JPH11176240A - 耐熱電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
耐熱電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH11176240A JPH11176240A JP9345207A JP34520797A JPH11176240A JP H11176240 A JPH11176240 A JP H11176240A JP 9345207 A JP9345207 A JP 9345207A JP 34520797 A JP34520797 A JP 34520797A JP H11176240 A JPH11176240 A JP H11176240A
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- JP
- Japan
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- vinyl chloride
- chloride resin
- electric wire
- resin composition
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鉛、バリウム等の有害な重金属を用いずに薄
肉電線で１０５℃耐熱をみたす耐熱電線用被覆用塩化ビ
ニル系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂１００重量部に、
（ａ）ハイドロタルサイト化合物の一種以上０．０５〜
１５重量部及び（ｂ）アルキル鎖の４０％以上が直鎖で
あり、主鎖の炭素数が８〜１０であるトリメリテート系
可塑剤２０〜１００重量部を配合した耐熱電線被覆用塩
化ビニル系樹脂組成物。
肉電線で１０５℃耐熱をみたす耐熱電線用被覆用塩化ビ
ニル系樹脂組成物を提供すること。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂１００重量部に、
（ａ）ハイドロタルサイト化合物の一種以上０．０５〜
１５重量部及び（ｂ）アルキル鎖の４０％以上が直鎖で
あり、主鎖の炭素数が８〜１０であるトリメリテート系
可塑剤２０〜１００重量部を配合した耐熱電線被覆用塩
化ビニル系樹脂組成物。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性に優れ、毒性
の少ない耐熱電線用塩化ビニル系樹脂組成物に関するも
のである。
の少ない耐熱電線用塩化ビニル系樹脂組成物に関するも
のである。
【０００２】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、優れた電気絶縁
性、耐アーク性、耐トラッキング性、耐電圧性を有する
為、絶縁材料として非常に重要なものである。しかし通
常安定剤として使用されている鉛等の重金属が、使用後
産業廃棄物となった際に流出することが問題となってい
る。そのため、カルシウム−亜鉛系安定剤等とトリメリ
ット酸系可塑剤など用いられてきたが、薄肉電線（０．
３８mm被覆厚）では１０５℃耐熱は達成されず耐熱電線
被覆材としては不十分であった。
性、耐アーク性、耐トラッキング性、耐電圧性を有する
為、絶縁材料として非常に重要なものである。しかし通
常安定剤として使用されている鉛等の重金属が、使用後
産業廃棄物となった際に流出することが問題となってい
る。そのため、カルシウム−亜鉛系安定剤等とトリメリ
ット酸系可塑剤など用いられてきたが、薄肉電線（０．
３８mm被覆厚）では１０５℃耐熱は達成されず耐熱電線
被覆材としては不十分であった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鉛、バリウ
ム等の有害な重金属を用いずに薄肉電線で１０５℃耐熱
をみたす耐熱電線用被覆用塩化ビニル系樹脂組成物を提
供することにある。
ム等の有害な重金属を用いずに薄肉電線で１０５℃耐熱
をみたす耐熱電線用被覆用塩化ビニル系樹脂組成物を提
供することにある。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩化ビニル系
樹脂１００重量部に、（ａ）ハイドロタルサイト化合物
の一種以上０．０５〜１５重量部及び（ｂ）アルキル鎖
の４０％以上が直鎖であり、主鎖の炭素数が８〜１０で
あるトリメリテート系可塑剤２０〜１００重量部を配合
した耐熱電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物である。
樹脂１００重量部に、（ａ）ハイドロタルサイト化合物
の一種以上０．０５〜１５重量部及び（ｂ）アルキル鎖
の４０％以上が直鎖であり、主鎖の炭素数が８〜１０で
あるトリメリテート系可塑剤２０〜１００重量部を配合
した耐熱電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物である。
【０００５】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる（ａ）ハイド
ロタルサイトは下式（Ｉ）で表される化合物であり、塩
化ビニル樹脂の電気絶縁性及び耐熱性を向上させるもの
である。上記ハイドロタルサイト化合物は、上記一般式
（Ｉ）で表されるように、マグネシウムとアルミニウ
ム、または亜鉛、マグネシウム及びアルミニウムからな
る複塩化合物であり結晶水を脱水したものであってもよ
い。また、下記記ハイドロタルサイト化合物は、２種類
以上併用してもよい。 Ｍｇx1Ｚｎx2Ａｌ2・（ＯＨ）2x1+2x2+4・（ＣＯ3）(1-y)/2（ＣｌＯ4）y・ＭＨ 2 ０ （Ｉ） （式中、ｘ1，ｘ2及びｙはそれぞれ下記式で表される条
件を満足する数を示し、ｍは０または任意に正数を示
す。０≦ｘ2／ｘ1＜１０，２≦ｘ1＋ｘ2＜２０，０≦ｙ
≦２）
ロタルサイトは下式（Ｉ）で表される化合物であり、塩
化ビニル樹脂の電気絶縁性及び耐熱性を向上させるもの
である。上記ハイドロタルサイト化合物は、上記一般式
（Ｉ）で表されるように、マグネシウムとアルミニウ
ム、または亜鉛、マグネシウム及びアルミニウムからな
る複塩化合物であり結晶水を脱水したものであってもよ
い。また、下記記ハイドロタルサイト化合物は、２種類
以上併用してもよい。 Ｍｇx1Ｚｎx2Ａｌ2・（ＯＨ）2x1+2x2+4・（ＣＯ3）(1-y)/2（ＣｌＯ4）y・ＭＨ 2 ０ （Ｉ） （式中、ｘ1，ｘ2及びｙはそれぞれ下記式で表される条
件を満足する数を示し、ｍは０または任意に正数を示
す。０≦ｘ2／ｘ1＜１０，２≦ｘ1＋ｘ2＜２０，０≦ｙ
≦２）
【０００６】ハイドロタルサイト化合物は天然物でもよ
く、また合成物でも良い。該合成品の合成方法としては
特公昭４６−２２８０号公報、特公昭５０−３００３９
号公報、特公昭５１−２９１２９号公報、特公平３−３
６８３９号公報、特公昭６１−１７４２７０号公報など
に記載の公知の方法を例示することができる。またその
ハイドロタルサイトのとる結晶構造については特に規定
しない。
く、また合成物でも良い。該合成品の合成方法としては
特公昭４６−２２８０号公報、特公昭５０−３００３９
号公報、特公昭５１−２９１２９号公報、特公平３−３
６８３９号公報、特公昭６１−１７４２７０号公報など
に記載の公知の方法を例示することができる。またその
ハイドロタルサイトのとる結晶構造については特に規定
しない。
【０００７】またハイドロタルサイト化合物を脂肪酸エ
ステル等のワックスで表面処理しても何ら問題はない。
ステル等のワックスで表面処理しても何ら問題はない。
【０００８】ハイドロタルサイト化合物の配合量は、塩
化ビニル樹脂１００重量部に対して、０．０５〜１５重
量部、好ましくは０．１から１０重量部が適当である。
上０．０５重量部未満の場合には効果がほとんどみられ
ず、１５重量部を越えると増量効果がなく、そのうえ着
色や発泡を生じる可能性がある。
化ビニル樹脂１００重量部に対して、０．０５〜１５重
量部、好ましくは０．１から１０重量部が適当である。
上０．０５重量部未満の場合には効果がほとんどみられ
ず、１５重量部を越えると増量効果がなく、そのうえ着
色や発泡を生じる可能性がある。
【０００９】ハイドロタルサイト化合物は塩化ビニル樹
脂の電気絶縁性を向上させるが、効果が不十分な場合に
は二酸化珪素、クレー等を併用してさらに電気絶縁性を
向上させてもよい。
脂の電気絶縁性を向上させるが、効果が不十分な場合に
は二酸化珪素、クレー等を併用してさらに電気絶縁性を
向上させてもよい。
【００１０】本発明に使用される（ｂ）のトリメリテー
ト系可塑剤は比較的安価な可塑剤で耐熱性に優れている
という特徴を持っており、アルキル鎖が直鎖であるもの
はより耐熱性に優れている。耐熱電線の規格である０．
３８ｍｍ被覆で「有機絶縁物類上限値試験」において１
０５℃耐熱電線を有するためにはアルキル鎖の直鎖率が
４０％以上であることが必要である。アルキル鎖が１種
類でない可塑剤や、２種類以上の可塑剤を使用した場合
においては、すべてのアルキル鎖のうち、４０％以上が
直鎖であればよい。
ト系可塑剤は比較的安価な可塑剤で耐熱性に優れている
という特徴を持っており、アルキル鎖が直鎖であるもの
はより耐熱性に優れている。耐熱電線の規格である０．
３８ｍｍ被覆で「有機絶縁物類上限値試験」において１
０５℃耐熱電線を有するためにはアルキル鎖の直鎖率が
４０％以上であることが必要である。アルキル鎖が１種
類でない可塑剤や、２種類以上の可塑剤を使用した場合
においては、すべてのアルキル鎖のうち、４０％以上が
直鎖であればよい。
【００１１】トリメリテート系可塑剤のアルキル鎖の主
鎖の炭素数は８〜１０である。８未満だと耐熱老化性、
耐寒性などが劣り、１１以上だと加工性、相溶性に問題
が生じる。
鎖の炭素数は８〜１０である。８未満だと耐熱老化性、
耐寒性などが劣り、１１以上だと加工性、相溶性に問題
が生じる。
【００１２】トリメリテート可塑剤の配合量は、塩化ビ
ニル１００重量部に対して２０〜１００重量部である。
上記配合量が２０重量部未満の場合には電線としての柔
軟性が失われ、１００重量部を越える場合は強度が低下
するため好ましくない。
ニル１００重量部に対して２０〜１００重量部である。
上記配合量が２０重量部未満の場合には電線としての柔
軟性が失われ、１００重量部を越える場合は強度が低下
するため好ましくない。
【００１３】本発明に使用される塩化ビニル系樹脂と
は、広くＣＨ2−ＣＨＣｌで表される基を有するポリマ
ーすべてを指し塩化ビニルの単独重合体、及びエチレン
−塩化ビニルの塩化ビニル共重合対等の塩化ビニルと酢
酸ビニルをのぞく他の重合性モノマーとの共重合体、並
びに後塩素化ビニル共重合対等の単独及び共重合体を改
質したもの、さらには塩素化ポリエチレン等の構造上塩
化ビニル樹脂と類似の塩素化ポリオレフィンを包含す
る。本発明の塩化ビニル系樹脂は必要に応じて、前記以
外に滑剤、無機充填剤、キレーター、加工助剤、着色
剤、架橋助剤等を添加してもかまわない。
は、広くＣＨ2−ＣＨＣｌで表される基を有するポリマ
ーすべてを指し塩化ビニルの単独重合体、及びエチレン
−塩化ビニルの塩化ビニル共重合対等の塩化ビニルと酢
酸ビニルをのぞく他の重合性モノマーとの共重合体、並
びに後塩素化ビニル共重合対等の単独及び共重合体を改
質したもの、さらには塩素化ポリエチレン等の構造上塩
化ビニル樹脂と類似の塩素化ポリオレフィンを包含す
る。本発明の塩化ビニル系樹脂は必要に応じて、前記以
外に滑剤、無機充填剤、キレーター、加工助剤、着色
剤、架橋助剤等を添加してもかまわない。
【００１４】以下、実施例によって本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明は、これらの実施例によって制限
されるものではない。
に説明するが、本発明は、これらの実施例によって制限
されるものではない。
【実施例】以下に示す実施例及び比較例において配合し
た成分は、以下の通りである。 ・塩化ビニル樹脂：ＰＶＣ（東ソー(株)製；平均重合度
＝１３００） ・ハイドロタルサイト（協和化学(株)製） ・ＴＯＴＭ（トリオクチルトリメリテート、直鎖率０
％；大日本インキ化学工業(株)製） ・ｎ−ＴＯＴＭ（トリ−ｎ−オクチルトリメリテート、
直鎖率１００％；花王(株 )製）
た成分は、以下の通りである。 ・塩化ビニル樹脂：ＰＶＣ（東ソー(株)製；平均重合度
＝１３００） ・ハイドロタルサイト（協和化学(株)製） ・ＴＯＴＭ（トリオクチルトリメリテート、直鎖率０
％；大日本インキ化学工業(株)製） ・ｎ−ＴＯＴＭ（トリ−ｎ−オクチルトリメリテート、
直鎖率１００％；花王(株 )製）
【００１５】上記化合物をバンバリーミキサーで混練
し、その混練物をロールに通し薄いシート状にした。そ
れをプレス加工して所定の厚みのシート状試料を作成し
た。
し、その混練物をロールに通し薄いシート状にした。そ
れをプレス加工して所定の厚みのシート状試料を作成し
た。
【００１６】その後以下にあげる項目の評価を行った。
以下に評価項目と評価条件を示す。 （１）耐熱温度：電気用品「有機絶縁物類上限値試験」
準拠 厚み０．３８ｍｍ （２）熱安定性：ＪＩＳ Ｋ６７２３準拠 （３）ギアオーブン：２１０℃で加熱、黒化するまでの
時間を測定 これらの結果を表１から表２に示した。なお、比較例
３，４に関してはギアオーブン黒化時間、熱安定性が低
いので耐熱温度測定は行っていない。
以下に評価項目と評価条件を示す。 （１）耐熱温度：電気用品「有機絶縁物類上限値試験」
準拠 厚み０．３８ｍｍ （２）熱安定性：ＪＩＳ Ｋ６７２３準拠 （３）ギアオーブン：２１０℃で加熱、黒化するまでの
時間を測定 これらの結果を表１から表２に示した。なお、比較例
３，４に関してはギアオーブン黒化時間、熱安定性が低
いので耐熱温度測定は行っていない。
【００１７】
【表１】
【００１８】
【表２】
【００１９】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、優
れた耐熱性をもち、薄肉電線（０．３８mm被覆）で耐熱
電線被覆材料として利用することが可能である。また産
業廃棄物での有害重金属の流出も防げるようになった。
れた耐熱性をもち、薄肉電線（０．３８mm被覆）で耐熱
電線被覆材料として利用することが可能である。また産
業廃棄物での有害重金属の流出も防げるようになった。
Claims (1)
- 【請求項１】 塩化ビニル系樹脂１００重量部に、
（ａ）ハイドロタルサイト化合物の一種以上０．０５〜
１５重量部及び（ｂ）アルキル鎖の４０％以上が直鎖で
あり、主鎖の炭素数が８〜１０であるトリメリテート系
可塑剤２０〜１００重量部を配合したことを特徴とする
耐熱電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9345207A JPH11176240A (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | 耐熱電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9345207A JPH11176240A (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | 耐熱電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11176240A true JPH11176240A (ja) | 1999-07-02 |
Family
ID=18375033
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9345207A Pending JPH11176240A (ja) | 1997-12-15 | 1997-12-15 | 耐熱電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11176240A (ja) |
Cited By (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2012102309A (ja) * | 2010-10-13 | 2012-05-31 | Mitsubishi Chemicals Corp | ポリ塩化ビニル樹脂組成物および電線 |
| JP2014189688A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | New Japan Chem Co Ltd | トリメリット酸トリエステルを含有する塩化ビニル系樹脂用可塑剤 |
| JP2016141787A (ja) * | 2015-02-05 | 2016-08-08 | 新日本理化株式会社 | 非フタル酸エステル系の塩化ビニル系樹脂用可塑剤およびそれを含有してなる塩化ビニル系樹脂組成物 |
| JP2016155938A (ja) * | 2015-02-25 | 2016-09-01 | 新日本理化株式会社 | トリメリット酸トリエステルを含有してなる医療用塩化ビニル系樹脂組成物及び医療用材料 |
| WO2016147953A1 (ja) * | 2015-03-13 | 2016-09-22 | 株式会社Adeka | トリメリット酸トリエステル可塑剤およびそれを含有する塩化ビニル系樹脂組成物 |
| EP3124540A1 (en) | 2014-03-27 | 2017-02-01 | New Japan Chemical Co., Ltd. | Plasticizer for vinyl chloride resin containing non-phthalate ester and vinyl chloride resin composition containing such plasticizer |
| US10366806B2 (en) | 2016-05-17 | 2019-07-30 | Yazaki Corporation | Vehicle electric wire and wire harness using the same |
| JPWO2021124901A1 (ja) * | 2019-12-16 | 2021-06-24 |
Citations (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH10212386A (ja) * | 1997-01-28 | 1998-08-11 | Sakai Chem Ind Co Ltd | 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 |
| JPH11140263A (ja) * | 1997-09-08 | 1999-05-25 | Mitsui Chem Inc | 塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた被覆電線 |
-
1997
- 1997-12-15 JP JP9345207A patent/JPH11176240A/ja active Pending
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