JPH11173761A - 横型熱処理炉及び熱処理方法 - Google Patents

横型熱処理炉及び熱処理方法

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JPH11173761A
JPH11173761A JP33836597A JP33836597A JPH11173761A JP H11173761 A JPH11173761 A JP H11173761A JP 33836597 A JP33836597 A JP 33836597A JP 33836597 A JP33836597 A JP 33836597A JP H11173761 A JPH11173761 A JP H11173761A
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chamber
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博司 稲垣
Toshihiko Nishida
俊彦 西田
Nobuyuki Yamamoto
伸之 山本
Akihiko Fukushima
昭彦 福島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 格別に大型の設備を必要とすることなく、熱
処理室内で発生した有毒ガスの外気への漏出を完全に阻
止すると共に、熱処理室内における温度制御が容易にな
され、更には炉内ガスを含む気体の燃焼処理量を低減さ
せることができる横型熱処理炉及び熱処理方法を提供す
る。 【解決手段】 横型熱処理炉(1) は熱処理室(2) の 対
向する両壁面(2a)に繊維製シート(A) のスリット状導出
入口(3) を有し、前記繊維製シート(A) が複数段を平行
して走行し、同繊維(A) には走行方向と直交する方向に
熱風が吹きつけられる。更に前記両壁面(2a)に隣接して
シール室(4) が設けられている。同シール室(4) は仕切
り板(7) により上下に区画されると共に、上下にそれぞ
れ排気口(8) が形成されてなり、各排気口(8) はそれぞ
れ別個の排気ファン(9) により排気量が調整される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は繊維製シートに連続
して熱処理を施す横型熱処理炉と熱処理方法とに関し、
更に詳しくは、炭素繊維を製造する際の耐炎化処理にお
いて、炉内のガスが外部へと漏出するのを完全に防止し
た横型熱処理炉及び熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアクリロニトリル系合成繊維を原
料として製造された炭素繊維は、その引張強度が500
Kg/mm2 以上、伸度2%以上と極めて高性能なもの
とすることができるため、近年では、航空、宇宙用素材
としての用途開発が活発に進められている。かかるアク
リロニトリル系合成繊維を出発原料として炭素繊維を製
造する際には、まずアクリロニトリル系合成繊維を20
0〜350℃の酸化性雰囲気下で耐炎化処理することが
必要となる。この耐炎化処理の方法が例えば特開平2−
139425号公報に開示されている。
【0003】同公報に開示された熱処理方法によれば、
酸化性雰囲気下にある熱処理炉内を多段に走行するアク
リル系繊維からなる糸条に対して、その走行方向に対し
て直交する方向に熱風を流して耐炎化処理を施してい
る。前記熱処理炉は少なくとも4つ以上のゾーンに分割
され、各ゾーンでそれぞれに温度コントロールを行い、
徐々に温度を上げると共に、前記熱風の風速を0.4m
/s以上1.2m/s以下に設定することにより、走行
糸条の切断といったトラブルを回避すると共に処理時間
の短縮を図っている。
【0004】ところで、この耐炎化処理での酸化反応に
よって熱処理炉内にはシアン化合物、アンモニア、及び
一酸化炭素等の分解ガスが発生する。なお、前記熱処理
炉内に糸を出入りさせる際には、当然に前記熱処理炉に
糸の導出入口が設けられているために、この導出入口か
ら前記熱処理炉内のガスが炉外に漏れ出さないよう、厳
重なシール室が設けられている。
【0005】そこで、特公平3−4832号公報及び特
公平3−4833号公報には、処理室内のガスの漏出を
防止する手段をもつ炭素繊維の横型熱処理炉が開示され
ている。上記各公報に開示された熱処理炉は、シート状
に並べられた多数の繊維糸条が酸化性雰囲気下にある熱
処理室内を多段に平行して走行し、その走行方向と平行
して熱風を吹きつけて耐炎化処理を施している。前記熱
処理室の対向する両壁面にはスリット状をなす前記糸条
の導出入口が複数設けられており、その導出入口が形成
された前記両壁面にそれぞれ隣接してシール室を設け
て、前記熱処理室に形成された導出入口から直接、同処
理室内のガスが外部へと漏出するのを防止している。
【0006】特公平3−4832号公報に開示された熱
処理炉にあっては、前記熱処理室内に2枚の仕切り板を
水平方向に配して、前記熱処理室を上下3つに仕切るこ
とにより、同熱処理室の上下での温度分布のバラツキを
なくし、前記糸条に均一な熱処理を施すことができるも
のである。また、両側に形成された前記シール室にもそ
れぞれスリット状をなす糸条導出入口が複数設けられて
いるが、両シール室には更にそれぞれ単一の排気口を設
けて前記熱処理室から漏出した有毒ガスを積極的に排気
しているため、前記糸条導出入口から有毒ガスが漏れ出
すことはない。なお、前記排気口から排出されたガスは
気体処理部において燃焼の処理がなされた後、外気へと
放出される。
【0007】更に、特公平3−4833号公報に開示さ
れた熱処理炉にあっては、両側の各シール室内にそれぞ
れ2枚の仕切り板を水平方向に配して、同シール室を上
下3つに仕切っている。前記シール室は仕切られた各部
位ごとにそれぞれ排気口を設けて熱処理室から漏出した
ガスを積極的に排気し、前記シール室に形成された糸条
導出入口から外部へのガスの漏出を防止している。ま
た、前記シール室に形成された各排気口は単一の排気フ
ァンにより排気され、その気体は共通の気体処理部で燃
焼処理がなされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
公平3−4832号公報及び特公平3−4833号公報
に開示された熱処理炉のように、糸条の走行方向と平行
して熱風を吹きつけて耐炎化処理を施す場合に、前記熱
風の流れ方向が糸条の導出入口に面しているため、熱処
理室からシール室へ漏出するガスを含む気体の量が大き
くなり、それに伴い前記シール室の排気口からの排気量
も増加し、大量のガスを燃焼処理しなければならない。
【0009】一方、前記特開平2−139425号公報
に開示されたように、糸条の走行方向と直交して熱風を
吹きつける場合には、熱処理室内の温度制御を確保した
状態で炉内のガスの炉外への漏れ出しを防ぐために、大
がかりな設備が必要となる。
【0010】本発明はかかる問題点を解決すべくなされ
たものであり、格別に大型の設備を必要とすることな
く、熱処理室内で発生した有毒ガスの外気への漏出を完
全に阻止すると共に、熱処理室内における所望の加熱温
度を維持させることが容易であり、更には炉外への漏れ
出す気体の量を低減させることができる横型熱処理炉及
び熱処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用効果】かかる課題
を解決するために、本発明は、対向する両壁面の上下方
向に多段のスリット状をなす繊維製シートの第1導出入
口を有し、前記繊維製シートが多段に平行して走行する
熱処理室と、前記両壁面にそれぞれ並設され、上下方向
に多段のスリット状をなす前記繊維製シートの第2導出
入口を外側壁面に有するシール室とを備えた横型熱処理
炉であって、前記熱処理室は前記繊維製シートの走行方
向と概略直交して上方から熱風を吹き込む熱風導入部
と、下方から同熱風を排出する熱風排出部とを有する熱
風循環設備を備え、前記シール室は、少なくとも一の仕
切り板により上下に区画され、区画された各シール室に
1つの排気口が形成されてなり、各排気口は、それぞれ
独立した排気機構及び排気調整機構を有してなることを
特徴とする横型熱処理炉を主要な構成としている。
【0012】ここで、前記繊維製シートとは、多数の繊
維糸条をシート状に配列したものや、繊維製織編物、不
織布などをいう。また、排気調整機構としては、通常、
シール室内の内部圧力と熱処理室の内部圧力とを比較し
て、排気ファンの回転数、すなわち排気量を調整するも
のであるが、これを自動化するため内部圧力の変化を検
出する手段、同検出手段による検出信号により上記排気
機構の排気量を調整する制御部を備えることもある。
【0013】一般に、前記熱処理炉内の圧力と炉外の圧
力との圧力差は、気体温度の違いにより生ずる前記熱処
理炉内外の浮力差の影響で、炉の高さ方向に変化する。
即ち、炉の上部では炉の内外における圧力差が大きく、
炉の下部では内外の圧力差が小さくなる。
【0014】そのため、従来のシール室をもたない熱処
理炉にあっては、同熱処理炉の上部に形成された繊維製
シートの導出入口からは炉内の熱風が外部へと漏出しや
すく、一方、熱処理炉の下部に形成された繊維製シート
の導出入口からは外気が熱処理炉内へ流入しやすい。し
かしながら、上述の構成を備えた本発明の熱処理炉は、
前記シール室を備えているため、シール室内の圧力を前
記熱処理室の圧力より小さくすることができるので、前
記熱処理室内の上下方向における圧力変動に伴う前記熱
処理室への外気の流入を防ぐことができ、前記熱処理の
温度変化を極めて小さくすることができる。
【0015】更に、前記シール室は仕切り板により上下
で区画されており、区画された各シール室に1つの排気
口を設けると共に、各排気口が独立した排気機構及び排
気調整機構を備えているため、各シール室において独立
して排気量を設定でき、各シール室の圧力がそれぞれに
適宜調整される。そのため、熱処理室内とシール室内の
圧力差を個別に制御でき、前述のような熱処理室の内外
での浮力差の影響による同熱処理室への外気の流入や、
同熱処理室からの熱風の過度の流出を制御することがで
き、従来にない温度の均一性に優れた熱処理炉とするこ
とに成功したのである。
【0016】なお、一般に前記排気口からの排気量を多
くすれば、熱処理室内のガスの外への漏出を防ぐことが
可能であるが、それにより熱処理室内からの熱量の流出
も増加し、熱処理室内の温度低下を招きやすく、その温
度制御上、好ましくない。また、燃焼処理がなされる流
出気体の量も増加することになる。
【0017】そこで、前記シール室は、上からx段目に
おける前記熱処理室の前記第1導出入口近傍での内部圧
力Ph,x と、同導出入口に対応する前記シール室の前記
第2導出入口近傍での内部圧力Ps,x との大小関係が上
下段において逆転する部位で前記仕切り板により区画さ
れることが好ましい。更に、前記熱処理室の内部圧力P
h,x と前記シール室の内部圧力Ps,x との圧力関係がP
h,x <Ps,x にあるシール室にあって、前記排気口の排
気量が、前記圧力関係Ph,x <Ps,x を維持するように
調整されることが好ましい。
【0018】その場合に、その前記内部圧力Ps,x が前
記熱処理室の内部圧力Ph,x よりも高くなるシール室に
おいては、前記熱処理室への第1導出入口から同熱処理
室内の気体が漏出することはないため、同シール室に設
けられた排気口からの気体には有毒ガスが含有されてお
らず、このシール室に形成された排気口からの気体は無
害化処理が不要となり、直接大気へと放出することが可
能となる。そのため、無害化処理を施すの気体の量が著
しく低減される。
【0019】シール室内の内部圧力Ps,x が前記熱処理
室の内部圧力Ph,x よりも低くなるシール室において
は、前記熱処理室の第1導出入口から同熱処理室内の気
体が漏出するため、このシール室に形成された排気口か
ら排気される気体は熱処理室内のガスを含んでいる。そ
のため同気体は燃焼処理を行う必要があり、この無害化
処理方法としては、灯油と共に燃焼処理するなどの公知
の方法が適用される。
【0020】なお、シール室が上下2つに区画されてい
る場合の上部シール室及び下部シール室の各排気口から
の排気量Qu ,Ql は以下の式によって計算され、その
排気量が制御される。熱処理室において繊維製シートが
1,2,…,x,…,n段を平行して走行する場合に、
前記熱処理室の第1導出入口の近傍における内部圧力P
h,x とシール室の第2導出入口の近傍における内部圧力
s,x とは、気体の浮力差により次のように表される。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】このとき、前記熱処理室の内部圧力Ph,x
と前記シール室の内部圧力Ps,x の大小がa段目とa+
1段目との間において逆転するとして、そのa段目とa
+1段目との間に仕切り板を配し、同仕切り板の上方の
上部シール室に形成された排気口からの排気量Qu と下
部シール室に形成された排気口からの排気量Ql とは下
式で表される。
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】ただし、 α :繊維製シート導出入口での流量係数 0.6〜
0.9 A :繊維製シート導出入口の断面積 m2 n :総段数 a :2以上(n−1)以下の整数で、Ph,a >Ps,a
且つPh,a+1 <Ps,a+1 を満たす段 Th :熱処理室温度 ℃ Ts :シール室上部温度 ℃ Tr :大気温度 ℃ Ph,x :熱処理室内におけるx段目の導出入口近傍にお
ける内部圧力mmH2O Ps,x :シール室内におけるx段目の導出入口近傍にお
ける内部圧力mmH2O Qu :上部側の排気口からの排気量 Nm3/hr Ql :下部側の排気口からの排気量 Nm3/hr L :段間隔 m γh ,γr :温度Th 及びTr の空気の単位体積質量
kg/m3 である。
【0028】なお、上記式を用いて排気量Qu ,Ql
計算により求める場合に、シール室内の1段目の第2導
出入口における内部圧力Ps,1 を設定する必要がある
が、前記Ps,1 はシール室内の気体が1段目の繊維製シ
ート導出入口から外部へと漏れ出すのを防ぐために、少
なくとも外気に対して負圧にしなければならない。しか
し、前記内部圧力Ps,1 は負圧にする程、前記上部側の
排気口から排出される気体の量が多量となるため、前記
内部圧力Ps,1 は−0.01〜−0.3 mmH2Oの範囲
に設定するのが好ましい。
【0029】また上記式に数値を代入して計算値を求め
るにあたって、実際には熱処理室内の1段目の第1導出
入口における内部圧力Ph,1 を複数の数値に設定し、そ
れらをパラメータとして試行錯誤してシール室における
仕切り板の設置部位を決める。
【0030】更に、本発明は、炭素繊維の原料であるプ
レカーサを上述した横型熱処理炉をもって熱処理するこ
とを特徴とする炭素繊維の熱処理方法を他の主要な構成
としている。また、同処理方法においては、各排気口か
ら前記排気機構により排気された気体を、それぞれ独立
した気体処理部で処理することが望ましい。なお、この
気体処理部では、気体に燃焼処理が施され、外気へと放
出される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に本発明の好適な実施の形態
について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明
の代表的な実施の形態である炭素繊維製造用の横型熱処
理炉の概略図であり、図2は同熱処理炉における熱風循
環設備の概略図である。なお、これらの図面において矢
印は熱風の流れを示している。
【0032】本実施の形態による横型熱処理炉1の熱処
理室2には、図1における左右の対向する両壁面2a,
2bにそれぞれ、上下方向に3段のスリット状をなす繊
維製シートの第1導出入口3-1,3-2,3-3が形成され
ている。この熱処理室2の前記左右壁面2a,2bにシ
ール室4,4が並設されており、同シール室4の外側壁
面4a,4bにも前記熱処理室2と同様に、上下方向に
3段のスリット状をなす繊維製シートの第2導出入口5
-1,5-2,5-3が形成されている。
【0033】なお、前記熱処理室2及びシール室4にそ
れぞれ形成された第1及び第2導出入口3,5の上下の
開口寸法は、前記繊維製シートが同導出入口3,5に接
触することなく通過できる範囲で可能なかぎり狭い方が
好ましく、この点から前記導出入口は開口寸法が上下方
向に調節可能なスリットとすることが好ましい。
【0034】更に、前記左右のシール室4,4の外側に
はそれぞれ段違いにローラ6,6が配置されている。前
記熱処理炉1において熱処理される繊維製シートAは、
図2に示すように多数本の糸条がシート状に水平方向に
配列されたものであり、前記左側のシール室4の最上部
に形成された繊維導出入口5-1から前記処理炉1に導入
される。この繊維製シートAは前記ローラ6に巻回しな
がら前記シール室4及び熱処理室3内を3段で平行して
連続走行し、前記右側のシール室4の最下部に形成され
た繊維導出入口5-3から前記処理炉1の外部に導出され
る。
【0035】前記熱処理室2は、上部に同処理室2の下
方へ向けて熱風を吹き込む熱風導入部2cを有すると共
に、同熱処理室2の下部には前記熱風を排出する熱風排
出部2dを備えており、前記繊維製シートAの走行方向
とは直交する方向に熱風を送り込んでいる。この熱風循
環設備は更に、図2に示すように、熱処理室2の外部に
設置された熱風加熱器10、ファン11、及び熱風排出
部2dと熱風導入部2cとの間を接続するダクト12と
を備えている。なお、前記熱処理室4内にも吸気口13
と排気口14とを設けて、同熱処理室4の内部の気体を
浄化している。
【0036】前記熱処理室2に形成された第1導出入口
3-1,3-2,3-3の近傍における同熱処理室2の内部圧
力Ph,1 ,Ph,2 ,Ph,3 と、前記シール室4に形成さ
れた第2導出入口5-1,5-2,5-3の近傍における同シ
ール室4の内部圧力Ps,1 ,Ps,2 ,Ps,3 とを比較す
ると、1段目及び2段目ではPh >Ps と前記熱処理室
2の内部圧力の方が高くなるが、3段目ではPh <Ps
と前記シール室4の内部圧力の方が高くなり、3段目に
おいて前記熱処理室2とシール室4とで内部圧力の大小
関係が逆転する。
【0037】左右の前記シール室4は、同シール室4の
内部圧力Ps と前記熱処理室2の内部圧力Ph との大小
関係が逆転する2段目と3段目との間を仕切り板7で水
平方向に仕切られ、前記シール室4が上下に区画されて
いる。この区画された上部及び下部シール室4にはそれ
ぞれ排気口8a,8bが形成されている。この上下の排
気口8a,8bは、前記熱処理炉1の外部に配されたそ
れぞれ独立した排気ファン9a,9bにより強制的に排
気がなされる。
【0038】なお、上述した実施の形態では説明を簡略
化するために、前記繊維製シートAを3段で走行させて
いるが、実際の熱処理炉にあっては熱処理効率を高める
ためにも、通常は前記繊維製シートを数段〜数十段で走
行させている。また、前記仕切り板を多数配設し、更に
は全段を区画するように各段毎に前記仕切り板を設ける
ことも可能である。
【0039】以下、繊維製シートが5段で走行する熱処
理炉を使用して熱処理を施す方法について、実施例及び
比較例を参照して説明する。
【0040】〔実施例〕熱処理炉は段間隔、即ち繊維製
シートの導出入口間の距離が200mmに設定されてお
り、同スリット状導出入口はスリット幅が400mm、
スリット高さが15mm、流量係数αが0.9である。
また、前記熱処理炉の熱処理室内温度は240℃、シー
ル室上部温度は100℃に設定されており、熱処理炉外
温度は20℃であった。更に、シール室の1段目におけ
る内部圧力Ps,1 を−0.05mmH2O に設定するとき、
上記計算式に各数値を代入して熱処理室の内部圧力Ph
とシール室の内部圧力Ps とについて求めたところ、そ
の大小関係は、1段目〜3段目ではPh >Ps と前記熱
処理室の内部圧力の方が高くなるが、4及び5段目では
h <Ps と前記シール室の内部圧力の方が高くなり、
3段目と4段目との間で前記熱処理室とシール室とで内
部圧力の大小関係が逆転する。そこで仕切り板を3段目
と4段目との間に配設し、シール室を上部と下部とに2
分割した。
【0041】また、上部シール室及び下部シール室に形
成された各排気口からの排気量Qu,Ql について上記
計算式から求めたところ、上部側の排気口からの排気量
uは129 Nm3/hr 、下部側の排気口からの排気量Q
l は13 Nm3/hr となった。上部側及び下部側の各排気
口からの排気量Qu ,Ql が上記数値となるように排気
ファンの回転数を調整して、アクリロニトリル系合成繊
維に240℃で耐炎化処理を施した。
【0042】その結果、シール室に形成された繊維製シ
ートの第2導出入口から外部へと炉内ガスが漏れ出すこ
とはなかった。また、下部側の排気口からの排気ガスに
ついてシアン検知器によりシアンガス濃度を測定した
が、シアンガスは検出されなかった。
【0043】〔比較例〕上記実施例の熱処理炉における
シール室から仕切り板を取り除いて、上記実施例と同様
にアクリロニトリル系合成繊維に240℃で耐炎化処理
を施したところ、下部側の排気口からの排気ガスは有毒
なシアンガスが検出された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適な実施の態様である炭素繊維製
造用の熱処理炉の構造を示す概略図である。
【図2】 上記熱処理炉における熱風循環設備の概略図
である。
【符号の説明】
1 熱処理炉 2 熱処理室 2a,2b 壁面 2c 熱風導入部 2d 熱風排出部 3 繊維製シート導出入口 4 シール室 5 繊維製シート導出入口 6 ローラ 7 仕切り板 8a,8b 排気口 9a,9b 排気ファン 10 熱風加熱器 11 ファン 12 ダクト 13 吸気口 14 排気口 A 繊維製シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 昭彦 愛知県豊橋市牛川通4丁目1番地の2 三 菱レイヨン株式会社豊橋事業所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する両壁面の上下方向に多段のスリ
    ット状をなす繊維製シートの第1導出入口を有し、前記
    繊維製シートが多段に平行して走行する熱処理室と、前
    記両壁面にそれぞれ並設され、上下方向に多段のスリッ
    ト状をなす前記繊維製シートの第2導出入口を外側壁面
    に有するシール室とを備えた横型熱処理炉であって、 前記熱処理室は前記繊維製シートの走行方向と概略直交
    して上方から熱風を吹き込む熱風導入部と、下方から同
    熱風を排出する熱風排出部とを有する熱風循環設備を備
    え、 前記シール室は、少なくとも一の仕切り板により上下に
    区画され、区画された各シール室に1つの排気口が形成
    されてなり、 各排気口は、それぞれ独立した排気機構及び排気調整機
    構を有してなることを特徴とする横型熱処理炉。
  2. 【請求項2】 前記シール室は、上からx段目における
    前記熱処理室の前記導出入口近傍での内部圧力P
    h,x と、同導出入口に対応する前記シール室の前記導出
    入口近傍での内部圧力Ps,x との大小関係が上下段にお
    いて逆転する部位で前記仕切り板により区画されてなる
    請求項1記載の横型熱処理炉。
  3. 【請求項3】 前記熱処理室の内部圧力Ph,x と前記シ
    ール室の内部圧力Ps, x との圧力関係がPh,x <Ps,x
    にあるシール室にあって、前記排気口の排気量が、前記
    圧力関係Ph,x <Ps,x を維持するように調整されてな
    る請求項2記載の横型熱処理炉。
  4. 【請求項4】 炭素繊維の原料であるプレカーサを請求
    項1〜3のいずれかに記載の横型熱処理炉をもって熱処
    理することを特徴とする炭素繊維の熱処理方法。
  5. 【請求項5】 各排気口から前記排気機構により排気さ
    れた気体を、それぞれ独立した気体処理部で処理する請
    求項4記載の熱処理方法。
JP33836597A 1997-12-09 1997-12-09 横型熱処理炉及び熱処理方法 Expired - Lifetime JP4241950B2 (ja)

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