JPH111729A - 金属ガラスの製造方法および装置 - Google Patents
金属ガラスの製造方法および装置Info
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Abstract
下の溶融金属による不均一核生成によって結晶核が成長
した結晶相が混在しない、すなわち融点以上の溶融金属
のみを臨界冷却速度以上の速度で冷却したアモルファス
単相からなる、強度特性に優れた所望の、特に最終形状
のバルクアモルファスを、一気に簡単な工程で再現性よ
く得ることのできる金属ガラスの製造方法を提供する。 【解決手段】ハース上に金属材料を充填し、この金属材
料を溶融可能な高エネルギ熱源を用いて金属材料を溶解
後、得られた融点以上の溶融金属を、冷却界面どうしを
重ね合わせることなく押圧して、融点以上の溶融金属に
圧縮応力および剪断応力の少なくとも一方を与えて所望
の形状に変形し、変形後もしくは変形と同時に溶融金属
を臨界冷却速度以上で冷却して、所望の形状のバルク状
の金属ガラスを製造することにより、上記課題を達成す
る。
Description
うしが重ね合わされてアモルファス化した部分、いわゆ
る湯境のない強度特性に優れた種々の所望の形状の大型
の金属ガラス(バルクアモルファス)を製造する金属ガ
ラスの製造方法に関するものである。
るために金属や合金を溶融し、液体状態から急冷凝固さ
せて急冷金属(合金)粉末を得、得られた急冷金属粉末
を結晶化温度以下で所定形状に固化して真密度化する方
法や溶融金属や合金を急冷凝固させて直接所定形状のア
モルファス合金材を得る方法などが種々提案されてい
る。しかしながら、これら従来の方法によって得られる
アモルファス合金材は、小さい質量のものがほとんど
で、これらの方法ではバルク材を得ることは困難であ
る。一方、急冷粉の固化によってバルク状アモルファス
合金材を得る方法も試みられているが、満足のいくバル
ク材が未だ得られていない。
ァス材には、メルトスピニング法、単ロール法、プラナ
ーフロー鋳造法などによる薄い帯状(リボン状)、例え
ば最大板幅約200mm、最大板厚30μm程度のアモ
ルファス材などが得られており、これらのアモルファス
材のトランスのコア材等への応用が試みられているが、
未だ多くのものが材料化には至っていない。急冷粉から
小さい質量のアモルファス材を固化成形する技術とし
て、CIP、HIP、ホットプレス、熱間押出し、放電
プラズマ焼結法など種々の方法がとられているが、微細
な形状のため流動特性が悪く、ガラス遷移温度以上に昇
温できない温度特性の問題があり、成形もまた多工程を
要する上に、固化成形後もバルク材としての特性が充分
得られない等の欠点を有し、必ずしも満足する方法とは
いえない。
l−TM、Mg−Ln−TM、Zr−Al−TM、Hf
−Al−TMおよびTi−Zr−TM(ここで、Ln=
ランタノイド金属、TM=VI−VIII族遷移金属)等の三
元系における多くのアモルファス金属を、102 K/s
のオーダーのガラス形成のための低臨界冷却速度を持
ち、金型鋳造法または高圧ダイキャスト法によって厚さ
約9mmまでのバルク形状に製造できることを報告して
いる。
任意形状の大型のアモルファス合金を製造することはで
きない。大型のアモルファス合金の製造に至る新しい固
化技術の開発と同様にさらに低い臨界冷却速度を持つア
モルファス合金の開発が、アモルファス金属材料に対す
る形状の大型化を可能にするために強く要望されてい
る。
合金によるバルク状アモルファス合金に関するさらなる
研究において、三元系合金の大きいガラス形成能は、互
いに10%より大きく原子サイズが異なる構成元素の最
適な原子サイズ比に主として依存することから、多成分
系合金における異なる原子サイズ比を持つ構成元素の増
加の効果に注目し、Zr−Al−Co−Ni−Cu系、
Zr−Ti−Al−Ni−Cu系、Zr−Ti−Nb−
Al−Ni−Cu系およびZr−Ti−Hf−Al−C
o−Ni−Cu系において1〜100K/sの範囲のは
るかに低い臨界冷却速度を持つアモルファス合金を見い
出し、直径16mm以下、長さ150mmのバルク状ア
モルファス合金をZr−Al−Ni−Cu系において、
石英管内の溶融物を水中に入れて急冷することにより製
造できることを特開平6−249254号公報に開示し
た。
バルク状アモルファス合金が、引張応力−伸び曲線に鋸
歯状のプラスチックフローを伴う圧縮強さおよび破壊
(割れ)とほぼ同様である1500MPaの高い引張強
さを示し、この高引張強さおよび鋸歯状プラスチックフ
ロー現象は、バルク状アモルファス合金が鋳造によって
製造された大きな厚さをもつにもかかわらず良い展延性
を持つことを示すことを開示した。
たバルク状アモルファス金属の製造における知見に基づ
いて、簡単な操作で容易に種々の形状のさらに大型の金
属ガラスを製造する方法を開発するために鋭意研究を重
ねた結果、差圧鋳造法を用いて、溶融状態の金属材料を
水冷鋳型に瞬時に鋳込むことにより、アモルファス材と
しての特性に優れた大型のアモルファス材を簡単な操作
で容易に製造することのできる差圧鋳造式金属ガラスの
製造方法を提案している。
特開平6−249254号公報に開示した差圧鋳造式金
属ガラスの製造方法によっても、大型の柱状バルクアモ
ルファス材を製造することができるし、得られたアモル
ファス材も優れた特性を示す。しかしながら、この従来
法では、水冷ハースの底部を高速度で下降させて、溶融
金属を縦型の水冷鋳型に瞬時に鋳込み、溶融金属の移動
速度を速くして、大きな冷却速度を得ている。
型に鋳込まれる時、溶融金属が流動化し、溶融金属が波
打つことから、溶融金属の表面積が増加し、溶融金属が
外気と接触する界面が増加する恐れがあるため、極端の
場合には、小さな塊滴に分離し、飛散した後に鋳型に充
填される恐れがあるため、縦型の水冷鋳型に鋳込まれる
際に界面どうしが重ね合わされることになり、界面どう
しの重ね合わさった部分、いわゆる湯境ができる結果と
なる。このため、得られたバルクアモルファスの特性が
この湯境部分で劣化し、バルクアモルファス自体の特性
を劣化させる恐れがあるという問題があった。
るため、ハースと接触している金属材料は、たとえ、溶
解していても必ず融点以上の温度の溶融金属ではないた
め、不均一核生成の原因となるが、これらの不均一核生
成部分も一緒に縦型の水冷鋳型に鋳込まれるため、当該
部分に結晶核が生じてしまう恐れがあるという問題があ
った。さらに、金属材料を溶解する水冷ハースの底部を
高速で移動させるため、溶融金属がその移動部分やすき
間に入り込み、再現性を低下させたり、極端の場合にか
み込んで装置を動作不良や動作停止や不能に追い込む恐
れがあるという問題があった。
解消し、融点以下の、例えば外気と接触した溶融金属の
冷却界面どうしが重ね合わされてアモルファス化した部
分など、いわゆる湯境のない、好ましくは、さらに、融
点以下の溶融金属による不均一核生成によって結晶核が
成長した結晶部分のない、すなわち融点以上の溶融金属
のみを臨界冷却速度以上の速度で冷却した、強度特性に
優れた所望形状のバルクアモルファスを、一気に簡単な
工程で再現性よく得ることのできる金属ガラスの製造方
法を提供するにある。
に、本発明は、ハース上に金属材料を充填し、この金属
材料を溶融可能な高エネルギ熱源を用いて前記金属材料
を溶解後、得られた融点以上の溶融金属を、冷却界面ど
うしを重ね合わせることなく押圧して、融点以上の溶融
金属に圧縮応力および剪断応力の少なくとも一方を与え
て所望の形状に変形し、変形後もしくは変形と同時に前
記溶融金属を臨界冷却速度以上で冷却して、前記所望の
形状のバルク状の金属ガラスを製造することを特徴とす
る金属ガラスの製造方法を提供するものである。
法であって、前記溶解後の融点以上の溶融金属を、前述
の溶融金属の融点以下の冷却面どうしに加え、この冷却
面と他の融点以下の冷却面とを重ね合わせることなく押
圧することを特徴とする金属ガラスの製造方法を提供す
るものである。ここで、前記溶融金属の押圧および変形
は、前記ハース上に配置された圧延冷却ロールによって
前記融点以上の溶融金属のみを板状または所望の形状に
圧延すると同時に冷却することによって行われるのが好
ましい。また、前記ハース内に充填された金属材料を溶
解した後、前記ハースを前記高エネルギ熱源および前記
圧延冷却ロールと相対的に移動させるとともに前記圧延
冷却ロールを回転させることにより、前記ハース上に盛
り上がった前記融点以上の溶融金属のみを圧延し、かつ
冷却して板状金属ガラスまたは所望の形状を持つ金属ガ
ラスを製造するのが好ましい。
長尺のハースを前記高エネルギ熱源および前記圧延冷却
ロールと相対的に移動させることによって前記金属材料
の前記高エネルギ熱源による溶解および前記融点以上の
溶融金属の圧延および冷却を連続的に行って、長尺の板
状金属ガラスまたは所望の形状を持つ金属ガラスを連続
的に製造するのが好ましい。また、前記圧延冷却ロール
は、前記ハースに対応する位置に前記ハース内の前記融
点以上の溶融金属を前記ハース外に排出させるための、
熱伝導率の低い材料からなる溶湯排出機構を有するのが
好ましい。
前記ハースに近接して設けられた前記所望の形状のキャ
ビティを有する下型に前記融点以上の溶融金属のみを流
動化させずにそのまま前記ハースから移動させた後、直
ちに冷却上型で押圧して前記所望の形状に鍛造すると同
時に冷却することによって行うのが好ましい。また、前
記ハース内に充填された前記金属材料を溶解した後、前
記ハースおよび前記下型を前記上型の直下に移動し、直
ちにこの上型を前記下型に向けて下降させることによっ
て、前記ハース内の前記融点以上の溶融金属のみを前記
下型に移動させて押圧かつ冷却し、鍛造して前記所望形
状の金属ガラスを製造するのが好ましい。また、前記上
型は、前記ハースに対応する位置に前記ハース内の前記
融点以上の溶融金属を前記ハース外に排出させるため
の、熱伝導率の低い材料からなる溶湯排出機構を有する
のが好ましい。
合わせる」とは、狭義には溶融金属の融点以下の冷却界
面を互いに重ね合わせる場合をいうが、より広義には、
溶融金属の融点以下の冷却界面と冷水ハースの冷却界面
などのような他の冷却界面とを重ね合わせる場合をもい
う。なお、「溶融金属の融点以下の冷却界面」とは、外
気や鋳型やハースとの接触等によって融点以下に冷却さ
れて生じた溶融金属の界面をいう。
どうしを重ね合わせることなく押圧して、変形する」と
は、冷却ハースから融点以上の溶融金属を流動化や波立
ちによる上述した冷却界面どうしの重なり合いによる湯
境を生じさせることなく鋳型に入れて押圧し、成形する
ことのみならず、対象とする金属材料融点以上でも熱的
なダメージを受けない材料製鋳型、例えば石英製鋳型の
下型を当初から融点に近い温度、好ましくは融点以上の
温度まで加熱し、高エネルギ熱源、例えば高周波熱源に
よって溶解された溶融金属を融点以上のまま融点以下の
冷却面を生じさせることなく下型に鋳込み、冷却された
上型で押圧、プレス成形および臨界冷却速度以上での急
速冷却を行うこと、すなわち、臨界冷却速度が非常に小
さい金属材料であれば、石英管中で溶解させた溶融金属
をそのままの形で即座に水中に入れて冷却することも含
まれる。
速度以内の速度で押圧、変形、圧縮、剪断をできないか
らであり、冷却界面を重ね合わせてしまうからであるの
で、湯境のないアモルファスバルク材は、所定の、例え
ば、10℃/secの臨界冷却速度を持つ金属が、溶融
状態から変形を受けるまでの時間と温度落差とが所定の
臨界冷却速度、ここでは10℃/sec以内であり、冷
却面を重ね合わせない工夫があれば、製造可能である。
状、異形板状、丸棒状、角棒状、異形棒状など、ロール
表面や鍛鋳造上型に凹または凸状の上型を待ち、圧延鋳
面または鍛鋳造下型に凹または凸の下型を持ち、各々の
凹と凸とが同期して変形、冷却されれば、どのような形
状であってもよく、任意の形状であってもよい。
法を添付の図面に示す好適実施例に基づいて詳細に説明
する。
ハース、例えば凹型水冷銅製ハース上に金属材料、好ま
しくはアモルファス形成能の高い金属粉末およびペレッ
トの混合物を充填し、好ましくは、チャンバー内部を真
空引後、そのまま真空中(真空中の場合、大気圧中と比
較して、対流による冷却が少ないため溶湯温度の冷却を
防げることができる。例えば電子ビーム溶解などの方法
を用いる場合)で、または減圧中で、もしくは不活性ガ
スにて置換して、ハースをそのまま、もしくは強制冷却
しながら高エネルギ熱源、例えばアーク熱源にて金属材
料を溶融する。この後、得られた融点以上の溶融金属
を、好ましくは水冷ハースの場合には融点以上の溶融金
属のみをそのまま新しい鋳型に挟み込んで押圧し、もし
くは溶融金属の表面、すなわち外気との界面どうしを重
ね合わせることなく、すなわち溶融金属を流動化もしく
は波打たせることなく1つの塊として新しい鋳型表面に
移動して、押圧し、融点以上の溶融金属に圧縮応力もし
くは剪断応力の少なくとも一方を与えて所望の形状に変
形し、変形後、もしくは変形と同時に融点以上の溶融金
属をその臨界冷却速度以上で冷却する。
ース上に配置された圧延冷却ロールによって、ハース上
に盛り上がった融点以上の溶融金属のみを板状または所
望(任意)の形状に圧延すると同時に急冷することがで
きる(以下、圧延法ともいう)。この時、ハースを圧延
冷却ロールに対して相対的に移動させるとともに圧延冷
却ロールを回転させる。ここでハースが長尺であれば、
ハースの相対的移動に伴って、高エネルギ熱源によって
金属材料を連続的に溶解し、連続的に得られた融点以上
の溶融金属を連続的に回転する圧延冷却ロールによっ
て、連続的に圧延するとともに急冷することにより、長
尺な板状物または所望(任意)の形状を得ることができ
る。なお、圧延冷却ロールのハースに対応位置にハース
内の融点以上の溶融金属をハース外の新しい鋳型面(圧
延面)に排出させるための、熱伝導率の低い材料製の溶
湯排出機構を設けておくのがよい。
ハースに近接して設けられた所望形状のキャビティを有
する鋳型の下型にハース内の融点以上の溶融金属のみを
流動化させずにまたは波打たせることなくハースから下
型に移動させた後、直ちに下型のキャビティと嵌合する
冷却上型で押圧、すなわちプレス成型して、所望の形状
に鍛造する、もしくは鋳鍛造すると同時に急冷すること
ができる(以下、鍛造法という)。この時、ハースおよ
び下型と高エネルギ熱源および上型とを相対的に移動し
て、下型と上型とを位置合わせして、上型を下降もしく
は下型を上昇させるように嵌合し、下型内の融点以上の
溶融金属をプレス成型するとともに急冷して鍛造を行
う。なお、この場合にも、上型のハースに対応する位置
にハース内の融点以上の溶融金属をハースから下型のキ
ャビティに排出させるための、熱伝導率の低い材料製の
溶湯排出機構を設けておくのがよい。
のない、すなわち鋳造欠陥のない、所望の最終的な形状
に成形されたバルクアモルファスを製造することにあ
り、第2の目的は、第1の目的に加え、不均一核生成に
よる結晶核の存在しないバルクアモルファスを製造する
ことにあるので、これらの目的を達成するための具体的
手段としては、上述した例に限定されず、融点以上の溶
融金属のみを塊として、換言すれば流動化や波立ちなど
によって外気との界面が重ね合わされたり、先に流れた
溶湯と後から来た溶湯とが合流したりすることなく、押
圧し、圧縮応力や剪断応力をかけて、所望の最終形状に
成形できればどのような手段であってもよい。
テーション装置などを用いて、金属材料を溶解して融点
以上の溶融金属を非接触で保持し、もしくはコールドク
ルーシブ(スカル溶解)装置などを用いて、金属材料を
溶解して融点以上の溶融金属を非接触に近い状態で保持
し、非接触または非接触に近い状態で保持されている融
点以上の溶融金属に向かってその周囲から割型、例えば
2つ以上に分割された鋳型を移動させ、溶融金属を拘束
し、所望の最終形状にプレス成型するものであってもよ
い。もしくは、溶融金属の融点以上でも溶解せず、かつ
溶融金属とも反応せず、かつ機械的強度に優れている材
料や、高温加熱、急速冷却でも熱衝撃ダメージを受けな
い材料、例えばカーボン、ニッケル、タングステン、セ
ラミックスなどを溶融金属に応じて選択し、選択された
材料によって鋳型の下型自体を作製し、金属材料を充填
して溶融後、直ちに上型で押圧し、プレス成型するとと
もにガスや水などの冷媒によって上型および下型をも同
時に冷却し、所望の最終形状のバルクアモルファスを製
造するようにしてもよい。この場合、少なくとも溶解時
には、下型は冷却せず、溶解後冷却を開始するのがよ
い。この時、下型は、融点近傍の温度が保持できれば、
どのような材料で作製してもよく、例えば熱伝導性の良
い材料で作製しても、悪い材料で作製してもよい。
ル表面が所望の任意の形状のバルクアモルファスを製造
可能な双ロール式圧延方式であってもよい。また、単ロ
ール方式の場合であってもハースの一方向への往復動の
みならずハースを水平に回転することで圧延冷却ロール
による圧延および冷却を行ってもよい。また、鍛造法に
おいても、ハースおよび下型の移動は一方向への往復動
のみならず水平回転移動であってもよい。
アモルファス、すなわち大型の金属ガラスバルク材を製
造することができる。こうして得られた大型の金属ガラ
スバルク材は、不均一に凝固したものでなく、いわゆる
湯境がなく、すなわち鋳造欠陥がなく、不均一核生成に
よる結晶核が存在しない、強度特性、特に衝撃等の強度
特性にも均一に高密度のバルクアモルファスである。ま
た、こうして得られた大型の金属ガラスバルク材は、用
途に応じた所望の最終形状に一気に成形されたものであ
るので、更なる加工を必要としない。
て金属材料を溶融し、融点以上の溶融金属を得る場合、
ハースと接触する部分は不可避的に融点以下低温部分が
存在し、当該部分が不均一核生成の原因となり、結晶核
が存在することになり、これを用いてバルクアモルファ
スを製造する場合に、結晶相が混在するバルクアモルフ
ァス材となる恐れがある。しかし、仮に結晶相がバルク
アモルファス中に混在されていたとしても、湯境などの
鋳造欠陥がなく機能性があれば、例えば、アモルファス
相だけの機能性と結晶相だけの機能性が混在するバルク
材、すなわち傾斜機能材料等であれば、本発明法の目的
に適うアモルファスバルク材であるといえる。
ギ熱源を用いて溶融できれば、上述した3元系合金、Z
r−Al−Ni−Cu、Zr−Ti−Al−Ni−C
u、Zr−Nb−Al−Ni−CuおよびZr−Al−
Ni−Cu−PdなどのZr系合金を始めとして4元系
以上の多元系合金を含めほとんどあらゆる元素の組み合
わせからなる合金について適用でき、またアモルファス
相の生成が可能である。これらの合金を本発明において
金属材料として用いる場合には、高エネルギ熱源による
急激な溶融がより容易なように、粉末状あるいはペレッ
ト状にして用いるのが好ましいが、本発明はこれに限定
されず、急激な溶融が可能であれば、どのような形状の
金属材料を用いてもよい。例えば、粉末状、ペレット状
の他、線状、帯状、棒状、塊状など、ハース、特に水冷
ハースと高エネルギ熱源に応じて適当な形状を適宜選択
すればよい。
は、ハースや水冷ハースに充填された金属材料を溶融可
能であれば、特に制限はなく、どのような熱源を用いて
もよいが、例えば、代表的に高周波熱源、アーク熱源、
プラズマ熱源、電子ビーム、レーザなどを挙げることが
できる。これらの熱源は、ハース水冷ハースに対し、1
個であっても、複数個を重畳して用いてもよい。
に以上のように構成されるが、以下に本発明法を実施す
る具体的手段について説明する。図1は、本発明の金属
ガラスの製造方法を実施する圧延方式金属ガラス製造装
置の構成を模式的に示すフローシートである。同図に示
すように、この圧延方式金属ガラス製造装置10は、金
属材料、例えば粉末状およびペレット状金属材料を充填
する所定形状の凹部構造を持つ水冷銅製ハース12と、
この水冷ハース12の周辺から延在する圧延鋳型部13
と、水冷銅製ハース12上の金属材料をアーク溶解する
ための水冷電極(タングステン電極)14と、水冷ハー
ス12から盛り上がった、アーク溶解された金属材料の
融点以上の溶融金属を水冷ハース12の圧延鋳型部13
上で板状に圧延するとともに、この金属材料(溶融金
属)に固有の臨界冷却速度より速い速度で急速冷却する
圧延水冷ロール16と、水冷ハース12、水冷電極14
および圧延水冷ロール16に冷水を循環供給する冷却水
供給装置18と、水冷ハース12、水冷電極14および
圧延水冷ロール16を収納する真空チャンバー20と、
圧延水冷ロール16の図中矢印a方向の回転と同期し
て、真空チャンバー20内において圧延鋳型部13を持
つ水冷ハース12を図中矢印b(水平)方向に移動する
ハース移動機構22とを有する。
の溶融金属のみを圧延鋳型部13と圧延水冷ロール16
との間で圧延し、かつ急冷するように、圧延水冷ロール
16は、駆動モータ17によって回転駆動され、一方、
この圧延水冷ロール16の回転に同期して水冷ハース1
2を水平移動するためのハース移動機構22は、駆動モ
ータ23によって駆動されるように構成される。なお、
図示例では、圧延水冷ロール16をモータ17によって
回転駆動しているが、本発明はこれに限定されず、圧延
水冷ロール16aを圧力調整可能なスプリングなどの付
勢手段(図示せず)によって水冷ハース12に圧接さ
せ、この圧延水冷ロール16と水冷ハース12との間の
摩擦によってハース移動機構22による水冷ハース12
の水平移動に伴って回転させるようにしてもよい。水冷
電極14は、アーク電源24に接続される。また、水冷
電極14は、水冷ハース12の凹部12aの深さに対し
わずかに傾斜させて配置され、ステッピングモータ15
によってX,YおよびZ軸方向に調整可能に構成され
る。さらに、水冷ハース12上の金属材料と水冷電極1
4との間の間隔(Z方向)を一定に保つために金属材料
の位置を半導体レーザセンサ26によって測定し、モー
タ15によって水冷電極14の移動が自動コントロール
されるようにしてもよい。これはアーク電極14と金属
材料との間の間隙が一定でないと、アークが不安定にな
り、溶融温度にばらつきが生じるからである。また、水
冷電極14のアーク発生部近傍に冷却用ガス(例えばA
rガス)噴出口を設け、ガス供給源(ガスボンベ)28
から冷却用ガスを噴出させ、加熱後の急速冷却を促進し
てもよい。
ケット構造で、真空引するために真空排気口によって油
拡散真空ポンプ(ディフュージョンポンプ)30および
油回転真空ポンプ(ロータリポンプ)32が連結され、
真空引後、不活性ガスによる置換が可能なようにアルゴ
ンガス導入口によってガス供給源(ガスボンベ)34と
連通される。また、冷却水供給装置18は循環戻り冷却
水をクーラントにより冷却した後に、再び冷却水として
水冷ハース12、水冷電極14および圧延水冷ロール1
6に供給する。水冷ハース12を図中矢印b(水平)方
向に移動するハース移動機構22は、特に制限的ではな
く、従来公知の並進機構や往復動機構等を用いることが
でき、例えば、ボールねじを用いたドライブスクリュー
とトラベリングナットやエアシリンダなどの空気圧機構
や油圧シリンダなどの油圧機構などを好適に用いること
ができる。
方法を図1、図2および図3を用いて説明する。図2
は、図1に示す水冷銅製ハース12および圧延鋳型13
を模式的に示す上面図であり、図3(a)は、アーク溶
解を用いる圧延方式金属ガラス製造装置における板状ア
モルファスバルク材の製造プロセスの金属材料溶解工程
を示す断面模式図であり、図3(b)は、圧延水冷ロー
ル16と水冷銅製ハース12の圧延鋳型13とによる圧
延冷却工程の断面模式図である。
ール16を回転駆動するとともに、この回転に同期して
駆動モータ23によってハース移動機構22を駆動し
て、水冷ハース12を初期位置まで移動し、図3(a)
に示されるように、その初期位置にセットする。この
後、水冷銅製ハース12の窪み(凹部)12aに金属材
料(粉末、ペレット、結晶体)を充填する。一方、水冷
電極14は、センサ26およびモータ15によってアダ
プタ14a(図3(a)および(b)参照)を介して、
X,Y,Z軸方向の位置調整がなされ、金属材料との間
の間隔(Z方向)が所定値にセットされる。この時、デ
ィフュージョンポンプ30およびロータリポンプ32を
用い、チャンバー20内を高真空、例えば5×10-4P
a(液体窒素トラップ使用)にした後、Arガス供給源
34からArガスを供給してチャンバー20内をArガ
スにて置換する。また、水冷銅ハース12、水冷電極1
4および圧延水冷ロール16は、冷却水供給装置18か
ら供給される冷却水によって冷却されている。
すように、アーク電源22をオンして水冷電極14の先
端から金属材料との間にプラズマアーク36を発生さ
せ、金属材料を完全に溶解して溶融合金38を形成させ
る。この後、アーク電源をオフしてプラズマアーク36
を消す。同時に、駆動モータ17および23の駆動を開
始し、図3(b)に示すように水冷銅ハース12をハー
ス駆動機構22によって図中矢印b方向に所定速度で水
平移動させるとともに、この水冷ハース12の水平移動
に同期して圧延水冷ロール16を矢印a方向に一定速度
で回転させる。こうして、水冷ハース12から盛り上が
った融点以上の溶融金属のみを、圧延水冷ロール16で
水冷ハース12の圧延鋳型部13のキャビティ(凹部)
13aに押し込み、この圧延鋳型部13と圧延水冷ロー
ル16との間に挟み込んで所定押圧力で圧延するととも
に冷却する。このようして、金属溶湯(溶融金属)38
は、圧延水冷ロール16によって薄板状に圧延されると
ともに冷却されるので、大きな冷却速度を得ることがで
きる。その結果、溶融金属38は、最終形状の薄板に圧
延されながら臨界冷却速度より速い速度で冷却されるこ
とで、急速に固化することにより、鋳型部13において
所望の最終形状の薄板状のアモルファスバルク材39を
製造することができる。
ルク材39は、水冷ハース12の底部近傍の融点より低
温の不均一核生成による結晶相の混在を招き易い部分3
7を全く含まない、融点以上の溶融金属、特に好ましく
は水冷ハース12から盛り上がった融点以上の溶融金属
のみを流動化や波立たせることなく、一気に最終形状の
薄板まで変形させ、かつ冷却したものであるので、均一
に冷却凝固され、不均一凝固や不均一核生成による結晶
相が混在せず、しかも湯境などの鋳造欠陥のないアモル
ファス薄板であるといえる。
は、水冷ハース12の底部近傍の融点より低温の部分3
7が混入することがなく、確実に高強度の薄板状アモル
ファスバルク材39を製造できるが、ハース12の凹部
12a内には融点以上の溶融金属38が残留してしま
い、これらは薄板状アモルファスバルク材39の生成に
使用されず、効率の点では良いとはいえない。このた
め、本発明においては、図4(a)に示すように、圧延
水冷ロール16のハース12の凹部12aに相当する部
分に、凹部12a内の融点以上の溶融金属のみを押し出
し、しかも不均一核生成を防止することのできる、熱伝
導率の悪い材料からなる突起状の溶湯排出機構16aを
設け、水冷ハース12内の融点以上の溶融金属38を効
率よく利用するように構成してもよい。この時、溶湯排
出機構16aを構成する突起状物は、溶融金属の融点近
傍まで加熱しておくのが好ましい。
ス12の形状(凹部12aの形状)を棒状(長尺な半円
筒状)の窪み12aとすることにより、その片側もしく
はその両側にキャビティ13aを持つ圧延鋳型13を設
け、水冷電極14による水冷ハース12内の金属材料の
溶解を連続的に行いながら、溶解された融点以上の溶融
金属のみを圧延水冷ロール16によって水冷ハース12
の圧延鋳型13のキャビティ13aに連続的に押し込ん
で連続的に圧延かつ急冷を行うようにしてもよい。この
場合にも、図4(a)と同様に、圧延水冷ロール16に
は、水冷ハース12内の融点以上の溶融金属を効率よ
く、かつ不均一核生成を防止して、キャビティ13aに
排出するための溶湯排出機構16a、例えば外周に沿っ
て所定長連続する突起状の溶湯排出機構16aを設けて
おくのが好ましい。上述したように、溶湯排出機構16
aの突起状物は、熱伝導率の悪い材料からなるのが好ま
しく、より好ましくは、予め融点近傍まで加熱しておく
のが好ましい。
造方法では、水冷ハース12に圧延鋳型13を設けてい
るが、水冷ハース12の圧延鋳型13の代わりに圧延水
冷ロール16の下側にも圧延ロールを設けて双ロール圧
延方式とすることもできる。この時、下側の圧延ロール
の外周形状、例えばキャビティの形状を任意の型形状と
することにより、圧延によって得られる薄板状アモルフ
ァスバルク材の断面形状を矩形のみならず、種々の形状
にすることができる。ここで、上述した例では、圧延水
冷ロール16は位置を変えずに回転しており、水冷電極
14の水平位置はほぼ固定され、水冷ハース12を水平
に平行移動しているが、本発明はこれに限定されず、逆
に圧延水冷ロール16は回転しながら水冷電極14とと
もに水平に平行移動させ、水冷ハース12を固定するよ
うにしてもよい。
適切に圧延できれば、図示例のように、水冷ハース12
の圧延鋳型13や双ロール方式の下側圧延ロールなどに
キャビティ13aを設けてもよいが、本発明はこれに限
定されず、キャビティを設けなくともよい。また、上述
の例では、圧延水冷ロール16を強く水冷し、圧延鋳型
13や双ロール方式の下側圧延ロールなどは強制的に冷
却していないが、強制的に冷却して良いことは勿論であ
る。また、上述した例では、水冷ハース12、水冷電極
14および圧延水冷ロール16は、冷却水によって強制
的に冷却されているが、本発明はこれに限定されず、他
の冷却媒体(冷媒)、例えば冷媒ガスなどを用いてもよ
い。本発明の圧延方式の金属ガラスの製造方法および装
置は、基本的に以上のように構成される。
式の金属ガラスの製造方法について詳細に説明する。図
5は、本発明の金属ガラスの製造方法を実施する鍛造方
式金属ガラス製造装置の構成を模式的に示すフローシー
トである。図5に示す鍛造方式金属ガラス製造装置50
は、図1に示す圧延方式金属ガラス製造装置10と、水
冷ハース12の圧延鋳型部13および圧延水冷ロール1
6の代わりに、水冷ハース12に近接して設けられる下
金型52およびこの下金型52との間に挟んで融点以上
の溶融金属をプレス成型(鍛造または鋳鍛造)し、かつ
急冷する上金型54を有している点を除いて、同様であ
るので、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説
明は省略する。
0は、水冷ハース12と、水冷電極14と、水冷ハース
12に近接して設けられ、所望の最終形状のキャビティ
52aを持つ下金型52と、この下金型52のキャビテ
ィ52a内に水冷ハース12内の融点以上の溶融金属を
不均一核生成を防止しながら、排出させるための溶湯排
出機構54aを備え、下金型52のキャビティ52aと
嵌合してキャビティ52a内の融点以上の溶融金属をプ
レス成型(鍛造)するとともに、この金属材料(溶融金
属)に固有の臨界冷却速度より速い速度で急速冷却する
上金型54と、水冷ハース12、水冷電極14および上
金型54に冷水を循環供給する冷却水供給装置18と、
水冷ハース12、水冷電極14および上金型54を収納
する真空チャンバー20と、上金型54の直下のプレス
位置に下金型52が位置するように、真空チャンバー2
0内において下金型52を持つ水冷ハース12を図中矢
印b(水平)方向に移動するハース移動機構22と、上
金型54の溶湯排出機構54aがプレス位置に移動され
た下金型52を持つ水冷ハース12から融点以上の溶融
金属のみを下金型52のキャビティ52aに排出させ、
次いでキャビティ52a内の融点以上の溶融金属のみを
プレス成型(鍛造)し、かつ急冷するように、真空チャ
ンバー20内において上金型54をを図中矢印c(鉛
直)方向に移動する上金型移動機構56とを有する。こ
の上金型54を上下移動するための上金型移動機構56
は、駆動モータ57によって駆動されるように構成され
る。
方法を図5および図6を用いて説明する。ここで、図6
(a)は、アーク溶解を用いる鍛造方式金属ガラス製造
装置における所望最終形状のアモルファスバルク材の製
造プロセスの金属材料溶解工程を示す断面模式図であ
り、図6(b)は、上金型54と水冷銅製ハース12の
下金型52とによる鍛造冷却工程の断面模式図である。
鍛造方式金属ガラス製造装置50においても、まず、駆
動モータ57および23によってそれぞれ上金型移動機
構56およびハース移動機構22を駆動して、下金型5
2を持つ水冷ハース12および上金型54をそれぞれ移
動し、図6(a)に示されるように、その初期位置にセ
ットする。この後、圧延方式金属ガラス製造装置10と
同様に、水冷銅製ハース12の凹部12aに金属材料が
充填され、鍛造方式の金属ガラスの製造の準備が終了す
る。
すように、圧延方式金属ガラス製造装置10と同様に、
アーク電源22をオンして水冷電極14の先端からプラ
ズマアーク36を発生させ、金属材料を完全に溶解して
溶融合金38を形成させる。この後、アーク電源をオフ
してプラズマアーク36を消す。同時に、駆動モータ2
3の駆動を開始し、図6(b)に示すように水冷銅ハー
ス12をハース駆動機構22によって図中矢印b方向に
所定速度で上金型54の直下のプレス位置まで水平移動
させる一方、駆動モータ57の駆動を開始し、上金型5
4を上金型駆動機構56によって図中矢印c方向に下降
させる。
出機構54aが水冷ハース12内の融点以上の溶融金属
のみを、水冷ハース12の下金型52の所望の最終形状
を持つキャビティ52aに強制的に押し込む。この時、
溶湯排出機構54aは、水冷ハース12の底部近傍の融
点より低温の不均一核生成による結晶相の混在を招き易
い部分37を全く含まない、融点以上の溶融金属のみを
キャビティ52aに強制的に押し込むので、アモルファ
スバルク材における不均一核生成などの欠陥を防止する
ことができる。なお、ここで、溶湯排出機構54aを構
成する突起状物は、熱伝導率の悪い材料からなるのが好
ましく、より好ましくは、予め溶融金属の融点近傍まで
加熱しておくのが好ましい。
型52に達し、そのキャビティ52aに嵌合し、キャビ
ティ52a内の融点以上の溶融金属を上下金型54およ
び52との間に挟み込んで所定押圧力でプレス成型、す
なわち、圧縮応力を付加して鍛造するとともに水冷され
た上金型54で急速に冷却する。このようして、金属溶
湯(溶融金属)38は、上下金型54および52によっ
て所望の最終形状にプレス成型(鍛造)されるとともに
冷却されるので、大きな冷却速度を得ることができる。
その結果、溶融金属38は、所望の最終形状に成型(鍛
造)されながら臨界冷却速度より速い速度で冷却される
ことで、急速に固化することにより、所望の最終形状の
薄板状のアモルファスバルク材39を製造することがで
きる。
ルク材39は、水冷ハース12の底部近傍の融点より低
温の不均一核生成による結晶相の混在を招き易い部分3
7を全く含まない、融点以上の溶融金属のみを流動化や
波立たせることなく、一気に所望の最終形状まで変形さ
せ、かつ冷却したものであるので、均一に冷却凝固さ
れ、不均一凝固や不均一核生成による結晶相が混在せ
ず、しかも湯境などの鋳造欠陥のないアモルファスバル
ク材であるといえる。
よび上金型54はそれらの水平位置がほぼ固定され、水
冷ハース12を水平に平行移動しているが、本発明はこ
れに限定されず、逆に水冷電極14および上金型54を
水平に平行移動させ、水冷ハース12を固定するように
してもよい。また、上述した例では、水平に平行移動さ
れる水冷ハース12は、1個のハース12と1個の下金
型52からなる1組しか備えていないが、本発明はこれ
に限定されず、2組以上のハース12および下金型52
の組を回転円盤上に所定角度で放射状に配置して、回転
円盤を順次回転移動させるようにしてもよい。こうする
ことにより、回転円盤を順次回転させて連続して鍛造す
る回転円盤式の連続鍛造方式を構成することができる。
もちろん回転円盤上に配置するハース12および下金型
52の組は1組でもよいし、1組以上のハース12およ
び下金型52の組を配置できかつ回転移動できれば、必
ずしも回転円盤でなくともよく、矩形板などであっても
よい。
冷し、下金型52などは強制的に冷却していないが、強
制的に冷却して良いことは勿論である。また、上述した
例では、水冷ハース12、水冷電極14および上金型5
4は、冷却水によって強制的に冷却されているが、本発
明はこれに限定されず、他の冷却媒体(冷媒)、例えば
冷媒ガスなどを用いてもよい。また、上金型54を下金
型52にプレスする上金型駆動機構56は、特に制限的
ではなく、従来公知のプレス金型駆動機構であれば良
く、例えば油圧機構、空気圧機構等を用いることができ
る。本発明の鍛造方式の金属ガラスの製造方法および装
置は、基本的に以上のように構成される。
に基づいて以下に具体的に説明する。 (実施例1)図5および図6に示す構成の鍛造方式金属
ガラス製造装置50を用いて、以下のようにして、縦1
00mm×横30mm×厚さ2〜20mmの種々の寸法
の矩形板状のアモルファスバルク材を表1に示す種々
(14種)の合金について製造した。なお、本実施例に
おいては、水冷銅ハース12および下金型52のキャビ
ティ52aの寸法および形状は、直径30mmΦ×深さ
4mmの半球状および縦210mm×横30mm×深さ
2mmの矩形状であった。
熱源を最大に使用できるとともにICサイリスタにより
温度制御も可能なものとし、冷却用Arガスをアダプタ
14aに設けられた冷却用ガス噴出口(図示せず)から
噴出させた。電極材14は、アーク発生部にトリウム入
りタングステンを使用したため、電極消耗とコンタミネ
ーションを極力低下でき、かつ水冷電極構造のため、機
械的、熱的に安定しており、連続使用が可能で、高い熱
効率を達成できた。本実施例においては、鍛造方式金属
ガラス製造装置50が、以下の操作条件で操作された。
アーク溶解中の電流と電圧は、それぞれ250Aと20
Vであり、水冷電極14と粉末状およびペレット状金属
材料との間の距離は0.7mmに調節された。上金型5
4に付加したプレス圧は、5M〜20MPaであり、製
造される矩形板状のアモルファスバルク材の厚さに応じ
て変化させた。
た矩形板状のアモルファス合金材の構造は、X線回折分
析、光学顕微鏡検査(OM)、エネルギ分散X線分光分
析(EDX)とリンクされた走査型電子顕微鏡検査によ
って試験された。OM試料に対するエッチング処理は3
0%沸化水素酸溶液中、303Kで1.8ks行われ
た。構造的緩和、ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度
(Tx)および結晶化熱(ΔHx:過冷却液体領域の温
度幅)は示差走査熱量測定法(DSC)によって加熱速
度0.67K/sで測定された。また、得られた矩形板
状のアモルファス合金材の機械的特性も測定された。測
定された機械的特性は、以下の破断エネルギ(Es)、
ヴィッカース硬さ(Hv)、引張強さ(σf)(なお、
実施例4、5、10および11では、引張強さでは計測
できず、圧縮強さで計測した。)、伸び(εf)および
ヤング率(E)であった。なお、ヴィッカース硬さ(H
v)はヴィッカース微小硬度計によって100g負荷で
測定された。得られた14種類の合金の矩形板状のアモ
ルファスバルク材の合金組成および特性も合わせて表1
に示す。なお、表1中符号tは、矩形板状のアモルファ
スバルク材の厚さを示す。
Ni5 合金材のX線回折の結果と結晶化熱の測定結果お
よび顕微鏡写真(倍率500)をそれぞれ図7と図8お
よび図9に示す。図7は、実施例14のZr55Al10C
u30Ni5 合金材のほぼ中央部でしかも横断面の中心域
でのX線回折図形を示している。この合金材は縦30m
m×横40mm×厚さ20mmの矩形状であった。この
合金材のX線回折図形にはブロードなハローピークのみ
しか見られず、構成相はアモルファス相単相であること
がわかる。また、この合金材の横断面の光学顕微鏡写真
においても、合金材のほぼ中央域には結晶相の析出を示
すコントラストは見られず、アモルファス単相となって
おり、X線回折の結果と一致した。これらから、銅製ハ
ース(銅炉床)に近い領域のアモルファス相と結晶相と
の混在を引き起こす銅炉床に接触した領域の、融点より
低い温度の溶融金属が全く含まれていなかったことを示
し、その結果、銅炉床との接触による不均一核生成が防
止されたことが分かる。
Ni5 合金材のほぼ中央部でのアモルファス相から得た
DSC曲線を示している。ガラス遷移による吸熱反応と
結晶化による発熱反応の開始がそれぞれ680℃および
770℃に見られ、過冷却液体域が110℃のかなり広
い温度域において生成している。この結果は、真にガラ
ス状の金属が本発明法を適用した鍛造法という製造プロ
セスにおいても不均一核生成の発生を防止した、強度特
性に優れたアモルファス単相の矩形状合金材を製造でき
ることを実証している。なお、得られた矩形状のバルク
状アモルファス合金材の中央域のヴィッカース硬度(H
v)はいずれもリボン状試料に対する値(550)とほ
ぼ同じ540であった。図9は、実施例14のZr55A
l10Cu30Ni5 合金材のほぼ中央部でしかも横断面の
中心域での金属組織を示す顕微鏡写真(500倍)であ
る。この写真によって、得られた矩形状のバルク状アモ
ルファス合金材は、不均一核生成が防止され、結晶相の
混在がほとんどないアモルファス単相合金材であること
を実証されている。
のいずれにおいても、優れた機械的強度を示しているこ
とから、本発明法を適用する鍛鋳造法によって製造され
た矩形状のバルク状アモルファス合金材は、湯境などの
鋳造欠陥のない、強度特性に優れたバルクアモルファス
であることが分かる。また、実施例14の解析からも分
かるように、これらの実施例で得られた矩形状のバルク
状アモルファス合金材は不均一核生成を防止し、結晶相
の混在の全くないアモルファス単相からなることが分か
る。
て、種々の実施形態を挙げて、詳細に説明したが、本発
明はこれらに限定されるわけではなく、本発明の要旨を
逸脱しない範囲において、種々の改良や設計の変更を行
っても良いことはもちろんである。
ば、湯境いなどの鋳造欠陥がなく、強度特性に優れた所
望の、好ましくは最終形状のバルクアモルファスを、一
気に簡単な工程で再現性よく得ることができる。さら
に、本発明によれば、融点以下の溶融金属による不均一
核生成によって結晶核が成長した結晶相が混在しない、
すなわち融点以上の溶融金属のみを臨界冷却速度以上の
速度で冷却したアモルファス単相からなる、強度特性に
優れた所望形状のバルクアモルファスを、一気に簡単な
工程で再現性よく得ることができる。
る圧延方式金属ガラス製造装置の一構成例を模式的に示
すフローシートである。
冷ハースおよび圧延鋳型の一実施例を示す上面模式図で
ある。
いる圧延方式金属ガラス製造装置による板状アモルファ
スバルク材の製造プロセスの一例を示す模式図であり、
(a)は金属材料溶解工程の模式図、(b)は溶融金属
の圧延冷却工程の模式図である。
圧延方式金属ガラス製造装置の別の実施例の要部の部分
断面図および部分上面図である。
る鍛造方式金属ガラス製造装置の一構成例を模式的に示
すフローシートである。
いる鍛造方式金属ガラス製造装置による板状アモルファ
スバルク材の製造プロセスの一例を示す模式図であり、
(a)は金属材料溶解工程の模式図、(b)は溶融金属
の鍛造冷却工程の模式図である。
55Al10Cu30Ni5合金材の横縦断面における中央域
から取られたX線回折パターンである。
55Al10Cu30Ni5合金材の横縦断面における中央域
から取られた示差走査熱量測定曲線である。
55Al10Cu30Ni5合金材の横縦断面における中央域
の金属組織を示す図面代用写真である。
うしが重ね合わされてアモルファス化した部分、いわゆ
る湯境いのない強度特性に優れた種々の所望の形状の大
型の金属ガラス(バルクアモルファス)を製造する金属
ガラスの製造方法および装置に関するものである。
るために金属や合金を溶融し、液体状態から急冷凝固さ
せて急冷金属(合金)粉末を得、得られた急冷金属粉末
を結晶化温度以下で所定形状に固化して真密度化する方
法や溶融金属や合金を急冷凝固させて直接所定形状のア
モルファス合金材を得る方法などが種々提案されてい
る。しかしながら、これら従来の方法によって得られる
アモルファス合金材は、小さい質量のものがほとんど
で、これらの方法ではバルク材を得ることは困難であ
る。一方、急冷粉の固化によってバルク状アモルファス
合金材を得る方法も試みられているが、満足のいくバル
ク材が未だ得られていない。
ァス材には、メルトスピニング法、単ロール法、プラナ
ーフロー鋳造法などによる薄い帯状(リボン状)、例え
ば最大板幅約200mm、最大板厚30μm程度のアモ
ルファス材などが得られており、これらのアモルファス
材のトランスのコア材等への応用が試みられているが、
未だ多くのものが材料化には至っていない。急冷粉から
小さい質量のアモルファス材を固化成形する技術とし
て、CIP、HIP、ホットプレス、熱間押出し、放電
プラズマ焼結法など種々の方法がとられているが、微細
な形状のため流動特性が悪く、ガラス遷移温度以上に昇
温できない温度特性の問題があり、成形もまた多工程を
要する上に、固化成形後もバルク材としての特性が充分
得られない等の欠点を有し、必ずしも満足する方法とは
いえない。
l−TM、Mg−Ln−TM、Zr−Al−TM、Hf
−Al−TMおよびTi−Zr−TM(ここで、Ln=
ランタノイド金属、TM=VI−VIII族遷移金属)等の三
元系における多くのアモルファス金属を、102 K/s
のオーダーのガラス形成のための低臨界冷却速度を持
ち、金型鋳造法または高圧ダイキャスト法によって厚さ
約9mmまでのバルク形状に製造できることを報告して
いる。
任意形状の大型のアモルファス合金を製造することはで
きない。大型のアモルファス合金の製造に至る新しい固
化技術の開発と同様にさらに低い臨界冷却速度を持つア
モルファス合金の開発が、アモルファス金属材料に対す
る形状の大型化を可能にするために強く要望されてい
る。
合金によるバルク状アモルファス合金に関するさらなる
研究において、三元系合金の大きいガラス形成能は、互
いに10%より大きく原子サイズが異なる構成元素の最
適な原子サイズ比に主として依存することから、多成分
系合金における異なる原子サイズ比を持つ構成元素の増
加の効果に注目し、Zr−Al−Co−Ni−Cu系、
Zr−Ti−Al−Ni−Cu系、Zr−Ti−Nb−
Al−Ni−Cu系およびZr−Ti−Hf−Al−C
o−Ni−Cu系において1〜100K/sの範囲のは
るかに低い臨界冷却速度を持つアモルファス合金を見い
出し、直径16mm以下、長さ150mmのバルク状ア
モルファス合金をZr−Al−Ni−Cu系において、
石英管内の溶融物を水中に入れて急冷することにより製
造できることを特開平6−249254号公報に開示し
た。
バルク状アモルファス合金が、引張応力−伸び曲線に鋸
歯状のプラスチックフローを伴う圧縮強さおよび破壊
(割れ)とほぼ同様である1500MPaの高い引張強
さを示し、この高引張強さおよび鋸歯状プラスチックフ
ロー現象は、バルク状アモルファス合金が鋳造によって
製造された大きな厚さをもつにもかかわらず良い展延性
を持つことを示すことを開示した。
たバルク状アモルファス金属の製造における知見に基づ
いて、簡単な操作で容易に種々の形状のさらに大型の金
属ガラスを製造する方法を開発するために鋭意研究を重
ねた結果、差圧鋳造法を用いて、溶融状態の金属材料を
水冷鋳型に瞬時に鋳込むことにより、アモルファス材と
しての特性に優れた大型のアモルファス材を簡単な操作
で容易に製造することのできる差圧鋳造式金属ガラスの
製造方法を提案している。
が特開平6−249254号公報に開示した差圧鋳造式
金属ガラスの製造方法によっても、大型の柱状バルクア
モルファス材を製造することができるし、得られたアモ
ルファス材も優れた特性を示す。しかしながら、この従
来法では、水冷ハースの底部を高速度で下降させて、溶
融金属を縦型の水冷鋳型に瞬時に鋳込み、溶融金属の移
動速度を速くして、大きな冷却速度を得ている。
型に鋳込まれる時、溶融金属が流動化し、溶融金属が波
打つことから、溶融金属の表面積が増加し、溶融金属が
外気と接触する界面が増加する恐れがあるため、極端な
場合には、小さな塊滴に分離し、飛散した後に鋳型に充
填される恐れがあるため、縦型の水冷鋳型に鋳込まれる
際に界面どうしが重ね合わされることになり、界面どう
しの重ね合わさった部分、いわゆる湯境いができる結果
となる。このため、得られたバルクアモルファスの特性
がこの湯境い部分で劣化し、バルクアモルファス自体の
特性を劣化させる恐れがあるという問題があった。
るため、ハースと接触している金属材料は、たとえ、溶
解していても必ず融点以上の温度の溶融金属ではないた
め、不均一核生成の原因となるが、これらの不均一核生
成部分も一緒に縦型の水冷鋳型に鋳込まれるため、当該
部分に結晶核が生じてしまう恐れがあるという問題があ
った。さらに、金属材料を溶解する水冷ハースの底部を
高速で移動させるため、溶融金属がその移動部分やすき
間に入り込み、再現性を低下させたり、極端な場合に
は、かみ込んで装置を動作不良や動作停止や不能に追い
込む恐れがあるという問題があった。
解消し、融点以下の、例えば外気と接触した溶融金属の
冷却界面どうしが重ね合わされてアモルファス化した部
分など、いわゆる湯境いのない、好ましくは、さらに、
融点以下の溶融金属による不均一核生成によって結晶核
が成長した結晶部分のない、すなわち融点以上の溶融金
属のみを臨界冷却速度以上の速度で冷却した、強度特性
に優れた所望形状のバルクアモルファスを、一気に簡単
な工程で再現性よく得ることのできる金属ガラスの製造
方法および装置を提供するにある。
に、本発明は、ハース上に金属材料を充填し、この金属
材料を溶融可能な高エネルギ熱源を用いて前記金属材料
を溶解後、得られた融点以上の溶融金属を、冷却界面ど
うしを重ね合わせることなく押圧して、融点以上の溶融
金属に圧縮応力および剪断応力の少なくとも一方を与え
て所望の形状に変形し、変形後もしくは変形と同時に前
記溶融金属を臨界冷却速度以上で冷却して、前記所望の
形状のバルク状の金属ガラスを製造することを特徴とす
る金属ガラスの製造方法を提供するものである。
法であって、前記溶解後の融点以上の溶融金属を、前述
の溶融金属の融点以下の冷却面どうしに加え、この冷却
面と他の融点以下の冷却面とを重ね合わせることなく押
圧することを特徴とする金属ガラスの製造方法を提供す
るものである。ここで、前記溶融金属の押圧および変形
は、前記ハース上に配置された圧延冷却ロールによって
前記融点以上の溶融金属のみを板状または所望の形状に
圧延すると同時に冷却することによって行われるのが好
ましい。また、前記ハース内に充填された金属材料を溶
解した後、前記ハースを前記高エネルギ熱源および前記
圧延冷却ロールと相対的に移動させるとともに前記圧延
冷却ロールを回転させることにより、前記ハース上に盛
り上がった前記融点以上の溶融金属のみを圧延し、かつ
冷却して板状金属ガラスまたは所望の形状を持つ金属ガ
ラスを製造するのが好ましい。
長尺のハースを前記高エネルギ熱源および前記圧延冷却
ロールと相対的に移動させることによって前記金属材料
の前記高エネルギ熱源による溶解および前記融点以上の
溶融金属の圧延および冷却を連続的に行って、長尺の板
状金属ガラスまたは所望の形状を持つ金属ガラスを連続
的に製造するのが好ましい。また、前記圧延冷却ロール
は、前記ハースに対応する位置に前記ハース内の前記融
点以上の溶融金属を前記ハース外に排出させるための、
熱伝導率の低い材料からなる溶湯排出機構を有するのが
好ましい。
前記ハースに近接して設けられた前記所望の形状のキャ
ビティを有する下型に前記融点以上の溶融金属のみを流
動化させずにそのまま前記ハースから移動させた後、直
ちに冷却上型で押圧して前記所望の形状に鍛造すると同
時に冷却することによって行うのが好ましい。また、前
記ハース内に充填された前記金属材料を溶解した後、前
記ハースおよび前記下型を前記上型の直下に移動し、直
ちにこの上型を前記下型に向けて下降させることによっ
て、前記ハース内の前記融点以上の溶融金属のみを前記
下型に移動させて押圧かつ冷却し、鍛造して前記所望形
状の金属ガラスを製造するのが好ましい。また、前記上
型は、前記ハースに対応する位置に前記ハース内の前記
融点以上の溶融金属を前記ハース外に排出させるため
の、熱伝導率の低い材料からなる溶湯排出機構を有する
のが好ましい。
は、ハースと、前記ハースに充填された金属材料を溶解
する溶融手段と、前記溶融手段によって溶解された融点
以上の溶融金属を、融点以下の溶融金属の冷却面と重ね
合わせることなく押圧し、圧縮応力および剪断応力の少
なくとも一方を与えて、所望形状に変形させる押圧手段
と、前記押圧手段による溶融金属の変形と同時もしくは
変形後に、この溶融金属を臨界冷却速度以上で冷却する
冷却手段とを有することを特徴とする金属ガラスの製造
装置を提供するものである。
金属と融点以下の溶融金属の冷却面のみならず、融点以
下の溶融金属の冷却面同士も重ね合わせることなく溶融
金属を押圧するのが好ましい。また、前記押圧手段が、
前記冷却手段を兼ねるのが好ましい。また、前記押圧手
段が、冷却圧延ロールおよび前記ハースに近接して配置
される鋳型を有するのが好ましい。また、前記冷却圧延
ロールを回転しつつ、前記ハースおよび前記鋳型と前記
冷却圧延ロールおよび前記溶融手段とを相対的に移動さ
せることにより、前記ハースから盛り上がった融点以上
の冷却金属を前記冷却圧延ロールによって前記鋳型に流
し込み、かつ、前記冷却圧延ロールおよび前記鋳型で圧
延を行うのが好ましい。ここで、前記ハースが長尺であ
り、前記ハースおよび前記鋳型と前記冷却圧延ロールお
よび前記溶融手段とを相対的に移動させることにより、
前記冷却圧延ロールおよび前記鋳型による圧延ならびに
冷却を連続的に行うのが好ましい。また、前記冷却圧延
ロールが、前記ハースに対応する位置に、前記ハース内
の融点以上の溶融金属をハース外に排出させるための、
熱伝導率の低い材料からなる溶湯排出機構を有するのが
好ましい。
接して配置されるハースから排出された溶融金属を充填
する下型と、前記ハース内の融点以上の溶融金属を排出
し、かつ前記下型に充填された溶融金属を下型と共に鍛
造する上型とを有するのが好ましい。また、前記ハース
内の金属材料を前記溶融手段によって溶融した後に、前
記ハースおよび下型と前記溶融手段および上型とを相対
的に移動して、前記上型をハースおよび下型に対応する
位置とし、直ちに上型を下降もしくはハースおよび下型
を上昇することにより、前記ハースからの溶融金属の排
出および鍛造を行うのが好ましい。また、前記上型が、
前記ハースに対応する位置に、前記ハース内の融点以上
の溶融金属をハース外に排出させるための、熱伝導率の
低い材料からなる溶湯排出機構を有するのが好ましい。
合わせる」とは、狭義には溶融金属の融点以下の冷却界
面を互いに重ね合わせる場合をいうが、より広義には、
溶融金属の融点以下の冷却界面と水冷ハースの冷却界面
などのような他の冷却界面とを重ね合わせる場合をもい
う。なお、「溶融金属の融点以下の冷却界面」とは、外
気や鋳型やハースとの接触等によって融点以下に冷却さ
れて生じた溶融金属の界面をいう。
どうしを重ね合わせることなく押圧して、変形する」と
は、冷却ハースから融点以上の溶融金属を流動化や波立
ちによる上述した冷却界面どうしの重なり合いによる湯
境いを生じさせることなく鋳型に入れて押圧し、成形す
ることのみならず、対象とする金属材料融点以上でも熱
的なダメージを受けない材料製鋳型、例えば石英製鋳型
の下型を当初から融点に近い温度、好ましくは融点以上
の温度まで加熱し、高エネルギ熱源、例えば高周波熱源
によって溶解された溶融金属を融点以上のまま融点以下
の冷却面を生じさせることなく下型に鋳込み、冷却され
た上型で押圧、プレス成形および臨界冷却速度以上での
急速冷却を行うこと、すなわち、臨界冷却速度が非常に
小さい金属材料であれば、石英管中で溶解させた溶融金
属をそのままの形で即座に水中に入れて冷却することも
含まれる。
却速度以上の速度で押圧、変形、圧縮、剪断などができ
ないからであり、冷却界面を重ね合わせてしまうからで
あるので、湯境いのないアモルファスバルク材は、所定
の、例えば、10℃/secの臨界冷却速度を持つ金属
が、溶融状態から変形を受けるまでの時間と温度落差と
が所定の臨界冷却速度、ここでは10℃/sec以上で
あり、冷却面を重ね合わせない工夫があれば、製造可能
である。
状、異形板状、丸棒状、角棒状、異形棒状など、ロール
表面や鍛鋳造上型に凹または凸状の上型を待ち、圧延鋳
面または鍛鋳造下型に凹または凸の下型を持ち、各々の
凹と凸とが同期して変形、冷却されれば、どのような形
状であってもよく、任意の形状であってもよい。
法および装置を添付の図面に示す好適実施例に基づいて
詳細に説明する。
ハース、例えば凹型水冷銅製ハース上に金属材料、好ま
しくはアモルファス形成能の高い金属粉末およびペレッ
トの混合物を充填し、好ましくは、チャンバー内部を真
空引後、そのまま真空中(真空中の場合、大気圧中と比
較して、対流による冷却が少ないため溶湯温度の冷却を
防げることができる。例えば電子ビーム溶解などの方法
を用いる場合)で、または減圧中で、もしくは不活性ガ
スにて置換して、ハースをそのまま、もしくは強制冷却
しながら高エネルギ熱源、例えばアーク熱源にて金属材
料を溶融する。この後、得られた融点以上の溶融金属
を、好ましくは水冷ハースの場合には融点以上の溶融金
属のみをそのまま新しい鋳型に挟み込んで押圧し、もし
くは溶融金属の表面、すなわち外気との界面どうしを重
ね合わせることなく、すなわち溶融金属を流動化もしく
は波打たせることなく1つの塊として新しい鋳型表面に
移動して、押圧し、融点以上の溶融金属に圧縮応力もし
くは剪断応力の少なくとも一方を与えて所望の形状に変
形し、変形後、もしくは変形と同時に融点以上の溶融金
属をその臨界冷却速度以上で冷却する。
ース上に配置された圧延冷却ロールによって、ハース上
に盛り上がった融点以上の溶融金属のみを板状または所
望(任意)の形状に圧延すると同時に急冷することがで
きる(以下、圧延法ともいう)。この時、ハースを圧延
冷却ロールに対して相対的に移動させるとともに圧延冷
却ロールを回転させる。ここでハースが長尺であれば、
ハースの相対的移動に伴って、高エネルギ熱源によって
金属材料を連続的に溶解し、連続的に得られた融点以上
の溶融金属を連続的に回転する圧延冷却ロールによっ
て、連続的に圧延するとともに急冷することにより、長
尺な板状物または所望(任意)の形状を得ることができ
る。なお、圧延冷却ロールのハース対応位置にハース内
の融点以上の溶融金属をハース外の新しい鋳型面(圧延
面)に排出させるための、熱伝導率の低い材料製の溶湯
排出機構を設けておくのがよい。
ハースに近接して設けられた所望形状のキャビティを有
する鋳型の下型にハース内の融点以上の溶融金属のみを
流動化させずにまたは波打たせることなくハースから下
型に移動させた後、直ちに下型のキャビティと嵌合する
冷却上型で押圧、すなわちプレス成型して、所望の形状
に鍛造する、もしくは鋳鍛造すると同時に急冷すること
ができる(以下、鍛造法という)。この時、ハースおよ
び下型と高エネルギ熱源および上型とを相対的に移動し
て、下型と上型とを位置合わせして、上型を下降もしく
は下型を上昇させるように嵌合し、下型内の融点以上の
溶融金属をプレス成型するとともに急冷して鍛造を行
う。なお、この場合にも、上型のハースに対応する位置
にハース内の融点以上の溶融金属をハースから下型のキ
ャビティに排出させるための、熱伝導率の低い材料製の
溶湯排出機構を設けておくのがよい。
のない、すなわち鋳造欠陥のない、所望の最終的な形状
に成形されたバルクアモルファスを製造することにあ
り、第2の目的は、第1の目的に加え、不均一核生成に
よる結晶核の存在しないバルクアモルファスを製造する
ことにあるので、これらの目的を達成するための具体的
手段としては、上述した例に限定されず、融点以上の溶
融金属のみを塊として、換言すれば流動化や波立ちなど
によって外気との界面が重ね合わされたり、先に流れた
溶湯と後から来た溶湯とが合流したりすることなく、押
圧し、圧縮応力や剪断応力をかけて、所望の最終形状に
成形できればどのような手段であってもよい。
テーション装置などを用いて、金属材料を溶解して融点
以上の溶融金属を非接触で保持し、もしくはコールドク
ルーシブ(スカル溶解)装置などを用いて、金属材料を
溶解して融点以上の溶融金属を非接触に近い状態で保持
し、非接触または非接触に近い状態で保持されている融
点以上の溶融金属に向かってその周囲から割型、例えば
2つ以上に分割された鋳型を移動させ、溶融金属を拘束
し、所望の最終形状にプレス成型するものであってもよ
い。もしくは、溶融金属の融点以上でも溶解せず、かつ
溶融金属とも反応せず、かつ機械的強度に優れている材
料や、高温加熱、急速冷却でも熱衝撃ダメージを受けな
い材料、例えばカーボン、ニッケル、タングステン、セ
ラミックスなどを溶融金属に応じて選択し、選択された
材料によって鋳型の下型自体を作製し、金属材料を充填
して溶融後、直ちに上型で押圧し、プレス成型するとと
もにガスや水などの冷媒によって上型および下型をも同
時に冷却し、所望の最終形状のバルクアモルファスを製
造するようにしてもよい。この場合、少なくとも溶解時
には、下型は冷却せず、溶解後冷却を開始するのがよ
い。この時、下型は、融点近傍の温度が保持できれば、
どのような材料で作製してもよく、例えば熱伝導性の良
い材料で作製しても、悪い材料で作製してもよい。
ル表面が所望の任意の形状のバルクアモルファスを製造
可能な双ロール式圧延方式であってもよい。また、単ロ
ール方式の場合であってもハースの一方向への往復動の
みならずハースを水平に回転することで圧延冷却ロール
による圧延および冷却を行ってもよい。また、鍛造法に
おいても、ハースおよび下型の移動は一方向への往復動
のみならず水平回転移動であってもよい。
アモルファス、すなわち大型の金属ガラスバルク材を製
造することができる。こうして得られた大型の金属ガラ
スバルク材は、不均一に凝固したものでなく、いわゆる
湯境いがなく、すなわち鋳造欠陥がなく、不均一核生成
による結晶核が存在しない、強度特性、特に衝撃等の強
度特性にも均一に高密度のバルクアモルファスである。
また、こうして得られた大型の金属ガラスバルク材は、
用途に応じた所望の最終形状に一気に成形されたもので
あるので、更なる加工を必要としない。
使って金属材料を溶融し、融点以上の溶融金属を得る場
合、ハースと接触する部分は不可避的に融点以下低温部
分が存在し、当該部分が不均一核生成の原因となり、結
晶核が存在することになり、これを用いてバルクアモル
ファスを製造する場合に、結晶相が混在するバルクアモ
ルファス材となる恐れがある。しかし、仮に結晶相がバ
ルクアモルファス中に混在されていたとしても、湯境い
などの鋳造欠陥がなく機能性があれば、例えば、アモル
ファス相だけの機能性と結晶相だけの機能性が混在する
バルク材、すなわち傾斜機能材料等であれば、本発明の
目的に適うアモルファスバルク材であるといえる。
源を用いて溶融できれば、上述した3元系合金、Zr−
Al−Ni−Cu、Zr−Ti−Al−Ni−Cu、Z
r−Nb−Al−Ni−CuおよびZr−Al−Ni−
Cu−PdなどのZr系合金を始めとして4元系以上の
多元系合金を含めほとんどあらゆる元素の組み合わせか
らなる合金について適用でき、またアモルファス相の生
成が可能である。これらの合金を本発明において金属材
料として用いる場合には、高エネルギ熱源による急激な
溶融がより容易なように、粉末状あるいはペレット状に
して用いるのが好ましいが、本発明はこれに限定され
ず、急激な溶融が可能であれば、どのような形状の金属
材料を用いてもよい。例えば、粉末状、ペレット状の
他、線状、帯状、棒状、塊状など、ハース、特に水冷ハ
ースと高エネルギ熱源に応じて適当な形状を適宜選択す
ればよい。
は、ハースや水冷ハースに充填された金属材料を溶融可
能であれば、特に制限はなく、どのような熱源を用いて
もよいが、例えば、代表的に高周波熱源、アーク熱源、
プラズマ熱源、電子ビーム、レーザなどを挙げることが
できる。これらの熱源は、ハースや水冷ハースに対し、
1個であっても、複数個を重畳して用いてもよい。
に以上のように構成されるが、以下に本発明法を具体的
に実施する本発明の金属ガラスの製造装置について説明
する。図1は、本発明の金属ガラスの製造方法を実施す
る本発明の圧延方式金属ガラス製造装置の構成を模式的
に示すフローシートである。同図に示すように、この圧
延方式金属ガラス製造装置10は、金属材料、例えば粉
末状およびペレット状金属材料を充填する所定形状の凹
部構造を持つ水冷銅製ハース(以下、水冷ハースとい
う)12と、この水冷ハース12の周辺から延在する圧
延鋳型部13と、水冷ハース12上の金属材料をアーク
溶解するための水冷電極(タングステン電極)14と、
水冷ハース12から盛り上がった、アーク溶解された金
属材料の融点以上の溶融金属を水冷ハース12の圧延鋳
型部13上で板状に圧延するとともに、この金属材料
(溶融金属)に固有の臨界冷却速度より速い速度で急速
冷却する圧延水冷ロール16と、水冷ハース12、水冷
電極14および圧延水冷ロール16に冷水を循環供給す
る冷却水供給装置18と、水冷ハース12、水冷電極1
4および圧延水冷ロール16を収納する真空チャンバー
20と、圧延水冷ロール16の図中矢印a方向の回転と
同期して、真空チャンバー20内において圧延鋳型部1
3を持つ水冷ハース12を図中矢印b(水平)方向に移
動するハース移動機構22とを有する。
の溶融金属のみを圧延鋳型部13と圧延水冷ロール16
との間で圧延し、かつ急冷するように、圧延水冷ロール
16は、駆動モータ17によって回転駆動され、一方、
この圧延水冷ロール16の回転に同期して水冷ハース1
2を水平移動するためのハース移動機構22は、駆動モ
ータ23によって駆動されるように構成される。なお、
図示例では、圧延水冷ロール16をモータ17によって
回転駆動しているが、本発明はこれに限定されず、圧延
水冷ロール16を圧力調整可能なスプリングなどの付勢
手段(図示せず)によって水冷ハース12に圧接させ、
この圧延水冷ロール16と水冷ハース12との間の摩擦
によってハース移動機構22による水冷ハース12の水
平移動に伴って回転させるようにしてもよい。水冷電極
14は、アーク電源24に接続される。また、水冷電極
14は、水冷ハース12の凹部12aの深さに対しわず
かに傾斜させて配置され、ステッピングモータ15によ
ってX,YおよびZ軸方向に調整可能に構成される。さ
らに、水冷ハース12上の金属材料と水冷電極14との
間の間隔(Z方向)を一定に保つために金属材料の位置
を半導体レーザセンサ26によって測定し、モータ15
によって水冷電極14の移動が自動コントロールされる
ようにしてもよい。これはアーク電極14と金属材料と
の間の間隙が一定でないと、アークが不安定になり、溶
融温度にばらつきが生じるからである。また、水冷電極
14のアーク発生部近傍に冷却用ガス(例えばArガ
ス)噴出口を設け、ガス供給源(ガスボンベ)28から
冷却用ガスを噴出させ、加熱後の急速冷却を促進しても
よい。
ケット構造で、真空引するために真空排気口によって油
拡散真空ポンプ(ディフュージョンポンプ)30および
油回転真空ポンプ(ロータリポンプ)32が連結され、
真空引後、不活性ガスによる置換が可能なようにアルゴ
ンガス導入口によってガス供給源(ガスボンベ)34と
連通される。また、冷却水供給装置18は循環戻り冷却
水をクーラントにより冷却した後に、再び冷却水として
水冷ハース12、水冷電極14および圧延水冷ロール1
6に供給する。水冷ハース12を図中矢印b(水平)方
向に移動するハース移動機構22は、特に制限的ではな
く、従来公知の並進機構や往復動機構等を用いることが
でき、例えば、ボールねじを用いたドライブスクリュー
とトラベリングナットやエアシリンダなどの空気圧機構
や油圧シリンダなどの油圧機構などを好適に用いること
ができる。
方法を図1、図2および図3を用いて説明する。図2
は、図1に示す水冷ハース12および圧延鋳型部13を
模式的に示す上面図であり、図3(a)は、アーク溶解
を用いる圧延方式金属ガラス製造装置における板状アモ
ルファスバルク材の製造プロセスの金属材料溶解工程を
示す断面模式図であり、図3(b)は、圧延水冷ロール
16と水冷ハース12の圧延鋳型部13とによる圧延冷
却工程の断面模式図である。
ール16を回転駆動するとともに、この回転に同期して
駆動モータ23によってハース移動機構22を駆動し
て、水冷ハース12を初期位置まで移動し、図3(a)
に示されるように、その初期位置にセットする。この
後、水冷ハース12の窪み(凹部)12aに金属材料
(粉末、ペレット、結晶体)を充填する。一方、水冷電
極14は、センサ26およびモータ15によってアダプ
タ14a(図3(a)および(b)参照)を介して、
X,Y,Z軸方向の位置調整がなされ、金属材料との間
の間隔(Z方向)が所定値にセットされる。この時、デ
ィフュージョンポンプ30およびロータリポンプ32を
用い、チャンバー20内を高真空、例えば5×10-4P
a(液体窒素トラップ使用)にした後、Arガス供給源
34からArガスを供給してチャンバー20内をArガ
スにて置換する。また、水冷ハース12、水冷電極14
および圧延水冷ロール16は、冷却水供給装置18から
供給される冷却水によって冷却されている。
すように、アーク電源24をオンして水冷電極14の先
端から金属材料との間にプラズマアーク36を発生さ
せ、金属材料を完全に溶解して溶融合金38を形成させ
る。この後、アーク電源をオフしてプラズマアーク36
を消す。同時に、駆動モータ17および23の駆動を開
始し、図3(b)に示すように水冷ハース12をハース
移動機構22によって図中矢印b方向に所定速度で水平
移動させるとともに、この水冷ハース12の水平移動に
同期して圧延水冷ロール16を矢印a方向に一定速度で
回転させる。こうして、水冷ハース12から盛り上がっ
た融点以上の溶融金属のみを、圧延水冷ロール16で水
冷ハース12の圧延鋳型部13のキャビティ(凹部)1
3aに押し込み、この圧延鋳型部13と圧延水冷ロール
16との間に挟み込んで所定押圧力で圧延するとともに
冷却する。このようして、金属溶湯(溶融金属)38
は、圧延水冷ロール16によって薄板状に圧延されると
ともに冷却されるので、大きな冷却速度を得ることがで
きる。その結果、溶融金属38は、最終形状の薄板に圧
延されながら臨界冷却速度より速い速度で冷却されるこ
とで、急速に固化することにより、圧延鋳型部13にお
いて所望の最終形状の薄板状のアモルファスバルク材3
9を製造することができる。
ルク材39は、水冷ハース12の底部近傍の融点より低
温の不均一核生成による結晶相の混在を招き易い部分3
7を全く含まない、融点以上の溶融金属、特に好ましく
は水冷ハース12から盛り上がった融点以上の溶融金属
のみを流動化や波立たせることなく、一気に最終形状の
薄板まで変形させ、かつ冷却したものであるので、均一
に冷却凝固され、不均一凝固や不均一核生成による結晶
相が混在せず、しかも湯境いなどの鋳造欠陥のないアモ
ルファス薄板であるといえる。
は、水冷ハース12の底部近傍の融点より低温の部分3
7が混入することがなく、確実に高強度の薄板状アモル
ファスバルク材39を製造できるが、水冷ハース12の
凹部12a内には融点以上の溶融金属38が残留してし
まい、これらは薄板状アモルファスバルク材39の生成
に使用されず、効率の点では良いとはいえない。このた
め、本発明においては、図4(a)に示すように、圧延
水冷ロール16の水冷ハース12の凹部12aに相当す
る部分に、凹部12a内の融点以上の溶融金属のみを押
し出し、しかも不均一核生成を防止することのできる、
熱伝導率の悪い材料からなる突起状の溶湯排出機構16
aを設け、水冷ハース12内の融点以上の溶融金属38
を効率よく利用するように構成してもよい。この時、溶
湯排出機構16aを構成する突起状物は、溶融金属の融
点近傍まで加熱しておくのが好ましい。
ス12の形状(凹部12aの形状)を棒状(長尺な半円
筒状)の窪み12aとすることにより、その片側もしく
はその両側にキャビティ13aを持つ圧延鋳型部13を
設け、水冷電極14による水冷ハース12内の金属材料
の溶解を連続的に行いながら、溶解された融点以上の溶
融金属のみを圧延水冷ロール16によって水冷ハース1
2の圧延鋳型部13のキャビティ13aに連続的に押し
込んで連続的に圧延かつ急冷を行うようにしてもよい。
この場合にも、図4(a)と同様に、圧延水冷ロール1
6には、水冷ハース12内の融点以上の溶融金属を効率
よく、かつ不均一核生成を防止して、キャビティ13a
に排出するための溶湯排出機構16a、例えば外周に沿
って所定長連続する突起状の溶湯排出機構16aを設け
ておくのが好ましい。上述したように、溶湯排出機構1
6aの突起状物は、熱伝導率の悪い材料からなるのが好
ましく、より好ましくは、予め融点近傍まで加熱してお
くのが好ましい。
造方法および装置では、水冷ハース12に圧延鋳型部1
3を設けているが、水冷ハース12の圧延鋳型部13の
代わりに圧延水冷ロール16の下側にも圧延ロールを設
けて双ロール圧延方式とすることもできる。この時、下
側の圧延ロールの外周形状、例えばキャビティの形状を
任意の型形状とすることにより、圧延によって得られる
薄板状アモルファスバルク材の断面形状を矩形のみなら
ず、種々の形状にすることができる。ここで、上述した
例では、圧延水冷ロール16は位置を変えずに回転して
おり、水冷電極14の水平位置はほぼ固定され、水冷ハ
ース12を水平に平行移動しているが、本発明はこれに
限定されず、逆に圧延水冷ロール16は回転しながら水
冷電極14とともに水平に平行移動させ、水冷ハース1
2を固定するようにしてもよい。
適切に圧延できれば、図示例のように、水冷ハース12
の圧延鋳型部13や双ロール方式の下側圧延ロールなど
にキャビティ13aを設けてもよいが、本発明はこれに
限定されず、キャビティを設けなくともよい。また、上
述の例では、圧延水冷ロール16を強く水冷し、圧延鋳
型部13や双ロール方式の下側圧延ロールなどは強制的
に冷却していないが、強制的に冷却して良いことは勿論
である。また、上述した例では、水冷ハース12、水冷
電極14および圧延水冷ロール16は、冷却水によって
強制的に冷却されているが、本発明はこれに限定され
ず、他の冷却媒体(冷媒)、例えば冷媒ガスなどを用い
てもよい。本発明の圧延方式の金属ガラスの製造方法お
よび装置は、基本的に以上のように構成される。
式の金属ガラスの製造方法および装置について詳細に説
明する。図5は、本発明の金属ガラスの製造方法を実施
する本発明の鍛造方式金属ガラス製造装置の構成を模式
的に示すフローシートである。図5に示す鍛造方式金属
ガラス製造装置50は、図1に示す圧延方式金属ガラス
製造装置10と、水冷ハース12の圧延鋳型部13およ
び圧延水冷ロール16の代わりに、水冷ハース12に近
接して設けられる下金型52およびこの下金型52との
間に挟んで融点以上の溶融金属をプレス成型(鍛造また
は鋳鍛造)し、かつ急冷する上金型54を有している点
を除いて、同様であるので、同一の構成要素には同一の
符号を付し、その説明は省略する。
0は、水冷ハース12と、水冷電極14と、水冷ハース
12に近接して設けられ、所望の最終形状のキャビティ
52aを持つ下金型52と、この下金型52のキャビテ
ィ52a内に水冷ハース12内の融点以上の溶融金属を
不均一核生成を防止しながら、排出させるための溶湯排
出機構54aを備え、下金型52のキャビティ52aと
嵌合してキャビティ52a内の融点以上の溶融金属をプ
レス成型(鍛造)するとともに、この金属材料(溶融金
属)に固有の臨界冷却速度より速い速度で急速冷却する
上金型54と、水冷ハース12、水冷電極14および上
金型54に冷水を循環供給する冷却水供給装置18と、
水冷ハース12、水冷電極14および上金型54を収納
する真空チャンバー20と、上金型54の直下のプレス
位置に下金型52が位置するように、真空チャンバー2
0内において下金型52を持つ水冷ハース12を図中矢
印b(水平)方向に移動するハース移動機構22と、上
金型54の溶湯排出機構54aがプレス位置に移動され
た下金型52を持つ水冷ハース12から融点以上の溶融
金属のみを下金型52のキャビティ52aに排出させ、
次いでキャビティ52a内の融点以上の溶融金属のみを
プレス成型(鍛造)し、かつ急冷するように、真空チャ
ンバー20内において上金型54をを図中矢印c(鉛
直)方向に移動する上金型移動機構56とを有する。こ
の上金型54を上下移動するための上金型移動機構56
は、駆動モータ57によって駆動されるように構成され
る。
方法を図5および図6を用いて説明する。ここで、図6
(a)は、アーク溶解を用いる鍛造方式金属ガラス製造
装置における所望最終形状のアモルファスバルク材の製
造プロセスの金属材料溶解工程を示す断面模式図であ
り、図6(b)は、上金型54と水冷ハース12の下金
型52とによる鍛造冷却工程の断面模式図である。鍛造
方式金属ガラス製造装置50においても、まず、駆動モ
ータ57および23によってそれぞれ上金型移動機構5
6およびハース移動機構22を駆動して、下金型52を
持つ水冷ハース12および上金型54をそれぞれ移動
し、図6(a)に示されるように、その初期位置にセッ
トする。この後、圧延方式金属ガラス製造装置10と同
様に、水冷ハース12の凹部12aに金属材料が充填さ
れ、鍛造方式の金属ガラスの製造の準備が終了する。
すように、圧延方式金属ガラス製造装置10と同様に、
アーク電源24をオンして水冷電極14の先端からプラ
ズマアーク36を発生させ、金属材料を完全に溶解して
溶融合金38を形成させる。この後、アーク電源をオフ
してプラズマアーク36を消す。同時に、駆動モータ2
3の駆動を開始し、図6(b)に示すように水冷ハース
12をハース移動機構22によって図中矢印b方向に所
定速度で上金型54の直下のプレス位置まで水平移動さ
せる一方、駆動モータ57の駆動を開始し、上金型54
を上金型移動機構56によって図中矢印c方向に下降さ
せる。
出機構54aが水冷ハース12内の融点以上の溶融金属
のみを、水冷ハース12の下金型52の所望の最終形状
を持つキャビティ52aに強制的に押し込む。この時、
溶湯排出機構54aは、水冷ハース12の底部近傍の融
点より低温の不均一核生成による結晶相の混在を招き易
い部分37を全く含まない、融点以上の溶融金属のみを
キャビティ52aに強制的に押し込むので、アモルファ
スバルク材における不均一核生成などの欠陥を防止する
ことができる。なお、ここで、溶湯排出機構54aを構
成する突起状物は、熱伝導率の悪い材料からなるのが好
ましく、より好ましくは、予め溶融金属の融点近傍まで
加熱しておくのが好ましい。
型52に達し、そのキャビティ52aに嵌合し、キャビ
ティ52a内の融点以上の溶融金属を上下金型54およ
び52との間に挟み込んで所定押圧力でプレス成型、す
なわち、圧縮応力を付加して鍛造するとともに水冷され
た上金型54で急速に冷却する。このようして、金属溶
湯(溶融金属)38は、上下金型54および52によっ
て所望の最終形状にプレス成型(鍛造)されるとともに
冷却されるので、大きな冷却速度を得ることができる。
その結果、溶融金属38は、所望の最終形状に成型(鍛
造)されながら臨界冷却速度より速い速度で冷却される
ことで、急速に固化することにより、所望の最終形状の
薄板状のアモルファスバルク材39を製造することがで
きる。
ルク材39は、水冷ハース12の底部近傍の融点より低
温の不均一核生成による結晶相の混在を招き易い部分3
7を全く含まない、融点以上の溶融金属のみを流動化や
波立たせることなく、一気に所望の最終形状まで変形さ
せ、かつ冷却したものであるので、均一に冷却凝固さ
れ、不均一凝固や不均一核生成による結晶相が混在せ
ず、しかも湯境いなどの鋳造欠陥のないアモルファスバ
ルク材であるといえる。
よび上金型54はそれらの水平位置がほぼ固定され、水
冷ハース12を水平に平行移動しているが、本発明はこ
れに限定されず、逆に水冷電極14および上金型54を
水平に平行移動させ、水冷ハース12を固定するように
してもよい。また、上述した例では、水平に平行移動さ
れる水冷ハース12は、1個の水冷ハース12と1個の
下金型52からなる1組しか備えていないが、本発明は
これに限定されず、2組以上の水冷ハース12および下
金型52の組を回転円盤上に所定角度で放射状に配置し
て、回転円盤を順次回転移動させるようにしてもよい。
こうすることにより、回転円盤を順次回転させて連続し
て鍛造する回転円盤式の連続鍛造方式を構成することが
できる。もちろん回転円盤上に配置する水冷ハース12
および下金型52の組は1組でもよいし、1組以上の水
冷ハース12および下金型52の組を配置できかつ回転
移動できれば、必ずしも回転円盤でなくともよく、矩形
板などであってもよい。
冷し、下金型52などは強制的に冷却していないが、強
制的に冷却して良いことは勿論である。また、上述した
例では、水冷ハース12、水冷電極14および上金型5
4は、冷却水によって強制的に冷却されているが、本発
明はこれに限定されず、他の冷却媒体(冷媒)、例えば
冷媒ガスなどを用いてもよい。また、上金型54を下金
型52にプレスする上金型移動機構56は、特に制限的
ではなく、従来公知のプレス金型移動機構であれば良
く、例えば油圧機構、空気圧機構等を用いることができ
る。本発明の鍛造方式の金属ガラスの製造方法および装
置は、基本的に以上のように構成される。
置を実施例に基づいて以下に具体的に説明する。 (実施例1)図5および図6に示す構成の鍛造方式金属
ガラス製造装置50を用いて、以下のようにして、縦1
00mm×横30mm×厚さ2〜20mmの種々の寸法
の矩形板状のアモルファスバルク材を表1に示す種々
(14種)の合金について製造した。なお、本実施例に
おいては、水冷銅製ハース12および下金型52のキャ
ビティ52aの寸法および形状は、直径30mmΦ×深
さ4mmの半球状および縦210mm×横30mm×深
さ2mmの矩形状であった。
ーク熱源を最大に使用できるとともにICサイリスタに
より温度制御も可能なものとし、冷却用Arガスをアダ
プタ14aに設けられた冷却用ガス噴出口(図示せず)
から噴出させた。水冷電極14は、アーク発生部にトリ
ウム入りタングステンを使用したため、電極消耗とコン
タミネーションを極力低下でき、かつ水冷電極構造のた
め、機械的、熱的に安定しており、連続使用が可能で、
高い熱効率を達成できた。本実施例においては、鍛造方
式金属ガラス製造装置50が、以下の操作条件で操作さ
れた。アーク溶解中の電流と電圧は、それぞれ250A
と20Vであり、水冷電極14と粉末状およびペレット
状金属材料との間の距離は0.7mmに調節された。上
金型54に付加したプレス圧は、5M〜20MPaであ
り、製造される矩形板状のアモルファスバルク材の厚さ
に応じて変化させた。
た矩形板状のアモルファス合金材の構造は、X線回折分
析、光学顕微鏡検査(OM)、エネルギ分散X線分光分
析(EDX)とリンクされた走査型電子顕微鏡検査によ
って試験された。OM試料に対するエッチング処理は3
0%沸化水素酸溶液中、303Kで1.8ks行われ
た。構造的緩和、ガラス転移温度(Tg)、結晶化温度
(Tx)および結晶化熱(ΔHx:過冷却液体領域の温
度幅)は示差走査熱量測定法(DSC)によって加熱速
度0.67K/sで測定された。また、得られた矩形板
状のアモルファス合金材の機械的特性も測定された。測
定された機械的特性は、以下の破断エネルギ(Es)、
ビッカース硬さ(Hv)、引張強さ(σf)(なお、実
施例4、5、10および11では、引張強さでは計測で
きず、圧縮強さで計測した。)、伸び(εf)およびヤ
ング率(E)であった。なお、ビッカース硬さ(Hv)
はビッカース微小硬度計によって100g負荷で測定さ
れた。得られた14種類の合金の矩形板状のアモルファ
スバルク材の合金組成および特性も合わせて表1に示
す。なお、表1中符号tは、矩形板状のアモルファスバ
ルク材の厚さを示す。
Ni5 合金材のX線回折の結果と結晶化熱の測定結果お
よび顕微鏡写真(倍率500)をそれぞれ図7と図8お
よび図9に示す。図7は、実施例14のZr55Al10C
u30Ni5 合金材のほぼ中央部でしかも横断面の中心域
でのX線回折図形を示している。この合金材は縦30m
m×横40mm×厚さ20mmの矩形状であった。この
合金材のX線回折図形にはブロードなハローピークのみ
しか見られず、構成相はアモルファス相単相であること
がわかる。また、この合金材の横断面の光学顕微鏡写真
においても、合金材のほぼ中央域には結晶相の析出を示
すコントラストは見られず、アモルファス単相となって
おり、X線回折の結果と一致した。これらから、銅製ハ
ース(銅炉床)に近い領域のアモルファス相と結晶相と
の混在を引き起こす銅炉床に接触した領域の、融点より
低い温度の溶融金属が全く含まれていなかったことを示
し、その結果、銅炉床との接触による不均一核生成が防
止されたことが分かる。
Ni5 合金材のほぼ中央部でのアモルファス相から得た
DSC曲線を示している。ガラス遷移による吸熱反応と
結晶化による発熱反応の開始がそれぞれ680℃および
760℃に見られ、過冷却液体域が80℃のかなり広い
温度域において生成している。この結果は、真にガラス
状の金属が本発明法を適用した鍛造法という製造プロセ
スにおいても不均一核生成の発生を防止した、強度特性
に優れたアモルファス単相の矩形状合金材を製造できる
ことを実証している。なお、得られた矩形状のバルク状
アモルファス合金材の中央域のビッカース硬度(Hv)
はいずれもリボン状試料に対する値(550)とほぼ同
じ540であった。図9は、実施例14のZr55Al10
Cu30Ni5 合金材のほぼ中央部でしかも横断面の中心
域での金属組織を示す顕微鏡写真(500倍)である。
この写真によって、得られた矩形状のバルク状アモルフ
ァス合金材は、不均一核生成が防止され、結晶相の混在
がほとんどないアモルファス単相合金材であることを実
証されている。
のいずれにおいても、優れた機械的強度を示しているこ
とから、本発明法を適用する鍛鋳造法によって製造され
た矩形状のバルク状アモルファス合金材は、湯境いなど
の鋳造欠陥のない、強度特性に優れたバルクアモルファ
スであることが分かる。また、実施例14の解析からも
分かるように、これらの実施例で得られた矩形状のバル
ク状アモルファス合金材は不均一核生成を防止し、結晶
相の混在の全くないアモルファス単相からなることが分
かる。
装置について、種々の実施形態を挙げて、詳細に説明し
たが、本発明はこれらに限定されるわけではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や設計
の変更を行っても良いことはもちろんである。
ば、湯境いなどの鋳造欠陥がなく、強度特性に優れた所
望の、好ましくは最終形状のバルクアモルファスを、一
気に簡単な工程で再現性よく得ることができる。さら
に、本発明によれば、融点以下の溶融金属による不均一
核生成によって結晶核が成長した結晶相が混在しない、
すなわち融点以上の溶融金属のみを臨界冷却速度以上の
速度で冷却したアモルファス単相からなる、強度特性に
優れた所望形状のバルクアモルファスを、一気に簡単な
工程で再現性よく得ることができる。
る本発明の圧延方式金属ガラス製造装置の一構成例を模
式的に示すフローシートである。
冷ハースおよび圧延鋳型の一実施例を示す上面模式図で
ある。
いる圧延方式金属ガラス製造装置による板状アモルファ
スバルク材の製造プロセスの一例を示す模式図であり、
(a)は金属材料溶解工程の模式図、(b)は溶融金属
の圧延冷却工程の模式図である。
圧延方式金属ガラス製造装置の別の実施例の要部の部分
断面図および部分上面図である。
る本発明の鍛造方式金属ガラス製造装置の一構成例を模
式的に示すフローシートである。
いる鍛造方式金属ガラス製造装置による板状アモルファ
スバルク材の製造プロセスの一例を示す模式図であり、
(a)は金属材料溶解工程の模式図、(b)は溶融金属
の鍛造冷却工程の模式図である。
55Al10Cu30Ni5合金材の横縦断面における中央域
から取られたX線回折パターンである。
55Al10Cu30Ni5合金材の横縦断面における中央域
から取られた示差走査熱量測定曲線である。
55Al10Cu30Ni5合金材の横縦断面における中央域
の金属組織を示す図面代用写真である。
Claims (9)
- 【請求項1】ハース上に金属材料を充填し、この金属材
料を溶融可能な高エネルギ熱源を用いて前記金属材料を
溶解後、得られた融点以上の溶融金属を、溶融金属の融
点以下の冷却界面どうしを重ね合わせることなく押圧し
て、融点以上の溶融金属に圧縮応力および剪断応力の少
なくとも一方を与えて所望の形状に変形し、変形後もし
くは変形と同時に前記溶融金属を臨界冷却速度以上で冷
却して、前記所望の形状のバルク状の金属ガラスを製造
することを特徴とする金属ガラスの製造方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の金属ガラスの製造方法で
あって、 前記溶解後の融点以上の溶融金属を、前述の溶融金属の
融点以下の冷却面どうしに加え、この冷却面と他の融点
以下の冷却面とを重ね合わせることなく押圧することを
特徴とする金属ガラスの製造方法。 - 【請求項3】前記溶融金属の押圧および変形は、前記ハ
ース上に配置された圧延冷却ロールによって前記融点以
上の溶融金属のみを板状または所望の形状に圧延すると
同時に冷却することによって行われる請求項1または2
に記載の金属ガラスの製造方法。 - 【請求項4】前記ハース内に充填された金属材料を溶解
した後、前記ハースを前記高エネルギ熱源および前記圧
延冷却ロールと相対的に移動させるとともに前記圧延冷
却ロールを回転させることにより、前記ハース上に盛り
上がった前記融点以上の溶融金属のみを圧延し、かつ冷
却して板状または所望の形状を持つ金属ガラスを製造す
る請求項3に記載の金属ガラスの製造方法。 - 【請求項5】前記ハースは、長尺状をなし、この長尺の
ハースを前記高エネルギ熱源および前記圧延冷却ロール
と相対的に移動させることによって前記金属材料の前記
高エネルギ熱源による溶解および前記融点以上の溶融金
属の圧延および冷却を連続的に行って、長尺の板状金属
ガラスまたは所望の形状の金属ガラスを連続的に製造す
る請求項3に記載の金属ガラスの製造方法。 - 【請求項6】前記圧延冷却ロールは、前記ハースに対応
する位置に前記ハース内の前記融点以上の溶融金属を前
記ハース外に排出させるための、熱伝導率の低い材料か
らなる溶湯排出機構を有する請求項3〜5のいずれかに
記載の金属ガラスの製造方法。 - 【請求項7】前記溶融金属の押圧および変形は、前記ハ
ースに近接して設けられた前記所望の形状のキャビティ
を有する下型に前記融点以上の溶融金属のみを流動化さ
せずにそのまま前記ハースから移動させた後、直ちに冷
却上型で押圧して前記所望の形状に鍛造すると同時に冷
却することによって行う請求項1または2に記載の金属
ガラスの製造方法。 - 【請求項8】前記ハース内に充填された前記金属材料を
溶解した後、前記ハースおよび前記下型を前記上型の直
下に移動し、直ちにこの上型を前記下型に向けて下降さ
せることによって、前記ハース内の前記融点以上の溶融
金属のみを前記下型に移動させて押圧かつ冷却し、鍛造
して前記所望形状の金属ガラスを製造する請求項7に記
載の金属ガラスの製造方法。 - 【請求項9】前記上型は、前記ハースに対応する位置に
前記ハース内の前記融点以上の溶融金属を前記ハース外
に排出させるための、熱伝導率の低い材料からなる溶湯
排出機構を有する請求項7または8に記載の金属ガラス
の製造方法。
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