JPH11190145A - 制振構造 - Google Patents

制振構造

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JPH11190145A
JPH11190145A JP36699397A JP36699397A JPH11190145A JP H11190145 A JPH11190145 A JP H11190145A JP 36699397 A JP36699397 A JP 36699397A JP 36699397 A JP36699397 A JP 36699397A JP H11190145 A JPH11190145 A JP H11190145A
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swing
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Takeji Shizume
武治 鎮目
Akitoshi Kitamura
明俊 北村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物などが地震動などに起因する水平振動
の影響を受けないようにするのに最適となり、その汎用
性の向上を期待するのに最適とする。 【解決手段】 一対のブレース部材11,12で正面形
状をほぼV字状とするように形成されて上方の横架材B
1に上端が連設されるブレース1の下方の横架材B2に
近隣する下端に揺動部材3が枢支されてなると共に、こ
の揺動部材3の下端が下方の横架材B2に連結されると
共に上端が上方に延在される状態に配在されてなり、揺
動部材3の上端にブレース部材12に接続されたダンパ
2を接続させてなり、かつ、揺動部材3のブレース1に
対する枢着部Sとダンパ2に対する接続部との距離L2
が上記の枢着部Sと下方の横架材B2に対する連結部と
の距離L1より大きくなるように設定されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、建築物などが地
震動などの影響を受けないようにする建築物などにおけ
る制振構造の改良に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】建築物などが地震動などの影
響を受けないようにする建築物などにおける制振構造と
しては、従来から種々の提案があるが、その中で、建築
物などが自ら積極的に耐震性を有するようにするとの提
案がある。
【0003】すなわち、たとえば、図7に原理的に示す
制振構造にあっては、一対のブレース部材11,12で
正面形状をほぼV字状とするように形成されて左右に配
在の柱A1,A2と上下に配在の横架材B1,B2とで
形成される四角面に配在されるブレース1と、このブレ
ース1に一端が接続されて上下の横架材B1,B2の位
相する左右方向たる横方向の振動を減衰するダンパ2と
を有してなるとしている。
【0004】ちなみに、し示するところでは、ブレース
1が建築物の一階の壁面に配在される場合を例にしたこ
とから、上方の横架材B1が梁とされるのに対して下方
の横架材B2が地面側とみなされる土台とされている
が、ブレース1が建築物の中間階の壁面に配在される場
合には、下方の横架材B2も上方の横架材B1と同様に
梁とされるのはもちろんである。
【0005】ところで、上記のブレース1は、適宜の相
関距離を有する上端、すなわち、各ブレース部材11,
12の上端が上方の横架材B1に連設されるのに対して
収斂する下端、すなわち、各ブレース部材11,12の
結合する下端が下方の横架材B2に近隣されるとしてい
る。
【0006】そして、ダンパ2は、一端がブレース1の
収斂する下端、すなわち、下方の横架材B2に近隣する
下端に接続されると共に、他端が下方の横架材B2に一
体に保持された支持台Cに接続されてなるとしている。
【0007】それゆえ、この従来例とされる提案にあっ
ては、地震動などで建築物において上下の横架材B1,
B2が位相する左右方向たる横方向に振動することにな
るとき、すなわち、図7中に矢印で示すように、下方の
横架材B2が横方向に水平振動するときに、この振動を
ダンパ2が減衰して上方の横架材B2に伝播させないこ
とが可能になる。
【0008】その結果、建築物などが自ら積極的に耐震
性を有することになり、建築物などが地震動などからの
振動の影響を受けないことになると言い得る。
【0009】しかしながら、上記した提案にあっては、
下方の横架材B2に作用する水平振動が大きな振幅の場
合には、ダンパ2による効果的な減衰作用を期待できる
が、下方の横架材B2に作用する水平振動が小さな振幅
の場合には、ダンパ2による効果的な減衰作用を期待で
きなくなる危惧がある。
【0010】すなわち、上記したダンパ2を含めて、お
よそダンパにあっては、微小なストロークでの伸縮の際
には、作動油の多量の流れが誘発されないためと作動油
の圧縮性のとで、十分な大きさの減衰力の発生を期待で
きない特性がある。
【0011】それゆえ、上記した従来提案としての制振
構造にあっては、たとえば、地震動などに起因する建築
物などにおける微幅の水平振動を減衰できなくなり、建
築物など内の居住者などに不快感を与えたり、家具など
の置物が微振動したりすることになる危惧がある。
【0012】この発明は、上記した事情を鑑みて創案さ
れたものであって、その目的とするところは、建築物な
どが地震動などに起因する微幅の水平振動の影響を受け
ないようにするのはもちろんのこと、その汎用性の向上
を期待するのに最適となる制振構造を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、この発明の構成を、基本的には、一対のブレー
ス部材で正面形状をほぼV字状とするように形成されて
左右に配在の柱と上下に配在の横架材とで形成される四
角面に配在されると共に適宜の相関距離を有する一対の
ブレース部材の上端が上方の横架材に連設されるのに対
して収斂する下端が下方の横架材に近隣されるブレース
と、このブレースに一端が接続されて上下の横架材の位
相する左右方向たる横方向の振動を減衰するダンパとを
有してなる制振構造において、下端が下方の横架材に連
結されると共に上端が上方に延在される状態でブレース
の下端に枢着部が枢着されてこの枢着部を中心にして上
端の左右方向たる横方向への揺動が可能とされる揺動部
材を有してなり、ダンパの一端が揺動部材の上端に接続
されると共にダンパの他端がブレースを形成する一方の
ブレース部材に接続されてなり、かつ、揺動部材のブレ
ースに対する枢着部とダンパの一端に対する接続部との
距離が上記の枢着部と下方の横架材に対する連結部との
距離より大きくなるように設定されてなるとする。
【0014】それゆえ、下方の横架材に作用する微幅の
水平振動が揺動部材によって大きな振幅に拡大されてダ
ンパに伝播されることになり、したがって、ダンパが大
きいストロークで伸縮されて、十分な大きさの減衰力を
発生し、所定の減衰作用をすることになる。
【0015】そして、下方の横架材に作用する水平振動
の振幅が大きくなる場合には、ダンパが最伸縮されて言
わば棒状になり、その結果、この制振構造が単なるブレ
ースを有するのみと同様になり、下方の横架材に作用す
る水平振動に対して建築物自体が耐震性を具有すること
になる。
【0016】そして、上記の構成において、より具体的
には、揺動部材の下端がこの揺動部材の前後方向の揺動
を許容する球面構造下に下方の横架材に連結されてなる
と共に、揺動部材における枢着部がこの揺動部材の前後
方向の揺動を許容する球面構造に設定されてなるとする
のが好ましい。
【0017】これによって、上下に配在の横架材が位相
する前後方向に水平振動することになるときに、ブレー
スおよび揺動部材に無理な応力を発生させないようにす
ることが可能になり、このブレースおよび揺動部材にお
ける変形が招来されることを阻止できることになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、図示したところに基づい
て、この発明を説明するが、図1に原理的に示すよう
に、この発明による制振構造は、ブレース1と、ダンパ
2と、揺動部材3とを有してなる。
【0019】そして、図1中に矢印で示すように、下方
の横架材B2が左右方向となる横方向に水平振動すると
きに、この水平振動の振幅を揺動部材3が拡大してダン
パ2に伝達し、したがって、ダンパ2が大きなストロー
クで伸縮して大きい減衰力を発生し得るように設定され
てなるとしている。
【0020】なお、この制振構造は、図2に示すよう
に、建築物が複数階建てとされる場合には、各階の壁面
に配在されるのはもちろんのこと、いわゆる長手方向に
直交などする方向たるいわゆる短手方向の壁面にも配在
されるのが常態とされる。
【0021】この制振構造について、以下に説明する
と、まず、ブレース1は、図1に示すように、一対のブ
レース部材11,12で正面形状をほぼV字状とするよ
うに形成されて左右に配在の柱A1,A2と上下に配在
の横架材B1,B2とで形成される四角面に配在される
ように設定されている。
【0022】このとき、ブレース1は、適宜の相関距離
を有する上端、すなわち、各ブレース部材11,12の
上端が上方の横架材B1に連設されるのに対して、収斂
する下端、すなわち、各ブレース部材11,12の結合
する下端が下方の横架材B2に近隣されるように配在さ
れるとしている。
【0023】つぎに、ダンパ2は、一端が後述する揺動
部材3の上端に接続されると共に、他端が上記のブレー
ス1を形成する一方のブレース部材12に接続されてな
り、ブレース1に接続のシリンダ体21に対して揺動部
材3に接続のロッド体22が出没する際に、すなわち、
その伸縮時に所定の大きさの減衰力を発生するように設
定されている。
【0024】ちなみに、このダンパ2の構成について
は、所定の減衰作用を実現する限りにおいては、自由に
設定されて良いことはもちろんである。
【0025】さらに、揺動部材3は、上記の左右のブレ
ース1の下半側の間に挟まれるような状態に配在されて
なるもので、下端が下方の横架材B2に連結されると共
に、上端が上方に延在される状態でブレース1の下端に
枢着部Sが枢着されてこの枢着部Sを中心にして上端の
左右方向たる横方向への揺動を可能とするように設定さ
れている。
【0026】そしてまた、この揺動部材3は、そのブレ
ース1に対する枢着部Sとダンパ2の一端に対する接続
部(符示せず)との距離L2が上記の枢着部Sと下方の
横架材B2に対する連結部(符示せず)との距離L1よ
り大きくなるように設定されてなるとする。
【0027】このとき、距離L1と距離L2との関係に
ついてだが、可能な限りに大きな倍率となるのが良く、
その限りにおいてダンパ2を大きいストロークで伸縮さ
せることが可能になり、効果的な減衰作用を期待できる
ことになる。
【0028】それゆえ、以上のように設定された制振構
造にあっては、地震動などで建築物において上下の横架
材B1,B2が位相する左右方向たる横方向に振動する
ことになるとき、すなわち、図1中に矢印で示すよう
に、下方の横架材B2が横方向に水平振動するときに、
揺動部材3の下端が下方の横架材B2と共に横方向に同
じ幅で水平振動することになる。
【0029】そして、このときに、揺動部材3は、ブレ
ース1に対する枢着部Sを回動中心にして上端を逆方向
となる横方向に揺動することになるが、この揺動部材3
において、ブレース1に対する枢着部Sとダンパ2の一
端に対する接続部との距離L2が上記の枢着部Sと下方
の横架材B2に対する連結部との距離L1より大きくな
るように設定されてなるとするから、下方の横架材B2
の微幅の水平振動の振幅を、すなわち、揺動部材3の下
端の微幅の水平振動の振幅を揺動部材3の上端で大幅に
拡大することになる。
【0030】そしてまた、この振幅が拡大された揺動部
材3の上端における揺動がダンパ2に伝播されることに
なり、したがって、ダンパ2は、大きいストロークで伸
縮されることなって、所定の大きい減衰力を発生するこ
とになり、その結果、地震動などに起因する建築物など
における微幅の水平振動が減衰されることになる。
【0031】一方、下方の横架材B2に作用する水平振
動の振幅が大きい場合には、ダンパ2の伸縮ストローク
が最大になり、したがって、ダンパ2は、最伸縮されて
言わば棒状になり、その結果、この制振構造が一対のブ
レース材11,12からなる単なるブレース1を有する
のみと同様になり、この限りにおいて、下方の横架材B
2に作用する水平振動に対して建築物自体が耐震性を具
有することになる。
【0032】その結果、下方の横架材B2に作用する水
平振動の振幅が微幅の場合には、建築物などが地震動な
どからの水平振動の影響を受けないことになり、また、
下方の横架材B2に作用する水平振動の振幅が大きくな
る場合には、建築物などが自ら積極的に耐震性を有する
ことになり、したがって、建築物など内の居住者などに
不快感を与えたり、家具などの置物が微振動したりする
ことを阻止し得ることになる。
【0033】また、この制振構造にあっては、ブレース
1を構成する一対のブレース材11,12が前記した図
7に示す従来例における一対のブレース材11,12に
比較すればその拡開角度を小さくして、ブレース1を言
わば細幅にするように設定することで、この制振構造全
体をコンパクト化し得ることになり、したがって、この
制振構造が壁面に配在される場合に、いたずらな面積の
占有がなく、壁面に、たとえば、出入り口や窓などの開
口部を形成する場合の妨げになる可能性を少なくするこ
とにもなる。
【0034】以上のように設定されたこの発明による制
振構造は、たとえば、図3に示すように具体化される
が、これについて少し説明すると、まず、ブレース1を
形成する一対のブレース材11,12は、H型鋼などの
型材からなり、図3中で左右方向となる横方向への外力
作用に対して変形しないなどの所定の機械的強度を有す
るように形成されている。
【0035】そして、図示しないブレース材11,12
の上端、すなわち、ブレース1の上端は、ブラケットの
配在下などで溶接などによって上方の横架材B1に固定
状態に連設されるとしており、各ブレース材11,12
の収斂する下端は、溶接などによって連結プレート13
に固定状態に連設されて一体化され、この連結プレート
13がブレース1の下端を構成するとしている。
【0036】なお、各ブレース材11,12の収斂する
下端間には、連結プレート13に溶接などによって固定
状態に連設された補強リブ14が同じく溶接などによっ
て固定状態に連設されているが、所定の機械的強度が保
障されるのであれば、この補強リブ14の配設が省略さ
れても良いことはもちろんである。
【0037】上記の連結プレート13は、揺動部材3を
枢着させる連結ブラケット15を有しており、この連結
ブラケット15には揺動部材3の中間部を枢支させる枢
着ピン16が装着されるとしているが、この枢着ピン1
6については後述する。
【0038】連結ブラケット15は、図示する実施の形
態では、図4および図5に示すように、取付フランジ1
5aを有しており、この取付フランジ15aがナット1
5bの利用で連結プレート13に固定状態に連結結され
ている。
【0039】ところで、図示する実施の形態のブレース
1は、前記した図7に示す従来の制振構造におけるブレ
ース1と比較すると、言わば細幅になるように形成され
てなるとしているが、このように形成することで、各ブ
レース材11,12における絶対長さが従来例の場合よ
り短くなり、したがって、重量やコストの低減が可能に
なる点で有利となる。
【0040】ただ、このように細幅に形成すると、横方
向からの外力作用に弱くなる傾向があるから、図示する
実施の形態では、各ブレース材11,12の上端側が上
方の横架材B1に固定状態に連設される補強ブラケット
17によって補強されるとしている(図1参照)。
【0041】もっとも、この補強ブラケット17でブレ
ース1を補強する場合には、逆に言えば、各ブレース材
11,12を特注品でなく、JIS規格品などの汎用の
型鋼を利用して形成することが可能になり、その限りに
おいては、この制振構造における生産性の向上を期待で
き、また、全体コストの低減を図れる利点がある。
【0042】なお、各ブレース材11,12の上端側に
おいて、所定の機械的強度が保障されるのであれば、こ
の補強ブラケット17の配設が省略されても良いことは
もちろんである。
【0043】つぎに、揺動部材3は、下端が下方の横架
材B2に連結されてこの下方の横架材B2における水平
振動を伝播させるためには、いわゆる下端側が枢支され
ていて、上端側が揺動可能なように形成されていればそ
の形状が特定される必要はないが、下端側の水平振動を
増幅してダンパ2を作動させることを考慮すると、所定
の機械的強度を有するように形成されることが肝要とな
る。
【0044】そこで、図示する実施の形態では、図3に
示すように、上端部分を除いて全体に広幅に形成して変
形を防止し得るようにする一方で、いわゆる収容スペー
スの関係からダンパ2との干渉を避けるように上端部分
を徐々に細幅にすると共に曲げるように形成するとして
いる。
【0045】ところで、この揺動部材3の下端は、下方
の横架材B2に連結されるとしているが、その連結の際
に揺動部材3の左右方向の揺動を実現可能にする限りに
は、その連結態様は自由に選択されて良い。
【0046】ただ、この実施の形態にあっては、後述す
るように、揺動部材3は、左右方向だけでなく前後方向
の揺動をも許容するように設定されるとすることから、
図5に示すように、球面構造下に連結されてなるとして
いる。
【0047】少し説明すると、まず、揺動部材3の下端
は、図3および図4に示すように、浅い角U字状に形成
された保持フレーム31に嵌装されてなると共に、図5
に示すように、この保持フレーム31に連結ピン32の
螺合部32aが螺合されてロックナット31aの利用で
定着されている。
【0048】そして、この連結ピン32における球部3
2bが下方の横架材B2に、たとえば、図5中に略示す
るように、ボルト利用で定着される基台33に保持され
てなるとしている。
【0049】それゆえ、この連結ピン32にあっては、
揺動部材3の左右方向の揺動だけでなく、前後方向の揺
動をも可能にすることになり、たとえば、この制振構造
が前記した図2に示すように配在されるとする場合に、
図2中に矢印で示す方向に建築物が水平振動するとき
に、いわゆる直交する方向に配在されている制振構造に
おけるブレース1に枢着の揺動部材3が前後方向に倒れ
るようになることが許容されることになり、この揺動部
材3およびブレース1の変形を阻止し得ることになる。
【0050】なお、上記の基台33は、図示するところ
では、あらかじめ半割態様に形成されていて、連結ピン
32における球部32bを把持した状態下に図示しない
ボルト利用で固定化され、その状態で下方の横架材B2
に定着されるように形成されていて、この制振構造のい
わゆる取り付けおよび取り外しの各作業を容易にするよ
う配慮しているが、基本的には、自由な態様に形成され
て良いのはもちろんである。
【0051】一方、揺動部材3の下端は、図4に示すよ
うに、いわゆる割り構造に形成されていて、ボルト34
の螺合で前記した枢着ピン16を安定状態に保持し得る
ように配慮されている。
【0052】そして、この揺動部材3の下端は、前述し
たように、浅い角U字状に形成された保持フレーム31
に嵌装されてなるとしているが、その際に、図4中に略
示するように、この保持フレーム31の外側からのボル
トの螺合で一体化が図られるとして、この保持フレーム
31からの揺動部材3の下端の脱落を阻止するとしてい
る。
【0053】上記の枢着ピン16は、その本質的な機能
からすれば、揺動部材3の左右方向の揺動を可能にする
ように単なるピンで形成されていても足りるが、前述し
たように、この実施の形態にあっては、揺動部材3が左
右方向だけでなく前後方向の揺動をも許容するように設
定されるとすることから、図5に示すように、球面構造
を形成するように設定されている。
【0054】すなわち、枢着ピン16における中央球部
16aは、前記した割り構造に形成の揺動部材3の下端
がボルト34の螺合で締め付けられることで、所定位置
に定着されるとしている。
【0055】そして、枢着ピン16における両端部は、
前記した連結ブラケット15を貫通して外側に突出する
螺条部16bに設定されていて、この螺条部16bへの
ナット16cの螺合で、連結ブラケット15との一体化
が図られるとしている。
【0056】それゆえ、この枢着ピン16にあっても、
前記した連結ピン32と同様に、揺動部材3の左右方向
の揺動だけでなく、前後方向の揺動をも可能にすること
になり、したがって、いわゆる直交する方向に配在され
ている制振構造におけるブレース1に枢着の揺動部材3
が前後方向に倒れることを許容して、この揺動部材3お
よびブレース1の変形を阻止し得るこになる。
【0057】そして、揺動部材3は、ピン32によって
前後方向の揺動も許容されるように形成されているか
ら、平常時は左右方向のみの揺動を許容するように形成
されているのが好ましく、そのためには、ブレース1と
の間でいわゆるガイドを設けることが肝要となる。
【0058】このガイドは、結果として、揺動部材3の
平常時の左右方向の揺動を許容し、必要なときに、揺動
部材3の前後方向の揺動を許容するように形成されてい
れば足りるが、図示する実施の形態では、図6に示すよ
うに形成されてなるとしている。
【0059】すなわち、このガイドは、揺動部材3に開
穿された透孔(符示せず)にいわゆる両方向からセット
される一対のガイドピン41と、この各ガイドピン41
を背後から附勢する一対のばね42と、この各ばね42
の後端を係止する一対のキャップ43と、各ばね42の
後端を挿通させると共に各キャップ43を連設させる一
対のガイドプレート44とを有してなる。
【0060】そして、一対のガイドプレート44は、図
3に示すように、ダンパ2に干渉せずして揺動部材3の
上端側をいわゆる間に介在させることになる態様に配在
されてブレース1に連設されている。
【0061】ちなみに、詳しくは図示しないが、ダンパ
2と揺動部材3の上端との接続部およびダンパ2とブレ
ース1を形成するブレース部材12との接続部は、いわ
ゆる球面構造下に接続されるとしている。
【0062】それゆえ、このダンパ2と揺動部材3およ
びブレース部材12との間にあっては、揺動部材3が左
右方向に揺動することになってもダンパ2の所定の伸縮
作動が可能とされるのはもちろんのこと、たとえば、揺
動部材が3が前後方向に揺動することになっても、この
ダンパ2がそれを妨げる傾向に作用しないことにもな
る。
【0063】なお、ダンパ2は、前述したように、その
伸縮時に所定の大きさの減衰力を発生するように設定さ
れていれば足り、したがって、その構成については、自
由に設定されて良い。
【0064】
【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、地
震動などで建築物において上下の横架材が位相する左右
方向たる横方向に振動する場合に、下方の横架材の横方
向の水平振動に呼応して、揺動部材の上端が同じ横方向
に水平振動すると共に、このときに、揺動部材が下方の
横架材における水平振動の振幅を拡大して上端に接続の
ダンパに伝播することになるから、ダンパは、下方の横
架材における水平振動の振幅より大きい振幅となるスト
ロークで伸縮されて所定の大きい減衰力を発生すること
になる。
【0065】その結果、地震動などに起因する微幅の水
平振動が下方の横架材に作用する場合には、その微幅の
水平振動がダンパで減衰されることになり、建築物など
内の居住者などに不快感を与えたり、家具などの置物が
微振動したりすることを阻止し得ることになる。
【0066】また、下方の横架材に作用する水平振動の
振幅が大きい場合には、ダンパの伸縮ストロークが最大
になり、したがって、ダンパが最伸縮されて言わば棒状
になり、その結果、この制振構造が一対のブレース材か
らなる単なるブレースを有するのみと同様になり、この
限りにおいて、下方の横架材に作用する水平振動に対し
て建築物自体が耐震性を具有することになる。
【0067】そして、この発明にあっては、揺動部材の
左右方向への揺動だけでなく、前後方向への揺動も可能
なように構成されるから、制振構造が本来の水平振動の
減衰作用をしないときでも、外力作用で揺動部材やブレ
ースが変形などすることを防止し得ることになる。
【0068】そして、この発明の実施の形態による場合
には、制振構造を構成するブレースを細幅に設定し得る
から、制振構造自体をコンパクトに形成でき、したがっ
て、この制振構造が壁面に配在される場合でも、いたず
らな面積の占有がなく、壁面に、たとえば、出入り口や
窓などの開口部を形成する場合の妨げになる可能性が少
なくなる利点がある。
【0069】また、ブレースを細幅に形成する場合に
は、各ブレース材における絶対長さが従来例の場合より
短くなり、したがって、重量やコストの低減が可能にな
る点で有利となる。
【0070】さらに、ブレースを適宜に補強する場合に
は、各ブレース材を特注品でなく、JIS規格品などの
汎用の型鋼を利用して形成することが可能になり、その
限りにおいては、この制振構造における生産性の向上を
期待でき、また、全体コストの低減を図れる利点があ
る。
【0071】その結果、この発明によれば、建築物など
が地震動などに起因する微幅の水平振動の影響を受けな
いようにするのはもちろんのこと、その汎用性の向上を
期待するのに最適となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態による制振構造を原理
的に示す正面図である。
【図2】図1に示す制振構造が複数階の建築物の壁面に
配在されている状態を示す概略図である。
【図3】図1に示す制振構造における下半側を具体化し
た一実施の形態を示す部分正面図である。
【図4】図3における下端部分を拡大して示す部分正面
である。
【図5】図4中のY−Y線で示す縦断面図である。
【図6】揺動部材に対するガイドを示す部分縦断面図で
ある。
【図7】従来の制振構造を図1と同様に示す図である。
【符号の説明】
1 ブレース 2 ダンパ 3 揺動部材 11,12 ブレース部材 16 球面構造を構成する枢着ピン 32 球面構造を構成する連結ピン A1,A2 柱 B1,B2 横架材 S 枢着部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のブレース部材で正面形状をほぼV
    字状とするように形成されて左右に配在の柱と上下に配
    在の横架材とで形成される四角面に配在されると共に適
    宜の相関距離を有する一対のブレース部材の上端が上方
    の横架材に連設されるのに対して収斂する下端が下方の
    横架材に近隣されるブレースと、このブレースに一端が
    接続されて上下の横架材の位相する左右方向たる横方向
    の振動を減衰するダンパとを有してなる制振構造におい
    て、下端が下方の横架材に連結されると共に上端が上方
    に延在される状態でブレースの下端に枢着部が枢着され
    てこの枢着部を中心にして上端の左右方向たる横方向へ
    の揺動が可能とされる揺動部材を有してなり、ダンパの
    一端が揺動部材の上端に接続されると共にダンパの他端
    がブレースを形成する一方のブレース部材に接続されて
    なり、かつ、揺動部材のブレースに対する枢着部とダン
    パの一端に対する接続部との距離が上記の枢着部と下方
    の横架材に対する連結部との距離より大きくなるように
    設定されてなることを特徴とする制振構造
  2. 【請求項2】 揺動部材の下端がこの揺動部材の前後方
    向の揺動を許容する球面構造下に下方の横架材に連結さ
    れてなると共に、揺動部材における枢着部がこの揺動部
    材の前後方向の揺動を許容する球面構造に設定されてな
    る請求項1の制振構造
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009062788A (ja) * 2007-09-10 2009-03-26 Sekisui Chem Co Ltd 柱梁架構の補強構造

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