JPH11111181A - プラズマディスプレイパネルの隔壁用組成物及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの隔壁用組成物及びそれを用いたプラズマディスプレイパネル

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JPH11111181A
JPH11111181A JP9264556A JP26455697A JPH11111181A JP H11111181 A JPH11111181 A JP H11111181A JP 9264556 A JP9264556 A JP 9264556A JP 26455697 A JP26455697 A JP 26455697A JP H11111181 A JPH11111181 A JP H11111181A
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Japan
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pdp
reflectance
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glass
display panel
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JP9264556A
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Yasuhiko Nishioka
尉彦 西岡
Masafumi Kato
雅史 加藤
Kiyohiro Sakasegawa
清浩 逆瀬川
Kenichi Yoneyama
健一 米山
Kazuo Watada
一雄 和多田
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】PDPの放電表示セル内に設けた電極群を成す
Ag電極の拡散を防止して隔壁の可視光反射率を向上さ
せると共に、波長による反射率のばらつきを小さくする
ことにより、PDPの発光効率を向上すると共に、表示
色の明度差を小さくできるPDPの隔壁用組成物及びそ
れを用いたPDPを提供する。 【解決手段】PDPの放電表示セルを構成する隔壁又は
その一部が、酸化物換算で0.1〜2.0重量%のMn
を含有した低温焼成可能なガラスを主成分とする焼成体
から成り、該焼成体の可視光反射率が75%以上で波長
による反射率のばらつきが8.0%以下、100kHz
における比誘電率が8.0以下、かつ誘電損失が1.0
%以下である隔壁を具備したPDPを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高精度かつ安価な
薄型軽量の大型画面用カラー画像表示装置等の発光素子
として用いられるプラズマディスプレイパネル(以下、
PDPと略記する)の放電表示セルを構成する隔壁の成
形用をはじめ、隔壁欠損部の補填用等に好適なPDPの
隔壁用組成物及びそれを用いたPDPに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から画像表示装置として多用されて
きたCRTは、容積及び重量が大で高電圧が必要である
という欠点から、近年のマルチメディアの浸透に伴い、
情報のインターフェースとして発光ダイオード(LE
D)や液晶表示素子(LCD)、あるいはPDP等の大
型画面で高画質、その上、薄型軽量で設置場所を選ばな
い等の特徴を有する平面画像表示装置が開発され、これ
らの利用範囲が拡大しつつある。
【0003】かかる平面画像表示装置としては、とりわ
けプラズマ発光を利用したPDPが大型画面用カラー画
像表示装置の発光素子として将来性が注目されている。
【0004】このようなPDPは、背面板と正面板を成
す一対の平坦な絶縁基板と、その空間を仕切る隔壁で囲
まれた微小な放電表示セル内に、対向する電極群を設け
ると共に、前記空間に希ガス等の放電可能なガスを気密
封入した構造を成しており、前記対向する電極間に電圧
を選択的に印加して放電によりプラズマを発生させ、該
プラズマから放出される紫外光により放電表示セル内壁
に形成した蛍光体を発光させて画像表示装置の発光素子
として利用するものである。
【0005】従って、前記隔壁は放電によって発生した
プラズマの漏洩による放電表示セルの表示色の混合を防
ぐために設けられたものであるが、かかる隔壁は100
kHzにおける比誘電率が12を越え、誘電損失も10
%を越えることから、アドレス期間中の電束分布を放電
空間に集中させることができず、発光効率を下げる原因
となる他、前記放電表示セルの静電容量が大となること
から、PDPを駆動する際の放電電極間の駆動電流が大
きいためにPDPの消費電力が引き上げられ、電源設備
が大型化するという問題があった。
【0006】そこで前記問題を解消するために、放電表
示セルの静電容量を低減すべく低誘電率の低融点ガラス
材料から成る誘電体層を放電電極に被覆したり、該低融
点ガラス材料から成る誘電体で隔壁を構成すること等が
提案されている(特開平8−77930号、特公平7−
24189号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記提
案では使用する低融点ガラスは低誘電率ではあるもの
の、PDPの製造工程の焼成過程で生じる放電表示セル
内に設けた電極群を構成するAg電極の拡散により隔壁
が黄色に変色することがあり、その結果、蛍光体で発光
した可視光の反射率が低下し、その上、波長によって前
記反射率が大きく異なり、蛍光体で発光した透過光を効
率良くPDP前面へと反射することができず、PDPの
表示色による明度差を生じさせ、発光効率の低下を招く
という課題があった。
【0008】
【発明の目的】本発明は前記課題に鑑み成されたもの
で、その目的はPDPの放電表示セル内に設けた電極群
を成すAg電極の拡散を防止して隔壁の可視光反射率を
向上させると共に、波長による反射率のばらつきを小さ
くすることによって、PDPの発光効率を向上すると共
に、表示色の明度差を小さくすることができるPDPの
隔壁用組成物及びそれを用いたPDPを提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題に
鑑み鋭意検討した結果、PDPの隔壁用組成物として低
温焼成が可能で、かつ焼成体の誘電率が低いガラス粉体
を主成分とする無機成分と有機性添加物から成るバイン
ダーとの混合物にMnを含有させることにより、得られ
た隔壁ではAg電極の拡散を防止することができ、隔壁
での可視光反射率が向上すると共に、波長による反射率
のばらつきが抑制され、その結果、前記課題が解消され
てPDPの発光効率が向上し、表示色の明度差も小さく
できることを見いだし、本発明に至った。
【0010】即ち、本発明のPDPの隔壁用組成物は、
PDPの放電表示セルを構成する隔壁の成形用や、隔壁
欠損部の補填用に好適な組成物として、低温焼成可能な
ガラス粉体を主成分とする無機成分に有機性添加物から
成るバインダーを添加した混合物が、無機成分中に酸化
物換算で0.1〜2.0重量%のMnを含有することを
特徴とするものである。
【0011】更に、前記低温焼成可能なガラス粉体は、
ホウケイ酸亜鉛系ガラスにLi、Na、K、Rb、Cs
のアルカリ金属の二種類以上の酸化物を含有して成るも
のがより望ましいものである。
【0012】また、本発明の隔壁用組成物を用いたPD
Pは、放電表示セルを構成する隔壁又はその一部が、酸
化物換算で0.1〜2.0重量%のMnを含有した低温
焼成可能なガラスを主成分とする焼成体から成り、該焼
成体の可視光反射率が75%以上で波長による反射率の
ばらつきが8.0%以下、100kHzにおける比誘電
率が8.0以下、かつ誘電損失が1.0%以下であるこ
とを特徴とするものである。
【0013】更に、本発明の隔壁用組成物を用いたPD
Pは、前記低温焼成可能なガラスがホウケイ酸亜鉛系ガ
ラスにLi、Na、K、Rb、Csのアルカリ金属の二
種類以上の酸化物を含有して成るもので、前記ガラスを
含む焼成体の可視光反射率が85%以上で波長による反
射率のばらつきが5.0%以下、100kHzにおける
比誘電率が7.0以下、かつ誘電損失が0.5%以下で
あるものがより望ましい。
【0014】
【作用】本発明のPDPの隔壁用組成物及びそれを用い
たPDPによれば、低温焼成が可能なガラス粉体を主成
分とする無機成分と有機性添加物から成るバインダーと
の混合物が無機成分中にMnを所定範囲で含有すること
から、該Mn元素の価数揺動によって放電表示セル内に
形成されたAg電極のAgの拡散に伴う隔壁の黄色の変
色が抑制され、隔壁焼成体を白色化するため、可視光の
反射率を向上させると共に波長によるばらつきを抑制す
るものと考えられ、その結果、パネルの発光効率を向上
し、表示色の明度差を小さくできることになる。
【0015】また、前記組成物がMn元素を含むことか
ら、その価数揺動によってAgの拡散が抑制されて隔壁
の変色が防止できるため、パネルの発光効率を向上させ
ることができる。
【0016】更に、本発明のPDPの隔壁用組成物は焼
成温度が低く、絶縁基板の熱変形の影響が小さくなり隔
壁の寸法精度が向上し、製造歩留りが向上すると共に、
均一かつ高精度で微細なピッチを有する大型画面化が容
易で高精細度化が可能な隔壁を有するPDPが得られ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明のPDPの隔壁用組
成物及びそれを用いたPDPについて詳細に説明する。
【0018】本発明のPDPの隔壁用組成物を構成する
ガラス粉体は、550℃以下の低温焼成が可能なもの
で、例えば鉛やアルカリ、リン等を含有する各種ガラス
が挙げられ、前記ガラス粉体としては該ガラスの歪点の
低下とPDPの発光効率を向上させる誘電特性を有する
という点からは、アルカリ金属の酸化物がガラス溶融時
に融剤として作用するものであることから、Li、N
a、K、Rb、Csのアルカリ金属の内、二種類以上を
含有することがより望ましく、最終的にLi2 O、Na
2 O、K2 O、Rb2 O、Cs2 Oの酸化物となればい
ずれの形態でも採用し得る。
【0019】とりわけ、Ag電極の拡散を防止する点か
らは異種アルカリ酸化物のクラスターを形成し易いもの
として、原子量の大きく異なる組み合わせが好ましく、
例えばLiとCs、NaとRbの組み合わせが好適であ
る。
【0020】また、特に発光効率の向上に好適な誘電特
性を具備し、機械的強度や化学的耐久性を具備するとい
う点では、かかるガラス粉体としてはホウケイ酸亜鉛系
ガラスに前記アルカリ金属の酸化物を含有するものがよ
り望ましい。
【0021】特に、前記ホウケイ酸亜鉛系ガラスとして
は、それぞれ以下に詳述する理由により25〜60重量
%のB2 3 と、20〜45重量%のZnOと、10〜
40重量%のSiO2 と、1〜5重量%のAl2
3 と、2〜8重量%のZrO2 とから成り、前記アルカ
リ金属の内、二種類以上を酸化物で6〜14重量%含有
するものがより望ましい。
【0022】即ち、前記ホウケイ酸亜鉛系ガラスの組成
中、前記ガラス溶融時に融剤として作用し、強固なガラ
スを作る効果を有するB2 3 は、PDPの絶縁基板と
の熱膨張率の整合から前記含有量がより望ましい。
【0023】また、表面硬度を高くする高融点ガラスの
主成分であり、比誘電率を低下させるSiO2 は、歪点
と比誘電率及び表面硬度の点から前記含有量がより好ま
しいものである。
【0024】一方、前記ZnOは化学的耐久性を増大さ
せ、歪点を下げる効果を奏するものであり、歪点からは
前記含有量が好適となる。
【0025】更に、Al2 3 はガラスの分相を防ぎ化
学的耐久性を向上し、隔壁の強度を増し、絶縁基板との
熱膨張率の整合を図るために含有させるものであり、歪
点と隔壁の強度の点から前記含有量がより好ましいもの
である。
【0026】また、ZrO2 は隔壁の白色化に寄与する
ものであり、歪点との関係から前記含有量がより望まし
い。
【0027】尚、本発明の低温焼成可能なガラス粉体
と、含有するMn以外の無機成分として、隔壁を白色化
して可視光の反射率を向上させるものとして前記ZrO
2 やTiO2 等の無機充填材をフィラーとして添加する
ことも可能である。
【0028】また、前記隔壁用組成物の有機性添加物か
ら成るバインダーとしては公知の有機物を用いることが
できるが、例えば、アクリル系やブチラール系等の熱可
塑性樹脂あるいは紫外線硬化性樹脂等に代表される反応
硬化性樹脂を用いることができる。
【0029】次に、前記ガラス粉体とバインダーの混合
物に含有させるMnはガラス粉体に、あるいは単独に、
あるいはその他の無機成分に、又はそれらの複数にそれ
ぞれ添加しても良く、その形態はMnO2 やMnCO3
等の酸化物や炭酸塩が適用でき、その含有量は前記混合
物の無機成分中に酸化物換算で0.1重量%未満の場合
には、Agの拡散を抑制する効果が乏しく、また2.0
重量%を越えると隔壁に灰色の着色を生じて反射率を低
下させることから、0.1〜2.0重量%に限定され、
特にAgの拡散抑止と白色化という点からは、0.5〜
1.0重量%の割合であることが最適である。
【0030】また、隔壁を積層して成形したり、隔壁成
形体のダレや低融点物質の溶融による隔壁の曲がり、反
り等の変形を抑制し、成形体の強度を向上するために
は、前記ガラスに例えばAl2 3 やZrO2 等の酸化
物系セラミックスや、Si3 4 等の非酸化物系セラミ
ックスをはじめ、希土類元素の酸化物や周期律表第3a
族元素の酸化物等を添加することも可能である。
【0031】そのように特性の改善を図るべくセラミッ
クス等を添加する場合には、分散剤や粘度調整剤等を適
宜、その種類と含有量を選択して使用することが望まし
く、隔壁用組成物の無機成分の分散性を向上するもので
あれば特に限定するものではない。
【0032】次に、前記PDPの隔壁用組成物を用いた
PDPは、低温焼成が可能なガラスとMnを含有するこ
とから、その価数揺動によりAgの拡散による隔壁が黄
色に変色するのが抑制され、可視光の反射率を高めるこ
とができ、PDPの発光効率を向上させて表示色の明度
差を小さくできる。
【0033】かかる隔壁用組成物から成る焼成体の可視
光反射率が75%未満の場合には、透過する蛍光を効率
良くPDPの前面に反射させ、緑と青と赤の各表示色の
輝度を確保することができず画面の鮮明度が落ちてしま
う。
【0034】そこで、効率の良い放電をさせるための誘
電特性を具備し、発光効率を向上させるためには、前記
焼成体を構成するガラスはホウケイ酸亜鉛系ガラスにL
i、Na、K、Rb、Csのアルカリ金属の二種類以上
の酸化物を含有して成るもので、該焼成体の可視光反射
率が85%以上のものが最も望ましい。
【0035】なかでも、前記ホウケイ酸亜鉛系ガラス
は、25〜60重量%のB2 3 と、20〜45重量%
のZnOと、10〜40重量%のSiO2 と、1〜5重
量%のAl2 3 と、2〜8重量%のZrO2 とから成
り、前記アルカリ金属の内、二種類以上を酸化物で6〜
14重量%含有するものが最も好適である。
【0036】次に、前記可視光の波長による反射率のば
らつきが8.0%を越えると、前記表示色の明度差が顕
著となり、鮮やかな画像の表示が困難となる。
【0037】従って、前記反射率のばらつきは表示色の
明度差の抑制という点から8.0%以下であることが必
要であり、更にガラスの成分が前記組成から成る場合に
は、そのばらつきは5.0%以下となって最適となる。
【0038】次に、PDPの隔壁は100kHzにおけ
る比誘電率が8.0を越えると十分に放電空間に電束分
布を集中させることができず、発光効率の向上及び消費
電力の低減という作用効果が小さくなり、また誘電損失
が1.0%を越えると、隔壁部でのエネルギー損失や印
加電圧パルスに対する応答の遅れが大きく、消費電力を
増大させる原因となる。
【0039】従って、本発明では100kHzにおける
比誘電率が8.0以下、かつ誘電損失が1.0%以下に
特定され、発光効率の向上及び消費電力の低減からはガ
ラス成分が前記組成から成る場合に、100kHzにお
ける比誘電率が7.0以下、かつ誘電損失が0.5%以
下となって最も望ましい。
【0040】尚、前記隔壁用組成物から成る焼成体の歪
点が400℃未満の場合には、焼成時に隔壁の曲がりや
反り等の変形を生じ易くなり、500℃を越えると短時
間焼成が困難となる。
【0041】従って、本発明では、PDPの隔壁用組成
物から成る焼成体の歪点が400〜500℃の範囲であ
ることが望ましく、焼成は隔壁用組成物が緻密化し、か
つ絶縁基板と密着すれば良いことから、焼成温度は隔壁
用組成物の歪点以上で絶縁基板の歪点以下の温度であれ
ば良く、具体的には530〜550℃の温度範囲が好ま
しい。
【0042】
【実施例】次に、本発明のPDPの隔壁用組成物及びそ
れを用いたPDPを以下のようにして評価した。
【0043】先ず、ガラス粉末原料とMnO2 としてM
nを、残部をその他の無機成分として表1に示す割合で
それぞれ秤量し、それらをIPAを溶媒としてそれぞれ
18時間、ボールミルにて湿式で混合した。
【0044】尚、ガラス粉末に含有するアルカリ金属の
酸化物としてはLi2 O、Na2 O、K2 O、Rb
2 O、Cs2 Oで秤量して調製した。
【0045】また、表1に記載したガラス粉末原料の区
分は、その詳細を表2に示した。
【0046】尚、Mnを全く含有しない組成から成るも
のを比較例とした。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】次いで、前記混合物を乾燥後、800℃の
温度で2時間焼成してガラスを作製し、乳鉢で粗く粉砕
した後、再びIPAを溶媒としてそれぞれ18時間、ボ
ールミルにて湿式で粉砕混合した。
【0050】その後、前記粉砕混合物に周知の有機性添
加物から成るバインダーを添加して撹拌した後、50メ
ッシュの網を通して得られた泥漿を予めAg電極を被着
形成したガラス基板上に塗布して乾燥した後、表3に示
す各焼成温度で20分間焼成した。
【0051】一般的には、反射率の測定は測色計を用い
て、360〜740nmの可視光域の波長を連続的に変
えて反射率を測定するが、ここでは便宜上、可視光域の
長波長側として700nmの波長を有する赤色光を、ま
た短波長側として400nmの波長を有する青色光を用
いて前記評価用の試料の反射率をそれぞれ測定し、その
差を反射率のばらつきとした。
【0052】一方、前記評価用の試料の両端にIn−G
a電極を塗布し、LCRメータを用いて25℃の温度雰
囲気中、100kHz(AC100V)の条件で比誘電
率、誘電損失を測定した。
【0053】また、前記評価用の試料の歪点は、室温か
ら700℃の温度範囲における線膨張を測定して変曲点
から決定した。
【0054】
【表3】
【0055】表から明らかなように、Mnを全く含有し
ない比較例の試料番号1、6、11、17では、可視光
の反射率が75%未満となるものがあり、そのばらつき
はいずれも10.2%以上と大きく、本発明の請求範囲
外である試料番号5、10、16、21、24、27、
30では、いずれも可視光の反射率が75%未満であ
り、その内、試料番号5、10、16、21ではそのば
らつきも8.0%を越えており、比誘電率や誘電損失も
必ずしも満足すべきものではない。
【0056】それに対して、本発明ではいずれも可視光
の反射率が75%以上と大きく、そのばらつきも8.0
%以下と小さく、比誘電率も8.0以下で、誘電損失も
1.0%以下と電気的な特性を満足している。
【0057】尚、本発明は前記詳述した実施例に何等限
定されるものではない。
【0058】
【発明の効果】叙上の如く、本発明のPDPの隔壁用組
成物及びそれを用いたPDPは、PDPの放電表示セル
を構成する隔壁又はその一部を成形、補填するための組
成物として低温焼成が可能なガラス粉体を主成分とした
Mnを含有する隔壁用組成物であり、該隔壁用組成物を
用いたPDPはその隔壁の可視光反射率が75%以上で
波長による反射率のばらつきが8.0%以下、100k
Hzにおける比誘電率が8.0以下、かつ誘電損失が
1.0%以下であることから、印加電圧パルスに対する
応答性が良く、隔壁部でのエネルギー損失を低減できる
ことは勿論、焼成時に生じ易いAg電極の拡散に伴う隔
壁の黄変が効果的に抑制され、その結果、PDPの発光
効率が向上し、表示色の明度差を小さくすることがで
き、高輝度の耐久性に優れたPDPが得られると共に、
焼成温度が低く、絶縁基板の熱変形による隔壁の寸法ず
れ等が改善されて高精細度化が実現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米山 健一 鹿児島県国分市山下町1番4号 京セラ株 式会社総合研究所内 (72)発明者 和多田 一雄 滋賀県蒲生郡蒲生町川合10番地の1 京セ ラ株式会社滋賀工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】低温焼成可能なガラス粉体を主成分とする
    無機成分と有機性添加物から成るバインダーとの混合物
    で、該無機成分が酸化物換算で0.1〜2.0重量%の
    Mnを含有することを特徴とするプラズマディスプレイ
    パネルの隔壁用組成物。
  2. 【請求項2】前記ガラス粉体がホウケイ酸亜鉛系ガラス
    にLi、Na、K、Rb、Csのアルカリ金属の二種類
    以上の酸化物を含有して成ることを特徴とする請求項1
    に記載のプラズマディスプレイパネルの隔壁用組成物。
  3. 【請求項3】プラズマディスプレイパネルの放電表示セ
    ルを構成する隔壁又はその一部が、低温焼成可能なガラ
    スを主成分とする焼成体中に酸化物換算で0.1〜2.
    0重量%のMnを含有して成り、該焼成体の可視光反射
    率が75%以上で波長による反射率のばらつきが8.0
    %以下であり、100kHzにおける比誘電率が8.0
    以下、かつ誘電損失が1.0%以下であることを特徴と
    するプラズマディスプレイパネル。
  4. 【請求項4】前記焼成体を構成するガラスがホウケイ酸
    亜鉛系ガラスにLi、Na、K、Rb、Csのアルカリ
    金属の二種類以上の酸化物を含有して成り、該焼成体の
    可視光反射率が85%以上で波長による反射率のばらつ
    きが5.0%以下であり、100kHzにおける比誘電
    率が7.0以下、かつ誘電損失が0.5%以下であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイ
    パネル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006115143A1 (ja) * 2005-04-25 2006-11-02 Central Glass Company, Limited 無鉛低融点ガラス
JP2009249525A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Sony Corp 蛍光体粒子及び平面型表示装置

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