JPH0889675A - 嵩高な再生皮革 - Google Patents

嵩高な再生皮革

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JPH0889675A
JPH0889675A JP22844394A JP22844394A JPH0889675A JP H0889675 A JPH0889675 A JP H0889675A JP 22844394 A JP22844394 A JP 22844394A JP 22844394 A JP22844394 A JP 22844394A JP H0889675 A JPH0889675 A JP H0889675A
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leather
sheet
fiber
foaming
fibers
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Shinichi Koga
慎一 古賀
Shiyouji Hamu
昇次 羽牟
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡性微粒子を、解繊処理を施した皮屑繊維
(コラ−ゲン繊維)に混抄することにより、嵩高な再生皮
革の製造方法を提供する。 【構成】 コラ−ゲン繊維、またはコラ−ゲン繊維と一
緒に混合されているその他の繊維またはパルプ・100部
に対して、平均粒径5〜30μmの発泡性微粒子1〜40部を
配合して抄紙した皮革シ−トを、加熱発泡前の水分量が
65〜75%の状態でシ−トを加熱発泡することにより、密
度が0.1〜0.3g/cm3の均一で嵩高な発泡性粒子を含有す
る再生皮革が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はクロムなめし処理等を行
った、皮革のけずり屑(シェ−ビング屑等)を繊維化した
皮屑を原料とした再生皮革の製造方法に関するものであ
る。更に詳しく述べるならば、本発明は非常に優れたク
ッション性を有し、かつ従来の皮革製品よりも軽量で保
温特性の良好な再生皮革に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、衣類やハンドバッグ、靴等の製造
には天然皮革や合成皮革が広く用いられている。ところ
が天然皮革の場合、製革工程中に発生する固形廃棄物は
原料皮の約80%をも占め、結果としてこの使い道のない
副産物は埋め立て投棄されているのが現状である。しか
し近年、これら副産物の付加価値を高め、より有効に活
用するための資源の有効利用の研究が活発化してきてい
る。
【0003】皮革産業で発生する固形廃棄物(以後、皮
屑と略)の有効利用の一つとして再生皮革の製造があ
る。一般に再生皮革の製造方法には、皮屑を乾式、ある
いは湿式で繊維化させた皮屑繊維(コラ−ゲン繊維)を単
独、または他の天然繊維、再生繊維、合成繊維等と混合
して抄紙機等でシ−ト化(特公昭38-20389、特公昭41-13
872等)するか、または他の繊維と混合したものにエマル
ジョンやラテックスを添加してシ−ト化(特公昭42-525
8、特公昭47-48644等)する方法がある。このようにして
得られた再生皮革シ−トは風合いが天然皮革に近似して
おり、かつ比較的安価で得られるというメリットがあ
る。このような再生皮革を、例えば靴用のインソ−ル材
等に用いようとした場合、足にかかる衝撃を緩衝させる
ためにもクッション性は不可欠であり、このクッション
性を十分に付与することができれば、再生皮革の用途も
かなり拡大できるものと思われる。
【0004】しかしながら従来の製造方法ではいずれも
得られた再生皮革シ−トの密度は高く、特にエマルジョ
ンやラテックスを含浸させたものは樹脂成分がシ−ト中
の空孔を埋めてしまうために密度が高くなり、風合いや
しなやかさこそ本皮革に近似しているものの、十分なク
ッション性が得られないといった問題点があった。そこ
でこのような再生皮革にクッション性を付与する方法と
しては、繊維化された皮屑に合成繊維等を配合すること
により繊維間の結着力を弱め、かつ合成繊維自体の嵩高
さ生かしてシ−トの密度を下げる方法が考えられるが、
これではまだ得られるシ−トの密度の低さが不十分であ
る。また発泡性高分子と混合して、加熱発泡させるとい
う方法も考えられるが、この場合どうしても発泡性高分
子の割合が多くならないと期待するほどの低密度シ−ト
が得られ難く、さらに昨今の環境汚染防止の動きから、
自然に分解したり燃焼しても汚染物質や煤煙等がでにく
い製品への要求が強い現在では、必ずしも最適な方法と
はいえない。
【0005】またこの他にも、抄紙機等によって作製し
た皮革シ−ト上に発泡性微粒子を含む塗料を塗被、乾燥
した後、皮革シ−トを加熱処理して該塗被層を発泡させ
る方法(特公開58-93800)も考えられるが、この方法を用
いて皮革シ−トにクッション性を持たせるためには、塗
被層をかなり厚くしてやる必要があり、実際の工程を考
えた場合、またコストの面でも生産性の良い方法とは言
えない。このようなことから、軽量でクッション性、保
温性に優れた、密度が0.1〜0.3g/cm3の嵩高な再生皮革
はまだ知られておらず、その開発が要望されている。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の再
生皮革において、コラ−ゲン繊維を水媒体中に分散した
スラリ−に、液体を芯物質とする発泡性微粒子を混入し
て抄紙した皮革シ−トを加熱発泡させることにより、シ
−トの密度が0.1〜0.3g/cm3のクッション性のある嵩高
な再生皮革を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、皮革加工にて
発生する皮屑(シェ−ビング屑等)を繊維状に解繊して
水媒体中に分散してスラリ−とし、該スラリ−を抄紙機
によりシ−ト化した再生皮革において、前記スラリ−に
液体を芯物質とする発泡性微粒子を配合してシ−ト化
し、該シ−トの水分含有率を65〜75%に調整した後に加
熱乾燥し、密度を0.1〜0.3g/cm3とすることを特徴とす
る嵩高な再生皮革に関するものである。
【0008】本発明者等は、いかに独立気泡に近い空気
層を再生皮革シ−トに与えて嵩高さを付与したら良いの
か検討を重ねた結果、中空粒子や発泡性微粒子を皮革繊
維と混抄して皮革繊維全体に分布させ、シ−ト全体を発
泡状態にすることにより、密度を従来のものよりも小さ
くすることが可能であり、かつ発泡性微粒子自体が持つ
弾力性の効果も重なってクッション性が大幅に改善され
ることが分かった。しかし、この皮革層全体を発泡状態
にする方法のうち中空粒子等を混抄する方法は、中空粒
子等が皮革や皮革と混合する他の繊維との間で比重差が
ありすぎて巧く均一に抄紙することが難しく、余り生産
には向かない。一方、発泡性粒子を混抄する方法は、加
熱発泡する前の水分量を、一般の抄紙の乾燥での水分量
よりも相当量多くしてドライヤ−に送ることにより、発
泡性に優れた皮革シ−トを製造することが可能である。
【0009】上記のように皮革シ−トを発泡させる製造
方法としては、水分量を所定量に調整後にドライヤ−マ
シ−ン上で乾燥と同時に発泡を行う方法と、発泡が起き
ない程度の低温で乾燥を行い、その後再び含水させて水
分量を所定量に調整した後ドライヤ−パ−トへ送る二通
りの方法がある。以下に、本発明の製造方法を詳しく述
べる。
【0010】本発明に使用される皮屑は、乾式によって
解繊する。この場合原料である皮屑は、シェ−ビング屑
等の本皮革の製革工程の際に発生したものを、5〜10mm
巾程度の大きさに細片化し、水分は30%以下で解繊する
ことが望ましい。これは解繊した繊維がダマ状になるこ
とを防止し、解繊動力を少なくするためである。またこ
の時に使用する本皮革の種類としては、別に制限はな
く、どのような動物の皮革でもよく、またどのような部
位の皮革でも使用可能である。解繊は粉末化を伴わずに
出来る方法、例えばクラッシャ−、ミル等を改良した例
えばハンマ−ミル型解繊機を用いて解繊する。また皮屑
をシ−ト化した際に発生する粉落ちを防止するために、
乾式によって解繊したコラ−ゲン繊維からふるい分けな
どにより微粉末を除去しても良い。解繊したコラ−ゲン
繊維は条件によっても異なるが、通常の条件での繊維長
はおよそ1〜50mm程度である。また解繊の前あるいは後
に、適当な染顔料でコラ−ゲン繊維を着色しておくこと
もできる。
【0011】本発明においては、得られたコラ−ゲン繊
維を水媒体中に分散してスラリ−を調製する際、皮革シ
−トの物理的強度を向上させる目的で他の繊維やパルプ
等、通常の製紙で使用されるものを混入しても何等差し
支えない。例えば、針葉樹や広葉樹の化学パルプや機械
パルプ等の木材パルプ、古紙パルプ、麻や綿等の非木材
天然パルプ、ポリエチレン、ポリプロピレン等を原料と
した合成パルプ、またアクリル繊維、レ−ヨン繊維、フ
ェノ−ル繊維、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維等の
有機繊維、ガラス繊維、炭素繊維、アルミナ繊維等の無
機繊維、ポリエチレン、PET等の熱融着繊維等を挙げ
ることができ、必要であればこれらを組み合わせて使用
することが可能である。しかしながら本来の皮革のしな
やかさや風合いを生かすにはコラ−ゲン繊維を50重量%
以上配合した方が好ましい。
【0012】本発明に使用する発泡性微粒子は、マイク
ロカプセル内に低沸点溶剤を封入した熱膨張性マイクロ
カプセルである。このカプセルは、80〜200C゜の比較的
低温度で短時間の加熱により、直径が約4〜5倍、体積が5
0〜100倍に膨張する平均粒径5〜30μmの粒子である。低
沸点溶剤としてはイソブタン、ペンタン、石油エ−テ
ル、ヘキサン、低沸点ハロゲン化炭化水素、メチルシラ
ン等が挙げられ、マイクロカプセルはこれら揮発性有機
溶剤(膨張剤)を塩化ビニリデン、アクリロニトリル、ア
クリル酸エステル、メタクリル酸エステル等の共重合体
から成る熱可塑性樹脂で包み込んだ構造を形成してる。
このため、マイクロカプセルの膜ポリマ−の軟化点温度
以上に加熱されると膜ポリマ−が軟化しはじめ、同時に
内包されている膨張剤の蒸気圧が上昇し、膜が押し広げ
られてカプセルが膨張する。熱膨張性マイクロカプセル
は比較的低温、短時間で膨張して独立気泡を形成し、密
度の低い、嵩高なシ−トを提供でき、また比較的扱い易
いので、本用途には最適である。
【0013】これらの発泡性粒子として、マツモトマイ
クロスフェア−F−30D、同F−30GS、F−20
D、F−50D、F−80D、(松本油脂製薬(株)製)、
エクスパンセルWU、同DU(スウェ−デン製、販売元
日本フェライト(株))が知られているが、もちろんこれ
らに限定されるわけではない。
【0014】発泡性微粒子の配合量は、コラ−ゲン繊維
を主成分とするスラリ−中の繊維分100重量部に対し
て、1〜40重量部、好ましくは3〜20重量部であり、1重
量部以下では十分な発泡が得られず、40重量部以上では
経済性の面からあまり適当とは言えない。コラ−ゲン繊
維を主成分としたスラリ−中には発泡性粒子の他に、各
種のアニオン性、ノニオン性、カチオン性、あるいは両
性の歩留まり向上剤、紙力増強剤等が適宜選択されて使
用される。
【0015】具体的には、紙力増強剤、歩留まり向上剤
として、ポリアクリルアミド系のカチオン性、ノニオン
性、アニオン性および両性の樹脂、ポリエチレンイミン
およびその誘導体、ポリエチレンオキサイド、ポリアミ
ン、ポリアミド、ポリアミドポリアミンおよびその誘導
体、カチオン性および両性澱粉、酸化澱粉、カルボキシ
メチル化澱粉、植物ガム、ポリビニルアルコ−ル、尿素
ホルマリン樹脂、メラミンホルマリン樹脂、親水性のポ
リマ−粒子等の有機系化合物、および硫酸バンド、アル
ミナゾル、塩基性硫酸アルミニウム、塩基性塩化アルミ
ニウム、塩基性ポリ水酸化アルミニウム等のアルミ化合
物、さらに硫化第一鉄、塩化第一鉄、あるいはコロイダ
ルシリカ、ベントナイト等の無機系化合物を組み合わせ
て使用することができる。これら以外にも、染料、PH
調製剤、消泡剤、粘剤等の抄紙用助剤も用途に応じて使
用できる。
【0016】さらに本発明においては、これらの他に合
成樹脂エマルジョン、合成ゴムラテックス、または天然
ゴムラテックス等をスラリ−中に混入するか、または皮
革シ−トを作製した後にサイズプレスやゲ−トロ−ル等
の塗工方法にてシ−ト表面に塗布、または含浸機を用い
てシ−ト中に含浸させることも可能である。この時に使
用される合成樹脂エマルジョンとしては、例えばアルキ
ッド樹脂、アクリル樹脂、ビニル系樹脂、セルロ−ス系
樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げら
れ、また合成、天然ゴムラテックスとしては、クロロプ
レンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、NBRやS
BR等のジエン系共重合体ラテックス等が挙げられる。
この場合の塗布量、または含浸量としては、エマルジョ
ンまたはラテックスの固形分比が皮革シ−トの絶乾重量
に対して5〜40%程度が適している。
【0017】以上の構成原料を主原料として用いて皮革
シ−トを抄紙するが、目標とする坪量は25〜400g/m2
の範囲で適宜選択する。
【0018】まず、本発明の第一の製造方法としては、
抄紙工程のワイヤ−パ−トでシ−ト化した後、プレスパ
−トにより脱水する。通常の抄紙では後の乾燥を容易に
するために、ここで水分量を抄紙シ−トの60%前後にま
で落とすが、本発明ではシ−ト全体に均一に熱を与え、
かつ繊維同志の絡みつきを余剰水分によって緩和させて
発泡性微粒子が熱膨張しやすいようにするために緩めに
プレスを行い、水分量を65〜75%に調整する。この時水
分量が75%をを越えると、シ−トの乾燥に時間がかかり
すぎて工程上、適当ではない。このように乾燥前のシ−
トの水分を65〜75%と高水分量にすることはいわゆる一
般の抄紙の常識からははずれているが、シ−トを均一に
発泡させるためには必要不可欠な条件である。
【0019】その後、ドライヤ−パ−トにシ−トを送っ
て乾燥処理を施し発泡させるが、その温度としてはマイ
クロカプセルの最高発泡温度±30℃の範囲にあることが
好ましい。例えば、マツモトマイクロスフェア−F−3
0Dでは、130±30℃にあることが好ましく、特に110〜
140℃にあることが望ましい。
【0020】本発明の第二の製造方法としては、まず抄
紙工程のワイヤ−パ−トで皮革をシ−ト化した後、プレ
スパ−トで通常の60%前後の水分にまでできるだけ脱水
し、その後発泡剤を発泡させない温度範囲で乾燥し、未
発泡皮革シ−トを製造する。このときの水分量は、50〜
5%の範囲にあれば製造上問題はない。
【0021】次いで、再び水分をこの未発泡皮革シ−ト
に与えて65〜75%に調整した後、第一の方法と同様に、
ドライヤ−を通して乾燥処理を行い、発泡性微粒子を加
熱・発泡させる。この方法で、未発泡皮革シ−トをを製
造するためのドライヤ−、または熱風乾燥機の温度とし
ては、発泡剤の最高発泡温度よりも40℃以上低いことが
望ましく、次いで皮革シ−ト発泡させるための温度とし
ては、第一の方法と同様、最高発泡温度±30℃にあるこ
とが望ましい。例えばF−30Dを使用するときは、未
発泡皮革シ−ト製造には80℃以下で、またこの皮革シ−
トを発泡させるときには130℃±30℃であることが望ま
しい。この第二の製造方法は、抄紙する抄紙機の速度が
速かったり、乾燥の最高温度があまり高くできない場合
に好ましく、ここで挙げる発泡皮革シ−トの製造方法に
はヤンキ−ドライヤ−等の、低速だがドライヤ−温度を
高くし易い抄紙機を利用したり、また発泡皮革シ−トに
シワが入りにくいように通紙ラインを工夫したものを使
用できる等の利点があり、有用である。
【0022】
【作用】本発明による再生皮革は、発泡性微粒子を含有
するので皮革シ−トの内部に球状の独立したセル構造を
とる空隙を有している。この空隙は、皮革シ−トに衝撃
が加わると、圧縮されて一時的に潰れた状態となる。従
って、この空隙により加わった衝撃が緩和されるため
に、本発明の再生皮革は軽量で優れたクッション性を有
するものとなる。
【0023】
【実施例】下記実施例により本発明の構成および効果を
更に説明するが、もちろん本発明はこれらの態様に制限
されるものではない。 実施例1 本皮革のシェ−ビング屑を原料とし、これを機械的破砕
処理によって解繊して得たコラ−ゲン繊維を、カナダ標
準濾水度(CSF)600mlに叩解して水中に分散した。
このコラ−ゲン繊維のスラリ−中に、同じくカナダ標準
濾水度(CSF)600mlに叩解した針葉樹パルプ(NBK
P)を重量比で80:20の割合になるように混合し、パルプ
及びコラ−ゲン繊維の混合スラリ−とした。さらにこの
スラリ−に発泡性粒子(松本油脂製薬(株)製、マツモト
マイクロスフェア−F−30D、粒径10〜20μm、最高
発泡温度130C゜)10部、乾燥紙力増強剤(荒川化学工業
(株)製、ポリストロン191)0.2部、湿潤紙力増強剤
(日本PMC株式会社製、WS−570)0.3部をよく攪
拌しながら添加し、繊維濃度0.03%に調整したものを抄
紙原料とした。
【0024】得られた抄紙原料を用いて、常法に従って
角型手抄きシ−トマシ−ン(100メッシュ)により坪量400
g/m2の皮革シ−トを抄紙し、1kg/cm2で1分間プ
レスした後、濾紙を挟んで5Kgのク−チロ−ルを転が
し、濾紙数枚とロ−ル使用回数を変えることにより水分
量を70%に調整した。その後、表面温度140〜150℃のラ
ボプレス機(商標:ラボプレス30T、東洋精機製作所
製)で乾燥処理(プレス時間:120秒、加圧:2.8kg/c
2)を行い、皮革シ−トを得た。その後、JISに従
い、坪量、厚さ、密度、初期圧縮弾性率、圧縮変形率50
%時の圧縮応力を測定し、また発泡ムラの有無を目視で
評価した。
【0025】初期圧縮弾性率、圧縮変形率50%時の圧縮
応力の測定方法本測定は、JIS Z 0234「包装
用緩衝材料の静的圧縮試験方法」に準じた方法で行っ
た。得られた各々の皮革シ−トに対し、圧縮試験機(商
標:STROGRAPHM−2、東洋精機製作所製)を
用いて圧縮変形率と圧縮応力の関係を求め、クッション
性の評価を行った。この場合、圧縮試験に用いる試料の
形状は50×50×(厚さ)mmとし、また圧縮試験時の圧縮
速度は1mm/minとした。この試験結果から初期圧
縮弾性率E、およびシ−トの圧縮変形率が50%に達した
時の圧縮応力σを求め、表1に示した。ここで初期圧縮
弾性率Eとは、シ−トが縮み始めてから、圧縮応力−圧
縮変形率(応力・歪曲線)の関係が比例限界に達するま
での傾きの大きさを意味している。この初期圧縮弾性率
E及び圧縮応力σは共に値が低いほどクッション性が良
好であると言える。
【0026】比較例1 発泡剤を添加しないこと以外は、実施例1と同様の手順
で皮革シ−トを作成し、物性を測定した。 比較例2 プレス後に、挟む濾紙の枚数を変えてク−チロ−ルによ
り水分量を50%に調整した以外は、実施例1と同様の手
順で皮革シ−トを作成し、物性を測定した。 比較例3 プレス後に、挟む濾紙の枚数を変えてク−チロ−ルによ
り水分量を85%に調整し、乾燥のためにラボプレス機の
プレス時間を200秒にしたこと以外は、実施例1と同様
の手順で皮革シ−トを作成し、物性を測定した。
【0027】実施例2 発泡剤の添加量を20部にした以外は、実施例1と同様の
手順で皮革シ−トを作成し、物性を測定した。 実施例3 坪量を200g/m2にした以外は、実施例1と同様の手順
で皮革シ−トを作成し、物性を測定した。 実施例4 実施例1と同様に、発泡乾燥処理を行った皮革シ−トに
含浸機を用いてNBR(商標:ラックスタ−DN−70
3、大日本インキ化学工業(株))を、固形分が皮革シ−
トの絶乾重量に対して10%の含浸量になるように含浸さ
せ、乾燥機にて皮膜乾燥(105C゜、5min)させた後に、得
られた皮革シ−トについてJISに従い、坪量、厚さ、
密度、初期圧縮弾性率、圧縮変形率50%時の圧縮応力を
測定し、また発泡ムラの有無を目視で評価した。
【0028】実施例5 抄紙原料となるスラリ−の成分をコラ−ゲン繊維80%(C
SF:600ml)、PAN繊維20%(未叩解)として調整した
以外は、実施例1と同様の手順で皮革シ−トを作成し、
物性を測定した。 実施例6 添加する発泡剤をF−20D(松本油脂製薬(株)製、マ
ツモトマイクロスフェア−F−20D、粒径10〜20μ
m、最高発泡温度120C゜)に変えた以外は、実施例1と同
様の手順で皮革シ−トを作成し、物性を測定した。 実施例7 実施例1と同様にプレス後の水分量を調整後、表面温度
を80℃前後に落としたロ−タリ−ドライヤ−((株)エフ
シ−製作所、速度0.36cm/s)で水分を乾燥させた未発泡
皮革シ−トを作成し、その後再び含水させて水分を70%
にし、表面温度140〜150℃のラボプレス機を用いて発泡
乾燥処理を行った。得られた皮革シ−トについてJIS
に従い、坪量、厚さ、密度、初期圧縮弾性率、圧縮変形
率50%時の圧縮応力を測定し、また発泡ムラの有無を目
視で評価した。
【0029】比較例4 再含水後の水分量を50%にした以外は、実施例7と同様
の手順で皮革シ−トを作成し、物性を測定した。これら
の結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の再生皮革は、液体を芯物質とす
る発泡性粒子を含有しているので、この粒子を高水分存
在下で加熱発泡させることにより皮革シ−ト中に均一な
独立気泡を形成させることが可能であり、従って従来よ
りも低密度で、クッション性、保温性に優れた再生皮革
を作成することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 皮革加工にて発生する皮屑(シェ−ビン
    グ屑等)を繊維状に解繊して水媒体中に分散してスラリ
    −とし、該スラリ−を抄紙機によりシ−ト化した再生皮
    革において、前記スラリ−に液体を芯物質とする発泡性
    微粒子を配合してシ−ト化し、該シ−トの水分含有率を
    65〜75%に調整した後に加熱乾燥し、密度を0.1〜0.3g/c
    m3とすることを特徴とする嵩高な再生皮革。
JP22844394A 1994-09-22 1994-09-22 嵩高な再生皮革 Pending JPH0889675A (ja)

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