JPH11185532A - 電線・ケーブル被覆用樹脂組成物 - Google Patents
電線・ケーブル被覆用樹脂組成物Info
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- JPH11185532A JPH11185532A JP35549497A JP35549497A JPH11185532A JP H11185532 A JPH11185532 A JP H11185532A JP 35549497 A JP35549497 A JP 35549497A JP 35549497 A JP35549497 A JP 35549497A JP H11185532 A JPH11185532 A JP H11185532A
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Abstract
ィン系樹脂より構成された、非ハロゲン系で難燃性に優
れた電線・ケーブル被覆樹脂組成物の提供。 【解決手段】 ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリオ
レフィン系樹脂よりなり、成分として含むポリフェニレ
ンエーテル系樹脂と難燃剤のリン化合物と特定の1,
3,5−トリアジン誘導体化合物とを複合併用されてい
る電線・ケーブル被覆樹脂組成物。
Description
覆用樹脂材料に関する。さらに詳しくは、実質的にハロ
ゲン成分を含まず、燃焼させても有毒なハロゲンガスを
発生させず、さらには高難燃性な電線・ケーブル被覆用
樹脂組成物に関する。
より、架橋ポリエチレン、EPゴム、ポリ塩化ビニル、
シリコーンゴム、クロロプレンゴム等が使用されてお
り、これらの被覆材料の選択に当たっては、電気火災事
故の低減化をはかるため、絶縁被覆材料の難燃化の規制
が行なわれており、UL,CSA,DIN,JIS等の
世界各国の主要規格に規定されている。
のほかに、低有害ガス化、特にハロゲン成分を含む電線
・ケーブル被覆材料を燃やした時に発生するダイオキシ
ン等の有害物質を無くする要求が高まってきており、こ
のため低ハロゲン化、ノンハロゲン化の絶縁被覆材の開
発が行なわれている。かかる目的で、素材として使われ
ているポリ塩化ビニルを非ハロゲン系の樹脂にしたり、
非ハロゲン系の難燃剤にする試みは数多く成されてい
る。例えば、特開昭58−49738号公報、特開昭5
8−98347号公報、特開昭58−109576号公
報、特開昭58−145751号公報、特開昭59−1
05040号公報、特開昭63−172753号公報に
は、ポリオレフィンとビニル芳香族化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体またはその水素添加物からなる
電線被覆材料が提案されており、さらに、特開昭63−
172759号公報、特開平2−53845号公報、特
開平2−53846号公報にはポリオレフィンとビニル
芳香族化合物−ブロック共重合体の水素添加物の官能基
化合物で変性したポリマーおよび水酸化マグネシウム等
の無機系難燃剤からなる電線被覆材料が提案されてい
る。また、特開昭60−84341号公報、特開昭60
−270657号公報、特公表昭60−501215号
公報、特開昭62−25149号公報、特開昭62−4
8757号公報、特開昭62−48758号公報、特開
昭62−199637号公報、特開平3−7755号公
報には、ポリフェニレンエーテル、ビニル芳香族化合物
−共役ジエン化合物ブロック共重合体またはその水素添
加物、鉱物油、ポリオレフィンおよび難燃剤として芳香
族リン酸エステルまたは水酸化マグネシウム等の水和金
属酸化物からなる電線被覆材料が提案されている。
かにポリ塩化ビニルにとって替わることにより、低ハロ
ゲン化、非ハロゲン化となり近年望まれている低有害ガ
ス化の要求に合致したものとなり、今後期待される電線
被覆材料の一つである。しかしながら、上記した従来技
術の電線被覆材料は、低ハロゲン化されているものの未
だハロゲン成分を含んでいたり、非ハロゲン化を目指す
ため無機充填材に該当する無機系の難燃剤を多量に含む
ため被覆材料の物性の低下や材料自体の比重の増加など
好ましくない欠点を露呈しているのが現状である。
燃性を利用した、ポリフェニレンエーテルを含む先行技
術による電線被覆材料は、実質的に非ハロゲン化となっ
ているものの難燃レベルが不十分であったり、耐油性に
劣る欠点を有しているのが現状である。
した先行技術では達成できなかった非ハロゲン化電線・
ケーブル被覆材料の耐油性を改良し、難燃性に優れた電
線・ケーブル用途に使用できる電線・ケーブル被覆用樹
脂組成物を提供することにある。
な現状に鑑み、ポリフェニレンエーテル、ポリオレフィ
ンからなる電線被覆材料の難燃性に関して鋭意検討を重
ねた結果、特定のリン化合物と特定構造の1,3,5−
トリアジン誘導体を含む樹脂組成物がポリフェニレンエ
ーテル系樹脂と相俟って難燃性に優れた電線・ケーブル
被覆用樹脂組成物をもたらすことを見いだし本発明に到
達した。
(d)有機リン酸エステル化合物およびまたはポリ燐酸
アンモニウム4〜40重量部、(e)下記の一般式
(I)で表される化学構造を有する1,3,5−トリア
ジン誘導体2〜20重量部を含むことを特徴とする電線
・ケーブル被覆用樹脂組成物、であり、
ノ基であり、Yはピペラジンから誘導される2価の基で
あり、nは1以上の数である。)、さらには、 (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂 5〜95重量% (b)ポリオレフィン系樹脂 95〜5重量% 上記(a)、(b)成分の合計100重量部に対して、
(c)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個
の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする
少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック
共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体1〜
100重量部、(d)有機リン酸エステル化合物および
またはポリ燐酸アンモニウム4〜40重量部、(e)下
記の一般式(I)で表される化学構造を有する1,3,
5−トリアジン誘導体2〜20重量部を含むことを特徴
とする電線・ケーブル被覆用樹脂組成物、である。
ノ基であり、Yはピペラジンから誘導される2価の基で
あり、nは1以上の数である。) 本発明で(a)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂
(以下、単にPPEと略記)は、本発明の樹脂組成物に
耐熱性および難燃性を付与するうえで必須な成分であ
り、該PPEは、結合単位:
はそれぞれ、水素、ハロゲン、炭素数1〜7までの第一
級または第二級低級アルキル基、フェニル基、ハロアル
キル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基または少
なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と酸素原子とを
隔てているハロ炭化水素オキシ基からなる群から選択さ
れるものであり、互いに同一でも異なっていてもよい)
からなり、還元粘度(0.5g/dl,クロロホルム溶
液,30℃測定)が、0.15〜2.0の範囲であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.20〜1.0の範
囲にあるホモ重合体および/または共重合体である。
ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテ
ル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニ
レンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−
1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロ
ロ−1,4−フェニレンエーテル)等が挙げられ、さら
に2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例
えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル
−6−ブチルフェノール)との共重合体のごときポリフ
ェニレンエーテル共重合体も挙げられる。中でもポリ
(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、
2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメチル
フェノールとの共重合体が好ましく、さらにポリ(2,
6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)が好まし
い。
得られるものであれば特に限定されるものではなく、例
えば、米国特許第3306874号明細書に記載のHa
yによる第一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒とし
て用い、例えば2,6−キシレノールを酸化重合するこ
とにより容易に製造でき、そのほかにも米国特許第33
06875号明細書、同第3257357号明細書およ
び同第3257358号明細書、特公昭52−1788
0号公報および特開昭50−51197号公報および同
63−152628号公報等に記載された方法で容易に
製造できる。
PPEのほかに、該PPEとスチレン系モノマーおよび
/もしくはα,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体
(エステル化合物も含む)とをラジカル発生剤の存在
下、非存在下で溶融状態、溶液状態、スラリー状態で8
0〜350℃の温度下で反応させることによって得られ
る公知の変性(該スチレン系モノマーおよび/もしくは
α,β−不飽和カルボン酸またはその誘導体が0.01
〜10重量%グラフトまたは付加)PPEであってもよ
く、さらに上記したPPEと該変性PPEの任意の割合
の混合物であってもかまわない。
PEのほかに、これらPPE100重量部に対してポリ
スチレン(アタクチック、シンジオタクチックのいずれ
でも良い)またはハイインパクトポリスチレンを400
重量部を超えない範囲で加えたものも好適に用いること
ができる。つぎに、本発明の(b)成分として供するポ
リオレフィン系樹脂は、通常、押出成形、射出成形など
の成形材料として用いられるのポリオレフィンであり、
例えば、高密度ポリエチレン、超高分子量高密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレ
ン、密度0.90未満の超低密度ポリエチレン、アイソタク
チックポリプロピレン、超高分子量アイソタクチックポ
リプロピレンや、エチレン、プロピレン、他のα−オレ
フィン、不飽和カルボン酸またはその誘導体の中から選
ばれる2種以上の化合物の共重合体、例えばエチレン/
ブテン−1共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エ
ステル共重合体、プロピレン/エチレン(ランダム、ブ
ロック)共重合体、プロピレン/1−ヘキセン共重合
体、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、
およびポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリブテン
−1等を挙げることができ、これらは1種のみならず2
種以上を併用することができる。これらのポリオレフィ
ンのうち、ポリエチレンおよびポリプロピレンが好まし
い。
したポリオレフィン系樹脂のほかに、該ポリオレフィン
系樹脂を、脂肪族性不飽和基を有しさらにカルボン酸
基、酸無水物基、水酸基、アミノ基、イミド基、グリシ
ジル基、オキサゾリン基、メルカプト基およびシリル基
から選ばれる少なくとも1種の官能基を同時に有する官
能性化合物をラジカル発生剤の存在下、非存在下で溶融
状態、溶液状態で80〜350℃の温度下で反応させる
ことによって得られる変性(該官能性化合物が0.01
〜10重量%グラフトまたは付加)ポリオレフィンであ
ってもよく、さらに上記した未変性のポリオレフィン系
樹脂と該変性ポリオレフィンの任意の割合の混合物であ
ってもかまわない。
レイン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シトラコン
酸、イタコン酸、ハイミック酸等の不飽和ジカルボン酸
や、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ビニル酢
酸、ペンテン酸、リノール酸、けい皮酸等の不飽和モノ
カルボン酸や、無水マレイン酸、アクリル酸無水物、無
水ハイミック酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸の酸無
水物、α,β−不飽和カルボン酸の酸無水物や、アリル
アルコール、3−ブテン−2−オール、プロパギルアル
コール等の不飽和アルコール化合物や、p−ビニルフェ
ノール、2−プロペニルフェノール等のアルケニルフェ
ノールや、p−アミノスチレン、アリルアミン、N−ビ
ニルアニリン等の不飽和アミン化合物や、マレイミド等
のα,β−不飽和ジカルボン酸のイミドまたはα,β−
不飽和モノカルボン酸のイミドや、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジル等
の不飽和グリシジル化合物や、イソプロペニルオキサゾ
リン等の不飽和オキサゾリン化合物や、p−tert−
ブチルメルカプトメチルスチレン等の不飽和メルカプト
化合物や、2−(3−シクロヘキセニル)エチルトリメ
トキシシラン、1,3−ジビニルテトラエトキシシラ
ン、ビニルトリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、
5−(ビシクロヘプテニル)トリエトキシシラン等の不
飽和オルガノシラン化合物等が挙げられ、これらは単独
で使用することもできるが、スチレン等のビニル芳香族
化合物と併用してもかまわない。
際に供するラジカル発生剤としては、例えば、ジクミル
パーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイ
ド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)
ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−
ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、n−ブチル−4,4
−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、
1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン等が挙げられ、これらの
中から好適に1種以上を選ぶことができる。
水添ブロック共重合体は、ビニル芳香族化合物を主体と
する少なくとも1個の重合体ブロックAと、全ビニル結
合量が10〜90%である共役ジエン化合物を主体とす
る少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロッ
ク共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体で
あり、例えば、A−B、A−B−A、B−A−B−A、
(A−B−)4−Si、A−B−A−B−A等の構造を
有するブロック共重合体のブロックBに基づく脂肪族系
二重結合を水素添加反応して得られる水添ブロック共重
合体であることが好ましい。
少なくとも50%を超えることが好ましく、さらに好ま
しくは80%以上、特に好ましくは耐熱安定性の観点よ
り85%以上である。そしてこの水素添加率は通常、水
添反応の前後のヨウ素価滴定、赤外分光光度計やNMR
等で知ることができる。この(c)成分の水添ブロック
共重合体は、その水素添加する前のブロック共重合体が
有する結合したビニル芳香族化合物の量は10〜90重
量%であることが好ましく、さらに好ましくは20〜7
0重量%、特に好ましくは30〜60重量%である。ま
たブロック構造に言及すると、ビニル芳香族化合物を主
体とする重合体ブロックAとは、ビニル芳香族化合物の
ホモ重合体ブロックまたは、ビニル芳香族化合物を50
重量%を超えることが好ましく、さらに好ましくは70
重量%以上含有するビニル芳香族化合物と共役ジエン化
合物との共重合体ブロックの構造を有しており、そして
さらに、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック
Bとは、共役ジエン化合物のホモ重合体ブロックまた
は、共役ジエン化合物を50重量%を超えることが好ま
しく、さらに好ましくは70重量%以上含有する共役ジ
エン化合物とビニル芳香族化合物との共重合体ブロック
の構造を有するものである。
とする重合体ブロックA、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックBは、それぞれの重合体ブロックにお
ける分子鎖中の共役ジエン化合物またはビニル芳香族化
合物の分布がランダム、テーパード(分子鎖に沿ってモ
ノマー成分が増加または減少するもの)、一部ブロック
状またはこれらの任意の組み合わせでなっていてもよ
く、該ビニル芳香族化合物を主体とする重合体および該
共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックがそれぞ
れ2個以上ある場合は、各重合体ブロックはそれぞれ同
一構造であってもよく、異なる構造であってもよい。
香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルス
チレン、ビニルトルエン、p−tert−ブチルスチレ
ン、ジフェニルエチレンなどの中から1種または2種以
上が選択でき、中でもスチレンが好ましい。また、共役
ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレ
ン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3
−ブタジエンなどの中から1種または2種以上が選ば
れ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組み
合わせが好ましい。
合体ブロックは、そのブロックにおける共役ジエン化合
物の結合形態は、全ビニル結合量(1,2−ビニル結合
量と3,4−ビニル結合量の合計量)が10〜90%で
あることが好ましく、上記した(b)成分がポリエチレ
ン系樹脂(重合成分としてエチレンを50%以上含むエ
チレン系共重合体)の場合、全ビニル結合量は10〜5
0%であることが好ましく、また上記した(b)成分が
ポリプロピレン系樹脂(重合成分としてプロピレンを5
0%以上含むプロピレン系共重合体)の場合、全ビニル
結合量は45〜85%であるであることが好ましい。
によって適宜、水添ブロック共重合体の該共役ジエン化
合物を主体とする重合体ブロックの全ビニル結合量を選
択する必要がある。かかる選択を誤ると得られる樹脂組
成物に分散するポリフェニレンエーテル系樹脂またはポ
リオレフィン系樹脂の分散性が悪化し好ましくない。ま
た、上記の構造を有するブロック共重合体の数平均分子
量は10,000〜1,000,000であるであるこ
とが好ましく、さらに好ましくは30,000〜50
0,000、特に好ましくは50,000〜300,0
00であり、分子量分布(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平
均分子量(Mn)の比)は10以下であるであるである
ことが好ましい。さらに、このブロック共重合体の分子
構造は、直鎖状、分岐状、放射状あるいはこれらの任意
の組み合わせのいずれであってもよい。
共重合体は、上記した構造を有するものであれば、1種
のみならず2種以上を併用することができる。これらの
上記した(c)成分の水添ブロック共重合体は、上記し
た構造を有するものであればどのような製造方法で得ら
れるものであってもかまわない。公知の製造方法の例と
しては、例えば、特開昭47−11486号公報、特開
昭49−66743号公報、特開昭50−75651号
公報、特開昭54−126255号公報、特開昭56−
10542号公報、特開昭56−62847号公報、特
開昭56−100840号公報、特開平2−30021
8号公報、英国特許第1130770号明細書および米
国特許第3281383号明細書および同第36395
17号明細書に記載された方法や英国特許第10207
20号明細書および米国特許第3333024号明細書
および同第4501857号明細書等に記載された方法
が挙げられる。
ロック共重合体は、上記した水添ブロック共重合体のほ
かに、該水添ブロック共重合体とα,β−不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下また
は非存在下で、溶融状態、溶液状態またはスラリー状態
で80〜350℃の温度下で反応させることによって得
られる公知の変性(該α,β−不飽和カルボン酸または
その誘導体が0.01〜10重量%がグラフトまたは付
加した)水添ブロック共重合体であってもよく、さらに
上記した水添ブロック共重合体と該変性水添ブロック共
重合体の任意の割合の混合物であってもかまわない。
機リン酸エステル化合物は、例えば、下記一般式
々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール置換アルキル基、アリール基、ハロゲン
置換アリール基またはアルキル置換アリール基を表し、
それぞれ同一であっても異なっていてもよい。Xはアリ
ーレン基を表す。nは0〜5の整数である。(異なるn
値を有する縮合物の組成物では、nはそれらの平均値を
表す)〕で示されるリン酸エステルおよびまたはその縮
合物である。n=0はリン酸エステル単量体を示す。代
表的なリン酸エステル単量体としては、例えばトリフェ
ニルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、ト
リキシレニルフォスフェート等を挙げることができる。
縮合物としては、通常nは1〜5の値を取り得るが、好
ましくは平均値で1〜3である。また、R1、R2、R
3及びR4のうち少なくとも一つがアリール基であるこ
とが好ましく、特に好ましくはR1、R2、R3及びR
4のすべてがアリール基である。好ましいアリール基と
してはフェニル、キシレニル、クレジルまたはこれらの
ハロゲン化誘導体が挙げられる。また、好ましいXのア
リーレン基としては、レゾルシノール、ハイドロキノ
ン、ビスフェノールA、ビフェノールまたはこれらのハ
ロゲン化誘導体からそれぞれ2個の水酸基が脱離した残
基を挙げることができる。代表的な縮合型のリン酸エス
テル化合物としては、レゾルシノール・ビスフェニルホ
スフェート化合物、ビスフェノールA−ポリフェニルホ
スフェート化合物、ビスフェノールA−ポリクレジルホ
スフェート化合物などが挙げられる。
いるポリ燐酸アンモニウムは、例えば、下記一般式(I
I): (NH4)n+2PnO3n+1 ・・・・・(II) (式中nは2を超える正数である)で表されるものであ
る。このポリ燐酸アンモニウムは一般に市販されてお
り、具体的には、商標「スミセーフ−P」(住友化学
(株)製)、商標「エクソリット−422」(ヘキスト
社製)、商標「エクソリット−700」(ヘキスト社
製)、商標「フォスチェックP/40」(モンサント社
製)等を挙げることができる。
の粒子表面にメラミンを付加及び/または付着させたメ
ラミン被覆ポリ燐酸アンモニウムも耐水性に優れるため
中でも好適に用いることができる。そしてメラミン被覆
ポリ燐酸アンモニウムの原料として、特開平4−300
204号公報に記載されたII型ポリ燐酸アンモニウム
微粒子も用いることができる。II型ポリ燐酸アンモニ
ウム粉末は例えば次の方法で得ることができる。すなわ
ち、等モルのリン酸ジアンモニウムと五酸化リンとを温
度290〜300℃で加熱攪拌し、次いで尿素が0.5
倍モルとなる量の尿素水溶液(濃度77重量%)を噴霧
しながら添加し、引き続きアンモニア雰囲気下で数時
間、温度250〜270℃で焼成してII型ポリ燐酸ア
ンモニウム粉末を得ることができる。
酸アンモニウムは、このようなポリ燐酸アンモニウムを
用い、下記方法によって製造可能である。すなわち、第
一段階として予備加熱されたニーダー等の加熱混練装置
内に、上記した粉末状ポリ燐酸アンモニウムを投入し、
該ポリ燐酸アンモニウム粉末が溶融せずにしかも該ポリ
燐酸アンモニウム中のアンモニアが容易に脱離を起こす
温度即ち300℃以下、好ましくは200〜280℃に
おいて0.5〜5時間加熱する。この加熱処理によっ
て、本来ポリ燐酸アンモニウム中に化学量論量で存在し
ているアンモニアの一部(化学量論量のアンモニアに対
して5〜10重量%)が脱離する。このようにして得た
ポリ燐酸アンモニウム(以下、「アンモニア不足ポリ燐
酸アンモニウム」と略記する)の表面は、アンモニアの
脱離によって、ヒドロキシル基(オキシ基)が形成され
て酸性を示すようになる。このアンモニア不足ポリ燐酸
アンモニウムは、具体的には、1重量%懸濁水溶液のp
Hが4〜6を示す程度にアンモニア不足状態となってい
ることが望ましい。
ムは、当然ながらポリ燐酸アンモニウムの公知の製造工
程においてアンモニアの結合量を化学量論量以下に調整
することによっても製造できる。次いで第二段階とし
て、例えばアンモニア脱離を行った同一の装置で、アン
モニア不足ポリ燐酸アンモニウム粉末を、その融点未
満、かつ、メラミンが昇華し得る温度、具体的には25
0〜300℃の温度でメラミンを添加して、アンモニア
不足ポリ燐酸アンモニウム粒子表面に該メラミンを付加
および/または付着させる。この反応で使用するメラミ
ンはメラミンモノマーとして市販されているものを使用
することができる。ここで、「付加」とは、添加された
メラミンがポリ燐酸アンモニウムに由来する酸性のヒド
ロキシ基(オキシ基)とイオン的に結合した状態を意味
する。従って、「付加」したメラミンは加熱されても安
定であって再度離脱することはない。また、「付着」と
は、添加されたメラミンがポリ燐酸アンモニウム粒子の
表面に吸着された状態を意味し、加熱の継続によってポ
リ燐酸アンモニウム粒子の表面に吸着しているメラミン
が昇華と吸着を繰り返して最終的には酸性ヒドロキシ基
とイオン的に結合する。この際にメラミンは、ポリ燐酸
アンモニウムに対して0.5〜20重量%、好ましくは
2〜10重量%の量で添加されることが望ましい。添加
されたメラミンは全量ポリ燐酸アンモニウム粒子表面に
付加および/または付着し、その結果メラミン被覆ポリ
燐酸アンモニウムが得られる。
燐酸アンモニウムを、本発明の樹脂組成物に配合した場
合、高温または炎との接触などによる熱分解に際して
も、非引火性ガス(水、二酸化炭素、窒素など)と炭素
質残渣のみを生じ、腐食性ガス、ハロゲン系ガスや有毒
性ガスの発生を殆ど伴わない利点を有する。上記したよ
うに、本発明で用いる(d)成分は2種類のものを挙げ
ることができ、これらは1種単独で使用できるほかに、
さらに2種を併用することができる。2種を併用する場
合の量比関係は、得られる樹脂組成物の機械的特性、難
燃性を考慮し、任意の比率で選ぶことができる。
1,3,5−トリアジン誘導体とは、非ハロゲン系難燃
剤であって、1位、3位および5位の位置で窒素原子を
含む六員環複素化合物の誘導体である。このような1,
3,5−トリアジン誘導体成分は、下記の一般式
(I):
ノ基、Yはピペラジンから誘導される2価の基、nは1
以上、好ましくは2〜50であって通常は約11であ
る)で表される。このような1,3,5−トリアジン誘
導体成分の好適具体例としては、置換基Xがモルホリノ
基である2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,
3,5−トリアジンのオリゴマーまたはポリマー、およ
び置換基Xがピペリジノ基である2−ピペラジニレン−
4−ピペリジノ−1,3,5−トリアジンのオリゴマー
またはポリマー等を挙げることができる。具体的に、2
−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,5−トリ
アジンのポリマーは、以下の方法で製造することができ
る。すなわち、等モルの2,6−ジハロ−4−モルホリ
ノ−1,3,5−トリアジン(例として、2,6−ジク
ロロ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジンや2,
6−ジブロモ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジ
ン)とピペラジンとを、有機塩基(例えば、トリエチル
アミンまたはトリブチルアミン等)または無機塩基(例
えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは炭酸ナ
トリウム等)の共存下、例えばキシレン等の不活性溶媒
中で、好ましくはこの種の不活性溶媒の沸点以下の温度
に加熱して反応させる。反応終了後に、反応混合物を濾
過して固形物を分離し、分離された固形物を沸騰水で洗
浄し、この際、反応で生成する副製物の塩を該沸騰水に
溶解させて除去した後に、残存する固形物を乾燥する。
ここで得られるポリ(2−ピペラジニレン−4−モルホ
リノ−1,3,5−トリアジン)の性状は以下の通りで
ある。 ・溶解性:水および有機溶剤に不溶。 ・融点:なし(分解温度310℃付近)。 ・嵩密度:0.3g/cc ・構造式:下記の一般式(III)に示す。
成分を、本発明の樹脂組成物に配合した場合、高温また
は炎との接触などによる熱分解に際しても、非引火性ガ
ス(水、二酸化炭素、窒素など)と炭素質残渣のみを生
じ、腐食性ガス、ハロゲン系ガスや有毒性ガスの発生を
殆ど伴わない利点を有する。また、1,3,5−トリア
ジン誘導体は、上記した有機リン酸エステル化合物およ
びまたはポリ燐酸アンモニウムのリン化合物とポリフェ
ニレンエーテル系樹脂との相乗効果によって、本発明の
樹脂組成物に優れた難燃性を付与する。
は、上記した(a)、(b)、(d)および(e)成分
が基本成分として構成され、かかる成分の割合は、
(a)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂が5〜95
重量%、(b)成分のポリオレフィン系樹脂が95〜5
重量%であり、(d)成分の有機リン酸エステル化合物
およびまたはポリ燐酸アンモニウムが(a)成分と
(b)成分との合計量100重量部に対して4〜40重
量部であり、(e)成分の1,3,5−トリアジン誘導
体が(a)成分+(b)成分の合計量100重量部に対
して2〜20重量部である。
エーテル系樹脂と(b)成分のポリオレフィン系樹脂を
好適に混合するには何らかの混和剤が存在するのが好ま
しく、この混和剤としては先記した変性ポリフェニレン
エーテルと変性ポリオレフィンとの反応によって得られ
るグラフトポリマーを利用したり、またポリオレフィン
−ポリスチレンのグラフトもしくはブロック共重合体も
利用できる。
ものとして(c)成分の水添ブロック共重合体が挙げら
れる。この(c)成分の水添ブロック共重合体の配合量
は、(a)成分+(b)成分の合計量100重量部に対
して1〜100重量部である。本発明の一つは、(a)
ポリフェニレンエーテル系樹脂の配合量が5〜95重量
%、好ましくは20〜80重量%である。かかる配合量
が95重量%を超える場合、得られる樹脂組成物の耐熱
性は極度に優れるものの、成形加工性、耐溶剤性が劣り
好ましくない。また、5重量%未満では成形加工性、耐
溶剤性に優れるものの、耐熱性が劣り耐熱材料として利
用できないほかに、さらに、本発明の成分(d)および
(e)成分との難燃相乗効果が得られず好ましくない。
樹脂の配合量が95〜5重量%であり、好ましくは80
〜20重量%である。かかる配合量が5重量%未満で
は、得られる樹脂組成物の耐熱性は優れるものの、成形
加工性、耐溶剤性が劣り好ましくない。また、95重量
%を超える場合は成形加工性、耐溶剤性は良好なもの
の、耐熱性が劣り耐熱性材料として利用できない。
共重合体の配合量は、上記(a)、(b)成分の合計1
00重量部に対して、1〜100重量部である。かかる
配合量が1重量部未満では本発明の樹脂組成物の混和剤
としての効果(ポリプロピレン系樹脂中にポリフェニレ
ンエーテル系樹脂を微細に乳化分散させる効果、ポリフ
ェニレンエーテル系樹脂中にポリオレフィン系樹脂を微
細に乳化分散させる効果)が見られず好ましくない。ま
た、かかる配合量が100重量部を超える場合は、
(a)、(b)成分が示す作用効果の耐熱性、耐溶剤性
の低下が顕著であり好ましくない。
の配合量は、上記した各々の範囲で用い、これらの下限
値に満たない場合は難燃性改良効果が見られず好ましく
なく、またこれらの上限値を超える場合は難燃性に優れ
るものの、機械的物性が顕著に悪化し好ましくない。本
発明では、上記の成分の他に、本発明の特徴および効果
を損なわない範囲で必要に応じて他の附加的成分、例え
ば、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン
−イソプレンブロック共重合体、耐摩耗性改良のための
シリコーン化合物(オリゴマー、ポリマーも含む)、酸
化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤(シリコーン系難燃
剤、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなど)、
難燃効果を示すフッ素系ポリマー、可塑剤(オイル、低
分子量ポリエチレン、エポキシ化大豆油、ポリエチレン
グリコール、脂肪酸エステル類等)、三酸化アンチモン
等の難燃助剤、耐候(光)性改良剤、ポリオレフィン用
造核剤、スリップ剤、無機または有機の充填材や強化材
(ガラス繊維、カーボン繊維、ポリアクリロニトリル繊
維、ウィスカー、マイカ、タルク、カーボンブラック、
酸化チタン、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、チタ
ン酸カリウム、ワラストナイト、導電性金属繊維、導電
性カーボンブラック等)、各種着色剤、離型剤等を添加
してもかまわない。
は、上記した各成分を用いて、(a)〜(e)成分を
一括して溶融混練する方法。(a)成分と(c)成分
の溶融混練状態下に(b)成分、(d)成分および
(e)成分を追加添加し溶融混練する方法。(a)成
分を溶融混練した状態下に、(b)成分、(c)成分、
(d)成分および(e)成分を追加添加し溶融混練する
方法や(a)成分と(b)成分の一部を溶融混練した
状態下に、(b)成分の残部と(c)成分、(d)成分
および(e)成分を追加添加し溶融混練する方法など種
々の方法で製造することができる。これらの方法として
例えば、単軸押出機、二軸押出機、ロール、ニーダー、
ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー等に
よる加熱溶融混練方法が挙げられるが、中でも二軸押出
機を用いた溶融混練方法が最も好ましい。この際の溶融
混練温度は特に限定されるものではないが、通常200
〜350℃の中から好適な樹脂組成物が得られる条件を
任意に選ぶことができる。
ーブル被覆用樹脂組成物は、公知の電線押出被覆装置を
用いて、例えば、光ファイバーの被覆材、低電圧タイプ
の電線・ケーブル、計装ケーブル、電子ワイヤー、自動
車用ワイヤーハーネス、および原子力発電所用ケーブル
などの制御ケーブルなどにも適している。
細に説明する。各成分は次のものを用いた。 (a)成分のポリフェニレンエーテル系樹脂 (a):2,6−キシレノールを酸化重合して得た還元
粘度0.34のポリフェニレンエーテル (b)成分のポリオレフィン系樹脂 (b1):ホモ−ポリプロピレン(M1600:日本ポ
リオレフィン(株)製) (b2):低密度ポリエチレン(M1804:旭化成工
業(株)製) (c)成分の水添ブロック共重合体 (c1):ポリスチレン−水素添加されたポリイソプレ
ン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量48
%、数平均分子量86,000、分子量分布1.05、
水素添加前のポリイソプレンの全ビニル結合量(1,2
−ビニル結合および3,4−ビニル結合の合計量)が5
5%、水素添加率が84.8%水添ブロック共重合体を
合成した。
ポリ(イソプレン/ブタジエン=67wt(重量)%/
33wt%のランダム共重合体)−ポリスチレンの構造
を有し、結合スチレン量48%、数平均分子量82,0
00、分子量分布1.04、水素添加前のポリブタジエ
ンとポリイソプレンのランダム共重合体の全ビニル結合
量(1,2−ビニル結合および3,4−ビニル結合の合
計量)が50%、水素添加率が84.3%の水添ブロッ
ク共重合体を合成した。
ポリブタジエン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチ
レン量48%、数平均分子量91,000、分子量分布
1.06、水素添加前のポリブタジエンの全ビニル結合
量(1,2−ビニル結合)が76%、水素添加率が9
9.6%の水添ブロック共重合体を合成した。 (c4):ポリスチレン−水素添加されたポリブタジエ
ン−ポリスチレンの構造を有し、結合スチレン量35
%、数平均分子量133,000、分子量分布1.0
9、水素添加前のポリブタジエンの全ビニル結合量
(1,2−ビニル結合)が38%、水素添加率が99.
8%の水添ブロック共重合体を合成した。 (d)成分の有機リン酸エステル化合物 (d1):トリフェニルフォスフェート(TPP:大八
化学工業(株)製) (d2):芳香族縮合リン酸エステル(CR−741:
大八化学工業(株)製) (d3):メラミン被覆ポリ燐酸アンモニウム(TER
RAJU−C60:チッソ(株)製) (e)成分の1,3,5−トリアジン誘導体 シアヌル酸クロライド、モルホリンおよびピペラジンを
用いて、2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,
3,5−トリアジンのポリマー(n=11、分子量約2
770)を合成した。 (f)他の環状含窒素化合物 本発明で用いる(e)成分と異なる構造で、イソシアヌ
ル酸の誘導体であるトリス(2−ヒドロキシエチル)イ
ソシアヌレート(融点134℃:四国化成工業(株)
製)を用いた。
フェニレンエーテル、(b)成分のポリオレフィン系樹
脂、(c)成分として混和剤である水添ブロック共重合
体、(d)成分として有機リン酸エステル化合物および
またはポリ燐酸アンモニウム、(e)成分として1,
3,5−トリアジン誘導体を表1に示した組成で配合
し、樹脂流れ方向に対し上流に第1供給口及び下流に第
2供給口を有し、第2供給口の上流及び第2供給口とダ
イとの間に真空ベント口を設けた二軸押出機ZSK−4
0(WERNER&PFLEIDERER社製)を用い
て前段バレル設定温度290〜310℃、後段バレル設
定温度250〜290℃、スクリュー回転数295rp
m、吐出量60kg/時間の条件にて溶融混練しペレッ
トとして得た。なお、ここで、(a)成分のポリフェニ
レンエーテルおよび(d)成分の有機リン酸エステル化
合物は、押出機の第1供給口より供給し、(b)成分、
(d)成分のメラミン被覆ポリ燐酸アンモニウムおよび
(e)成分は押出機の第2供給口より供給した。また、
(c)成分の水添ブロック共重合体のうちイソプレン系
水添ブロック共重合体は押出機の第2供給口より供給
し、ブタジエン系水添ブロック共重合体は押出機の第1
供給口より供給した。
40〜280℃に設定したスクリューインライン型射出
成形機に供給し、金型温度60℃の条件で曲げ弾性率測
定試験用テストピースを射出成形した。このテストピー
スを用いて曲げ弾性率(ASTM D−790:23
℃)を測定した。また燃焼試験としてUL94規格に準
拠して、試験片厚さ1/16インチのサンプルを上記成
形機にて成形し、得たサンプル用いて燃焼試験を実施し
た。
ト樹脂を電線被覆押出機(40mm短軸押出機:設定温
度250℃〜280℃)を用いて、110℃〜150℃
に加熱したダイスに直径1.0mm銅線を通し、樹脂を
0.5mmの厚さで被覆した。ここで得た被覆した電線
を60度に傾斜する治具に固定し、着火させ、着火〜消
火までの時間を測定する被覆電線燃焼試験を実施した。
これらの結果を併せて表1に載せた。
ル系樹脂/ポリオレフィン系樹脂/水添ブロック共重合
体から構成される樹脂組成物の難燃化において、下記の
ことが明確になった。 本系樹脂組成物の難燃剤として有機リン酸エステル化
合物およびまたはポリ燐酸アンモニウム/環状含窒素化
合物の併用系の中でも、環状含窒素化合物として1,
3,5−トリアジン誘導体化合物が顕著に難燃性効果が
ある。
ステル化合物およびまたはポリ燐酸アンモニウム、さら
に1,3,5−トリアジン誘導体化合物の難燃剤の他に
必須成分としてポリフェニレンエーテル系樹脂を含むこ
とによりさらに難燃効果が発揮される。
物は、成分として含まれるポリフェニレンエーテル系樹
脂と難燃剤のリン系化合物と1,3,5−トリアジン誘
導体化合物とが複合併用されていることにより、難燃性
が著しく改良された樹脂組成物である。
Claims (2)
- 【請求項1】 電線・ケーブル被覆用樹脂組成物が、 (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂 5〜95重量% (b)ポリオレフィン系樹脂 95〜5重量% 上記(a)、(b)成分の合計100重量部に対して、
(d)有機リン酸エステル化合物およびまたはポリ燐酸
アンモニウム4〜40重量部、(e)下記の一般式
(I)で表される化学構造を有する1,3,5−トリア
ジン誘導体2〜20重量部を含むことを特徴とする電線
・ケーブル被覆用樹脂組成物。 【化1】 (式中、Xはモルホリノ基またはピペリジノ基であり、
Yはピペラジンから誘導される2価の基であり、nは1
以上の数である。) - 【請求項2】 電線・ケーブル被覆用樹脂組成物が、 (a)ポリフェニレンエーテル系樹脂 5〜95重量% (b)ポリオレフィン系樹脂 95〜5重量% 上記(a)、(b)成分の合計100重量部に対して、
(c)ビニル芳香族化合物を主体とする少なくとも1個
の重合体ブロックAと、共役ジエン化合物を主体とする
少なくとも1個の重合体ブロックBとからなるブロック
共重合体を水素添加してなる水添ブロック共重合体1〜
100重量部、(d)有機リン酸エステル化合物および
またはポリ燐酸アンモニウム4〜40重量部、(e)下
記の一般式(I)で表される化学構造を有する1,3,
5−トリアジン誘導体2〜20重量部を含むことを特徴
とする電線・ケーブル被覆用樹脂組成物。 【化2】 (式中、Xはモルホリノ基またはピペリジノ基であり、
Yはピペラジンから誘導される2価の基であり、nは1
以上の数である。)
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