JPH11174725A - トナー - Google Patents

トナー

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JPH11174725A
JPH11174725A JP34166997A JP34166997A JPH11174725A JP H11174725 A JPH11174725 A JP H11174725A JP 34166997 A JP34166997 A JP 34166997A JP 34166997 A JP34166997 A JP 34166997A JP H11174725 A JPH11174725 A JP H11174725A
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styrene
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Masaki Tsujihiro
昌己 辻廣
Nobuhiro Hirano
暢宏 平野
Hidenori Asada
英則 浅田
Toshiaki Akiyama
俊明 秋山
Akiyoshi Uchizono
明美 内園
Takuya Kadota
拓也 門田
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Kyocera Mita Industrial Co Ltd
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Mita Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐オフセット性を有するとともに、離
型剤がブリーディングするのを抑制したトナーを提供す
る。 【解決手段】 本発明のトナーは、定着用樹脂、着色
剤、ポリオレフィン(i) からなる第1の離型剤、および
前記ポリオレフィン(i) のオレフィンモノマーと該オレ
フィンモノマーとは異なるオレフィンモノマーとの共重
合体(ii)からなる第2の離型剤を含有し、この第2の離
型剤が前記第1の離型剤よりも軟化点が高いことを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電式複写機、レ
ーザープリンタ、普通紙ファクシミリ等の電子写真プロ
セスを利用した画像形成装置に好適に用いられる、離型
剤を含有するトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】静電式複写機、レーザープリンタ、普通
紙ファクシミリ等の電子写真プロセスを利用した画像形
成装置におけるトナーの定着方法としては、一般に、定
着ローラと加圧ローラを用いたいわゆる熱ローラ方式が
用いられている。近年、電子写真プロセスの高速化と低
エネルギー化への要請とに伴って、かかる熱ローラ方式
において現像剤として使用されるトナーをより高速にか
つより低温で定着させることが要求されている。
【0003】そこで、例えば定着用樹脂の分子量を小さ
くして融点を低下させたり、ガラス転移温度(Tg)を
低下させて、トナーの定着性を向上させる試みがなされ
ている。しかし、定着用樹脂の低分子量化に伴ってその
粘度も低下するため、トナーが定着ローラに付着するい
わゆるオフセットや、画像形成前のトナーが高温環境下
において融着するいわゆるブロッキングが生じるといっ
た問題があった。
【0004】また、前記オフセットやブロッキングの抑
制を目的として、ポリエチレン等の低分子量ポリオレフ
ィンや天然ワックス等の離型剤を配合したトナーが提案
されている。しかしながら、通常、定着用樹脂と離型剤
との親和性が低いため、トナー中より離型剤が滲み出す
いわゆるブリーディングが生じ、感光体ドラムの表面を
汚染されるいわゆるフィルミングの原因になるといった
問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一方、上記の問題を解
決することを目的として、スチレン−アクリル酸系共重
合体等のビニル系共重合体からなる定着用樹脂と、ポリ
エチレン等のポリオレフィン系離型剤とともに、ポリオ
レフィンとビニルポリマーとのグラフト重合体を含有さ
せたトナー(特開平6−295097号公報)や、前記
定着用樹脂および離型剤を含有するトナーにおいて、ス
チレン−アクリル酸系共重合体の分子鎖に離型剤との親
和性が高い側鎖を導入したトナー(特開平9−1385
21号公報)が開示されている。
【0006】上記公報に開示のトナーは、いずれもポリ
オレフィン系の離型剤によって耐オフセット性を高める
ことを目的とするとともに、該離型剤と定着用樹脂との
親和性を高めることによって定着用樹脂への離型剤の分
散性を高め、かつ分散粒径(トナー中に分散した状態で
の粒径)を小さくし、それによって感光体ドラムへの離
型剤のフィルミングを抑制することを目的としている。
【0007】しかしながら、ポリエチレン等の離型剤の
溶融粘度は通常低いことから、離型剤の分散粒径をたと
え小さくしたとしても、ブリーディングが生じるのを充
分に抑制することができない。従って、上記公報に開示
のトナーであっても、フィルミングや低温オフセットが
発生したり、トナーの保存安定性が低下したりするとい
う問題があった。
【0008】そこで本発明の目的は、優れた耐オフセッ
ト性を有するとともに、ブリーディングの発生を抑制す
ることができるトナーを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、定着用樹脂、
着色剤、ポリオレフィン(i) からなる第1の離型剤、お
よび前記ポリオレフィン(i) のオレフィンモノマーと該
オレフィンモノマーとは異なるオレフィンモノマーとの
共重合体(ii)からなる第2の離型剤を含有し、この第2
の離型剤が前記第1の離型剤よりも軟化点が高いとき
は、耐オフセット性が高く、かつブリーディングの発生
を抑制することのできるトナーが得られるという新たな
事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】上記本発明のトナーにおいて、前記ポリオ
レフィン(i) がポリエチレンであって、前記共重合体(i
i)がエチレン−プロピレングラフト共重合体であるの
が、耐オフセット性を向上させ、かつブリーディングの
抑制効果を高めるという観点より好ましい。また、上記
本発明のトナーにおいて、定着用樹脂がビニル系共重合
体からなり、該定着用樹脂、着色剤、第1の離型剤およ
び第2の離型剤とともに、前記ビニル系共重合体のビニ
ルモノマーと前記ポリオレフィン(i) のオレフィンモノ
マーとの共重合体からなる相溶化剤を含有するときは、
定着用樹脂中での離型剤の分散粒径を小さくすることが
でき、その結果、フィルミングの発生をより一層抑制す
ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のトナーについて詳
細に説明する。本発明のトナーは、前述のように、(1)
定着用樹脂、(2) 着色剤、(3) ポリオレフィン(i) から
なる第1の離型剤、および(4) ポリオレフィン(i) のオ
レフィンモノマーと、該オレフィンモノマーとは異なる
オレフィンとの共重合体(ii)からなる第2の離型剤を含
有する。
【0012】上記第1の離型剤におけるポリオレフィン
(i) としては、具体的にはポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリペンテン、ポ
リヘキセン等があげられる。なかでも、ポリエチレン
は、ポリプロピレン等の他のポリオレフィンに比べて耐
オフセット性に優れていることから、本発明の第1の離
型剤として好適に用いられる。
【0013】第1の離型剤の軟化点は、後述する第2の
離型剤よりも低いほかは特に限定されないが、通常90
〜160℃、好ましくは100〜140℃の範囲で設定
される。第1の離型剤の軟化点が上記範囲を超えると、
低温での定着が困難になったり、トナーを定着させる際
に離型剤が充分に軟化しないため、耐オフセット性を向
上させる効果が不十分になるおそれがある。逆に、軟化
点が上記範囲を下回るとブリーディングが発生しやすく
なったり、トナーの保存中にブロッキングが生じやすく
なるおそれがあるために好ましくない。
【0014】また、第1の離型剤の分子量はこれに限定
されないが、耐オフセット性を高める効果や離型剤自体
の粘度を考慮すると、重量平均分子量Mwが400〜3
0000、好ましくは2000〜10000の範囲であ
るのが適当であり、数平均分子量Mnが400〜100
00、好ましくは2000〜6000の範囲であるのが
適当である。また、分子量分布を示す比Mw/Mnは、
1〜5、好ましくは1.05〜3の範囲であるのが適当
である。
【0015】第1の離型剤の配合量は、定着用樹脂10
0重量部に対して0.05〜10重量部、好ましくは
0.2〜5重量部の範囲で設定される。第1の離型剤の
配合量は耐オフセット性を向上させる観点から多いほど
好ましいが、上記範囲を超えると定着用樹脂中に均一に
分散できなくなったり、ブリーディングが生じるのを抑
制できにくくなるため、好ましくない。逆に、上記範囲
を下回ると、耐オフセット性を向上させる効果が不十分
になる。
【0016】上記第2の離型剤において、前記ポリオレ
フィン(i) におけるオレフィンモノマーとは異なる種類
のオレフィンモノマーは、前記例示のオレフィンモノマ
ーの中から適宜選択される。第2の離型剤の軟化点は、
前述の第1の離型剤よりも高いほかは特に限定されない
が、通常110〜180℃、好ましくは130〜160
℃の範囲で、かつ第1の離型剤よりも5℃以上、好まし
くは10〜30℃高くなるように設定される。
【0017】第2の離型剤の軟化点が上記範囲を超える
と、離型剤の粘度が高くなり過ぎて、耐オフセット性を
向上させる効果が不十分になるおそれがある。逆に軟化
点が上記範囲を下回るとブリーディングの発生を抑制す
る効果やブロッキングを抑制する効果が不十分になるお
それがある。また、第2の離型剤と第1の離型剤との軟
化点の差が上記範囲を下回ると、第2の離型剤によって
離型剤全体の粘度を高める効果が不十分になる。
【0018】第2の離型剤の分子量はこれに限定されな
いが、耐オフセット性を高める効果や離型剤自体の粘度
を考慮すると、重量平均分子量Mwが1000〜100
000、好ましくは6000〜40000の範囲である
のが適当であり、数平均分子量Mnが1000〜300
00、好ましくは3000〜12000の範囲であるの
が適当である。また、分子量分布を示す比Mw/Mn
は、1〜5、好ましくは1.05〜3の範囲であるのが
適当である。
【0019】第2の離型剤の配合量は、定着用樹脂10
0重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは0.
5〜10重量部の範囲で設定される。第2の離型剤の配
合量が上記範囲を超えると、離型剤の粘度が高くなり過
ぎて、耐オフセット性を向上させる効果が不十分になる
おそれがある。一方、上記範囲を下回ると、ブリーディ
ングが生じるのを抑制できにくくなるおそれがある。
【0020】上記第1の離型剤としてポリエチレンを用
いる場合、第2の離型剤としては、例えばエチレン−プ
ロピレン共重合体(PE/PP)が好適に用いられる。
この場合、ポリエチレン成分に起因して優れた耐オフセ
ット性が得られるとともに、該ポリエチレンの融点が低
いためにブリーディングが生じやすくなるという問題を
PE/PP成分を配合することによって解決することが
できる。なお、上記のようにポリエチレンとPE/PP
とを用いる場合、両者は相分離して、ポリエチレン(第
1の離型剤)中にPE/PP(第2の離型剤)が分散し
た海−島構造を形成すると推測される。
【0021】本発明に用いられる定着用樹脂としては、
例えばポリスチレン、クロロポリスチレン、ポリ−α−
メチルスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、
スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−塩化ビニル共重合体、スチレン−
酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、
スチレン−アクリル酸系共重合体(スチレン−アクリル
酸共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共
重合体、スチレン−アクリル酸フェニル共重合体)、ス
チレン−メタクリル酸系共重合体(スチレン−メタクリ
ル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸フェニル
共重合体)、スチレン−α−クロロアクリル酸メチル共
重合体、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エス
テル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレンまたはスチ
レン置換体を含む単独重合体または共重合体)、ポリ塩
化ビニル、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピ
レン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、ポリビニ
ルブチラール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ロジン
変性マレイン酸樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリ
アミド樹脂等があげられ、これらが単独でまたは2種以
上混合して用いられる。
【0022】定着用樹脂の分子量は、トナーの定着性や
耐熱性を考慮すると、重量平均分子量Mwが50000
〜1000000、好ましくは100000〜3000
00の範囲であるのが適当であって、数平均分子量Mn
が2000〜20000、好ましくは3000〜100
00の範囲であるのが適当である。また、分子量分布を
示す比Mw/Mnは、2000〜20000、好ましく
は3000〜10000の範囲であるのが適当である。
【0023】本発明のトナーは、上記の構成に限定され
るものではなく、前記(1) の定着用樹脂がビニル系共重
合体を含むポリマーであって、(1) 該定着用樹脂、(2)
着色剤、(3) 第1の離型剤および(4) 第2の離型剤とと
もに、(5) 前記ビニル系共重合体のビニルモノマーと前
記ポリオレフィン(i) のオレフィンモノマーとの共重合
体からなる相溶化剤を含有するものであってもよい。
【0024】上記本発明のトナーにおいて、定着用樹脂
と第1および第2の離型剤とは、両者の相溶性が十分で
ないことから互いに相分離して、第1および第2の離型
剤が定着用樹脂中に粒状に分散した状態になっていると
推測される。一方、相溶化剤は、定着用樹脂と、第1お
よび第2の離型剤からなる粒子との界面に薄層を形成す
る。その結果、定着用樹脂と前記粒子との親和性が高ま
り、該粒子の分散性が高まることから、前記粒子を定着
用樹脂中により均一にかつ小さな粒径でもって分散させ
ることができる。
【0025】上記相溶化剤の種類については、該相溶化
剤が定着用樹脂と離型剤との双方に対して良好な相溶性
を有することが要求されるため、例えば定着用樹脂を構
成するモノマーと離型剤を構成するモノマーとからなる
共重合体(好ましくは、グラフトポリマーまたはブロッ
クポリマー)を用いるのが好ましい。本発明の他のトナ
ーにおいて、第1の離型剤としてポリエチレンを用い、
定着用樹脂としてスチレン−アクリル酸系共重合体を用
いる場合には、相溶化剤として例えばスチレン−エチレ
ングラフト共重合体(PSt/PE)を用いるのが好適
である。
【0026】本発明のトナーに用いられる着色剤として
は、従来公知の種々の染料や顔料が使用可能であるが、
特にブラックトナーの場合にはカーボンブラックが主と
して使用される。かかるカーボンブラックとしては、例
えばチャンネルブラック、ローラーブラック、ディスク
ブラック、ガスファーネスブラック、オイルファーネス
ブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等
の、従来公知の種々のカーボンブラックがあげられる。
【0027】着色剤の配合量はこれに限定されるもので
はないが、定着用樹脂100重量部に対して3〜15重
量部の範囲で設定するのが適当である。なお、着色剤が
カーボンブラックの場合にはそれ自体が導電性を有する
ため、トナーの電気特性等を考慮して着色剤の配合量を
設定するのが好ましい。定着用樹脂中に配合される他の
成分としては、例えば電荷制御剤(または電荷制御樹
脂)、各種の安定剤等があげられる。
【0028】上記のうち電荷制御剤(または電荷制御樹
脂)としては、トナーの帯電極性に応じて正電荷制御用
と負電荷制御用とのいずれか一方が用いられる。正電荷
制御用の電荷制御剤としては、例えば塩基性染料、アミ
ノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合物、
アミノシラン類等の塩基性窒素原子を有する有機化合物
や、上記化合物で表面処理された充填剤等があげられ
る。正電荷制御用の電荷制御樹脂としては、例えば塩基
性窒素原子を含有するスチレン系樹脂等があげられる。
【0029】負電荷制御用の電荷制御剤としては、例え
ばアルキルサリチル酸金属キレート等のカルボキシル基
を有する化合物、金属錯塩染料、脂肪酸石鹸、樹脂酸石
鹸、ナフテン酸金属塩等があげられるほか、ニグロシン
ベース(C.I.5045)、オイルブラック(C.I.26150) 、ボン
トロンS、スピロンブラック等の油溶性染料等があげら
れる。負電荷制御用の電荷制御樹脂としては、スチレン
−スチレンスルホン酸共重合体等があげられる。
【0030】電荷制御剤(または電荷制御樹脂)の配合
量は、定着用樹脂100重量部に対して0.1〜10重
量部、好ましくは0.5〜5重量部の範囲で設定するの
が適当である。本発明のトナーを磁性1成分現像方式の
画像形成装置に使用される磁性トナーとして用いる場合
には、例えばコバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、
銅、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウ
ム、ビスマス、カルシウム、セレニウム、チタニウム、
タングステン、バナジウム等の金属や、これらの化合物
(酸化物など)、合金または混合物等、従来公知の種々
の磁性体粉末を定着用樹脂中に配合すればよい。磁性体
粉末の配合量は、定着用樹脂100重量部に対して20
〜300重量部、好ましくは50〜150重量部の範囲
で設定するのが適当である。
【0031】なお、上記磁性体粉末は、トナーの飛散を
防止する等の目的で、2成分現像方式の画像形成装置に
使用されるトナー中に配合してもよい。この場合、磁性
体粉末は、定着用樹脂100重量部に対して0.1〜1
0重量部程度の割合で配合される。本発明のトナーは、
上記の定着用樹脂に着色剤、第1の離型剤、第2の離型
剤および必要に応じて他の配合剤を混合し、これを乾式
ブレンダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等によっ
て均質に予備混合した後、得られた混合物をバンバリー
ミキサー、ロール、1軸または2軸の混練押出機等の混
練装置を用いて均一に溶融、混練して、こうして得られ
た混練物を冷却して粉砕し、さらに必要に応じて分級す
る方法(いわゆる粉砕法)にて製造される。また、例え
ばスプレードライ法や懸濁重合法、分散重合法等の方法
にて製造することもできる。
【0032】本発明のトナーの粒径は特に限定されな
く、通常使用される範囲でよいが、小粒径トナーとして
用いる場合には、体積基準平均粒径(コールターカウン
ターによるメジアン径)で5〜11μm、好ましくは7
〜10μmとなるように調節される。上記の各成分から
製造されたトナーには、その流動性や帯電特性を向上さ
せるために、各種の添加剤を用いてもよい。
【0033】かかる添加剤としては、例えば酸化アルミ
ニウム、酸化ケイ素、酸化チタニウム、酸化亜鉛等の金
属酸化物の微粉末や、フッ素樹脂微粒子等の、従来公知
の種々のものを使用できる。とりわけ、疎水性または親
水性のシリカ微粒子を含むシリカ系表面処理、具体的に
は超微粒子状無水シリカやコロイダルシリカ等が好適に
使用される。
【0034】上記添加剤の使用量はこれに限定されない
が、例えばトナー100重量部に対して上記添加剤の総
量を0.1〜3.0重量部程度とするのが適当である。
【0035】
【実施例】実施例1 定着用樹脂としてスチレン−アクリル酸系樹脂(スチレ
ン−アクリル酸ブチル共重合体、重量平均分子量Mw:
202000、数平均分子量Mn:6000、Mw/M
n:33.7)を用い、第1の離型剤としてポリエチレ
ン(Mn:2000、軟化点:104℃)を用い、第2
の離型剤としてエチレン−プロピレン共重合体(PE/
PP、Mn:11000、軟化点:156℃)を用い、
さらに相溶化剤としてスチレン−エチレングラフト共重
合体(PSt/PE、Mw:12000、Mn:280
0、Mw/Mn:4.29)を用いた。
【0036】 上記の各成分をヘンシェルミキサーで混合した後、2軸
押出機にて溶融混練、ジェットミルで粉砕、風力分級機
で分級して、トナーの母粒子を作製した。
【0037】次いで、前記母粒子100重量部と疎水性
シリカ1重量部とをヘンシェルミキサーで混合してトナ
ーを得た。また、得られたトナーを、トナー濃度が4重
量%になるようにフェライトキャリアと混合して現像剤
を作製した。 (実機試験)三田工業(株)製の静電式複写機(商品名
「Antico 80」)を用いて上記現像剤の実機試
験を行い、下記に示す評価を行った。
【0038】(フィルミング)トナー中の離型剤が感光
体表面を汚染してフィルミングが発生すると、露光後の
感光体の残留電位(明電位)が高くなり、ベタ画像にか
すれが生じる。そこで、1万枚複写した後、明電位と画
像濃度(ID)とを測定し、さらにベタ画像中のかすれ
を肉眼で観察して、フィルミングの有無(程度)を評価
した。
【0039】実用上、1万枚複写後の明電位は250V
以下で、画像濃度(ID)は1.40以上であることが
求められる。フィルミングの程度の評価基準は、フィル
ミングが全く認められなかったものを◎、僅かにフィル
ミングが認められたものの実用上問題がないものを〇、
フィルミングが顕著に認められ、実用上不適当であった
ものを×とした。
【0040】(定着率)定着温度を変化させてベタ画像
の複写を行い、それぞれについてオフセット発生の有無
を肉眼で確認した。さらに、定着温度が170℃、18
0℃および190℃であるときについて、ベタ画像の画
像濃度(ID1 )と、高さ26mm、直径50mmの軟
鋼製の円柱の底面に綿布を被覆した錘(20g/c
2 )でベタ画像が形成された紙面を5回強制的に摩擦
した後の画像濃度(ID2 )とを測定し、下記式により
トナーの定着率F(%)を求めた。
【0041】F(%)=(ID2 /ID1 )×100 なお、画像濃度は反射濃度計(東京電色(株)製の白色
光度計「TC−6D」)により測定した。 (耐スミア性)耐スミア性は、静電式複写機「Anti
co 80」(前出)で出力した文字画像(片面画像)
50枚を原稿とし、これを三田工業(株)製の静電式複
写機「DC−6090」のドキュメントフィーダに通紙
して、文字画像の裏面の汚れ具合によって評価した。
【0042】耐スミア性の評価基準は、汚れが全く見ら
れなかったものを〇(耐スミア性良好)、汚れが少ない
ものの、肉眼で確認できる程度生じていたものを△、汚
れがひどいものを×とした。 (トナー中におけるワックスの分散粒子径の測定)トナ
ー中におけるワックスの分散粒子径の測定を次のように
して行った。まず、トナーの混練工程でサンプリングし
た混練物をマイクロトームで薄層切片に加工し、オスミ
ウム酸で染色した。次いで、透過型電子顕微鏡(TE
M)でワックス粒子の分散状態を撮影し、得られた画像
を画像解析装置(NIPPON AVIONICS 社製のEXCEL )で処
理することによってワックスの分散粒子径を算出した。
なお、ワックスの粒子径は、TEM写真のワックス像の
面積からワックス分散粒子が球体であるとした場合の直
径を算出し、平均粒子径はその直径の平均値とした。
【0043】実施例2 前述のトナーの成分のうちPSt/PE(相溶化剤)を
配合しなかったほかは実施例1と同様にしてトナーおよ
び現像剤を作製し、実施例1と同じ評価を行った。 比較例1 前述のトナーの成分のうちPE/PPを(第2の離型
剤)配合しなかったほかは実施例1と同様にしてトナー
および現像剤を作製し、実施例1と同じ評価を行った。
【0044】比較例2 前述のトナーの成分のうちポリエチレン(第1の離型
剤)の配合量を3重量部としたほかは比較例1と同様に
してトナーおよび現像剤を作製した後、得られたトナー
および現像剤について実施例1と同じ評価を行った。 比較例3 前述のトナーの成分のうちポリエチレン(第1の離型
剤)を配合しなかったほかは実施例1と同様にしてトナ
ーおよび現像剤を作製し、実施例1と同じ評価を行っ
た。
【0045】比較例4 第1の離型剤としてポリエチレン(Mn:6000、軟
化点:140℃)を用い、第2の離型剤としてエチレン
−プロピレン共重合体(PE/PP、Mn:2900、
軟化点:129℃)を用いたほかは、実施例1と同様に
してトナーおよび現像剤を作製し、得られたトナーおよ
び現像剤について実施例1と同じ評価を行った。
【0046】各実施例および比較例の評価結果等を表1
に示す。
【0047】
【表1】
【0048】表1より明らかなように、実施例2のトナ
ーによれば、定着性と耐スミア性とが良好であった。ま
た、フィルミングが僅かながら発生したが、その発生を
実用上の問題が生じない程度にまで抑制できた。実施例
2の構成に相溶化剤を加えた実施例1のトナーによれ
ば、通常の定着温度である180℃での定着率が98.
1%と極めて高く、かつフィーダからの通紙後において
も裏面の汚れが発生しなかった。すなわち、定着性およ
び耐スミア性がいずれも良好であった。さらに、定着用
樹脂中での離型剤分散性が極めて良好であって、フィル
ミングが発生しなかった。
【0049】これに対し、離型剤としてポリエチレンの
みを含有する比較例1のトナーでは、フィルミングが僅
かに発生し、耐スミア性は不十分であって、180℃で
オフセットが発生した。また、ポリエチレンを増量した
比較例2では、比較例1に比べてオフセットの発生が抑
制され、耐スミア性も改善されたものの、フィルミング
が顕著に現れた。
【0050】離型剤としてPE/PPのみを含有する比
較例3では、PE/PPの粘度が高いことからフィルミ
ングが生じなかったものの、ポリエチレンを含有しない
ために190℃でオフセットが発生し、耐スミア性も不
十分であった。第2の離型剤の方が第1の離型剤よりも
軟化点が低い比較例4では、定着工程において第2の離
型剤であるPE/PPが優先的に滲み出した。PE/P
Pはフィルミングの抑制に効果があるものの、耐スミア
性にはあまり効果がないため、耐スミア性が不十分であ
るという結果がでた。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
優れた耐オフセット性と、ブリーディングの抑制とを両
立したトナーが得られる。かかる本発明のトナーによれ
ば、電子写真プロセスの高速化と低エネルギー化とを実
現できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 俊明 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 内園 明美 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (72)発明者 門田 拓也 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】定着用樹脂、着色剤、ポリオレフィン(i)
    からなる第1の離型剤、および前記ポリオレフィン(i)
    のオレフィンモノマーと該オレフィンモノマーとは異な
    るオレフィンモノマーとの共重合体(ii)からなる第2の
    離型剤を含有し、この第2の離型剤が前記第1の離型剤
    よりも軟化点が高いことを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】前記ポリオレフィン(i) がポリエチレンで
    あり、かつ前記共重合体(ii)がエチレン−プロピレング
    ラフト共重合体である請求項1記載のトナー。
  3. 【請求項3】前記定着用樹脂がビニル系共重合体からな
    り、該定着用樹脂、着色剤、第1の離型剤および第2の
    離型剤とともに、前記ビニル系共重合体のビニルモノマ
    ーと前記ポリオレフィン(i) のオレフィンモノマーとの
    共重合体からなる相溶化剤を含有する請求項1記載のト
    ナー。
  4. 【請求項4】前記ビニル系共重合体がスチレン−アクリ
    ル酸系共重合体である請求項3記載のトナー。
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JP2008065009A (ja) * 2006-09-07 2008-03-21 Ricoh Co Ltd トナー製造方法及びトナー

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