JP2007262638A - 皮革繊維が融合した手漉き和紙及びその製法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】皮革製品の生産工程から排出された皮革製品の切れ端等であって、植物タンニンで鞣されたもののみを原材料に選定してこれを裁断・破砕することにより、短繊維に加工し、この加工した短繊維と和紙の原料である雁皮、楮、三椏等から得た植物繊維を混合し、これを紙漉き槽内に投入して伝統的な手法により手漉きを行い、皮革繊維が融合した手漉き和紙を得る。
Description
この結果、現在、鞄等の皮革製品の生産工程で排出される切れ端は、肥料の原料として用いられたり、使用されなくなった鞄等の皮革製品は、焼却処分されていて、いずれも、再利用はなされていない。そこで、このようにして処分される皮革を手漉き和紙と融合させて、手透き和紙のイメージや品質の改善に再利用できないものかと考えた。
例えば、貼り合わせの場合、片面(皮革側)には和紙の良さが全く現れないことになり、伝統的な和紙の良さを存分に発揮した製品とはならず、大きな需要増は望めない。
また、ただの貼り合わせのために、厚みが増し、加工がしにくく、重量も増すため、用途は限られる。
また、皮革の切れ端や廃棄された皮革製品の場合、その形状及び厚さは種々雑多あり、これを和紙に貼り合わせて一定の製品に仕上げるのは難しい。
更に、第二の目的は、従来であると肥料にされたり、焼却処分されていた皮革の切れ端や、使用が終った皮革製品を有効に再利用することである。
更に、第三の目的は、これまでにない質感と機能を持った皮革繊維が融合した手漉き和紙を提供することである。
その他、着色や模様、金箔等の装飾あるいは撥水性、耐熱性、耐摩耗性を高めたり、美術品や土産品、あるいは建物や飛行機、自動車等の乗物の内装材としての用途に適した皮革繊維が融合した手漉き和紙を提供することである。
1.衰退傾向にある手漉き和紙の需要拡大と、伝統的な手漉き和紙の製作技術の伝承を 図ることができる。
2.和紙としての特徴を活かしながら皮革繊維の融合により、和紙以上に機械的な強度 が向上し、撥水性、耐熱性も増し、和紙としての欠点である強度、吸水性、易燃性を 改善できる。
3.手漉き和紙の生産地の拡大により、地場産業の振興に寄与できる。
4.皮革の切れ端や皮革製品のリサイクル利用の途が開ける。
原材料としては、やはり伝統的に用いられている雁皮、楮、三椏の靭皮繊維となる。因みに、これら3種の靭皮繊維の特徴は次の通りである。
雁皮…繊維は微細にして滑沢あり、きわめて軽薄にしてかつ粘着性に富む。これをもっ て製した紙は繊維固有の光沢をもち、紙質が緊縮して、明度に富み、かつ湿潤状 態においても非常に強靭であり、永久保存にも耐える。色はやや黒いが、よく墨 汁を受け、永年虫害を受けないといわれている。
楮 …繊維が優美でしかも細長く、きわめて強靭なるため和紙の優れた外観と実質とを 兼ね備える。
三椏…繊維は楮に比して、長さが短く、強度も多少劣るが処理方法が容易な利点がある 。
本発明においては、上記雁皮、楮、三椏は、単独で又は組み合わせて用いることができる。また、麻も原材料として、単独で、又は上記3種の原材料に混合して用いることもできる。
このような原材料となる皮革は、着色や薬品処理されたものもあるため、表皮は剥ぎ取り、内皮を使用する。この内皮はそのままでも良いが、一旦充分に晒しを行って不純物を除去し、乾燥したものを裁断機及び破砕機を用いて何段階かに分けて破砕しながら最終的には、1.5mm〜2.5mm程度にその長さが整えられた繊維状のものとする。
上記晒しに際しては、漂白剤や脱臭剤を用いても良く、これは用途により適宜選択される。
植物繊維と皮革繊維は、良く攪拌を行い、均一な混ざり具合とすることが必要である。
手漉きが終了した後の圧搾、乾燥工程は伝統的な手漉き和紙の製法と同じであるが、皮革繊維が融合している分、時間及び温度等の調整が必要な場合もあり、原則として上記手漉きも含めて、伝統的な勘と技が支配する分野である。
この新規素材(手漉き和紙)は、そのまま使用しても良いが、表面に着色剤を用いて着色したり、あるいは金箔を貼り付けたり、常法で撥水加工を施したり、型押しを行ったりして付加価値の高い製品とすることができる。
和紙の原木として、本実施例では楮を使用した。この楮の樹皮を剥がし、次に黒皮の 表皮をこそぎ取り、白皮を得る。
第二工程
白皮を水洗いして不純物を溶かし流し、次に木炭・ソーダ灰の溶液中に白皮を入れて 、煮熟を行い、不純物を除去する。
第三工程
次に、煮熟した白皮を水洗いして更に不純物を除去し、再び水中に浸して屑を除去す る。
第四工程
十分柔らかくなった白皮を叩き、繊維を十分にほぐす。このときの繊維の長さの平均 は、約7.3mmである。
一方、皮革は、原皮の表皮をこそぎ取り、内皮を裁断機にかけて先ず約15mmの長 さにカットし、次に再び裁断機にかけて約5mmにカットしたあと、破砕機にかけて約 2mmにカットし、このカットしたものを2mmの選別用の網を経由してブロアにより 引き、繊維の長さを2mmに整え、この整えた皮革繊維を計量し、前記楮繊維に対して 重量比で1:1となるように混合する。
第五工程
上記楮繊維と皮革繊維の混合繊維を漉槽に入れ、更にネレを入れて良く攪拌し、漉き 簀と桁を用いて混合繊維を簀上にすくい上げる。
なお、本実施例においては、楮繊維と皮革繊維は、繊維の状態のときに混合したが、 楮繊維を漉槽内に投入し、その後で皮革繊維を槽内に投入し、両繊維を槽内において良 く攪拌し、融合させるようにしても良い。
第六工程
漉き上げた紙(繊維)の水分を圧搾して除去し、そのあと板に張り、天日乾燥又は温 室乾燥、又は火力乾燥を経て製品に仕上げる。
なお、雁皮及び三椏の繊維の長さは、実施例で用いた楮繊維の長さより短いので、皮革繊維の長さも、上記2mmよりも短く調整することが必要である。但し、この皮革繊維の長さは、植物繊維の長さよりも長くなると和紙のイメージが崩れるため、植物繊維の長さよりは短いものを用いることが必要である。
この製品は、そのまま用いることもできるが、用途に応じてエンボス加工、着色、金箔を貼ったり、撥水加工等の付加価値を高める工夫を行って製品とすることができる。
1.金箔等を貼り合わせた美術、工芸品
2.鞄、小物入れ、手帳、ノート、本の表紙、その他の事務用品
3.被服
4.住宅の内装材
5.飛行機、自動車の内装材
Claims (3)
- 皮革を裁断・破砕することにより短繊維に加工し、この短繊維に加工した皮革繊維を和紙の原材料である植物繊維と混合し、その上で伝統的な手法により手漉きを行って得る皮革繊維が融合した手漉き和紙の製法。
- 請求項1において、皮革は、植物タンニンで鞣されたものであることを特徴とする皮革繊維が融合した手漉き和紙の製法。
- 皮革を裁断・破砕することにより短繊維に加工し、この短繊維に加工した皮革繊維を和紙の原材料である植物繊維と混合し、その上で常法により手漉きを行って得た皮革繊維が融合した手漉き和紙。
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