JP4934215B2 - 対物レンズ切換装置 - Google Patents

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Description

この発明は、顕微鏡等の光学装置に於いて、複数の対物レンズの中から観察対象に応じて所望の倍率の対物レンズを選択して観察光路上に位置させる対物レンズ切換装置に関するものである。
従来の顕微鏡等の光学装置に於いて、観察対象に応じて所望の倍率の対物レンズを選択して観察光路上に位置させる、一般的にレボルバと称される対物レンズ切換装置では、モータを所定の電圧で駆動することによりレボルバ可動部を回転させ、レボルバ可動部と固定部との間に機械的な係合機構を設けてレボルバの回転を停止させている。上記係合機構は、レボルバに取付けられた各対物レンズの光軸が、顕微鏡等の光学装置の観察光軸と一致する位置に来る度にレボルバ可動部と固定部とが機械的に係合され、位置決め保持されるようになっている。
こうした構成は、例えば特開平5−281457号公報、特開平7−311343号公報及び特許公報第2539903号に開示されている。
図14は、上記特開平5−281457号公報に開示されている従来例のレボルバの切り換え装置(以下、第1の従来例と記す)の構成を示した断面図である。
図14に示されるように、この切り換え装置は、複数の対物レンズ1が取り付けられたレボルバ2と、該レボルバ2の回転及び制動を行うモータ3と、このモータ3の回転をレボルバ2に伝達する伝達機構4とを有している。また、この切り換え装置は、上記モータ3或いは伝達機構4の回転軸にモータ3の減速タイミングと停止タイミングを与える、2つの指標部を有するマーク板5を備えている。
一方、切り換え装置の固定部には、2つの指標に対応する第1及び第2のセンサ6及び7がそれぞれ設けられている。そのため、所望の対物レンズ1が光軸位置の手前に達した時にモータ3の減速を開始し、十分減速した後光軸位置付近に達した時にモータ3が停止されることにより、所望の対物レンズ1が正確且つ迅速に、光学装置の光軸に位置決めすることが可能となっている。
また、レボルバ2には回転部に固定されたクリックボール8と、固定部に固定された板ばね9から成る係合機構が設けられている。
図15及び図16は、上記特開平7−311343号公報に記載されたレボルバ装置(以下、第2の従来例と記す)の構成を示した図である。
図15及び図16に於いて、このレボルバ装置は顕微鏡本体11と、電動レボルバ本体12とを有した構成となっている。そして、この装置は、図示されない複数の対物レンズを保持するレボルバ13と、このレボルバ13の回転及び制動を行うモータ14と、該モータ14の制動によって減速されたレボルバ13を予め定められた位置に機械的に停止させる位置決め部15と、モータ14を制御する制御部21内のレボルバ制御回路23と、レボルバ13が所定量回転したことを検出する定量回転検出部16とを有している。
この定量回転検出部16はフォトインタラプタ17及び切欠部18aを有する遮光板18を備えている。また、レボルバ13には、球形部材19が摺接するレール20が設けられている。
上記顕微鏡本体11にはまた、レボルバ20の回転指令を行う操作部20と、制動指令回路24、モータ出力回路25を有したレボルバ制御回路23が備えられている。
そして、上記制御回路23が定量回転検出部16から遅延回路22を介して検出結果を受けて、予め設定された遅延時間の後にモータ14の制動を開始するように構成している。
このような構成により、所望の対物レンズを正確に位置決めするための調整が、電気的に遅延時間の調整によって可能であるため、調整作業が省力化できる。
図17は、上記特許公報第2539903号に開示されたレボルバ回転装置(以下、第3の従来例と記す)の構成を示した図である。
このレボルバ回転装置は、レボルバ31を回転させるモータ駆動装置32と、レボルバ31の回転位置を検出するコード装置33と、目標位置であるレボルバ孔を予め選択するための選択手段としてのキーボード34及び遠隔制御接続端35と、モータ駆動装置32の回転数を制御する制御手段36と、選択されたレボルバ孔を目標位置に固定するための係合手段(図示せず)とを有している。そして、コード装置33のコードディスク37上に、レボルバ31の制動を開始するための対物レンズの数に対応した減速マーク38を配置して、このマーク38とセンサ39の協業により、レボルバ31が目標位置に達する前にモータ駆動装置32の回転数を減少させるようにしたので、所望の対物レンズを正確で、且つ迅速に目標位置に位置決めすることが可能となっている。
述した第1乃至第3の従来例に共通の課題として、切換先の対物レンズの種類に応じてモータの制動条件を変えることができないという点が挙げられる。
特に、油侵対物レンズや水侵対物レンズ等の液侵対物レンズを顕微鏡等の光学装置の観察光軸に位置決めする場合、気泡の発生が課題となる。手動操作により対物レンズの切換えを行う時は、気泡ができる限り発生しないようにゆっくりと慎重に切換操作を行えば良い。しかしながら、従来の電動化された対物レンズの切換装置では、切換先の対物レンズの種類によらず常に同じ制動動作であったため、水や油の付着した試料面に対物レンズの先端が勢いよく接触してしまい、気泡の発生が避けられないという不具合があった。
この発明は上記実状に鑑みてなされたものであって、切換先の対物レンズの種類に応じて最適な切換動作が可能な対物レンズ切換装置を提供することにある。
すなわち、請求項1に係る対物レンズ切換装置では、少なくとも乾燥系の対物レンズと液浸系の対物レンズとが装着されたターレットと、このターレットを電気的に回動させるための駆動手段と、この駆動手段による回動力をターレットに伝達するための伝達手段と、上記ターレットに装着された対物レンズのうち何れか1つの対物レンズを光学装置の光軸に正確に位置決めするための機械的な係合手段と、上記対物レンズの切換指令を入力するための操作手段と、この操作手段からの切換指令に応じて上記駆動手段の回動を制御する制御手段とを備え、上記対物レンズのそれぞれが択一的に光学装置の光軸に位置決めされる対物レンズ切換装置に於いて、上記ターレットに装着される対物レンズの種類を設定する入力手段と、上記入力手段で設定された上記複数の対物レンズの種別を識別する種別検出手段と、上記ターレットに装着された対物レンズの切換動作中の部分的な動作速度を算出する動作速度算出手段と、上記動作速度と上記駆動手段の制動開始位置との関係を示す参照テーブルが記憶されているメモリと、を具備し、上記駆動手段の制動条件は、上記乾燥系の対物レンズの場合と上記液浸系の対物レンズの場合とで異なるものであり、上記制御手段は、上記入力手段による設定及び上記操作手段からの切換指令によって切換先の対物レンズの種別を判断すると共に、切換先の対物レンズの種別が上記乾燥系の対物レンズであると判断した場合、上記動作速度算出手段により算出された上記動作速度と、上記メモリに記憶されている参照テーブルとに基づいて上記駆動手段の制動開始位置を決定することを特徴とする。
また、請求項2に係る対物レンズ切換装置では、上記制御手段は、切換先の対物レンズの種別が、上記液浸系の対物レンズであると判断した場合、上記制動条件における制動時の動作速度を上記乾燥系の対物レンズの場合よりも遅くすることを特徴とする。
また、請求項3に係る対物レンズ切換装置では、上記メモリは、上記液浸系の対物レンズの上記駆動手段の制動開始位置を更に記憶し、上記制御手段は、切換先の対物レンズの種別が、上記液浸系の対物レンズであると判断した場合、上記メモリに記憶されている上記駆動手段の制動開始位置に基づいて上記駆動手段の制動を開始することを特徴とする。
また、請求項4に係る対物レンズ切換装置では、少なくとも乾燥系の対物レンズと液浸系の対物レンズとが装着されたターレットと、このターレットを電気的に回動させるための駆動手段と、この駆動手段による回動力をターレットに伝達するための伝達手段と、上記ターレットに装着された対物レンズのうち何れか1つの対物レンズを光学装置の光軸に正確に位置決めするための機械的な係合手段と、上記対物レンズの切換指令を入力するための操作手段と、この操作手段からの切換指令に応じて上記駆動手段の回動を制御する制御手段とを備え、上記対物レンズのそれぞれが択一的に光学装置の光軸に位置決めされる対物レンズ切換装置に於いて、上記ターレットに装着される対物レンズの種類を設定する入力手段と、上記入力手段で設定された上記対物レンズの種別を識別する種別検出手段と、を具備し、上記制御手段は、上記入力手段による設定及び上記操作手段からの切換指令によって切換先の対物レンズの種別を判断し、切換先の対物レンズの種別が上記液浸系の対物レンズであると判断した場合、上記乾燥系の対物レンズの場合と異なる減速開始位置から上記駆動手段を減速させることを特徴とする。
また、請求項5に係る対物レンズ切換装置では、切換先の対物レンズの種別が上記乾燥系の対物レンズであった場合の減速開始位置と上記液浸系の対物レンズであった場合の減速開始位置を記憶するメモリを備えたことを特徴とする。
また、請求項6に係る対物レンズ切換装置では、上記制御手段は、切換先の対物レンズの種別が、上記液浸系の対物レンズであると判断した場合、上記駆動手段による減速時の速度を上記乾燥系の対物レンズの場合よりも遅くすることを特徴とする。
また、請求項7に係る対物レンズ切換装置では、上記ターレットの角度変位を検出する角度検出手段を更に具備し、上記制御手段は、上記角度検出手段により検出される角度変位が予め設定された上記各対物レンズの減速開始位置に達したならば、上記駆動手段を減速させることを特徴とする。
また、請求項8に係る対物レンズ切換装置では、上記制御手段は、上記係合手段の係合範囲に達したなら上記駆動手段を停止させることを特徴とする。
本発明によれば、切換先の対物レンズの種類に応じて最適な切換動作が可能な対物レンズ切換装置を提供することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態となる対物レンズ切換装置の構成を示す断面図、図2は図1のターレットの概略構成を示す平面図である。
図示されない顕微鏡等の光学装置の本体に取付けられる取付部材51には、支持部材52が固定され、この支持部材52に回転部材としてのターレット53が、ガイドとなる多数のボール54を介して回動可能に支持されている。ターレット53は、異なる倍率を有する複数(この例では5個)の対物レンズ55a〜55eが装着可能な対物レンズ取付部53a〜53eを有している。また、観察に供する対物レンズ以外の対物レンズを観察試料から遠避けるため、その回転軸53rが観察光軸に対して15度の傾きを有している。
ターレット53の外周部分には、5個の対物レンズ取付部53a〜53eに対応した係合溝Va〜Veが、円周上の5ヶ所に形成されている。一方、支持部材52の上面には、先端にクリックボール56が固着された板ばね57が固定されている。この板ばね57は、クリックボール56をターレット53の外周の係合溝Va〜Veに押付けるように作用するもので、クリックボール56が係合溝Va〜Veに係合された時、ターレット53上に装着された各対物レンズ55a〜55eが光軸に正確に一致するようになっている。これらの板ばね57及びクリックボール56は、ターレット53と支持部材52との間で所定の係合力を有して接触する係合手段を構成している。
上記取付部材51には固定板58が延設されており、この固定板58にはモータ固定部材59を介してモータ60が取付けられている。ターレット53の外周には、モータ60の回転を減速しながらターレット53に回転を伝達するための歯車61が設けられている。この歯車61は、モータ60の回転軸60rに固定された歯車62と噛合するように構成されている。
また、ターレット53の外周部分には、対物レンズ取付部53a〜53eに対応した5個の切欠部63a〜63eを有する円盤状の検知板63が固定されている。一方、取付部材51には、この検知板63に相対するようにフォトインタラプタ等のフォトセンサ65が、取付板64を介して固定されている。そして、これら検知板63とフォトセンサ65とが、係合センサ74を構成している。
この係合センサ74は、ターレット53の係合溝Va〜Veとクリックボール56とが係合している時に所定の検出出力を発生すると共に、ターレット53の係合溝Va〜Veとクリックボール56の係合によるターレット53の各停止位置が、検知板63の各切欠部63a〜63eによる係合センサ74の検出幅の中心位置と正確に合致するように位置調整されている。
上記モータ60の回転軸60rに固定された歯車62には、放射状に均等に多数のスリットが形成されたスリット板66が取付けられており、このスリット板66に相対するようにフォトインタラプタ等のフォトセンサ67がモータ固定部材59に取付けられている。つまり、このスリット板66とフォトセンサ67は、モータ60の回転軸60rの角度変位に応じてパルス信号を発生するようになっている。また、上記スリット板66とフォトセンサ67は、モータ60の回転角度を検出する角度センサ75を構成している。
更に、ターレット53には3個の識別子、例えば指標用磁石68が、そしてこれら指標用磁石68と相対する支持部材52の円周上には3個のセンサ、例えば磁気を検知するホール素子69が、それぞれ取付けられている。これら指標用磁石68とホール素子69とにより、対物レンズ取付部53a〜53eを識別するための種別センサ73が構成されている。
次に、この種別センサ73による対物レンズ取付部53a〜53eの識別方法について説明する。
図2に示されるように、ターレット53上の3個のホール素子69a、69b、69cは、5個の各対物レンズ55a〜55eが観察光軸上に位置する時に、3個の指標用磁石68a〜68cの何れかと相対し、且つ5個の対物レンズ取付部53a〜53eに設けられている孔に応じて、各々異なったデジタル符号を形成するように構成されている。
図3は、これら3個のホール素子69a〜69cによるデジタル符号の論理関係を表した図である。図2及び図3に於いて、黒丸印は磁石があることを表し、白丸印は磁石がないことを表している。
次に、本実施の形態の電気制御系の構成について説明する。
図4は、この対物レンズ切換装置の電気制御系の構成を示すブロック図である。
図4に於いて、対物レンズ切換装置を含む光学装置の各部を操作するための各種スイッチを備えたコントローラ71には、このコントローラ71からの入力信号を受けると共に、上述した種別センサ73、係合センサ74、角度センサ75の信号により、モータ60を回転、停止させるための信号を得るCPU72が接続されている。このCPU72は、上記した信号に基いて、ドライバ76を介してモータ60を駆動させる。CPU72は、更に図示されない光学装置の各部へ駆動信号を送るようになっている。
上記コントローラ71のスイッチとして、例えば目的の対物レンズを光軸上に位置させるための5個の対物指定スイッチや、対物レンズの焦点を合わせるためのフォーカスつまみ、光源の明るさを調整する電圧ボリューム等が備えられている。また、コントローラ71には、図示されないが、上記光学装置各部への操作指令を入力するスイッチが備えられると共に、対物レンズ切換装置を含む光学装置の各部の状態を表示する表示部が備えられている。
次に、このように構成された対物レンズ切換装置の第1の実施の形態の動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
先ず、対物レンズ切換装置を含む図示されない顕微鏡等の光学装置の電源が投入されると、種別センサ73が対物レンズ取付部53a〜53eの何れが光学装置の観察光軸上に位置しているかが検出され、これによりコントローラ71の表示部(図示せず)に対物レンズ取付部53a〜53eに対応した表示が行われる。
ステップS1にて、コントローラ71のスイッチにより対物レンズ切換指令が入力されると、ステップS2にて、CPU72が種別センサ73で検知されている現在の対物レンズ取付部53の種別と、コントローラから入力された切換先の対物レンズ取付部53a〜53eの種別とが比較されて、ターレット53の回転方向と切換段階数(1段階は隣接する対物レンズ取付部への切換え)とが判断される。これにより、ドライバ76にモータ60の回転が指示される。
このモータ60が始動された後、ステップS3に於いて、係合センサ74によりターレット53の係合が外れたか否かが判断される。ここで、上記係合が外れたことが検出された時点で、ステップS4に進んで角度センサ75は測定値が0にリセットされ、この位置からの角度変位の計測が開始される。
CPU21には、切換段階数に応じて、係合センサ74による係合解除検出時から切換先の対物レンズ取付部53a〜53eの手前の制動開始時までのターレット53の回転角θs と、クリックボール56とターレット53の係合溝Va〜Veが丁度係合する位置までのターレット53の回転角θc が、それぞれ予め設定されている。
そして、ステップS5に於いて、角度センサ75による計測値が予め設定されたターレット53の回転角θs に相当するモータ軸60rの回転角に達したことがCPU72で判断される。ここで、制動開始位置θs であると判断された場合は、ステップS6に進んで、CPU72からドライバ76に、モータ60の制動指令が与えられる。
ターレット53はモータ60の制動に伴って減速されながら、その外周の係合溝Va〜Veの係合範囲にクリックボール56が入ってくると、ステップS7にて、板ばね57のたわみ力により、機械的な係合が確保されて完全に停止される。
次いで、ステップS8に於いて、モータ60の停止と同時に、CPU72では係合センサ74の出力が確認される。ここで、係合が確保されている場合には、ステップS15に進む。一方、係合が確保されていない場合には、エラー処理としてステップS9に移行する。
すなわち、ステップS9にて、角度センサ75の信号が確認される。そして、この確認された信号の計測値が予め設定されたターレット53の回転角θcと比較して大きい場合には、ステップS10に進んでモータ60が回転可能な低速度で逆回転される。一方、回転角θc と比較して小さい場合には、ステップS12に進んでモータ60が同様に順回転される。
そして、それぞれステップS11及びS13にて、再び係合センサ74の出力が確認されながら、係合範囲に入ったことが確認されたならば、ステップS14に進んで、直ちにモータ60が停止される。
次に、ステップS15にて、CPU72により種別センサ73の出力が確認される。これにより、コントローラ71に入力された切換指令の対物レンズ取付部53a〜53eと一致していることが確認された上で、ステップS16にて、コントローラ71の表示部に対物レンズ取付部53a〜53eの種別が表示される。この後、ステップS17で、次の切換指令がコントローラ71より入力されるまで待機する。
ここで、上述した一連の動作について、図6のタイミングチャートを参照して、係合センサ74及び角度センサ75とターレット53の係合溝Va、Vbとの関係から、更に詳細に説明する。
クリック形状は、ターレット53の外周部を直線上に伸ばし、そのうちの一部分を表している。V型形状をした係合溝Va、Vbは、ターレット53の対物レンズ取付部53a、53bに正確に対応している。
係合センサ74による係合検出範囲Δφは、クリックボール56が板ばね57の押圧力によりV溝に引込まれる範囲(以下、単に係合範囲と記す)Δθよりも小さく設定されていて、係合検出範囲Δφの中心が丁度V溝の中心と一致するように調整されている。また、角度センサ75は、ターレット53の角度変位に応じて等間隔にパルス状の信号を出力し、2つのV溝間をターレット53が回転する時の総パルス数Nは、設計的に、例えば数十パルスに設定されている。
コントローラ72からの指令により、対物レンズ取付部53aから53bに切換えられる場合、先ずモータ60が始動されて、ターレット53が係合溝Vaの中心からΔφ/2だけ回転すると、係合センサ74の検出出力がハイ(H)レベルからロー(L)レベルに切換わる。CPU72では、この時点で角度センサ75からの計測値がリセットされ、この位置からの角度変位が角度センサ75から出力されるパルス数として計測される。
そして、角度センサ75からのパルス数がNs となった時点で、CPU72からはモータ60の制動を指示する信号がドライバ76に供給される。角度センサ75のパルス数Ns は、この位置でモータ60の制動が開始された場合にターレット53の停止位置が必ず係合範囲Δθ内に入るように設定されている。したがって、このタイミングでモータ60が制動されれば、ターレット53の係合溝Vbにクリックボールが引込まれ、対物レンズ取付部53bが正確に光軸に一致する位置でターレット53が停止する。
以上のように、第1の実施の形態では、係合手段による係合が外れた時点からのターレットの回転角を角度センサにより計測し、この計測値が予め設定された所定の角度になった時にモータの制動を開始するようにしたので、モータの回転をターレットに伝達するギヤのバックラッシュに全く影響を受けずにモータの制動位置を正確に設定することができる。また、ターレットを確実に係合させるための調整作業は、係合センサの検出範囲とV溝の係合範囲の調整のみで良いため、治具等により短時間で正確に調整できるという利点を有している。
したがって、この第1の実施の形態は、短時間の調整で信頼度の高い対物レンズ切換動作を実現することができるという請求項1の発明に係る効果が期待できるものである。
尚、この第1の実施の形態に於いて、ターレットを回転させるためのモータはターレットの外側に配置したが、これに限らずどのような配置であっても良い。例えば、ターレットの外周部分の係合部の内側にギヤを設け、このギヤと噛合するようにモータをターレットの内側に配置することも可能である。
また、モータ軸のギヤと、ターレットに取付けられたギヤとの間にアイドラギヤを設けても良い。
この場合には、モータ配置の自由度が増すことになる。
次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。
この第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態と同一の構成であり、その制御方法のみが異なるものである。
図7は、この発明の第2の実施の形態の制御方法を示すタイミングチャートである。
第2の実施の形態は、ターレットの制動時、係合手段による係合範囲の手前でターレットを十分に減速して低速駆動し、その後ターレットが係合手段による係合範囲に入るとほぼ同時にモータを完全停止させる、という二段階のステップを踏むものである。
上述したように、図中、V型形状をなした係合溝Va、Vbは、ターレット53の対物レンズ取付部53a、53bに正確に対応している。係合センサ74による係合検出範囲Δφは係合範囲Δθよりも小さく設定されていて、係合検出範囲Δφの中心が丁度V溝の中心と一致するように調整されている。
また、角度センサ75からは、ターレット53の角度変位に応じて等間隔にパルス状の信号が出力される。2つのV溝間をターレット53が回転する時の総パルス数Nは、設計的には、例えば数十パルスに設定されている。
以上の位置関係は、上述した第1の実施の形態と全く同じである。
対物レンズ取付部53aから53bに切換える場合、モータ60が始動されてターレット53が係合溝Vaの中心からΔφ/2だけ回転すると、係合センサ74の検出出力がHレベルからLレベルに切換わる。CPU72は、この時点で角度センサ75からの計測値をリセットし、この位置からの角度変位を角度センサ75から出力されるパルス数として計測する。ここまでの動作も値第1の実施の形態と同じである。
次に、角度センサ75からのパルス数がN1 となった時点で、CPU72からモータ60の減速を指示する信号がドライバ76に供給される。角度センサ75のパルス数N1 は、この位置でモータ60の減速を行った場合に、ターレット53が係合範囲Δθ内に入る手前で所定の回転速度まで必ず減速することができるように予め設定されている。そして、モータ60の減速によりターレット53の回転が所定の低速度となった後、角度センサ75のパルス数がN2 となった時に、CPU72からモータ60を完全に停止させるための信号がドライバ76に供給される。
角度センサ75のパルス数N2 は、この値を計測した時に丁度クリックボール56が係合溝Vbの係合範囲Δθに入るように予め設定されている。モータ60の減速及び完全停止のための方法としては、モータの端子間を短時間ショートさせる方法が一般的であり、ブレーキ力の点からも効果が大きい。
図8は、第2の実施の形態の動作に於けるモータ電流の変化を説明するタイミングチャートである。この図8は、角度センサ75のパルス数がN1 となった時にモータ60の端子間を微小時間ショートさせ(この時逆電流が流れる)て減速し、その後モータ60に低電圧をかけることで該モータ60を低速駆動した後、角度センサ75のパルス数がN2 となった時に再びモータ60の端子間を所定時間ショートさせてモータ60の回転を停止させることを示している。
以上のような制御方法を採用することにより、ターレットが係合手段の係合範囲に入る時点ではターレットの回転が十分に減速されて一定の低速度で回転している。したがって、対物レンズの装着状態の相違による慣性負荷の影響を受けずに、迅速且つ確実にターレットの係合を確保できるという効果を有する。しかも第2の実施の形態では、減速のための特別なセンサを必要としないため、上述した第1の実施の形態と同様に構成が簡単であるという利点も有している。
次に、この発明の第3の実施の形態となる対物レンズ切換装置について説明する。
この第3の実施の形態は、上述した第1及び第2の実施の形態とは電気的な構成と、その制御方法が異なるもので、その他の機械的な構成や、係合センサ及び角度センサとクリック形状との位置関係等は第1及び第2の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
図9は、この発明の第3の実施の形態の電気系の構成を示すブロック図である。
図9に於いて、対物レンズ切換装置を含む光学装置の各部を操作するための各種スイッチを備えたコントローラ81には、このコントローラ81からの入力信号を受けると共に、種別センサ73、係合センサ74、角度センサ75の信号により、モータ60を回転、停止させるための信号を得るCPU82が接続されている。このCPU82は、上記した信号に基いて、ドライバ83を介してモータ60を駆動させる。
また、CPU82には、毎回の切換動作中の部分的な動作速度を基に減速開始位置を決定するための参照テーブルを記憶しておくためのメモリ84が接続されている。更に、CPU82は、更に図示されない光学装置の各部へ駆動信号を送るようになっている。
上記コントローラ81は、上述した第1及び第2の実施の形態と同様に、目的の対物レンズを光軸上に位置させるための5個の対物指定スイッチや、対物レンズの焦点を合わせるフォーカスつまみ、光源の明るさを調整する電圧ボリューム等を備える。またコントローラ81は、これら光学装置各部への操作指令を入力するスイッチを備えるとともに、対物レンズ切換装置を含む光学装置の各部の状態を表示する表示部を備えている。
次に、この第3の実施の形態の動作について、図10のフローチャート及び図11のタイミングチャートを参照して説明する。
ステップS21にて、コントローラ81のスイッチにより対物レンズ切換指令が入力されると、ステップS22に進んでCPU82によってターレット53の回転方向と切換段階数(1段階は隣接する対物レンズ取付部への切換)とが判断されて、ドライバ83にモータ60の回転が指示される。
そして、ステップS23にて、モータ60の始動後、係合センサ74によりターレット53の係合が外れたことが検出された時点で、角度センサ75は測定値が0にリセットされ、ステップS24に進んでこの位置からの角度変位の計測が開始される。同時に、CPU82で、角度変位の計測開始時からの時間がモニタされながら、ステップS25にて予め設定された基準時間tR に達した時に、角度センサ75からの角度変位計測値(NtR )と基準時間tR の関係から動作速度が算出される。
更に、ステップS26にて、CPU82によって、算出された動作速度がメモリ84内の参照テーブルと比較されて、今回の切換動作に於ける減速位置N1 が決定される。参照テーブルは、予め一定の条件下で動作させた時の基準の動作速度と最適な減速開始位置とが実験的に定められ、基準の動作速度からの偏差と減速開始位置のオフセット量(ΔN1 )との関係が、データとして記憶されるようにする。
その後、ステップS27にて、角度センサ75の計測値が今回決定された減速開始位置(N1 )となった時点で、CPU82からモータ60の減速指令がドライバ83に供給される。そして、ステップS28にてモータ60の減速によりターレット53の回転が所定の低速度となった後、ステップS29で角度センサ75のパルス数がN2 になると、ステップS30で、CPU82からモータ60を完全に停止させるための信号がドライバ83に供給される。角度センサ75のパルス数N2 は、この値を計測した時に丁度クリックボール56が係合溝Vbの係合範囲に入るように予め設定されている。
モータ60の停止後、ステップS31にてCPU82により係合センサ74の出力が確認される。ここで、係合範囲Δθに入っていることが確認されたら、ステップS33に進む。一方、係合範囲Δθに入っていない場合には、上述した第1及び第2の実施の形態と同様に、ステップS32に移行して係合を確保するためのエラー処理が行われる。
ステップS33では、CPU82により種別センサ73の出力が確認される。ここで、コントローラ81の入力された切換指令の対物レンズ取付部53bと一致していることが確認された上で、ステップS34に進んで、コントローラ81の表示部に対物レンズ取付部の種別3bが表示される。次いで、ステップS35にて、次の切換指令がコントローラ81より入力されるまで待機する。
このように、第3の実施の形態では、毎回の切換動作の途中で予め設定された基準時間内の動作速度が算出され、この動作速度がメモリ内の参照テーブルと比較されてモータの減速開始位置が決定されるようにしたので、対物レンズの装着状態が途中で変わって駆動手段への慣性負荷が変化したり、ターレット回転部の機械的な抵抗が経年的に変化することにより駆動手段への負荷が変化しても、毎回の切換動作に合わせてモータの減速位置を最適に設定することが可能である。
この結果、ターレットの減速位置がクリック溝の手前過ぎたり、オーバーランしてクリック溝に係合されなかったりすることなく、常に安定した対物レンズ切換動作を実現することができる。
尚、上述した第3の実施の形態では、ターレットの動作速度を計測するのに、基準時間tR に於ける角度センサのパルス数NtR で計測したが、予め設定したパルス数NR の回転に要する時間tNRを計測するようにしても良い。
次に、この発明の第4の実施の形態について説明する。
この第4の実施の形態は、上述した第3の実施の形態が毎回の切換動作時に動作速度を計測して減速位置を決定したのに対し、前回の同じ切換動作パターンの動作速度を用いて、今回の切換動作パターンの減速位置を決定するというものである。
尚、第4の実施の形態の構成は、上述した第3の実施の形態と同一であるため説明を省略する。
以下、第4の実施の形態の動作について、図12のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS51にて、コントローラ81のスイッチにより、対物レンズ切換指令が入力されると、この切換動作パターンが電源投入後最初の動作であるか否かがステップS52に於いて判断される。ここで、最初の動作の場合には、上述した第3の実施の形態と同様に動作が開始されて、その動作中の動作速度が計測されて減速位置が決定される。このステップS68〜S80の処理過程は、上述した第3の実施の形態に於ける図10のフローチャートのステップS22〜S34の処理動作と同様であるので説明を省略する。
上記ステップS68〜S80の処理により減速位置が決まったならば、CPU82によりこのデータがこの切換動作パターンの初回の減速位置としてメモリ84に書込まれる。決定された減速位置でのモータ60の減速、停止位置でのモータ60の停止、係合確認、エラー処理、種別検知と表示というその後の一連の動作についても、第3の実施の形態と同様である。
一方、上記ステップS51でコントローラ81からの対物レンズ切換指令が入力され、ステップS52にて、この切換動作パターンが電源投入後現在までに既に経験したパターンであることが判断された場合は、ステップS53に進む。
そして、先ず、このステップS53にて、CPU82によってメモリ84内に蓄積されている参照データ、すなわち前回の同じ動作パターンに於ける減速位置データが読出されて、今回の動作に於ける減速開始位置に設定される。同時に、CPU82によりターレット53の回転方向と切換段階数とが判断され、ステップS54にてドライバ83にモータ60の回転が指示される。
モータ60の始動後、ステップS55に於いて係合センサ74によりターレット53の係合が外れたことが検出された時点で、角度センサ75は測定値が0にリセットされる。そして、ステップS56にて、この位置からの角度変位の計測が開始される。
次いで、ステップS57に於いて、この計測値が先に設定された今回の減速位置に達すると、CPU82からモータ60の減速指令がドライバ83に供給される。この時、ステップS58にて、CPU82で係合が外れたことが検出されてから今回の減速位置に達するまでの時間が計測される。そして、この計測された時間と予め定められた減速位置に対応した基準時間とが比較されることにより、ステップS59で、今回の減速位置が適切であったかどうかが判断されたうえで、次回の減速位置が決定される。それと共に、このデータがメモリ84内のデータテーブルに書込まれる。
そして、ステップS60にて、モータ60が減速されることによりターレット53の回転が所定の低速度となった後、ステップS61に於いて、角度センサ75のパルス数がN2 となった時に、CPU82からモータ60を完全に停止させるための信号がドライバ83に供給される。パルス数N2 の設定に関しては、上述した第3の実施の形態と同様である。
以降、ステップS62〜S66に於けるモータ停止後の係合確認、エラー処理、種別検知及び表示という一連の動作についても、上述した第3の実施の形態に於ける図10のフローチャートのステップS30〜S34と同様であるので説明を省略する。そして、ステップS67に進んで、次の切換指令がコントローラ81より入力されるまでの待機状態となり、動作が完了する。
以上のように、第4の実施の形態に於いては、前回の同じ対物レンズ切換パターンの時に決定された減速位置を今回の減速位置としてメモリから読出し、この減速位置までに要した時間から次の同じ切換パターンに於ける減速位置をその都度メモリに書込み更新するようにしたので、対物レンズ切換パターン毎に最適なモータの減速位置を得ることができる。
また、上述した第3の実施の形態に比べて広い範囲でターレットの動作状態を検出してから次の動作に於ける減速位置を決定するようにしたので、より正確に減速位置を設定することができる。
尚、この第4の実施の形態に於いては、同じ切換動作パターンに対して1回毎に減速位置のデータを更新するようにしたが、途中で対物レンズの取付状態やターレットの機械的な負荷特性がさほど変化しない場合には、減速位置データの更新を間引いても良い。
また、第3及び第4の実施の形態に於いて、ターレットの実際の駆動速度に応じてモータの減速位置を変更するようにしたが、減速位置は固定したまま減速のためのモータ端子のショート時間や停止タイミングまでの低速駆動時の駆動速度を変更するようにしても良い。
次に、この発明の第5の実施の形態について説明する。
この第5の実施の形態は、切換先の対物レンズが油侵対物レンズや水侵対物レンズ等の液浸対物レンズであった場合のみ、通常の乾燥系(ドライ)対物とは異なる制動を行うことにより、光軸に位置決めされた時の気泡の発生を抑制しようとするものである。
第5の実施の形態の構成は、上述した第3及び第4の実施の形態と同じであるため説明を省略する。
ここで、第5の実施の形態の動作について、図13のフローチャートを参照して説明する。
この第5の実施の形態の場合、先ず最初にターレット53の各対物レンズ取付部53a〜53eに装着された対物レンズの種類は、コントローラ81から入力されて初期設定されている。
ステップS81にて、コントローラ81のスイッチにより対物レンズ切換指令が入力されると、ステップS82に於いて入力された切換先の対物レンズの種類が判断される。ここで、ドライ対物レンズである場合にはステップS83〜S89の処理が実行されるが、上述した第3の実施の形態に於ける図10のステップS22〜S28と全く同様に動作するので、ここでは説明を省略する。
上記ステップS82に於いて、切換先の対物レンズが液浸対物レンズであると判断された場合には、ステップS90に進んで、CPU82によりメモリ84内の参照テーブルから液浸対物レンズ用の減速位置が読出されて、今回の切換動作に於ける減速位置に設定される。次いで、ステップS91にてターレット53の回転が始動された後、ステップS92にて係合範囲から脱出されると、ステップS93で角度変位の計測が開始される。
そして、ステップS94にて、角度変位が先に設定された液浸対物用の減速位置に達したならば、ステップS95に進み、CPU82からドライバ83に減速のための信号が送られてモータ60が減速される。この場合、減速された後の駆動速度は、通常のドライ対物レンズの場合よりも可能な限り遅くする。そして、ドライ対物レンズの場合と同様に係合範囲に達したならば、モータ60が停止される。
以後のステップS96〜S102の処理動作は、上述した第3の実施の形態のドライ対物レンズの場合と同様であり、図10のステップS29〜S35と全く同様に動作するので、ここでは説明を省略する。
このように、第5の実施の形態によれば、切換先の対物レンズが液浸対物レンズであった場合に、ドライ対物の場合とは異なる減速位置(係合位置より手前側)でモータを減速させ、しかも極低速度で係合位置まで駆動した後にモータを停止させるので、液浸対物レンズの先端が観察試料上面の油や水等に接触するときの衝撃を緩和させる結果、液浸対物レンズが光軸に位置決めされた時の気泡の発生を大幅に抑制することができる。
尚、この発明の上記実施態様によれば、以下の如き構成を得ることができる。
すなわち、(1) 複数の対物レンズが装着可能なターレットと、このターレットを電気的に回動させるための駆動手段と、この駆動手段による回動力をターレットに伝達するための伝達手段と、上記複数の対物レンズのうち何れか1つの対物レンズを光学装置の光軸に正確に位置決めするための機械的な係合手段と、上記対物レンズの切換指令を入力するための操作手段と、この操作手段からの切換指令に応じて上記駆動手段の回動を制御する制御手段とを備え、上記対物レンズのそれぞれが択一的に光学装置の光軸に位置決めされる対物レンズ切換装置に於いて、上記ターレットの回動位置が上記係合手段の係合範囲内にあることを検出する係合検出手段と、上記ターレットの角度変位を検出する角度検出手段とを具備し、上記係合検出手段と角度検出手段の信号に基いて、上記制御手段が上記駆動手段の制動位置を決定することを特徴とする対物レンズ切換装置。
(2) 上記制御手段は、上記角度検出手段が上記操作手段からの切換指令に応じて必要とされるターレットの回転角度よりも小さい第1の回転角度を検出した後に上記駆動手段の制動を行って低速駆動とし、次に上記角度検出手段が上記第1の回転角度より大きい第2の回転角度を検出した後に上記駆動手段を完全に停止させる制動を行うことを特徴とする上記(1)に記載の対物レンズ切換装置。
(3) 上記対物レンズ切換装置は、更に上記複数の対物レンズの切換動作中の部分的な動作範囲に於ける動作速度を計測する計測手段を具備し、この計測手段で計測された時間を予め設定された所定の時間と比較することによって、上記駆動手段の制動条件を変更することを特徴とする上記(1)若しくは(2)に記載の対物レンズ切換装置。
(4) 上記計測手段は上記ターレットの切換動作パターンに対応して時間計測を行い、上記制御手段は上記計測手段で計測された計測値をそれぞれ個別に記憶することにより上記対物レンズ切換動作パターン毎に上記駆動手段の制動条件を最適に設定することを特徴とする上記(3)に記載の対物レンズ切換装置。
(5) 上記対物レンズ切換装置は、更に上記ターレットに取付けられる各対物レンズの種類を初期設定するための入力手段を具備し、上記制御手段は、この入力手段による設定及び上記操作手段からの切換指令によって切換先の対物レンズの種類を判別すると共に、判別された対物レンズの種類に応じて上記駆動手段の制動条件を変更することを特徴とする上記(1)乃至(3)の何れか1に記載の対物レンズ切換装置。
上記(1)の構成によれば、制動を開始するターレットの回転位置を常に正確に定めることができる。つまり、ギヤ等の伝達手段によるバックラッシュの影響を受けることなく、ターレットを係合手段に確実に係合させることが可能であるため、短時間の調整で信頼度の高い対物レンズ切換動作が実現できるという効果を有する。
また、上記(2)の構成によれば、対物レンズの重量による慣性の影響がより少なくなり、確実にターレットを係合手段に係合させることが可能であるという効果を有する。
上記(3)の構成によれば、対物レンズの装着状態が途中で変わって駆動手段への慣性負荷が変化したり、ターレット回転部の機械的な抵抗が経年的に変化することにより駆動手段への負荷が変化しても、それぞれの状態に合わせて駆動手段への最適な制動が可能であるため、常に安定した対物レンズ切換動作が実現できるという効果を有する。
上記(4)の構成によれば、対物レンズの装着状態に合わせて最適な対物レンズ切換動作を実現することができるという効果を有する。
更に、上記(5)の構成によれば、油侵対物レンズや水侵対物レンズ等の特殊な対物レンズが装着されていても、駆動手段の制動条件を変更してターレットの位置決め動作を特化し、気泡の発生等の不具合を抑制することができる。
この発明の第1の実施の形態となる対物レンズ切換装置の構成を示す断面図である。 図1のターレットの概略構成を示す平面図である。 図2の3個のホール素子69a〜69cによるデジタル符号の論理関係を表した図である。 対物レンズ切換装置の電気制御系の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態に於ける対物レンズ切換装置の動作について説明するフローチャートである。 係合センサ74及び角度センサ75とターレット53の係合溝Va、Vbとの関係を説明するタイミングチャートである。 この発明の第2の実施の形態の制御方法を示すタイミングチャートである。 第2の実施の形態の動作に於けるモータ電流の変化を説明するタイミングチャートである。 この発明の第3の実施の形態の電気系の構成を示すブロック図である。 この発明の第3の実施の形態の動作について説明するフローチャートである。 この発明の第3の実施の形態の動作について説明するタイミングチャートである。 この発明の第4の実施の形態の動作について説明するフローチャートである。 この発明の第5の実施の形態の動作について説明するフローチャートである。 第1の従来例を示したもので、レボルバの切り換え装置の構成を示した断面図である。 第2の従来例を示したもので、レボルバ装置の構成を示した図である。 第2の従来例を示したもので、レボルバ装置の構成を示したブロック図である。 第3の従来例を示したもので、レボルバ回転装置の構成を示した図である。
51 取付部材
52 支持部材
53 ターレット
53a〜53e 対物レンズ取付部
53r、60r 回転軸
54 ボール
55a〜55e 対物レンズ
56 クリックボール
57 板ばね
58 固定板
59 モータ固定部材
60 モータ
61、62 歯車
63 検知板
63a〜63e 切欠部
64 取付板
65、67 フォトセンサ
66 スリット板
68 指標用磁石
69、69a〜69e ホール素子
71、81 コントローラ
72、82 CPU
73 種別センサ
74 係合センサ
75 角度センサ
76、83 ドライバ
84 メモリ
Va〜Ve 係合溝

Claims (8)

  1. 少なくとも乾燥系の対物レンズと液浸系の対物レンズとが装着されたターレットと、このターレットを電気的に回動させるための駆動手段と、この駆動手段による回動力をターレットに伝達するための伝達手段と、上記ターレットに装着された対物レンズのうち何れか1つの対物レンズを光学装置の光軸に正確に位置決めするための機械的な係合手段と、上記対物レンズの切換指令を入力するための操作手段と、この操作手段からの切換指令に応じて上記駆動手段の回動を制御する制御手段とを備え、上記対物レンズのそれぞれが択一的に光学装置の光軸に位置決めされる対物レンズ切換装置に於いて、
    上記ターレットに装着される対物レンズの種類を設定する入力手段と、
    上記入力手段で設定された上記複数の対物レンズの種別を識別する種別検出手段と、
    上記ターレットに装着された対物レンズの切換動作中の部分的な動作速度を算出する動作速度算出手段と、
    上記動作速度と上記駆動手段の制動開始位置との関係を示す参照テーブルが記憶されているメモリと、を具備し、
    上記駆動手段の制動条件は、上記乾燥系の対物レンズの場合と上記液浸系の対物レンズの場合とで異なるものであり、
    上記制御手段は、上記入力手段による設定及び上記操作手段からの切換指令によって切換先の対物レンズの種別を判断すると共に、切換先の対物レンズの種別が上記乾燥系の対物レンズであると判断した場合、上記動作速度算出手段により算出された上記動作速度と、上記メモリに記憶されている参照テーブルとに基づいて上記駆動手段の制動開始位置を決定する
    ことを特徴とする対物レンズ切換装置。
  2. 上記制御手段は、切換先の対物レンズの種別が、上記液浸系の対物レンズであると判断した場合、上記制動条件における制動時の動作速度を上記乾燥系の対物レンズの場合よりも遅くすることを特徴とする請求項1記載の対物レンズ切換装置。
  3. 上記メモリは、上記液浸系の対物レンズの上記駆動手段の制動開始位置を更に記憶し、
    上記制御手段は、切換先の対物レンズの種別が、上記液浸系の対物レンズであると判断した場合、上記メモリに記憶されている上記駆動手段の制動開始位置に基づいて上記駆動手段の制動を開始することを特徴とする請求項1記載の対物レンズ切換装置。
  4. 少なくとも乾燥系の対物レンズと液浸系の対物レンズとが装着されたターレットと、このターレットを電気的に回動させるための駆動手段と、この駆動手段による回動力をターレットに伝達するための伝達手段と、上記ターレットに装着された対物レンズのうち何れか1つの対物レンズを光学装置の光軸に正確に位置決めするための機械的な係合手段と、上記対物レンズの切換指令を入力するための操作手段と、この操作手段からの切換指令に応じて上記駆動手段の回動を制御する制御手段とを備え、上記対物レンズのそれぞれが択一的に光学装置の光軸に位置決めされる対物レンズ切換装置に於いて、
    上記ターレットに装着される対物レンズの種類を設定する入力手段と、
    上記入力手段で設定された上記対物レンズの種別を識別する種別検出手段と、を具備し、
    上記制御手段は、上記入力手段による設定及び上記操作手段からの切換指令によって切換先の対物レンズの種別を判断し、切換先の対物レンズの種別が上記液浸系の対物レンズであると判断した場合、上記乾燥系の対物レンズの場合と異なる減速開始位置から上記駆動手段を減速させることを特徴とする対物レンズ切換装置。
  5. 切換先の対物レンズの種別が上記乾燥系の対物レンズであった場合の減速開始位置と上記液浸系の対物レンズであった場合の減速開始位置を記憶するメモリを備えたことを特徴とする請求項4記載の対物レンズ切換装置。
  6. 上記制御手段は、切換先の対物レンズの種別が、上記液浸系の対物レンズであると判断した場合、上記駆動手段による減速時の速度を上記乾燥系の対物レンズの場合よりも遅くすることを特徴とする請求項4記載の対物レンズ切換装置。
  7. 上記ターレットの角度変位を検出する角度検出手段を更に具備し、
    上記制御手段は、上記角度検出手段により検出される角度変位が予め設定された上記各対物レンズの減速開始位置に達したならば、上記駆動手段を減速させることを特徴とする請求項5記載の対物レンズ切換装置。
  8. 上記制御手段は、上記係合手段の係合範囲に達したなら上記駆動手段を停止させることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の対物レンズ切換装置。

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