JPH11179218A - イオン交換樹脂 - Google Patents

イオン交換樹脂

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JPH11179218A
JPH11179218A JP9350904A JP35090497A JPH11179218A JP H11179218 A JPH11179218 A JP H11179218A JP 9350904 A JP9350904 A JP 9350904A JP 35090497 A JP35090497 A JP 35090497A JP H11179218 A JPH11179218 A JP H11179218A
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JP
Japan
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ion exchange
exchange resin
monomer
water
group
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Application number
JP9350904A
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English (en)
Inventor
Jiyunya Watanabe
純哉 渡辺
Tsunehiko Kurata
恒彦 倉田
Naoko Takasaki
直子 高崎
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水洗性、再生効率が好適であるばかりでな
く、製造時の外観、機械的強度、反応速度に優れ、濁度
発生率が低い等諸物性を兼備した、バランスのとれたイ
オン交換樹脂を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 で表される重合性単量体0.1〜99モル%と該重合性
単量体と共重合可能な他のビニルモノマー99.9〜1
モル%を共重合して得られる架橋共重合体にイオン交換
基が導入されてなるイオン交換樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイオン交換樹脂に関
し、更に詳しくはジビニルビフェニルを架橋モノマーと
して製造したイオン交換樹脂に関する。本発明のイオン
交換樹脂は、水洗性が良好な上、製造時の外観、機械的
強度、反応速度、再生効率に優れ、濁度発生率が低い性
質を持ち、通常の水の脱塩のみならず、超純水製造分野
に極めて有用である。
【0002】
【従来の技術】一般にイオン交換樹脂は、モノビニルモ
ノマーと、架橋モノマーとしてポリビニルモノマーを、
水中で懸濁重合することにより球状架橋重合体とした
後、適切な方法でイオン交換基を導入することにより合
成されている。この架橋共重合体を合成する場合、一般
的にモノビニルモノマーとしてスチレンを用い、架橋モ
ノマーとしては、その化学的安定性からジビニルベンゼ
ンを使用することが多い。
【0003】しかし、スチレン/ジビニルベンゼンから
なる共重合体からなるイオン交換樹脂では、ジビニルベ
ンゼン量が多く、水分値も低い高架橋度のイオン交換樹
脂において、再生処理に必要となる再生剤量が増加する
ことが知られている。また高架橋度のイオン交換樹脂で
は、樹脂の水洗性が低架橋度品に比べ著しく悪いことが
知られている。
【0004】これらの欠点を改善するため、種々の架橋
モノマーを用いたイオン交換樹脂が提案されている。Y
urchenkoらは、架橋モノマーとしてビス(p−
ビニルフェニル)ヘキサン、ビス(p−ビニルフェニ
ル)デカンを使用し、架橋モノマー含有率が4重量%以
下の樹脂中水分が比較的高い場合にトリエチルベンジル
アンモニウムイオンやメチレンブルーといった分子量の
大きな有機物イオンの拡散が、架橋モノマーとしてジビ
ニルベンゼンを使用した場合よりも改善されることに言
及している(Zhurnal Prikladoi K
himii,46(12),2779−2782(19
73)。しかし、水分の低い架橋高分子について、また
低分子物質の拡散については言及していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来のイオン交換樹脂の欠点を克服し、水洗性、再生効
率が好適であるばかりでなく、製造時の外観、機械的強
度、反応速度に優れ、濁度発生率が低い等諸物性を兼備
した、バランスのとれたイオン交換樹脂を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明により上記目的を
達成しうるイオン交換樹脂が提供される。即ち、本発明
の要旨は、一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】で表される重合性単量体0.1〜99モル
%と該重合性単量体と共重合可能なビニルモノマー9
9.9〜1モル%を共重合して得られる架橋共重合体に
イオン交換基が導入されてなるイオン交換樹脂に関す
る。本発明の好ましい態様として、ビニルモノマーの主
成分がスチレンであること、イオン交換基がスルホン酸
基、または、4級アンモニウム基(−N+ 1 23
X:R1 〜R3 はそれぞれ独立して炭素数が1〜4のア
ルキル基またはアルカノール基を示し、Xは陰イオンを
示す)であること、イオン交換樹脂中の水分の含有率が
50重量%以下であることが挙げられる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に於いて使用される上記一
般式(1)で表される重合性単量体(以下、「ジビニル
ビフェニル組成物」と称することもある。)は、ビニル
基の置換位置が異なるジビニルビフェニルの異性体混合
物であって、それぞれの異性体の含有量は任意の値をと
ることができる。
【0010】ジビニルビフェニル組成物は、公知の技術
によって合成可能であって、ジエチルビフェニルの脱水
素反応によって得られる。例えば原料のジエチルビフェ
ニルは、エチレンによるビフェニルのアルキル化反応、
あるいはビフェニルとポリエチルベンゼン等とのトラン
スアルキル反応等によって製造できる(特開平9−15
1140号公報参照)。
【0011】本発明の目的を達成するために用いられる
一般式(1)の重合性単量体の使用量は、0.1〜99
モル%、好ましくは0.1〜85モル%の範囲である。
重合性単量体の使用量は、使用目的や配合する重合性単
量体と共重合可能な他のビニル系モノマーの種類に応じ
て0.1〜99モル%の範囲で自由に変えることができ
る。ジビニルビフェニル組成物と共重合可能なビニルモ
ノマーとしては、単官能であっても、多官能であっても
よく、一般式(1)の重合性単量体と相溶性のあるもの
で有れば特に制限はない。モノビニルモノマーとして
は、スチレン、ビニルナフタレン、ビニルトルエン、エ
チルビニルベンゼン、フルオロスチレン、クロルスチレ
ン、ブロモスチレン、メトキシスチレン、クロロメチル
スチレン等の核置換スチレン、ビニルピリジン等、芳香
族モノビニルモノマーが挙げられるが、特にスチレンが
好ましい。また、少なくとも2個以上のビニル基を有す
る他の架橋モノマーと混合して用いても良い。これらの
ビニル系モノマーの使用量は99.9〜1モル%、好ま
しくは99.9〜15モル%である。
【0012】なお、少なくとも2個以上のビニル基を有
する架橋モノマーとしては、ジビニルベンゼン、ジビニ
ルトルエン、ジビニルナフタレン、ジビニルキシレン、
エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリ
コールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート等が挙げられる。これらの中ではジビニ
ルベンゼンが好ましい。
【0013】上記のようなモノビニルモノマー、他の架
橋モノマー以外に、必要に応じ、付加重合性モノマーを
共重合成分として使用することも可能である。付加重合
性モノマーの具体例としては、メタクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル等のメタクリ
ル酸アルキルエステル。アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル等のアクリル酸アルキルエ
ステル。メタクリル酸アクリル酸、アクリロニトリル、
メタクリル酸ニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエ
ン、イソプレン等が挙げられる。
【0014】本発明で3次元架橋骨格の共重合体はラジ
カル重合により生成することができる。ラジカル重合に
於いて用いられるラジカル開始剤は、熱、マイクロ波、
赤外線、または紫外線によってラジカルを生成し得るも
ので有ればいずれのラジカル開始剤の使用も可能であ
り、イオン交換樹脂の用途、目的に応じて適宜選択する
ことができるが、特に熱によってラジカルを発生するも
のが好ましい。例えば有機過酸化物、具体的にはケトン
パーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシ
エステル、パーオキシカーボネイト、アセチルアセトン
パーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ラウロイ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、スクシ
ン酸パーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ス
テアロイルパーオキサイド等、またアゾ化合物、具体的
にはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスバレロニト
リル等が有効である。
【0015】ラジカル重合開始剤の使用量は、ラジカル
重合開始剤の種類、仕込モノマーの種類及び組成比によ
り変化するので一概には決められないが、原料モノマー
に対して0.03重量%以上5重量%以下が好ましい。
更に好ましくは0.1〜2重量%あることが好ましい。
0.03重量%未満では重合が実質的に進まず、また5
重量%を越える使用量では経済的でないうえに、場合に
よっては重合中に発泡したり、重合によって得られる組
成物の分子量が著しく小さくなるため好ましくない。
【0016】重合温度及び重合時間については、使用す
るラジカル重合開始剤の種類及びその使用量により異な
るため一概には規定できないが、重合温度については通
常0℃〜200℃の範囲が好ましく、重合時間について
は通常0.5〜50時間の範囲が好ましい。本発明に於
いて重合方法は特に限定されないが、球状の共重合体を
生成させる為には、水または他の水性媒体中でモノマー
混合物及び重合開始剤を撹拌により懸濁状態を保ちつつ
重合反応を行う。懸濁安定剤として、モノマー混合物を
より安定に保持するため適切な物質を使用する。具体的
には、ポリビニルアルコール、ゼラチン、キサンタンガ
ム、メタクリル酸ナトリウム、メチルセルロース等が好
ましいがこれに限定されるものではない。通常懸濁安定
剤は、懸濁媒体の水に対して0.05〜1.0重量%で
使用されるのが好ましい。本発明に於いて球状の共重合
体を生成させる場合、モノマー混合物と懸濁媒体の容積
比は、一般的に1:10〜1:2で、懸濁媒体の方を多
くするのが好ましい。
【0017】本発明において生成される共重合体は、最
終的な形態が細孔を有する多孔質体、細孔構造を持たな
いゲル体のいずれでも良い。多孔質形の共重合体を製造
するには、イオン交換樹脂の製造で一般的に使用されて
いる方法を用いる。具体的には多孔化剤をモノマー混合
物に添加して重合反応を行う方法がある。多孔化剤とし
ては、水に不溶な有機溶媒で、モノマーをよく溶解し、
且つ生成する共重合体を全く或いはほとんど膨潤させな
いものを用いても良い。より具体的には、トルエン、t
ert−アミルアルコール、sec−ブタノール、ヘプ
タン、イソオクタン、テトラクロロエタン、ジクロロベ
ンゼン等の有機溶媒が好ましい。
【0018】また、水に不溶な有機溶媒で、モノマーを
よく溶解するが、生成する共重合体に対して親和性のあ
る膨潤剤と、親和性のない沈殿剤の混合物を、モノマー
の混合物に添加して重合させた後、添加溶媒を除去する
ことにより多孔質形の共重合体を製造する方法も使用で
きる。具体的には、トルエンとヘキサンを混合して使用
する例がある。
【0019】また、線状重合体とその希釈剤をモノマー
混合物に添加して重合反応を行った後、これらを除去す
ることにより、多孔質型の共重合体も使用できる。具体
的には、ポリスチレンとトルエンの混合物を添加する例
がある。本発明によって製造されるイオン交換樹脂の形
状は、特に限定されず、板状、膜状、繊維状、球状等い
かなる形態もとることができる。最も一般的な形状は球
状である。
【0020】イオン交換樹脂の製造方法としては特公昭
36−2192号公報に記載の方法がある。この方法
は、モノビニルモノマーとポリビニルモノマーの重合に
おいて、重合反応の途中で、生成した架橋共重合体に、
モノマーを新たに添加しつつ重合させるものである。こ
のような方法を本発明の架橋モノマーを使用した合成方
法として利用することも可能である。
【0021】このようにして得られた共重合体に、従来
の方法に従って官能基を付与しイオン交換樹脂を得るこ
とができる。具体的には、スルホン酸基(−SO
3 H)、またはスルホン酸塩基(−SO3M:Mは通常
アルカリ金属イオン)を含有する強酸性陽イオン交換樹
脂;カルボン酸基(−COOH)、またはカルボン酸塩
基(−COOM)を有する弱酸性陽イオン交換樹脂;4
級アンモニウム基(−N+ 1 2 3 X:R1 〜R3
はアルキル基またはアルカノール基、Xは陰イオン)を
含有する強塩基性イオン交換樹脂;及びトリアルキルア
ミノ基(−NR1 2 :R1 、R2 は通常アルキル基ま
たはヒドロキシアルキル基)を含有する弱塩基性陰イオ
ン交換樹脂を構成する官能基、具体的にはスルホンアミ
ド、トリアルキルアミノ、テトラアルキルアンモニウ
ム、カルボキシル、カルボキシレート、スルホニック、
スルホン酸塩、ヒドロキシアルキルアンモニウム、フォ
スフォネート及びイオン交換樹脂の分野で公知のその他
の官能基がこれに含まれる。
【0022】共重合体をイオン交換樹脂に転化する官能
基化反応は、濃硫酸によるスルホン化、クロロスルホン
酸によるクロロスルホン化に続くアミノ化、塩化スルフ
リルまたは塩化チオニルとの反応に続くアミノ化及びク
ロロメチル化に続くアミノ化等によって代表される。濃
硫酸によるスルホン化を実施する場合、反応温度、反応
時間、硫酸量によりスルホン化反応率は制御可能であ
る。
【0023】従来のスチレン/ジビニルベンゼン共重合
体をスルホン化しイオン交換樹脂とした場合、これらの
反応条件を厳しいものとしても、反応率を上げベンゼン
環1分子あたりにスルホン酸基1分子を導入すること
は、困難であった。しかし、本発明におけるジビニルビ
フェニルを架橋モノマーとして製造した共重合体を使用
した場合、より穏やかな条件、具体的には低い温度、少
ない反応時間、少ない硫酸量で高反応率のスルホン化を
実施可能である。
【0024】更に、スルホン化反応に引き続き廃硫酸の
除去操作、具体的には硫酸濃度を徐々に低下させ反応系
内から除く操作が必要となるが、本発明における共重合
体を使用した場合、反応に使用する硫酸量が少なく、結
果として廃硫酸量が従来よりも少量で済むという経済的
な効果がある。スルホン化以外の官能基化反応に於いて
も同様に、従来のスチレン/ジビニルベンゼン共重合体
を用いた場合よりも、反応温度、反応時間、反応に使用
する試薬量において、より穏やかな条件下で高反応率の
官能基化が実施可能である。
【0025】このようにして得られるイオン交換樹脂の
水分量は50重量%以下となる。本発明で得られたイオ
ン交換樹脂は、特に水分が低い場合に従来のスチレン/
ジビニルベンゼン共重合体から調製されたイオン交換樹
脂より、性能面でより優位である。具体的には、無機イ
オン等低分子物質の拡散速度、再生率水洗性で優れた性
能を発揮する。性能の優位性は特に、水分が50重量%
以下で顕著である。このようにして得られるイオン交換
樹脂は、従来イオン交換樹脂が使用されている分野で使
用することが可能である。具体的には水あるいは水溶液
からの脱イオンやイオン交換に使用できる。
【0026】具体的な用途は、硬水軟化、純水製造、金
属回収分離、薬液精製、糖液精製、アミノ酸分離精製等
である。また、固体酸性触媒、固体塩基性触媒として、
有機反応の触媒に利用できる。具体的には、ダイヤイオ
ンマニュアル2(三菱化学(株)刊、平成2年第3版、
193〜199頁)に示されるように、加水分解反応等
の触媒として使用することが可能である。
【0027】本発明のイオン交換樹脂は、優れた再生性
を有し、再生時に必要となる再生剤量が少なくて済むと
いう点で、経済的な効果を得ることができる。また、再
生工程で発生する廃棄物量を低減できるという点で、環
境保全への効果も期待できる。また、水洗性に優れると
いう特性を有しており、各種溶液を通液した後の水洗工
程において、少量の水で残留物質濃度の低減が可能であ
る。
【0028】本発明で得られたイオン交換樹脂の具体的
な使用方法として、超純水の製造が挙げられる。イオン
交換樹脂でイオン性物質を除去する工程が含まれる超純
水の製造工程では、イオン交換樹脂からの溶出物による
汚染が超純水の物性に悪影響を防ぐため、使用前のイオ
ン交換樹脂にあらかじめ純水を通液し、イオン交換樹脂
からの溶出物等を除去するのが一般的である。しかしこ
の操作は、得ようとしている超純水の一部を製造プロセ
ス内で消費する事であり、プロセス効率を低下させてい
る。本発明のイオン交換樹脂は、水洗性に優れているの
で、少量の超純水を消費するのみで、使用前の溶出物除
去が可能であり、プロセスを効率よく運用する事ができ
る。
【0029】より具体的な使用方法としては、例えば原
水に凝集濾過による懸濁物除去、それに次ぐイオン交換
樹脂によるイオン性物質の除去を施し、脱イオン水とし
た後、更に紫外線照射による有機物分解、減圧下での溶
存ガス除去、強酸性陽イオン交換樹脂と強塩基性イオン
交換樹脂の混合床での溶存イオンの除去等の工程を経て
純水を得る。この純水を更に短波長の紫外線照射で有機
物を炭酸ないしカルボン酸に分解し強塩基性イオン交換
樹脂での処理と、強酸性イオン交換樹脂と強塩基性イオ
ン交換樹脂の混合床での処理によりイオン性物質を除去
し超純水を得るが、純水を処理する工程において本発明
で得られたイオン交換樹脂を使用することが可能であ
る。
【0030】
【発明の効果】本発明のイオン交換樹脂は、水洗性が良
好な上、製造時の外観、機械的強度、反応速度、再生効
率に優れ、濁度発生率が低い性質を有し、通常の脱塩の
みでなく、超純水製造分野に極めて有用である。
【0031】
【実施例】以下の実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明は実施例により限定されるものではない。 <実施例> (イオン交換樹脂の製造:Lot.No DVBP1)
スチレン試薬1級(キシダ化学社製)536.5gと純
度51.9重量%のジビニルビフェニル163.5gを
混合した(即ちモノマー総量700gスチレン:ジビニ
ルビフェニル、モル比14:1のモノマー混合物)。重
合開始剤として純度85重量%の1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン(日本油
脂社製)1.56g(0.2重量%/モノマー)を添加
し更に混合しモノマー相を調製した。重合浴には、脱塩
水に分散安定剤ポリビニルアルコールを濃度0.5重量
%となるよう溶解した水溶液2230mlを用いた。室
温下でガラス製筒状セパラブルフラスコ内に同水溶液を
投入し、その後モノマー相を分散させた。油滴の粒径が
350μm前後になるよう分散状態を調整した。その後
2時間で85℃迄昇温し、85℃で12時間加熱重合し
た。得られた架橋重合体は脱塩水洗浄し、12時間室温
で風乾した後、80℃−8時間減圧下で加熱乾燥した。
その結果、収率98.9%で球状の架橋共重合体を得
た。
【0032】得られた架橋共重合体のうち、100gを
ガラス製4口フラスコ中でクロルメチルメチルエーテル
(和光純薬工業社製)400mlに浸せきし室温下で撹
拌し1時間膨潤させた。その後塩化亜鉛特級試薬(キシ
ダ化学社製)50gを添加し、更に室温下で1時間撹拌
した。続いて2時間で45℃まで昇温し、45℃で12
時間加熱してクロルメチル基を導入した。反応後は室温
まで冷却した後、フラスコ内を撹拌しつつ滴下漏斗によ
り500mlの純水を4時間かけて滴下し、触媒を失活
させると共に、クロルメチルメチルエーテルを分解し
た。クロルメチル化された球状重合体(以下CMP)は
脱塩水により洗浄した後12時間室温で風乾した。CM
Pは乾燥重量中18.7%のCl成分の含有していた。
【0033】風乾したCMP50gと200mlのトル
エン特級試薬(キシダ化学社製)を4口フラスコ中に入
れ、室温下で1時間撹拌し充分膨潤させた。続いて純水
200mlトリメチルアミン30%水溶液(キシダ化学
社製)200mlを投入し、2時間で50℃まで昇温
し、50℃で8時間加熱して4級アンモニウム基を導入
した。続いて昇温しトルエンを留去し目的の強塩基性ア
ニオン交換樹脂を得た。
【0034】(イオン交換樹脂の製造:Lot.No
DVBP2)同様に、スチレン試薬1級(キシダ化学社
製)610.2gと純度51.9重量%のジビニルビフ
ェニル89.8gを混合した(即ちモノマー総量700
gスチレン:ジビニルビフェニル、モル比28:1のモ
ノマー混合物)を出発物質として強塩基性アニオン交換
樹脂を得た。
【0035】(イオン交換樹脂の製造:Lot.No
DVBP3)同様にスチレン試薬1級(キシダ化学社
製)657.7gと純度51.9重量%のジビニルビフ
ェニル42.3gを混合した(即ちモノマー総量700
gスチレン:ジビニルビフェニル、モル比61:1のモ
ノマー混合物)を出発物質として強塩基性アニオン交換
樹脂を得た。以上試作樹脂のイオン交換容量及び水分は
表−1の通りであった。なお交換容量、及び水分測定に
際しては、樹脂をCl形に調製し、充分水洗の後定法に
従って測定した。
【0036】
【表1】 表−1 イオン交換容量及び水分 ─────────────────────────────────── Lot.No DVBP1 DVBP2 DVBP3 ─────────────────────────────────── イオン交換容量 meq/ml 1.62 1.38 0.85 meq/dry-g 3.73 4.19 4.50 水 分 % 39.9 53.4 72.2 ───────────────────────────────────
【0037】<比較例> (イオン交換樹脂の製造:Lot.No DVB1)ス
チレン試薬1級(キシダ化学社製)600.7gと純度
56.4重量%のジビニルベンゼン(新日鐵化学社製)
99.3gを混合した(即ちモノマー総量700gスチ
レン:ジビニルベンゼン、モル比14:1のモノマー混
合物)を出発物質として、実施例1と同様に強塩基性ア
ニオン交換樹脂を調製した。
【0038】(イオン交換樹脂の製造:Lot.No
DVB2)スチレン試薬1級(キシダ化学社製)64
6.6gと純度56.4重量%のジビニルベンゼン(新
日鐵化学社製)53.4gを混合した(即ちモノマー総
量700gスチレン:ジビニルベンゼン、モル比28:
1のモノマー混合物)を出発物質として、実施例と同様
に強塩基性アニオン交換樹脂を調製した。
【0039】(イオン交換樹脂の製造:Lot.No
DVB3)スチレン試薬1級(キシダ化学社製)67
5.2gと純度56.4重量%のジビニルベンゼン(新
日鐵化学社製)24.8gを混合した(即ちモノマー総
量700gスチレン:ジビニルベンゼン、モル比61:
1のモノマー混合物)を出発物質として、実施例と同様
に強塩基性アニオン交換樹脂を調製した。以上試作樹脂
のイオン交換容量及び水分は表−2の通りであった。
【0040】
【表2】 表−2 イオン交換容量及び水分 ─────────────────────────────────── Lot.No DVB1 DVB2 DVB3 ─────────────────────────────────── イオン交換容量 meq/ml 1.55 1.27 0.82 meq/dry-g 4.48 4.25 3.76 水 分 % 42.0 56.0 72.8 ───────────────────────────────────
【0041】(水洗性の評価)トルエン留去後の強塩基
性アニオン交換樹脂を、フラスコ内の残存液ごとサラン
布袋に開け、袋内の樹脂を遠心脱水機により3000r
pmで5分間脱水した。脱水樹脂を水膨潤状態で45m
lをカラムに充填し、脱塩水を通液した。通液温度は2
5℃、通水速度はSV=20となるように調節した。通
水に際しては、経時的に洗浄水をサンプリングし、島津
社製TOC5000AによるNPOC法により総有機炭
素量を測定した。図1にDVBP1の総有機炭素量測定
結果を示す。●はDVBP1を、○はDVB1を示す。
この結果より本発明のアニオン交換樹脂は良好な水洗性
を有することを確認した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で得られたDVBP1と比較例で得られ
たDVB1の水洗性を評価した結果を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 212/34 C08F 212/34

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋モノマーとして一般式(1) 【化1】 で表される重合性単量体0.1〜99モル%と該重合性
    単量体と共重合可能なビニルモノマー99.9〜1モル
    %を共重合して得られる架橋共重合体にイオン交換基が
    導入されてなるイオン交換樹脂。
  2. 【請求項2】 ビニルモノマーの主成分がスチレンであ
    ることを特徴とする請求項1記載のイオン交換樹脂。
  3. 【請求項3】 イオン交換基がスルホン酸基であること
    を特徴とする請求項1または2記載のイオン交換樹脂。
  4. 【請求項4】 イオン交換基が4級アンモニウム基(−
    + 1 2 3 X:R1 〜R3 はそれぞれ独立して炭
    素数が1〜4のアルキル基またはアルカノール基を示
    し、Xは陰イオンを示す)であることを特徴とする請求
    項1または2記載のイオン交換樹脂。
  5. 【請求項5】 イオン交換樹脂中の水分の含有率が50
    重量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れかに記載のイオン交換樹脂。
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