JPH11190344A - 動圧型焼結含油軸受の製造方法 - Google Patents
動圧型焼結含油軸受の製造方法Info
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Abstract
数で、かつ、精度良く行うことができる製造方法を提供
する。 【解決手段】 ラム6を下降させて、コアロッド3を焼
結金属素材1’の内周面に挿入し、さらに上パンチ4を
コアロッド3と伴に下降させて、焼結金属素材1’の上
端面に押し当て、焼結金属素材1’を上パンチ4と下パ
ンチ5によって上下方向から加圧して拘束する。その
後、焼結金属素材1’の上下方向の拘束状態を保持しな
がらダイ2を上昇させて、焼結金属素材1’の外周面を
ダイ2の成形孔に圧入する。焼結金属素材1’はダイ2
と上下パンチ4、5から圧迫力を受けて変形を起こし、
内周面がコアロッド3の成形型に加圧される。
Description
本体に潤滑油又は潤滑グリースを含浸させて自己潤滑機
能を持たせると共に、軸受隙間に介在する油の動圧油膜
によって軸の外周面を浮上支持する動圧型焼結含油軸受
の製造方法に関する。本発明の製造方法によって製造さ
れた動圧型焼結含油軸受は、特にレーザビームプリンタ
(LBP)のポリゴンミラー用や磁気ディスクドライブ
(HDD等)用のスピンドルモータなど、高速下で高回
転精度が要求される機器や、DVD−ROM用のスピン
ドルモータのように、ディスクが載ることによって大き
なアンバランス荷重が作用し高速で駆動する機器などに
好適である。
ドルモータでは、回転性能のより一層の向上と低コスト
化が求められており、そのための手段として、スピンド
ルの軸受部を転がり軸受から焼結含油軸受に置き換える
ことが検討されている。しかし、焼結含油軸受は、真円
軸受の一種であるため、軸の偏心が小さいところでは、
不安定振動が発生しやすく、回転速度の1/2の速度で
振れ回るいわゆるホワールが発生しやすい欠点がある。
そこで、軸受面にヘリングボーン形やスパイラル形など
の動圧溝を設け、軸の回転に伴う動圧溝の作用によって
軸受隙間に動圧油膜を発生させて軸を浮上支持(非接触
支持)することが従来より試みられている(動圧型焼結
含油軸受)。
して、軸受素材よりも硬質の複数個のボールを円周等間
隔に配列保持した軸状の治具を軸受素材の内周面に挿入
し、治具の回転と送りによってボールに螺旋運動を与え
ながら、ボールを素材内周面に加圧して動圧溝の形成領
域を塑性加工する方法が知られている(特許第2541
208号)。この方法では、成形時に動圧溝に隣接する
領域で素材隆起が起こるので、これを旋盤やリーマで除
去加工する必要がある(特開平8−232958号)。
具の回転駆動機構と送り機構が必要であるため、製造設
備が複雑になる。また、軸受面における動圧溝に隣接す
る領域の後加工が必要であるため、製造工数が多くな
る。
の成形加工を簡易な設備で、少ない工数で、かつ、精度
良く行うことができる製造方法を提供することを主目的
とする。
め、本発明は、軸受面の動圧溝の形成領域を成形するた
めの第1成形部と動圧溝の形成領域以外の領域を成形す
るための第2成形部を有する成形型を円筒状の焼結金属
素材の内周面に挿入し、焼結金属素材を第1パンチと第
2パンチとで軸方向両側から拘束した状態で、焼結金属
素材の外周面をダイに圧入して圧迫力を加え、その内周
面を成形型に加圧して塑性変形させることにより、軸受
面の動圧溝の形成領域とそれ以外の領域とを同時成形す
る構成を採用した。
合して圧粉成形した後、焼成して所定の円筒形状の多孔
質体としたものである。この焼結金属素材は銅又は鉄、
あるいは、その両者を主成分としたものが望ましい。
で軸方向両側から拘束した状態でダイに圧入する構成と
したのは次の理由による。一般の真円軸受(軸受面に動
圧溝を有しない焼結含油軸受)の製造において、焼結金
属素材の外周面をダイに圧入してサイジングする外径サ
イジングと呼ばれる工程があり、この工程では、通常、
焼結金属素材の内周面にサイジングピンを挿入した状態
で、素材を上パンチで加圧して押し下げてダイに圧入し
ている。その際、下パンチをダイの成形孔の下方部で待
機させ、素材を成形孔内である程度降下させて下パンチ
に当接させるか、あるいは、下パンチをダイの成形孔の
入口部で待機させ、素材を受けた状態で上パンチに連動
させて降下させて、素材を成形孔に圧入する方法が採ら
れている。前者の方法では、圧入初期時、下パンチは素
材に当接しておらず、素材は軸方向(上下方向)には上
パンチによってのみ拘束(加圧)される。後者の方法で
は、下パンチは圧入初期から素材に当接するが、通常、
下パンチはエアーシリンダによって昇降駆動されている
場合が多く、シリンダロッドが素材の塑性流動圧を受け
て押し戻される現象があるため、下パンチによる素材の
拘束は充分にはなされない。いずれにしても、ダイへの
圧入時、素材を主に上パンチによって軸方向の片側(上
側)で拘束するものである。
圧して動圧溝を有する軸受面を成形する場合は、上記の
ような真円軸受の外径サイジングに比べてダイへの圧入
代を大きくする必要があり、そのため、素材に対する軸
方向拘束力が不充分であると、素材の塑性流動によって
軸方向の伸びが生じ、軸受面の位置がずれる場合があ
る。例えば、図7に示すように、下パンチ15を上パン
チ14と連動させて、素材11をダイ12の成形孔に圧
入する方法を採用した場合、素材11の塑性流動圧を受
けた下パンチ15(エアーシリンダ駆動)の戻り変位に
よって素材11の下端面側に伸びが生じ{図7
(b)}、コアロッド13の成形型13aによって成形
される軸受面の位置が伸びの分だけ内側にずれてしま
う。
素材の軸方向の伸びを抑制し、軸受面の位置ずれを防止
するため、素材を第1パンチと第2パンチとで軸方向両
側から拘束した状態でダイに圧入する構成を採用した。
し、成形型と、第1パンチ及び第2パンチとを連動させ
て行うこともできるが(第1パンチ及び第2パンチは素
材を軸方向に拘束し得るものでなければならない)、成
形型と第1パンチ及び第2パンチとによる素材の拘束位
置を保持し、ダイを素材に対して軸方向移動させること
により行うのが望ましい。
説明する。
造された動圧型焼結含油軸受の一形態を例示している。
この焼結含油軸受1は、例えばレーザビームプリンタの
スキャナモータ等において、ロータとステータとの間の
例磁力によって高速回転するスピンドル軸をハウジング
に対して回転自在に浮上支持(非接触支持)するもので
ある。
いは、その両者を主成分とする焼結金属からなる軸受本
体1aと、潤滑油又は潤滑グリースの含浸によって軸受
本体1aの細孔内に保有された油(潤滑油又は潤滑グリ
ースの基油)とで構成される。
外周面と軸受隙間を介して対向する軸受面1bが形成さ
れ、その軸受面1bに傾斜状の動圧溝1cが形成されて
いる。この実施形態では、2つの軸受面1bが軸方向に
離間して形成されている。また、各軸受面1bは、軸方
向に対して一方に傾斜した複数の動圧溝1cを円周方向
に配列形成した第1領域と、第1領域から軸方向に離隔
し、軸方向に対して他方に傾斜した複数の動圧溝1cを
円周方向に配列形成した第2領域と、第1領域と第2領
域との間に位置する環状の平滑領域1dとを備えてい
る。第1領域および第2領域の背(動圧溝1c間の領
域)1eは、それぞれ平滑領域1dに連続している。軸
受面1bには、動圧溝1cの形成領域を含む全領域にわ
たって表面開孔がほぼ均一に分布している。軸受本体1
aと軸との間に相対回転が生じると、第1領域と第2領
域にそれぞれ逆向きに傾斜形成された動圧溝1cによっ
て、軸受隙間内の油が平滑領域1dに向けて引き込まれ
て動圧油膜を形成し、その動圧油膜によって軸の外周面
が軸受面1bに対して浮上支持(非接触支持)される。
あるいはその両者を主成分とする金属粉を圧粉成形し、
さらに焼成して得られた図2に示す円筒形状の焼結金属
素材1’に対して、例えばサイジング→回転サイジング
→軸受面成形加工を施して製造することができる。
周面と内周面のサイジングを行う工程で、焼結金属素材
1’の外周面を円筒状のダイに圧入すると共に、内周面
にサイジングピンを圧入する。サイジング代は、例え
ば、外周面について20μm以下(直径量)、内周面に
ついて10μm以下(直径量)で行われる。
グピンを焼結金属素材1’の内周面に圧入し、これを回
転させながら内周面のサイジングを行う工程である。サ
イジング代は、例えば5μm程度(直径量)で行われ
る。
グ加工を施した焼結金属素材1’の内周面に、完成品1
aの軸受面1bに対応した形状の成形型を加圧すること
によって、軸受面1bの動圧溝1cの形成領域とそれ以
外の領域(平滑領域1d、背1e)とを同時成形する工
程である。この工程は、図3〜図5に示す工程(a)〜
(e)からなる。
成形装置は、焼結金属素材1’の外周面を圧入する円筒
状のダイ2、焼結金属素材1’の内周面を成形するコア
ロッド3、焼結金属素材1’の両端面を上下方向(軸方
向)から押さえる上パンチ4及び下パンチ5を主要な要
素として構成される。6は、コアロッド3及び上パンチ
4を駆動するラム(油圧ラム等)である。コアロッド3
はラム6に連結されており、ラム6と一体となって昇降
動作を行う。上パンチ4はラム6に連結されておらず、
ラム6がある程度下降した後、ラム6に押されて下降動
作を行う。下パンチ5は固定である。ダイ2は、図示さ
れていない駆動手段によって昇降駆動される。
工程(c)、(e)}、コアロッド3の外周面には、完
成品の軸受面1bの形状に対応した凹凸状の2つの成形
型3aが軸方向に離間して形成されている。図6に示す
ように、成形型3aの凸状になった第1成形部3a1は
軸受面1bにおける動圧溝1cの領域を成形し、凹状に
なった第2成形部3a2は動圧溝1c以外の領域(環状
の平滑領域1d、背1e)を成形するものである。成形
型3aにおける第1成形部3a1と第2成形部3a2と
の段差(深さ)は、軸受面1bにおける動圧溝1cの深
さと同じ2〜4μm程度であるが、図6ではかなり誇張
して図示されている。
2は下位置にあり、コアロッド3、上パンチ4、及びラ
ム6は上位置にある。ダイ2は下パンチ5に摺動自在に
外挿され、下パンチ5はダイ2の成形孔の上端入口部で
待機して焼結金属素材1’の下端面を受ける。コアロッ
ド3は、上パンチ4に摺動自在に挿入されている。
させて、コアロッド3を焼結金属素材1’の内周面に挿
入する{図3(b)}。この時、焼結金属素材1’の内
周面とコアロッド3の成形型3a(第1成形部3a1を
基準)との間には内径すきまTがある。内径すきまTの
大きさは、例えば50μm(直径量)である。
ンチ4に当て、上パンチ4をコアロッド3と伴に下降さ
せて、焼結金属素材1’の上端面に押し当て、焼結金属
素材1’を上パンチ4と下パンチ5によって上下方向か
ら加圧して拘束する{図3(c)、図5(c)}。
束状態を保持しながらダイ2を上昇させて、焼結金属素
材1’の外周面をダイ2の成形孔に圧入する{図3
(d)、(e)、図5(e)}。この時の圧入代Sは、
例えば150μm(直径量)である。
4、5から圧迫力を受けて変形を起こし、内周面がコア
ロッド3の成形型3aに加圧される。内周面の加圧量
は、圧入代S(直径量150μm)と内径すきまT(直
径量50μm)との差100μm(直径量)に略等し
く、内周面から深さ50μm(半径量)までの表層部分
がコアロッド3の成形型3aに加圧され、塑性流動を起
こして成形型3aに食い付く。これにより、成形型3a
の形状が焼結金属素材1’の内周面に転写され、軸受面
1bが図1に示す形状に成形される。
素材1’の上下方向の拘束状態を保持した状態でダイ2
を下降させて{図4(f)}、焼結金属素材1’をダイ
2から抜き{図4(g)}、その後、ラム6の上昇によ
り、コアロッド3および上パンチ4を上昇させて(上パ
ンチ4の上昇は図示されていない駆動手段又は復帰手段
によってなされる)、コアロッド3を焼結金属素材1’
の内周面から抜く{図4(g)、(h)}。焼結金属素
材1’をダイ2から抜くと、焼結金属素材1’にスプリ
ングバックが生じ、その内径寸法が拡大するので、軸受
面1bの動圧溝1cを崩すことなく、焼結金属素材1’
の内周面からコアロッド3の成形型3aを抜き取ること
ができる。これにより、軸受本体1aが完成する。尚、
焼結金属素材1’のスプリングバック量の半径量が動圧
溝1cの深さよりも大きい場合は、成形型3aを焼結金
属素材1’の内周面に干渉させることなく離型すること
ができるが、焼結金属素材1’のスプリングバック量の
半径量が動圧溝1cの深さよりも小さく、成形型3aが
焼結金属素材1’の内周面に多少干渉する場合であって
も、焼結金属素材1’の材料弾性による拡径量(半径
量)を付加して、軸受面1bの形状を崩すことなく成形
型3aを離型できれば良い。
造し、これに潤滑油又は潤滑グリースを含浸させて油を
保有させると、図1に示す動圧型焼結含油軸受1が完成
する。尚、軸受面の形状は同図に示すものに限らず、例
えばV字形状やスパイラル状の動圧溝を形成したもので
も良い。また、軸受本体に1つの軸受面を形成したもの
でも良い。これらは、コアロッドの成形型の形状、個数
を変えることによって対応することができる。
ンチとで軸方向両側から拘束した状態でダイに圧入する
ので、圧入時における素材の軸方向の伸びが抑制され、
軸受面の成形位置が正確に決まる。
素材の圧入を行う構成とすることにより、第1パンチと
第2パンチとを同期して連動させる機構が不要となる。
そのため、製造装置が簡略になり、また、同期のタイミ
ングのずれ等による成形精度の低下の心配もない。
構を必要としないので、製造装置を簡素にすることがで
きる。
で、従来方法に比べ、軸受面の後加工を不要にして、加
工工数を削減することができる。また、軸受面の成形精
度も高い。
示す断面図である。
図である。
る。
る。
部拡大断面図である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 円筒状の焼結金属素材の内周面に傾斜状
の動圧溝を有する軸受面を成形して軸受本体を形成し、
その軸受本体の内部の細孔内に潤滑油又は潤滑グリース
の含浸によって油を保有させる動圧型焼結含油軸受の製
造方法であって、 上記軸受面の動圧溝の形成領域を成形するための第1成
形部と動圧溝の形成領域以外の領域を成形するための第
2成形部を有する成形型を上記焼結金属素材の内周面に
挿入し、上記焼結金属素材を第1パンチと第2パンチと
で軸方向両側から拘束した状態で、上記焼結金属素材の
外周面をダイに圧入して圧迫力を加え、その内周面を上
記成形型に加圧して塑性変形させることにより、上記軸
受面の動圧溝の形成領域とそれ以外の領域とを同時成形
することを特徴とする動圧型焼結含油軸受の製造方法。 - 【請求項2】 上記焼結金属素材のダイへの圧入を、ダ
イの焼結金属素材に対する軸方向移動により行う請求項
1記載の動圧型焼結含油軸受の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36056297A JP3602320B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 動圧型焼結含油軸受の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP36056297A JP3602320B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 動圧型焼結含油軸受の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11190344A true JPH11190344A (ja) | 1999-07-13 |
JP3602320B2 JP3602320B2 (ja) | 2004-12-15 |
Family
ID=18469944
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP36056297A Expired - Lifetime JP3602320B2 (ja) | 1997-12-26 | 1997-12-26 | 動圧型焼結含油軸受の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3602320B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005088143A1 (ja) * | 2004-03-16 | 2005-09-22 | Ntn Corporation | 動圧軸受装置 |
US8926183B2 (en) | 2011-03-09 | 2015-01-06 | Ntn Corporation | Fluid dynamic bearing device |
TWI624318B (zh) * | 2014-02-27 | 2018-05-21 | 保來得股份有限公司 | 燒結軸承 |
-
1997
- 1997-12-26 JP JP36056297A patent/JP3602320B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005088143A1 (ja) * | 2004-03-16 | 2005-09-22 | Ntn Corporation | 動圧軸受装置 |
US7789565B2 (en) | 2004-03-16 | 2010-09-07 | Ntn Corporation | Fluid dynamic bearing apparatus |
US8926183B2 (en) | 2011-03-09 | 2015-01-06 | Ntn Corporation | Fluid dynamic bearing device |
TWI624318B (zh) * | 2014-02-27 | 2018-05-21 | 保來得股份有限公司 | 燒結軸承 |
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Publication number | Publication date |
---|---|
JP3602320B2 (ja) | 2004-12-15 |
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