JPH11189818A - シュレッダーダストの処理方法 - Google Patents
シュレッダーダストの処理方法Info
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- JPH11189818A JPH11189818A JP36810797A JP36810797A JPH11189818A JP H11189818 A JPH11189818 A JP H11189818A JP 36810797 A JP36810797 A JP 36810797A JP 36810797 A JP36810797 A JP 36810797A JP H11189818 A JPH11189818 A JP H11189818A
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- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
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Abstract
精錬炉に添加し、精錬炉の装入物の昇熱の熱源として再
資源化を図ることができると共に、無害でしかも大量に
処理できるシュレッダーダストの処理方法を提供する。 【解決手段】 工業用ゴミや生活用ゴミからなり、金属
分が除去されたシュレッダーダストを押し固めて、又
は、減容固形化して棒状のシュレッダーダストブリケッ
トとし、精錬炉10に添加して精錬炉10の装入物の昇
熱に用いる。
Description
トブリケットを精錬炉に添加することによってシュレッ
ダーダストの再資源化を図ることができるシュレッダー
ダストの処理方法に関する。
ッダーダストは、年間約120万トンといわれている
が、狭い日本においては、利用可能な埋め立て地の面積
は年々減少しており、余命は2年以下といわれている。
処分場が確保できなくなると、廃車の野積みや不法投棄
が恒常化し、深刻な社会問題になることが予想され、早
急に減容化、無害化、再資源化する技術が必要な状況に
ある。
レッダーダストの処理方法が幾つか提示されている。例
えば、特開平8−143929号公報には、廃棄車両か
ら液体のみを事前に抜き取ると共に、転炉装入時の爆発
防止等の安全対策を施した、ほぼ原型の廃棄車両をスク
ラップとして配合し、その時、廃棄車両に含まれるゴム
状物質、樹脂質物質の燃焼熱を熱エネルギーとして使用
することにより、脱炭反応を促進する方法が提示されて
いる。
は、自動車解体時に発生するシュレッダーダストを高炉
で燃焼して焼却処理する方法が提示されている。そし
て、この方法によって、高炉作業に影響を与えずに、シ
ュレッダーダストを効果的に処理でき、しかも、燃焼時
にダイオキシンやNOX 等が発生せず、無害に処理でき
る旨が記載されている。さらに、塩素を含むプラスチッ
クが燃焼する時に発生するダイオキシンについても、そ
の生成温度は約300℃付近であるので、装入後に急速
に1400〜1600℃まで昇熱される高炉内では、ダ
イオキシンは発生しない、又は、仮に発生したとしても
このような高温度ではダイオキシンは瞬時に分解する旨
が記載されている。
に、使用済車両や、洗濯機又は冷蔵庫のような大量生産
品中の有機又は無機の非金属付随物質から環境を保護す
る処理方法が提示されている。具体的には、屑物質を高
炉設備における鉄鉱石の精錬の際、化学的に還元を行
い、かつスラグを形成する融剤として使用するか、キュ
ーポラ設備における鋼又は鋳鉄の製造に使用し、通常、
融剤として使用される物質を、少なくとも一部補う技術
が記載されている。
の廃棄車両や、洗濯機等の大量生産品から生じるシュレ
ッダーダストを処理する方法は、未だ、以下の解決すべ
き課題を有していた。まず、特開平8−143929号
公報に記載のシュレッダーダストの処理方法において
は、実施例として、装入量は1チャージ当たり、1車
(1.4トン)分しか記載されていない。これは、装入
量が増加すれば、転炉装入時のシュート詰まりが予想さ
れるからと考えられる。加えて、トランプエレメントを
除去していないため、普通鋼薄板材のみの適用であり、
特殊鋼への適用はできない欠点がある。
ら、着熱性に劣り、熱エネルギー化の熱効率は低いもの
と予想される。また、これらの問題点より、ほぼ原型の
廃棄車両を直接転炉に装入する方式は、たかだか、1廃
棄車両/チャージが限度と予想され、廃棄車両処分の生
産性は極めて低い。
載のシュレッダーダストの処理方法について言及する
と、一般に、分解後のダイオキシン類は、冷却過程で約
500〜300℃の温度域を急速急冷しなければ再生成
されることが判っている。しかし、特開平6−2545
30号公報に記載のシュレッダーダストの処理方法にお
いては、高炉内における燃焼ガスの冷却過程は、約50
0〜300℃の温度域では急速急冷されていないため、
ダイオキシン類の再生成の危険性は極めて大きい。ま
た、嵩密度が極めて小さく(0.15g/cm3 ) 、水
又は重油のバインダーによって嵩密度を大きくさせる必
要があることから、ランニングコストが上昇することが
予想される。加えて、水スラリー方式の場合、分解熱が
大きくなることから、熱効率は低くなるものと予想され
る。
載の洗濯機等の大量生産品から生じるシュレッダーダス
トの処理方法においては、有機及び無機の付随物質と一
緒に屑金プレスで結束し、高炉に装入するため、シュレ
ッダーダストが圧縮されており、着熱性に問題があり、
鉄が溶けてから燃焼をし始めるものとみられ、また、多
くの残存水分が予想されることから分解熱が大きくな
り、熱効率は低下するものと予想される。加えて、この
処理方法はダイオキシンの処理について触れておらず、
特段の対策も見当たらない。即ち、高炉で燃焼させる方
法であるので、前記した特開平6−254530号公報
記載のシュレッダーダストの処理方法に関して説明した
ように、ダイオキシンの再生成の危険性が極めて大き
い。
ものであり、棒状に減容固形化したシュレッダーダスト
を精錬炉に添加し、精錬炉の装入物の昇熱の熱源として
再資源化を図ることができると共に、無害でしかも大量
に処理できるシュレッダーダストの処理方法を提供する
ことを目的とする。
記載のシュレッダーダストの処理方法は、予め金属分を
除去した炭化水素化合物を主成分とするシュレッダーダ
ストを押圧時に発生する自熱又は接着剤を用いて押し固
めてシュレッダーダストブリケットとし、該シュレッダ
ーダストブリケットを精錬炉に添加して該精錬炉の装入
物の昇熱に用いるようにしている。
ーダストとは、各種工業用ゴミや各種生活用ゴミをシュ
レッダーに投入して細断した破砕物から金属分を取り除
いたものをいう。具体的には、工業用ゴミが廃棄された
自動車の場合、バッテリやエンジンを自動車から取り外
した後、シュレッダー(破砕機)にかけて車体フレーム
や内部の椅子等を細かく切断した破砕物を製造し、次
に、この破砕物を、比重選別や、磁力選別や、分級選別
や、風力選別にかけて、金属分を除去することによって
得られるものである。このようにして得られたシュレッ
ダーダストの具体的な混合割合について説明すると、例
えば、一例として、プラスチックを40重量%、ゴムを
9重量%、布を27重量%、スポンジ等他を24重量%
含む。予め金属分を除去したシュレッダーダストからシ
ュレッダーダストブリケットを製造するに際しては、予
め金属分を除去したシュレッダーダストをスクリュフィ
ーダ等からなる射出成形機(減容機)に充填して押し固
めることによって容易にシュレッダーダストブリケット
を製造することができる。なお、この際、予め金属分を
除去したシュレッダーダストは押圧されることによって
摩擦熱(例えば150℃〜220℃)が生じ、この摩擦
熱又は自熱によって炭化水素化合物の一部が溶け、バイ
ンダーとして働くことになる。また、金属分には、通常
の鋼成分のみならず、溶銑や精錬において有害となりう
る金属を含む場合もある。
等をいい、精錬炉の装入物とは、溶銑や、スクラップ
(鉄くず)や、その他の副原料をいう。
溶銑のほかにスクラップを入れたことによって溶銑中の
炭素量のみでは十分に昇熱することができない場合であ
っても、炭化水素化合物の量が多いシュレッダーダスト
ブリケットを精錬炉に添加することによって、装入物を
効果的に昇熱することができることになる。
方法は、請求項1記載のシュレッダーダストの処理方法
において、前記シュレッダーダストから前記金属分のみ
ならず非燃焼性の非金属分を取り除く。このように、シ
ュレッダーダストから非燃焼性の非金属分であるガラス
片やセラミック片、石、砂等の非金属分を取り除くこと
により、シュレッダーダストの高純度化及び溶銑・溶鋼
への影響をなくすことができる。
方法は、請求項1又は2記載のシュレッダーダストの処
理方法において、前記シュレッダーダストブリケットの
組成における前記炭化水素化合物の割合を20〜90重
量%とする。炭化水素化合物の組成量を20重量%未満
とする場合は、シュレッダーダストブリケット内の不純
物、即ち、炭化水素化合物以外の成分が多いことにな
り、シュレッダーダストブリケットによる発熱量が精錬
中に発生するダストの昇熱に費やされ、熱効率が低下す
ると共に、精錬炉内の装入物の有害金属や有害非金属に
よる汚染をきたすことになるからである。一方、炭化水
素化合物の組成量が90重量%を超えると、分級・分別
処理費の高騰を招き、コスト面より好ましくないからで
ある。
方法は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシュレッ
ダーダストの処理方法において、前記シュレッダーダス
トブリケットの寸法及び密度を、直径が15〜120m
m、長さが20〜150mm、嵩密度が0.8〜1.5
g/cm3 の棒状とする。
5mm未満或いは長さが20mm未満の場合、シュレッ
ダーダストブリケットの生産性の低下、及び、シュレッ
ダーダストブリケットを精錬炉へ添加する際、飛散によ
る熱効率の低下が懸念されるからである。一方、シュレ
ッダーダストブリケットの直径が120mm超或いは長
さが150mm超の場合、シュレッダーダストブリケッ
ト添加時の炉上バンカーの詰まりが懸念されるからであ
る。
密度を0.8〜1.5g/cm3 としたのは、嵩密度が
0.8g/cm3 未満の場合には、十分な保形を図るこ
とができず、嵩密度が1.5g/cm3 を超える場合に
は、シュレッダーダストの減容比を大きくとる必要があ
り、シュレッダーダストブリケットの製作費が高くなる
からである。
方法は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシュレッ
ダーダストの処理方法において、前記シュレッダーダス
トブリケットの前記装入物への添加量を、溶鋼トン当た
り4〜12kg(以下、kg/S−Tで表す。)として
いる。
の添加量を4kg/S−T以上としたのは、4kg/S
−T未満では、溶鋼昇熱としてシュレッダーダストブリ
ケットが有効利用される度合いが小さくなるからであ
る。一方、シュレッダーダストブリケットの装入物への
添加量を12kg/S−T以下としたのは、12kg/
S−Tを超えると、一部特殊鋼でトランプエレメントが
問題となり、適用鋼種が限定されるからである。
方法は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシュレッ
ダーダストの処理方法において、前記精錬炉で発生する
燃焼ガスを湿式ベンチュリで処理し、前記燃焼ガスの前
記湿式ベンチュリにおける入側温度と出側温度を、それ
ぞれ、500〜1200℃と、30〜200℃とする。
クトの一部を絞ることにより、精錬炉で発生する燃焼ガ
スの流速を高め、高速燃焼ガス中に水を噴霧することに
よって、燃焼ガスを急速冷却すると共に、燃焼ガス中の
ダストを捕集するために用いる装置をいう。高温でいっ
たん分解されたダイオキシン類は、冷却過程で約500
〜300℃の温度域を急冷しなければ再生成することに
なる。そこで、このような再生成を確実に防止するた
め、湿式ベンチュリにおける入側温度と出側温度を、そ
れぞれ、500〜1200℃と、30〜200℃とする
ことによって、ダイオキシンの再生成を防止することに
している。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。なお、以下の実施の形態では、精錬
炉が転炉の場合について説明するが、燃焼ガス処理以降
は他の精錬炉でも同様である。
形態に係るシュレッダーダストの処理方法に用いる設備
について説明する。図1に示すように、転炉10の上部
にはフード11が設けられており、その下部には溶鋼M
及びスラグNを流出する溶鋼等流出口10aが設けられ
ている。フード11は、第1の湿式ベンチュリ12と第
2の湿式ベンチュリ13とを間隔をあけて直列に取付け
た燃焼ガスダクト14の基部に連通連結されている。燃
焼ガスダクト14の先部は、三方切換弁15を介して、
煙突16とガスホルダ17にそれぞれ連通連結されてい
る。なお、ガスホルダ17は、例えば、火力発電所18
に燃焼ガスを供給するため設けられるものであり、その
上流側には水封弁19が取付けられている。
分離機20が配設されており、第1の湿式ベンチュリ1
2において回収された集塵水中の粉粒物が粗粒粉と含水
微粒粉に分離され、粗粒粉は鉄粉として鉄粉工場21に
送給されると共に、含水微粒粉はシックナー22に送給
される。そして、シックナー22の上澄み水は集塵水槽
23に給水され、その後、第2の湿式ベンチュリ13に
給水され噴射水として用いられる。一方、シックナー2
2の沈殿物はフィルタプレス24に送給され、固形化さ
れた後、溶銑予備処理工場25に送られ、溶銑予備処理
(ORP)の酸化鉄粉剤として用いられる。また、第2
の湿式ベンチュリ13の下方にはスラリータンク26が
配設され、集塵水から微粒粉を沈殿させた後に得られる
上澄み水は第1の湿式ベンチュリ12に給水され噴射水
として用いられる。
本実施の形態に係るシュレッダーダストの処理方法につ
いて説明する。まず、前装入として、図示しないスクラ
ップ装入シュートによってスクラップ材を炉口より転炉
10内に装入すると共に、炉上バンカー27によって、
予め金属分を除去したシュレッダーダストから製造した
シュレッダーダストブリケットを炉口より転炉10内に
同様に装入する。その後、装入物の一例である溶銑を炉
口を通して転炉10内に装入し、吹酸を開始する。な
お、シュレッダーダストブリケットは地上バンカー28
より炉上バンカー27に供給される。
けたフード11に吸引され、輻射部11aを経由して第
1及び第2の湿式ベンチュリ12、13へ導かれる。そ
して、第1の湿式ベンチュリ12の入口における燃焼ガ
ス温度(入側温度)は500℃〜1200℃になってい
るが、水量1300m3/Hrの集塵水を噴射することに
よって、出側温度は30〜200℃に急冷される。その
結果、ダイオキシンの発生を皆無に近い状態とすること
ができる。
13を経由して煙突16により大気放散か、又は、ガス
ホルダ17に回収される。大気放散か回収かは、三方切
換弁15によりコントロールされる。具体的には、吹酸
開始より数分間と、吹酸終了前数分からは大気放散と
し、その他はガスホルダ17に燃料用ガスとして回収す
る。そして、回収された燃焼ガスは、例えば、火力発電
所18において燃料として使用される。なお、吹酸開始
より数分間と、吹酸終了前数分からは大気放散とするの
は、この間は、一酸化炭素濃度が低く、燃料用ガスとし
て使用できないからである。
水は、循環方式(第1の湿式ベンチュリ12の出口→粗
粒分離機20→シックナー22→集塵水槽23→第2の
湿式ベンチュリ13→スラリータンク26→第1の湿式
ベンチュリ12の入口→第1の湿式ベンチュリ12の出
口)で使用され、蒸発分、その他ロス分に見合う量とし
て、23m3 /Hr程度を補給する。また、粗粒分離機
20では、集塵水中の粗粒粉を回収し、鉄粉の原料とし
て使用する。また、シックナー22の沈殿物は、フィル
タプレス24によって細粒ダストとして回収し、溶銑予
備処理の酸化鉄粉剤として使用される。さらに、吹酸
後、転炉10内に発生するスラグNは、転炉滓処理(I
SC)の原料として使用され、200トン/チャージの
溶鋼Mが生産される。
トの処理方法について実験を行ったので、その実験内容
を説明すると共に、その結果を、表1、2に示す。な
お、表1、2の「結果」の項目において、◎はまったく
問題ない、○はほとんど問題ない、△は少し問題があ
る、×は問題があることを意味する。また、表1、2の
「効果」及び「総合評価」の項目において、◎は非常に
良い、○は良い、△は少し悪い、×は悪いことを意味す
る。また、表中、P−Tは溶銑トンを意味する。
ーダストの処理方法の前装入の例であり、実施例4及び
5は、吹酸中装入の例である。なお、比較例1として、
前述した特開平8−143929号公報に記載の方法
を、また、比較例2として、前述した特開平6−254
530号公報に記載の方法によって行なった実験内容及
び結果を示す。
処理方法を適用した実施例1〜5について説明する。シ
ュレッダーダストブリケットは、鋼に対して有害となり
得る金属分や非燃焼性の非金属分を予め除去している。
このシュレッダーダストブリケットの形状は、直径が4
0mm、長さが50〜70mmであり、その嵩密度は
1.5g/cm3 であり、その組成は、主として炭化水
素化合物からなる可燃分を20〜90重量%、灰分を
9.1〜75重量%、水分を0.9〜5重量%とした。
この中で、可燃分(特に炭素)の燃焼熱が転炉の装入物
の溶解昇熱として有効利用される。即ち、燃焼熱量は、
瞬時燃焼が予測される水素を除外しても、シュレッダー
ダストブリケット1kg当たり、1130kcalはあ
るからである。なお、シュレッダーダストブリケット
は、前述したように、予め金属分や非燃焼性の非金属分
を除去したシュレッダーダストをスクリュフィーダ等か
らなる射出成形機(減容機)に充填して押し固めること
によって製造した。
ーダストブリケット中の組成は図1を参照して前述した
ように、溶鋼M、スラグN、ダスト、燃焼ガス、及び集
塵水に分かれて排出される。各組成は少なからず各排出
先に影響することから、溶鋼品種により、シュレッダー
ダストブリケットの添加量を調整する必要がある。そこ
で、シュレッダーダストブリケットの溶鋼Mへの添加量
は、4〜12kg/S−Tの範囲で調整した。
の一つとして硫黄(S)があるが、実施例1〜実施例3
では、転炉精錬で形成されるスラグNの脱硫作用により
溶鋼Mへの影響はほとんどない。特に、硫黄値規制の厳
しい一部の溶鋼品種では、シュレッダーダストブリケッ
トの添加量を抑える方向で調整する。
て、銅+ニッケル+クロム(Cu+Ni+Cr)の総量
規制がある。実施例1では0.0193重量%、実施例
3では0.038重量%に上昇している。このレベル
は、特殊鋼においても、総量規制を満足しており、問題
はない。さらに、溶鋼Mへ有害となりうるその他の元素
(トランプエレメント)があるが、特殊鋼において、実
施例1〜5とも満足する上昇分であり、問題はない。
て、ひとつには硫黄(S)があるが、シュレッダーダス
トブリケットの添加量が最も多い実施例3で0.026
3重量%であり、特に問題はない。
亜鉛(Zn)があるが、ダストは特殊処理後、溶銑予備
処理の酸化鉄粉剤としてリサイクルされており、問題と
はならない。次に、湿式ベンチュリ方式の転炉10の燃
焼ガスの回収に支障をきたしうる要素として一酸化炭素
濃度がある、即ち、吹酸開始より数分間と、吹酸終了前
数分間においては、一酸化炭素濃度が低いので燃料用ガ
スとしては使用できない。従って、この間は、前述した
ように燃焼ガスを煙突16より大気に放散する。この場
合において、部分的に燃焼ガスを回収しないことになる
が、総熱量の殆どが、シュレッダーダストブリケットに
よる転炉10の装入物の昇熱に用いられることになる。
塩素(Cl)があるが、前述のように、第1の湿式ベン
チュリ12によって、燃焼ガスは500℃〜1200℃
から30℃〜200℃に急速に冷却されるので、ダイオ
キシン類の発生は殆ど見受けられず、問題はない。
が、転炉10内ではスラグ生成促進用副原料としてCa
Oを添加しているので、第1の湿式ベンチュリ12で洗
浄された集塵水中には多くのCaイオンが存在する。従
って、このCaイオンを含んだ集塵水内にCaOをさら
に投入し、循環することによって、塩素とCaOの中和
処理を容易に促進して、塩素イオン濃度の濃縮を防止す
ることができ、問題はない。
2の効果欄を参照しながら、比較例1、2と比較して説
明する。まず、生産性について説明すると、シュレッダ
ーダストブリケットは廃棄車両1台から120kg生成
することができるが、本発明に係るシュレッダーダスト
の処理方法においては、精錬炉が転炉の場合、添加量は
望ましくは4〜12kg/S−Tの範囲であるから、廃
棄車両換算で6〜20台分/チャージを処理することに
なり、きわめて高い。これに対し、比較例1は、前述の
ように、たかだか1台/チャージしか処理できないと予
想され、極めて低い。
たように、シュレッダーダストをブリケット状に減容固
形化しており、精錬炉への添加剤として理想の性状であ
り、精錬炉添加時の炉上バンカーの詰まり、或いは、ダ
ストの飛散はまったくない。次に、着火性及び熱効率の
面だが、前述のように、比較例1及び比較例2共に低下
することが予想される。
説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記
載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に
記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施
の形態や変形例も含むものである。
の処理方法においては、工業用ゴミや生活用ゴミを細断
した後金属分を予め除去したシュレッダーダストを押し
固めて、又は、減容固形化してシュレッダーダストブリ
ケットとし、精錬炉に添加して精錬炉の装入物の昇熱に
用いるようにしている。従って、このようなシュレッダ
ーダストの再資源化を図ることができる。特に、金属分
を除去するに際して、有害な金属も除去することで、溶
銑・溶鋼への影響もなく、かつ、環境汚染(ダスト等に
よる大気汚染や水質汚染)もない無害状態で、社会問題
化しているシュレッダーダストを大量に処理することが
できる。請求項2記載のシュレッダーダストの処理方法
は、ガラス片やセラミック片、石、砂等の非燃焼性の非
金属分をシュレッダーダストから取り除くことによっ
て、これらの溶銑・溶鋼への影響もなくすと共に、シュ
レッダーダストの高純度化により、燃焼時の着熱効果を
高めることができる。
方法においては、シュレッダーダストの組成における炭
化水素化合物の割合を20〜90重量%としているの
で、分級・分別処理費を可及的に抑えながら、精錬炉内
の装入物の有害金属や有害非金属による汚染を防止する
ことができる。
方法においては、シュレッダーダストブリケットの寸法
及び密度を、直径が15〜120mm、長さが20〜1
50mm、嵩密度が0.8〜1.5g/cm3 の棒状と
している。従って、精錬炉へのシュレッダーダストブリ
ケットの装入を容易に行なうことができる。
方法においては、シュレッダーダストブリケットの装入
物への添加量を、溶鋼トン当たり4〜12kgとしてい
る。従って、普通鋼はもちろん、添加量を上記した範囲
で調整することで、あらゆる特殊鋼にも適用できる。
方法においては、精錬炉で発生する燃焼ガスを湿式ベン
チュリで処理し、燃焼ガスの湿式ベンチュリにおける入
側温度と出側温度を、それぞれ、500〜1200℃
と、30〜200℃としている。従って、ダイオキシン
類の再生成を効果的に防止することができる。
トの処理方法に用いる設備の概念的構成を示す説明図で
ある。
流出口 11 フード 11a 輻射部 12 第1の湿式ベンチュリ 13 第2の湿
式ベンチュリ 14 燃焼ガスダクト 15 三方切換
弁 16 煙突 17 ガスホル
ダ 18 火力発電所 19 水封弁 20 粗粒分離機 21 鉄粉工場 22 シックナー 23 集塵水槽 24 フィルタプレス 25 溶銑予備
処理工場 26 スラリータンク 27 炉上バン
カー 28 地上バンカー
Claims (6)
- 【請求項1】 予め金属分を除去した炭化水素化合物を
主成分とするシュレッダーダストを押圧時に発生する自
熱又は接着剤を用いて押し固めてシュレッダーダストブ
リケットとし、該シュレッダーダストブリケットを精錬
炉に添加して該精錬炉の装入物の昇熱に用いるようにし
たことを特徴とするシュレッダーダストの処理方法。 - 【請求項2】 前記シュレッダーダストから、前記金
属分のみならず非燃焼性の非金属分を取り除くことを特
徴とする請求項1記載のシュレッダーダストの処理方
法。 - 【請求項3】 前記シュレッダーダストブリケットの組
成における前記炭化水素化合物の割合を20〜90重量
%とすることを特徴とする請求項1又は2記載のシュレ
ッダーダストの処理方法。 - 【請求項4】 前記シュレッダーダストブリケットの寸
法及び密度を、直径が15〜120mm、長さが20〜
150mm、嵩密度が0.8〜1.5g/cm3 の棒状
とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に
記載のシュレッダーダストの処理方法。 - 【請求項5】 前記シュレッダーダストブリケットの前
記装入物への添加量を、溶鋼トン当たり4〜12kgと
することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記
載のシュレッダーダストの処理方法。 - 【請求項6】 前記精錬炉で発生する燃焼ガスを湿式ベ
ンチュリで処理し、前記燃焼ガスの前記湿式ベンチュリ
における入側温度と出側温度を、それぞれ、500〜1
200℃と、30〜200℃とすることを特徴とする請
求項1〜5のいずれか1項に記載のシュレッダーダスト
の処理方法。
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007021444A (ja) * | 2005-07-20 | 2007-02-01 | Toyota Motor Corp | シュレッダーダストの再利用方法及び製鋼用原燃料体 |
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