JPH11172581A - 抗菌性再生皮革紙 - Google Patents

抗菌性再生皮革紙

Info

Publication number
JPH11172581A
JPH11172581A JP6818698A JP6818698A JPH11172581A JP H11172581 A JPH11172581 A JP H11172581A JP 6818698 A JP6818698 A JP 6818698A JP 6818698 A JP6818698 A JP 6818698A JP H11172581 A JPH11172581 A JP H11172581A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
base paper
antibacterial
leather
antifungal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6818698A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiyouji Hamu
昇次 羽牟
Toshiyuki Takeuchi
敏之 武内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oji Paper Co Ltd filed Critical Oji Paper Co Ltd
Priority to JP6818698A priority Critical patent/JPH11172581A/ja
Publication of JPH11172581A publication Critical patent/JPH11172581A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】天然皮革の風合いと強度、優れた加工性を付与
することができ、かつ抗菌剤、防黴剤を含浸時に外添す
ることにより抗菌、防黴機能を付与した再生皮革紙を提
供する。 【解決手段】タンニンなめし皮屑を乾式粉砕した皮屑繊
維及び発泡体粒子を含有する基紙に抗菌剤及び/又は防
黴剤を含有する合成樹脂を含浸したことを特徴とする再
生皮革紙。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は再生皮革紙に関す
る。更に詳しく述べるならば、本発明は優れた革風の風
合いや柔軟性、耐久性、強度、成型性、色、印刷適正、
焼き印性を有し、かつ従来の天然皮革よりも軽量で加工
性に優れ、均一な品質、任意のサイズで低価格等の効果
をもたらし、かつ抗菌、防黴機能が付与されており、抗
菌、防黴効果の持続性に優れた再生皮革紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、手帳、本等の表装材、靴中敷の材
料としては合成樹脂系や合成繊維の不織布系の材料が主
として用いられており、更に天然皮革も用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】合成樹脂系や合成繊維
の不織布系の材料が用いられた表装材、靴中敷では、吸
湿性が悪く、使用時の汗による滑りや不快感がある。特
に靴中敷用途では足となじみにくい、フィット性が悪
い、消臭性がない等の欠点が指摘されている。また天然
皮革を利用した表装材、靴中敷は合成樹脂、合成繊維系
材料のものと比較すると重く、特に靴中敷ではクッショ
ン性が少なく、歩行中に足が靴内で移動しやすい。、ま
た、靴下への汚染、汗による劣化、臭気発生等の欠点が
ある。その一方で、天然皮革を用いた靴中敷は高級感が
り、合成樹脂、合成繊維系の材料に比べて吸湿性に優
れ、使用している内に足になじんでくるという利点もあ
る。このため、革風の優れた風合いや柔軟性、耐久性、
強度、成型性、色、印刷適正、焼き印性を有し、かつ従
来の天然皮革よりも軽量で加工性に優れ、均一な品質、
任意のサイズで低価格等の効果をもたらし、かつ抗菌、
防黴効果に優れた再生皮革紙が新規素材として求められ
ている。
【0004】特願平9−43083では、タンニンなめ
し皮屑繊維を対木材パルプ比で10〜90%配合し、再
生皮革紙基紙重量当たり0.5〜10重量%の発泡性樹
脂を含有し、抗菌剤としてキトサンを0.8重量%以上
配合したキトサン内添の再生皮革紙基紙で抗菌機能が評
価されている。しかし、この再生皮革紙基紙に合成樹脂
を含浸して再生皮革紙とすると、合成樹脂が抗菌剤を被
覆するため、抗菌機能が低下するという欠点を有するこ
とが分かった。
【0005】本発明の目的は天然皮革の風合い、柔軟
性、強度を有し、かつ従来の天然皮革よりも軽量で加工
性に優れ、かつ抗菌、防黴効果に優れた再生皮革紙を安
価に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、天然皮革
の風合い、柔軟性、強度を有し、かつ従来の天然皮革よ
りも軽量で加工性に優れ、かつ抗菌、防黴効果に優れた
再生皮革紙を得るために鋭意検討を行ったところ、皮屑
繊維を主成分とする再生皮革紙において、タンニンなめ
し皮屑繊維を所定の量含有した再生皮革紙基紙に抗菌、
防黴剤を配合した合成樹脂を含浸外添し担持することに
より抗菌、防黴効果を付与することを見い出した。ま
た、抗菌、防黴剤を樹脂と共に含浸することにより耐久
性、加工性に優れ、かつ抗菌性、防黴性を付与した再生
皮革紙を見いだし、本発明に至った。
【0007】即ち本発明は以下の発明を包含する。 1.特願平9−43083号の方法で得られたタンニン
なめし皮屑を乾式粉砕した皮屑繊維及び発泡体粒子を含
有する基紙に抗菌剤及び/又は防黴剤を含有する合成樹
脂を含浸したことを特徴とする再生皮革紙。 2.抗菌剤が無機系抗菌剤であることを特徴とする1記
載の再生皮革紙。 3.防黴剤が有機系防黴剤であることを特徴とする1記
載の再生皮革紙。 4.抗菌剤が消臭性を有する無機系抗菌剤であることを
特徴とする1記載の再生皮革紙。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の再生皮革紙の基紙はタン
ニンなめし皮屑繊維、有機繊維、バインダー効果を有す
る繊維、その他の材料、薬品からなる。
【0009】本発明に用いられる再生皮革紙基紙を構成
するタンニンなめし皮屑繊維はタンニンなめし皮屑を水
分12重量%以下に調整後周速1,000m/分以上
で、かつ回転刃と固定刃のクリアランスを0.3mm〜
0.5mmに設定して乾式粉砕機で粉砕し、さらに0.
5mmから1.5mm径の丸穴スクリーンで乾式精選し
てなる皮屑繊維を用いるのが好ましい。この皮屑繊維の
配合率(混抄率)について望ましくは再生皮革紙基紙の
全重量当たり50〜80重量%の範囲である。50重量
%より少ないと革の風合いが発現せず、80重量%以上
では皮屑繊維の濾水性が悪いため抄紙性が低下する。な
お、皮屑繊維はタンニンなめし品を用いる。クロムなめ
し品では焼き印性が劣ることに加えて残存クロムによる
安全性が懸念される。
【0010】本発明に用いられる再生皮革紙基紙を構成
する有機繊維は針葉樹クラフトパルプ、広葉樹クラフト
パルプおよび、その他の木材パルプの単独、あるいは2
種類以上を配合した混合パルプ、更にポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリエステル等の合成繊維をあげること
ができ、これらの中から適宜必要に応じて選択して用い
る。
【0011】再生皮革紙基紙に用いられる原料薬品には
強度を保持する目的でバインダー機能を有する物質を配
合する。即ち繊維状熱溶融型ビニロン、熱融着性複合繊
維のポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなど
が利用できる。バインダー機能を有する物質は再生皮革
紙基紙の全重量当たり5〜30重量%の範囲である。5
重量%より少ないと強度発現に乏しく、30重量%より
多いと抄紙性が悪く、コストが高くなる。
【0012】本発明に用いられる再生皮革紙基紙には柔
軟性、弾力性(クッション性)を持たせるため密度を低
くして樹脂含浸性を高める目的で発泡剤を添加する。本
発明に使用する発泡剤はマイクロカプセル内に低沸点溶
剤を封入した熱膨張性マイクロカプセルである。このカ
プセルは80〜200℃の比較的低温度で短時間(1〜
5分)の加熱により、直径が約4〜5倍、体積が50〜
100倍に膨張する平均粒径5〜30μmの粒子であ
る。低沸点溶剤としてはイソブタン、ペンタン、石油エ
ーテル、ヘキサン、低沸点ハロゲン化炭化水素、メチル
シラン等があげられる。マイクロカプセルはこれら揮発
性有機溶剤(膨張剤)を塩化ビニリデン、アクリロニト
リル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の
共重合体からなる熱可塑性樹脂で包み込んだ構造をして
いる。発泡剤として熱溶融性樹脂のシェルと低沸点溶剤
のコア構造を持つマイクロスフェアの使用が好ましい。
マイクロスフェアの配合割合は基紙の全重量当たり0.
5〜10重量%の範囲である。0.5重量%以下では基
紙の密度が下がらず、10重量%以上ではコストが高く
なる。
【0013】本発明に用いられる再生皮革紙基紙の抄紙
の際に使用される薬品として、乾燥および湿潤強度向上
や歩留向上を目的とした高分子化合物を添加することも
できる。具体的には、紙力増強剤、歩留まり向上剤とし
て、ポリアクリルアミド系のカチオン性、ノニオン性、
アニオン性および両性の樹脂、ポリエチレンイミンおよ
びその誘導体、ポリエチレンオキサイド等がある。
【0014】本発明に用いられる再生皮革紙基紙は上記
構成の抄紙原料を公知の方法、例えば長網抄紙機、円網
抄紙機、ツインワイヤー等を使用して抄造されるが、特
に限定されない。
【0015】本発明の再生皮革紙の製造方法は前述した
再生皮革紙基紙に抗菌剤、防黴剤を配合した合成樹脂を
含浸する。
【0016】本発明に用いられる抗菌剤は主として無機
系抗菌剤のゼオライト系銀、銅、亜鉛等の抗菌物質を担
持する。アパタイト系(銀担持)、リン酸ジルコニウム
系(銀担持)、リン酸カルシウム系(銀担持)、珪酸ガ
ラス(銀担持)、酸化チタン(銀担持)遠赤外線放射体
がある。防黴剤は主として有機系の有機スズ化合物、カ
ーボネート類、ニトリル誘導体、イミダゾール誘導体、
ピリジン誘導体、フェノール誘導体等がある。抗菌、防
黴剤の担持率は再生皮革紙基紙に対して0.2〜5重量
%である。0.2重量%未満の担持率では抗菌、防黴機
能が不充分で、5重量%を越えると効率面、コスト面か
ら見ても好ましくない。
【0017】本発明に用いられる合成樹脂エマルジョン
としては、例えばアルキッド樹脂、アクリル樹脂、ビニ
ル系樹脂、セルロース系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエ
ステル系樹脂等があげられ、また合成、天然ゴムラテッ
クスとしては、クロロプレンゴム、イソプレンゴム、ニ
トリルゴム、NBRやSBR等のジエン系共重合体ラテ
ックス等があげられる。再生皮革紙に使用する合成樹脂
のガラス転移温度は−40℃〜+30℃の樹脂を用いる
ことが望ましい。ガラス転移温度が30℃より高い場合
には合成樹脂を含浸した再生皮革紙が硬くなり、打ち抜
き加工性やエンボス成型性、革風の風合いやクッション
性が悪化するので好ましくなく、また−40℃よりガラ
ス転移温度の低い樹脂を用いると、樹脂が柔らかすぎ
て、再生皮革紙の打ち抜き加工性や革風の風合いが悪化
するので好ましくない。
【0018】合成樹脂の含有率は基紙重量に対して5〜
40重量%が望ましい。5重量%より少ないと加工適
正、強度、耐久性が劣り、40重量%より増やすとコス
ト高になり実用上適さない。
【0019】本発明は上記の抗菌剤、防黴剤を配合した
合成樹脂を用いて含浸機で含浸する。含浸方式は特に限
定されない。
【0020】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれによって限定されるものでは
ない。なお、以下において%とあるのはそれぞれ重量%
を示す。
【0021】実施例1 タンニンなめし皮屑繊維を再生皮革紙基紙の全重量当た
り58%配合する。さらに針葉樹晒クラフトパルプ(N
BKP)を離解後、実験室用ビーターでフリーネス50
0mlまで叩解してパルプ原料を調成し全重量当たり2
0%配合する。熱融着繊維(EA842、チッソ社製、
繊維径3デニール×繊維長5mm)を全重量当たり19
%配合する。発泡剤としてF−30(松本油脂製薬社
製、発泡体:ブタン系炭化水素、殻壁:塩化ビニリデン
・アクリロニトリルCoポリマー共重合物)を全重量当
たり3%配合する。乾燥紙力増強剤としてポリストロン
191(荒川化学工業社製、アクリルアミド、アニオン
系)を対基紙全重量当たり0.2%、湿潤紙力増強剤と
してユーラミンP−5600(三井東圧化学社製、エポ
キシ、カチオン系)を対基紙全重量当たり0.3%添加
し、紙料を調成した後、実験室手抄きマシンで坪量30
0g/m2の再生皮革紙基紙を作成した。なお基紙の密
度は0.3g/cm3とした。
【0022】得られた再生皮革紙基紙にガラス転移温度
20℃の合成樹脂(スミカフレックス830,住友化学
社製、ノニオン系、組成比:塩ビ;55%、エチレン;
5〜10%、酢ビ;35〜40%、反応基:メチロール
基;−CH2OH)に抗菌剤として、アトミーボールS
(触媒化成工業社製、アニオン系、組成:銀を酸化チタ
ンのコロイドに固定化、粒子径5nmの超微粒子)と、
防黴剤としてモルノン1900(片山化学工業社製、ノ
ニオン系、主成分:環状チッソ系化合物複合剤)を配合
し、再生皮革紙基紙に対して樹脂含浸率が38%、抗菌
剤、防黴剤の担持率がそれぞれ2%になるようにエッチ
ングプロセッサーで含浸外添し、乾燥機で100℃、3
0分乾燥して、再生皮革紙を得た。得られた再生皮革紙
の強度、抗菌性、防黴性を以下の方法で測定し、評価し
た。
【0023】強度 TAPPI UM584「Z軸方向引張り試験による紙
・板紙の内部結合強度」にしたがい強度を測定し、測定
値が3kg/6.25cm2以上の場合、例えば靴中敷
を試履きしても表面破れ、紙層剥離、端面波打ち等が起
こりにくく、強度上問題がないため合格とし、2.9k
g/6.25cm2以下では強度等が不足するため不合
格と判定した。
【0024】抗菌性 JIS L−1902「繊維製品の抗菌性試験方法」に
したがい、試験に用いた細菌のStaphilococ
cus aureus(黄色ぶどう状球菌)を用いて評
価した。24時間後に細菌のコロニーが見られない場合
を合格、コロニーが見られた場合を不合格と判定した。
【0025】防黴性 JIS Z−2911「かび抵抗性試験方法」にしたが
い、Aspergillus niger(黒麹かび)
FERM S−1を用いて評価した。24時間後の試料
上に黴の発育が見られない場合を防黴性が大と評価し合
格、黴の発育が見られた場合を不合格と判定した。
【0026】実施例2 実施例1の再生皮革紙基紙を使用し、基紙に対して、合
成樹脂の含浸率が38%、アトミーボールSの担持率が
0.2%、モルノン1900の担持率が2%になるよう
に合成樹脂と抗菌剤、防黴剤を配合し、エッチングプロ
セッサーで含浸外添し、乾燥機で乾燥して、実施例1と
同様に再生皮革紙を得た。得られた再生皮革紙の強度、
抗菌性、防黴性を実施例1と同様に測定し、判定した。
【0027】実施例3 実施例1の再生皮革紙基紙を使用し、基紙に対して、合
成樹脂の含浸率が38%、アトミーボールSの担持率が
2%、モルノン1900の担持率が0.2%になるよう
に合成樹脂と抗菌剤、防黴剤を配合し、エッチングプロ
セッサーで含浸外添し、乾燥機で乾燥して、実施例1と
同様に再生皮革紙を得た。得られた再生皮革紙の強度、
抗菌性、防黴性を実施例1と同様に測定し、判定した。
【0028】実施例4 実施例1の再生皮革紙基紙を使用し、基紙に対して、合
成樹脂の含浸率が38%、抗菌剤としてカシピア(韓国
ANGORA産業社製、無機系抗菌剤、液状遠赤外線放
射体、抗菌、消臭等の機能を保有)の担持率が2%、モ
ルノン1900の担持率が0.2%になるように合成樹
脂と抗菌剤、防黴剤を配合し、エッチングプロセッサー
で含浸外添し、乾燥機で乾燥して、実施例1と同様に再
生皮革紙を得た。得られた再生皮革紙の強度、抗菌性、
防黴性を実施例1と同様に測定し、判定した。本発明に
用いられる抗菌剤は、特開平8−3536等の方法で得
られる下記の抗菌性組成物及び/又は液状遠赤外線放射
体による。抗菌性組成物について製法の一例を述べる
と、珪酸ナトリウム、ナトリウムアルミネート、酸化ナ
トリウム、チオ硫酸ナトリウム、二酸化ゲルマニウム、
及び上白糖をそれぞれ20〜40℃で水に溶解した後混
合し(第1液)、金を塩化金酸でイオン化した溶液(第
2液)と硝酸銀をチオ硫酸銀でイオン化した溶液(第3
液)を前記第1液に添加した後、常温で48〜72時間
維持、放置して製造される。この抗菌剤は抗菌性、消臭
性、保温性、静電防止作用を有する。
【0029】比較例1 実施例1の方法で基紙に対して、合成樹脂の含浸率が3
8%、アトミーボールSの担持率が2%になるように合
成樹脂と抗菌剤を配合し、含浸した以外は実施例2と同
様にして再生皮革紙を作成した。得られた再生皮革紙の
強度、抗菌性、防黴性を実施例1と同様に測定し、判定
した。
【0030】比較例2 実施例1の方法で基紙に対して、合成樹脂の含浸率が3
8%、モルノン1900の担持率が2%になるように合
成樹脂と防黴剤を配合し、含浸した以外は実施例2と同
様にして再生皮革紙を作成した。得られた再生皮革紙の
強度、抗菌性、防黴性を実施例1と同様に測定し、判定
した。
【0031】比較例3 実施例1の方法で基紙に対して、合成樹脂の含浸率が3
8%、カシピアの担持率が2%になるように合成樹脂と
抗菌剤を配合し、含浸した以外は実施例2と同様にして
再生皮革紙を作成した。得られた再生皮革紙の強度、抗
菌性、防黴性を実施例1と同様に測定し、判定した。
【0032】比較例4 実施例1の再生皮革紙基紙の作成方法でキトサン(SK
−10,甲陽ケミカル社製、カチオン系)を対再生皮革
紙基紙に0.8%内添した以外は実施例1と同様にして
再生皮革紙基紙を作成した。得られた再生皮革紙基紙の
強度、抗菌性、防黴性を実施例1と同様に測定し、判定
した。
【0033】比較例5 実施例1の再生皮革紙基紙の作成方法でキトサンを対再
生皮革紙基紙に0.8%内添した再生皮革紙基紙を使用
し、基紙に対して、合成樹脂の含浸率が38%になるよ
うに樹脂を含浸し、再生皮革紙を作成した。得られた再
生皮革紙の強度、抗菌性、防黴性を実施例1と同様に測
定し、判定した。
【0034】比較例6 実施例1の再生皮革紙基紙の作成方法で得られた再生皮
革紙基紙の強度、抗菌性、防黴性を実施例1と同様に測
定し、判定した。
【0035】比較例7 実施例1の方法で得られた再生皮革紙基紙を使用し、基
紙に対して、実施例1記載の合成樹脂の含浸率が38%
になるように樹脂を含浸し、再生皮革紙を作成した。得
られた再生皮革紙の強度、抗菌性、防黴性を実施例1と
同様に測定し、判定した。
【0036】参考例1 比較例1の方法でアトミーボルSを対再生皮革紙基紙6
%含浸外添した以外は比較例1と同様にして再生皮革紙
を作成した。得られた再生皮革紙の強度、抗菌性、防黴
性を実施例1と同様に測定し、判定した。
【0037】参考例2 比較例2の方法でモルノン1900を対再生皮革紙基紙
6%含浸外添した以外は比較例3と同様にして再生皮革
紙を作成した。得られた再生皮革紙の強度、抗菌性、防
黴性を実施例1と同様に測定し、判定した。
【0038】実施例、比較例、参考例の測定、評価結果
を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【評価】表1から明らかな通り、実施例1は樹脂を38
%含浸、抗菌剤(アトミーボールS)、防黴剤(モルノ
ン1900)を各2%含浸外添することにより、強度、
抗菌性、防黴性が良好であり、実用性の高い再生皮革紙
が得られた。
【0041】実施例2は樹脂を38%含浸、抗菌剤を
0.2%、防黴剤を2%含浸外添することにより、強
度、抗菌性、防黴性が良好であり、実用性の高い再生皮
革紙が得られた。
【0042】実施例3は樹脂を38%含浸、抗菌剤を2
%、防黴剤を0.2%含浸外添することにより、強度、
抗菌性、防黴性が良好であり、実用性の高い再生皮革紙
が得られた。
【0043】実施例4は樹脂を38%含浸、抗菌剤を2
%、防黴剤を0.2%含浸外添することにより、強度、
抗菌性、防黴性が良好であり、さらに消臭性も有する実
用性の高い再生皮革紙が得られた。
【0044】比較例1、比較例3、参考例1は樹脂を3
8%含浸、抗菌剤のみを含浸外添し抗菌効果について比
較した。抗菌剤の添加率が比較例1の2%添加では、抗
菌性能は発現するが防黴性が劣る。参考例1の6%添加
でも比較例1と同様な結果となり、添加量も多いため薬
剤のコスト高になり、実用的でない。
【0045】比較例2、参考例2は樹脂を38%含浸、
防黴剤のみを含浸し抗菌効果について比較した。防黴剤
の添加率が比較例2の2%添加では防黴性の効果は発現
するが抗菌性が劣る。また、参考例2の6%添加でも比
較例2と同様な結果となり、添加量も多いため薬剤のコ
スト高になり、実用的でない。
【0046】比較例4のキトサン0.8%基紙内添で
は、再生皮革紙基紙としては抗菌、防黴性は良好である
が、合成樹脂を含浸していないため強度が劣る。比較例
5のキトサン0.8%内添基紙に合成樹脂を38%含浸
した場合、強度は良好であるが合成樹脂により基紙の表
面が被覆されるため抗菌、防黴性が劣る。
【0047】比較例6の再生皮革紙基紙のみでは、強
度、抗菌性、防黴性共に劣る。比較例7の樹脂含浸のみ
では、強度は良好であるが、抗菌性、防黴性が劣る。
【0048】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明によれ
ば、タンニンなめし皮屑繊維を所定量含有した再生皮革
紙基紙に抗菌剤、防黴剤を特定の数値範囲内に樹脂含浸
外添して担持させることにより強度、天然皮革の風合
い、優れた加工性を有し、かつ抗菌性、防黴性の機能を
有する再生皮革紙が得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンニンなめし皮屑を乾式粉砕した皮屑
    繊維及び発泡体粒子を含有する基紙に抗菌剤及び/又は
    防黴剤を含有する合成樹脂を含浸したことを特徴とする
    再生皮革紙。
  2. 【請求項2】 抗菌剤が無機系抗菌剤であることを特徴
    とする請求項1記載の再生皮革紙。
  3. 【請求項3】 防黴剤が有機系防黴剤であることを特徴
    とする請求項1記載の再生皮革紙。
JP6818698A 1997-10-01 1998-03-18 抗菌性再生皮革紙 Pending JPH11172581A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6818698A JPH11172581A (ja) 1997-10-01 1998-03-18 抗菌性再生皮革紙

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26832197 1997-10-01
JP9-268321 1997-10-01
JP6818698A JPH11172581A (ja) 1997-10-01 1998-03-18 抗菌性再生皮革紙

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11172581A true JPH11172581A (ja) 1999-06-29

Family

ID=26409418

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6818698A Pending JPH11172581A (ja) 1997-10-01 1998-03-18 抗菌性再生皮革紙

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11172581A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070184742A1 (en) * 2005-10-20 2007-08-09 Sustainable Solutions, Inc., (SSI) Corp. of Delaware Composite leather material
US7754625B2 (en) 2006-12-22 2010-07-13 Aglon Technologies, Inc. Wash-durable and color stable antimicrobial treated textiles
CN102080338A (zh) * 2009-09-18 2011-06-01 张楠 一种pu合成革添加剂的制备方法
CN102312391A (zh) * 2011-09-08 2012-01-11 江阴比图特种纸板有限公司 一种洗水纸的生产工艺
CN103147344A (zh) * 2013-03-04 2013-06-12 浙江碧岩环保材料有限公司 再生皮及其制备方法
CN103952943A (zh) * 2014-04-28 2014-07-30 周文彬 一种再生皮革的制造方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20070184742A1 (en) * 2005-10-20 2007-08-09 Sustainable Solutions, Inc., (SSI) Corp. of Delaware Composite leather material
US7754625B2 (en) 2006-12-22 2010-07-13 Aglon Technologies, Inc. Wash-durable and color stable antimicrobial treated textiles
CN102080338A (zh) * 2009-09-18 2011-06-01 张楠 一种pu合成革添加剂的制备方法
CN102312391A (zh) * 2011-09-08 2012-01-11 江阴比图特种纸板有限公司 一种洗水纸的生产工艺
CN103147344A (zh) * 2013-03-04 2013-06-12 浙江碧岩环保材料有限公司 再生皮及其制备方法
CN103952943A (zh) * 2014-04-28 2014-07-30 周文彬 一种再生皮革的制造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6133170A (en) Low density body
US4011130A (en) Leather-like waterlaid sheets containing particulate fillers
JPH11503495A (ja) 微細な粒状充填剤を含有するティッシュペーパー
JPH09500691A (ja) 三成分の生物分解性柔軟剤の混合物で処理されたティッシュペーパー
KR20130121994A (ko) 첨가제 조성물을 함유하는 개선된 셀룰로오스 물품
JP2008522054A (ja) 軟毛パルプ用の可塑化用組成物と、この軟毛パルプから製造された可塑化軟毛パルプ製品
CN109982622A (zh) 用于制造包含纳米丝的纸制品的方法
US5505264A (en) Leather-like hoof pad of composite material
JP2003154589A (ja) 熱膨張性積層体およびその積層体を用いた発泡紙容器
JPH11172581A (ja) 抗菌性再生皮革紙
JPWO2003010384A1 (ja) 嵩高パルプ、その製造方法、該嵩高パルプを用いた加工紙又は多層紙
JPH10245792A (ja) 低密度体
JP2019112756A (ja) 殺菌性高分子ナノファイバー集合体及びこれを用いた乾式衛生用紙
JP2001299409A (ja) 靴の中敷き
JP2002069898A (ja) ファイル・ホルダー用紙及びその製造方法
JP4763651B2 (ja) 含浸用原紙
JP4034967B2 (ja) 化粧用脂取り紙
JP4034966B2 (ja) 化粧用脂取り紙
JPH02502659A (ja) 植物充填材を含む低密度材料
JPH0889675A (ja) 嵩高な再生皮革
KR20190109736A (ko) 소취 시트 및 소취 방법
JP2009299243A (ja) 皮革様シート状物
JPH11124790A (ja) ヘルメット用緩衝材
KR100616186B1 (ko) 항균방취성능이 우수한 인공피혁 제조용 시트의 제조방법
JPH1121600A (ja) 嵩高な再生皮革紙の製造方法