JP2002067293A - インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの駆動方法 - Google Patents

インクジェット記録装置およびインクジェット記録ヘッドの駆動方法

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JP2002067293A
JP2002067293A JP2000265682A JP2000265682A JP2002067293A JP 2002067293 A JP2002067293 A JP 2002067293A JP 2000265682 A JP2000265682 A JP 2000265682A JP 2000265682 A JP2000265682 A JP 2000265682A JP 2002067293 A JP2002067293 A JP 2002067293A
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pulse
ink
thermal energy
recording head
temperature
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Atsushi Aoki
淳 青木
Yoshihito Mizoguchi
佳人 溝口
Katsushi Hara
勝志 原
Migaku Yokozawa
琢 横澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自己昇温を抑制し、かつ環境温度や自己昇温
によって記録ヘッドの温度が変化しても、インクの吐出
量を良好に制御する。 【解決手段】 熱エネルギー変換体から発生される熱エ
ネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記
録ヘッドを駆動する際に、単一の第1のパルスP1と複
数のパルスP21、P23からなる第2のパルス群P2
とを発生させ、記録ヘッド内部の温度を検出し、検出さ
れた温度に応じて、熱エネルギー変換体に第1のパルス
P1および第2のパルス群P2との時間における相対的
位置L1をを変化させ、エネルギー変換体に印加するエ
ネルギー量を増やすことなく、インクおよび熱エネルギ
ー変換体に与えるダメージを少なくしつつ、記録ヘッド
の温度が変化した際にもインクの吐出量を一定とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置およびインクジェット記録ヘッドの駆動方法に関
し、特に、熱エネルギー変換体から発生される熱エネル
ギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘ
ッドの駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばワードプロセッサ、パーソナルコ
ンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置とし
て、広く使用されている記録装置の記録方式としては様
々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触
記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富
む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目され
ており、又その構成としては所望される記録情報に応じ
てインクを吐出する記録ヘッドを装着すると共に用紙等
の記録媒体の送り方向と直角な方向に往復走査しながら
記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易な
どの点から一般的に広く用いられている。
【0003】インクジェット方式のうち、繊細かつ高発
色な画像を得る方式として電気熱変換体による熱エネル
ギーを利用した記録方式が知られている。この方式を採
用したインクジェット記録装置においては昨今では応用
が多岐にわたっており、記録媒体としてコート紙以外
に、いわゆる普通紙、トラペン、光沢紙、バックプリン
トフィルム、皮革、木などに記録を行ったり、綿、レー
ヨン、麻、絹、ナイロン、ポリエステル等の布帛に捺染
を行ったりすることが可能となっている。
【0004】この種のインクジェット記録装置におい
て、良好な画質を得るために、記録される画像等におけ
る濃度変動や濃度むらの発生を極力抑える目的で、特に
記録ヘッドから吐出されるインクの吐出量等に関してそ
の安定化を行うための制御が種々行われていた。
【0005】これら制御において採られる主な手法は、
インクの温度が高いとインクの粘度が低くなりインクが
吐出しやすくなり吐出量が多くなることから、インクの
温度を調整すること(以下、温調ともいう)により、吐
出量等に影響を及ぼすインク粘性を制御したり、また、
発熱素子を具え、その発熱素子が発生する熱エネルギー
によってインク中に気泡を発生させこの気泡の成長によ
ってインクを吐出する方式では、気泡の発生条件等も制
御し、上記吐出量等を安定化させるものである。
【0006】インク温度調整のための具体的な構成とし
ては、インクを保持した記録ヘッドを加熱するためのヒ
ータ(専用のヒータまたは吐出用のヒータを兼用)と、
記録ヘッドに関する温度を検出する温度センサとを用
い、温度センサが検出する温度をヒータによる加熱量に
フィードバックする構成がある。また、温度のフィード
バックは行わずに単にヒータによる加熱を調整する構成
もある。
【0007】吐出量等の制御に関する他の手法、あるい
は上記手法と共に用いられる手法として、上記気泡の生
成に伴なって吐出する方式において熱エネルギーを発生
するための電気熱変換体(以下、発熱素子、吐出ヒータ
または単にヒータともいう)に印加する単一のパルス
(以下、ヒートパルスともいう)のパルス幅を変化させ
ることにより、発生する熱量を制御し、吐出量を安定化
するものがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、単一パ
ルス(以下、シングルパルスともいう)によるパルス幅
変調法は、特に上記気泡の成長によってインクを吐出す
るインクジェット方式において、温度変化に応じた吐出
量等の変動を吸収できるような制御範囲を得にくいこ
と、および、パルス幅と吐出量との関係が線型的となら
ず再現性に乏しいことから、正確な吐出量等の制御を行
うことは困難である。
【0009】また、複数のパルスをヒートパルスとして
印加し、最初のヒートパルスのパルス幅を変調させる方
法があり、これはシングルパルス方式と比べると好まし
いが、この場合特にマルチノズルのインクジェット記録
ヘッドの場合において、吐出するノズルと吐出しないノ
ズルとでのヘッド内の温度分布が異なり、ヘッドのどの
部分をもってヘッド温度とするのかの判断が難しく適切
な制御が困難である。
【0010】ところで、上述したように従来の温調によ
る吐出制御を阻害する大きな要因の1つは、吐出に伴な
って記録ヘッド内のインクに蓄熱を生ずる自己昇温であ
るといえる。例えば、記録ヘッドに自己昇温を生じるこ
とにより、インク温度が変化すると、気泡の発泡速度や
リフィル速度の変動を生じ、これにより、ヨレや不吐出
さらにはリフィル周波数の変動など、吐出特性の変動を
引き起こし画像品質を極端に劣化させることがある。
【0011】また一方で、インクジェット記録装置で使
用するインクとしては、各種の記録媒体おのおのに適す
る多種のインクが使用され、その中には、高濃度の水溶
性染料インク、水不溶性染料を使用したインク、顔料イ
ンク等のように、インクジェット記録ヘッドから安定的
にインクを吐出させることが難しく、目詰まりや吐出不
良、ヘッド破壊等の問題を発生させやすいものもある。
【0012】特に電気熱変換体による熱エネルギーを利
用したインクジェット記録装置では、熱によりインク/
ヘッドが受けるダメージ、発泡の度合い、インクの粘性
変化、初期吐出特性等がインクの種類により異なるた
め、同一の駆動条件では異なる種類の全てのインクの吐
出を最適化することは難しかった。
【0013】本発明は以上のような状況に鑑みてなされ
たものであり、自己昇温を抑制し、かつ環境温度や自己
昇温によって記録ヘッドの温度が変化しても、インクの
吐出量等を良好に制御することが可能なインクジェット
記録装置およびインクジェット記録ヘッドの駆動方法を
提供することを目的とする。
【0014】本発明はまた、吐出特性や記録ヘッドの寿
命等に影響を与えずに、様々な種類のインクを使用して
高精細かつ高発色な画像を各種の記録媒体に安定的に記
録することの可能なインクジェット記録装置およびイン
クジェット記録ヘッドの駆動方法を提供することを目的
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のインクジェット記録装置は、熱エネルギー変
換体を有し、該熱エネルギー変換体から発生される熱エ
ネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記
録ヘッドと、単一のパルスからなる第1のパルスを発生
させる第1パルス発生手段と、複数のパルスからなる第
2のパルス群を発生させる第2のパルス発生手段と、前
記記録ヘッド内部の温度を検出する温度センサと、前記
温度センサの検出した温度に応じて、前記熱エネルギー
変換体に前記第1のパルスおよび前記第2のパルス群の
両方を印加するタイミングを制御するタイミング制御手
段とを備えている。
【0016】また、上記目的を達成する本発明のインク
ジェット記録ヘッドの駆動方法は、熱エネルギー変換体
を有し、該熱エネルギー変換体から発生される熱エネル
ギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘ
ッドの駆動方法であって、単一のパルスからなる第1の
パルスを発生させる第1パルス発生工程と、複数のパル
スからなる第2のパルス群を発生させる第2のパルス発
生工程と、前記記録ヘッド内部の温度を検出する温度検
出工程と、前記温度検出工程で検出された温度に応じ
て、前記熱エネルギー変換体に前記第1のパルスおよび
前記第2のパルス群の両方を印加するタイミングを制御
するタイミング制御工程とを備えている。
【0017】すなわち、本発明では、熱エネルギー変換
体を有し、該熱エネルギー変換体から発生される熱エネ
ルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録
ヘッドを駆動する際に、単一のパルスからなる第1のパ
ルスと複数のパルスからなる第2のパルス群とを発生さ
せ、記録ヘッド内部の温度を検出し、検出された温度に
応じて、熱エネルギー変換体に第1のパルスおよび第2
のパルス群を印加するタイミングを制御する。
【0018】このようにすると、第1のパルスおよび第
2のパルス群の時間における相対的位置関係のみを変化
させるため、エネルギー変換体に印加するエネルギー量
を増やすことなく、インクおよび熱エネルギー変換体に
与えるダメージを少なくしつつ、記録ヘッドの温度が変
化した際にもインクの吐出量を一定とすることができ
る。
【0019】従って、記録ヘッドの値出信頼性および耐
久性が向上されると共に、吐出不良やヨレの発生を抑え
て高精細な画像を高品位で記録することができる。
【0020】この場合、使用するインクに応じて各パル
スの幅を変更可能に構成すると、異なったインクを使用
して様々な記録媒体に記録する際にも、それぞれのイン
クの特性に合わせて高精細な画像を高品位で記録するこ
とができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下添付図面を参照して本発明の
好適な実施形態について詳細に説明する。
【0022】なお、以下に説明する実施形態では、イン
クジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを
例に挙げ説明する。
【0023】本明細書において、「記録」(「プリン
ト」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報
を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人
間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否
かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等
を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものと
する。
【0024】また、「記録媒体」とは、一般的な記録装
置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック
・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮
革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0025】さらに、「インク」(「プリント剤」と言
う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義
と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与さ
れることによって、画像、模様、パターン等の形成また
は記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒
体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に
供され得る液体を表すものとする。
【0026】[装置の全体構成]以下、本発明の好適な
実施形態として布を使った捺染装置について説明する。
もちろん、本発明が適用可能な装置は以下のような構成
に限定されるものでなく、当業者が容易に考えられるい
かなる構成上の変更あるいは構成要素を付加することも
可能である。
【0027】図1は、捺染装置の概略構成を示す模式的
側断面図である。ここで、図中1は記録媒体としての布
帛であり、巻出しローラ11の回転に応じて巻出され、
中間ローラ13および15を介して、プリンタ部100
0に対向する部位に設けた搬送部100により実質的に
水平方向に搬送された後、送りローラ17および中間ロ
ーラ19を介して巻取りローラ21に巻取られる。
【0028】搬送部100は、大略、布帛1の搬送方向
上、プリンタ部1000の上流側および下流側に設けた
搬送ローラ110および120を、それらローラ間に巻
回された搬送手段である無端ベルト形態の搬送ベルト1
30と、プリンタ部1000による捺染に際し布帛の被
捺染面を平坦に規制するべく搬送ベルト130を所定範
囲で適切な張力で展張し、平坦性を向上すべく設けた一
対のプラテンローラ140とを有している。ここで、搬
送ベルト130は、この図の装置では特開平5−212
851号に開示されたような金属製のものを用いてお
り、図1中に部分的に拡大して示すように、その表面に
は粘着シート133が設けられている。そして、布帛1
は貼付けローラ150によって粘着シート133を介し
て搬送ベルト130に接着され、捺染時の平坦性が確保
される。
【0029】そのように平坦性が確保された状態で搬送
される布帛1は、プラテンローラ140間の領域内でプ
リンタ部1000によりプリント剤が付与され、搬送ロ
ーラ120の部位において搬送ベルト130ないし粘着
シート133から剥離され、巻取りローラ21によって
巻取られていくが、その途中において乾燥ヒータ600
により乾燥処理が施される。この乾燥ヒータ600は、
特にプリント剤として液体を用いる場合に有効なもので
ある。なお、乾燥ヒータ600としては、温風を布帛1
に対して吹付けるもの、赤外線を照射するもの等、形態
は適宜選択することができる。
【0030】[プリンタ部の構成]図2はプリンタ部1
000および布帛1の搬送系を模式的に示す斜視図であ
り、この図と図1とを用いてプリンタ部1000の構成
を説明する。
【0031】まず、図1および図2において、プリンタ
部1000は、布帛1の搬送方向(副走査方向)fとは
異なる方向、例えば搬送方向fに直交する布帛1の幅方
向Sに走査されるキャリッジ1010を有している。1
020はそのS方向(主走査方向)に延在する支持レー
ルであり、キャリッジ1010に固着されたスライダ1
012を支持し、案内するスライドレール1022を支
持している。1030はキャリッジ1010に主走査を
行わせるための駆動源をなすモータであり、その駆動力
はキャリッジ1010が固定されたベルト1032その
他の適宜の伝動機構を介してキャリッジ1010に伝達
される。
【0032】キャリッジ1010は、所定方向(この場
合では搬送方向f)に多数のプリント剤付与のための記
録素子を配列してなる記録ヘッド1100を、上記所定
方向とは異なる方向(この場合では主走査方向S)に複
数段保持したものを1組とし、かつこの場合ではこの記
録ヘッドの組を搬送方向に2段保持している。各組の記
録ヘッド1100は、色を異にするプリント剤に対応し
て複数個を1組として設けられ、これによってカラープ
リントを可能とする。
【0033】プリント剤に用いられる色および記録ヘッ
ドの1組中の個数は、布帛1上に形成しようとする画像
等に応じて適宜選択できるが、例えば減法混色の三原色
であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)およびシアン
(C)、あるいはさらにこれにブラック(Bk)を加え
たものを一組とすることができる。またはそれらに代え
て、もしくはそれらとともに、三原色では表現が不能も
しくは困難である特色(金色、銀色などの金属色や、鮮
やかなレッド、ブルー、オレンジ、グリーン、バイオレ
ットなど)なども組に加えて用いることができる。ある
いは、同一色であっても、濃度に対応して(濃淡イン
ク)複数のプリント剤を用いるようにしてもよい。
【0034】この場合においては、主走査方向Sに複数
配置した記録ヘッド1100の組を、図1に示すよう
に、搬送方向fに1組ずつ2段設けている。各段の記録
ヘッドが用いるプリント剤の色、配置個数、配置順序
(BK→C→M→Y等)は、捺染しようとする画像等に
応じそ各段毎で同一としてもよく、異ならせてもよい。
また、1段目の記録ヘッドの主走査によって捺染される
領域に対し、次段の記録ヘッドによって再度捺染を行う
ようにすることもできるし(各段の記録ヘッドによって
相補的な間引き捺染を行うものでも重ね捺染を行うもの
でもよい)、捺染領域を分担させて高速プリントを行う
ようにすることもできる。さらに、記録ヘッドの段数は
2段に限らず、1段もしくは3段以上としてもよい。
【0035】これらの図においては、記録ヘッド110
0としてインクジェットヘッド、例えばインクを吐出す
るために利用されるエネルギとしてインクに膜沸騰を生
じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換体としての発
熱素子を有した、キヤノン株式会社の提唱になるバブル
ジェットヘッドを用いている。そして、搬送部100に
よって実質的に水平方向に搬送される布帛1に対し、プ
リント剤付与素子としてのインク吐出口を下向きとした
状態で用い、以て各吐出口間での水頭差を無くし、吐出
条件を均一化して良好な画像形成を可能とするととも
に、全吐出口に対する均一な回復処理を可能としてい
る。
【0036】各記録ヘッド1100にはキャリッジ10
10の移動に追従すべく設けたフレキシブルケーブル1
110が接続され、不図示の制御手段との間でヘッド駆
動信号やヘッド状態信号など種々の信号の授受が行われ
る。また、記録ヘッド1100に対しては各色インクを
収容したインク供給系1130よりフレキシブルチュー
ブ1120を介してインクが供給される。
【0037】[インク供給系の構成]図3は本実施の形
態におけるインクの供給系を模式的に示した斜視図であ
る。インク供給系1130は2系統から構成される。す
なわち、第1の系統では、第1の1組のインク貯蔵タン
ク1131に接合された第1のインク供給チューブ11
20がフレキシブルチューブ1110の中を通ってヘッ
ド接合部1150につながっており、第2の系統では、
同様に第2のインク貯蔵タンク1132に接合された第
2のインク供給チューブ1121がフレキシブルチュー
ブ1110の中を通ってヘッド接合部1150につなが
っている。
【0038】ここで、インク供給チューブ1120およ
び1121はそれぞれ、往路のインク供給チューブ11
20a、1121aおよび復路のインク供給チューブ1
120b、1121bからなる循環経路を形成してい
る。
【0039】また、前述したインク貯蔵タンク1131
および1132は、それぞれ不図示の加圧ポンプを有し
ており、タンク内のインクはこの加圧ポンプで加圧され
て図3の往路のインク供給チューブ1120a、112
1aを通って記録ヘッド1100内を循環し、復路のイ
ンク供給チューブ1120b、1121bを通ってイン
ク貯蔵タンク1131および1132に戻るようになっ
ている。
【0040】さらに、この加圧ポンプにより、インク供
給チューブ1120および1121内にインクを再充填
でき、かつインクをヘッド内に循環させてこのときの何
分の1かのインクをノズルから流れ出すようにすること
により、ヘッドの回復操作をも行うことができる。ここ
で、インク貯蔵タンク1131および1132のそれぞ
れは、色を異にするプリント剤に対応して複数設けら
れ、これによってカラープリントを可能とする。
【0041】各組のインク貯蔵タンクの個数は、布帛1
上に形成しようとする画像等に応じてヘッドの個数の項
で記載したように適宜選択できる。
【0042】ヘッド接合部1150は、図3の実線部に
示した第1の1組のヘッド接合部1151および破線で
示した第2の1組のヘッド接合部1152と、接合部カ
バー1160とで構成される。
【0043】[記録ヘッドの構成]次に、上記装置に用
いられる記録ヘッドの概略的構成について、記録ヘッド
の概略構成を展開斜視図で示した図4を参照しながら説
明する。
【0044】この図において、記録ヘッドは、天板71
と基板72とが重なり合って構成される。天板71は、
インクを通すためのノズルとなる複数の溝73、これら
の溝に連通した共通液室となる溝74、該共通液室ヘイ
ンクを供給するための供給口75を有する。一方、基板
72は、各ノズルに対応した電気熱変換体としての発熱
素子76と各発熱素子に電力を供給する電極77とが成
膜技術により一体的に形成されたものである。このよう
な天板71と基板72とが合わさってインクを吐出する
ための複数の吐出口(オリフィス)78が形成される。
【0045】このような構成であるため、記録ヘッドの
コンパクト化も容易であり、かつ最近の半導体分野にお
ける技術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマク
ロ加工技術の長所を十二分に活用でき、高密度実装化が
容易で、製造コストも低いことから有利である。
【0046】[記録動作の説明]次に具体的な記録動作
について、記録に関する構成を示した機能ブロック図で
ある図5を参照して説明する。
【0047】記録装置にプリント信号が入ると、モータ
(図示せず)が駆動されてキャリッジ1010が移動を
開始する。この移動に伴って、予備吐出位置センサー2
10で各記録ヘッド1100が検知されると、駆動部2
50より、記録ヘッド1100に駆動信号が供給され
る。そして目詰まり防止手段220に所定の時間(通常
インク滴数で数発から数百発)インクの予備吐出を行
う。
【0048】予備吐出動作というのは記録ヘッド110
0が吐出をしばらくの時間行わなかったとき、ノズル先
端部のインクが蒸発することによって生じる増粘インク
を吐出により排出する動作である。この動作により目詰
まりの防止や、初期吐出特性などの吐出信頼性の向上が
図られる。予備吐出動作によって廃粟されるインクを受
ける目詰まり防止手段220は、記録ヘッド1100と
対面していて、予備吐出されたインクを吸収受液する液
受け部材を備えており、キャッピング手段200と記録
開始位置との間に配置されている。なお、液受け部材の
材質としては、スポンジ状の多孔質部材等が有効であ
る。
【0049】そして、その後、記録媒体方向にキャリッ
ジ1010が移動し、それを記録開始位置センサ(図示
せず)によって検出されたら、外部から送信された記録
データに従って記録ヘッドが選択的に駆動され実際の記
録が行われる。
【0050】本実施形態では、記録ヘッドを駆動する駆
動信号のパルス形状を、記録ヘッド1100内の温度セ
ンサで検知された記録ヘッドの温度データと、制御部2
60内のROM260aに格納されたデータとから決定
する。詳細は後述するが、駆動信号制御回路260bに
おいて、温度を複数のステップに分類するテーブル、ヒ
ートパルスの電圧値、パルス幅、インクの種類に関する
データ、その他の固定データを格納したROM260a
から読み出したデータと記録ヘッドの温度データとから
最適なステップの駆動信号形状が選択される。
【0051】これにより、記録ヘッド1100に駆動信
号が供給され、インクの吐出量が制御され記録媒体27
0にドットマトリクスパターンで画像がプリントされ
る。こうして、所定幅(記録ヘッドの縦方向のノズル間
隔とその個数で決定される)のプリントを行っていく
と、キャリッジ1010は図の右端側の位置まで移動す
る(モータに与えるパルス数をカウントすることで検出
できる)が、それを検出してから記録ヘッド配置幅分の
パルスを与えてキャリッジ1010の後端の記録ヘッド
が記録媒体を横切るようにする。
【0052】その後、記録媒体270は搬送ベルト13
0によりプリント幅の長さ分、または所定量搬送され、
キャリッジは移動方向を変え、先程とは逆方向にプリン
トを行う。予備吐出位置まで戻ると、同様に記録媒体2
70は搬送ベルト130によりプリント幅の長さ分、ま
たは所定量搬送され、再び前述した動作が繰り返され
る。
【0053】[駆動方法の説明]次に、上記装置におけ
る記録ヘッドの駆動方法について説明する。
【0054】本実施形態では、記録ヘッド周囲の環境温
度や自己昇温に影響されずにその吐出量等を制御できる
ように、吐出にかかるインクの温度、すなわち、発熱素
子近傍のインクの温度を制御する。そのため、以下に示
す実施形態では1回の吐出を行うために発熱素子に印加
される駆動信号を複数のパルス信号から構成する。
【0055】具体的には、駆動信号を単一の第1のパル
ス、および複数の第2のパルス群から構成し、第1のパ
ルスと第2のパルス群との相対的な印加タイミングを制
御することによりインクの吐出量を制御する。
【0056】以下、第2のパルス群のパルスの数を2と
した場合について、図を参照して説明する。なお、第2
のパルス群のパルス数は2以上であれば特に限定はな
い。
【0057】図6は本発明の実施形態における駆動信号
を説明するための図である。
【0058】図6(a)は第1のパルスを示しており、
図示されたように、第1のパルスは駆動電圧Vopでパ
ルス幅p1の単一パルスP1からなる。この駆動電圧V
opは、この電圧を印加される電気熱変換体(発熱素
子)がヒータボードと天板とによって構成される液路内
のインクに熱エネルギーを発生させるために必要な電気
エネルギーを示すものの一つであり、その値は電気熱変
換体の面積、抵抗値、膜構造や記録ヘッドの液路構造に
よって決定される。
【0059】パルスP1は、主に液路内のインクの温度
を制御する予備加熱用のパルスであり、またマルチノズ
ルヘッドの場合、吐出/非吐出にかかわらず一定周期で
印加されることによりヘッド内の温度分布をほぼ均一に
保たせることもでき、本発明の吐出制御の重要な役割を
荷っている。このヒートパルス幅p1はその印加によっ
て電気熱変換体が発生する熱エネルギーによってインク
中に発泡現象が生じないような値に設定される。
【0060】図6(b)は第2のパルス群を示してお
り、図示されたように、第2のパルス群P2は、駆動電
圧がいずれもVopでパルス幅がぞれぞれp21および
p23の2つのパルスP21およびP23からなり、そ
の間隔(インターバルタイム)はp22である。
【0061】パルス群P2のうちパルスP21はパルス
P1と同様に液路内のインクの温度を制御するために印
加される予備加熱用のパルスであり、インターバルタイ
ムp22は、わずかな印加エネルギーで効率よくインク
を吐出するために印加した熱エネルギーをヒータに接触
する液路内のインクに伝えるための放置時間として設け
られる。P23は液路内のインク中に発泡を生ぜしめ、
吐出口よりインクを吐出させるための吐出用のパルスで
あり、その幅p23は電気熱変換体の面積、抵抗値、膜
構造や記録ヘッドのインク液路の構造によって決まる。
【0062】図6(c)は第1のパルスと第2のパルス
群とを論理和演算等により合成(重ね合わせ)した本実
施形態の駆動パルスであり、P21パルスが印加されて
からP1パルスが印加されるまでの時間L1は、P2パ
ルスのP1パルスに対する相対的な印加タイミングを示
し、この時間は後述するように各種条件により設定され
る。
【0063】具体的には、L1は正・負の範囲を問わな
いが吐出安定性等において、−5・p1以上、(p21
+p22)以下であることが好ましい。
【0064】本実施形態の好ましい駆動条件の具体例
は、 駆動電圧Vop=24.0(V)、 p1 =0.5[μsec]、 p21=0.5[μsec]、 p22=3.0[μsec]、 p23=3.0[μsec]であり、P1とP2の印加
タイミングL1(P1がP21のどれだけ後に印加され
るか)を変化させることにより、吐出量の調整ができ
る。
【0065】図7は上記条件においてL1を0.5〜
3.5[μsec]の範囲で変化させた場合の吐出量V
d[ng/dot]の値を示すグラフである。また、図
8は各段階におけるパルス形状を示している。以下、吐
出量と印加タイミングL1との関係について説明する。
【0066】図7に示されるように、印加タイミングL
1の増加に応じて、吐出量VdはL1がL1MAX(L
1=p21)の際の最大吐出量VMAXから、L1MI
Na(L1=p21+p22−p1)の際のVMINa
までほぼ線形性を有して減少し、L1がL1MINa以
上では吐出量Vdの変化率は非常に小さくなり、L1M
INb(L1=p21+p22)でVMINbとなる。
【0067】吐出量Vdの値が最大となるL1=p21
のパルス形状は図8のSTEP1に示すように、パルス
P1とパルスP21との間隔がなく連続した状態であ
る。この状態からL1を徐々に大きくしていくとSTE
P2からSTEP7に示すようなパルス形状となり吐出
量は線形に減少する。そして、パルスP1とパルスP2
3とが連続するL1=p21+p22−p1となるST
EP8に示すパルス形状のときに吐出量がVMINaと
なり、ここから更にL1を大きくするとP1がP23内
に含まれる形となり、吐出量はSTEP9に示すパルス
形状のときの吐出量VMINbまで比較的小さな傾斜で
更に減少する。
【0068】このように、印加タイミングL1の変化に
対する吐出量Vdの変化が比較的大きな傾きで線形性を
示すL1MAXからL1MINaまでの範囲は、L1の
値を変化させることで吐出量の制御を容易に行える。ま
た、L1MINaからL1MINbまでの範囲は吐出量
Vdの変化が比較的小さな傾きではあるが、P1パルス
とP23パルスとが重なり、結果として複合パルスの総
印加エネルギー量(総パルス幅)が小さくなるため、自
己昇温による吐出量上昇を抑える際に使用すると有効で
ある。
【0069】図9は本実施形態における、パルス変調に
よる吐出量制御を説明するための図であり、同図を参照
して吐出量の制御原理を説明する。
【0070】温度T0は温調によって目標とされる記録
ヘッド温度であり(本実施形態では40℃)、記録ヘッ
ドがこの温度にあるとき、本例の吐出量制御において、
目標とする吐出量Vd0が得られる。また、図9に示さ
れる吐出量制御が範囲となる温度T0〜TLは、上記図
7に関して説明した吐出量が制御できる範囲に対応する
温度範囲である。
【0071】比較的記録濃度の高い(吐出頻度の高い)
画像を記録していると、吐出に伴う自己昇温や環境温度
の高温化によって記録ヘッド温度がT0以上の高温にあ
る領域(本実施形態では41℃以上)となる。本実施形
態では、この温度を温度センサで検知し、以下の表1に
示すテーブルに従ってパルス印加タイミングL1を変化
させる。表1のテーブルにおけるステップ番号は、図8
に示した各ステップの番号を示し、対応する形状の駆動
パルスが出力される。
【0072】
【表1】
【0073】以上のような制御を実施することで、T0
〜TL間の各温度における吐出量を、目標吐出量Vd0
に対して、±ΔVの範囲内となるような吐出量制御が可
能となる。吐出量の変化の様子は、例えば図9に太線で
示したように変化する。
【0074】この範囲内での吐出量変動に収まると1枚
の記録中に発生する濃度変動は、低く抑えられ、例えば
シリアル記録方式で目立ちやすい濃度ムラの発生や繋ぎ
部分のスジは問題とならない。
【0075】なお、上述のように特定の駆動周波数のタ
イミングで吐出/非吐出にかかわらず全てのノズルにパ
ルスP1を印加し、さらに吐出ノズルにのみパルス群P
2を印加して記録ヘッドの駆動を行うと、記録ヘッド内
の温度分布を比較的均一に抑えることができる。
【0076】図10はこのような観点から周波数5.6
8kHz(間隔176μsec)で駆動する場合に、パ
ルスP1を全てのノズルに印加する場合の駆動信号の例
を示している。
【0077】駆動周波数は駆動周期の逆数であるので、
記録速度を上げると駆動周波数は高くなる。この場合、
一般的には蓄熱により記録ヘッドにおける温度分布の差
が大きくなりやすい。
【0078】図10に示したような形状の駆動パルスで
は、吐出ノズルヘ印加される駆動信号のパルス幅は非吐
出ノズルへ印加される駆動信号のパルス幅に比べ、パル
ス群P2の2つのパルス幅分だけ大きくなるが、吐出ノ
ズルでは発泡時に発生した熱エネルギーがインク滴の吐
出により奪われるため、蓄熱量としては吐出/非吐出ノ
ズルともほぼ同等となるかあるいは吐出ノズルの方がわ
ずかに大きい程度となる。
【0079】従って、このような方法によればノズル数
の多い記録ヘッドにおいても、記録画像がノズルにより
吐出/非吐出の割合が多きく異なるようなものであって
も、各ノズルにおける蓄熱状態がほぼ一定となり、吐出
量を正確に制御することができる。
【0080】この方法を採用する場合、パルスP1とパ
ルス群P2のパルス幅の設定により、吐出特性あるいは
記録ヘッドの寿命に大きな違いが出てくる。このため、
例えば、インクAおよびインクBの2種類のインクを用
いるインクジェット記録装置においては、使用するイン
ク毎にパルス幅を設定してもよい。
【0081】具体的な例を示すと、インクAがインクB
に比較して、熱によりインクおよび記録ヘッドが受ける
ダメージが小さく、使用する記録ヘッドのインク吐出量
を57ng/ノズル、1ヘッドあたりのノズル数を14
08ノズルと想定した場合、インクBに対するパルスP
1のパルス幅を、インクAに対するパルスP1のパルス
幅より0.2μsec小さくして0.3μsecに設定
してもよい。
【0082】この場合、パルス群P2のP21またはP
23のパルス幅を、インクBに対してはインクAのパル
ス幅より0.2μsec大きくした値に設定するのがよ
い。
【0083】このようにすると、各ノズルに印加される
駆動パルスの総パルス幅はインクA、Bともに同じ値と
なるが、非吐出時にも常に印加されるパルスP1のパル
ス幅、即ち熱エネルギー発生量をインクAに対しては大
きくすることができる。
【0084】同様に、インクの発泡状態が異なり、同じ
パルスを印加したときにインクAの方がインク吐出量が
小さい場合にも、インクAに印加するパルスP1の幅を
大きくしてインクの温度を上げて、両方のインクの吐出
量を同等とすることが考えられる。
【0085】いずれの場合にも印加されるパルスの総パ
ルス幅が大きいと吐出用ヒータの抵抗体そのものの寿命
が劣化することがわかっているため、総パルス幅は、あ
る程度以上は大きくできない。そのため、パルスP1を
大きめに設定した場合には対応するパルス群P2のパル
ス幅を小さめに設定し、総パルス幅を一定にすることが
好ましい。
【0086】同様に、インク種の違いにより、非吐出ノ
ズルに印加するパルスの発生量を変更することもでき
る。即ち非吐出ノズルに印加するパルスについては、記
録ヘッドが画像を記録する領域外にあるときにも常にパ
ルスを印加するか、一定の時間はパルスをまったく印加
しないかをインク毎に設定してもよい。
【0087】これは上記のようにインクAがインクBに
比較して、熱によりインクおよび記録ヘッドが受けるダ
メージが小さい時などに有効である。このようにする
と、熱によるダメージが小さいインクAに対しては非吐
出時にも常にP1パルスを印加し、熱によるダメージを
受けやすいインクBに対しては画像を記録する領域に入
る直前からパルスP1を印加するようにして、印加パル
スの総量が減らせるので、熱によるインクや記録ヘッド
へのダメージが小さくなる。
【0088】なお、このようなインクの違いは、たとえ
ばインクAが反応性、酸性、直接性染料等を使った水溶
性のインクであり、インクBが分散性染料を使った水不
溶性のインクや顔料インクである場合などが考えられ
る。
【0089】このような場合は、たとえば記録する記録
媒体の種類が綿、ナイロン、ポリエステル等に変わった
場合、使用するインク種をそれぞれ反応性、酸性、分散
染料インクに変更し、かつ熱エネルギーの発生量を分散
染料インクに対してのみ小さくすることが好ましい。
【0090】インクの種類と各パルスの幅との対応は、
テーブル形式で記憶手段等に記憶していると好適であ
る。
【0091】本実施形態では、表1に示したテーブルを
用い、検知した記録ヘッド温度に応じてP1及びP2の
印加タイミングを変更した駆動信号制御を行って、記録
ヘッド温度TH=60℃までVd0=57[ng/do
t]を中心にΔV=±1[ng/dot]の変動範囲で
吐出量制御が可能となった。
【0092】なお、本実施形態では記録ヘッドの駆動に
単パルスと2つ以上のパルス群の計3つ以上のパルスを
使用しているが、実際の制御はP1とP2の2つのパル
スの印加タイミングL1のみを変更するだけであるの
で、使用する電気回路等の構成が用意となり装置全体の
低価格化に寄与する。
【0093】[記録媒体の説明]次に本実施形態で記録
媒体として使用可能な布帛について説明する。
【0094】インクジェット捺染用布帛の繊維素材は特
に限定されるものではなく、綿、絹、羊毛、ナイロン、
ポリエステル、レーヨン、アクリル系繊維等種々の繊維
素材が挙げられ、またこれらの混紡、交織物であっても
よい。
【0095】捺染用布帛には前処理が必要であり、あら
かじめ布帛中に前処理剤を付与させる。
【0096】前処理剤としてはたとえば、擬水剤が使用
される。擦水剤はインク中の主成分である水をはじく性
能を有するものであり、たとえばパラフィン系、フッ素
系化合物、ピリジニウム塩類、N−メチロールアルキル
アミド、アルキルエチレン尿素、オキザリン誘導体、シ
リコーン系化合物、トリアジン系化合物、ジルコニウム
系化合物、あるいはこれらの混合物が挙げられ、限定す
る必要はない。
【0097】撥水剤の量は布帛に対して0.05〜40
重量%付与する。これは0.05重量%未満ではインク
を浸透しにくくする効果が少なく、40重量%を超える
とこれ以上含有させても性能的に大きな変化がないから
である。
【0098】捺染用布帛には上記以外の化合物を含んで
もよい。例えば水溶性高分子、水溶性無機塩、界面活性
剤、尿素、触媒、アルカリ、酸、還元防止剤、酸化防止
剤、均染剤、濃染剤、キャリヤー、還元剤、酸化剤、金
属イオン等が用いられる。
【0099】特ににじみの防止や、発色性の向上に効果
があるものとして、水溶性無機塩が挙げられる。水溶性
無機塩としてはたとえばNaCl,Na2SO4,KC
l,CH3COONaなどのアルカリ金属塩や、CaC
12,MgC12等のアルカリ土類金属塩等が好ましく
用いられる。
【0100】また、尿素もにじみの防止や、発色性の向
上にひじょうに効果があり、特に水溶性無機塩と併用す
ることによって相乗効果でさらに好ましい。
【0101】上記の物質を布帛に含有させる方法はパッ
ド法、スプレー法、浸漬法、印捺法、インクジェット法
などいずれの方法でも付与することができる。
【0102】上記のような処理を行った後、最終的に乾
燥等を行い、必要ならばインクジェット装置で搬送でき
るサイズに裁断を行い、これをインクジェット捺染用布
帛とする。
【0103】[インクの説明]インクジェット捺染用布
帛に対して用いる捺染用インクとしては特に制限はな
く、布帛が綿、絹、レーヨン等の素材の場合は反応性染
料および水性媒体から構成されるインクジェット捺染用
インクが好ましく用いられ、ナイロン、羊毛、網等の素
材の場合は酸性、直接性染料などと水性媒体から構成さ
れるインクジェット捺染用インクが好ましく用いられ
る。また布帛がポリエステル素材の場合は分散染料と水
性媒体から構成される水不溶性のインクジェット捺染用
インクが好ましく用いられる。
【0104】これらの染料における好ましい具体例とし
て反応染料としては、 C.I.リアクティブイエロー2、15、37、42、
76、95、168、175; C.I.リアクティブレッド21、22、24、33、
45、111、112、114、180、218、22
6、228、235; C.I.リアクティブブルー15、19、21、38、
49、72、77、176、203、220、230、
235; C.I.リアクティブオレンジ5、12、13、35、
95; C.I.リアクティブブラウン7、11、33、37、
46; C.I.リアクティブグリーン8、19、; C.I.リアクティブバイオレット2、6、22; C.I.リアクティブブラック5、8、31、39、等
が挙げられる。
【0105】酸性、直接染料としては、 C.I.アシッドイレロー1、7、11、17、23、
25、36、38、49、72、110、127; C.I.アシッドレッド1、27、35、37、57、
114、138、254、257、274; C.I.アシッドブルー7、9、62、83、90、1
12、185; C.I.アシッドブラック26、107、109、15
5; C.I.アシッドオレンジ56、67、149; C.I.ダイレクトイエロー12、44、50、86、
106、142; C.I.ダイレクトレッド79、80; C.I.ダイレクトブルー86、106、189、19
9; C.I.ダイレクトブラック17、19、22、51、
154、168、173; C.I.ダイレクトオレンジ26、39、等が挙げられ
る。
【0106】分散染料としては、 C.I.ディスパースイエロー3、5、7、33、4
2、60、64、79、 104、160、163、237;C.I.ディスパー
スレッド1、60、135、145、146、191; C.I.ディスパースブルー56、60、73、14
3、158、198、354、365、366; C.I.ディスパースブラック1、10; C.I.ディスパースオレンジ30、73、テラプリン
トレッド3GNリキッド、テラプリントブラック2R、
等が挙げられる。
【0107】これらの染料の使用量(固形分)としては
インク全量に対して1〜30重量%の範囲が好ましい。
【0108】また、染料とともに用いる水性媒体として
一般的なものが使用できる。具体的には、低級アルキレ
ングリコール類では、エチレングリコール、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリ
コール等が好ましい。
【0109】アルキレングリコールの低級アルキルエー
テル類では、エチレグリコールメチル(またはエチル、
プロピル、ブチル)エーテル、ジエチレングリコールメ
チル(またはエチル、プロピル、ブチル)エーテル、ト
リエチレングリコールメチル(またはエチル、プロピ
ル、ブチル)エーテル、プロピレングリコールメチル
(またはエチル、プロピル、ブチル)エーテル、ジプロ
ピレングリコールメチル(またはエチル、プロピル、ブ
チル)エーテル、トリプロピレングリコールメチル(ま
たはエチル、プロピル、ブチル)エーテル等が好まし
い。
【0110】水酸基の1あるいは2個の封鎖物では、ポ
リエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の
ポリアルキレングリコール類、およびこれらのモノ、ジ
アルキルエーテルが好ましい。
【0111】更には、グリセリン、チオジエチレングリ
コール、スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、2
−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン等が挙げられる。
【0112】これらの水性媒体のインク全量に対する含
有量は通常は0〜50重量%が好ましい。
【0113】また、水性インクの場合、主成分である水
はインク全重量に対して30〜95重量%の範囲が好ま
しい。
【0114】さらに、インクの構成成分として必要に応
じて目詰まり防止剤として尿素やその誘導体、分散剤、
界面活性剤、粘度調整剤としてポリビニルアルコールや
セルロース系化合物やアルギン酸ソーダ、pH調整剤、
蛍光増白剤、防かび剤等を添加することが可能である。
【0115】又このほかに、顔料インクが用いられる場
合もある。この場合の水性媒体、構成成分は染料インク
の場合と同様である。
【0116】これらのインクは記録媒体の種類によっ
て、記録装置のインク系路内のインクや、またはヘッド
カートリッジごと交換して使用される。即ち、綿にプリ
ントする場合は反応染料インクが使用され、次にポリエ
ステルにプリントする場合はインク系路内の反応染料イ
ンクを洗浄除去してから分散染料インクに置換する。
【0117】本実施形態においてインクA、インクBと
して説明したインクの組成の具体例を示すと、 インクA: (1)反応染料インク: 反応染料 10部 チオジグリコール 40部 水 50部 (用いた染料は、C.I.リアクティブイエロー95、
C.I.リアクティブレッド226、C.I.リアクテ
ィブブルー15、C.I.リアクティブブラック39) (2)酸性染料インク: 酸性染料 10部 ジエチレングリコール 40部 水 50部 (用いた染料はC.I.アシッドイエロー110、C.
I.アシッドレッド266、C.I.アシッドブルー9
0、C.I.アシッドブラック26) インクB: 分散染料インク: 分散染料 10部 チオジグリコール 40部 水 50部 (用いた染料はC.I.ディスパースイエロー42、テ
ラプリントレッド3GNリキッド/チバガイギー製分散
染料、C.I.ディスパースブルー60、テラプリント
ブラック2R/チバガイギー製分散染料であり、染料を
分散させるための分散剤を含む)等が挙げられる。
【0118】以上説明したように本実施形態によれば、
様々な種類のインクを使用する場合にも、吐出量を正確
に制御することができ、吐出不良やヨレなどの発生を抑
えることができる。従って、各種記録媒体に対して、高
精細な画像を高品質で記録することができる。
【0119】[他の実施形態]以上の実施形態は、特に
インクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせ
るために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発
生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備
え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起さ
せる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化
が達成できる。
【0120】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
る電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越
える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号
を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギー
を発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさ
せて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体
(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0121】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に
優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。
【0122】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0123】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開
示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第
4459600号明細書に記載された構成も本発明に含
まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対し
て、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構
成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネ
ルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構
成を開示する特開昭59−138461号公報に基づい
た構成としても良い。
【0124】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満た
す構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとして
の構成のいずれでもよい。
【0125】加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘ
ッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリ
ッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着さ
れることで、装置本体との電気的な接続や装置本体から
のインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの
記録ヘッドを用いてもよい。
【0126】また、以上説明した記録装置の構成に、記
録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加する
ことは記録動作を一層安定にできるので好ましいもので
ある。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対して
のキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは
吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子
あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などが
ある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを
備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0127】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
も良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもで
きる。
【0128】以上説明した実施の形態においては、イン
クが液体であることを前提として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下
の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範
囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。
【0129】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、
またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し
加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒
体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質の
インクを使用する場合も本発明は適用可能である。
【0130】このような場合インクは、特開昭54−5
6847号公報あるいは特開昭60−71260号公報
に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に
液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換
体に対して対向するような形態としてもよい。本発明に
おいては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0131】なお、本発明は、複数の機器(例えばホス
トコンピュータ、インタフェイス機器、リーダ、プリン
タなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの
機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置
など)に適用してもよい。
【0132】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるい
は装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュ
ータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログ
ラムコードを読み出し実行することによっても、達成さ
れることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読
み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の
機能を実現することになり、そのプログラムコードを記
憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、
コンピュータが読み出したプログラムコードを実行する
ことにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけ
でなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピ
ュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)
などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理に
よって前述した実施形態の機能が実現される場合も含ま
れることは言うまでもない。
【0133】さらに、記憶媒体から読み出されたプログ
ラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カー
ドやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わ
るメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示
に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備
わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、そ
の処理によって前述した実施形態の機能が実現される場
合も含まれることは言うまでもない。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、第
1のパルスおよび第2のパルス群の時間における相対的
位置関係のみを変化させるため、エネルギー変換体に印
加するエネルギー量を増やすことなく、インクおよび熱
エネルギー変換体に与えるダメージを少なくしつつ、記
録ヘッドの温度が変化した際にもインクの吐出量を一定
とすることができる。
【0135】従って、記録ヘッドの値出信頼性および耐
久性が向上されると共に、吐出不良やヨレの発生を抑え
て高精細な画像を高品位で記録することができる。
【0136】この場合、使用するインクに応じて各パル
スの幅を変更可能に構成すると、異なったインクを使用
して様々な記録媒体に記録する際にも、それぞれのイン
クの特性に合わせて高精細な画像を高品位で記録するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット記録装置の
概略構成を示す模式的側断面図である。
【図2】図1の記録装置部及び搬送部を模式的に示す斜
視図である。
【図3】図1の装置におけるインク供給系の模式的斜視
図である。
【図4】図1の装置に搭載される記録ヘッドの概略的構
成を説明するための斜視図である。
【図5】図1の装置の記録に関する構成及び制御系を示
す機能ブロック図である。
【図6】本発明の実施形態における駆動信号を説明する
ための図である。
【図7】パルスP1とP2間の相対間隔と吐出量との関
係を示すグラフである。
【図8】図7の各段階におけるパルス形状を示す図であ
る。
【図9】本発明の実施形態におけるパルス変調による吐
出量制御を説明するための図である。
【図10】パルスP1を全てのノズルに印加する場合の
駆動信号の例を示す図である。
【符号の説明】
P1 第1のパルス P2 第2のパルス群 P21 パルス群P2の予備加熱用パルス P23 パルス群P2の吐出用パルス p1 パルスP1の幅 p21 パルスP21の幅 p22 パルスP21とP23の間隔 P23 パルスP23の幅 L1 パルスP1とP2の相対間隔 Vop 駆動電圧
フロントページの続き (72)発明者 原 勝志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 横澤 琢 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA04 EA21 EA28 EB07 EB30 EB59 EC07 EC37 EC42 FA03 FA10 FB03 2C057 AF23 AF65 AG12 AG46 AJ03 AL25 AN01 AR08 AR17 BA13

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱エネルギー変換体を有し、該熱エネル
    ギー変換体から発生される熱エネルギーを利用してイン
    クを吐出するインクジェット記録ヘッドと、 単一のパルスからなる第1のパルスを発生させる第1パ
    ルス発生手段と、 複数のパルスからなる第2のパルス群を発生させる第2
    のパルス発生手段と、 前記記録ヘッド内部の温度を検出する温度センサと、 前記温度センサの検出した温度に応じて、前記熱エネル
    ギー変換体に前記第1のパルスおよび前記第2のパルス
    群の両方を印加するタイミングを制御するタイミング制
    御手段とを備えることを特徴とするインクジェット記録
    装置。
  2. 【請求項2】 前記タイミング制御手段は、一定の周波
    数で前記第1のパルスを印加し、記録データに応じて前
    記第2のパルス群を印加することを特徴とする請求項1
    に記載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記第1のパルスのパルス幅は、インク
    を吐出する熱エネルギーを発生しないように設定されて
    いることを特徴とする請求項1または2に記載のインク
    ジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記第2のパルス群は、インクを吐出す
    る熱エネルギーを発生する吐出用のパルスと、インクを
    吐出する熱エネルギーを発生しない予備加熱用パルスと
    を含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
    載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記温度センサの検出した温度と、前記
    第1のパルスおよび前記第2のパルス群を印加するタイ
    ミングとの対応を表す温度テーブル手段を備えることを
    特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録装置。
  6. 【請求項6】 使用するインクの種類と、前記第1のパ
    ルスおよび前記第2のパルス群の各パルスの幅との対応
    を表すインクテーブル手段を備えることを特徴とする請
    求項1から5のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  7. 【請求項7】 前記第1のパルスおよび前記第2のパル
    ス群の全てのパルスの幅の合計が、いずれのインクに対
    しても同じであることを特徴とする請求項6に記載のイ
    ンクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記インクジェット記録ヘッドは、それ
    ぞれが前記熱エネルギー変換体を有する複数の記録素子
    を含むことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記
    載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 熱エネルギー変換体を有し、該熱エネル
    ギー変換体から発生される熱エネルギーを利用してイン
    クを吐出するインクジェット記録ヘッドの駆動方法であ
    って、 単一のパルスからなる第1のパルスを発生させる第1パ
    ルス発生工程と、 複数のパルスからなる第2のパルス群を発生させる第2
    のパルス発生工程と、 前記記録ヘッド内部の温度を検出する温度検出工程と、 前記温度検出工程で検出された温度に応じて、前記熱エ
    ネルギー変換体に前記第1のパルスおよび前記第2のパ
    ルス群の両方を印加するタイミングを制御するタイミン
    グ制御工程とを備えることを特徴とするインクジェット
    記録ヘッドの駆動方法。
  10. 【請求項10】 前記タイミング制御工程は、一定の周
    波数で前記第1のパルスを印加し、記録データに応じて
    前記第2のパルス群を印加することを特徴とする請求項
    9に記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
  11. 【請求項11】 前記第1のパルスのパルス幅は、イン
    クを吐出する熱エネルギーを発生しないように設定され
    ていることを特徴とする請求項9または10に記載のイ
    ンクジェット記録ヘッドの駆動方法。
  12. 【請求項12】 前記第2のパルス群は、インクを吐出
    する熱エネルギーを発生する吐出用のパルスと、インク
    を吐出する熱エネルギーを発生しない予備加熱用パルス
    とを含むことを特徴とする請求項9から11のいずれか
    に記載のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
  13. 【請求項13】 使用するインクの種類に応じて、前記
    第1のパルスおよび前記第2のパルス群の各パルスの幅
    を変更するインク対応工程を備えることを特徴とする請
    求項9から12のいずれかに記載のインクジェット記録
    ヘッドの駆動方法。
  14. 【請求項14】 前記インク対応工程は、前記第1のパ
    ルスおよび前記第2のパルス群の全てのパルスの幅の合
    計が、いずれのインクに対しても同じとなるように各パ
    ルスの幅を変更することを特徴とする請求項13に記載
    のインクジェット記録ヘッドの駆動方法。
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