JPH11181335A - 光硬化性導電膜形成用組成物 - Google Patents

光硬化性導電膜形成用組成物

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JPH11181335A
JPH11181335A JP34912397A JP34912397A JPH11181335A JP H11181335 A JPH11181335 A JP H11181335A JP 34912397 A JP34912397 A JP 34912397A JP 34912397 A JP34912397 A JP 34912397A JP H11181335 A JPH11181335 A JP H11181335A
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weight
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meth
resin solution
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JP34912397A
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Yoshihisa Nagashima
義久 長島
Masahito Murouchi
聖人 室内
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Dai Nippon Toryo KK
Original Assignee
Dai Nippon Toryo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗布に適した流動性を示し、紫外線や、可視
光等の光エネルギー線の照射により容易に硬化し、導電
性、透明性、耐擦傷性、耐溶剤性、加工性等の特性が十
分に満足できる透明導電膜を形成することができる透明
導電膜形成用組成物を提供する。 【解決手段】 成分として、(A)(i) 重量平均分子量
8,000〜150,000で、かつ酸価0.5〜15mg KOH
/g を有するか又はポリアルキレングリコール鎖を0.5
〜40重量%含有する樹脂、及び(ii)分子内に3個以上
の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレー
ト化合物、を含有し、両者の重量混合割合〔(i) /(i
i)〕が65/35〜90/10であるバインダー成分、
(B)平均一次粒子径0.2μm以下の錫を含有する酸化
インジウム粉末、(C)光重合開始剤、及び(D)有機
溶媒、を含有する。ここで、バインダー成分(A)と酸
化インジウム粉末(B)との重量混合割合〔(A) /(B)
〕は、10/90〜30/70である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真記録や、
透明電極、帯電防止、熱線反射、面発熱体等の分野にお
いて利用でき、形成された塗膜が紫外線や可視光線など
により容易に硬化し、更に、硬化後の膜特性が、導電
性、透明性、耐擦傷性、耐薬品性及び加工性に優れた光
硬化性導電膜形成用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化物半導体透明膜は、一般に可視光に
対して高い透過率を示し、低抵抗かつ膜強度が強いため
に、液晶ディスプレイなどの透明電極や、太陽電池の窓
材料や、熱線反射膜、帯電防止膜など多方面に利用され
ている。このような酸化物半導体の代表例に、錫を含有
する酸化インジウム(以下、ITOという)がある。従
来の透明導電膜の成膜方法としては、絶縁基材上にIT
O等の酸化物を真空蒸着や、スパッタリング、イオンプ
レーティングなどの気相法により成膜させる方法、ゾル
−ゲル法、熱分解法により成膜させる方法、及びITO
粉末をバインダー(結合剤)である樹脂溶液中に分散さ
せた塗料又はインクを塗布又は印刷し、成膜させる方法
等が知られている。
【0003】真空蒸着法、スパッタリング法及びイオン
プレーティング法は、従来より最も広く用いられている
膜形成方法であり、これらの方法を用いて成膜を行った
場合、低抵抗かつ透明性の高い高品質な透明導電性薄膜
を得ることが出来る。しかしながら、上記方法で成膜を
行う場合、形状が一様でない基材に対しては均一な皮膜
形成が困難である上、成膜に最適な条件範囲が狭く、電
極の大面積化に限界があり、更には製膜装置の設備費が
高価であるという欠点もある。また、ゾル−ゲル法及び
熱分解法により成膜する方法は、400℃以上の高温で
焼成する必要があるため、基材の材質に制約があるなど
問題がある。また、アクリル系樹脂や、ポリエステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂等の透明性に優れた樹脂溶液
にITO等の導電性微粒子を分散させ、これを基材に塗
布し、約200℃以下の温度での硬化で成膜させる塗工
法や、特開平7−242843号公報等に記載の光硬化
で成膜させる塗工法では、設備が簡単で生産性に優れ、
大面積の膜も容易に形成できる点では有利である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、透明性
に優れた樹脂溶液に導電性微粒子を分散させ、これを基
材に塗布し、約200℃以下の温度での硬化で成膜させ
る塗工法で得られた膜は、一般的に塗膜硬度が低く、耐
擦傷性が劣り、ヘーズが高くなる等の問題がある。一
方、光硬化で成膜させる塗工法は、前者に比べ導電性が
劣っている。本発明の目的は、塗布に適した流動性を示
し、紫外線や、可視光等の光エネルギー線の照射により
容易に硬化し、導電性、透明性、耐擦傷性、耐溶剤性及
び加工性等の特性が十分に満足できる透明導電膜を形成
することができる透明導電膜形成用組成物を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ITO粉
末を各種のバインダーと組み合わせて塗料化し、上記目
的を達成できる組成物について探究した結果、酸性官能
基及び/又はポリアルキレングリコール鎖を特定量有す
る樹脂と、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基
を有する(メタ)アクリレート化合物との特定割合の混
合物からなるバインダー成分に、特定量のITO粉末を
分散させることにより、ITO粉末の凝集構造を制御す
ることが出来、その結果、従来の組成物と比較して、導
電性や、耐擦傷性、耐薬品性、加工性が向上するという
研究結果を得、この知見に基づいて本発明を完成したも
のである。即ち、本発明は、以下の発明に関するもので
ある。
【0006】1.(A)(i) 重量平均分子量8,000〜
150,000で、かつ酸価0.5〜15mg KOH/g の樹
脂、及び(ii)分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル
基を有する(メタ)アクリレート化合物、を含有し、両
者の重量混合割合〔(i) /(ii)〕が65/35〜90/
10であるバインダー成分、(B)平均一次粒子径0.2
μm以下の錫を含有する酸化インジウム粉末、(C)光
重合開始剤、及び(D)有機溶媒、を含有し、かつ前記
バインダー成分(A)と前記酸化インジウム粉末(B)
の重量混合割合〔(A) /(B) 〕が10/90〜30/7
0であることを特徴とする光硬化性導電膜形成用組成
物。
【0007】2.(A)(i) 重量平均分子量8,000〜
150,000で、かつポリアルキレングリコール鎖を0.
5〜40重量%含有する樹脂、及び(ii)分子内に3個以
上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレ
ート化合物、を含有し、両者の重量混合割合〔(i) /(i
i)〕が65/35〜90/10であるバインダー成分、
(B)平均一次粒子径0.2μm以下の錫を含有する酸化
インジウム粉末、(C)光重合開始剤、及び(D)有機
溶媒、を含有し、かつ前記バインダー成分(A)と前記
酸化インジウム粉末(B)の重量混合割合〔(A) /(B)
〕が10/90〜30/70であることを特徴とする
光硬化性導電膜形成用組成物。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明で用いるバインダー成分(A)は、樹脂
(i)と、(メタ)アクリレート化合物(ii)とから構
成される。樹脂(i)は、有機溶媒(D)に可溶性の透
明樹脂であり、重量平均分子量が8,000〜150,00
0、好ましくは1,000〜120,000であり、かつ酸
価が0.5〜15mg KOH/g、好ましくは1〜10mg KOH/g
及び/又はポリアルキレングリコール鎖含有量が0.5〜
40重量%、好ましくは2〜30重量%の樹脂である。
樹脂の重量平均分子量が150000よりも大きいか、
酸性官能を有する場合で酸価が15mg KOH/g よりも大
きくなると、ITO表面への樹脂吸着量が増加し、表面
抵抗値は高くなる。重量平均分子量が8000よりも小
さくなると、樹脂は顔料分散剤として作用し、ITO表
面に密に吸着する。この結果、ITOの分散性は向上
し、光透過率は高くなるが、表面抵抗値が高くなるので
好ましくない。酸価が0.5mg KOH/g よりも小さい場合
には、ITO表面への樹脂吸着が不十分となり、ITO
の分散性が低下し、光透過率が低下するので好ましくな
い。
【0009】一方、ポリアルキレングリコール鎖を有す
る場合、その含有量が40重量%よれも大きい場合に
は、樹脂の極性が強まるために、ITOの分散不良が生
じ、光透過率が低下するので好ましくない。逆に、その
含有量が、0.5重量%よりも少ない場合、ITOの分散
性が著しく低下するために光透過率が低下するので好ま
しくない。樹脂(i)は、このような特性を有する樹脂
であれば特に制限なく各種の樹脂が使用出来る。具体的
には、アクリル樹脂や、アルキド樹脂、ポリエステル樹
脂等が代表的なものとして挙げられる。また、酸価を有
する樹脂の酸性官能基としては、カルボキシル基や、リ
ン酸基、スルホン酸基等が代表的なものとして挙げられ
る。また、ポリアルキレングリコール鎖を有する樹脂の
ポリアルキレングリコール鎖としては、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレング
リコールアルキルエーテル、ポリエチレングリコールフ
ェニルエーテル、ポリエチレングリコールアルキルフェ
ニルエーテル、ポリプロピレングリコールアルキルエー
テル、ポリプロピレングリコールフェニルエーテル、ポ
リプロピレングリコールアルキルフェニルエーテル、ポ
リエチレングリコールアルキルアミン、ポリエチレング
リコールアルキルアミド、ポリエチレングリコールグリ
シジルエーテルなどが挙げられる。
【0010】本発明で使用する樹脂(i)は、酸性官能
基を有するモノマー及び/又はポリアルキレングリコー
ル鎖を有するモノマーを共重合成分として使用すること
により、常法により製造することができる。例えば、ア
クリル樹脂の場合、酸性官能基含有モノマーとしては、
アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、2−メタクリ
ロイルオキシエチルコハク酸、2−メタクリロイルオキ
シエチルフタル酸などの不飽和カルボン酸、モノ(2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェ
ート、ジフェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルホスフェート等のリン酸(メタ)アクリル酸エステ
ル、2−スルホエステル(メタ)アクリレート等が挙げ
られる。また、ポリアルキレングリコール含有モノマー
としては、例えば、前記ポリアルキレングリコールのモ
ノアクリル酸エステルや、モノメタクリル酸エステル等
が挙げられる。
【0011】バインダー成分(A)を構成する(メタ)
アクリレート化合物(ii)は、有機溶媒(D)に可溶性
の透明化合物であり、分子内に3個以上の(メタ)アク
リロイル基を有する化合物である。(メタ)アクリレー
ト化合物(ii)は、活性光線照射によりラジカル重合
し、形成される膜の耐溶剤性や硬度を向上させるために
配合する。なお、(メタ)アクリロイル基が分子内に2
個以下の化合物は、耐溶剤性等が不十分であるので本発
明においては不適であるが、一部併用することは可能で
ある。(メタ)アクリレート化合物(ii)としては、こ
のような特性を有する化合物であれば特に制限なく各種
化合物が使用出来、具体的には、例えば、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレートや、トリメチロール
プロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ
(メタ)アクリレート、エチレン変性トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、トリス−(2−ヒド
ロキシエチル)−イソシアヌル酸エステルトリ(メタ)
アクリレート等の3官能(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の4官能
以上の(メタ)アクリレート、ウレタン結合を有するウ
レタン(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられ
る。
【0012】バインダー成分(A)を構成する前記樹脂
(i)と前記(メタ)アクリレート化合物(ii)は、重
量比が65/35〜90/10、好ましくは70/30
〜85/15となる割合で混合する。この範囲を外れ、
樹脂(i)の量が多くなると、導電性は良好な状態を示
すが、耐溶剤性や膜硬度が低下するので好ましくない。
一方、(メタ)アクリレート化合物(ii)の量が多くな
ると、耐溶剤性、膜硬度は良好となるが、導電性が悪く
なるので好ましくない。本発明で用いるITO粉末
(B)は、市販品を利用してもよく、或いは公知の方法
で製造することもできる。例えば、製造方法としては、
錫とインジウムの各塩化物が溶解した酸性溶液をアルカ
リで中和して錫/インジウムの水酸化物を共沈させ、こ
の共沈物を焼成する方法が挙げられる。
【0013】ITO粉末の平均一次粒子径は、0.2μm
以下の超微粒子である。特に好ましい平均一次粒子径
は、0.1μm 以下である。平均一次粒子径が0.2μmを
越えると、透明性が低下するので好ましくない。なお、
ITO粉末は、(In+Sn)に対するSnの含有量が1〜1
5モル%、好ましい3〜10%の範囲のものが導電性が
高いので好ましい。本発明で用いる光重合開始剤(C)
は、紫外線や可視光線等の活性光線により増感させて形
成した塗膜の光硬化を促進させるために配合するもので
あり、従来から公知の各種光重合開始剤が使用可能であ
る。具体的には、ソジウムメチルジチオカーバメイトサ
ルファイド、ジフェニルモノサルファイド、ジベンゾチ
アゾイルモノサルファイド及びジサルファイド等のサル
ファイド類;チオキサントン、2−エチルチオキサント
ン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオ
キサントン等のチオキサントン誘導体;ヒドラゾン、ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゼンジ
アゾニウム塩等のジアゾ化合物;ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
フェノン、ジメチルアミノベンゾフェノン、ミヒラーケ
トン、ベンジルアントラキノン、t−ブチルアントラキ
ノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラ
キノン、2−アミノアントラキノン、2−クロロアント
ラキノン等の芳香族カルボニル化合物;p−ジメチルア
ミノ安息香酸メチル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチ
ル、D−ジメチルアミノ安息香酸ブチル、p−ジエチル
アミノ安息香酸イソプロピル等のジアルキルアミノ安息
香酸エステル;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブ
チルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメン
ハイドロパーオキサイド等の過酸化物;9−フェニルア
クリジン、9−p−メトキシフェニルアクリジン、9−
アセチルアミノアクリジン、ベンズアクリジン等のアク
リジン誘導体;9,10−ジメチルベンズフェナジン、
9−メチルベンズフェナジン、10−メトキシベンズフ
ェナジン等のフェナジン誘導体;6,4’,4”−トリ
メトキシ−2、3−ジフェニルキノキサリン等のキノキ
サリン誘導体;2,4,5−トリフェニルイミダゾイル
二量体、2−ニトロフルオレン、2,4,6−トリフェ
ニルピリリウム四弗化ホウ素塩、2,4,6−トリス
(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、3,
3’−カルボニルビスクマリン、チオミヒラーケトン、
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフ
ィンオキシド、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノ
ン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルホリノフェニル)−ブタノン等が挙げられる。
【0014】また、酸素阻害による感度の低下を防止す
るために、光重合開始剤にアミン化合物を共存させても
よい。このようなアミン化合物としては、例えば、脂肪
族アミン化合物や、芳香族アミン化合物等の不揮発性の
ものであれば、特に限定されない。例えば、トリエタノ
ールアミン、メチルジエタノールアミン等が適当であ
る。本発明で用いる有機溶媒(D)は、本発明の組成物
の塗布又は印刷作業性を改善し、またITO粉末の分散
性を改善するために配合するものであり、バインダー成
分(A)を溶解するものであれば、従来から公知の各種
有機溶媒を使用することができる。特に、本発明におい
ては、組成物の粘度の安定性、乾燥性の観点から沸点が
60〜180℃の有機溶媒が好ましく、更に、そのうち
酸素原子を有する有機溶媒がITO粉末との親和性がよ
いので好適である。
【0015】かかる有機溶媒としては、具体的には、例
えば、メタノールや、エタノール、イソプロピルアルコ
ール、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、
イソプロピルアセトン、メチルエチルケトン、ジアセチ
ルアセトン、アセチルアセトン等が好適に挙げられる。
これらは単一で使用してもよく、2種類以上を混合して
用いてもよい。本発明の光硬化性導電膜形成用組成物
は、以上説明したバインダー成分(A)、ITO粉末
(B)、光重合開始剤(C)及び有機溶媒(D)を必須
構成成分とし、更に必要に応じて、例えば、重合禁止剤
や、硬化触媒、酸化防止剤、分散剤、レベリング剤、シ
ランカップリング剤等の各種添加剤を含有してもよい。
【0016】これら成分の配合割合は、バインダー成分
(A)とITO粉末(B)との重量割合〔(A) /(B) 〕
が10/90〜30/70、好ましくは15/85〜2
5/70となる割合が適当である。ITO粉末(B)が
前記範囲より少ないと、得られる膜は透明性十分であっ
ても導電性が悪くなり、逆に多過ぎると得られる膜の各
種物理的、化学的強度が悪くなるので好ましくない。光
重合開始剤(C)の量は、バインダー成分(A)100
重量部に対して、通常、0.1〜20重量部、好ましくは
1.0〜15.0重量部の範囲で添加される。0.1重量部未
満では、光重合が遅くなり、硬度及び耐擦傷性を満足さ
せるために長時間の光照射を必要とする傾向にあり、時
には未硬化となり易い。一方、20重量部を超えて添加
すると、塗膜の導電性、耐摩耗性、耐候性等の機能が低
下し易い。
【0017】また、有機溶媒(D)の量は、塗布手段
や、印刷手段に応じ作業性のよい状態の粘度に組成物が
なるように任意の量配合すればよいが、通常組成物の固
形分濃度が15〜60重量%、好ましくは、25〜50
重量%になる程度が適当である。本発明の光硬化性導電
膜形成用組成物の調製としては、任意の方法が採用可能
であるが、通常バインダー成分(A)を有機溶媒(D)
で溶解させた溶液中に、ITO粉末(B)を添加し、ペ
イントシェーカーや、ボールミル、サンドミル、三本ロ
ール、アトライター、ホモミキサー等の分散機により分
散させ、しかる後、光重合開始剤(C)を添加し、均一
に溶解させる方法が適当である。本発明の光硬化性導電
膜形成用組成物を塗布及び硬化させる基材としては、電
気・電子機器をはじめとして様々な分野において広く用
いられる各種合成樹脂や、ガラス、セラミックス等が挙
げられる。これら材料は、シート状や、フイルム状、板
状等、各種の形状又は形態で使用することができる。具
体的には、PETや、TAC、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリカーボネート、ポリメタクリレート、ポリ
塩化ビニル、ABS樹脂等が挙げられるが、これらに限
定されるものではない。
【0018】本発明の導電膜形成用組成物の基板への塗
布又は印刷は、常法により、例えば、ロールコート、ス
ピンコート、バーコート、ドクターブレード、ディッピ
ング、スクリーン印刷などの手法で行うことができる。
成膜は、必要により加熱して溶媒を蒸発させた後、紫外
線又は可視光線を照射する。光源としては、低圧水銀灯
や、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンラン
プ、エキシマレーザー、色素レーザーなどの紫外線源等
が使用できる。照射量は、紫外線の場合で50〜300
0mJ/cm2 の範囲内が適当である。なお、この透明導電
膜の膜厚は、一般に、0.1〜5.0μmの範囲内が好まし
い。本発明の組成物から形成された透明導電膜を有する
基材は、電子写真記録の埃防止膜として、或いは透明電
極、帯電防止膜、熱線カット膜、面発熱体、タッチパネ
ル等として利用可能である。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明について更に詳細
に説明する。なお、実施例中、「部」は特に指定しない
限り「重量部」であり、酸価の単位「(mg KOH/g )」
は省略した。また、実施例で使用したITO粉末は、い
ずれもInに対するSn含有量が5モル%、平均一次粒子径
0.05μmの粉末であった。実施例1 還流管、温度計、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラス
コに、キシレン60部を仕込み、90℃に昇温した後、
スチレン20.0部、アクリル酸メチル19.5部、アクリ
ル酸0.5部及びアゾビスイソブチロニトリル2部からな
る混合物を4時間かけて加えた後、10時間反応させ
て、不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量が10
000、酸価が9.7の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液1
4.0部、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート2.4部、ITO32.0部、n−ブタノール/キシ
レンの重量比が4/6である混合溶媒51.6部及びガラ
スビーズ50ccを250ccの容器に入れ、ペイントシェ
ーカーで粒ゲージにより分散状態を確認しながら5時間
練合した。練合後、ガラスビーズを取り除き、光重合開
始剤2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルホリノフェニル)−ブタノン0.2部を加えて均一溶解
させ、得られた粘稠状の液状物をバーコーターNo.16
を用いてPET基材に塗布した後、有機溶媒を蒸発さ
せ、高圧水銀灯にて500mJ/cm2 の紫外線を照射し、
2μmの透明被膜を作製した。実施例2 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン20部、アクリル酸メチル19.95部、アクリ
ル酸0.05部及びアゾビスイソブチロニトリル0.6部か
ら、不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量が10
0000、酸価1.0の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を
用いる以外は実施例1と同様にして粘稠性の液状物を製
造し、PET上に塗布・硬化させ2μmの透明被膜を作
製した。実施例3 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン20部、アクリル酸メチル19.2部、モノ(2
−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート
0.8部及びアゾビスイソブチロニトリル1.0部から、不
揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量50000、
酸価5.6の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を用いる以外
は実施例1と同様にして粘稠性の液状物を製造し、PE
T上に塗布・硬化させ2μmの透明被膜を作製した。実施例4 不揮発分60重量%、樹脂の重量平均分子量6500
0、酸価7のポリエステル樹脂(イソフタル酸及びアジ
ピン酸からなる多塩基酸と、ネオペンチルグリコールと
の反応生成物)溶液9.3部、ジペンタエリスリトールテ
トラ(メタ)アクリレート2.4部、ITO32.0部、n
−ブタノール/キシレンの重量比が4/6である混合溶
媒56.3部を用いて実施例1と同様に練合し、光重合開
始剤を溶解して粘稠性の液状物を製造し、PET上に塗
布・硬化させ2μmの透明被膜を作製した。比較例1 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン20部、アクリル酸メチル19.5部、アクリル
酸0.5部及びアゾビスイソブチロニトリル3部から、不
揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量5000、酸
価9.7の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を用いる以外は
実施例1と同様にして粘稠性の液状物を製造し、PET
上に塗布・硬化させ2μmの透明被膜を作製した。比較例2 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン20部、アクリル酸メチル19.0部、アクリル
酸1.0部及びアゾビスイソブチロニトリル0.6部から、
不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量10000
0、酸価20.0の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を用い
る以外は実施例1と同様にして粘稠性の液状物を製造
し、PET上に塗布・硬化させ2μmの透明被膜を作製
した。比較例3 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン20部、アクリル酸メチル19.2部、モノ(2
−メタクリロイルオキシエチレン)アシッドホスフエー
ト0.8部及びアゾビスイソブチロニトリル0.3部から、
不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量が2000
00、酸価5.6の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を用い
る以外は実施例1と同様にして粘稠性の液状物を製造
し、PET上に塗布・硬化させ2μmの透明被膜を作製
した。比較例4 不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量4900
0、酸価0.3のポリエステル樹脂(イソフタル酸及びア
ジピン酸からなる多塩基酸と、ネオペンチルグリコール
との反応生成物)溶液に変更した以外は、実施例4と同
様にして粘稠性の液状物を製造し、PET上に塗布、硬
化させ2μm厚の透明被膜を作製した。比較例5 実施例2で合成した樹脂溶液19.0部、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート0.4部、ITO3
2.0部、n−ブタノール/キシレンの重量比が4/6で
ある混合溶媒48.6部及びガラスビーズ50ccを250
ccの容器に入れ、ペイントシェーカーで粒ゲージにより
分散状態を確認しながら5時間練合した。練合後、ガラ
スビーズを取り除き、光重合開始剤2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブ
タノン0.1部を加えて均一溶解させ、得られた粘稠状の
液状物をバーコーター No.16を用いてPET基材に塗
布した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀灯にて500
mJ/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明被膜を作製し
た。比較例6 実施例2で合成した樹脂溶液6.0部、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート5.6部、ITO32.
0部、n−ブタノール/キシレンの重量比が4/6であ
る混合溶媒56.4部及びガラスビーズ50ccを250cc
の容器に入れ、ペイントシェーカーで粒ゲージにより分
散状態を確認しながら5時間練合した。練合後、ガラス
ビーズを取り除き、光重合開始剤2−ベンジル−2−ジ
メチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタ
ノン0.5部を加えて均一溶解させ、得られた粘稠状の液
状物をバーコーター No.16を用いてPET基材に塗布
した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀灯にて500mJ
/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明被膜を作製し
た。実施例5 実施例1の樹脂溶液と同様な方法でキシレン60部、ス
チレン20部、アクリル酸メチル19.0部、メトキシポ
リエチレングリコールメタクリレート(分子量496)
1.0部及びアゾビスイソブチロニトリル2.0部から、不
揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量10000、
ポリアルキレングリコール鎖含有量2.0重量%の樹脂溶
液を得た。この樹脂溶液14.0部、ジペンタエリスリト
ールヘキサ(メタ)アクリレート2.4部、ITO32.0
部、n−ブタノール/キシレンの重量比が4/6である
混合溶媒51.6部及びガラスビーズ50ccを250ccの
容器に入れ、ペイントシェーカーで粒ゲージにより分散
状態を確認しながら5時間練合した。練合後、ガラスビ
ーズを取り除き、光重合開始剤2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノ
ン0.2部を加えて均一溶解させ、得られた粘稠状の液状
物をバーコーター No.16を用いてPET基材に塗布し
た後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀灯にて500mJ/
cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明被膜を作製した。実施例6 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン20部、アクリル酸メチル19.0部、メトキシ
ポリエチレングリコールメタクリレート1.0部及びアゾ
ビスイソブチロニトリル0.6部から、不揮発分40重量
%、樹脂の重量平均分子量100000、ポリアルキレ
ングリコール鎖含有量2.0重量%の樹脂溶液を得た。こ
の樹脂溶液を用いる以外は実施例5と同様にして粘稠性
の液状物を製造し、PET基材に塗布した後、有機溶媒
を蒸発させ、高圧水銀灯にて500mJ/cm2 の紫外線を
照射し、2μmの透明被膜を作製した。実施例7 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン20部、アクリル酸メチル5.0部、メトキシポ
リエチレングリコールメタクリレート15部及びアゾビ
スイソブチロニトリル0.6部から、不揮発分40重量
%、樹脂の重量平均分子量100000、ポリアルキレ
ングリコール鎖含有量30重量%の樹脂溶液を得た。こ
の樹脂溶液を用いる以外は実施例5と同様にして粘稠性
の液状物を製造し、PET基材に塗布した後、有機溶媒
を蒸発させ、高圧水銀灯にて500mJ/cm2 の紫外線を
照射し、2μmの透明被膜を作製した。比較例7 実施例1の樹脂溶液と同様な方法でキシレン60部、ス
チレン20部、アクリル酸メチル19.0部、メトキシポ
リエチレングリコールメタクリレート1.0部及びアゾビ
スイソブチロニトリル3部から、不揮発分40重量%、
樹脂の重量平均分子量5000、ポリアルキレングリコ
ール鎖含有量2.0重量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶
液を用いる以外は実施例5と同様にして粘稠性の液状物
を製造し、PET基材に塗布した後、有機溶媒を蒸発さ
せ、高圧水銀灯にて500mJ/cm 2 の紫外線を照射し、
2μmの透明被膜を作製した。比較例8 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン20部、アクリル酸メチル19.0部、メトキシ
ポリエチレングリコールメタクリレート1.0部及びアゾ
ビスイソブチロニトリル0.3部から、不揮発分40重量
%、樹脂の重量平均分子量200000、ポリアルキレ
ングリコール鎖含有量2.0重量%の樹脂溶液を得た。こ
の樹脂溶液を用いる以外は実施例5と同様にして粘稠性
の液状物を製造し、PET基材に塗布した後、有機溶媒
を蒸発させ、高圧水銀灯にて500mJ/cm2 の紫外線を
照射し、2μmの透明被膜を作製した。比較例9 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン20部、アクリル酸メチル20部及びアゾビス
イソブチロニトリル0.6部から、不揮発分40重量%、
樹脂の重量平均分子量100000の樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液を用いる以外は実施例5と同様にして粘稠
性の液状物を製造し、PET基材に塗布した後、有機溶
媒を蒸発させ、高圧水銀灯にて500mJ/cm2 の紫外線
を照射し、2μmの透明被膜を作製した。比較例10 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン10部、アクリル酸メチル10部、ポリエチレ
ングリコールモノメタクリレート20部及びアゾビスイ
ソブチロニトリル0.6部から、不揮発分40重量%、樹
脂の重量平均分子量100000、ポリアルキレングリ
コール鎖含有量50重量%の樹脂溶液を得た。この樹脂
溶液を用いる以外は実施例5と同様にして粘稠性の液状
物を製造し、PET基材に塗布した後、有機溶媒を蒸発
させ、高圧水銀灯にて500mJ/cm2 の紫外線を照射
し、2μmの透明被膜を作製した。比較例11 実施例6で合成した樹脂溶液3.5部、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート0.6部、ITO38.
0部、n−ブタノール/キシレンの重量比が4/6であ
る混合溶媒57.9部及びガラスビーズ50ccを250cc
の容器に入れ、ペイントシェーカーで粒ゲージにより分
散状態を確認しながら5時間練合した。練合後、ガラス
ビーズを取り除き、光重合開始剤2−ベンジル−2−ジ
メチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタ
ノン0.1部を加えて均一溶解させ、得られた粘稠状の液
状物をバーコーター No.16を用いてPET基材に塗布
した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀灯にて500mJ
/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明被膜を作製し
た。比較例12 実施例6で合成した樹脂溶液35.0部、ジペンタエリス
リトールヘキサ(メタ)アクリレート6.0部、ITO2
0.0部、n−ブタノール/キシレンの重量比が4/6で
ある混合溶媒39.0部及びガラスビーズ50ccを250
ccの容器に入れ、ペイントシェーカーで粒ゲージにより
分散状態を確認しながら5時間練合した。練合後、ガラ
スビーズを取り除き、光重合開始剤2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブ
タノン0.6部を加えて均一溶解させ、得られた粘稠状の
液状物をバーコーター No.16を用いてPET基材に塗
布した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀灯にて500
mJ/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明被膜を作製し
た。実施例8 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン14.5部、アクリル酸メチル10.0部、アクリ
ル酸0.5部、メトキシポリエチレングリコールメタクリ
レート15部及びアゾビスイソブチロニトリル2.0部か
ら、不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量100
00、酸価9.7、ポリアルキレングリコール鎖含有量3
0重量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を用いる以外
は実施例1と同様にして粘稠性の液状物を製造し、PE
T基材に塗布した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀灯
にて500mJ/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明被
膜を作製した。実施例9 実施例1の樹脂溶液と同様な方法でキシレン60部、ス
チレン14.95部、アクリル酸メチル10.0部、アクリ
ル酸0.05部、メトキシポリエチレングリコールメタク
リレート15部及びアゾビスイソブチロニトリル0.6部
から、不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量10
0000、酸価1.0、ポリアルキレングリコール鎖含有
量30重量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を用いる
以外は実施例1と同様にして粘稠性の液状物を製造し、
PET基材に塗布した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水
銀灯にて500mJ/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透
明被膜を作製した。実施例10 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン20部、アクリル酸メチル18.95部、アクリ
ル酸0.05部、ポリエチレングリコールモノメタクリレ
ート1.0部及びアゾビスイソブチロニトリル0.6部か
ら、不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量100
000、酸価1.0、ポリアルキレングリコール鎖含有量
2.0重量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を用いる以
外は実施例1と同様にして粘稠性の液状物を製造し、P
ET基材に塗布した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀
灯にて500mJ/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明
被膜を作製した。比較例13 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン14.5部、アクリル酸メチル10.0部、アクリ
ル酸0.5部、メトキシポリエチレングリコールメタクリ
レート15部及びアゾビスイソブチロニトリル3.0部か
ら、不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量500
0、酸価9.7、ポリアルキレングリコール鎖含有量30
重量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を用いる以外は
実施例1と同様にして粘稠性の液状物を製造し、PET
基材に塗布した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀灯に
て500mJ/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明被膜
を作製した。比較例14 実施例1の樹脂溶液と同様な方法で、キシレン60部、
スチレン14.5部、アクリル酸メチル10部、アクリル
酸0.5部、メトキシポリエチレングリコールメタクリレ
ート15部及びアゾビスイソブチロニトリル0.3部か
ら、不揮発分40重量%、樹脂の重量平均分子量200
000、酸価9.7、ポリアルキレングリコール鎖含有量
30重量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を用いる以
外は実施例1と同様にして粘稠性の液状物を製造し、P
ET基材に塗布した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀
灯にて500mJ/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明
被膜を作製した。比較例15 実施例10で合成した樹脂溶液35.0部、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート6.0部、ITO
20.0部、n−ブタノール/キシレンの重量比が4/6
である混合溶媒39.0部及びガラスビーズ50ccを25
0ccの容器に入れ、ペイントシェーカーで粒ゲージによ
り分散状態を確認しながら5時間練合した。練合後、ガ
ラスビーズを取り除き、光重合開始剤2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−
ブタノン0.6部を加えて均一溶解させ、得られた粘稠状
の液状物をバーコーター No.16を用いてPET基材に
塗布した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀灯にて50
0mJ/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明被膜を作製
した。比較例16 実施例10で合成した樹脂溶液19.0部、ジペンタエリ
スリトールヘキサ(メタ)アクリレート0.4部、ITO
32.0部、n−ブタノール/キシレンの重量比が4/6
である混合溶媒48.6部及びガラスビーズ50ccを25
0ccの容器に入れ、ペイントシェーカーで粒ゲージによ
り分散状態を確認しながら5時間練合した。練合後、ガ
ラスビーズを取り除き、光重合開始剤2−ベンジル−2
−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−
ブタノン0.1部を加えて均一溶解させ、得られた粘稠状
の液状物をバーコーター No.16を用いてPET基材に
塗布した後、有機溶媒を蒸発させ、高圧水銀灯にて50
0mJ/cm2 の紫外線を照射し、2μmの透明被膜を作製
した。前記の各実施例及び比較例で得た透明被膜につい
て、その透過率及びヘーズを、有限会社東京電色技術セ
ンター製の全自動ヘーズメーター(TC−HIII DPK
型)により、また表面抵抗値を三菱油化(株)製のロー
レスターMP(MCP−T350)によりそれぞれ測定
した。また、加工性は、透明皮膜を完全に折り曲げたと
きに生ずる皮膜の割れ性について目視で観察した。耐薬
品性は、透明皮膜をメチルエチルケトン溶液に5分間浸
漬させた後の皮膜の変化について目視で判定した。更
に、被膜の表面硬度は、JISC3003に従い鉛筆硬
度で測定した。表1に試験結果を示す。なお、表中A〜
Jは以下の内容を示すものである。
【0020】 A:樹脂固形分の酸価(mg KOH/g ) B:樹脂中のポリアルキレングリコール鎖の含有量(wt
%) C:樹脂(i)と(メタ)アクリレート化合物(ii)と
の重量比 D:バインダーとITO粉末との重量比 E:表面抵抗値(Ω/□) F:透過率(%) G:ヘーズ(%) H:加工性(○:変化なし、△:部分的に割れ発生、
×:全面割れ) I:耐薬品性(○:変化なし、△:部分的に浸食あり、
×:全面浸食) J:鉛筆硬度
【0021】
【表1】 表1 樹脂の重量 A B C D 平均分子量 実 1 10000 9.7 − 70/30 20/80 施 2 100000 1.0 − 70/30 20/80 例 3 50000 5.6 − 70/30 20/80 4 65000 7.0 − 70/30 20/80 比 1 * 5000 9.7 − 70/30 20/80 較 2 10000 * 20.0 − 70/30 20/80 例 3 * 200000 5.6 − 70/30 20/80 4 49000 * 0.3 − 70/30 20/80 5 65000 7.0 − * 95/5 20/80 6 65000 7.0 − * 30/70 20/80
【0022】
【表2】 表1(続き) 樹脂の重量 A B C D 平均分子量 実 5 10000 − 2.0 70/30 20/80 施 6 100000 − 2.0 70/30 20/80例 7 100000 − 30.0 70/30 20/80 比 7 * 5000 − 2.0 70/30 20/80 較 8 * 200000 − 2.0 70/30 20/80 例 9 100000 − * 0.0 70/30 20/80 10 100000 − *50.0 70/30 20/80 11 10000 − 2.0 70/30 * 5/95 12 10000 − 2.0 70/30 * 50/50
【0023】
【表3】 表1(続き) 樹脂の重量 A B C D 平均分子量 実 8 10000 9.7 30.0 70/30 20/80 施 9 100000 1.0 30.0 70/30 20/80例 10 100000 1.0 2.0 70/30 20/80 比 13 * 5000 9.7 30.0 70/30 20/80 較 14 * 200000 9.7 30.0 70/30 20/80 例 15 100000 1.0 2.0 70/30 * 50/50 16 100000 1.0 2.0 * 95/5 20/80
【0024】
【表4】
【0025】
【表5】
【0026】
【表6】
【0027】
【発明の効果】本発明の光硬化性導電膜形成用組成物か
ら透明導電膜作製すると、表面抵抗値が、102 〜10
4 Ω/□のオーダー、光透過率が80%以上、ヘーズが
6%以下であり、低抵抗でかつ透明性、加工性及び耐薬
品性に優れた導電膜が得られる。従って、本発明の組成
物により形成された透明導電膜は、液晶などの透明電極
や太陽電池の窓材料、赤外線反射膜、帯電防止膜、タッ
チパネルなど広範囲な分野に優れた効果を発揮すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C08F 2/44 C08F 2/44 C G03G 5/00 101 G03G 5/00 101

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)(i) 重量平均分子量8,000〜15
    0,000で、かつ酸価0.5〜15mg KOH/g の樹脂、及
    び(ii)分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有
    する(メタ)アクリレート化合物、を含有し、両者の重
    量混合割合〔(i) /(ii)〕が65/35〜90/10で
    あるバインダー成分、(B)平均一次粒子径0.2μm以
    下の錫を含有する酸化インジウム粉末、(C)光重合開
    始剤、及び(D)有機溶媒、を含有し、かつ前記バイン
    ダー成分(A)と前記酸化インジウム粉末(B)の重量
    混合割合〔(A) /(B) 〕が10/90〜30/70であ
    ることを特徴とする光硬化性導電膜形成用組成物。
  2. 【請求項2】 (A)(i) 重量平均分子量8,000〜1
    50,000で、かつポリアルキレングリコール鎖を0.5
    〜40重量%含有する樹脂、及び(ii)分子内に3個以上
    の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレー
    ト化合物、を含有し、両者の重量混合割合〔(i) /(i
    i)〕が65/35〜90/10であるバインダー成分、
    (B)平均一次粒子径0.2μm以下の錫を含有する酸化
    インジウム粉末、(C)光重合開始剤、及び(D)有機
    溶媒、を含有し、かつ前記バインダー成分(A)と前記
    酸化インジウム粉末(B)の重量混合割合〔(A) /(B)
    〕が10/90〜30/70であることを特徴とする
    光硬化性導電膜形成用組成物。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007142272A1 (ja) 2006-06-09 2007-12-13 Jemco Inc. 透明導電膜形成用組成物、透明導電膜及びディスプレイ
WO2008078422A1 (ja) 2006-12-26 2008-07-03 Mitsubishi Materials Electronic Chemicals Co., Ltd. 透明導電膜形成用組成物、透明導電膜及びディスプレイ
CN105348884A (zh) * 2015-12-08 2016-02-24 常熟市裕茗企业管理咨询有限公司 加油计量检测装置

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WO2008078422A1 (ja) 2006-12-26 2008-07-03 Mitsubishi Materials Electronic Chemicals Co., Ltd. 透明導電膜形成用組成物、透明導電膜及びディスプレイ
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