、表2および図3、図4の電池容量は、従来か
ら用いられている抵抗値が7.7mΩ(ミリオーム)の
集電リード板(集電タブ)18を用いた場合を100
(%)とした。
【0038】
【表2】
【0039】上記表2および図3、図4の結果から明ら
かなように、充電レートが60Cというような超急速充
電においては、比較例8の7.7mΩ(ミリオーム)の
集電リード部(集電タブ)18を備えた集電体16を用
いたニッケル・カドミウム蓄電池Mは封口体17の温度
上昇、即ち電池内部での温度上昇が大きいとともに、電
池容量も低下することが分かる。
【0040】一方、本発明による実施例3〜5のニッケ
ル・カドミウム蓄電池I(集電リード部(集電タブ)1
8の抵抗値が1.3×10-6mΩのもの),J(集電リ
ード部(集電タブ)18の抵抗値が2.6×10-6mΩ
のもの),K(集電リード部(集電タブ)18の抵抗値
が3.8×10-6mΩのもの)においては、集電リード
部(集電タブ)18の抵抗値が低下することで、封口体
17の温度上昇、即ち電池内部での温度上昇が小さいと
ともに、その電池容量も増加することが分かる。これ
は、集電リード部(集電タブ)18での発熱量が減るこ
とで、そこでエネルギーが消費されなくなった分、電池
容量が増加したものと考えることができる。
【0041】このことから、集電リード部(集電タブ)
18での抵抗値を4×10-6mΩ以下にすることが好ま
しい。このように、集電リード部(集電タブ)18での
抵抗値を4×10-6mΩ以下にすると、集電リード部
(集電タブ)18での発熱を抑制することが可能となっ
て、発熱による周囲の樹脂部品が溶融するのを防止でき
るようになるとともに、この樹脂部品の溶融に起因する
電池内部短絡(ショート)の発生を防止できるようにな
る。また、発熱を防止することで、エネルギー損失を減
少させることができ、電池容量も向上させることも可能
となった。
【0042】なお、集電リード部(集電タブ)18の抵
抗値R(mΩ)は下記(1)式にて求められた。
【0043】
【数1】R(mΩ)=ρL/A・・・・(1) ここで、Lは集電リード部(集電タブ)18の長さ(c
m)を表し、Aは集電リード部(集電タブ)18の断面
積(cm2)を表す。また、ρは抵抗率を表し、鉄(F
e)の場合は、ρ=9.71×10-6mΩ・cmであ
る。
【0044】以上のように、本発明のニッケル・カドミ
ウム蓄電池は、電池内部の抵抗をニッケル正極板と集電
リード部の両面から低下させることで、充電性が向上す
るとともに、電池容量が向上する。また、電池の発熱が
抑制されるため、電池内部での短絡(ショート)の発生
を抑制できる等の安全性においても格別の効果が得られ
る。
【0045】なお、本発明のニッケル・カドミウム蓄電
池は充電時間3分以下の超急速充電を行う際には、定電
流充電、定電圧充電、段別充電、パルス充電等の各種充
電法において有効であった。
【0046】なお、上述した実施形態においては、集電
リード部(集電タブ)18での抵抗値を低下させる方法
として集電リード部(集電タブ)18の厚みを増やす例
について説明したが、集電リード部(集電タブ)18と
封口体17との距離を短くしたり、あるいは集電リード
部(集電タブ)18の材料をアルミニウム(Al)や銅
(Cu)等の導電性の良い金属を用いるようにして、集
電リード部(集電タブ)18での抵抗値を低下させるよ
うにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のニッケル・カドミウム蓄電池を概略
的に示す破断斜視図である。
【図2】 60Cの充電レートで充電を行ったときの正
極板容量当たりの正極板面積に対する電池容量の関係を
示す図である。
【図3】 60Cの充電レートで充電を行ったときの集
電リード板(集電タブ)の抵抗値に対する封口体の温度
上昇の関係を示す図である。
【図4】 60Cの充電レートで充電を行ったときの集
電リード板(集電タブ)の抵抗値に対する電池容量の関
係を示す図である。
【符号の説明】
10…金属外装缶、11…カドミウム負極、11a…負
極端部、12…ニッケル正極、12a…正極端部、13
…セパレータ、14…渦巻状電極体、15…負極集電
板、16…正極集電板、17…封口体、17a…封口体
底部、18…正極用集電リード、19…封口ガスケット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極板と負極板をセパレータを介して対
    向させてアルカリ電解液を備えた電池容器内に密閉して
    収容した密閉型アルカリ蓄電池であって、 前記正極板の片面の面積を正極板容量に対して55〜1
    10cm2/Ahに規定したことを特徴とする密閉型ア
    ルカリ蓄電池。
  2. 【請求項2】 前記正極板の片面の面積を正極板容量に
    対して70〜110cm2/Ahに規定したことを特徴
    とする請求項1に記載のアルカリ蓄電池。
  3. 【請求項3】 前記正極板に溶接される正極集電体と正
    極端子を兼ねる封口体とを接続する集電タブの抵抗値を
    4×10-6mΩ以下としたことを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2に記載の密閉型アルカリ蓄電池。
  4. 【請求項4】 前記集電タブは前記正極集電体と一体的
    に形成され、この集電タブに別体で形成した集電タブを
    溶接することで前記抵抗値を4×10-6mΩ以下とした
    ことを特徴とする請求項3に記載のアルカリ蓄電池。
  5. 【請求項5】 前記抵抗値が4×10-6mΩ以下の集電
    タブはニッケルメッキを施した鉄あるいはアルミニウ
    ム、銅の何れかから選択したことを特徴とする請求項3
    または請求項4に記載の密閉型アルカリ蓄電池。
JP36056397A 1997-12-26 1997-12-26 密閉型アルカリ蓄電池 Expired - Lifetime JP3524744B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36056397A JP3524744B2 (ja) 1997-12-26 1997-12-26 密閉型アルカリ蓄電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36056397A JP3524744B2 (ja) 1997-12-26 1997-12-26 密閉型アルカリ蓄電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11191410A true JPH11191410A (ja) 1999-07-13
JP3524744B2 JP3524744B2 (ja) 2004-05-10

Family

ID=18469949

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36056397A Expired - Lifetime JP3524744B2 (ja) 1997-12-26 1997-12-26 密閉型アルカリ蓄電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3524744B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20050121914A (ko) * 2004-06-23 2005-12-28 삼성에스디아이 주식회사 이차 전지와 이에 사용되는 전극 조립체
JP2006515457A (ja) * 2002-12-12 2006-05-25 ユニヴァーシティ・オブ・サウザンプトン 電子デバイスでの使用に適した電気化学セル
JP2006338887A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Sanyo Electric Co Ltd アルカリ蓄電池

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6844403B2 (ja) * 2017-04-28 2021-03-17 トヨタ自動車株式会社 積層電池

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006515457A (ja) * 2002-12-12 2006-05-25 ユニヴァーシティ・オブ・サウザンプトン 電子デバイスでの使用に適した電気化学セル
KR20050121914A (ko) * 2004-06-23 2005-12-28 삼성에스디아이 주식회사 이차 전지와 이에 사용되는 전극 조립체
JP2006338887A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Sanyo Electric Co Ltd アルカリ蓄電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP3524744B2 (ja) 2004-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4977951B2 (ja) 密閉形電池とその製造方法及び密閉形電池の複数個で構成した組電池
US5708349A (en) Alkaline secondary battery manufacturing method, alkaline secondary battery positive electrode, alkaline secondary battery, and a method of manufacturing an initially charged alkaline secondary battery
JP7193420B2 (ja) ニッケル水素二次電池の製造方法
US6649303B2 (en) Alkaline storage battery with group of spiral electrodes
JP3524744B2 (ja) 密閉型アルカリ蓄電池
JP3515286B2 (ja) 二次電池用電極
JP3902330B2 (ja) 円筒形電池
JP2002343366A (ja) アルカリ蓄電池用極板およびそれを用いたアルカリ蓄電池
JP3225129B2 (ja) アルカリ二次電池の製造方法
JPH07272764A (ja) 非水電解液二次電池
CN114300759B (zh) 镍氢蓄电池的制造方法
CN112886075B (zh) 镍氢蓄电池的制造方法
JP3895984B2 (ja) ニッケル・水素蓄電池
JP2989877B2 (ja) ニッケル水素二次電池
JP2000082491A (ja) ニッケル・水素二次電池
JP3695868B2 (ja) 角型アルカリ蓄電池
JP3143109B2 (ja) 円筒密閉型ニッケル蓄電池
JPH05283071A (ja) 金属水素化物蓄電池の活性化方法
JPH06349461A (ja) アルカリ蓄電池
JP3343413B2 (ja) アルカリ二次電池
JPH1167264A (ja) ニッケル−水素蓄電池の製造方法
JP4441191B2 (ja) アルカリ蓄電池およびその製造方法
JP2022130012A (ja) ニッケル水素蓄電池の製造方法
JP2002280057A (ja) アルカリ二次電池
JPH05144432A (ja) 水素吸蔵合金電極

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031225

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040127

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040213

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090220

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20180220

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term