JP2001096731A - インクジェット記録方法および装置 - Google Patents

インクジェット記録方法および装置

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JP2001096731A
JP2001096731A JP27524199A JP27524199A JP2001096731A JP 2001096731 A JP2001096731 A JP 2001096731A JP 27524199 A JP27524199 A JP 27524199A JP 27524199 A JP27524199 A JP 27524199A JP 2001096731 A JP2001096731 A JP 2001096731A
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JP27524199A
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Hiroshi Koizumi
寛 小泉
Tsutomu Abe
力 阿部
Kiyomi Aono
清美 青野
Koichi Komata
好一 小俣
Takeshi Okazaki
猛史 岡崎
Hironori Tajima
裕基 但馬
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録速度を低下させることなく、混色、境界
にじみのない高画質の画像記録を実現する。 【解決手段】 水性インクのインク液滴と油性インクの
インク液滴が記録媒体上で主走査方向および副走査方向
について交互に配列されて記録が行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は水性インクおよび
油性インクを用いて混色が発生しない記録動作を実現す
るようにしたインクジェット記録方法および装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、インクジェット記録技術を使った
プリンタは、その低価格、高品位さらにカラー記録であ
るといった特徴を生かして市場を年々大きくしている。
実際、パーソナルコンピュータの使い勝手の向上とその
低価格化によってインクジェットプリンタの爆発的な市
場が形成され、その販売台数も飛躍的に伸びてきてい
る。
【0003】インクジェット記録は、電圧によって変形
するピエゾ素子による圧力波発生によってインクを飛翔
させることを基本原理とするものと、電気抵抗に電流を
流すことで発生する熱によって発生した突沸気泡の発生
圧力によってインクを飛翔させることを基本原理とする
ものの2種類に大別される。そのどちらも、小さなイン
ク液滴を飛翔させ、記録紙に付着させることで画像を形
成するものであり、その記録密度は、現在では、600
dpi〜720dpiが主流になってきている。
【0004】カラープリンタでは、イエロー,マゼン
タ、シアン、ブラックの4色分の記録ヘッドを持つかあ
るいはこれに各カラーの淡色インクの記録ヘッドを追加
するようにした記録ヘッド構成が一般的である。
【0005】カラー記録においては、これら複数の色の
インクを重ね合わせて所望の色を実現する。
【0006】例えば、図8に示すような、青、緑、赤の
3領域で構成される色パターンを、イエローY,マゼン
タM、シアンCの3色のインクで記録しようとすると、
その色の重ね合わせパターンは図9に示すようになる。
【0007】図9において、最も外側の青領域は、シア
ンCおよびマゼンタMのインクが積層されることで実現
され、真ん中の緑領域は、シアンCおよびイエローYの
インクが積層されることで実現され、内側の赤領域は、
マゼンタMおよびイエローYのインクが積層されること
で実現される。
【0008】カラー用の記録ヘッドにおいては、イエロ
ー、マゼンタ、シアンの各記録ヘッドがキャリッジのス
キャン方向に並設されており、このようなヘッドで、図
9に示すような色パターンの記録動作を行うためには、
最初、図10(a)に示すように、イエローの記録ヘッ
ドによって図8の真ん中および内側領域にイエローイン
クによる印字を行い、次に、図10(b)に示すよう
に、マゼンタの記録ヘッドによって図8の内側および外
側領域にマゼンタインクによる印字を行い、最後に、図
10(c)に示すように、シアンの記録ヘッドによって
図8の真ん中および外側領域にシアンインクによる印字
を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、インクジ
ェット記録においては、異なる色のインクを重ねること
で所望の色記録が実現されるが、従来技術においては、
水性インクを使用しているので、インクが記録紙に染み
込むまでに所定の時間がかかり、上述したような記録を
行うと、色の境界部(図8の青と緑と赤の境界)におい
て、色の混色が発生する問題がある。これは、ブリージ
ング(bleeding)と呼ばれる現象であり、高速記録を実
現するために、第1の色のインクが記録紙に染み込む前
に、第2の色のインクを打ち込むというようなことを行
っているので、必然的に発生してしまうことである。
【0010】この現象を抑えるために、1回のスキャン
で印字するインク滴数を所要数の1/nにし、n回のス
キャンで1行の印字を完成させるマルチパス印字が用い
られる。このマルチパス印字は、紙送り量を使用ノズル
の1/nにし、主走査時に1/nに相補的に間引いたデ
ータでn回印字することで、1行を複数(n個)のノズ
ルを用いて印字するものである。
【0011】この手法によれば、インクが紙に染み込む
時間を十分に確保でき、前述した混色問題を回避するこ
とができるが、この手法では、1行の記録に複数回のス
キャンを行わなければならず、記録速度の面で問題があ
る。
【0012】この発明はこのような事情を考慮してなさ
れたもので、記録速度を低下させることなく、混色、境
界にじみのない高画質の画像記録をなし得るインクジェ
ット記録方法および装置を提供することを解決課題とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の形態で
は、飛翔させたインク液滴を記録媒体に付着させること
により記録を行うインクジェット記録方法において、水
性インクのインク液滴と油性インクのインク液滴が記録
媒体上で主走査方向および副走査方向について交互に配
列されて記録が行われることを特徴としている。
【0014】この発明の第2の形態では、複数のノズル
が配列される記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドを前記
記録素子の配列方向と異なる主走査方向に記録媒体に対
して相対的にスキャンするとともに、記録媒体を前記主
走査方向とは異なる副走査方向に前記記録ヘッドに対し
て相対的に搬送して記録動作を行わせるようにしたイン
クジェット記録装置において、前記記録ヘッドは水性イ
ンクを吐出する水性インクノズルと油性インクを吐出す
る油性インクノズルとが交互に一列に配設されたもので
あり、往動主走査のときは前記記録ヘッドに1ドットず
つスキップした間欠的記録を行わせ、復動主走査のとき
は記録媒体上の記録位置を前記副走査方向に1ノズル分
ずらせるとともに前記往動主走査のスキップされた領域
に対して1ドットずつスキップした間欠的記録を行わせ
る制御手段を具えるようにしている。
【0015】この発明では、記録ヘッドが記録媒体に対
して1往復スキャンするだけで1行分の記録がなされ、
しかも水性インクと油性インクが1ドット単位に交互に
配列されているので、色間境界でインクがにじみ合うよ
うな現象が発生することはない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照してこの発
明の実施形態を説明する。
【0017】図1はこの発明にかかるインクジェット記
録装置の内部構成を簡略化して示したものである。この
図1に示すインクジェット記録装置は、熱エネルギー源
としての電気熱変換体をインク吐出口に対応して設け,
この電気熱変換体を駆動することによってインクに膜沸
騰を生じさせてインクを吐出する方式のインク吐出ヘッ
ドを具備したのものを示している。
【0018】図1に示すインクジェット記録装置は、キ
ャリッジ1を記録媒体Pの搬送方向(副走査方向)Aと
直交する方向に主走査スキャンするシリアルスキャン方
式を採るものであり、キャリッジ1上にはカラー印字を
行うために、複数の記録ヘッド2およびこれら記録ヘッ
ド2にインクを供給する複数のインクタンク3が搭載さ
れている。
【0019】キャリッジ1は、ガイドシャフト(リード
スクリュー)4にスライド移動可能に支持されている。
ガイドシャフト4は、ギア5,6を介してキャリッジ駆
動モータ7に連結されている。従って、キャリッジ1は
キャリッジ駆動モータ7を駆動源とし、ギア5,6およ
びガイドシャフト4による機構によって矢印B方向に往
復移動する。
【0020】記録媒体としての記録紙Pは、副走査方向
(矢印A方向)に搬送される。記録紙Pはローラ9とこ
のローラ9に対向するローラ(図示せず)からなる一対
のローラユニットなどによって挟持され、所定の張力が
加えられた状態で搬送される。
【0021】10は記録ヘッドのフェース面をキャップ
するキャップ部材であり、11はこのキャップ部材内に
負圧を作用させてキャップ内を吸引する吸引回復手段で
ある。これらの構成によって吸引回復処理を適宜の周期
で行うことで、インクのノズルの目詰まりなどを防止し
ている。
【0022】図2は、インクジェット記録装置の制御系
の構成例を示すものである。
【0023】CPU20は、ホスト装置から印字情報を
受け取ると、記録装置各部の制御やデータ処理などを実
行する。ROM21には、各種処理手順に関する処理プ
ログラムが記憶され、RAM22はその処理手順実行の
際のワークエリアなどとして用いられる。すなわち、C
PU20は、ROM21に記憶されている制御プログラ
ムに基づき、ホスト装置から受信した印字情報をRAM
22などの周辺ユニットを用いて処理し、印字データに
変換するなどの処理を実行する。
【0024】また、CPU20は、上記した電気熱変換
体の駆動データすなわち印字データおよび駆動制御信号
をヘッドドライバ23に出力する。ヘッドドライバ23
は入力された駆動データに基づいて記録ヘッド2の電気
熱変換体を駆動する。
【0025】また、CPU20は、キャリッジ1を往復
移動させるためのキャリッジ駆動モータ7および記録用
紙Pを搬送するための紙送り(PF)モータ24を、モ
ータドライバ25,26を介して夫々制御する。
【0026】図3は、記録ヘッド2の概念的構成を示す
ものであり、記録ヘッド2は、シアン色のインクを吐出
するCヘッド2c、マゼンタ色のインクを吐出するMヘ
ッド2m、およびイエロー色のインクを吐出するYヘッ
ド2y、および黒色インクを吐出するMヘッド2kを有
している。記録ヘッド2はキャリッジ1に搭載されて、
主走査方向Bにスキャンされることにより、1行分の記
録28を実行する。
【0027】これらの各記録ヘッド2y,2m,2c,
2kには、図4に示すように、副走査方向に複数の(例
えば16個)ノズルが列設されている。図4は、各記録
ヘッドをノズル面側から見た模式図であり、各ヘッドに
は、600dpi(約42.5μm間隔)を実現するよ
う16個のノズルが並んでいる。前述したように、1回
のスキャンでこれら吐出ノズル数に対応する複数ライン
分(1行)の印字が行われる。
【0028】ここで、各記録ヘッド2y,2m,2c,
2kにおいては、水性インクノズルNwと油性インクノ
ズルNoとが交互に配置されている。水性インクノズル
Nwは黒丸で示し、油性インクノズルNoは白丸で示して
いる。水性インクノズルNwからは水性インクが吐出さ
れ、油性インクノズルNoからは油性インクが吐出され
る。
【0029】ここで、水性インクとは、インクの色を出
す染料を溶かす溶剤が主に水であり、一部、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、尿
素などの溶剤が混合されているものをいう。
【0030】また、油性インクとは、インクの色を出す
染料を溶かす溶剤が有機溶剤であり、疎水基を多く持ち
基本的に水と混合しないものをいう。有機溶剤として
は、ベンゼル、キシレン、ブタノール、ペンタノール、
などを用いる。
【0031】図5は、1つ色の記録ヘッドについての、
インク供給系の概念的構成を示すものである。
【0032】図5において、油性インクタンク30は、
油性インク供給路31、共通油性インク液室32を介し
て油性インクノズルNoに接続されている。水性インク
タンク35は、水性インク供給路36、共通水性インク
液室37を介して水性インクノズルNwに接続されてい
る。水性インクノズルNwの吐出口および油性インクノ
ズルNoの吐出口が交互に一列に配設されるようノズル
形状が工夫されている。
【0033】つぎに、このような記録ヘッドによる記録
動作を図6のフローチャートを参照して説明する。この
場合、記録ヘッドは、主副走査方向に600dpiの密
度で記録を行うものとする。
【0034】まず、往動方向の主走査のときには、1ド
ットずつスキップした間欠的印字を実行する(ステップ
100)。これにより、交互に配列された水性インクノ
ズルNwおよび油性インクノズルNoから水性インクおよ
び油性インクが1ドット飛びに吐出される。この場合、
記録ヘッドは600dpi密度であるので、1ドット飛
びの間欠印字を行うことで、図7(a)に示すような、
300dpi密度の印字がなされる。勿論、図7では、
全てのドットに対応する印字データがオンである場合を
示している。
【0035】つぎに、復動方向の主走査のときは、ま
ず、記録媒体上の記録位置を前記副走査方向に1ノズル
分(1ドット分)ずらせる(ステップ110)。この場
合は、記録紙を1ノズル分だけ副走査方向に搬送する。
【0036】そして、この状態で、往動主走査の際にス
キップされた領域に対して前記同様1ドットずつスキッ
プした間欠的記録を行わせる(ステップ120)。すな
わち、往路印字と重ならないように、1ドットだけ主走
査方向に記録位置をずらせた後、1ドット飛びの間欠記
録を実行する。
【0037】勿論、往路の印字データと復路の印字デー
タは、1ドット分だけ副走査方向にシフトしたものを用
い、各印字データを記録すべき位置に印字するようにし
ている。
【0038】つぎに、記録紙を1行分だけ搬送し(ステ
ップ130)、前述と同様の処理を繰り返す。
【0039】この結果、図7(b)に示すように、水性
インクによる記録ドット(黒丸)と油性インクによる記
録ドット(白丸)が主走査方向および副走査方向につい
て交互に、すなわち千鳥状に記録される。すなわち、水
性インクによる記録ドットは、油性インクによる記録ド
ットのみと隣接し、油性インクによる記録ドットは水性
インクによる記録ドットのみと隣接することになる。
【0040】このような記録動作が、各色の記録ヘッド
について同様に実行される。
【0041】上述した記録ヘッドによる記録方法では、
水性インクの記録ドット位置と油性インクの記録ドット
とは記録用紙上で固定的に設定される。
【0042】したがって、カラー記録とき、各色の水性
インクは水生インク同士の位置に、各色の油性インクは
油性インク同士の位置に記録されることになる。
【0043】このように本実施形態によれば、水性イン
クと油性インクとは互いに混ざり合うことはないので、
にじみまたは混色のない画像を高速で得ることができる
ようになる。
【0044】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0045】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0046】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0047】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0048】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0049】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0050】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0051】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0052】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、水
性インクの記録ドットと油性インクの記録ドットが主走
査方向および副走査方向について交互に配列された記録
をおこなうようにしたので、記録速度を低下させること
なく、境界にじみ、混食の発生しない高画質、高品質の
画像を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインクジェット記録装置の内部構成
例を示す斜視図である。
【図2】この発明のインクジェット記録装置の制御系の
構成例を示すブロック図である。
【図3】この発明のインクジェット記録装置に用いられ
る記録ヘッドの概念的構成を示す斜視図である。
【図4】この発明のインクジェット記録装置に用いられ
る記録ヘッドのフェース面を示す図である。
【図5】この発明のインクジェット記録装置のインク供
給系の概念的構成を示す斜視図である。
【図6】この発明のインクジェット記録装置の記録動作
の一実施形態を示すフローチャートである。
【図7】この発明のインクジェット記録装置の往動走査
時および復動走査時の記録結果を示す図である。
【図8】色パターンの一例を示す図である。
【図9】図8の色パターンを実現する複数色のインクの
重ね合わせ態様を示す図である。
【図10】図8の色パターンを実現する複数色のインク
の経時的な重ね合わせ態様を示す図である。
【符号の説明】
1 キャリッジ 2 記録ヘッド 3 インクタンク 4 ガイドシャフト 5 ギア 6 ギア 7 キャリッジ駆動モータ 20 CPU 23 ヘッドドライバ 25 モータドライバ 26 モータドライバ Nw 水性インクノズル No 油性インクノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青野 清美 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小俣 好一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 岡崎 猛史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 但馬 裕基 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA11 EC12 EC34 EC71 EC74 EE09 FA03 FA11 FC01 FC02 HA22 2C062 KA03 2H086 BA03 BA04 BA51

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飛翔させたインク液滴を記録媒体に付着
    させることにより記録を行うインクジェット記録方法に
    おいて、 水性インクのインク液滴と油性インクのインク液滴が記
    録媒体上で主走査方向および副走査方向について交互に
    配列されて記録が行われることを特徴とするインクジェ
    ット記録方法。
  2. 【請求項2】 複数のノズルが配列される記録ヘッドを
    用い、前記記録ヘッドを前記記録素子の配列方向と異な
    る主走査方向に記録媒体に対して相対的にスキャンする
    とともに、記録媒体を前記主走査方向とは異なる副走査
    方向に前記記録ヘッドに対して相対的に搬送して記録動
    作を行わせるようにしたインクジェット記録装置におい
    て、 前記記録ヘッドは水性インクを吐出する水性インクノズ
    ルと油性インクを吐出する油性インクノズルとが交互に
    一列に配設されたものであり、 往動主走査のときは前記記録ヘッドに1ドットずつスキ
    ップした間欠的記録を行わせ、復動主走査のときは記録
    媒体上の記録位置を前記副走査方向に1ノズル分ずらせ
    るとともに前記往動主走査のスキップされた領域に対し
    て1ドットずつスキップした間欠的記録を行わせる制御
    手段を具えるようにしたことを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録ヘッドは、色の異なるインクの
    記録媒体上での重ね合わせによって複数色の画像記録が
    可能なように異なる色のインクを吐出する複数の記録ヘ
    ッドを有し、これら各記録ヘッドは、水性インクを吐出
    する水性インクノズルと油性インクを吐出する油性イン
    クノズルとが交互に一列に配設されたものであることを
    特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録ヘッドは、インクを吐出するた
    めに利用されるエネルギを発生する素子として、インク
    に膜沸騰を生じさせる熱エネルギを発生する電気熱変換
    体を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載のインクジェット記録装置。
JP27524199A 1999-09-28 1999-09-28 インクジェット記録方法および装置 Pending JP2001096731A (ja)

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