JPH11175956A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH11175956A JPH11175956A JP33590797A JP33590797A JPH11175956A JP H11175956 A JPH11175956 A JP H11175956A JP 33590797 A JP33590797 A JP 33590797A JP 33590797 A JP33590797 A JP 33590797A JP H11175956 A JPH11175956 A JP H11175956A
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- Japan
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- iron oxide
- magnetic
- oxide powder
- undercoat layer
- atomic
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 表面平滑性をさらに向上させ、電磁変換特性
に優れた磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体上に酸化鉄粉末と結合剤と
を主体とする下塗り層が形成され、下塗り層上に強磁性
金属粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成されてな
る磁気記録媒体において、上記酸化鉄粉末は、アルミニ
ウムを鉄に対して0.2〜2.0原子%、イットリウム
を鉄に対して0.5〜2.5原子%含有し、比表面積が
60m2/g未満であり、長軸長と短軸長との比が8以
上である。
に優れた磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体上に酸化鉄粉末と結合剤と
を主体とする下塗り層が形成され、下塗り層上に強磁性
金属粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成されてな
る磁気記録媒体において、上記酸化鉄粉末は、アルミニ
ウムを鉄に対して0.2〜2.0原子%、イットリウム
を鉄に対して0.5〜2.5原子%含有し、比表面積が
60m2/g未満であり、長軸長と短軸長との比が8以
上である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オーディオテー
プ、ビデオテープ、データカートリッジ、フロッピーデ
ィスク等に用いられる磁気記録媒体に関するものであ
り、特に下塗り層の改良に関するものである。
プ、ビデオテープ、データカートリッジ、フロッピーデ
ィスク等に用いられる磁気記録媒体に関するものであ
り、特に下塗り層の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】オーディオ装置、ビデオ装置、コンピュ
ータ装置等で用いられる記録媒体としては、磁性粉末、
結合剤及び各種添加剤を有機溶媒に分散、混練すること
で調製される磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布、乾燥
することで磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気
記録媒体が生産性、汎用性に優れることから主流を占め
ている。
ータ装置等で用いられる記録媒体としては、磁性粉末、
結合剤及び各種添加剤を有機溶媒に分散、混練すること
で調製される磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布、乾燥
することで磁性層が形成される、いわゆる塗布型の磁気
記録媒体が生産性、汎用性に優れることから主流を占め
ている。
【0003】ところで、前述したような各種の磁気記録
再生装置においては、近年、小型軽量化、高画質化、長
時間化が進められ、それに伴いこれらの装置で使用する
磁気記録媒体に対しても高密度記録化が強く要請される
ようになっている。
再生装置においては、近年、小型軽量化、高画質化、長
時間化が進められ、それに伴いこれらの装置で使用する
磁気記録媒体に対しても高密度記録化が強く要請される
ようになっている。
【0004】塗布型の磁気記録媒体の高密度記録領域で
の特性を改善するには、まず磁性層に含有させる磁性粉
末の選択が重要である。すなわち、磁性粉末としては、
保磁力が高く、飽和磁束密度が大きく、微細粒子である
ことが求められる。このため、磁性層に含有させる磁性
粉末としては、従来より用いられている酸化鉄系磁性粉
末に代わり、鉄を主体とする強磁性金属粉末が使用され
るようになっている。
の特性を改善するには、まず磁性層に含有させる磁性粉
末の選択が重要である。すなわち、磁性粉末としては、
保磁力が高く、飽和磁束密度が大きく、微細粒子である
ことが求められる。このため、磁性層に含有させる磁性
粉末としては、従来より用いられている酸化鉄系磁性粉
末に代わり、鉄を主体とする強磁性金属粉末が使用され
るようになっている。
【0005】また、これら強磁性金属粉末を用いた磁気
記録媒体においては、高密度記録領域での特性をさらに
改善する目的で、磁性層の薄層化が行われるようになっ
ている。磁性層の薄層化によって磁化領域の反磁界が減
少するので、即ち自己減磁損失が減少するので、その結
果、磁気記録媒体の電磁変換特性を改善することができ
る。
記録媒体においては、高密度記録領域での特性をさらに
改善する目的で、磁性層の薄層化が行われるようになっ
ている。磁性層の薄層化によって磁化領域の反磁界が減
少するので、即ち自己減磁損失が減少するので、その結
果、磁気記録媒体の電磁変換特性を改善することができ
る。
【0006】磁性層の薄層化の手法としては、主に同時
二層塗布が採用されている。同時二層塗布は、非磁性支
持体上にダイコート法により磁性層形成用塗料と下塗り
層形成用塗料とをダイから同時に押し出しながら塗布す
る方法である。この同時二層塗布によれば、一般に下塗
り層の厚みを1μm〜3μmとすることにより、磁性層
の厚みを0.1〜0.5μmオーダーで塗布した場合で
あっても、磁性層を単層で薄層塗布する場合に比べ均一
で安定に塗布できる。
二層塗布が採用されている。同時二層塗布は、非磁性支
持体上にダイコート法により磁性層形成用塗料と下塗り
層形成用塗料とをダイから同時に押し出しながら塗布す
る方法である。この同時二層塗布によれば、一般に下塗
り層の厚みを1μm〜3μmとすることにより、磁性層
の厚みを0.1〜0.5μmオーダーで塗布した場合で
あっても、磁性層を単層で薄層塗布する場合に比べ均一
で安定に塗布できる。
【0007】このような下塗り層は、非磁性であること
又は強磁性であっても磁化量および保磁力が小さいこと
が好ましい。それは下塗り層の磁化量および保磁力が大
きい場合、磁性層の自己減磁損失を大きくする方向に働
くからである。
又は強磁性であっても磁化量および保磁力が小さいこと
が好ましい。それは下塗り層の磁化量および保磁力が大
きい場合、磁性層の自己減磁損失を大きくする方向に働
くからである。
【0008】このような下塗り層と薄層化された磁性層
とからなる磁気記録媒体は、総合的な磁気記録媒体とし
ての性質(電磁変換特性だけでなく耐久性も含めた物理
的な性質)に関しても、下塗り層の性質に影響を受ける
ので、下塗り層に用いる材料の選択も極めて重要であ
る。
とからなる磁気記録媒体は、総合的な磁気記録媒体とし
ての性質(電磁変換特性だけでなく耐久性も含めた物理
的な性質)に関しても、下塗り層の性質に影響を受ける
ので、下塗り層に用いる材料の選択も極めて重要であ
る。
【0009】下塗り層に要求される性質として重要なの
は、まず下塗り層自体の平滑性である。したがって、下
塗り層に用いる充填剤としては、粒度のそろった微粒子
であって、塗料化時の分散性も良好であり、未分散の粗
大な凝集物等によって塗膜に突起が生じないことが必要
である。仮に未分散の粗大な凝集物が存在した場合に
は、磁性層が薄い故に磁性層表面にまで突起を生じてし
まい、媒体走行時のスペーシング損失を増大させてしま
う等の悪影響を生じる場合がある。
は、まず下塗り層自体の平滑性である。したがって、下
塗り層に用いる充填剤としては、粒度のそろった微粒子
であって、塗料化時の分散性も良好であり、未分散の粗
大な凝集物等によって塗膜に突起が生じないことが必要
である。仮に未分散の粗大な凝集物が存在した場合に
は、磁性層が薄い故に磁性層表面にまで突起を生じてし
まい、媒体走行時のスペーシング損失を増大させてしま
う等の悪影響を生じる場合がある。
【0010】また、下塗り層の塗膜強度も重要な性質で
あり、たとえば高温下で流動しないことはもちろん支持
体との接着性も重要である。
あり、たとえば高温下で流動しないことはもちろん支持
体との接着性も重要である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述した下塗り層に
は、充填剤として主に酸化チタンや酸化鉄等の金属酸化
物が用いられている。このうち酸化鉄α−Fe2O3(ヘ
マタイト)は、従来磁気記録媒体用として用いられてい
るγ−Fe2O3やFe3O4系と同様の表面性状を有し、
従来磁気記録媒体用として用いられている結合剤をその
まま用いることができ、光触媒活性が大きい等の特徴を
もつ酸化チタンに比べ分散が容易である。
は、充填剤として主に酸化チタンや酸化鉄等の金属酸化
物が用いられている。このうち酸化鉄α−Fe2O3(ヘ
マタイト)は、従来磁気記録媒体用として用いられてい
るγ−Fe2O3やFe3O4系と同様の表面性状を有し、
従来磁気記録媒体用として用いられている結合剤をその
まま用いることができ、光触媒活性が大きい等の特徴を
もつ酸化チタンに比べ分散が容易である。
【0012】しかしながら、このような酸化鉄を下塗り
層に用いても、未だ下塗り層の表面平滑性は十分である
とは言えず、表面平滑性が電磁変換特性に大きな影響を
与えている。
層に用いても、未だ下塗り層の表面平滑性は十分である
とは言えず、表面平滑性が電磁変換特性に大きな影響を
与えている。
【0013】そこで、本発明は、上述した課題を解決す
るために提案されたものであり、表面平滑性をさらに向
上させ、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供する
ことを目的とするものである。
るために提案されたものであり、表面平滑性をさらに向
上させ、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供する
ことを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】一般に、オキシ水酸化鉄
を原料として酸化鉄粉末を生成すると、加熱脱水する際
に焼結や形状劣化が生じ、粒度分布の悪化が生じ、焼結
等を起因とする凝集粒が発生する。そこで、本発明者ら
が鋭意検討を重ねた結果、下塗り層に含有される酸化鉄
粉末に形状保持剤として規定量のアルミニウムとイット
リウムを被着させることにより、酸化鉄粉末の分散性を
向上させ、優れた表面平滑性を有する磁気記録媒体が得
られることを見いだした。
を原料として酸化鉄粉末を生成すると、加熱脱水する際
に焼結や形状劣化が生じ、粒度分布の悪化が生じ、焼結
等を起因とする凝集粒が発生する。そこで、本発明者ら
が鋭意検討を重ねた結果、下塗り層に含有される酸化鉄
粉末に形状保持剤として規定量のアルミニウムとイット
リウムを被着させることにより、酸化鉄粉末の分散性を
向上させ、優れた表面平滑性を有する磁気記録媒体が得
られることを見いだした。
【0015】すなわち、本発明に係る磁気記録媒体は、
非磁性支持体上に酸化鉄粉末と結合剤とを主体とする下
塗り層が形成され、下塗り層上に強磁性金属粉末と結合
剤とを主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体
において、上記酸化鉄粉末は、アルミニウムを鉄に対し
て0.2〜2.0原子%、イットリウムを鉄に対して
0.5〜2.5原子%含有し、比表面積が60m2/g
未満であり、長軸長と短軸長との比が8以上であること
を特徴とする。
非磁性支持体上に酸化鉄粉末と結合剤とを主体とする下
塗り層が形成され、下塗り層上に強磁性金属粉末と結合
剤とを主体とする磁性層が形成されてなる磁気記録媒体
において、上記酸化鉄粉末は、アルミニウムを鉄に対し
て0.2〜2.0原子%、イットリウムを鉄に対して
0.5〜2.5原子%含有し、比表面積が60m2/g
未満であり、長軸長と短軸長との比が8以上であること
を特徴とする。
【0016】本発明に係る磁気記録媒体は、下塗り層の
酸化鉄粉末にアルミニウムを0.2〜2.0原子%、イ
ットリウムを0.5〜2.5原子%含有させ、かつ比表
面積が60m2/g未満、長軸長と短軸長との比が8以
上に調整されてなることから、分散性に優れた下塗り層
塗料を得ることができる。これにより、表面平滑性に優
れ薄層化された磁性層を形成することが可能となり、電
磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。
酸化鉄粉末にアルミニウムを0.2〜2.0原子%、イ
ットリウムを0.5〜2.5原子%含有させ、かつ比表
面積が60m2/g未満、長軸長と短軸長との比が8以
上に調整されてなることから、分散性に優れた下塗り層
塗料を得ることができる。これにより、表面平滑性に優
れ薄層化された磁性層を形成することが可能となり、電
磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
について詳細に説明する。
について詳細に説明する。
【0018】本発明が適用される磁気記録媒体は、非磁
性支持体上に酸化鉄粉末(α−Fe2O3)と結合剤とを
主体とする下塗り層が形成され、下塗り層上に強磁性金
属粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成される。
性支持体上に酸化鉄粉末(α−Fe2O3)と結合剤とを
主体とする下塗り層が形成され、下塗り層上に強磁性金
属粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成される。
【0019】上記下塗り層に用いられる酸化鉄粉末は、
鉄に対して、アルミニウムを0.2〜2.0原子%の割
合で、且つイットリウムを0.5〜2.5原子%の割合
で被着或いは固溶し、比表面積が60m2/g未満、長
軸長と短軸長との軸比(長軸長/短軸長)が8以上に調
整される。
鉄に対して、アルミニウムを0.2〜2.0原子%の割
合で、且つイットリウムを0.5〜2.5原子%の割合
で被着或いは固溶し、比表面積が60m2/g未満、長
軸長と短軸長との軸比(長軸長/短軸長)が8以上に調
整される。
【0020】この下塗り層に用いられる酸化鉄粉末は、
鉄を主体とする針状、球状、柱状、紡錘状、棒状のオキ
シ水酸化鉄(含水酸化鉄)を非還元性雰囲気中、高温で
脱水加熱処理することにより得ることができる。
鉄を主体とする針状、球状、柱状、紡錘状、棒状のオキ
シ水酸化鉄(含水酸化鉄)を非還元性雰囲気中、高温で
脱水加熱処理することにより得ることができる。
【0021】酸化鉄粉末原料となるオキシ水酸化鉄とし
ては、α−FeOOH、β−FeOOH、γ−FeOO
H等が挙げられ、α−FeOOH、γ−FeOOHが好
ましく用いられる。
ては、α−FeOOH、β−FeOOH、γ−FeOO
H等が挙げられ、α−FeOOH、γ−FeOOHが好
ましく用いられる。
【0022】具体的に、オキシ水酸化鉄の表面にアルミ
ニウムやイットリウムを被着させるには、これらの元素
の可溶性の塩、例えば塩化物、硫酸塩、硝酸塩等を用い
ることで行われる。すなわち、オキシ水酸化鉄を水に懸
濁させた懸濁液に、アルミニウム化合物やイットリウム
化合物を溶解させた水溶液を添加して均一に溶解させ、
この懸濁液のpHをアルカリ側に調整する。これによ
り、形状保持材としてアルミニウムやイットリウムが被
着する。被着処理を施す際に必要なpH調整には、水酸
化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を用いるとよい。
ニウムやイットリウムを被着させるには、これらの元素
の可溶性の塩、例えば塩化物、硫酸塩、硝酸塩等を用い
ることで行われる。すなわち、オキシ水酸化鉄を水に懸
濁させた懸濁液に、アルミニウム化合物やイットリウム
化合物を溶解させた水溶液を添加して均一に溶解させ、
この懸濁液のpHをアルカリ側に調整する。これによ
り、形状保持材としてアルミニウムやイットリウムが被
着する。被着処理を施す際に必要なpH調整には、水酸
化ナトリウム、炭酸ナトリウム等を用いるとよい。
【0023】被着を終えたオキシ水酸化鉄は洗浄の後、
ろ過、乾燥、粉砕することにより微細な粉末とする。そ
の後、非還元性雰囲気中350〜1000℃で加熱処理
する。その結果、オキシ水酸化鉄は酸化鉄(α−Fe2
O3)となり、被着層は酸化物層として定着する。
ろ過、乾燥、粉砕することにより微細な粉末とする。そ
の後、非還元性雰囲気中350〜1000℃で加熱処理
する。その結果、オキシ水酸化鉄は酸化鉄(α−Fe2
O3)となり、被着層は酸化物層として定着する。
【0024】なお、アルミニウムの添加量(Al/F
e)が0.2原子%より少ない場合には、焼結や形状劣
化を抑制する効果が少ない。また、アルミニウムの添加
量(Al/Fe)が2原子%より多い場合には、形状保
持効果に優れるが、比表面積が増大し分散性の低下を招
き、磁気記録媒体の表面平滑性を悪化させるため好まし
くない。
e)が0.2原子%より少ない場合には、焼結や形状劣
化を抑制する効果が少ない。また、アルミニウムの添加
量(Al/Fe)が2原子%より多い場合には、形状保
持効果に優れるが、比表面積が増大し分散性の低下を招
き、磁気記録媒体の表面平滑性を悪化させるため好まし
くない。
【0025】さらに、イットリウムの添加量(Y/F
e)が0.5原子%より少ない場合には、焼結や形状劣
化を抑制する効果が少ない。また、イットリウムの添加
量(Y/Fe)が2.5原子%より多い場合には、形状
保持効果に優れるが、比表面積が増大し分散性の低下を
招き、磁気記録媒体の表面平滑性を悪化させるため好ま
しくない。
e)が0.5原子%より少ない場合には、焼結や形状劣
化を抑制する効果が少ない。また、イットリウムの添加
量(Y/Fe)が2.5原子%より多い場合には、形状
保持効果に優れるが、比表面積が増大し分散性の低下を
招き、磁気記録媒体の表面平滑性を悪化させるため好ま
しくない。
【0026】このように、下塗り層に用いられる酸化鉄
は、原料のオキシ酸化鉄を加熱脱水する際に、形状保持
剤としてアルミニウム(Al)と、イットリウム(Y)
とが添加されてなることから、オキシ水酸化鉄を加熱脱
水する際に生じる焼結や形状劣化、及び粒度分布の悪化
が防止され、焼結等を起因とする凝集粒等が低減され
る。さらに、加熱脱水処理温度を適宜調整することによ
り、比表面積が60m2/g未満であり、長軸長と短軸
長との軸比(長軸長/短軸長)が8以上である酸化鉄を
得ることができる。
は、原料のオキシ酸化鉄を加熱脱水する際に、形状保持
剤としてアルミニウム(Al)と、イットリウム(Y)
とが添加されてなることから、オキシ水酸化鉄を加熱脱
水する際に生じる焼結や形状劣化、及び粒度分布の悪化
が防止され、焼結等を起因とする凝集粒等が低減され
る。さらに、加熱脱水処理温度を適宜調整することによ
り、比表面積が60m2/g未満であり、長軸長と短軸
長との軸比(長軸長/短軸長)が8以上である酸化鉄を
得ることができる。
【0027】一方、本発明の磁性層に用いられる強磁性
金属粉末としては、例えば、Fe系強磁性粉末が好まし
く用いられ、Co、Ni、Al、Cr、B等が添加若し
くは含有されていてもよい。
金属粉末としては、例えば、Fe系強磁性粉末が好まし
く用いられ、Co、Ni、Al、Cr、B等が添加若し
くは含有されていてもよい。
【0028】鉄を主体とする強磁性金属粉末は、例えば
針状のオキシ水酸化鉄或いは酸化鉄を還元性ガス中で加
熱還元した後、酸化安定性を確保するために粒子表面に
酸化被膜を形成させることで生成することができ、酸化
鉄系磁性粉末に比べて高保磁力、高飽和磁束密度を得る
ことができる。
針状のオキシ水酸化鉄或いは酸化鉄を還元性ガス中で加
熱還元した後、酸化安定性を確保するために粒子表面に
酸化被膜を形成させることで生成することができ、酸化
鉄系磁性粉末に比べて高保磁力、高飽和磁束密度を得る
ことができる。
【0029】また、強磁性金属粉末には、長軸長として
0.15〜0.05μm程度の微細化されたものが好ま
しく用いられる。しかし、強磁性金属粉末の微細粒子化
は、製造工程上、特にオキシ水酸化鉄或いは酸化鉄から
金属鉄への高温気相還元雰囲気において粒子形状悪化や
粒子間焼結をまねきやすいため、困難である。したがっ
て、原料のオキシ水酸化鉄には、形状保持剤(表面処理
剤)としてAl、Si、Caや、Y、Sm等の希土類元
素を添加するとよい。
0.15〜0.05μm程度の微細化されたものが好ま
しく用いられる。しかし、強磁性金属粉末の微細粒子化
は、製造工程上、特にオキシ水酸化鉄或いは酸化鉄から
金属鉄への高温気相還元雰囲気において粒子形状悪化や
粒子間焼結をまねきやすいため、困難である。したがっ
て、原料のオキシ水酸化鉄には、形状保持剤(表面処理
剤)としてAl、Si、Caや、Y、Sm等の希土類元
素を添加するとよい。
【0030】強磁性金属粉末の材料となるオキシ水酸化
鉄としては、α−FeOOH、β−FeOOH、γーF
eOOH等が挙げられ、特に、α−FeOOH、γーF
eOOHが好ましく用いられる。なお、このオキシ水酸
化鉄の形状は、生成される金属磁性粉末の形状にそのま
ま反映する。したがって、オキシ水酸化鉄の形状は、強
磁性金属粉末の微細化と保磁力の向上等の兼ね合いか
ら、長軸長が0.05〜0.20μm、軸比が3〜15
であって、針状、柱状、紡錘状、棒状であることが好ま
しい。なお、オキシ水酸化鉄には、Co、Ni、Cr、
Mn、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、Ti、Mo、A
g、Cu、Na、K、Li、Al、Zr等の金属化合物
が共存していてもよい。
鉄としては、α−FeOOH、β−FeOOH、γーF
eOOH等が挙げられ、特に、α−FeOOH、γーF
eOOHが好ましく用いられる。なお、このオキシ水酸
化鉄の形状は、生成される金属磁性粉末の形状にそのま
ま反映する。したがって、オキシ水酸化鉄の形状は、強
磁性金属粉末の微細化と保磁力の向上等の兼ね合いか
ら、長軸長が0.05〜0.20μm、軸比が3〜15
であって、針状、柱状、紡錘状、棒状であることが好ま
しい。なお、オキシ水酸化鉄には、Co、Ni、Cr、
Mn、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、Ti、Mo、A
g、Cu、Na、K、Li、Al、Zr等の金属化合物
が共存していてもよい。
【0031】具体的に、オキシ水酸化鉄の表面に形状保
持剤を被着させるには、上述したように、形状保持剤と
なる元素の可溶性の塩、例えば塩化物、硫酸塩、硝酸塩
等を用いることで行われる。すなわち、オキシ水酸化鉄
を水に懸濁させた懸濁液に、アルミニウム化合物やイッ
トリウム化合物を溶解させた水溶液を添加して均一に溶
解させ、この懸濁液のpHをアルカリ側に調整する。こ
れにより、形状保持材が被着する。被着処理を施す際に
必要なpH調整には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム等を用いるとよい。
持剤を被着させるには、上述したように、形状保持剤と
なる元素の可溶性の塩、例えば塩化物、硫酸塩、硝酸塩
等を用いることで行われる。すなわち、オキシ水酸化鉄
を水に懸濁させた懸濁液に、アルミニウム化合物やイッ
トリウム化合物を溶解させた水溶液を添加して均一に溶
解させ、この懸濁液のpHをアルカリ側に調整する。こ
れにより、形状保持材が被着する。被着処理を施す際に
必要なpH調整には、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム等を用いるとよい。
【0032】被着を終えたオキシ水酸化鉄は洗浄の後、
ろ過、乾燥、粉砕することにより微細な粉末とする。そ
の後、非還元性雰囲気中400〜750℃で加熱処理す
る。その結果、オキシ水酸化鉄は酸化鉄Fe2O3とな
り、被着層は酸化物層として定着する。
ろ過、乾燥、粉砕することにより微細な粉末とする。そ
の後、非還元性雰囲気中400〜750℃で加熱処理す
る。その結果、オキシ水酸化鉄は酸化鉄Fe2O3とな
り、被着層は酸化物層として定着する。
【0033】次に、アルミニウム等の形状保持剤からな
る酸化物層が被着した酸化鉄を、還元性雰囲気中400
〜600℃で加熱処理し、還元処理する。還元性雰囲気
としては、一般的な水素を主体とするガスを用いるとよ
い。
る酸化物層が被着した酸化鉄を、還元性雰囲気中400
〜600℃で加熱処理し、還元処理する。還元性雰囲気
としては、一般的な水素を主体とするガスを用いるとよ
い。
【0034】次に、還元工程を終了した強磁性金属粉末
に適当な低酸素濃度のガスを接触させて、徐酸化処理を
行い、酸化被膜を形成する。ガス接触方法は固気相、液
相どちらでもよい。さらに水分を含むガスを接触させ、
水分を付加する。
に適当な低酸素濃度のガスを接触させて、徐酸化処理を
行い、酸化被膜を形成する。ガス接触方法は固気相、液
相どちらでもよい。さらに水分を含むガスを接触させ、
水分を付加する。
【0035】これにより、形状劣化のない強磁性金属粉
末を得ることができる。
末を得ることができる。
【0036】以上のようにして生成される酸化鉄(α−
Fe2O3)及び強磁性金属粉末は、それぞれ結合剤とと
もに塗料中に分散されて塗料化される。
Fe2O3)及び強磁性金属粉末は、それぞれ結合剤とと
もに塗料中に分散されて塗料化される。
【0037】本発明のように、下塗り層、磁性層といっ
た2種類の層を形成する場合には、ダイコート法によ
り、磁性層形成余塗料と下塗り層用塗料とをダイから同
時に押し出しながら塗布する、いわゆる同時二層塗布方
式を適用するとよい。この同時二層塗布方式において
は、湿潤状態のままにある下塗り層の塗膜上に、磁性層
用塗料を塗布するので、下塗り層の表面(すなわち、磁
性層層との境界面)が滑らかになると共に磁性層の表面
平滑性が良好となり、かつ上下層間の接着性も向上し、
膜強度が向上する。
た2種類の層を形成する場合には、ダイコート法によ
り、磁性層形成余塗料と下塗り層用塗料とをダイから同
時に押し出しながら塗布する、いわゆる同時二層塗布方
式を適用するとよい。この同時二層塗布方式において
は、湿潤状態のままにある下塗り層の塗膜上に、磁性層
用塗料を塗布するので、下塗り層の表面(すなわち、磁
性層層との境界面)が滑らかになると共に磁性層の表面
平滑性が良好となり、かつ上下層間の接着性も向上し、
膜強度が向上する。
【0038】また、このような同時2層塗布方式を適用
し、上記酸化鉄粉末を含有する下塗り層を厚み0.5〜
3μm程度で形成することにより、磁性層を0.1〜
0.5μm以下で形成することができ、表面平滑性に優
れ薄層化された磁性層を得ることができる。
し、上記酸化鉄粉末を含有する下塗り層を厚み0.5〜
3μm程度で形成することにより、磁性層を0.1〜
0.5μm以下で形成することができ、表面平滑性に優
れ薄層化された磁性層を得ることができる。
【0039】ここで、下塗り層及び磁性層に使用可能な
結合剤としては、変成または非変成の塩化ビニル系樹
脂、酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体、ポリエ
ステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタ
ン樹脂等のポリウレタン樹脂、或いはポリエステル樹脂
を使用または混用することができる。さらに、ニトロセ
ルロース等の繊維素系樹脂、フェノキシ樹脂、或いは特
定の使用方式を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂等を併用してもよい。
結合剤としては、変成または非変成の塩化ビニル系樹
脂、酢酸ビニル共重合体等のビニル系共重合体、ポリエ
ステルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタ
ン樹脂等のポリウレタン樹脂、或いはポリエステル樹脂
を使用または混用することができる。さらに、ニトロセ
ルロース等の繊維素系樹脂、フェノキシ樹脂、或いは特
定の使用方式を有する熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反
応型樹脂、電子線照射硬化型樹脂等を併用してもよい。
【0040】上記結合剤の変成のために導入される基と
しては、磁性粉末の分散性向上を図れる−SO3M,−
OSO3M,−COOM,−PO(OM’)2等であって
よい(MはNa等のアルカリ金属原子、M’は同アルカ
リ金属原子又はアルキル基である)。
しては、磁性粉末の分散性向上を図れる−SO3M,−
OSO3M,−COOM,−PO(OM’)2等であって
よい(MはNa等のアルカリ金属原子、M’は同アルカ
リ金属原子又はアルキル基である)。
【0041】使用可能な繊維素系樹脂には、セルロース
エーテル、セルロース無機酸エステル、セルロース有機
酸エステル等が使用できる。フェノキシ樹脂は機械的強
度が大きく、寸法安定性に優れ、耐熱、耐水、耐薬品性
がよく、接着性がよい等の長所を有する。
エーテル、セルロース無機酸エステル、セルロース有機
酸エステル等が使用できる。フェノキシ樹脂は機械的強
度が大きく、寸法安定性に優れ、耐熱、耐水、耐薬品性
がよく、接着性がよい等の長所を有する。
【0042】また、このような結合剤に対しては、一層
耐久性の向上を図る為に硬化剤を添加することが好まし
い。この硬化剤としては、多官能イソシアネートが使用
可能であり、特にトリレンジイソシアネート(TDI)
系が好適である。硬化剤の添加量は、全結合剤量に対し
て5〜30重量%が好ましい。
耐久性の向上を図る為に硬化剤を添加することが好まし
い。この硬化剤としては、多官能イソシアネートが使用
可能であり、特にトリレンジイソシアネート(TDI)
系が好適である。硬化剤の添加量は、全結合剤量に対し
て5〜30重量%が好ましい。
【0043】また、上記磁性層には、潤滑剤が添加され
ていてもよい。潤滑剤としては、炭素数10〜24の一
塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の1価〜6価アルコール
のいずれか1つとのエステル、混合エステル、又はジ脂
肪酸エステル、トリ脂肪酸エステルを用いることができ
る。具体例には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸ブチル、
ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステア
リン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチ
ン酸オクチルが挙げられる。
ていてもよい。潤滑剤としては、炭素数10〜24の一
塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の1価〜6価アルコール
のいずれか1つとのエステル、混合エステル、又はジ脂
肪酸エステル、トリ脂肪酸エステルを用いることができ
る。具体例には、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチ
ン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール
酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸ブチル、
ステアリン酸ペンチル、ステアリン酸ヘプチル、ステア
リン酸オクチル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチ
ン酸オクチルが挙げられる。
【0044】また、上記磁性層には、さらに必要に応じ
てレシチン或いはカルボン酸等の分散剤、アルミナ等の
研磨剤、カーボンブラック等の帯電防止剤等の添加剤が
添加されていてもよい。これら添加剤としては、従来公
知の材料がいずれも使用可能であり、何ら限定されるも
のではない。
てレシチン或いはカルボン酸等の分散剤、アルミナ等の
研磨剤、カーボンブラック等の帯電防止剤等の添加剤が
添加されていてもよい。これら添加剤としては、従来公
知の材料がいずれも使用可能であり、何ら限定されるも
のではない。
【0045】本発明で使用可能な非磁性支持体として
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、
セルローストリアセテート、セルロースダイアセテー
ト、セルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポ
リカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプ
ラスチックの他、アルミニウム合金、チタン合金等の軽
金属、アルミナガラス等のセラミック等が挙げられる。
非磁性支持体にAl合金板やガラス板等の剛性を有する
基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処理等
の酸化被膜やNi−P被膜等を形成してその表面を硬く
するようにしてもよい。
は、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、
セルローストリアセテート、セルロースダイアセテー
ト、セルロースブチレート等のセルロース誘導体、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポ
リカーボネート、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプ
ラスチックの他、アルミニウム合金、チタン合金等の軽
金属、アルミナガラス等のセラミック等が挙げられる。
非磁性支持体にAl合金板やガラス板等の剛性を有する
基板を使用した場合には、基板表面にアルマイト処理等
の酸化被膜やNi−P被膜等を形成してその表面を硬く
するようにしてもよい。
【0046】さらに非磁性支持体の表面には、磁性層と
の接着を向上させるために、中間層或いは下引き層を設
けてもよい。また、磁性層の表面には、オーバーコート
層を設けてもよい。
の接着を向上させるために、中間層或いは下引き層を設
けてもよい。また、磁性層の表面には、オーバーコート
層を設けてもよい。
【0047】また、非磁性支持体の磁性層が形成される
面とは反対側の面には、媒体の走行性向上のために、非
磁性粉末(例えばシリカ、カーボンブラック)及び結合
剤(上記したものと同様であってよい)からなるバック
コート層を0.4〜0.8μm厚に設けるとよい。
面とは反対側の面には、媒体の走行性向上のために、非
磁性粉末(例えばシリカ、カーボンブラック)及び結合
剤(上記したものと同様であってよい)からなるバック
コート層を0.4〜0.8μm厚に設けるとよい。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明は、本実施例に何等限定されるもので
はない。
明するが、本発明は、本実施例に何等限定されるもので
はない。
【0049】実施例1 先ず始めに、下塗り層用塗料を以下のように作製する。
【0050】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を0.5原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を0.5原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
【0051】この酸化鉄粉末を用い、下記に示される組
成で酸化鉄粉末、結合剤、添加剤をプラネタリー式攪拌
機にて混合したのち、2軸式混練機にて混練する。得ら
れた混練ペーストに下記の組成で示される希釈溶剤を加
え、ディスパーで予備分散する。さらにこの塗料をサン
ドミルにて8時間分散し、分散に優れた下塗り層用塗料
を得る。
成で酸化鉄粉末、結合剤、添加剤をプラネタリー式攪拌
機にて混合したのち、2軸式混練機にて混練する。得ら
れた混練ペーストに下記の組成で示される希釈溶剤を加
え、ディスパーで予備分散する。さらにこの塗料をサン
ドミルにて8時間分散し、分散に優れた下塗り層用塗料
を得る。
【0052】 <下塗り層用塗料の組成> 酸化鉄粉末 100重量部 塩化ビニル樹脂(商品名:MR−110;日本ゼオン社製) 10重量部 ポリウレタン樹脂(商品名:UR−8200;東洋紡社製) 10重量部 研磨剤:Al2O3微粉末 5重量部 メチルエチルケトン 20重量部 トルエン 5重量部 シクロヘキサノン 28重量部 希釈溶剤: メチルエチルケトン 145重量部 トルエン 145重量部 シクロヘキサノン 73重量部 次に、磁性用塗料を以下のように作製する。
【0053】先ず始めに、下記に示される組成で強磁性
金属粉末、結合剤、添加剤をプラネタリー式攪拌機にて
混合したのち、2軸式混練機にて混練する。得られた混
練ペーストに下記に示される希釈溶剤を加え、ディスパ
ーで予備分散する。さらにこの塗料をサンドミルにて8
時間分散し、分散に優れた磁性層用塗料を得る。
金属粉末、結合剤、添加剤をプラネタリー式攪拌機にて
混合したのち、2軸式混練機にて混練する。得られた混
練ペーストに下記に示される希釈溶剤を加え、ディスパ
ーで予備分散する。さらにこの塗料をサンドミルにて8
時間分散し、分散に優れた磁性層用塗料を得る。
【0054】 <磁性層用塗料の組成> 強磁性金属粉末 100重量部 (飽和磁化:149.5Am2/kg、保磁力:187.4kA/m、 長軸長:0.1μm、長軸長/短軸長:4.5、比表面積:46.7m2/g ) 塩化ビニル樹脂(商品名:MR−110;日本ゼオン社製) 10重量部 ポリウレタン樹脂(商品名:UR−8200;東洋紡社製) 10重量部 研磨剤:Al2O3微粉末 5重量部 メチルエチルケトン 20重量部 トルエン 5重量部 シクロヘキサノン 28重量部 希釈溶剤: メチルエチルケトン 145重量部 トルエン 145重量部 シクロヘキサノン 73重量部 このように作製された下塗り層用塗料及び磁性層用塗料
それぞれに硬化剤としてポリイソシアネート4重量部を
加える。そして、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム上にダイコート法を用い、上記下塗り層用
塗料及び磁性層用塗料を同時二層塗布し、8kGの磁場
を有したソレノイドコイルマグネットを通過させ、乾燥
させることで、厚さ2μmの下塗り層と厚さ0.2μm
の磁性層を形成する。その後カレンダー処理を施し、6
0℃の硬化炉で20時間硬化処理を行う。
それぞれに硬化剤としてポリイソシアネート4重量部を
加える。そして、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム上にダイコート法を用い、上記下塗り層用
塗料及び磁性層用塗料を同時二層塗布し、8kGの磁場
を有したソレノイドコイルマグネットを通過させ、乾燥
させることで、厚さ2μmの下塗り層と厚さ0.2μm
の磁性層を形成する。その後カレンダー処理を施し、6
0℃の硬化炉で20時間硬化処理を行う。
【0055】更に、下記の組成のバック塗料を非磁性支
持体の磁性層が形成される面とは反対側の面に厚み0.
5μmとなるように塗布し、バック層を形成する。
持体の磁性層が形成される面とは反対側の面に厚み0.
5μmとなるように塗布し、バック層を形成する。
【0056】 <バック塗料組成> カーボンブラック(商品名:旭#50;旭カーボン社製) 100重量部 ポリエステルポリウレタン(商品名:ニッポランN−2304)100重量部 メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部 以上のように非磁性支持体上の一方の面に下塗り層と磁
性層とが形成され、もう一方の面にバック層が形成され
た原反を、8mm幅にスリットして磁気テープとする。
性層とが形成され、もう一方の面にバック層が形成され
た原反を、8mm幅にスリットして磁気テープとする。
【0057】なお、ここで、酸化鉄粉末及び強磁性金属
粉末の比表面積は、表面分析機器(micromeritics社
製;RAPID SURFACE AREA ANALYZER)により求めたもの
である。
粉末の比表面積は、表面分析機器(micromeritics社
製;RAPID SURFACE AREA ANALYZER)により求めたもの
である。
【0058】酸化鉄及び強磁性金属粉末の平均長軸長及
び軸比は、電子顕微鏡写真から無作為に選んだ100サ
ンプル以上の平均値とする。
び軸比は、電子顕微鏡写真から無作為に選んだ100サ
ンプル以上の平均値とする。
【0059】強磁性金属粉末の磁気特性は、試料振動型
磁力計(東英工業社製;VSM)を用い、印加磁界15
kOe、スイープ速度10分/15kOeにて測定した
ものである。
磁力計(東英工業社製;VSM)を用い、印加磁界15
kOe、スイープ速度10分/15kOeにて測定した
ものである。
【0060】実施例2 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープである
(下塗り層用塗料の組成も実施例1と同様である。)。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープである
(下塗り層用塗料の組成も実施例1と同様である。)。
【0061】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
【0062】実施例3 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0063】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
【0064】実施例4 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0065】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を2.5原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を2.5原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
【0066】実施例5 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0067】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を2.5原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を2.5原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
【0068】実施例6 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0069】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を0.2原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を0.2原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
【0070】実施例7 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0071】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を0.5原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を0.5原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
【0072】実施例8 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0073】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を0.5原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を0.5原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
【0074】実施例9 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0075】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を2.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を2.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
【0076】実施例10 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0077】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を2.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を2.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表1に示すとおりである。
【0078】比較例1 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0079】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlのみを被着し、これを熱処
理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたもの
で、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、熱処理
温度を600℃とするものである。また、この酸化鉄粉
末の比表面積、長軸長、軸比は表2に示すとおりであ
る。
OOH(ゲーサイト)にAlのみを被着し、これを熱処
理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたもの
で、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、熱処理
温度を600℃とするものである。また、この酸化鉄粉
末の比表面積、長軸長、軸比は表2に示すとおりであ
る。
【0080】比較例2 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0081】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlのみを被着し、これを熱処
理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたもの
で、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、熱処理
温度を800℃とするものである。また、この酸化鉄粉
末の比表面積、長軸長、軸比は表2に示すとおりであ
る。
OOH(ゲーサイト)にAlのみを被着し、これを熱処
理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたもの
で、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、熱処理
温度を800℃とするものである。また、この酸化鉄粉
末の比表面積、長軸長、軸比は表2に示すとおりであ
る。
【0082】比較例3 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0083】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を0.2原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を0.2原子%、熱処理温度を600
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
【0084】比較例4 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0085】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を0.2原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を0.2原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
【0086】比較例5 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0087】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を0.5原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を0.5原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
【0088】比較例6 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0089】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を4.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を4.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
【0090】比較例7 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0091】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を6.5原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を1.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)を6.5原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
【0092】比較例8 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0093】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にYのみを被着し、これを熱処理
して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたもの
で、Y被着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度
を600℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の
比表面積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にYのみを被着し、これを熱処理
して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたもの
で、Y被着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度
を600℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の
比表面積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
【0094】比較例9 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0095】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にYのみを被着し、これを熱処理
して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたもの
で、Y被着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度
を800℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の
比表面積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にYのみを被着し、これを熱処理
して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたもの
で、Y被着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度
を800℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の
比表面積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
【0096】比較例10 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0097】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を0.2原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を0.2原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
【0098】比較例11 下塗り層に用いる酸化鉄粉末を以下に示すものに変える
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
以外は、実施例1と同様の構成とする磁気テープであ
る。
【0099】下塗り層に用いる酸化鉄粉末は、α−Fe
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を4.1原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
OOH(ゲーサイト)にAlとYとを被着し、これを熱
処理して脱水し、α−Fe2O3(ヘマタイト)としたも
ので、Al被着量(Al/Fe)を4.1原子%、Y被
着量(Y/Fe)を1.1原子%、熱処理温度を800
℃とするものである。また、この酸化鉄粉末の比表面
積、長軸長、軸比は表2に示すとおりである。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】特性評価 以下、実施例1〜実施例10及び比較例1〜比較例11
で作製された磁気テープについて、磁気テープの表面粗
度、磁気特性、電磁変換特性を調べた。これらの結果を
表3及び表4に示す。なお、下塗り層に用いられる酸化
鉄の比表面積と軸比との関係を図1に示し、良好な分散
性が得られる範囲を斜線で示す。
で作製された磁気テープについて、磁気テープの表面粗
度、磁気特性、電磁変換特性を調べた。これらの結果を
表3及び表4に示す。なお、下塗り層に用いられる酸化
鉄の比表面積と軸比との関係を図1に示し、良好な分散
性が得られる範囲を斜線で示す。
【0103】表面粗度の評価は、光学式3次元粗度計
(HIPOSS)を用い、測定長0.73mm、カット
オフ0.25mm、測定スピード20μm/s、測定本
数100本、記録ピッチ1μm、送りピッチ2μmに
て、中心線平均粗さ(SRa)と十点平均粗さ(SR
z)を測定した。
(HIPOSS)を用い、測定長0.73mm、カット
オフ0.25mm、測定スピード20μm/s、測定本
数100本、記録ピッチ1μm、送りピッチ2μmに
て、中心線平均粗さ(SRa)と十点平均粗さ(SR
z)を測定した。
【0104】また、光沢度の評価は、グロス計を用い、
JIS−8741で規定されるGloss45°に準じ
て、下塗り層表面の光沢度(Gloss45°)を測定
した。
JIS−8741で規定されるGloss45°に準じ
て、下塗り層表面の光沢度(Gloss45°)を測定
した。
【0105】磁気特性の評価は、試料振動型磁力計(東
英工業社製;VSM)を用い、印加磁界10kOe、ス
イープ速度3分/10kOeにて、最大磁束密度(B
m)、残留磁束密度(Br)、角形比(Rs)、保磁力
(Hc)を測定した。
英工業社製;VSM)を用い、印加磁界10kOe、ス
イープ速度3分/10kOeにて、最大磁束密度(B
m)、残留磁束密度(Br)、角形比(Rs)、保磁力
(Hc)を測定した。
【0106】電磁変換特性の評価は、Y信号を取り出せ
るように改造したHi8ビデオテープレコーダー、オシ
ロスコープ、スペクトラムアナライザーから構成される
電磁変換特性測定装置を用い、記録波長0.49μm、
記録周波数7MHzにて、反転磁界分布(SFD)、再
生信号の出力(RF−OUT)、ノイズとの比(Y−C
/N)を測定した。は、ヒステリシスカーブを微分し、
得られたピークの半値幅を保磁力で割ったものである。
C/N比を求めるに際して、ノイズはキャリア信号−1
MHz(=6MHz)の値を用いた。ここでは、基準と
して比較例1のテープを0dBとする。
るように改造したHi8ビデオテープレコーダー、オシ
ロスコープ、スペクトラムアナライザーから構成される
電磁変換特性測定装置を用い、記録波長0.49μm、
記録周波数7MHzにて、反転磁界分布(SFD)、再
生信号の出力(RF−OUT)、ノイズとの比(Y−C
/N)を測定した。は、ヒステリシスカーブを微分し、
得られたピークの半値幅を保磁力で割ったものである。
C/N比を求めるに際して、ノイズはキャリア信号−1
MHz(=6MHz)の値を用いた。ここでは、基準と
して比較例1のテープを0dBとする。
【0107】
【表3】
【0108】
【表4】
【0109】表3及び表4の結果からわかるように、A
l被着量(Al/Fe)が0.2〜2.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)が0.5〜2.5原子%の範囲であ
り、かつ熱処理・脱水温度を任意に調整し、比表面積が
60m2/g未満、軸比が8以上とされる酸化鉄粉末を
使用した実施例では、分散性に優れた下塗り層用塗料を
得ることができる。そして、このような下塗り層を有す
る実施例においては、表面平滑性に優れた磁性層を形成
することができ、電磁変換特性に優れた磁気テープを得
ることができる。
l被着量(Al/Fe)が0.2〜2.0原子%、Y被
着量(Y/Fe)が0.5〜2.5原子%の範囲であ
り、かつ熱処理・脱水温度を任意に調整し、比表面積が
60m2/g未満、軸比が8以上とされる酸化鉄粉末を
使用した実施例では、分散性に優れた下塗り層用塗料を
得ることができる。そして、このような下塗り層を有す
る実施例においては、表面平滑性に優れた磁性層を形成
することができ、電磁変換特性に優れた磁気テープを得
ることができる。
【0110】これに対して、比表面積が60m2/g以
上、若しくは軸比が8未満である酸化鉄粉末を下塗り層
に使用した比較例では、未分散の粗大な凝集物が下塗り
層に残り、実施例に比べ表面平滑性及び電磁変換特性に
劣る。
上、若しくは軸比が8未満である酸化鉄粉末を下塗り層
に使用した比較例では、未分散の粗大な凝集物が下塗り
層に残り、実施例に比べ表面平滑性及び電磁変換特性に
劣る。
【0111】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、アルミニウムとイットリウムとが規定量添
加され、比表面積と軸比とが調整された酸化鉄を下塗り
層に用いてなることから、分散性に優れた下塗り層用塗
料を得ることができるとともに、表面平滑性に優れ、電
磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供することができ
る。
明によれば、アルミニウムとイットリウムとが規定量添
加され、比表面積と軸比とが調整された酸化鉄を下塗り
層に用いてなることから、分散性に優れた下塗り層用塗
料を得ることができるとともに、表面平滑性に優れ、電
磁変換特性に優れた磁気記録媒体を提供することができ
る。
【図1】本実施例の下塗り層に用いられる酸化鉄の比表
面積と軸比との関係を示す特性図である。
面積と軸比との関係を示す特性図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 非磁性支持体上に酸化鉄粉末と結合剤と
を主体とする下塗り層が形成され、下塗り層上に強磁性
金属粉末と結合剤とを主体とする磁性層が形成されてな
る磁気記録媒体において、 上記酸化鉄粉末は、アルミニウムを鉄に対して0.2〜
2.0原子%、イットリウムを鉄に対して0.5〜2.
5原子%含有し、比表面積が60m2/g未満であり、
長軸長と短軸長との比が8以上であることを特徴とする
磁気記録媒体。 - 【請求項2】 上記酸化鉄粉末は、α−Fe2O3である
ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 上記磁性層は、厚みが0.5μm以下で
あることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33590797A JPH11175956A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33590797A JPH11175956A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11175956A true JPH11175956A (ja) | 1999-07-02 |
Family
ID=18293710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33590797A Withdrawn JPH11175956A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11175956A (ja) |
-
1997
- 1997-12-05 JP JP33590797A patent/JPH11175956A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20041014 |