JP2007021445A - シュレッダーダストの再利用方法及び製鋼用原燃料体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明では、まず、シュレッダーダストから樹脂類を選別・加工して回収する。次いで、回収された樹脂類と鉄類とを混合し、混合された混合物を加熱圧縮して原燃料体を成形する。この原燃料体の成形には、押出成形機を用いることができる。成形された原燃料体は、そのかさ密度が1.5〜2.5t/m3となるように、樹脂類と鉄類との比率が調整されている。成形された原燃料体は電気炉に投入され、熱源及び加炭源として機能することができる。
【選択図】 なし
Description
ここで、原燃料体には炭素分が含まれ、また、燃焼によって燃焼ガスを発生するため、上述した原燃料体で電気炉内に吹き込まれるコークスを代替しようとする試みが検討されている。しかしながら、従来の原燃料体を電気炉内に投入しても、加炭材としての効果を得ることはできず、また、充分なフォーミング効果を奏することもできず、コークスの代替材として用いることができないという問題があった。
この方法では、シュレッダーダストから回収された樹脂類を利用して成形された原燃料体のかさ密度が1.5〜2.5t/m3となっている。フォーミング状態の溶融スラグは、泡立っているため、実際のかさ比重は3t/m3より小さくなる。このため、原燃料体のかさ密度を1.5〜2.5t/m3とすれば、その原燃料体は溶融スラグ中に留まることができ、溶融スラグ中で燃焼して燃焼ガスを発生する。これによって、溶融スラグが泡立ち、フォーミング効果を得ることができる。また、原燃料体が溶融スラグ内に留まるため、その炭素分によって溶鋼の炭素濃度が上昇し、加炭材としても機能する。
また、成形工程では、樹脂類と鉄類とを押出成形するときの樹脂類のせん断発熱のみによって樹脂類が溶融していることが好ましい。樹脂類のせん断発熱のみによって樹脂類が溶融すると、樹脂類を溶融固化するための熱源を不要とすることができる。
さらに、成形工程は200℃以下の温度で行われることが好ましい。200℃以下で樹脂類の加熱圧縮を行うことで、樹脂類からの有害ガスの発生を抑制することができる。
この原燃料体でも、そのかさ密度が1.5〜2.5t/m3となるため、充分なフォーミング効果を奏することができ、また、加炭材としての代替効果を奏することもできる。
シュレッダープラント10では、まず、納入される廃自動車等をプレシュレッダー12で粗く切断し、切断された廃自動車等をシュレッダー本体14に投入する。投入された廃自動車等は、シュレッダー本体14でさらに細かく切断される。
シュレッダー本体14から排出される切断物は、風力分別16によって重量物と軽量物に分別される。風力分別16によって軽量物とされたものはサイクロンによって回収され、シュレッダーダスト24となる。また、シュレッダー本体14から排出される空気中に含まれるダストもサイクロン等によって回収され、シュレッダーダスト24となる。
風力分別16によって重量物とされたものは、さらに、磁選機18で鉄スクラップ20、非鉄金属22及びシュレッダーダスト24のいずれかに分別される。シュレッダープラント10で分別された鉄スクラップ20や非鉄金属22は資源として再利用され、一方、シュレッダーダスト24はリサイクルプラント26で再利用が図られる。
回転ふるい28上に残ったシュレッダーダスト24は、破砕機32によって破砕される。破砕機32によって破砕されたシュレッダーダスト24は、非鉄分別36によってアルミ34、鉄37及び樹脂類に分別される。非鉄分別36によって分別された樹脂類は、さらに粉砕機38で粉砕される。粉砕機38で粉砕されたシュレッダーダスト24は、風力分別及び比重分別によって銅42、粒状樹脂類44が選別され、それ以外の樹脂類は溶融固化機46に投入される。
溶融固化機46は、投入されたシュレッダーダスト24を加熱圧縮し、溶融固化物48を製造する。溶融固化機46には、例えば特開2003−211139号公報に記載のものも用いることができる。すなわち、溶融固化機46は、ケーシングと、ケーシング内に配置された2本のスクリュウと、加熱手段とを有することができる。2本のスクリュウは、互いに係合しながら反対方向に回転する。ケーシングの一端にシュレッダーダスト24を投入すると、投入されたシュレッダーダスト24はスクリュウの回転によってケーシング内を圧縮されながら搬送される。ケーシング内を搬送されるシュレッダーダスト24は加熱手段によって加熱され、これによって、シュレッダーダスト中に含まれる熱可塑性樹脂が溶融し、溶融固化物48が製造される。
粒状樹脂類44と切削屑(鉄材)の混合比率(重量比)は、4:6〜2:8の範囲で調整されている。この場合に、原燃料体の嵩比重が1.5〜2.5t/m3となるように、粒状樹脂類44と切削屑(鉄材)との混合比率が調整されていることが好ましい。嵩比重が1.5t/m3以下となると、原燃料体が軽すぎて溶融スラグに浮いてしまうためである。一方、嵩比重を2.5t/m3以上とすると、粒状樹脂類44の量が少なくなりすぎ、助燃材としての機能を発揮することができなくなるためである。
なお、粒状樹脂類44と切削屑の重量比は、粒状樹脂類44の性状等に応じて、適宜決定することができる。
また、原燃料体を溶融固化機46を用いて製造する際は、粒状樹脂類44の温度が200℃以下の状態で行うことが好ましい。粒状樹脂類44の温度を200℃以下に抑えることによって、粒状樹脂類44からの有害ガス(例えば、塩素系ガス)の発生を抑えることができる。
電気炉50内の鉄スクラップがある程度溶解したら、初装と同様の手順で電気炉50内にスクラップを投入する(追装)。再び電極棒52からアークを発生させ、そのアークによって電気炉50内のスクラップを溶解する(第2溶解期)。最後にフォーミングをして電気炉50内の溶鋼56を昇温し、しかる後、電気炉50内の溶鋼56を出鋼する。
また、溶解末期に電気炉50内に投入される原燃料体は、比重が大きく、溶融スラグ中に留まることができる。このため、溶融スラグ中で燃焼して燃焼ガスを発生する。発生した燃焼ガスは、溶融スラグを泡立て、フォーミング効果を奏することができる。また、原燃料体が溶融スラグ中に留まることができるため、その炭素分によって溶鋼の炭素濃度を上昇することができる(加炭効果)。
なお、原燃料体の揮発分は熱源として利用され、灰分は製鋼スラグとして残るが、この製鋼スラグは路盤材などへ利用することができる。
また、表1に示す粒状樹脂類44と鉄スクラップ(ダライ粉屑)を重量比3対7で混合し、溶融固化機46によって溶融固化して原燃料体を製作した。原燃料体の形状はΦ130mm×150〜200mmであり、嵩比重約2.5t/m3であった。なお、表1に示す粒状樹脂類44を用いる場合、原燃料体の嵩比重を1.5〜2.5t/m3とするためには、図6に示すように原燃料体の鉄含有率を60〜80重量%に調整すればよい。以下、この原燃料体を「実験材料1」とする。
さらに、比較例として、一次解体した廃自動車を、そのまま固めたものを製作した。以下では、「廃自動車」と記載している。
表2から明らかなように、実験材料の装入位置を初装上部とすると火炎が発生し、かつ、電気炉上部の温度も上昇した。一方、実験材料の装入位置を初装下部と初装中心のいずれとしても、火炎は発生せず、温度の上昇も認められなかった。ただし、作業性の観点から初装下部が好ましいため、以下の測定は初装下部に装入して行った。
表3より明らかなように「廃自動車」は、排ガス温度が高く、排ガスの持ち去る熱量が最も大きくなった。全体の着熱効率を溶鋼の保有熱÷小計とすると、通常操業,実験材料2,実験材料1,廃車の順に着熱効率が悪くなった。
ここで、熱ロス1は{樹脂材料を使用した当該ケースにおける(冷却水の持ち去る熱+排ガスの持ち去る熱)}−{通常操業における(冷却水の持ち去る熱+排ガスの持ち去る熱)}とし、熱ロス2=通常操業と比較した当該ケースでのCO濃度の増加分を熱量換算−{通常操業における(冷却水の持ち去る熱+排ガスの持ち去る熱)}とした。
表4に、実験材料中の樹脂の着熱効率の評価結果を示している。表4中の各数値の単位はMcal/Mtである。
なお、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
26・・リサイクルプラント
44・・粒状樹脂類
48・・溶融固化物
Claims (5)
- シュレッダーダストを製鋼用電気炉に投入し、製鋼用電気炉の熱源として再利用する方法であり、
シュレッダーダストから樹脂類を選別・加工して回収する工程と、
回収された樹脂類と鉄類とを混合する工程と、
混合された混合物を加熱圧縮して製鋼用原燃料体を成形する工程と、
成形された製鋼用原燃料体を電気炉に投入する工程と、を有し、
前記製鋼用原燃料体のかさ密度が1.5〜2.5t/m3となるように、樹脂類と鉄類との比率が調整されていることを特徴とするシュレッダーダストの再利用方法。 - 前記成形工程は、押出成形機を用いて樹脂類と鉄類とを押し出し成形することを特徴とする請求項1に記載のシュレッダーダストの再利用方法。
- 前記成形工程では、樹脂類と鉄類とを押出成形するときの樹脂類のせん断発熱のみによって樹脂類が溶融していることを特徴とする請求項2に記載のシュレッダーダストの再利用方法。
- 前記成形工程は200℃以下の温度で行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシュレッダーダストの再利用方法。
- シュレッダーダストから選別・加工し回収された樹脂類と、鉄類とを押出成形して製造される製鋼用原燃料体であり、樹脂類と鉄類との比率が、そのかさ密度が1.5〜2.5t/m3となるように調整されていることを特徴とする製鋼用原燃料体。
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