JPH11179931A - インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント方法 - Google Patents

インクジェットプリント装置およびインクジェットプリント方法

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JPH11179931A
JPH11179931A JP9349696A JP34969697A JPH11179931A JP H11179931 A JPH11179931 A JP H11179931A JP 9349696 A JP9349696 A JP 9349696A JP 34969697 A JP34969697 A JP 34969697A JP H11179931 A JPH11179931 A JP H11179931A
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JP
Japan
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ink
print head
discharge
discharging
printing apparatus
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JP9349696A
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English (en)
Inventor
Atsushi Aoki
淳 青木
Yasushi Miura
康 三浦
Yoshiko Miyashita
佳子 宮下
Takeshi Irisawa
剛 入澤
Chikanobu Ikeda
親信 池田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクジェット方式で繊細かつ高発色な画像
を各種のプリント媒体に安定して出力するために、高濃
度の水溶性染料インク、水不溶性染料インク、顔料イン
クといったインク、つまり目詰まりや不良吐出、ヘッド
破壊等が起きやすく吐出信頼性が低いインクを使用して
も問題の起きないインクジェットプリント装置およびイ
ンクジェットプリント方法を提供すること。 【解決手段】 共通液室74−a内のインクを吐出口7
8から吐出可能なプリントヘッド1100を用いて、被
プリント媒体に画像をプリントするインクジェットプリ
ント装置において、共通液室74−aの容積以上のイン
クを吐出口78から排出させる手段を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、繊細かつ高発色な
画像が安定に得られるインクジェットプリント装置およ
びプリント方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊細かつ高発色な画像を得る方法として
インクジェットプリンタが知られている。このインクジ
ェットプリンタにおいては昨今では応用が多岐にわたっ
ており、プリント媒体としてコート紙以外に、いわゆる
普通紙、トラペン、光沢紙、バックプリントフィルム、
皮革、木などに記録を行ったり、綿、レーヨン、麻、
絹、ナイロン、ポリエステル等の布帛に捺染を行ったり
することが可能になっている。これに伴いインクジェッ
トプリンタに使用されるインクの種類も多く、通常の水
溶性染料インク以外に、高濃度の水溶性染料インク、水
不溶性染料を使用したインク、顔料インク、非水性イン
ク等のインクが使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】多種のインクの中に
は、高濃度の水溶性染料インク、水不溶性染料を使用し
たインク、および顔料インク等のように、インクジェッ
トヘッドから安定に吐出させることが難しいものがあ
り、特に、これらのインクの場合には、インクジェット
ヘッド内における目詰まりや不良吐出、ヘッド破壊等の
問題が発生するおそれがあった。
【0004】そこで本発明は、インクジェット方式で繊
細かつ高発色な画像を各種のプリント媒体に安定して出
力するために、高濃度の水溶性染料インク、水不溶性染
料インク、顔料インクといったインク、つまり目詰まり
や不良吐出、ヘッド破壊等が起きやすく吐出信頼性が低
いインクを使用しても問題の起きないインクジェットプ
リント装置およびインクジェットプリント方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
プリント装置は、インクを吐出する複数の吐出口と、該
複数の吐出口に対して共通に連通してインクを貯留する
インク液室とを有するプリントヘッドを用いて、被プリ
ント媒体に画像をプリントするインクジェットプリント
装置において、前記プリントヘッドの吐出口からインク
を排出させるインク排出手段と、所定のタイミングで前
記インク排出手段によるインクの排出動作を行わせ、該
排出動作により前記インク液室の容積以上のインクを前
記吐出口から排出させる制御手段とを備えたことを特徴
とする。
【0006】本発明のインクジェットプリント方法は、
インクを吐出する複数の吐出口と、該複数の吐出口に対
して共通に連通してインクを貯留するインク液室とを有
するプリントヘッドを用いて、被プリント媒体に画像を
プリントするインクジェットプリント方法において、前
記プリントヘッドの吐出口からインクを排出させるイン
ク排出手段を用い、所定のタイミングで前記インク排出
手段によるインクの排出動作を行わせ、該排出動作によ
り前記インク液室の容積以上のインクを前記吐出口から
排出させることを特徴とする。
【0007】本発明によれば、インクの吐出信頼性を損
なうインクの変性物を確実に取り除く。その変性物は、
特に、高濃度の水溶性染料インク、水不溶性染料イン
ク、顔料インクといった目詰まりや不良吐出、ヘッド破
壊等が起きやすく吐出信頼性が低いインクを吐出させる
際に発生し、例えば、増粘インク、凝集物、分散破壊物
のようなものである。これらの増粘インク、凝集物、分
散破壊物等はプリントヘッド内で発生して、インク液室
内に広がる。本発明は、そのようなインクの変性物を取
り除くために、インク液室の容積以上のインクをプリン
トヘッドの吐出口から1回の動作で排出させる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。なお、以下の説明では、本発明の好
適な実施形態として、布を被プリント媒体とする捺染装
置としての適用例について説明する。
【0009】図1は、捺染装置の概略構成を示す模式的
側断面図である。ここで、図中の1は被プリント媒体と
しての布帛であり、巻出しローラ11の回転に応じて巻
出され、中間ローラ13および15を介して、プリンタ
部1000に対向する部位に設けた搬送部100により
実質的に水平方向に搬送された後、送りローラ17およ
び中間ローラ19を介して巻取りローラ21に巻取られ
る。
【0010】搬送部100は、大略、布帛1の搬送方向
に沿って位置するようにプリンタ部1000の上流側お
よび下流側に設けた搬送ローラ110および120と、
それらローラ110,120間に巻回された無端ベルト
形態の搬送ベルト130と、プリンタ部1000による
捺染に際し布帛1の被捺染面を平坦に規制すべく搬送ベ
ルト130を所定範囲で適切な張力で展張して平坦性を
向上させる一対のプラテンローラ140とを有してい
る。ここで、搬送ベルト130は、この図の装置では、
特開平5−212851号に開示されているような金属
製のものを用いており、図1中に部分的に拡大して示す
ように、その表面には粘着層(シート)133が設けら
れている。そして、布帛1は、貼付けローラ150によ
って粘着層133を介して搬送ベルト130に接着さ
れ、捺染時の平坦性が確保される。
【0011】そのように平坦性が確保された状態で搬送
される布帛1は、対のプラテンローラ140間の領域内
でプリンタ部1000によりプリント剤が付与され、搬
送ローラ120の部位において搬送ベルト130ないし
接着層133から剥離され、巻取りローラ21によって
巻取られていく。その布帛1は、巻取りローラ21によ
って巻取られる前に、乾燥ヒータ600により乾燥処理
が施される。この乾燥ヒータ600は、特にプリント剤
として液体を用いる場合に有効なものである。なお、乾
燥ヒータ600としては、温風を布帛1に対して吹付け
るもの、紫外線を照射するもの等、形態は適宜選択する
ことができる。
【0012】図2はプリント部1000および布帛1の
搬送系を模式的に示す斜視図であり、この図2と図1と
を用いてプリンタ部1000の構成を説明する。
【0013】まず、図1および図2において、プリンタ
部1000は、布帛1の搬送方向(副走査方向)fとは
異なる方向、例えば搬送方向fに直交する布帛1の幅方
向Sに走査されるキャリッジ1010を有している。1
020は、そのS方向(主走査方向)に延在する支持レ
ールであり、キャリッジ1010に固着したスライダ1
012を支持して案内するためのスライドレール102
2を支持している。1030はキャリッジ1010を主
走査方向に移動させるための駆動源をなすモータであ
り、その駆動力は、キャリッジ1010が固定されたベ
ルト1032、その他の適宜の伝動機構を介してキャリ
ッジ1010に伝達される。
【0014】キャリッジ1010は、所定方向(この場
合では搬送方向f)に多数のプリント剤付与素子を配列
してなるプリントヘッドを、上記所定方向とは異なる方
向(この場合では主走査方向S)に複数段保持したもの
を1組のプリントヘッド1100として、それを複数組
保持している。本例の場合では、このプリントヘッド1
1100の組を搬送方向に2段保持している。各組のプ
リントヘッド1100は、色を異にするプリント剤に対
応する複数個を1組として設けられ、これによってカラ
ープリントが可能となる。プリント剤に用いられる色お
よびプリントヘッドの1組中の個数は、布帛1上に形成
しようとする画像等に応じて適宜選択できるが、例え
ば、印刷の三原色であるイエロ(Y),マゼンタ(M)
およびシアン(C)、あるいは、さらにこれにブラック
(Bk)を加えた4色のプリント剤を付与するものを一
組とすることができる。または、それらに代えて、もし
くはそれらと共に、三原色では表現が不能もしくは困難
である特色(金色、銀色などの金属色や、鮮やかなレッ
ド、ブルーなど)などのプリント剤を付与するものも組
に加えて用いることができる。あるいは、同一色であっ
ても、濃度に対応して複数のプリント剤を用いるように
してもよい。
【0015】この場合においては、主走査方向Sに沿っ
て複数配置したプリントヘッド1100の組を、図1に
示すように、搬送方向fに1組ずつ2段設けている。各
段の組のプリントヘッド1100が付与するプリント剤
の色、その組を成すプリントヘッドの配置個数や配置順
序等は、捺染しようとする画像等に応じて各段ごとで同
一としてもよく、異ならせてもよい。また、1段目のプ
リントヘッド1100の主走査によって捺染される領域
に対し、次段のプリントヘッド1100によって再度捺
染を行うようにすることもできるし(各段のプリントヘ
ッド1100によって、相補的な間引き捺染を行うもの
でも重ね捺染を行うものでもよい)、捺染領域を分担さ
せて高速プリントを行うようにすることもできる。さら
に、プリントヘッド1100の段数は2段に限らず、1
段もしくは3段以上としてもよい。
【0016】これらの図においては、プリントヘッド1
100としてインクジェットヘッド、例えば、プリント
剤としてのインクを吐出するために利用されるエネルギ
ーとして、そのインクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギ
ーを発生する発熱素子を有した、キヤノン株式会社の提
唱になるバブルジェットヘッドを用いている。そして、
搬送部100によって実質的に水平方向に搬送される布
帛1に対し、プリント剤付与素子の一部を成すインク吐
出口を下向きとした状態で用い、以て、各吐出口間での
インクの水頭差を無くし、吐出条件を均一化して良好な
画像形成を可能とするとともに、全吐出口に対する均一
な回復処理を可能としている。この回復処理は、インク
吐出口からインクを排出させたりして、インクの吐出状
態を適正にするための処理である。
【0017】各プリントヘッド1100には、キャリッ
ジ1010の移動に追従すべく設けたフレキシブルケー
ブル1110が接続され、不図示の制御手段との間でヘ
ッド駆動信号やヘッド状態信号など種々の信号の授受が
行われる。また、プリントヘッド1100に対しては、
各色インクを収容したインク供給系1130より、フレ
キシブルチューブ1120を介してインクが供給され
る。
【0018】図3は、本例におけるインクの供給系を模
式的に示した斜視図である。インク供給系1130は2
系統から構成される。すなわち、第1の系統では、第1
の1組のインク貯蔵タンク1131に接合された第1の
インク供給チューブ1120がフレキシブルチューブ1
110の中を通ってヘッド接合部1150につながって
いる。第2の系統では、同様に、第2のインク貯蔵タン
ク1132に接合された第2のインク供給チューブ11
21が、フレキシブルチューブ1110の中を通ってヘ
ッド接合部1150につながっている。
【0019】ここで、インク供給チューブ1120およ
び1121は、それぞれ往路のインク供給チューブ11
20a,1121aおよび復路のインク供給チューブ1
120b,1121bからなる循環経路を形成してい
る。また、前述したインク貯蔵タンク1131および1
132は、それぞれ不図示の加圧ポンプを有しており、
タンク11231,1132内のインクは、この加圧ポ
ンプで加圧されて図3の往路のインク供給チューブ11
20a,1121aを通ってプリントヘッド1100内
を循環し、復路のインク供給チューブ1120b,11
21bを通ってインク貯蔵タンク1131および113
2に戻るようになっている。
【0020】さらに、この加圧ポンプにより、インク供
給チューブ1120および1121内にインクを再充填
でき、かつインクをプリントヘッド1100内に循環さ
せたときに、そのときの何分の1かのインクをプリント
ヘッド1100のインク吐出口から流出させることによ
り、プリントヘッド1100の回復処理を実行すること
ができる。また、インク吐出口からインクを吸引排出し
て回復処理するような機構を備えてもよい。ここで、イ
ンク貯蔵タンク1131よび1132のそれぞれは、色
を異にするプリント剤としての各色のインクに対応して
複数設けられ、これによってカラープリントが可能とな
っている。
【0021】各組のインク貯蔵タンク1131,113
2の個数は、布帛1上に形成しようとする画像等に応じ
て適宜選択できるが、例えば、印刷の三原色であるイエ
ロー(Y),マゼンタ(M)およびシアン(C)、ある
いは、さらにこれにブラック(Bk)を加えたインクを
貯蔵する個分とすることができる。または、それらに変
えて、もしくはそれらと共に、三原色では表現が不能も
しくは困難である特色(金色、銀色などの金属色や、鮮
やかなレッド、ブルーなど)のインクをも貯蔵するタン
クを備えることができる。あるいは、同一色のインクで
あっても、濃度に対応して複数のインクを用いるように
してもよい。
【0022】ヘッド接合部1150は、図3の実線部に
示した第1の1組のヘッド接合部1151、および破線
で示した第2の1組のヘッド接合部1152と、接合部
カバー1160とで構成される。
【0023】図5は、図2の矢印V方向から視た要部の
配置図である。次にこの図5により、回復処理のための
回復系について説明する。
【0024】キャッピング手段200は、非記録時に、
各プリントヘッド1100の吐出口面(インク吐出口が
形成される面)に当接し、インク吐出口からのインクの
乾燥、およびインク吐出口への異物の混入を抑え、ある
いはその異物の除去を行うものである。具体的には、非
記録動作時に、プリントヘッド1100がキャッピング
手段200と対向する位置に移動する。そして、キャッ
ピング手段200がキャップドライバ(図示せず)によ
って、プリントヘッド1100との対向方向に前進駆動
され、キャッピング手段200に備わる弾性部材が吐出
口面に圧接されてキャッピングを行うようになってい
る。
【0025】ブレード210は、例えば可撓性を持つ三
次元網状構造体として、連続多孔質体から構成される。
このブレード210の材質としては、高分子多孔質体が
好適に使用可能であり、高分子多孔質体を用いる場合、
高分子発泡体のようにインクミストの吸収による体積変
化が顕著なものではなく、インクを吸収しても体積の変
化しない種類のものが好ましく、例えば、発泡ホルマー
ル樹脂タイプのものを好適なものとして挙げることがで
きる。また、多孔質体に限らず、他の三次元網状構造体
も使用可能である。また、ここで用いられるブレード2
10として、熱焼結タイプの高分子多孔質体も利用する
ことができ、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、高分子量ポリエチレン、複合ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリス
チレン、アクリロニトリル系共重合体、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、フッ素樹脂、フェノール樹脂等の熱焼結
体を挙げることができ、中でもインクミストの吸収体お
よび耐インク性から、低密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、高分子量ポリエチレン、ポリプロピレンを用
いたものが好ましい。
【0026】目詰まり防止手段220は、プリントヘッ
ド1100が予備吐出動作をするとき、つまり画像のプ
リントに寄与しないインクを吐出するときに、吐出され
たインクを受けるものである。この目詰まり防止手段2
20は、対向したプリントヘッド1100から予備吐出
されたインクを吸収受液する液受け部材を備えており、
キャッピング手段200と記録開始位置との間に配置さ
れている。なお、液受け部材の材質としては、スポンジ
状多孔質部材等が有効である。
【0027】図5において、250は駆動部、260は
制御回路であり、これらについては後述する。
【0028】次に、被プリント媒体としての布帛1につ
いて説明する。
【0029】インクジェット捺染用の布帛1の繊維素材
は特に限定されるものではなく、綿、絹、羊毛、ナイロ
ン、ポリエステル、レーヨン、アクリル系繊維等種々の
繊維素材が挙げられ、また、これらの混紡、交織物であ
ってもよい。捺染用の布帛1には、前処理が必要であ
り、あらかじめ布帛1中に前処理剤を付与させる。前処
理剤としては、例えば撥水剤が使用される。撥水剤は、
インク中の主成分である水をはじく性能を有するもので
あり、例えば、パラフィン系、フッ素系化合物、ピリジ
ニウム塩類、N−メチロールアルキルアミド、アルキル
エチレン尿素、オキザリン誘導体、シリコーン系化合
物、トリアジン系化合物、ジルコニウム系化合物、ある
いはこれらの混合物が挙げられ、限定する必要はない。
撥水剤の量は、布帛1に対して0.05〜40重量%付
与する。これは、0.05重量%未満ではインクを浸透
しにくくする効果が少なく、40重量%を超えると、こ
れ以上含有させても性能的に大きな変化がないからであ
る。
【0030】捺染用の布帛1には、上記以外の化合物を
含ませてもよい。例えば、水溶性高分子、水溶性無機
塩、尿素、触媒、アルカリ、酸、還元防止剤、酸化防止
剤、均染剤、濃染剤、キャリヤー、還元剤、酸化剤、金
属イオン等を用いることができる。特に、にじみの防止
や、発色性の向上に効果があるものとして、水溶性無機
塩が挙げられる。水溶性無機塩としては、例えば、Na
Cl,Na2 SO4 ,KCl,CH3 COONaなどの
アルカリ金属塩や、CaCl2 ,MgCl2 等のアルカ
リ土類金属塩等が好ましく用いられる。また、尿素もに
じみの防止や、発色性の向上にきわめて効果があり、特
に、水溶性無機塩と併用することによって相乗効果でさ
らに好ましい。上記の物質を布帛1に含有させる方法
は、パッド法、スプレー法、浸漬法、印捺法、インクジ
ェット法などいずれの方法でも付与することができる。
【0031】上記のような処理を行った後、最終的に乾
燥等を行い、必要ならばインクジェットプリント装置に
て搬送できるサイズに裁断を行い、これをインクジェッ
ト捺染用の布帛1とする。
【0032】インクジェット捺染用の布帛1に対して用
いる捺染用インクとしては特に制限はなく、布帛1が
綿、絹等の素材の場合は、反応性染料および水性媒体か
ら構成されるインクジェット捺染用インクが好ましく用
いられる。また、布帛1がナイロン、羊毛、絹、レーヨ
ン等の素材の場合は、酸性、直接性染料などと水性媒体
から構成されるインクジェット捺染用インクが好ましく
用いられる。また、布帛1がポリエステル素材の場合
は、分散染料と水性媒体から構成されるインクジェット
捺染用インクが好ましく用いられる。
【0033】これらの染料における好ましい具体例とし
て、反応染料としては、C.I.リアクティブイエロー
2、15、37、42、76、95、168、175;
C.I.リアクティブブレッド21、22、24、3
3、45、111、112、114、180、218、
226、228、235;C.I.リアクティブブルー
15、19、21、38、49、72、77、176、
203、220、230、235;C.I.リアクティ
ブオレンジ5、12、13、35、95;C.I.リア
クティブブラウン7、11、33、37、46;C.
I.リアクティブグリーン8、19;C.I.リアクテ
ィブバイオレット2、6、22;C.I.リアクティブ
ブラック5、8、31、39等が挙げられる。
【0034】酸性、直接染料としては、C.I.アシッ
ドイエロー1、7、11、17、23、25、36、3
8、49、72、110、127;C.I.アシッドレ
ッド1、27、35、37、57、114、138、2
54、257、274;C.I.アシッドブルー7、
9、62、83、90、112、185;C.I.アシ
ッドブラック26、107、109、155;C.I.
アシッドオレンジ56、67、149;C.I.ダイレ
クトイエロー12、44、50、86、106、14
2;C.I.ダイレクトレッド79、80;C.I.ダ
イレクトブルー86、106、189、199;C.
I.ダイレクトブラック17、19、22、51、15
4、168、173;C.I.ダイレクトオレンジ2
6、39等が挙げられる。
【0035】分散染料としては、C.I.ディスパース
イエロー3、5、7、33、42、60、64、79、
104、160、163、237;C.I.ディスパー
スレッド1、60、135、145、146、191;
C.I.ディスパースブルー56、60、73、14
3、158、198、354、365、366;C.
I.ディスパースブラック1、10;C.I.ディスパ
ースオレンジ30、73、テラプリントレッド3GNリ
キッド、テラプリントブラック2R等が挙げられる。
【0036】これらの染料の使用量(固形分)として
は、インク全量に対して1〜30重量%の範囲が好まし
い。
【0037】また染料とともに用いる水性媒体として一
般的なものが使用でき、好ましくは、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
プロピレングリコール等の低級アルキレングリコール
類、エチレングリコールメチル(またはエチル、プロピ
ル、ブチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル
(またはエチル、プロピル、ブチル)エーテル、トリエ
チレングリコールメチル(またはエチル、プロピル、ブ
チル)エーテル、プロピレングリコールメチル(または
エチル、プロピル、ブチル)エーテル、ジプロピレング
リコールメチル(またはエチル、プロピル、ブチル)エ
ーテル、トリプロピレングリコールメチル(またはエチ
ル、プロピル、ブチル)エーテル等のアルキレングリコ
ールの低級アルキルエーテル類、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリ
コール類、およびこれらのモノ、ジアルキルエーテルに
代表される水酸基の1あるいは2個の封鎖物、グリセリ
ン、チオジエチレングルコール、スルホラン、N−メチ
ル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジチメ
ル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0038】これらの水性媒体のインク全量に対する含
有量は、通常は0から50重量%が好ましい。
【0039】また、水性インクの場合、主成分である水
はインク全重量に対して30〜95重量%の範囲が好ま
しい。
【0040】さらに、インクの構成成分として、必要に
応じて目詰まり防止剤として尿素やその誘導体と、分散
剤と、界面活性剤と、粘度調整剤としてポリビニルアル
コールやセルロース系化合物やアルギン酸ソーダと、p
H調整剤と、蛍光増白剤と、防かび剤等を添加すること
が可能である。
【0041】図4は、本発明に用いられるインクジェッ
ト捺染装置に搭載されるインクジェットヘッド1100
の概略的構成を説明するための断面斜視図である。
【0042】この図において、プリントヘッド1100
は、天板71と基板72とが重なり合って構成される。
天板71は、インクを通すためのノズル73−aとなる
複数の溝73、これらの溝73に連通した共通液室(液
室)74−aとなる溝74、共通液室74−aにインク
を供給するための供給口75を有する。一方、基板72
は、各ノズル73−aに対応した発熱素子としての電気
熱変換体76と、各電気熱変換体76に電力を供給する
電極77とが成膜技術により一体的に形成されたもので
ある。このような天板71と基板72とが合わさってイ
ンクを吐出するための複数のインク吐出口(オリフィ
ス)78およびノズル73−a、共通液室74−aが形
成される。液室74−aは、各吐出口78から吐出され
るインクを貯留して、吐出に応じてインクの供給を行う
役割をもつ。
【0043】さらに、プリントヘッド1100には、サ
ブヒータ(図示せず)と温度検知手段(図示せず)が設
けられている。その温度検知手段からの検知信号は制御
回路260(図5参照)に入力され、この信号に基づい
て、プリントヘッド1100が低温になっているとき等
において温度調整をすべく、サブヒータによる加熱の程
度を制御する。
【0044】ここで、このような構成のプリントヘッド
によるインク滴形成過程について簡単に説明する。
【0045】まず、発熱抵抗体(ヒータ)としての電気
熱変換体76が所定の温度に達すると、その上面のヒー
タ面を覆うような膜気泡がインク中に生ずる。この気泡
の内部圧力は非常に高く、ノズル73−a内のインクを
押す。インクは、この押し出しによる慣性力でノズル7
3−aの外方、およびその反対方向にある共通液室74
−a内に向かって移動する。このようなインクの移動が
進むと気泡の内部圧力が負圧になり、また流路抵抗も加
わって、ノズル73−a内部のインクの速度が遅くな
る。ノズル口としての吐出口(オリフィス)78から外
方へ吐出されたインクの速度は、ノズル73−a内部に
比べて速いため、慣性力と流路抵抗、気泡の収縮、イン
ク表面張力のバランスでくびれが生じ、分離して液滴化
する。そして、気泡の収縮と同時に、毛管力によりノズ
ル73−a内に共通液室74−aからインクが供給さ
れ、次の駆動パルス、つまり電気熱変換体76を発熱さ
せるための駆動パルスを待つ。
【0046】このように、電気熱変換体76をエネルギ
ー発生手段(以下、「エネルギー発生素子」ともいう)
として用いたプリントヘッド1100(以下、「インク
ジェットヘッド」ともいう)は、駆動パルス信号により
ノズル73−a内のインクに気泡を発生させることがで
き、また即時かつ適切に気泡の成長・収縮を行わせるこ
とができ、この結果、特に応答性の優れたインク滴の吐
出が達成できる。また、プリントヘッド1100のコン
パクト化も容易であり、かつ最近の半導体分野における
技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマクロ加
工技術の長所を十二分に活用できるため、高密度実装化
が容易で製造コストも低く抑えることができる。
【0047】図6は、プリントヘッド1100を駆動す
る駆動パルス、つまり電気熱変換体76に印加される駆
動パルスを分割パルス(ダブルパルス)とした場合の説
明図である。
【0048】図6において、VOPは駆動電圧、P1 は複
数の分割されたヒートパルスの最初のパルス(以下、
「プレヒートパルス」という)のパルス幅、P2 はイン
ターバルタイム、P3 は2番目のパルス(以下、「メイ
ンヒートパルス」という)のパルス幅である。T1 ,T
2 ,T3 はP1 ,P2 ,P3 を決めるための時間を示し
ている。駆動電圧VOPは、この電圧を印加される電気熱
変換体76に対し、基板72と天板71とによって構成
されるノズル73−a内のインクに熱エネルギーを与え
るために必要な電気エネルギーを与える。その値は、電
気熱変換体76の面積、抵抗値、膜構造やプリントヘッ
ド1100のノズル構造によって決まる。分割ノズル駆
動方式は、P1 ,P2 ,P3 の幅で順次パルスを与える
ものである。プレヒートパルス幅P1 は、主にノズル7
3−a内のインク温度を制御するためのパルスであり、
吐出量制御の役割を担っている。このプレヒートパルス
幅P1 は、そのプレヒートパルスの印加によっては、電
気熱変換体76が発生する熱エネルギーによってインク
中に発泡現象が生じないような値に設定される。
【0049】インターバルタイムP2 は、プレヒートパ
ルスとメインヒートパルスが相互干渉しないように一定
時間の間隔を設定するため、およびノズル73−a内イ
ンクの温度分布を均一化するために定められる。メイン
ヒートパルスはノズル73−a内のインク中に発泡を生
じさせることによって、吐出口78よりインクを吐出さ
せるためのものであり、そのパルス幅P3 は、電気熱変
換体74の面積、抵抗値、膜構造やプリントヘッド11
00のノズル構造によって決まる。
【0050】このようなダブルパルスによるインクの吐
出量制御の原理は、インク温度を上昇させるための可変
エネルギーをプレヒートパルスP1 によって与え、この
エネルギーをインターバルタイムP2 によって発泡成長
境界領域にまで伝導させて、所望のインク温度分布を形
成した後、メインヒートパルスP3 を与えることによっ
て所望のインク吐出量を得るものである。
【0051】ところで、図7(b)のように、インクを
吐出しない非吐出ノズルに対して、インクに発泡が生じ
ないように設定されているプレヒートパルスだけを印加
して、そのノズル73−a内の温度分布を比較的均一に
抑えることも可能である。これは、インクを吐出させな
い非吐出ノズルに、インクを吐出するときとは異なる駆
動パルスとして、プレヒートパルスのみを印加する駆動
部により達成できる。このような方法によれば、プリン
トヘッド内の温度センサの配備数が少なくても、狭い範
囲での正確な吐出量制御が可能となる。なお、図7
(a)は、インクを吐出する吐出ノズルに印加する駆動
パルスを示す。
【0052】次に、プリント動作と共に、駆動手段およ
び制御回路について説明する。
【0053】まず、プリント動作の待機中の場合には、
プリントヘッド1100がキャッピング手段200によ
りキャッピングされている。そして、制御回路260
(図5参照)にプリント信号が入ることにより、モータ
(図示せず)が駆動されてキャリッジ1010が移動を
開始する。この移動に伴って、予備吐出位置センサ(図
示せず)が予備吐出位置まで移動した各プリントヘッド
1100を検知すると、駆動部250(図5参照)から
プリントヘッド1100に駆動パルスが供給され、各プ
リントヘッド1100が目詰まり防止手段220に向か
って所定の時間だけインクの予備吐出を行う。このとき
の予備吐出によって、吐出されるインク滴数は通常数発
から数百発であり、主に吐出口(オリフィス)78から
のインクの蒸発による増粘を防止している。そして、こ
のような予備吐出の後、プリント媒体1の方向に向かっ
てキャリッジ1010が図5中の右方へ移動し、記録開
始位置センサ(図示せず)によって、キャリッジ101
0が記録開始位置まで移動したことが検出されたら、プ
リントヘッド1100の各ノズル73−aが選択的に駆
動される。これによりインク滴が吐出され、以降、同様
にして駆動部250からプリントヘッド1100に駆動
パルスが供給され、被プリント媒体270にドットマト
リクスパターンの画像がプリントされる。このようにし
て、図5中右方へのプリントヘッド1100の移動と共
に、所定幅(プリントヘッド1100の縦方向のノズル
間隔と、その個数で決定される)のプリントを行う。そ
して、キャリッジ1010が図5中の右端部の位置まで
移動(モータに与えるパルス数をカウントすることで検
出できる)したことを検出してから、さらに、各プリン
トヘッド1100の図5中左右方向の配置幅分だけキャ
リッジ1010を図5中の右方へ移動させる。これによ
り、キャリッジ1010の後端側(図5中左端側)のプ
リントヘッド1100が被プリント媒体1を横切って図
5中の右側に位置する。
【0054】その後、搬送ベルト130により、被プリ
ント媒体1がプリント幅の長さ分、または所定量だけ搬
送されてから、キャリッジ1010が先程とは逆に図5
中の左方向に移動しつつ、プリントヘッド1100がイ
ンクを吐出してプリントを行う。そして、プリントヘッ
ド1100が予備吐出位置まで戻ると、被プリント媒体
1は、搬送ベルト130によりプリント幅の長さ分、ま
たは所定量だけ搬送され、そして、再び前述した動作が
繰り返される。
【0055】このような動作が何回か繰り返されてくる
と、特に、高濃度の水溶性染料インク(染料濃度が5重
量%以上)、分散染料のような水不溶性染料インク、顔
料インクといった目詰まりや不良吐出、ヘッド破壊等を
起こしやすく吐出信頼性が低いインクを使用した場合に
は、次のような事態を生じるおそれがある。すなわち、
インク滴の吐出時や、プリントヘッド1100内のイン
ク温度を調整するためのサブヒータの加熱によるサブヒ
ータ表面でのインクの局所的な温度上昇、非吐出ノズル
へのプレヒートパルス印加によるヒータ表面でのインク
の局所的な温度上昇等により、インク中から増粘イン
ク、凝集物、分散破壊物のようなインクの変性物が各所
で発生し、それが液室74−a(図4参照)側に拡散、
蓄積してくる場合がある。サブヒータは、例えば、液室
74−aを構成する基板72上に形成されており、プリ
ントヘッド1100内のインクの温度、ひいてはプリン
トヘッド1100の温度を調整する。このサブヒータ
は、印加される加熱パルスに応じて発熱する。
【0056】本例の場合は、このようなインクの変性物
の拡散・蓄積による問題を回避すべく、キャリッジ10
10の往復動作が所定回数行われたときに、液室74−
aの容積以上のインクをノズル73−aから排出させる
動作を行う。そのインクを排出させる方法としては、加
圧や吸引ポンプによるものでもよいが、予備吐出(この
ときの予備吐出を「大予備吐出」という)によってイン
クを排出する方法を採用することが好ましい。すなわ
ち、この大予備吐出は、インクの排出動作にかかる時間
が短く、インクの吐出時に発生する発泡パワーが蓄積物
を砕きながら排出する等の効果があるため、最も好まし
い。
【0057】また、このようなインクの排出動作が多す
ぎてはインク消費量が多くなってしまい、逆に、それが
少なすぎてはインクの変性物が液室73−a内に大量に
蓄積して、回復不能になってしまうおそれがあるため好
ましくない。そこで、例えば、インク吐出パルス(メイ
ンヒートパルス)、サブヒータの加熱パルス、非吐出ノ
ズルへのプレヒートパルスを合計した駆動パルスが1ノ
ズル73−a当たり100,000〜10,000,0
00発程度に達する毎にインクの排出動作を行うのが好
ましい。また、その排出動作によるインクの排出量は、
液室74−aの容積以上のインク量が好ましい。例え
ば、そのインクの排出を大予備吐出で行う場合には、イ
ンク吐出量とノズル数から予め液室74−aの容積に相
当する発数、つまり液室74−aの容積分のインクを予
備吐出によって吐出させようとしたときの駆動パルスの
数を計算しておき、これ以上の数の大予備吐出を所定時
間毎に行わせればよい。また、インクの変性物を完全に
排出するために、より好ましくは液室74−aの容積の
3倍以上、さらに好ましくは液室74−aの容積の10
倍以上のインク量を排出させる。
【0058】なお、このような大予備吐出に加えて、液
室74−aの容積以下のインクを吐出させる通常の予備
吐出を与えることにより、インクの変性物の蓄積を防ぐ
効果がさらに上がる。また、印字等のプリントのよれや
インクの不吐出が発生したおきに、前述したインクの加
圧による回復処理を行うことにより、インクの変性物の
蓄積をさらに防ぐことができる。
【0059】下表1に、インク排出の具体的な実施例と
比較例を示す。
【0060】
【表1】
【0061】上記の表中の条件で30分間の連続耐久試
験を行った。以下、その表中の条件および他の条件につ
いて説明する。
【0062】 ・駆動周波数:2.84kHz ・プレヒートパルス幅P1 :1.3μsec ・インターバルタイムP2 :1.7μsec ・メインヒートパルス幅P3 :2.6μsec ・非吐出ノズルにはプレヒートパルスのみを印加した。
【0063】 ・インク吐出量:51p/ノズル ・共通液室容積:0.11ml ・ノズル数:1408ノズル ・上表中の「排出インク量」は、全ノズルからの排出イ
ンクの合計量である。
【0064】・上表中の「排出タイミング」は、インク
吐出パルス(メインヒートパルス)、サブヒータの加熱
パルス、非吐出ノズルへのプレヒートパルスを合計した
駆動パルスを1ノズル当たりに換算したインク滴の吐出
発数であり、その発数毎に大予備吐出を行うことを意味
する。
【0065】・上表中の「通常予備吐出数」は、6秒お
きに目詰まり防止手段に予備吐出するインク滴の吐出発
数である。
【0066】・大予備吐出では、インク滴をキャッピン
グ手段に吐出した。
【0067】・上表中の「加圧回復」は、インクの加圧
による回復処理であり、印字等のプリントのよれやイン
クの不吐出が発生したときに行った。
【0068】・被プリント媒体1としてポリエステル布
を使用した。
【0069】使用したインクの組成を以下に示す。
【0070】上表中の実施例1〜3、比較例1,2では
ブラックインクを使用した。実施例4/yではイエロー
インク、実施例4/mではマゼンタインク、実施例4/
Kではブラックインクを使用した。
【0071】(分散染料インク) 分散染料 10部 チオジグリコール 40部 水 50部 ここで用いた染料は、C.I.ディスパースイエロー4
2、テラプリントレッド3GNリキッド/チバガイギー
製分散染料、テラプリントブラック2R/チバガイギー
製分散染料であり、染料を分散させるための分散剤を含
む。
【0072】なお、本実施形態では、熱エネルギーを発
生させる電気熱変換体76を有するプリントヘッド11
00を例にして説明したが、例えば、ピエゾ素子等によ
る機械的エネルギーを利用してインクを吐出させるプリ
ントヘッドにおいても、インク吐出時の圧力波による衝
撃によってインクの分散破壊等が起きるため、本発明を
適用することにより同様な効果が得られる。
【0073】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0074】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0075】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0076】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0077】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0078】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0079】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0080】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0081】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
プリントヘッドの吐出口から、インク液室の容積以上の
インクを排出させることにより、インクの吐出信頼性を
損うインクの変性物を1回の動作で確実に排出すること
ができ、この結果、繊細かつ高品質の画像を安定してプ
リントすることができる。したがって、例えば、高濃度
の水溶性染料インク、水不溶性染料インク、顔料インク
といった目詰まりや不良吐出、ヘッド破壊等を起こしや
すく吐出信頼性が低いインクを使用しても問題がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェットプリント装
置の概略構成を示す模式的側断面図である。
【図2】図1のプリンタ部および搬送部を模式的に示す
斜視図である。
【図3】図1の装置におけるインク供給系の模式的斜視
図である。
【図4】図1の装置に搭載されるプリントヘッドの概略
的構成を説明するための斜視図である。
【図5】図2の矢印V方向から視たインクジェットプリ
ント装置の概略構成図である。
【図6】プリントヘッドを駆動する駆動パルスの説明図
である。
【図7】(a)はプリントヘッドのインク吐出ノズルに
印加する駆動パルスの説明図、(b)はプリントヘッド
のインク非吐出ノズルに印加する駆動パルスの説明図で
ある。
【符号の説明】
1 布帛(被プリント媒体) 71 天板 72 基板 73 溝 73−a ノズル 74−a 共通液室 75 供給口 76 電気熱変換体 77 電極 78 吐出口 250 駆動部 260 制御手段 1000 プリンタ部 1010 キャリッジ 1100 プリントヘッド
フロントページの続き (72)発明者 入澤 剛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 池田 親信 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数の吐出口と、該複
    数の吐出口に対して共通に連通してインクを貯留するイ
    ンク液室とを有するプリントヘッドを用いて、被プリン
    ト媒体に画像をプリントするインクジェットプリント装
    置において、 前記プリントヘッドの吐出口からインクを排出させるイ
    ンク排出手段と、 所定のタイミングで前記インク排出手段によるインクの
    排出動作を行わせ、該排出動作により前記インク液室の
    容積以上のインクを前記吐出口から排出させる制御手段
    とを備えたことを特徴とするインクジェットプリント装
    置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、所定時間毎に、前記プ
    リントヘッドの吐出口からインクを排出させることを特
    徴とする請求項1に記載のインクジェットプリント装
    置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記プリントヘッドの
    吐出口からのインクの吐出量が所定量に達する毎に、前
    記プリントヘッドの吐出口からインクを排出させること
    を特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリント
    装置。
  4. 【請求項4】 前記プリントヘッドは、前記吐出口から
    インクを吐出するために駆動パルスが印加されるもので
    あり、 前記制御手段は、前記駆動パルスのパルス数が所定数に
    達する毎に、インクを排出させることを特徴とする請求
    項1に記載のインクジェットプリント装置。
  5. 【請求項5】 前記プリントヘッドは、前記吐出口から
    インクを吐出するために駆動パルスが印加されるもので
    あり、 前記制御手段は、前記プリントヘッドに前記駆動パルス
    を印加することによって、前記吐出口からインクを排出
    させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記
    載のインクジェットプリント装置。
  6. 【請求項6】 前記プリントヘッドは、異なる種類のイ
    ンクを吐出可能な複数のプリントヘッドであり、 前記制御手段は、前記プリントヘッドが吐出するインク
    の種類に応じて、前記吐出口から排出するインクの排出
    量を異ならせることを特徴とする請求項1から5のいず
    れかに記載のインクジェットプリント装置。
  7. 【請求項7】 前記プリントヘッドは、異なる種類のイ
    ンクを吐出可能な複数のプリントヘッドであり、 前記制御手段は、前記プリントヘッドが吐出するインク
    の種類に応じて、前記吐出口からインクを排出させる時
    間間隔を異ならせることを特徴とする請求項1から6の
    いずれかに記載のインクジェットプリント装置。
  8. 【請求項8】 前記インクは、水不溶性インクまたは顔
    料インクのいずれかであることを特徴とする請求項1か
    ら7のいずれかに記載のインクジェットプリント装置。
  9. 【請求項9】 前記被プリント媒体は布帛であることを
    特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のインクジ
    ェットプリント装置。
  10. 【請求項10】 前記プリントヘッドは、インクを吐出
    させるためのエネルギーを発生する吐出エネルギー発生
    部を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか
    に記載のインクジェットプリント装置。
  11. 【請求項11】 前記吐出エネルギー発生部は、熱エネ
    ルギーを発生する電気熱変換体であることを特徴とする
    請求項10に記載のインクジェットプリント装置。
  12. 【請求項12】 前記電気熱変換体から、前記吐出口か
    らインクを吐出させない程度の熱エネルギーを発生させ
    る手段を備えたことを特徴とする請求項11に記載のイ
    ンクジェットプリント装置。
  13. 【請求項13】 インクを吐出する複数の吐出口と、該
    複数の吐出口に対して共通に連通してインクを貯留する
    インク液室とを有するプリントヘッドを用いて、被プリ
    ント媒体に画像をプリントするインクジェットプリント
    方法において、 前記プリントヘッドの吐出口からインクを排出させるイ
    ンク排出手段を用い、 所定のタイミングで前記インク排出手段によるインクの
    排出動作を行わせ、該排出動作により前記インク液室の
    容積以上のインクを前記吐出口から排出させることを特
    徴とするインクジェットプリント方法。
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