JP2005268082A - 絶縁電線被覆材 - Google Patents
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Abstract
Description
全炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等の全炭素数1〜20のアルキル基;フェニル基、4ーメチルフェニル基、1ーナフチル基、2ーナフチル基等の全炭素数6〜20のアリール基;ベンジル基、2ーフェニルエチル基、1ーフェニルエチル基等の全炭素数7〜20のアラルキル基;等が挙げられる。該炭化水素基が置換基を有する場合、その置換基としては、フッ素原子等のハロゲン原子、t−ブチルオキシ基等のアルコキシ基、3-ジフェニルアミノ基等のジアリールアミノ基等が挙げられる。置換基を有する炭化水素基の具体例としては、例えば、トリフルオロメチル基、2−t−ブチルオキシエチル基、3-ジフェニルアミノプロピル基等が挙げられる。なお全炭素数には、置換基の炭素数は含まない。
[η]が0.30未満では、組成物の耐熱性が低下する傾向にあり、また、[η]が0.65を超えると組成物の成形加工性が低下する傾向にある。
(式中、Rは、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2〜13の炭化水素基を表し、Xは、−C(O)O−、−CH2−O−または
を表す。)
で示されるものが挙げられる。
本発明の成分(B)としてのゴムとしては、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持つアクリルゴムや、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持つビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムも例示することができる。
CH2=CR7−C(O)−OR1 (8)
CH2=CR8−C(O)−OR2OR3 (9)
CH2=CR4H−C(O)−O(R5(C(O)O)nR6 (10)
(式中、R1は炭素原子数1〜18(好ましくは1〜8)のアルキル基または炭素原子数1〜18のシアノアルキル基を示す。R2は炭素原子数1〜12のアルキレン基を、R3は炭素原子数1〜12のアルキル基を示す。R4、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子またはメチル基、R5は、炭素原子数3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜20のアルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整数を示す。)
で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の単量体とポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を有する単量体を成分とするものである。
なお、(メタ)アクリル酸エステルとしては、その一種を単独で使用してもよく、または二種以上を併用してもよい。
このような不飽和単量体の例としては、エチレン、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリレート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸などが挙げられる。
ここでいうムーニー粘度は、JIS K6300に準じて100℃ラージローターを用いて測定した値をいう。
かかるビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体あるいはその水添物は、周知の方法で製造することができ、例えば、特公昭40−23798号公報、特開昭59−133203号公報等に記載されている。
本発明におけるポリフェニレンエーテルと反応性を有する官能基を持つビニル芳香族炭化水素化合物―共役ジエン化合物ブロック共重合体ゴムは、上記の方法などで得られたビニル芳香族炭化水素化合物―共役ジエン化合物ブロック共重合体にエポキシ基など、ポリフェニレンエーテルと反応性を有する単量体を導入することで得ることができる。かかる単量体をビニル芳香族炭化水素化合物―共役ジエン化合物ブロック共重合体に導入する方法は特に限定するものではないが、グラフト共重合などで導入することが好ましい。
本発明の絶縁電線被覆材を成分(A)が連続相であり成分(B)が分散相であるようにするためには、その製造の条件にもよるが、(A)成分と(B)成分との量が通常は、(A)成分99〜40重量%に対して、(B)成分1〜60重量%であり、好ましくは(A)成分99〜70重量%に対して、(B)成分1〜30重量%である。
難燃剤としては通常用いられている難燃剤を使用することができるが、例えば、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、窒素化グアニジン、ホウ酸亜鉛、五酸化アンチモン、
水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウムの如き無機系難燃剤;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェートの如きリン酸エステル系難燃剤;トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェートの如き含ハロゲンリン酸エステル系難燃剤;ポリリン酸塩系難燃剤;赤リン系難燃剤、テトラブロモビスフェノール、デカブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル、テトラブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカン、エチレンビステトラブロモフタルイミドの如き臭素系難燃剤;塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカン、クロレンド酸、テトラクロロ無水フタル酸の如き塩素系難燃剤;シアヌール酸メラミン、硫酸メラミン、リン酸グアニジン、スルファミン酸グアニジン、メラミンシアヌレートの如き窒素系難燃剤;シリコーン系難燃剤などを挙げることができる。
。金属、ハロゲンを含有しない、スルファミン酸グアニジン、シアヌール酸メラミン、硫酸メラミンリン酸、リン酸グアニジン、メラミンシアヌレートなどの窒素系難燃剤、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウムの如き無機系難燃剤などが燃焼時に有毒ガスが発生しない点で好ましく用いられる。なかでもシアヌール酸メラミン、硫酸メラミン、スルファミン酸グアニジン、メラミンシアヌレートなどがさらに好ましい。
この場合、または難燃材を使用しない場合、燃焼時に有毒ガスが発生しないことから絶縁電線の廃棄処理が容易になる。
難燃剤の量は特に限定されるものではないが、成分(A)と成分(B)の合計100重量部に対し、0.1〜80重量部が好ましく、0.1〜50重量部がさらに好ましい。
溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温度は、200〜340℃の範囲が好ましく、220〜310℃の範囲がさらに好ましい。
また、本発明の絶縁電線被覆材の層のさらに外側に、樹脂からなる外層を被覆することができる。かかる外層の樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンの如
きポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネートの如き汎用エンジニアリングプラスチック、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドの如きスーパーエンジニアリングプラスチックなどのなかから目的に応じて選ぶことができる。
本発明の絶縁電線の形状としては、例えば、電線・ケーブル、フラットケーブル、光ファイバーケーブル、ワイヤーハーネス、計測ケーブル、電子ワイヤー、などが挙げられる。
例えば、本発明の絶縁電線被覆材の溶融体を押出し機から押し出して、該被覆材のシートをあらかじめ作成しておき、次に導体表面にかかるシートを巻きつけて被覆材層を形成することもできが、好ましいのは、電線押し出し被覆装置を使用し、押出し機から前記溶融体を導体上に押し出し、被覆し材被覆層を形成する方法である。
(i)荷重たわみ温度(耐熱性)
樹脂試験片を、短冊状に切り出し、JIS K-7191に準拠して、18.5Kg荷重で、試験片が一定たわみに達する温度(荷重たわみ温度)を測定した。
島津製作所(株)製オートグラフA-10TD型を使用して、 JIS K-7161に準拠して、室温で、引っ張り速度5mm/minで引っ張り試験を行い、試料破断時の引っ張り強度、および伸び率を測定した。求めた。
安藤電気(株)製誘電体損自動測定装置を使用し、試験雰囲気23℃、50%RHで、 ASTM D150に準じて測定を行った。
樹脂試験片を127×13×3mmの短冊状に切り出した後、試料状態 23℃、
50%RHで48時間調節し、垂直燃焼予備試験(UL94V)を行った。
成分(A)
成分(A)として、三菱ガス化学(株)製、ポリフェニレンエーテル、YPX−100D([η]=0.4)を使用した。
成分(B)
成分(B)として、住友化学工業(株)製、ボンドファースト7L(エチレン/グリシジルメタクリレート/メチルアクリレート=67/3/30 重量比、MFR(190℃)=10g/10min)を使用した。
上記成分(A)を、120℃で8時間乾燥し、上記成分(B)を、60℃で4時間乾燥した後、成分(A)/成分(B)=95/5(重量比)の割合で良く混合したのち、テクノベル(株)製二軸押出し機、TZW-15-30MG(スクリュー径 15mm,L/D=30)を使用し、シリンダー設定温度、シリンダー設定温度290℃、スクリュー回転数150rpmで、ベントで脱気しながら溶融混練を行なった。このようにして得られた組成物を以後a-1と略称することがある。
プレス成形機を使用して、a-1のペレットを、プレス設定温度270℃、余熱
2min ,加圧20Kg/cm2で2minでプレス成形を行い、厚さ0.6mmのプレスシートを得た。該プレスシートの、周波数1KHzでの誘電率は2.6,誘電正接は0.0003であった。
得られた試験片の垂直燃焼予備試験を行ったところ、UL94ランクはV−1であった。
また、得られた試験片のHDT(18.5Kg荷重)は181℃、引っ張り強度は
570Kg/cm2,伸び率100%であった。
上記のように乾燥した成分(A)、成分(B)とメラミンシアヌレートとを、成分(A)/成分(B)/メラミンシアヌレート=92/8/10(重量比)の割合で良く混合したのち、テクノベル(株)製二軸押出し機、TZW-15-30MG(スクリュー径 15mm,L/D=30)を使用し、シリンダー設定温度、シリンダー設定温度290℃、スクリュー回転数150rpmで、ベントで脱気しながら溶融混練を行なった。このようにして得られた組成物を以後a-2と略称することがある。
a-2のペレットを実施例1と同様にしてプレス成形を行い、厚さ0.7mmのプレスシートを得た。該プレスシートの、周波数1KHzでの誘電率は2.6,誘電正接は0.0004であった。
外観は均一な薄茶色で表面平滑は試験片を得ることができた。
得られた試験片の垂直燃焼予備試験を行ったところ、UL94ランクはV−0であった。
また、得られたa-2の試験片のHDT(18.5Kg荷重)は178℃、引っ張り強度は460Kg/cm2,伸び率140%であった。
図1は、中心の銅線の導体2を絶縁電線被覆材a-2で被覆することにより製造できる絶縁電線である。
また、図2は、すずめっき銅線からなる導体5を、絶縁電線被覆材a-2で被覆し被覆材内層3を形成し、さらにHDPEからなる外層4を被覆することにより製造できる絶縁電線である。
2 導体
3 絶縁電線被覆材(内層)
4 絶縁電線被覆材(外層)
5 導体
Claims (6)
- (B)が、エポキシ基を有するエチレン共重合体である請求項1記載の絶縁電線被覆材。
- エポキシ基を有する共重合体が、エチレン−不飽和カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエーテル共重合体である請求項2記載の絶縁電線被覆材。
- さらに難燃剤(C)を配合して成る請求項1〜3のいずれかに記載の絶縁電線被覆材。
- 難燃剤(C)が窒素系難燃剤である請求項4記載の絶縁電線被覆材。
- 導体を請求項1〜5のいずれかに記載の絶縁電線被覆材で被覆してなることを特徴とする絶縁電線。
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