JPH11174342A - 電動レボルバ装置 - Google Patents

電動レボルバ装置

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JPH11174342A
JPH11174342A JP9343355A JP34335597A JPH11174342A JP H11174342 A JPH11174342 A JP H11174342A JP 9343355 A JP9343355 A JP 9343355A JP 34335597 A JP34335597 A JP 34335597A JP H11174342 A JPH11174342 A JP H11174342A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 対物レンズ毎の位置決め精度にばらつきが生
じても、常に各対物レンズを正確に位置決めすることが
できる電動レボルバ装置を提供する 【解決手段】 本発明の電動レボルバ装置は、複数の対
物レンズを保持するレボルバ(20)と、対物レンズの
切換えを指示するための指示装置(6)と、レボルバを
回転駆動するモータ(61)と、モータの回転量を検出
する回転検出装置(62)と、対物レンズ切換え時のモ
ータの回転量に応じたデータを、複数の対物レンズ、ま
たは複数の対物レンズ間のデータに対応して記憶する記
憶装置(81)とを有する。そして、駆動制御装置(5
0、80)は、指示装置からの切換え指示に応じて記憶
装置に記憶されたデータを読み出し、読み出したデータ
と回転検出装置によって検出されるモータの回転量とが
一致するまでモータを駆動させる。最終的な位置決め
は、クリックストップ機構により行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は顕微鏡の電動レボル
バ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動レボルバ装置は、特開平7−
311343号公報に開示されるように、複数の対物レ
ンズを装着したレボルバをモータにより回転させ、最終
的な回転の位置決めは、クリックストップ機構にて機械
的に行なっていた。クリックストップ機構は、鋼球が設
けられた板バネとV溝が設けられたレールとから構成さ
れる。板バネはレボルバを回転可能に保持する保持部材
に設けられ、レールはレボルバに設けられている。鋼球
は板バネによってレールに押圧されており、この押圧力
によって鋼球がV溝に落ち込み、レボルバを位置決めし
ている。この位置決めが正確に行なわれるよう、電動レ
ボルバのクリックストップ機構においては、手動型のレ
ボルバよりも大きな圧力を機械的にかけていた。
【0003】また、レボルバが所定量回転するとモータ
に対して電気的に制動をかけるが、制動をかけるタイミ
ングは、レボルバに設けられたスリット板の幅の調整
や、スリット板のスリット位置を検出するホトインタラ
プタからの検出信号を遅延させる電気的遅延回路により
行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の電動レボルバに
おいて、クリックストップ機構は、経年変化によりV溝
が摩耗したり、潤滑油が切れたりする。従って、頻繁に
切換えが行われる対物レンズについては、位置決めの際
にオーバーランやショートランが生じる。これを回避す
るために、上述のスリット板のスリット幅を調整した
り、遅延回路による遅延時間を調整して、モータへ制動
をかけるタイミングを調整していた。しかし、このよう
な調整は、レボルバに装着されたすべての対物レンズを
均等に調整するものであり、調整の必要が無い対物レン
ズにも影響してしまう。従って、各対物レンズの位置決
め精度のばらつきが大きくなると、すべての対物レンズ
に対して正確な位置決めが達成されなくなってしまう。
また、停止位置へ正確に位置決めする必要があるため、
機械的圧力に応じて大きな動作トルク(駆動力)が必要
となり、使用するモータが大きくなる。モータが大きい
とレボルバ装置全体が大型化してしまう。特開平7−3
11343号公報に開示されているように、レボルバ内
部にモータを収納すると、レボルバ中央部に突出部が生
じ、対物レンズの着脱操作が困難となる。
【0005】本発明は上述の問題に鑑みてなされたもの
で、本発明の第1の目的は、対物レンズ毎の位置決め精
度にばらつきが生じても、常に各対物レンズを正確に位
置決めすることができる電動レボルバ装置を提供するこ
とである。また、本発明の第2の目的は、クリックスト
ップ機構の圧力、及び駆動トルクを軽減し、それによ
り、使用するモータを小型化してレボルバ内部に収納可
能な小型の電動レボルバ装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決する為の手段】上述の問題を解決するた
め、請求項1記載の本発明の電動レボルバ装置は、複数
の対物レンズを保持するレボルバ(20)と、対物レン
ズの切換えを指示するための指示装置(6)と、レボル
バを回転駆動するモータ(61)と、モータの回転量を
検出する回転検出装置(62)と、対物レンズ切換え時
のモータの回転量に応じたデータを、複数の対物レン
ズ、または複数の対物レンズ間のデータに対応して記憶
する記憶装置(81)と、指示装置からの切換え指示に
応じて記憶装置に記憶されたデータを読み出し、読み出
したデータと回転検出装置によって検出されるモータの
回転量とが一致するまでモータを駆動させる駆動制御装
置(50、80)と、レボルバを所定の回転位置で機械
的に位置決めする位置決め装置(12、13、21)
と、を有することを特徴とする。
【0007】請求項2記載の本発明は、請求項1記載の
電動レボルバ装置において、回転検出装置が、DCモー
タ一体型のロータリーエンコーダ(30)であり、モー
タを兼用することを特徴とするものである。請求項3記
載の本発明は、請求項1又は2記載の電動レボルバ装置
において、記憶装置(81)に記憶されたモータの回転
量に応じたデータは、複数の対物レンズの取り付け穴間
の中心角にほぼ対応し、駆動制御装置(50、80)
は、モータの回転量が読み出したデータの回転量に達し
たことを検出する検出装置(72)を有し、検出装置か
らの信号に応じてモータの回転を制動し停止させること
を特徴とするものである。
【0008】請求項4記載の本発明は、請求項1〜3の
いずれかに記載の電動レボルバ装置において、記憶装置
(81)に記憶される複数のデータを個別に設定可能な
設定装置(83)をさらに有することを特徴とするもの
である。請求項5記載の本発明は、請求項1〜4のいず
れかに記載の電動レボルバ装置において、レボルバの回
転位置が、位置決め装置(12、13、21)により規
定される停止位置に配置されているか否かを検出する位
置検出装置(44)をさらに有し、駆動制御装置(5
0、80)は、位置検出装置(44)からの信号に基づ
いて、レボルバが停止位置に位置決めされていない場合
に、レボルバの回転位置を補正して停止位置へ配置する
ことを特徴とするものである。
【0009】請求項6記載の本発明は、請求項5記載の
電動レボルバ装置において、制御装置(50、80)
が、レボルバの回転位置を補正したときのモータの回転
量に関する情報に基づいて、補正した対物レンズに対応
する記憶装置に記憶されたデータを更新することを特徴
とするものである。請求項7記載の本発明の電動レボル
バ装置は、複数の対物レンズを保持するレボルバ(2
0)と、対物レンズの切換えを指示するための指示装置
(6)と、レボルバを回転駆動するモータ(61)と、
レボルバの回転量に応じた情報を検出する回転検出装置
(62)と、対物レンズ切換え時のレボルバの回転量に
応じたデータを、複数の対物レンズ、または複数の対物
レンズ間のデータに対応して記憶する記憶装置(81)
と、記憶装置に記憶された複数のデータを個別に設定可
能な設定装置(83)と、記憶装置に記憶されたデータ
に基づいて、指示装置の切換え指示に応じてモータの駆
動を制御する駆動制御装置(50、80)と、を有する
ことを特徴とするものである。
【0010】請求項8記載の本発明の電動レボルバ装置
は、複数の対物レンズを保持するレボルバ(20)と、
対物レンズの切換えを指示するための指示装置(6)
と、レボルバを回転駆動するモータ(61)と、レボル
バの回転量に応じた情報を検出する回転検出装置(6
2)と、対物レンズ切換え時のレボルバの回転量に応じ
たデータを、複数の対物レンズ、または複数の対物レン
ズ間のデータに対応して記憶する記憶装置(81)と、
記憶装置に記憶されたデータに基づいて、指示装置の切
換え指示に応じてモータの駆動を制御する駆動制御装置
(50、80)と、レボルバを所定の回転位置で機械的
に位置決めする位置決め装置(12、13、21)と、
レボルバの回転位置が位置決め装置により規定される停
止位置に配置されているか否かを検出する位置検出装置
(44)と、を有し、駆動制御装置(50、80)は、
位置検出装置(44)からの信号に基づいて、停止位置
に位置決めされていない場合に、レボルバの回転位置を
補正して停止位置へ配置すること、を有することを特徴
とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の電動レボルバ装
置を備えた電動顕微鏡の側面図である。ステージ1上に
は試料2が載置されている。試料からの光は対物レンズ
3を介して接眼レンズ4に導かれ、試料像が観察され
る。顕微鏡のアーム部には複数の対物レンズを保持する
電動レボルバ5が装着されている。対物レンズの切換え
は、顕微鏡のベース部に設けられた切換指示装置6を操
作することにより行われる。切換指示装置6には、レボ
ルバを正転させるためのスイッチと、逆転させるための
スイッチとを有する。これらのスイッチを押すことによ
り、現在、顕微鏡光路に配置されている対物レンズが一
つ隣の対物レンズに切換わる。
【0012】図2は電動レボルバ5の概略構成を示す断
面図であり、図3は図2のA矢視図である。図3は部分
的に電動レボルバ5の内部構成を示す。電動レボルバ5
は、固定部材10と、レボルバ(回転部材)20と、モ
ータ30とを備え、顕微鏡のアーム部に対して着脱可能
に取り付けられる。レボルバ20は、ベアリングボール
11a、11bにより、固定部材に対して回転可能に保
持されている。レボルバ20には内歯歯車22を有する
歯車リング23が固定されている。レボルバ20は、対
物レンズを装着するための装着穴24が6個設けられて
いる。装着穴24は、回転中心25を中心として同心円
状に設けられている。従って、隣り合う対物レンズ装着
穴間の中心角は60度である。
【0013】クリックストップ機構は、ばね12、鋼球
13、レール21から構成される。固定部材10にはば
ね12の一端が固定されている。ばね12の他端には鋼
球13が支持されており、鋼球13はばね12によりレ
ボルバに設けられたレール21に押圧されている。鋼球
13がレール21に設けられたV溝に落ち込むことによ
り、レボルバが位置決めされ、対物レンズが顕微鏡光路
に配置される。
【0014】モータ30はレボルバ20の回転軸上に配
置され、固定部材10に固設されている。モータ30の
回転軸はレボルバ20の回転軸と直交する。モータの回
転軸は、固定部材に設けられた回転伝達機構31を介し
て、歯車リング23の内歯歯車22に係合されている。
従って、モータが回転することにより、回転伝達機構3
1、歯車リング23を介してレボルバ20が回転する。
【0015】電動レボルバ5は、レボルバ20が所定の
停止位置(クリックストップ機構によって回転が停止さ
れ、対物レンズが顕微鏡光路上に配置される位置)に配
置されているか否かを検出するためのレボルバ位置検出
装置40を有する。レボルバ位置検出装置40にはレボ
ルバ20に設けられたマグネット43を検出するホール
IC44が設けられている。マグネット43は、6個の
対物レンズ装着穴に応じて6個所に設けられ、ホールI
C44は、レボルバ20が所定の停止位置にある時にの
み、マグネット43を検出するように構成されている。
【0016】また、このレボルバ位置検出装置40は、
レボルバ20に設けられたマグネット42を検出するホ
ールIC41a、41b、41cも有する。マグネット
42を検出するホールICの組み合わせによって、顕微
鏡光路に配置されている装着穴24の番地が検出され
る。レボルバ位置検出装置40からの停止位置検出信号
と番地検出信号とは、配線61、接点基板51を介し
て、顕微鏡本体側のCPUに送られる。顕微鏡本体に
は、接点基板51対応するに接点基板(不図示)が設け
られている。電動レボルバ5を顕微鏡本体に装着する
と、これらの接点基板が接続され、各種信号が伝達され
る。また、CPUからの制御信号は、接点基板51、配
線62を介して、モータ30に送られる。この構成につ
いては後で詳述する。
【0017】本実施形態のモータ30は、DCモータと
ロータリーエンコーダとが一体化されたものを用いてい
る。ロータリーエンコーダはDCモータの回転量検出用
として使用される。また、ロータリーエンコーダ一体型
のDCモータは動作トルクの小さい小型のものであり、
レボルバ20の内部に納まるように保持部材10に設け
られている。すなわち、電動レボルバ5内のデッドスペ
ースにモータ30を配置している。このデッドスペース
は、レボルバ20の回転面が対物レンズの光軸に直交す
る面に対して傾斜することによって生じる電動レボルバ
5内部のスペースのことをいう。従って、固定部材10
及びレボルバ20からなる電動レボルバ5のサイズを必
要最小限の大きさにすることができる。
【0018】図4は、本実施形態の電動レボルバ装置の
ブロック図である。顕微鏡本体に設けられるレボルバ駆
動装置50は、CPU80からの回転指令及び停止(制
動)指令により電動レボルバ5内のDCモータ61を制
御する制御部71と、電動レボルバ5内のロータリエン
コーダ62からのパルスを入力し、設定された制御デー
タからカウントダウンして所定量検出信号を出力する8
ビットダウンカウンタ72と、制御データを一時記憶し
ておくラッチ回路73と、8ビットダウンカウンタ72
に制御データをロードさせるためのタイミング回路74
とから構成されている。
【0019】また、制御部71はモータの回転方向及び
モータ駆動をPWM方式で行うように制御するモータ制
御部75とモータドライバ76とからなる。PWM方式
では、PWMクロック信号のパルス幅を調節することに
より駆動スピードを制御できるので、ユーザの好みのス
ピードでレボルバを切換えることができる。パルス幅の
調整は、設定装置83により行なうことができる。
【0020】また、顕微鏡本体は、レボルバの駆動と対
物レンズの切換え動作を統括制御するCPU80と、レ
ボルバを駆動するための各種情報を記憶する記憶装置8
1と、切換指示装置6とを有する。また、顕微鏡には設
定装置83が接続され、CPU83に対してレボルバを
駆動するための各種設定を行なうことができる。CPU
80からのモータ回転方向指令(CW、CCW)、PW
Mクロック信号(PWM CLK)、及び制御データ
(DATA)は、レボルバ駆動装置50に送られる。電
動レボルバ5内のレボルバ位置検出装置40からの停止
位置検出信号(STOP-POSI)と番地検出信号(OBJ.ADDRE
SS)とは、CPU80に出力される。
【0021】また、記憶装置81は、レボルバ位置検出
装置40からの停止位置検出信号を一時的に記憶してお
く。これは、後に説明する補正モード制御の時の方向判
別に使用する。以後、この記憶データをオーバーランフ
ラグ及びショートランフラグと言う。次に、電動レボル
バ装置の動作をCPU80の制御フローを示す図6、図
7、及び図8と、各種制御信号のタイミングチャートを
示す図9とを用いながら説明する。図6に示すS1〜S
6、図7に示すS10〜S19、図8に示すS20〜S
25は、それぞれCPU80の制御工程の各ステップを
示す。ここで、レボルバの穴間制御データや、レボルバ
の回転速度データ等は、設定装置83により初期設定さ
れているものとする。
【0022】図5(a)に示すように、レボルバ20が
6穴のレボルバの場合、レボルバ20が1周するとモー
タ30(DCモータ61)のギヤヘッド出力軸が約20
回転するように回転伝達機構31のギヤトレインが構成
されている。モータ30のギヤヘッドのギヤ比が15:
1とするとレボルバ1周でモータ30のモータ出力軸は
15×20=300回転となる。レボルバの穴間では3
00÷6=50回転となる。ロータリーエンコーダ62
は1回転4パルスのものを使用すれば、50×4=20
0となる。
【0023】ここで、モータの回転を停止させる場合、
ブレーキをかけなければならない。ブレーキをかけてい
る間に若干モータが回転してしまう。この分を考慮し
て、各穴間の制御データとしてのパルス数データを例え
ば198とする。この制御データは、レボルバ穴間の中
心角θ(60度)にほぼ対応するものである。各穴間の
制御データとしてのパルス数データ198を設定装置8
3によりセットすると、図5(b)に示すように、記憶
装置81には、各穴間のデータに応じてパルス数データ
(a=198、b=198、c=198、d=198、
e=198、f=198)が記憶される。これらの値
(a〜f)は、全て同じ値であってもよいし、それぞれ
異なる値であっても良い。本実施形態のレボルバ20は
6つ穴レボルバであり、各穴間の中心角は全て等しくな
るように製造されているものと仮定している。従って、
各制御データを同じ値としている。ここで、例えば7つ
穴レボルバのように、各穴間の中心角を全て等しく製造
することが困難なものに関しては、各穴間の中心角に応
じて個々に制御データを設定する。
【0024】また、図5(c)に示すように、各対物レ
ンズのデータに応じて、その対物レンズからの正転切換
時、逆転切換時とに分けてパルス数データ(a1〜f
1、a2〜f2)を記憶するようにしても良い。このよ
うに正転時と逆転時とにデータを分ける方がより正確に
切換制御を行なうことができる。先ず、CPU80は、
S1においてオーバーランフラグ及びショートランフラ
グをゼロクリアする。次に、S2に進み、電動レボルバ
回転スピードに起因するPWMクロックデータを出力す
る。次にS3に進み、CPU80は回転入力指令を待ち
続ける。
【0025】この時、CPU80は、レボルバ位置検出
装置40から番地検出信号が入力されているので、現在
光路に配置されている対物レンズを認識している。そし
て、切換指示装置6から正転又は逆転の回転指令が入力
されると、S4において記憶装置81から対物レンズの
切換データに対応する制御データを読み出し、ラッチ回
路73に出力する。例えば、2番地に取り付けられた対
物レンズから1番地に取り付けられた対物レンズに切換
える場合、図5に示すデータaをラッチ回路73に出力
する。また、その回転指令に基づいて、正方向(CW)
又は逆方向(CCW)の回転指令をモータコントローラ
75とタイミング回路74とに出力する(S5)。図9
においては、正方向(CW)の回転指令を出力してい
る。さらに、この回転指令とともに、PWMクロックを
モータコントローラ75に出力する。
【0026】モータコントローラ75は、PWMクロッ
クと同期した回転指令出力をモータドライバ26を介し
てDCモータ11へ出力する。この信号は、図9におい
てモータ出力+として示されている。レボルバ位置検出
装置40からの停止位置検出信号(STOP−POS
I)は、正常な停止位置ではLレベルである。
【0027】DCモータ11が回転しだすと、停止位置
検出信号はLからHへ切り替わる。ロータリーエンコー
ダ62は、DCモータ61の回転に応じて8ビットダウ
ンカウンタ72へパルス信号を出力する。8ビットダウ
ンカウンタ72はラッチ回路73に記憶されたデータが
ロードされている。データのロードは、CPU80から
のチップセレクト信号(CS)に応じて行われる。
【0028】8ビットダウンカウンタ72は、パルスの
入力があると記憶されたデータからカウントダウンを開
始する。カウントダウンされたデータが0になると、所
定量検出信号(STOP)を、モータコントローラ75
に出力する。この信号を受けたモータコントローラ75
は、直ちにモータを停止させるべくブレーキ信号をモー
タドライバ76へ出力する。
【0029】モータが完全に停止するまでの間、モータ
の回転軸はわずかに回転する。すなわち、ガタを含めた
ある一定距離、レボルバ20は回転する。この間、ロー
タリーエンコーダ62から8ビットダウンカウンタ72
にパルス信号(ブレーキの強さにもよるが、本実施形態
においては約2パルスとして計算している)が出力され
る。8ビットダウンカウンタのカウント値は0であるた
め、このパルス信号はカウントしない。
【0030】このことにより、レボルバ20は、制御デ
ータ(198)に若干の一定距離を加えた分だけ回転
し、切換え後の対物レンズがクリックストップ機構によ
り位置決めされることになる。また、所定量検出信号
(STOP)は割り込み信号(INT信号)としてCP
U80へも出力される。CPU80はS6においてこの
信号が入力されるまで待機する。
【0031】S6でINT信号を受け取ったCPU80
は、S7に進み、モータコントローラ75がブレーキを
かける所定時間だけ待機し、時間経過後、DCモータ6
1の出力をフリー状態(オープン)にするように回転指
令信号(CW/CCW)を出力する。次に、CPU80
は、S8において停止位置検出信号(STOP−POS
I)を読みにいき、正常な位置に停止しているかどうか
確認する。正常な位置(信号はLレベル)なら再びS3
に戻り、回転指令入力待ち状態となる。もし、S8にお
いて停止位置検出信号が異常(Hレベル)なら、補正モ
ードの制御を開始する。
【0032】図7に補正モードの制御フローを示す。ま
ず、CPU80は補正モードの開始にあたり、S10に
おいて、ラッチ回路72に記憶される制御データを通常
の制御データ(198)より大幅に少ない補正制御デー
タ(2)に設定する。また、S11において、通常制御
より遅いスピードでレボルバを動作させる為に、PWM
クロックデータを補正モード用データへ設定する。
【0033】次に、S12において、前述したオーバー
ランフラグ及びショートランフラグを各々チェックして
補正制御の回転方向を決定し、補正制御を開始する。S
12においてオーバーランと判断すると、S13に進
み、補正回数をカウントし、S14において切換え時の
方向とは逆方向の回転指令を出力する。その後、8ビッ
トダウンカウンタ72からINT信号が入力されるのを
待ち(S15)、モータ出力をフリーの状態にセットし
た後(S16)、レボルバ位置検出装置からの停止位置
検出信号の確認をする(S17)。
【0034】S12においてショートランと判断した場
合も同様に、S18において補正回数をカウントし、S
19において切換え時の方向とは逆方向の回転指令を出
力する。その後はS15に進む。S14〜S17の制御
工程、及びS19、S15〜S17の制御工程は、前述
の図6に示されたS5〜S8の制御工程と同様である。
【0035】停止位置検出信号(STOP−POSI)
を確認して正常な位置(Lレベル)なら学習モードの制
御フローへ行き、異常な位置(Hレベル)なら補正モー
ドの始まり(S10)へと戻り、再度補正制御を行う。
その場合、S13、S18において、補正回数は前回デ
ータから1づつ加算していくことになる。このように、
停止位置信号(STOP−POSI)が正常な位置にな
るまで補正制御は繰り返される。
【0036】次に、学習モードの制御について説明す
る。図8は、学習モードの制御フローを示す図である。
学習モードでは、先ずS20、S21においてオーバー
ラン補正回数及び、ショートラン補正回数を確認して、
どちら方向にどれだけ補正がかけられたかを確認する。
そして、S22又はS24において、その補正回数分だ
け記憶装置81に記憶されている穴間制御データを更新
する。例えば、2番地に取り付けられた対物レンズから
1番地に取り付け得られた対物レンズへ切換えるとき、
オーバーラン補正回数が5だったとすると、S20から
S24へ進み、図5(b)に示す制御データa(=19
8)に10(=5×2)を引いて、188に更新する。
図5(c)に示すようにデータが記憶されている場合
は、制御データb2(=198)を188に更新する。
【0037】その後、S23、S25において補正回数
をクリアし、図6に示すS1に戻る。以後の制御は、更
新したデータ(188)にて行われる。上述の如き構成
の電動レボルバ装置により、電動レボルバの小型化と耐
久性を実現することができる。また、たとえ経年変化で
機構部品が磨耗したり、給油がきれたりしてオーバーラ
ンやショートランが発生しても、自動的にCPUが補正
を加え、次からの制御データを更新するので、動作不良
になることはい。
【0038】また、今まで調整式であった停止位置精度
は完全にプログラム化されメンテナンスフリーの電動レ
ボルバ装置を達成することができる。これは作業者の労
力を大幅に低減させるとともに、コストダウンへとつな
がる大きな効果をもたらす。また、本実施形態の電動レ
ボルバ装置は、従来の如く最終的にモータを慣性で回転
させてクリックストップ機構により位置決めをするので
はなく、クリックストップ機構による停止位置に止まる
か否かは関係なく制御データに応じた回転量だけモータ
を回転させ、停止させる。このとこにより、クリックス
トップ機構の機械的圧力を小さくすることがでる。ま
た、補正モードにより最終的な位置決めができるため、
小さな駆動力でレボルバを回転させることも可能とな
る。また、機械的圧力を小さくしたことは振動に対して
も効果があげられる。
【0039】図5(b)、または図5(c)に示す制御
データを任意の値に変更又は設定することにより、対物
レンズを切換途中の中間位置で一時的に停止させること
も容易に実現できる。これは液浸系対物レンズが光路に
入る時や出ていく時に有効となる機能である。また、液
浸系対物レンズだけでなく乾燥系対物レンズでも、切換
途中で一時的に回転を止めて標本にマーカーをつけると
いった用途にも使用できる。この場合、これらの対物レ
ンズ切換え時は、補正モードや学習モードに進まないよ
うなプログラムにしておく。
【0040】また、本実施形態においては、レボルバ駆
動装置50、CPU80、及び記憶装置81が顕微鏡本
体に内蔵されているが、電動レボルバ5側に設けられて
いても良い。また、切換指示装置6は、正転スイッチ、
逆転スイッチを有するものに限らず、例えば、任意の番
地の対物レンズを直接選べるような指示装置であっても
良い。この場合、記憶装置81は、例えば切換え前後の
対物レンズの情報(すべての組み合わせ)に対応して制
御データを記憶するものとする。
【0041】本機能は対物レンズのみならず他の光学部
材切換え装置としても応用できる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、対物レンズ毎の位置決
め精度にばらつきが生じても、常に各対物レンズを正確
に位置決めすることができる。請求項2、3記載の本発
明によれば、クリックストップ機構の圧力、及び駆動ト
ルクを軽減し、それにより、使用するモータを小型化し
てレボルバ内部に収納可能な小型の電動レボルバ装置を
提供できる。
【0043】請求項4記載の本発明によれば、操作者が
任意にレボルバ回転時の制御データを設定できるため、
操作性が良く、レボルバを回転途中で停止させるような
こともできる。請求項5記載の本発明によれば、位置決
め装置の機械部品が経年変化により摩耗して、レボルバ
がオーバーラン、ショートランしても、自動的に停止位
置へ補正するので、メンテナンスフリーの電動レボルバ
装置とすることができる。
【0044】請求項6記載の本発明によれば、レボルバ
回転時の制御データを自動的に適正なものに更新するた
め、対物レンズの切換えが常にスムーズに行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電動レボルバ装置を備えた電動顕微鏡
の側面図である。
【図2】電動レボルバの概略構成を示す断面図である。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】電動レボルバ装置のブロック構成を示す図であ
る。
【図5】図5(a)は、レボルバの番地を示す図であ
り、図5(b)、(c)は、記憶装置に記憶された制御
データの例を示す図である。
【図6】電動レボルバ装置の制御フローを示す図であ
る。
【図7】電動レボルバ装置の補正モードの制御フローを
示す図である。
【図8】電動レボルバ装置の学習機能のフローを示す図
である。
【図9】各制御信号のタイミングチャートを示す図であ
る。
【符号の説明】
5・・・電動レボルバ 6・・・切換指示装置 10・・・固定部材 12・・・ばね 13・・・鋼球 30・・・モータ 40・・・レボルバ位置検出装置 41a、41b、41c、44・・・ホールIC 42、43・・・マグネット 50・・・レボルバ駆動装置 61・・・DCモータ 62・・・ロータリーエンコーダ 71・・・制御部 72・・・8ビットダウンカウンタ 73・・・ラッチ回路 74・・・タイミング回路 75・・・モータコントローラ 76・・・モータドライバ 80・・・CPU 81・・・記憶装置 83・・・設定装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の対物レンズを保持するレボルバ
    と、 前記対物レンズの切換えを指示するための指示装置と、 前記レボルバを回転駆動するモータと、 前記モータの回転量を検出する回転検出装置と、 対物レンズ切換え時の前記モータの回転量に応じたデー
    タを、前記複数の対物レンズ、または前記複数の対物レ
    ンズ間のデータに対応して記憶する記憶装置と、 前記指示装置からの切換え指示に応じて前記記憶装置に
    記憶されたデータを読み出し、前記読み出したデータと
    前記回転検出装置によって検出されるモータの回転量と
    が一致するまで前記モータを駆動させる駆動制御装置
    と、 前記レボルバを所定の回転位置で機械的に位置決めする
    位置決め装置と、 を有することを特徴とする電動レボルバ装置。
  2. 【請求項2】 前記回転検出装置は、DCモータ一体型
    のロータリーエンコーダであり、前記モータを兼用する
    ことを特徴とする請求項1記載の電動レボルバ装置。
  3. 【請求項3】 前記記憶装置に記憶された前記モータの
    回転量に応じたデータは、前記複数の対物レンズの取り
    付け穴間の中心角にほぼ対応し、 前記駆動制御装置は、前記モータの回転量が前記読み出
    したデータの回転量に達したことを検出する検出装置を
    有し、前記検出装置からの信号に応じて前記モータの回
    転を制動し停止させることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の電動レボルバ装置。
  4. 【請求項4】 前記記憶装置に記憶される複数のデータ
    を個別に設定可能な設定装置をさらに有することを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の電動レボルバ装
    置。
  5. 【請求項5】 前記レボルバの回転位置が、前記位置決
    め装置により規定される停止位置に配置されているか否
    かを検出する位置検出装置をさらに有し、 前記駆動制御装置は、前記位置検出装置からの信号に基
    づいて、前記レボルバが前記停止位置に位置決めされて
    いない場合に、前記レボルバの回転位置を補正して前記
    停止位置へ配置することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載の電動レボルバ装置。
  6. 【請求項6】 前記制御装置は、前記レボルバの回転位
    置を補正したときの前記モータの回転量に関する情報に
    基づいて、補正した対物レンズに対応する前記記憶装置
    に記憶されたデータを更新することを特徴とする請求項
    5記載の電動レボルバ装置。
  7. 【請求項7】 複数の対物レンズを保持するレボルバ
    と、 前記対物レンズの切換えを指示するための指示装置と、 前記レボルバを回転駆動するモータと、 前記レボルバの回転量に応じた情報を検出する回転検出
    装置と、 対物レンズ切換え時の前記レボルバの回転量に応じたデ
    ータを、前記複数の対物レンズ、または前記複数の対物
    レンズ間のデータに対応して記憶する記憶装置と、 前記記憶装置に記憶された複数のデータを個別に設定可
    能な設定装置と、 前記記憶装置に記憶されたデータに基づいて、前記指示
    装置の切換え指示に応じて前記モータの駆動を制御する
    駆動制御装置と、 を有することを特徴とする電動レボルバ装置。
  8. 【請求項8】 複数の対物レンズを保持するレボルバ
    と、 前記対物レンズの切換えを指示するための指示装置と、 前記レボルバを回転駆動するモータと、 前記レボルバの回転量に応じた情報を検出する回転検出
    装置と、 対物レンズ切換え時の前記レボルバの回転量に応じたデ
    ータを、前記複数の対物レンズ、または前記複数の対物
    レンズ間のデータに対応して記憶する記憶装置と、 前記記憶装置に記憶されたデータに基づいて、前記指示
    装置の切換え指示に応じて前記モータの駆動を制御する
    駆動制御装置と、 前記レボルバを所定の回転位置で機械的に位置決めする
    位置決め装置と、 前記レボルバの回転位置が前記位置決め装置により規定
    される停止位置に配置されているか否かを検出する位置
    検出装置と、を有し、 前記駆動制御装置は、前記位置検出装置からの信号に基
    づいて、前記停止位置に位置決めされていない場合に、
    前記レボルバの回転位置を補正して前記停止位置へ配置
    すること、を有することを特徴とする電動レボルバ装
    置。
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