JPH0216163A

JPH0216163A - 熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number: JPH0216163A
Application number: JP16516888A
Authority: JP
Inventors: Hideki Imamura; 秀樹今村
Original assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date: 1988-07-04
Filing date: 1988-07-04
Publication date: 1990-01-19

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、射出成形品、チューブ、電線被覆材などの用
途に適する熱可塑性樹脂組成物に関するものである。

とくに、本発明は、エチレン−アクリル酸エステル−マ
レイン酸誘導体の三元共重合体を配合して、機械的こす
れによる白化現象を抑制した、無機充填剤配合の熱可塑
性樹脂ｆＵ成物に関するものである。

（従来の技術）従来より熱可塑性樹脂は、Ｍ燃性の向上、機械的強度の
改善、あるいはコストダウン等の目的のために、種々の
無機充填剤を比較的多量に配合して使用しており、それ
によって熱可塑性樹脂の優れた緒特性を生かして、機械
機構部品、電気部品、自動車部品な、どの用途を開きつ
つある。

（発明が解決しようとする課題）このように、無機充填剤配合の熱可塑性樹脂組成物は種
々多様な用途に適する工業材料として注目されてきてい
るが、従来、このような熱可塑性樹脂組成物は、無機充
填剤の配合量が５０重量部を越えると、該樹脂組成物（
成形品）の表面が機械的にこすられた場合に、容易に白
化してその商品価値が低下するという課題があった。

ところが、本発明者は、上記白色現象について鋭意研究
した結果、エチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸
誘導体の三元共重合体がそのような白色現象を抑制する
ために有効であることを見出し、白色現象が抑制された
無機充填剤配合の熱可塑性樹脂組成物である本発明を完
成するに至った。

（課題を解決するための手段）すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂１００重量部に無機
充填剤５０〜２００重量部を配合してなる組成物におい
て、さらにエチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸
誘導体の三元共重合体５重量部以上を配合してなること
を特徴とする熱可塑性樹脂組成物に関する。

本発明におけるエチレン−アクリル酸エステル−マレイ
ン酸誘導体の三元共重合体はそれ自体既知の樹脂材料で
あり、前記共重合成分、すなわちエチレン、アクリル酸
エステル、およびマレイン酸誘導体を、不活性雰囲気中
で液相を維持するのに十分な比較的高圧下で適切な触媒
を用い溶液又はスラリー重合など適当な重合技術により
製造される。

前記三元共重合体を構成する各共重合成分のモル割合は
任意でありうるが、通常には、エチレン６０〜９５モル
％アクリル酸エステル４０〜５モル％、およびマレイン
酸誘導体０．０５〜３５モル％でありうる。

また、前記三元共重合体を構成する各共重合成分のうち
； ■アクリル酸エステルとしては、１〜２５個の炭素原子
を有するアルキルエステル、とくに例えばメチル、エチ
ル、ブチルなと低級アルキルエステル等があり、好まし
くはアクリル酸エチルである。

■マレイン酸誘導体としては、マレイン酸のエステル、
アミド、イミドおよび無水マレイン酸等があり、無水マ
レイン酸が好ましい。

前記三元共重合体の配合量は、使用する熱可塑性樹脂の
タイプ、無機充填剤の種類と添加量並びに組成物の用途
などにより変更されうるが、５重量部以上、とくに５〜
１５０重量部、好ましくは５〜１００重量部である。こ
の配合量が５重量部以下では所期の目的を達成しえない
。

本発明に使用される熱可塑性樹脂とは、工業材料として
広く使用される任意の熱可塑性樹脂であって、高密度ポ
リエチレン、中・低密度ポリエチレン、結晶性ポリプロ
ピレン、結晶性エチレン−プロピレンブロックコポリマ
ー、ポリブテン、ポリ−４−メチルペンテン−１，エチ
レン又はプロピレンのようなα−オレフィンの共重合体
、例エバ、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチ
レン−アクリル酸エチル共重合体、エチレンーメククリ
ル酸メチル共重合体、およびこれらの混合物からなるポ
リオレフィン類；塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、
スチレン系樹脂等各種の熱可塑性樹脂及びこれらの混合
物が通用可能である。

好ましくは、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、
エチレン−メタクリル酸メチル共重合体である。

また、組成物の耐衝撃性を改良する目的で各種エラスト
マー（ゴム）、樹脂改質材をも配合しうる。

本発明は無機充填剤配合の熱可塑性樹脂に適用されるも
のであるが、同様に無機充填剤が配合されている熱可塑
性の各種エラストマー（又はゴム）にも適用可能である
。

本発明に使用される無機充填剤とは、難燃性の向上、機
械的強度などの改善、コストダウンなど増量の目的など
で熱可塑性樹脂に比較的多量で配合される任意の無機充
填剤であり、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウ
ム、クレー、タルク、亜鉛華、シリカなどの金属の酸化
物；水酸化アルミのような金属水和物（含水酸化物）；
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウムのよ
うな金属の塩ニガラス繊維等であり、とくにクレータル
ク、金属水和物（含水酸化物）が好ましい。

無機充填剤の配合量は、熱可塑性樹脂組成物の使用目的
ならびに用途に応じて増減されるが、熱無機充填剤の配
合量は、熱可塑性樹脂組成物の使用目的ならびに用途に
応じて増減されるが、熱可塑性樹脂１００重量部に対し
て比較的高配合量である５０〜２００重量部である。

本発明の組成物は、とくに、ハロゲン系難燃剤の欠点で
ある燃焼時や成形時にハロゲン系ガスの発生や毒性の問
題を回避できる、いわゆるノンハロ難燃化技術の一貫と
しても行動である。

また、本発明の組成物には、有機ハロゲン化合物、無機
又は有機リン化合物、三酸化アンチモン等のいわゆる難
燃剤を、分解ガスが問題にならない程度の生計併用する
こと、あるいは、既知の難燃助剤などを添加することも
可能である。

さらに、本発明の組成物には、必要に応じて、熱安定剤
、紫外線吸収剤、架橋剤（過酸化物系も含む）、他の充
填剤、発泡剤、滑剤、染料、顔料などの着色剤など有機
性、無機性の各種添加剤を配合できる。

本発明の組成物の製造には、単軸押出機、多軸押出機、
バンバリーミキサ−、ロール、ニーダ−加熱可能なヘン
シェルミキサータイプの高速流動混合機等が使用可能で
あり、各配合成分を熱可塑性樹脂の融点以上の温度で）
８融混練して製造できる。

本発明の組成物の用途は、射出成形品、チューブ、電線
被覆材などがとくに好適であるが、その他押出成形、圧
縮成形、圧延成形、延伸成形、発泡成形等の用途にも適
用できる。

（作用）エチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸誘導体の三
元共重合体が何故に白化現象の抑制に効果があるのか、
現在のところその機構の詳細は判っていないが、次のよ
うに考えた。

すなわち、無機充填剤は、通常親水性であり、熱可塑性
樹脂は親油性である。然るに、これら成分を混合した場
合には、両者の界面は互いに相反する相であるので密着
力が低い。このような状態下で外部より機械的な外力を
加えた場合には、樹脂−無機充填剤の界面がミクロに剥
離して白色を呈するものと推定している。

共重合体を添加すると、水−油系における界面゛活性剤
の如く、両者の間に位置して樹脂−無機充填剤系間の密
着力を向上させ、白化現象を抑制するものと考えられる
。

（実施例）以下に、実施例により本発明を説明する。

第１表に記載の各配合成分を、第１表に示す重量比にて
ベース樹脂分を４００ｇとし、８インチロールにより約
１５分間混練した。この組成物を１３ｃｍＸ１７ｃｍＸ
１１１１ｆｆｌ　（Ｊ’りのプレスシートに成形し、爪
によるひっかき試験を実施した。その結果を第１表に示
す。

なお、実施例に使用した配合成分及びひっかき試験評価
を説明する；（１）ｆｆｉ−ＬＤＰＥ；三井石油化学社製ｒ２０２０
Ｌ　Ｊである低密度ポリエチレン（２）ＥＶＡ；住人化学社製ｒＨ１０１１」であるエチ
レン−ビニルアルコール共重合体。

（３）Ａ　Ｉ　（ＯＨ）、；昭和電工社製「ハイシライ
ト４２ＳＪ（４）三元共重合体；エチレン−エチルアクリレート−
無水マレイン酸三元共重合体（エチレン；エチルアクリ
レート；無水マレイン酸のモル比＝９５：５：３）（５）ＥＥＡ；日本ユニカー社製ｒ　Ｅ　ＥＡ９１６９
」であるエチレン−エチルアクリレート共重合体。

（６）爪によるひっかき試験評価； ○；白化無し、　Δ；僅かに白化第１表の結果から明らかなように、無機充填剤の配合量
が５０重量部以下の場合には（比較例１゜３）、本発明
に係る三元共重合体を全（配合しなくても白化は全く無
いのに、本発明で規定する無機充填剤の配合量範囲内の
５０重量部の場合には（比較例２，４Ｌわずかに白化が
みられた。

しかるに、前記三元重合体を所定量で配合した実施例１
〜６では、無機充填剤の高配合でも、爪によるひっかき
傷の白化は全くなかった。

（発明の効果）以上説明したように、エチレン−アクリル酸エステル−
マレイン＃誘導体の三元共重合体が、機械的なこすれに
よる白化を著しく抑制する効果を有しており、そのため
に、熱可塑性樹脂に無機充填剤を配合して使用する各種
成形製品に利用すると極めて効果的である。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）熱可塑性樹脂１００重量部に無機充填剤５０〜２
００重量部を配合してなる組成物において、さらにエチ
レン−アクリル酸エステル−マレイン酸誘導体の三元共
重合体５重量部以上を配合してなることを特徴とする熱
可塑性樹脂組成物。
（２）前記熱可塑性樹脂がエチレン−ビニルアルコール
共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチ
レン−メタクリル酸メチル共重合体および（又は）ポリ
プロピレンである請求項（１）記載の熱可塑性樹脂組成
物。
（３）前記無機充填剤がクレー、タルク、および（又は
）金属水和物（含む水酸化物）である請求項（１）記載
の熱可塑性樹脂組成物。