JPH11185629A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネル

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JPH11185629A
JPH11185629A JP35155297A JP35155297A JPH11185629A JP H11185629 A JPH11185629 A JP H11185629A JP 35155297 A JP35155297 A JP 35155297A JP 35155297 A JP35155297 A JP 35155297A JP H11185629 A JPH11185629 A JP H11185629A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】放電表示セルを構成する隔壁の機械的強度と化
学的耐久性を向上させ、蛍光体や放電ガスの劣化、及び
Ag電極の拡散による黄変色を防止し、発光効率が向上
した高輝度の耐久性に優れたPDPを得ると共に、焼成
温度が低く、PDPの駆動中にも絶縁基板の熱変形等に
よる隔壁の寸法ずれのない隔壁を有すると共に、高精細
度化を実現したPDPを提供する。 【解決手段】放電表示セルを構成する隔壁又は一部を補
填した隔壁が、低温焼成可能なガラスを主成分とし、Z
rO2 、TiO2 、Fe2 3 、V2 5 、NiO、C
2 3 の核形成剤を一種以上、3〜20重量%含有し
て成る焼成体で、少なくともその表面が結晶質であり、
100kHzにおける比誘電率が8.0以下で誘電損失
が1.0%以下、かつ歪点が400〜500℃であるP
DP。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度かつ安価な
薄型軽量の大型画面用カラー表示装置等の発光素子とし
て用いられるプラズマディスプレイパネル(以下、PD
Pと略記する)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から画像表示装置として多用されて
きたCRTは、容積及び重量が大で高電圧が必要である
という欠点から、近年のマルチメディアの浸透に伴い、
情報のインターフェースとして発光ダイオード(LE
D)や液晶表示素子(LCD)、あるいはPDP等の大
型画面で高画質、その上、薄型軽量で設置場所を選ばな
い等の特徴を有する平面画像表示装置が開発され、これ
らの利用範囲が拡大しつつある。
【0003】かかる平面画像表示装置としては、とりわ
けプラズマ発光を利用したPDPが大型画面用カラー画
像表示装置の発光素子として将来性が注目されている。
【0004】このようなPDPは、背面板と正面板を成
す一対の平坦な絶縁基板と、その空間を仕切る隔壁で囲
まれた微小な放電表示セル内に、対向する電極群を設け
ると共に、前記空間にHe−Ne等の希ガスから成る放
電可能なガスを400Toor程度の封入ガス圧で気密
封入した構造を成しており、前記対向する電極間に電圧
を選択的に印加して放電によりプラズマを発生させ、該
プラズマから放出される紫外光により放電表示セル内壁
に形成した蛍光体を発光させて画像表示装置の発光素子
として利用するものである。
【0005】従って、前記ガスの封入工程では、真空に
引きながらの高温の加熱処理によりPDPの前面板と背
面板を隔壁を介して封着することから、前記隔壁は真空
かつ高温下に曝されることになり、該隔壁には機械的な
強度が必要であると共に、電極や蛍光体と接触している
ことからそれらと反応したりせず、化学的に安定である
ことが必要であり、しかも、少なくともその表面は不純
物の発生源となる気孔等を含まない緻密なものであるこ
とが望まれている。
【0006】更に前記隔壁は、放電によって発生したプ
ラズマの漏洩による放電表示セルの表示色の混合を防ぐ
ために設けられるものであり、かかる従来の隔壁は10
0kHzにおける比誘電率が12を越え、誘電損失も1
0%を越えることから、アドレス期間中の電束分布を放
電空間に集中させることができず、発光効率を下げる原
因となる他、前記放電表示セルの静電容量が大となるこ
とから、PDPを駆動する際の放電電極間の駆動電流が
大きいためにPDPの消費電力が引き上げられ、電源設
備が大型化するという問題があった。
【0007】そこで前記問題を解消するために、放電表
示セルの静電容量を低減すべく低誘電率の低融点ガラス
材料から成る誘電体層を放電電極に被覆したり、該低融
点ガラス材料から成る誘電体で隔壁を構成すること等が
提案されている(特開平8−77930号、特公平7−
24189号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案では使用する低融点ガラス材料は低誘電率ではあるも
のの、該低融点ガラス材料が放電表示セル内部の電極や
蛍光体と反応し易く化学的耐久性に乏しい上、得られる
焼成体が緻密でないために、真空かつ高温の環境下にお
いては、放電表示セル内部の蛍光体や放電ガスが劣化し
易く、更に電極として銀(Ag)を用いた場合には、該
Agが隔壁に拡散して黄変色を生じ易く、発光効率を損
なうという課題があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑み成されたもの
で、その目的は、放電表示セルを構成する隔壁の機械的
強度と化学的耐久性を向上させることにより、蛍光体あ
るいは放電ガスの劣化や、Ag電極の拡散による黄変色
を防止し、発光効率を向上させた高輝度の耐久性に優れ
たPDPを得ると共に、焼成温度が低く、PDPの駆動
中にも絶縁基板の熱変形等による隔壁の寸法ずれ等を発
生しない良好な隔壁を有すると共に、高精細度化を実現
したPDPを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
に鑑み鋭意検討した結果、低温焼成が可能で、かつ焼成
体の比誘電率が低いガラス原料に核形成剤を添加して得
られた焼成体の表面を結晶化させることにより、機械的
強度及び化学的耐久性を向上させることが可能となり、
しかも誘電損失や軟化点を低下させることができる上、
焼成体の表面硬度を向上させることも可能となって、前
記課題が解消できることを見いだし、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明のPDPは、放電表示セルを
構成する隔壁あるいはその欠損部等の一部を補填した隔
壁が、低温焼成可能なガラスを主成分とする焼成体から
成り、該焼成体中に核形成剤としてZrO2 、Ti
2 、Fe2 3 、V2 5 、NiO、Cr2 3 の一
種以上を3〜20重量%の割合で含有して成る焼成体で
あり、該焼成体は少なくともその表面が結晶質であると
共に、100kHzにおける比誘電率が8.0以下であ
り、誘電損失が1.0%以下、かつ歪点が400〜50
0℃であることを特徴とするものである。
【0012】更に、本発明のPDPは、前記低温焼成可
能なガラスが、ホウケイ酸亜鉛系ガラスにLi、Na、
K、Rb、Csのアルカリ金属の二種以上の酸化物を含
有して成るもので、前記ガラスから成る焼成体の100
kHzにおける比誘電率が7.0以下で、かつ誘電損失
が0.5%以下であるものがより望ましいものである。
【0013】
【作用】本発明のPDPによれば、PDPの放電表示セ
ルを構成する隔壁又はその一部が、低温焼成が可能なガ
ラスを主成分とする焼成体中に、核形成剤としてZrO
2 、TiO2 、Fe2 3 、V2 5 、NiO、Cr2
3 の一種以上を所定範囲で含有することから、少なく
とも焼成体表面、即ち隔壁の表面が結晶化されて緻密質
となり、化学的耐久性が向上すると共に、真空かつ高温
の環境下においても不純物を放出したりせず、放電表示
セル内の蛍光体や放電ガスの変質による劣化やAg電極
の拡散に伴う黄変色が防止でき、その結果、PDPの発
光効率が向上することになる。
【0014】更に、本発明のPDPは、焼成温度が低く
駆動時における絶縁基板の熱変形の影響が小さくなり、
高い寸法精度を有する隔壁が高い製造歩留まりで得られ
ると共に、均一かつ高精度で微細なピッチを有する大型
画面化が容易で高精細度化が可能な隔壁を有するPDP
が得られる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明のPDPについて詳
細に説明する。
【0016】本発明のPDPの隔壁又はその一部を形成
する焼成体の主成分を成すガラスは、550℃以下の低
温焼成が可能なもので、例えば鉛やアルカリ、リン等を
含有する各種ガラスが挙げられ、前記ガラスとしては該
ガラスの歪点の低下とPDPの発光効率を向上させる誘
電特性を有するという点からは、アルカリ金属の酸化物
がガラス融解時に融剤として作用するものであることか
ら、Li、Na、K、Rb、Csのアルカリ金属の二種
類以上を含有することがより望ましく、最終的にLi2
O、Na2 O、K2 O、Rb2 O、Cs2 Oの酸化物と
なればいずれの形態でも採用し得る。
【0017】とりわけ、Ag電極の拡散を防止する点か
らは、異種アルカリ酸化物のクラスターを形成し易いも
のとして原子量の大きく異なる組み合わせが好ましく、
例えばLiとCs、NaとRbの組み合わせが好適であ
る。
【0018】また、特に発光効率の向上に好適な誘電特
性を具備し、機械的強度や製造工程における化学的耐久
性を具備するという点では、かかるガラスとしてはホウ
ケイ酸亜鉛系ガラスに前記アルカリ金属の酸化物を含有
するものがより望ましい。
【0019】特に、前記ホウケイ酸亜鉛系ガラスとして
は、それぞれ以下に詳述する理由により20〜60重量
%のB2 3 と、16〜45重量%のZnOと、10〜
40重量%のSiO2 と、1〜5重量%のAl2
3 と、1〜8重量%のZrO2 とから成り、前記アルカ
リ金属の内、二種類以上を酸化物で5〜14重量%、及
び後述する核形成剤の内、一種類以上を酸化物で3〜2
0重量%含有するものがより望ましい。
【0020】即ち、前記ホウケイ酸亜鉛系ガラスの組成
中、前記ガラス溶融時に融剤として作用し、強固なガラ
スを作る効果を有するB2 3 は、PDPの絶縁基板と
の熱膨張率の整合から前記含有量がより望ましい。
【0021】また、表面硬度を高くする高融点ガラスの
主要成分であり、比誘電率を低下させるSiO2 は、歪
点と比誘電率及び表面硬度の点から前記含有量がより好
ましいものである。
【0022】一方、前記ZnOは、化学的耐久性を増大
させ、歪点を下げる効果を奏するものであり、歪点から
は前記含有量が好適となる。
【0023】更に、前記Al2 3 は、ガラスの分相を
防ぎ化学的耐久性を向上し、隔壁の強度を増し、絶縁基
板との熱膨張率の整合を図るために含有させるものであ
り、歪点と隔壁の強度の点からは前記含有量がより好ま
しいものである。
【0024】また、前記ZrO2 は隔壁の白色化に寄与
するものであり、歪点との関係から前記含有量がより望
ましい。
【0025】一方、本発明において前記ガラスに添加す
る核形成剤としては、400〜500℃の温度範囲内で
急速に核形成が進むものが望ましく、そのような特徴を
有するものとしてZrO2 、TiO2 、Fe2 3 、V
2 5 、NiO、Cr2 3等が好適であり、前記ガラ
スを主成分とする焼成体の少なくともその表面を結晶化
させるためには、500〜600℃の温度範囲内で結晶
成長が著しく、可視光の反射率を低下させないZrO2
やTiO2 が最適である。
【0026】また、前記焼成体中に含有する核形成剤の
量が3重量%未満の場合には、該焼成体の少なくとも表
面を結晶化させる効果がなく、20重量%を越えると可
視光の反射率が低下してしまうことから、その含有量は
3〜20重量%に限定され、特に隔壁の結晶化度や白色
化という点からは7〜15重量%がより望ましい。
【0027】尚、本発明のPDPには、前記低温焼成可
能なガラスと核形成剤以外に、適宜、第3の成分を添加
して比誘電率や誘電損失、抵抗率等の電気的特性や線膨
張係数を調整することや、隔壁を白色化して可視光の反
射率を向上させるためにも、前記ZrO2 やTiO2
を添加することも可能である。
【0028】次に、PDPの放電表示セルを構成する隔
壁を積層して成形したり、隔壁成形体のダレや低融点物
質の溶融による隔壁の曲がりや反り等の変形を抑制し、
成形体の強度を向上するためには、前記ガラスに例えば
Al2 3 やZrO2 等の酸化物系セラミックスや、S
3 4 等の非酸化物系セラミックスをはじめ、希土類
元素の酸化物や周期律表第3a族元素の酸化物等を添加
することも可能である。
【0029】前述のように特性の改善を図るべくセラミ
ックス等を添加する場合には、分散剤や粘度調整剤等を
適宜、その種類と含有量を選択して使用することが望ま
しく、隔壁を形成する無機成分の分散性を向上するもの
であれば特に限定するものではない。
【0030】次に、前記PDPの隔壁又はその一部を成
す焼成体は、100kHzにおける比誘電率が8.0を
越えると、十分に放電空間に電束分布を集中させること
ができず、発光効率の向上及び消費電力の低減という作
用効果が小さくなり、また誘電損失が1.0%を越える
と、隔壁部でのエネルギー損失や印加電圧パルスに対す
る応答の遅れが大きく、消費電力を増大させる原因とな
る。
【0031】従って、本発明では100kHzにおける
比誘電率は8.0以下、かつ誘電損失が1.0%以下に
特定され、発光効率の向上及び消費電力の低減という点
からは100kHzにおける比誘電率は7.0以下、か
つ誘電損失が0.5%以下であることがより望ましい。
【0032】尚、前記焼成体の歪点が400℃未満の場
合には、焼成時に隔壁の曲がりや反り等の変形を生じ易
くなり、500℃を越えると短時間焼成が困難となる。
【0033】従って、本発明では、前記焼成体の歪点は
400〜500℃の範囲であることが望ましく、焼成は
隔壁用組成物が緻密化し、かつ絶縁基板と密着すれば良
いことから、焼成温度は前記焼成体の歪点以上で絶縁基
板の歪点以下の温度であれば良く、具体的には530〜
550℃の温度範囲が好ましい。
【0034】また、前記低温焼成可能なガラスと核形成
剤とから成る混合物に添加する有機物質から成るバイン
ダーとしては公知のものを用いることができるが、例え
ば、アクリル系やブチラール系等の熱可塑性樹脂あるい
は紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
【0035】
【実施例】次に、本発明のPDPを以下のようにして評
価した。先ず、ガラス粉末原料及び核形成剤としてZr
2 、TiO2 、Fe2 3 、V2 3 、NiO、Cr
2 3 を表1に示す割合でそれぞれ秤量し、IPAを溶
媒としてそれぞれ18時間、ボールミルにて湿式混合し
た。
【0036】尚、ガラス粉末に含有させるアルカリ金属
の酸化物としてはLi2 O、Na2O、K2 O、Rb2
O、Cs2 Oをそれぞれ秤量して添加した。
【0037】また、表1に記載したガラス粉末原料の区
分は、表2にその詳細を示す通りである。尚、前記核形
成剤を全く含有しない組成から成る試料を比較例とし
た。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】次いで、前記混合物を乾燥後、800℃の
温度で2時間焼成してから、得られた焼成体を乳鉢で粗
く粉砕した後、再びIPAを溶媒としてそれぞれ18時
間、ボールミルにて湿式で粉砕混合した。
【0041】その後、前記粉砕混合物に周知の有機性添
加物から成るバインダーを添加して撹拌した後、50メ
ッシュの網を通して得られた泥漿を予めAg電極を被着
形成したガラス基板上に塗布して乾燥した後、表3に示
す各焼成温度で20分間焼成した。
【0042】かくして得られた評価用試料をX線回折法
(XRD)により、散乱角2θが10〜60°の間にお
ける各結晶を同定し、アルカリケイ酸塩及びβ−スポジ
ュメン固溶体、LiO・2SiOのピークの有無から結
晶質の有無を判定した。
【0043】一方、前記評価用試料の両端面にIn−G
a電極を塗布し、LCRメータを用いて25℃の温度雰
囲気中、100kHz(AC100V)の条件で比誘電
率、誘電損失を測定した。
【0044】また、前記評価用試料の歪点は、室温から
700℃の温度範囲における線膨張を測定してその変曲
点から決定した。
【0045】更に、前記評価用試料の機械的強度は、ク
ロスヘッドスピードを5mm/min.に設定してダイ
ヤルゲージにて座屈強度を測定して評価し、他方、化学
的耐久性は、85℃、85%の高温多湿条件下、DC2
00Vの高電圧下で1000時間の信頼性試験を行い、
電極部から生長するデンドライトの有無を顕微鏡により
観察すると共に、Ag電極の拡散による黄変色に有無を
試料断面をCCDカメラで観察し、電極上部から約7μ
m程度に該黄変が見られるか否か確認し、いずれも認め
られないものを化学的安定性が有ると判定した。
【0046】また、前記評価用試料表面の気孔の有無
は、波長分散型X線マイクロアナリシス(EPMA)に
より確認した。
【0047】
【表3】
【0048】表から明らかなように、核形成剤を含有し
ない組成から成る比較例の試料番号1、8、13、18
は、いずれも結晶質が認められず、化学的安定性に欠け
るものであり、本発明の請求範囲外である核形成剤の含
有量が所定範囲外の試料番号2、7、12、17、2
1、24、28、32は、いずれも比誘電率や誘電損失
等の電気的特性を満足せず、化学的安定性に欠けるもの
や気孔が認められるものが多くPDP用の隔壁として適
当でない。
【0049】それに対して、本発明では少なくともその
表面に結晶質が認められることにより、前記電気的特性
を満足すると共に、機械的強度は勿論、化学的安定性に
も優れ、気孔の存在も認められないことが確認できた。
【0050】尚、本発明は前記詳述した実施例に何等限
定されるものではない。
【0051】
【発明の効果】叙上の如く、本発明のPDPは、放電表
示セルを構成する隔壁又はその一部を補填した隔壁を形
成する焼成体が、低温焼成が可能なガラスに核形成剤を
添加して成り、少なくともその表面は低誘電率を示す結
晶質を成し、該焼成体は100kHzにおける比誘電率
が8.0以下、誘電損失が1.0%以下であり、かつ歪
点が400〜500℃であることから、表面が緻密で化
学的耐久性に優れた隔壁が得られ、蛍光体及び放電ガス
の変質を伴う不純物の発生がなく、Ag電極の拡散によ
る黄変色も発生せず、その上、放電表示セルの静電容量
が小さく印加電圧パルスに対する応答性が良く、隔壁部
でのエネルギー損失を低減できることから、アドレス期
間に放電空間内の電束密度を高めて発光効率を向上させ
ることができ、消費電力を低減できることは勿論、高輝
度の耐久性に優れたPDPが得られると共に、焼成温度
が低く、欠陥や寸法ずれのない隔壁を有する高精細度化
が実現できるPDPが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米山 健一 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 和多田 一雄 滋賀県八日市市蛇溝町長谷野1166番地の6 京セラ株式会社滋賀工場内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマディスプレイパネルの放電表示セ
    ルを構成する隔壁又はその一部が、低温焼成可能なガラ
    スを主成分とする焼成体中にZrO2 、TiO2 、Fe
    2 3 、V2 5 、NiO、Cr2 3 の一種以上を3
    〜20重量%含有して成り、該焼成体は少なくともその
    表面が結晶質であると共に、100kHzにおける比誘
    電率が8.0以下、誘電損失が1.0%以下であり、か
    つ歪点が400〜500℃であることを特徴とするプラ
    ズマディスプレイパネル。
  2. 【請求項2】前記焼成体を構成するガラスがホウケイ酸
    亜鉛系ガラスにLi、Na、K、Rb、Csのアルカリ
    金属の二種以上の酸化物を含有して成り、該焼成体の1
    00kHzにおける比誘電率が7.0以下、誘電損失が
    0.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の
    プラズマディスプレイパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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