JP3115364B2 - 電子写真用トナー - Google Patents

電子写真用トナー

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JP3115364B2
JP3115364B2 JP03218912A JP21891291A JP3115364B2 JP 3115364 B2 JP3115364 B2 JP 3115364B2 JP 03218912 A JP03218912 A JP 03218912A JP 21891291 A JP21891291 A JP 21891291A JP 3115364 B2 JP3115364 B2 JP 3115364B2
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英則 浅田
雅偉 井上
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健 荒川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用トナーに関
し、より詳細には、静電式複写機やレーザービームプリ
ンタ等の、電子写真法を応用した画像形成装置に使用さ
れる電子写真用トナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】上記画像形成に際しては、まず、電子写
真用トナーを含む現像剤を、内部に磁極を備えた現像ス
リーブの外周に保持させていわゆる磁気ブラシを形成す
る。次に、この磁気ブラシを、表面に静電潜像が形成さ
れた感光体に摺接させる。そうすると、電子写真用トナ
ーが静電潜像に静電付着して、トナー像として顕像化さ
れる。このトナー像を、感光体表面から紙上に転写し、
さらに定着ローラによって紙上に定着させると、静電潜
像に対応した画像が紙の表面に形成される。
【0003】上記画像形成に使用される電子写真用トナ
ーとしては、定着用樹脂中に、カーボンブラック等の着
色剤や電荷制御剤等を配合し、これを所定の粒度に造粒
したものが用いられる。上記電子写真用トナーにおいて
は、紙から剥離したトナーによる紙の裏面の汚れや定着
ローラの汚れ等の、いわゆるオフセットや、特に、定着
温度が低い場合における、トナー像の紙への定着不良
(低温定着性の悪化)等の問題が生じるおそれがある。
【0004】低温定着性の悪化は、電子写真用トナーに
含まれる定着用樹脂の分子量が高い場合に主として発生
する。一方、オフセットは、定着用樹脂の分子量が低い
場合に主として発生する。そこで、上記問題を解消する
ために、定着用樹脂として、低分子量の樹脂と高分子量
の樹脂とを併用した電子写真用トナーが種々提案されて
いる(例えば、特開昭56−16144号公報、特開昭
60−3644号公報等参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の電子
写真用トナーは、何れも、耐熱性が不十分であるため、
特に、画像形成装置内部の温度が高温になる低速の画像
形成装置においてブロッキングを発生して、トナー抜け
や雨フリ、クリーニング不良等を引き起こすという問題
があった。
【0006】トナー抜けは、ブロッキングによってトナ
ーが凝集して生じた巨大な粒子が、トナー像の用紙への
転写時に、感光体と用紙との間に挾まって周囲に隙間を
作り、トナーの用紙への転写を阻害して、画像に白く抜
けた部分を発生させる現象を言う。また、雨フリは、ブ
ロッキングによって感光体の表面に融着したトナーが、
形成画像に筋状の跡を残す現象である。
【0007】さらに、クリーニング不良は、感光体ドラ
ムをクリーニングするブレードに、ブロッキングしたト
ナーが付着するもので、上記トナー抜けや雨フリの原因
となる。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】上記課題を解
決するため、本発明者らは、定着用樹脂としてのスチレ
ン−アクリル系共重合体の物性と、電子写真用トナーの
耐熱性との関係について検討を行い、定着用樹脂全体の
ガラス転移温度を高くすれば、耐熱性を向上できること
を見出した。そして、上記スチレン−アクリル系共重合
体においては、分子量分布を所定範囲に限定すると共
に、スチレンの含有割合を多くすると、低温定着性、耐
オフセット性を維持しつつ、ガラス転移温度を高めて、
耐熱性を向上できることを見出し、先の出願を行った
(特願平2−197369号)。
【0009】その後、本発明者らは、定着用樹脂として
のスチレン−アクリル系共重合体の物性について、さら
に検討を続けた。そして、分子量分布、並びに、定着用
樹脂全体のスチレンの含有割合を先の出願と同レベルに
維持しつつ、定着用樹脂のうち、低分子量の成分におけ
るスチレンの含有割合のみを低くして、上記低分子量の
成分のガラス転移温度を低くすると、高耐熱性を維持し
つつ、低温定着性をさらに向上できることを見出して、
本発明を完成するに至った。
【0010】すなわち、本発明の電子写真用トナーは、
分子量分布を示すゲルパーミェーションクロマトグラム
中、分子量1×103以上、1×105未満の範囲内と、
分子量1×105以上、2×105以下の範囲内とに、そ
れぞれ分子量分布の極大値を有し、両極大値の間に分子
量分布の極小値を有するとともに、分子量分布の範囲が
2×105以下であり、なおかつ両極大値を含む2つの
ピークの面積S H 、S L の合計と、両ピークを共通の接線
で結んだ際に、当該接線より下側の、上記極小値を含む
谷の面積S V とから、前記式により導かれる比(V/
P)が0.3以下であるスチレン−アクリル系共重合体
を定着用樹脂として含有している電子写真用トナーであ
って、定着用樹脂全体に占めるスチレンの割合が80重
量%以上で、かつ、定着用樹脂中、上記極小値より低分
子量側の成分中のスチレンの割合が40〜60重量%で
あることを特徴とする。
【0011】トナーの定着用樹脂であるスチレン−アク
リル系共重合体としては、図1に示すように、分子量分
布を示すゲルパーミェーションクロマトグラム中、高分
子量側と低分子量側とに、それぞれ分子量分布の極大値
H 、PL を有し、かつ、両極大値PH 、PL の間に分
子量分布の極小値VM を有するものが使用される。高分
子量側の極大値PH の分子量は、1×105 以上、2×
105 以下の範囲内に限定される。極大値PH の分子量
が1×105 未満では、スチレン−アクリル系共重合体
中の高分子量成分が不足して、耐オフセット性に優れた
トナーが得られない。逆に、極大値PH の分子量が2×
105 を超えた場合には、熱や機械的剪断力を受けて切
断され易い高分子量成分が多量に含まれることになるの
で、かえって耐熱性が悪化する。なお、上記高分子量側
の極大値PH の分子量は、1.5×105 〜1.9×1
5 の範囲内であることが好ましい。
【0012】低分子量側の極大値PL の分子量は、1×
103以上、1×105 未満の範囲内に限定される。極
大値PLの分子量が1×105 以上では、スチレン−ア
クリル系共重合体中の低分子量の成分が不足して、低温
定着性に優れたトナーが得られない。一方、極大値PL
の分子量が1×103 未満では、スチレン−アクリル系
共重合体の保形性が不足して、耐久性に優れたトナーが
得られない。なお、上記低分子量側の極大値PL の分子
量は、2×103 〜1×104 の範囲内であることが好
ましい。
【0013】分子量分布の極小値VM の分子量は、上記
両極大値PH 、PL の分子量の中間値であればよい。ま
た、分子量分布の上限MS は、2.1×105 以下に限
定される。分子量が2.1×105 を超える高分子量成
分は、前述したように、熱や機械的剪断力を受けて切断
され易く、定着用樹脂の耐熱性を悪化させるからであ
る。
【0014】両極大値PH 、PL を含む2つのピークの
面積SH 、SL の合計と、両ピークを共通の接線Lで結
んだ際に、当該接線Lより下側の、極小値VM を含む谷
の面積SV とから、下記式により導かれる比(V/P)
は、スチレン−アクリル系共重合体の分子量分布曲線
が、両極大値間を共通の接線Lで結んでなる四辺形形状
にいかに近似しているかを表すものであり、比(V/
P)が小さいほど四辺形に近似していることを意味す
る。
【0015】
【数1】
【0016】このことは、高分子量成分と低分子量成分
との間の中間分子量の成分がどれだけ多いかを示す上で
の指標となる。そして、上記比(V/P)が小さければ
小さいほど、中間分子量の成分が多く、定着性、耐オフ
セット性および耐久性の最適の組み合わせを有するトナ
ーが得られることになる。上記比(V/P)は、本発明
では0.30以下である必要がある。特に、0.20以
下であることが好ましい。比(V/P)が0.30を超
えた場合には、スチレン−アクリル系共重合体中の中間
分子量成分が不足して、均質性が悪くなり、トナーの耐
久性が悪化する上、定着不良やオフセットの発生を抑制
できなくな
【0017】また、高分子量側の極大値PH を含むピー
クの面積SH と、低分子量側の極大値PL を含むピーク
の面積SLとの比は、特に限定されないが、合計100
として、15:85〜50:50、特に20:80〜4
5:55の範囲内にあるのが好ましい。上記分子量分布
を有するスチレン−アクリル系共重合体において、全体
に占めるスチレンの割合が80重量%以上に限定される
のは、スチレンの割合が80重量%未満では、全体のガ
ラス転移温度が十分に高くならず、トナーの耐熱性を向
上できないからである。
【0018】また、前記極小値VM より低分子量側の成
分中のスチレンの割合が、40〜60重量%の範囲内に
限定されるのは、以下の理由による。すなわち、極小値
M より低分子量側の成分中のスチレンの割合が40重
量%未満では、低分子量側の成分のガラス転移温度が低
くなり過ぎて、耐熱性が低下する。逆に、60重量%を
超えると、低分子量側の成分のガラス転移温度を十分に
低くできないため、低温定着性を向上できない。
【0019】上記スチレン−アクリル系共重合体は、例
えば、上述した分子量分布を有するように、分子量分布
の異なる複数種のスチレン−アクリル系共重合体を均一
に溶融ブレンドすることで製造される。この溶融ブレン
ド法によれば、例えば図2に示す通り、曲線Aに示す分
子量分布のスチレン−アクリル系共重合体(低分子量の
もの)と、曲線Bに示す分子量分布のスチレン−アクリ
ル系共重合体(高分子量のもの)とを等量溶融ブレンド
することで、曲線Cに示す分子量分布のスチレン−アク
リル系共重合体が得られる。
【0020】上記溶融ブレンド法において、全体に占め
るスチレンの割合、および、極小値VM より低分子量側
の成分中のスチレンの割合を、前記範囲内に調整するに
は、原料である低分子量および高分子量のスチレン−ア
クリル系共重合体の、それぞれにおけるスチレンの割合
を調整すればよい。低分子量および高分子量のスチレン
−アクリル系共重合体のスチレンの割合は、これら共重
合体の原料であるスチレン系単量体とアクリル系単量体
との配合割合や種類、或いは重合条件等を調整すること
で、容易に調整できる。
【0021】なお、上記スチレン−アクリル系共重合体
は、複数種の重合法を組み合わせる多段重合法により製
造することもできる。スチレン系単量体としては、スチ
レンの他に、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等も
使用できる。アクリル系単量体としては、下記一般式
(I) で表されるものを使用することができる。
【0022】
【化1】
【0023】式中、R1 は水素原子または低級アルキル
基、R2 は水素原子、炭素数12までの炭化水素基、ヒ
ドロキシアルキル基、ビニルエステル基またはアミノア
ルキル基である。上記一般式(I) で表されるアクリル系
単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、
β−ヒドロキシアクリル酸エチル、γ−ヒドロキシアク
リル酸プロピル、δ−ヒドロキシアクリル酸ブチル、β
−ヒドロキシメタクリル酸エチル、γ−アミノアクリル
酸プロピル、γ−N,N−ジエチルアミノアクリル酸プ
ロピル、エチレングリコールジメタクリル酸エステル、
テトラエチレングリコールジメタクリル酸エステル等が
挙げられる。
【0024】トナーは、上記定着用樹脂中に、着色剤、
電荷制御剤、離型剤(オフセット防止剤)等の添加剤を
配合し、適当な粒径に造粒することで製造される。着色
剤としては、種々の着色顔料、体質顔料、導電性顔料、
磁性顔料、光導電性顔料等があげられる。これらは用途
に応じて、1種または2種以上の組み合わせで使用され
る。
【0025】着色顔料としては、以下にあげるものが好
適に使用される。黒色 ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマル、
ガスブラック、オイルブラック、アセチレンブラック等
のカーボンブラック、ランプブラック、アニリンブラッ
ク。
【0026】白色 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。赤色 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、パーマ
ネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッ
ド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッド
D、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ロー
ダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカー
ミン3B。
【0027】橙色 赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、インダ
ンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK。黄色 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
プルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザーイエ
ローG、ハンザーイエロー10G、ベンジジンイエロー
G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレー
キ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレー
キ。
【0028】緑色 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。青色 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーB
C。
【0029】紫色 マンガン紫、ファーストバイオレットB、メチルバイオ
レットレーキ。 体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレ
ー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワ
イト等があげられる。導電性顔料としては、導電性カー
ボンブラックやアルミニウム粉等があげられる。
【0030】磁性顔料としては、各種フェライト、例え
ば、四三酸化鉄(Fe3 4 )、三二酸化鉄(γ−Fe2
3 )、酸化鉄亜鉛(Zn Fe24 )、酸化鉄イットリウム
(Y 3 Fe5 12)、酸化鉄カドミウム(Cd Fe24 )、
酸化鉄ガトリニウム(Gd3 Fe 5 4 )、酸化鉄銅(Cu F
e24 )、酸化鉄鉛(Pb Fe12 19)、酸化鉄ネオジム
(Nd Fe O3 )、酸化鉄バリウム(Ba Fe12 19)、酸
化鉄マグネシウム(MgFe24 )、酸化鉄マンガン(Mn
Fe24 )、酸化鉄ランタン(La Fe O3 )、鉄粉、コ
バルト粉、ニッケル粉等があげられる。
【0031】光導電性顔料としては、酸化亜鉛、セレ
ン、硫化カドミウム、セレン化カドミウム等があげられ
る。着色剤は、結着樹脂100重量部に対して1〜30
重量部、好ましくは2〜20重量部の割合で使用され
る。電荷制御剤としては、トナーの極性に応じて、正電
荷制御用と負電荷制御用の2種の電荷制御剤のうちの何
れか一方が用いられる。
【0032】正電荷制御用の電荷制御剤としては、塩基
性窒素原子を有する有機化合物、例えば塩基性染料、ア
ミノピリン、ピリミジン化合物、多核ポリアミノ化合
物、アミノシラン類等や、上記各化合物で表面処理され
た充填剤等があげられる。負電荷制御用の電荷制御剤と
しては、カルボキシ基を含有する化合物(例えばアルキ
ルサリチル酸金属キレート等)、金属錯塩染料、脂肪酸
石鹸、ナフテン酸金属塩等があげられる。
【0033】電荷制御剤は、結着樹脂100重量部に対
して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部
の割合で使用される。離型剤(オフセット防止剤)とし
ては、脂肪族系炭化水素、脂肪族金属塩類、高級脂肪酸
類、脂肪酸エステル類もしくはその部分ケン化物、シリ
コーンオイル、各種ワックス等があげられる。中でも、
重量平均分子量が1000〜10000程度の脂肪族系
炭化水素が好ましい。具体的には、低分子量ポリプロピ
レン、低分子量ポリエチレン、パラフィンワックス、炭
素原子数4以上のオレフィン単位からなる低分子量のオ
レフィン重合体等の1種または2種以上の組み合わせが
適当である。
【0034】離型剤は、結着樹脂100重量部に対して
0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜8重量部の割
合で使用される。トナーは、以上の各成分を乾式ブレン
ダー、ヘンシェルミキサー、ボールミル等によって均質
に予備混練して得られた混合物を、例えばバンバリーミ
キサー、ロール、一軸または二軸の押出混練機等の混練
装置を用いて均一に溶融混練した後、得られた混練物を
冷却して粉砕し、必要に応じて分級することで製造され
る他、懸濁重合法等により製造することもできる。
【0035】トナーの粒径は、3〜35μm、好ましく
は5〜25μmである。上記トナーの表面には、表面処
理剤をまぶして、流動性や帯電性を向上させることもで
きる。表面処理剤としては、無機微粒子やフッ素樹脂粒
子等の、従来公知の種々の材料を使用でき、特に、疎水
性または親水性のシリカ微粒子を含むシリカ系表面処理
剤、例えば超微粒子状無水シリカやコロイダルシリカ等
が好適に使用される。
【0036】トナーは、フェライトや鉄粉等の磁性キャ
リヤと混合して、二成分系現像剤として、画像形成装置
に使用することができる。
【0037】
【実施例】以下に、本発明を、実施例並びに比較例に基
づいて説明する。実施例1 下記の分子量分布を有し、樹脂全体に占めるスチレンの
割合が80重量%で、かつ、下記極小値VM より低分子
量側の成分中のスチレンの割合が40重量%であるスチ
レン−ブチルアクリレート共重合体100重量部に、着
色剤としてのカーボンブラック8重量部、電荷制御剤と
しての負極性染料1重量部、およびオフセット防止剤と
しての低分子量ポリプロピレン1重量部を混合し、溶融
混練後、冷却、粉砕、分級を行って、体積基準のメジア
ン径が12μmである電子写真用トナーを作製した。
【0038】分子量分布 分子量分布の上限MS :210000 極大値PH の分子量 :190000 極大値PL の分子量 :5000 極小値VM の分子量 :25500実施例2 上記実施例1で使用した共重合体100重量部に代え
て、下記の分子量分布を有し、樹脂全体に占めるスチレ
ンの割合が85重量%で、かつ、下記極小値VM より低
分子量側の成分中のスチレンの割合が50重量%である
スチレン−ブチルアクリレート共重合体100重量部を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用ト
ナーを作製した。
【0039】分子量分布 分子量分布の上限MS :210000 極大値PH の分子量 :192000 極大値PL の分子量 :5500 極小値VM の分子量 :25000実施例3 上記実施例1で使用した共重合体100重量部に代え
て、下記の分子量分布を有し、樹脂全体に占めるスチレ
ンの割合が90重量%で、かつ、下記極小値VM より低
分子量側の成分中のスチレンの割合が60重量%である
スチレン−ブチルアクリレート共重合体100重量部を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用ト
ナーを作製した。
【0040】分子量分布 分子量分布の上限MS :210000 極大値PH の分子量 :190000 極大値PL の分子量 :5000 極小値VM の分子量 :24500比較例1 上記実施例1で使用した共重合体100重量部に代え
て、下記の分子量分布を有し、樹脂全体に占めるスチレ
ンの割合が80重量%で、かつ、下記極小値VM より低
分子量側の成分中のスチレンの割合が38重量%である
スチレン−ブチルアクリレート共重合体100重量部を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用ト
ナーを作製した。
【0041】分子量分布 分子量分布の上限MS :210000 極大値PH の分子量 :190000 極大値PL の分子量 :5000 極小値VM の分子量 :24500比較例2 上記実施例1で使用した共重合体100重量部に代え
て、下記の分子量分布を有し、樹脂全体に占めるスチレ
ンの割合が90重量%で、かつ、下記極小値VM より低
分子量側の成分中のスチレンの割合が70重量%である
スチレン−ブチルアクリレート共重合体100重量部を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用ト
ナーを作製した。
【0042】分子量分布 分子量分布の上限MS :210000 極大値PH の分子量 :191000 極大値PL の分子量 :5000 極小値VM の分子量 :24100比較例3 上記実施例1で使用した共重合体100重量部に代え
て、下記の分子量分布を有し、樹脂全体に占めるスチレ
ンの割合が75重量%で、かつ、下記極小値VM より低
分子量側の成分中のスチレンの割合が50重量%である
スチレン−ブチルアクリレート共重合体100重量部を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用ト
ナーを作製した。
【0043】分子量分布 分子量分布の上限MS :210000 極大値PH の分子量 :191000 極大値PL の分子量 :5000 極小値VM の分子量 :24500比較例4 上記実施例1で使用した共重合体100重量部に代え
て、下記の分子量分布を有し、樹脂全体に占めるスチレ
ンの割合が85重量%で、かつ、下記極小値VM より低
分子量側の成分中のスチレンの割合が50重量%である
スチレン−ブチルアクリレート共重合体100重量部を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用ト
ナーを作製した。
【0044】分子量分布 分子量分布の上限MS :225000 極大値PH の分子量 :210000 極大値PL の分子量 :5000 極小値VM の分子量 :24000比較例5 上記実施例1で使用した共重合体100重量部に代え
て、下記の分子量分布を有し、樹脂全体に占めるスチレ
ンの割合が85重量%で、かつ、下記極小値VM より低
分子量側の成分中のスチレンの割合が50重量%である
スチレン−ブチルアクリレート共重合体100重量部を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用ト
ナーを作製した。
【0045】分子量分布 分子量分布の上限MS :120000 極大値PH の分子量 :80000 極大値PL の分子量 :5000 極小値VM の分子量 :24000比較例6 上記実施例1で使用した共重合体100重量部に代え
て、下記の分子量分布を有し、樹脂全体に占めるスチレ
ンの割合が85重量%で、かつ、下記極小値VM より低
分子量側の成分中のスチレンの割合が50重量%である
スチレン−ブチルアクリレート共重合体100重量部を
用いたこと以外は、実施例1と同様にして電子写真用ト
ナーを作製した。
【0046】分子量分布 分子量分布の上限MS :210000 極大値PH の分子量 :191000 極大値PL の分子量 :110000 極小値VM の分子量 :160000 上記各実施例並びに比較例で得られた電子写真用トナー
100重量部に疎水性シリカ0.2重量部を混合した
後、平均粒径が80μmのフェライトキャリアを配合
し、均一に攪拌混合して、トナー濃度4.0%の2成分
系現像剤を作製した。得られた現像剤を用いて、以下の
各試験を行った。
【0047】定着性試験 三田工業株式会社製の電子写真複写機、型番DC−20
55改造機(加熱圧ロール定着方式)の加熱ローラの設
定温度を140℃から2.5℃ずつ上げていき、黒べた
原稿に対応するトナー像が形成された転写紙を通紙して
定着させ、形成された定着像に対して粘着テープを圧着
してから剥離を行い、剥離前と剥離後の定着画像濃度を
前記反射濃度計によって測定し、下記式により、定着率
が90%を超える最低の温度を求めて最低定着温度(F
1 )とした。
【0048】
【数2】
【0049】その後、さらに昇温を続け、オフセットが
発生する温度を求めて、高温オフセット発生温度
(F2 )とした。耐ブロッキング性試験 所定温度のオーブン内で、内径が26.5mmのガラス製
の円筒シリンダにトナー20gを入れ、トナーの上に1
00gの分銅を載せて30分間放置した。その後、シリ
ンダを抜き取ってトナーの状態を観察し、トナーが崩れ
なくなるオーブンの温度(B1 )を記録した。
【0050】トナー抜けの観察 一辺の長さが24mmの正方形の枠内に、約0.57mm間
隔で縦横に平行な直線を複数本描いた網目パターンを、
A4版の白紙の表面の30箇所に貼付した網目チャート
を作成した。この網目チャートを原稿として、電子写真
複写機(三田工業株式会社製の型番DC−2055)に
より連続複写を行い、1枚目、500枚目、1000枚
目、2000枚目、3000枚目、4000枚目、およ
び5000枚目から、原稿が複写された用紙を5枚ずつ
サンプリングし、トナー抜けの有無を観察した。上記の
結果を、下記の基準により評価した。
【0051】○:トナー抜けが9箇所以内 ×:トナー抜けが10箇所以上雨フリの観察 上記現像剤を、前記と同じ電子写真複写機にスタート現
像剤として使用するとともに、現像剤に含まれているの
と同じ電子写真用トナーを補給用トナーとして使用し
て、黒べた原稿の2万枚の連続複写を行った。そして、
2万枚目の複写画像における、雨フリの有無を観察し
た。
【0052】○:発生しなかった ×:発生したトナーのスペント率の測定 上記現像剤を、前記と同じ電子写真複写機にスタート現
像剤として使用するとともに、現像剤に含まれているの
と同じ電子写真用トナーを補給用トナーとして使用し
て、黒べた原稿の5万枚の連続複写を行った後、この現
像剤を界面活性剤で洗浄してトナーを除去し、洗浄した
キャリヤを乾燥して秤量した(これをXgとする)。つ
ぎに、上記秤量したキャリヤをトルエンで洗浄して、キ
ャリヤに付着したスペントトナーを除去した後、再びキ
ャリヤを乾燥して秤量した(これをYgとする)。そし
て、下記式により、トナーのキャリヤへのスペント率
(%)を求めた。
【0053】
【数3】
【0054】以上の結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】上記表1の結果より、分子量分布の極小値
M より低分子量側の成分中の、スチレンの割合が40
重量%未満である比較例1のトナーはスペント率が高
く、このことから、耐熱性が悪いことが判った。また、
上記スチレンの割合が60重量%を超える比較例2のト
ナーは最低定着温度F1 が高く、このことから、低温定
着性に劣ることが判った。
【0057】スチレンの樹脂全体に占める割合が80重
量%未満である比較例3、分子量分布の上限MS が2.
1×105 を超え、かつ、極大値PH の分子量が2×1
5 を超える比較例4、並びに、極大値PH の分子量が
1×105 未満である比較例5のトナーは、何れもブロ
ッキング温度B1 が低く、また、ブロッキングの発生に
ともなうトナー抜けと雨フリが観察され、このことか
ら、耐熱性が悪いことが判った。また、上記比較例5の
トナーは高温オフセット発生温度F2 が低く、オフセッ
トし易いことが判った。
【0058】さらに、上記比較例4、および、極大値P
L の分子量が1×105 を超える比較例6のトナーは最
低定着温度F1 が高く、このことから、低温定着性に劣
ることが判った。これに対し、本発明の構成である実施
例1〜3のトナーは、何れも、低温定着性、耐オフセッ
ト性、耐熱性に優れていることが判明した。
【0059】
【発明の効果】本発明の電子写真用トナーにおいては、
スチレン−アクリル系共重合体の分子量分布を所定範囲
に限定して、低温定着性、耐オフセット性を維持しつ
つ、樹脂全体に占めるスチレンの含有割合を多くして、
定着用樹脂全体のガラス転移温度を高めるとともに、低
分子量成分中のスチレンの含有割合を少なくして、当該
低分子量成分のガラス転移温度を低くしている。したが
って、上記本発明の電子写真用トナーは、耐オフセット
性、耐熱性に優れるとともに、特に低温定着性に優れた
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】スチレン−アクリル系共重合体の分子量分布を
示すゲルパーミェーションクロマトグラムである。
【図2】図1の分子量分布を有するスチレン−アクリル
系共重合体を得るための方法の一例を示すゲルパーミェ
ーションクロマトグラムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 健 大阪府大阪市中央区玉造1丁目2番28号 三田工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子量分布を示すゲルパーミェーションク
    ロマトグラム中、分子量1×103以上、1×105未満
    の範囲内と、分子量1×105以上、2×105以下の範
    囲内とに、それぞれ分子量分布の極大値を有し、両極大
    値の間に分子量分布の極小値を有するとともに、分子量
    分布の範囲が2×105以下であり、なおかつ両極大値
    を含む2つのピークの面積S H 、S L の合計と、両ピーク
    を共通の接線で結んだ際に、当該接線より下側の、上記
    極小値を含む谷の面積S V とから、式: 【数1】 により導かれる比(V/P)が0.3以下であるスチレ
    ン−アクリル系共重合体を定着用樹脂として含有してい
    る電子写真用トナーであって、定着用樹脂全体に占める
    スチレンの割合が80重量%以上で、かつ、定着用樹脂
    中、上記極小値より低分子量側の成分中のスチレンの割
    合が40〜60重量%であることを特徴とする電子写真
    用トナー。
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