JPH11172733A - 防水パン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 防水パンを容易に２分割することができ、か
つ２分割した浴槽載置場と洗場との接続作業が容易で、
しかも、接続強度を強固にできる浴室ユニットの防水パ
ンを提供すること。 【解決手段】 底部，側壁，壁付面，立上り壁からな
り、一方に浴槽載置場２，他方に洗場３を形成し、浴槽
載置場２と洗場３との境界に隔壁５を形成してなる防水
パン１において、隔壁５の対向する両端の壁付面を除く
隔壁５上面に上方に突出する突条体７を隔壁５と一体に
形成するとともに、突条体７上面に溝部６を形成し、該
溝部６を切断基準ラインとすることにより、防水パン１
を浴槽載置場２と洗場３とに２分割可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ホテル，マンショ
ン，一般住宅等の浴室に設置される浴室ユニットの防水
パンに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ホテル，マンション，一般住宅
等の浴室ユニットに使用される防水パンは、方形の底部
周囲を立設して側壁を形成するとともに、その先端を水
平に折曲して壁付面を形成し、更にその先端を立ち上が
らせて立上り壁を形成して構成され、ＳＭＣ，ＦＲＰ等
の合成樹脂成形体から構成される。

【０００３】近来、ホテル，マンション，一般住宅等、
建築物の劣化現象により、浴室内部の改造が推進され、
その際、浴室内の改造は従来より設置されている防水パ
ン，壁面，天井等からなる浴室ユニットを分解して室外
に運び出し、新たな防水パン，壁面，天井等を搬入して
これらを組み立てるのが一般的である。

【０００４】しかしながら、一般住宅，マンション等の
浴室の入口は狭く、浴槽載置場、洗場からなる防水パン
の搬入は、そのままの形状では行なうことができず、現
地において、防水パンの浴槽載置場と洗場とを２分割し
た後、浴槽室内に搬入し、浴槽室内で両者を一体に接続
固定しレベル調整を行ない、備え付けを行なっているの
が実情である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに、現地で浴槽載置場と洗場とを分割して浴室内に搬
入し、搬入後、両者を接続するという方法は、浴室内部
周囲の壁と防水パンとの間隔が狭く、現地における防水
パンの切断作業、及び分割した浴槽載置場と洗場との接
続作業に多大な時間を要し、作業性の低下を招く大きな
要因となっていた。

【０００６】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、防水パンを容易に２分割することができ、２
分割した浴槽載置場と洗場との接続作業が容易で、しか
も双方の接続を堅固に行なえる浴室ユニットの防水パン
を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、図１及び図２に示すように、方形の底部
周囲を立設して側壁を形成するとともに、該側壁先端を
水平に折曲して壁付面を形成し、更にその先端を立ち上
がらせて立上り壁を形成して構成され、一方に浴槽載置
場２、他方に洗場３を形成し、双方の境界に隔壁５を形
成してなる防水パン１において、前記隔壁５の対向する
両端の壁付面を除く隔壁５上面に上方に突出する突条体
７を一体形成するとともに、該突条体７上面に溝部６を
形成し、該溝部６を境に浴槽載置場２と洗場３とを２分
割可能としたことを特徴とする。

【０００８】更に、本発明は、前記突条体７の上面に形
成される溝部６は、浴槽載置場２と洗場３とを分割する
際の切断工具のガイドとなることを特徴とする。

【０００９】ここで、本発明に使用される防水パンは、
ＦＲＰ，ＳＭＣ等の合成樹脂によって形成しても良い
が、材質として金属を用いた金属製パンであっても良
い。

【００１０】更に、本発明に使用される２分割された一
方の浴槽載置場２のほぼ中央に、図３及び図４に示すよ
うに、浴槽載置場２及び洗場３の高さ調整を行なう高さ
調整部材９の調整ができるように調整用孔８を設けても
良く、その場合には、防水パン１全体のレベル調整完了
後において、調整用孔８を閉じるようにする。本発明に
用いられる高さ調整部材９は、その耐久性から金属製ボ
ルト等が好ましい。

【００１１】以上の構成から明らかなように、浴槽載置
場２と洗場３とを２分割する隔壁５の上面には、両端の
壁付面を除いて上方に突出する突条体７が一体形成さ
れ、この突条体７上面に溝部６が形成されているため、
この溝部６を基に（ガイドとして）切断加工すれば、浴
槽載置場２と洗場３とを容易に２分割できる。

【００１２】そして、２分割した浴槽載置場２と洗場３
とを接合するには、隔壁５上部の２分割された突条体７
及び溝部６の切断口を突き合わせ、溝部６内部にパッキ
ン材１２（図６参照）を充填するとともに、突条体７上
面の溝部６及び側面を防水テープ１３（図６参照）にて
密閉する。

【００１３】更に、図７に示すように、突条体７両端に
形成されている壁付面１４を壁面の重量に耐えられるよ
うに水切りカバー１５で覆い、図８に示すように、突条
体７上面の突き合わせ部を継ぎ材１６で挾着することに
より、浴槽載置場２と洗場３とを一体化した防水パン１
（図１参照）を形成することができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る浴室ユニット
の防水パンの一実施形態について、添付図面を参照しな
がら詳細に説明する。

【００１５】図１は本発明に係る防水パンの一実施形態
を示す全体斜視図、図２は同防水パンにおける浴槽載置
場と洗場とを区画する隔壁を示す断面図、図３は同防水
パンを２分割した一方側の浴槽載置場を裏面から見た斜
視図、図４は同防水パンを２分割した他方側の洗場裏面
にクランク型架台を固定した状態を示す斜視図、図５は
同防水パンの組立順序を示す斜視図、図６は同防水パン
の組立作業における隔壁同士の接合状態を示す断面図、
図７は同防水パンの組立作業における隔壁両端部の壁付
面に水切りカバーを取り付ける状態を示す斜視図、図８
は同防水パンの組立作業における突条体を継ぎ材で挾着
する状態を示す断面図である。

【００１６】図１乃至図４において、防水パン１は、方
形の底部周囲を立設して側壁を形成するとともに、その
先端を水平に折曲して壁付面を形成し、更にその先端を
立ち上がらせて立上り壁を形成してなるＳＭＣ，ＦＲＰ
等の合成樹脂によって形成されており、この防水パン１
は一方側に浴槽載置場２、他方側に洗場３が形成され、
防水パン１の裏面には縦横の複数のリブとともに高さ調
整部材９を固定させるためのボス部４が形成されてい
る。そして、浴槽載置場２と洗場３との境界には防水パ
ン１を２分割する壁付面１４（図７参照）とほぼ同一高
さを有する隔壁５が形成され、さらにこの隔壁５の対向
する両端の壁付面を除く隔壁５上面の中央部には、その
長手方向に沿って切断時におけるガイド機能を持つ溝部
６を設けた突条体７が隔壁５と一体に形成されている。
図３，図４は、現地において防水パン１の隔壁５上面に
形成された突条体７を丸鋸等の器具により防水パン１を
幅方向に２分割した浴槽載置場２及び洗場３をそれぞれ
示す裏面側から見た斜視図であり、浴槽載置場２のほぼ
中央には調整用孔８が開設され、この調整用孔８を介し
て、防水パン１の裏面全体の高さを調整する高さ調整部
材９のボルト高さを調整するようにしている。また、図
４に示すように、防水パン１を構成する他方側の洗場３
は、その裏面に複数のビス１０等で一対のクランク型架
台１１が固定されており、このクランク型架台１１の高
い面に洗場３を載置固定するとともに、その低い面に浴
槽載置場２（図５参照）が載置固定される。

【００１７】間口の狭い一般住宅，マンション等の浴室
に図１に示す防水パン１を据え付けるには、まず、図２
に示す上記防水パン１の隔壁５の上面に形成される突条
体７の溝部６に沿って丸鋸等の工具により防水パン１を
２分割して、浴槽載置場２，洗場３に分離する。そし
て、図５に示すように、洗場３を搬入して裏面に一対の
クランク型架台１１を複数のビス１０（図４参照）で固
定するとともに、防水パン１全体の高さが調整できる高
さ調整部材９を複数個取り付ける。

【００１８】次に、洗場３の表面側を上側に向けてクラ
ンク架台１１を立て、一段と低いクランク型架台１１の
平面部に浴槽載置場２を載置し、図６に示すように、隔
壁５上方の２分割された突条体７及び溝部６の切断口を
突き合わせ、溝部６内部にパッキン材１２を充填すると
ともに、突条体７上面の溝部６及び側面を防水テープ１
３で密閉する。

【００１９】尚、突条体７の幅方向中央部の溝部６に
は、シリコーンコーキングが最終的に施されており、溝
部６のシリコーンコーキング材、突条体７の上面及び側
面は防水テープ１３により被覆される。次に、図７に示
すように、突条体７両端に形成されている壁付面１４を
壁面の重量に耐えられるように水切りカバー１５で覆
い、次いで、図８に示すように、突条体７上面の突き合
わせ部を合成樹脂又は金属により形成された継ぎ材１６
で挾着することにより、浴槽載置場２及び洗場３とを強
固に一体化した防水パン１を形成することができる。

【００２０】更に、図３及び図４に示すように、浴槽載
置場２に設けた調製用孔８より浴槽載置場２及び洗場３
からなる防水パン１全体の高さ調整部材９の高さを調整
し、浴槽載置場２の調製用孔８を漏水することがないよ
うに閉塞して組み付けを完了する。

【００２１】尚、上述実施形態において、浴室内を改造
するにあたり、出入口が狭く出入口から防水パン１の搬
入ができない場合には、防水パン１を２分割する構成と
したが、これに限定されることなく、新築の場合、又は
改造の場合であっても出入口が広い場合には防水パン１
を２分割する必要はなく、そのまま使用ことができる。

【００２２】

【発明の効果】本発明は、底部，側壁，壁付面，立上り
壁からなり、一方に浴槽載置場、他方に洗場を形成し、
浴槽載置場と洗場との境界に２分割する隔壁を形成して
なる防水パンにおいて、隔壁の対向する両端の壁付面を
除く隔壁上面に上方に突出する突条体を隔壁と一体に形
成するとともに、突条体上面に溝部を形成し、防水パン
を該溝部を境に２分割可能にした構成としたので、現地
において容易に２分割でき、しかも、２分割した浴槽載
置場と洗場との接続作業が容易かつ堅固に行えるという
効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る防水パンの一実施形態を示す全体
斜視図。

【図２】本発明に係る防水パンにおける浴槽載置場と洗
場とを区画する隔壁を示す断面図。

【図３】本発明に係る防水パンを２分割した一方側の浴
槽載置場を裏面側から見た斜視図。

【図４】同防水パンを２分割した他方側の洗場裏面にク
ランク型架台を固定した状態を示す斜視図。

【図５】本発明に係る防水パンの組立順序を示す斜視
図。

【図６】本発明に係る防水パンにおける隔壁の接合状態
を示す断面図。

【図７】本発明に係る防水パンの隔壁両端部に水切りカ
バーを取り付ける状態を示す斜視図。

【図８】本発明に係る防水パンの突条体を継ぎ材で挾着
する状態を示す断面図。

【符号の説明】

１ 防水パン ２ 浴槽載置場 ３ 洗場 ４ ボス部 ５ 隔壁 ６ 溝部 ７ 突条体 ８ 調整用孔 ９ 高さ調整部材 １０ ビス １１ クランク型架台 １２ パッキン材 １３ 防水テープ １４ 壁付面 １５ 水切りカバー １６ 継ぎ材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 方形の底部周囲を立設して側壁を形成す
   るとともに、該側壁先端を水平に折曲して壁付面を形成
   し、更にその先端を立ち上がらせて立上り壁を形成して
   構成され、一方に浴槽載置場、他方に洗場を形成し、双
   方の境界に隔壁を形成してなる防水パンにおいて、 前記隔壁の対向する両端の壁付面を除く隔壁上面に上方
   に突出する突条体を一体形成するとともに、該突条体上
   面に溝部を形成し、該溝部を境に浴槽載置場と洗場とを
   ２分割可能としたことを特徴とする防水パン。
2. 【請求項２】 突条体の上面に形成される溝部は、浴槽
   載置場と洗場とを分割する際の切断工具のガイドとなる
   ことを特徴とする請求項１に記載の防水パン。