JPH09119082A - 皮革粉を形成する装置 - Google Patents

皮革粉を形成する装置

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JPH09119082A
JPH09119082A JP29887195A JP29887195A JPH09119082A JP H09119082 A JPH09119082 A JP H09119082A JP 29887195 A JP29887195 A JP 29887195A JP 29887195 A JP29887195 A JP 29887195A JP H09119082 A JPH09119082 A JP H09119082A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮革原料から湿式抄紙用の皮革粉を製造す
る。 【解決手段】 回転歯の凹凸歯が、該固定歯の凹凸歯よ
り、該回転歯の半径方向のわずかに内側に位置し、回転
歯の凹凸歯及び該固定歯の凹凸歯が、平坦な面を有する
複数の凸部と、該凸部の間の凹部とを有し、平坦な面の
少なくとも一方の縁に刃部が設けられている。皮革原料
を裁断解繊して繊維細粉を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮革原料から、湿式抄
紙用の皮革粉を製造するための装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来、利用方法が見当らず、大量に廃棄さ
れていた皮革屑を粉末化して繊維状とする。湿式抄紙用
原料として、製紙メーカーでは皮革紙・皮革ボード等を
作り、また塗料用顔料、静電植毛用原料、皮革紙、皮革
糸等として再利用を図るものである。従来、皮革粉を均
一な長さの繊維状にパルプ化したものを、工業的に利用
できる程度に、効率的に得ることができなかった。また
機械装置も開発されていなかった。
【0003】また皮革を単に粉末化しただけでは、脂肪
を含み、水中に投入してもすぐに浮き上がり、水中に分
散させることができなかった。濾水度も低く、湿式抄紙
の原料とすることができなかった。
【0004】本発明の発明者は、従来皮革の上記欠点を
解決するものとして、網様層の皮革繊維の濾水度が70
0ml(JIS P8121パルプの濾水度試験方法に
よる値)以上であり、ムコイドの含有率が1.0重量%
以下である皮革を提供し(特許第1,783,854
号)、更に、上記性能を示す皮革処理剤を提供した(特
許第1,820,516号)。この皮革処理剤で処理し
た皮革並びに皮革粉末は、水中に容易に沈降・分散する
ので、湿式抄紙に適する皮革の繊維状粉末である。製紙
メーカー各社で各種の湿式抄造試験の結果から十分に工
業的な湿式抄紙が可能なことが明らかになった。
【0005】しかし、抄紙に適する皮革の粉末化技術が
なく、各社で従来からある粉砕機で粉末化の実験を行っ
てきたが、抄紙原料に適する皮革の繊維長さが0.5〜
10mmに揃った皮革粉を効率的に造ることができなか
った。
【0006】皮革繊維の微細構造は、コラーゲンモノフ
ィラメント(トロポコラーゲン:分子量約30万、分子
の長さ3000A、太さ15Aの3重らせん構造のアミ
ノ酸結合物)が何体も集まってフィブリルを形成し、フ
ィブリルの直径は約1000Aでこれが数100本集合
して、直径約5μmのエレメンタリー・ファイバーとな
り、さらに集合してファイバーとなり、最終的には直径
約0.1mmファイバー・バンドルを形成しこれが交絡
構造を持っている。これが集まって太い繊維状となって
数cmに達する。通常は、樹木のように肉面側が太く、
表皮(銀面)側が細い繊維になり、枝分かれして、互い
に複雑に絡み合いさらに部分的に架橋している。この繊
維は丈夫で耐屈曲性に富み、吸放湿性が高く、保温性、
耐摩耗性が良く、自己消火性を有するなどの優れた性質
を持つ。
【0007】従来、皮革繊維の構造、性質を良く理解せ
ずに、木材パルプ同様に単に機械的に粉末化して抄紙用
として検討してきた。このため濾水度が極端に悪くなっ
たり、水中への分散が悪く、かつ縄状の紐が生じた。例
えば、湿式法で粉末化すると、コラーゲン繊維のファイ
バー・バンドルを破壊し、微細繊維がすぐに出てきてし
まい、絡み合って縄状の紐になり、また濾水度が急激に
下がり、湿式抄紙に適するものが5%程度しか得られな
かった。
【0008】特に湿式回転式リファイナーでは紐状物が
多く、湿式ビーターを通すと濾水度が悪くなる。これら
の実験結果から湿式法による粉末品は、湿式抄紙原料と
しては適さず、良品の得られる割合が少なく、効率的粉
末化法とは言えなかった。
【0009】乾式粉砕による粉末化法でも、硬い岩石を
粉末化する擂り潰し方法ではファイバー・バンドルが壊
れ、木材チップからパルプを作る解繊方式でも、揃った
繊維長でファイバー・バンドルをあまり破らず適当な太
さに粉末化することが難しく、効率よく、湿式抄紙に適
する皮革繊維粉を得ることができなかった。
【0010】本発明の発明者は、湿式抄紙に適する皮革
繊維粉末を効率よく得る目的で開発を進めた。
【0011】即ち、皮革繊維長さ0.1〜10mm、好
ましくは1〜5mmのものが90%以上であって、かつ
皮革繊維を形づくっているファイバー・バンドルを適当
に解繊して皮革繊維の太さが数μm〜数10μm、長さ
0.5mm〜20mmアスペクト比(太さと長さの比)
1:50以上の繊維状粉末を得ることにある。このほか
に、でき上がった皮革繊維粉は、絡み合わず、縄状の紐
になり難く、水中に容易に分散できるもので、濾水度が
高くなければならない。また、皮革繊維粉良品の得られ
る効率が90%以上を得ることを目的として開発を行っ
た。
【0012】そして、各種粉末機を用いて皮革粉を造
り、湿式抄紙試験を行って検討を重ねてきた。その中で
は、乾式ターボカッターで粉砕した粉末が最も好ましい
形状を示していた。しかし、市販のターボカッターを用
いた場合には、カッターの刃の間隙、刃の数、刃の配列
等、種々の組合わせを行い検討したが、最適の組合わせ
を行っても、収率50%を得ることがて難しかった。ま
た、コラーゲン繊維は随所で架橋していたり、きつく絡
み合っていて、この部分は粉末化しても硬い塊状となっ
て、繊維状物として得られなかったし、また、縄状の紐
を作る種となって、大きな紐や塊を生じる原因となって
いた。
【0013】粉砕して、目的とする皮革粉末を得るに当
たり、供給原料皮革の含水率によって、切削・切断が均
一になりがたく、得られた粉末の流動性や絡み合い方が
かなり異なり、作業性や分級に困難を生じた。
【0014】供給原料皮革や皮革屑、床並びに床屑など
のうち、シェービング屑のように薄く細断されたものだ
けではなく、幅広い物、細長い物、短片状になった物な
ど種々雑多な形状で供給される。これらの物を直接、裁
断解繊装置に掛けても効率よく自動的に皮革粉を得るこ
とが難しい。このため、粗粉砕切削機の開発が必要であ
った。当初は微粉解繊機に掛けられる形状に切断できれ
ばよいと考え、細長い糸状に切断できる装置により試験
を繰り返したが、絡み合って塊が生じ、効率よく原料革
を裁断解装装置に供給することが難しかった。
【0015】従来の粗切断装置により0.5〜20mm
の繊維長さに切断、粉砕しても前述の部分的に架橋して
いたり、きつく絡み合っている塊状物を完全に繊維状に
することは難しく、このものは湿式抄紙後に紙面に凹凸
が生じ、平滑性を低下させ、地合いが悪くなるため除去
が必要であった。抄紙後の皮革紙の用途によって、皮革
繊維の長さが0.5mm以下のもの、0.5〜3mmのも
の、1.0〜5mmのもの、3〜20mmのものと、要
求される繊維長も、さまざまであり、効率よく分級する
必要が生じた。
【0016】皮革屑を単純に0.5mm〜5.0mmの長
さに切断しただけでは、直径の太い皮革繊維が多く、好
ましいアスペクト比の混入割合が少ないため、このもの
を用いて、連続して湿式抄紙を行って得られた皮革紙
は、紙面からボロボロと皮革繊維粉が脱落し、表面性の
良い皮革紙は得られない。連続湿式抄紙を行っていると
き、あるいは抄紙した後に、バインダー樹脂を噴霧また
は含浸させることによって、かなり皮革繊維粉の脱落は
押さえられるが、コスト面、紙の品質面、用途面、製紙
工程での作業性から採用されがたい。どうしても、適当
なアスペクト比を有しながら皮革繊維の太さが数10μ
m以下、40μm〜3μmの範囲の物が望まれる。
【0017】皮革は、生体時に作られた網様層の構造
上、肉面側の皮革繊維(コラーゲン線維)が太く、表面
(外側の銀面側)は細い。この表面側は、汎用皮革とし
て使用されるため、皮革屑としての抄紙用紙原料として
は、肉面側が多く利用される。この太い皮革繊維を解繊
して、連続湿式抄紙に適する太さにする必要が生じたた
め、裁断解繊機が求められた。
【0018】分級は、湿式分級機(フラットスクリー
ン)で行うと、要求される繊維長のものが得られること
を見出したが、使用水量が多く、かつ分級能率が極端に
悪く、とても工業的に利用することが難しかった。この
ため、乾式分級方式の検討を行った。平網式振動ふるい
機では、投入原料皮革粉繊維粉が綿状になっており、目
詰まりを生じ、工業的に利用できる効率的な分級は、困
難であった。次に、エアーブロー方式でサイクロン等に
より、空気圧に差を生じさせて、分離させることを試験
したが、繊維長が揃ったものでは良いが、長短さまざま
入り混じった、綿状になったものの分級が難しかった。
【0019】分級品の圧縮機、分級された皮革粉末は、
見掛け比重が小さく、フワフワであって、袋詰めを行っ
ても嵩高で重量を増すことは難しく、梱包、運送費の削
減を求められ、圧縮機の開発を要した。さらに圧縮し
て、板状、塊状にした物を湿式抄紙時に容易に水中分散
が必要であり、バインダー兼分散剤の付着が必要であっ
た。
【0020】
【課題及び課題を解決するための手段】
1)連続湿度調整装置 供給する被粉砕原料皮革並びに皮革屑の含水率を一定の
含水率範囲に納めなければ、次工程での粗粉砕・微粉砕
解繊・分級が効率よく進められなかった。皮革は蛋白質
コラーゲンからなり、含水率が多い状態のまま高温に曝
すと、分解、変質を生じ、ゼラチンとなりやすい。クロ
ム鞣しを行った皮革でも110℃以上に加熱すると皮革
繊維が縮み変形する。タンニン鞣し、フォルマリン鞣
し、油鞣し、みょうばん鞣しの順に耐熱温度が低下して
くる。クロム鞣しにおいても本来の皮革繊維の形状を保
持させるには80℃、できれば70℃以上に被繊維温度
を上げることは望ましくなく、皮革を高温にさせない
で、脱水させなければならない。
【0021】また皮革は、吸放湿性が高く、高湿度下で
は、含水量が増す。粉砕に当たっても、含水率の高い状
態では、高温に曝すことはできない。粉砕時の摩擦熱に
よっても発熱してしまう。含水量が著しく低い場合には
顕著な発熱が見られる。
【0022】これらのことから、被粉砕供給原料皮革の
含水量は10〜100重量%、望ましくは20〜80重
量%にして置くことが必要なことがわかった。
【0023】本発明に従うと、このような課題を解決す
るために、ケーシングと、該ケーシング内に傾斜して取
り付けられ、上側に位置する皮革原料供給口及び下側に
位置する皮革原料排出口を備えた回転炉と、該回転炉内
に水分を供給する加湿機と、該ケーシング内に設けられ
た湿度センサーとを具備し、 該湿度センサーの測定値
に従って、該加湿機からの水分の供給量を制御すること
を特徴とする皮革片の連続湿度調整装置が提供される。
【0024】この連続湿度調整装置は、湿度センサーの
測定値に従って、加湿機からの水分の供給量が制御さ
れ、傾斜した回転炉によって、皮革原料を連続的に処理
することができる。
【0025】更に、皮革原料の回転炉の温度、加湿量並
びに原料投入量、回転速度を調節することが好ましく、
また、原料に混入してくる鉄などの金属物を除去できる
電磁式金属除去装置を併設することが好ましい。
【0026】2)裁断解繊装置 工業的に効率良く、最適な皮革繊維の太さの物を取り出
すため、針を用いて皮革を引掻き、繊維を取り出した
後、切断する方法では、長い繊維を得るには適するが、
効率よく解繊するには適さなかった。また擂解機では得
られた繊維は細くなりすぎた。種々実験の結果、皮革繊
維を引きむしる方法であれば数μm〜数10μmの太さ
のものが効率的に得られることがわかった。太い皮革繊
維を解繊するには、皮革繊維を形づくっている繊細なコ
ラーゲンフィブリルの集合体であるエレメンタリー・フ
ァイバーを何本も覆っている束を破壊することによって
得られる。破壊が甚だしければ、どんどん細くなって遂
にはフィブリル化してしまうため、連続湿式抄紙に適す
る太さに留めるためには、ファイバー・バンドルの破壊
を適当な範囲に収めなければならない。また、皮革繊維
粉は叩解しても木材パルプのようにはささくれの生じた
フィブリル化しない。従って皮革繊維粉単独では湿式抄
紙を行っても、繊維同志の絡み合いが起きないため、連
続的な湿式抄紙が容易ではない。皮革繊維粉を湿式抄紙
で用いる場合には、木材パルプを混入して、連続的に湿
式抄紙する方法が採られている。木材パルプを混入しな
い場合には、バインダー樹脂量を増して固着させて湿式
抄紙する方法で皮革紙が作られる。
【0027】連続的に湿式抄紙するのに用いられる皮革
繊維細粉の形状としては、皮革繊維の直径が数μm〜数
10μm、長さ0.5mm〜5.0mmであって、かつ縄
状、紐状物が混入していない物であり、アスペクト比
(直径との長さの比)が1:30〜1000、このまし
くは50〜600である物が望まれる。
【0028】本発明によると、このような課題を解決す
るために、皮革原料の投入口及び繊維細粉の排出口を有
するケーシングと、該ケーシング内に設置された固定歯
と、該ケーシング内に回転可能に設置された回転歯とを
具備し、該回転歯の凹凸歯が、該固定歯の凹凸歯より、
該回転歯の半径方向のわずかに内側に位置し、該回転歯
の凹凸歯及び該固定歯の凹凸歯が、平坦な面を有する複
数の凸部と、該凸部の間の凹部とを有し、該平坦な面の
少なくとも一方の縁に刃部が設けられていることを特徴
とする皮革原料を裁断解繊して繊維細粉を形成する裁断
解繊装置が提供される。
【0029】皮革原料をこの裁断解繊機を通すと、上記
のとおりの好ましいこ繊維細粉が得られる。この装置
は、一対の凹凸歯を接触することなく対峠させ凹凸歯の
凸部の縁の刃部によって、皮革繊維を裁断する。また凸
部は巾を有する平坦な面となっており、皮革繊維を擂り
つぶして、長さ方向に引き裂くように解繊して、細い皮
革繊維として採りだすことができる。
【0030】3)円筒型回転分級装置 裁断解繊装置を通過させた皮革粉は、繊維長さが不揃い
で、希望する繊維長に揃えるためには、ふるい分け分級
が必要である。前述のように平網式振動ふるい機や空気
差圧を利用した分級は、効率のよい分級ができなかっ
た。
【0031】本発明に従うと、このような課題を解決す
るために、傾斜して取り付けた円筒型回転金網と、円筒
型回転金網から、皮革片を分離する手段と、該円筒型回
転金網の上部に設けられた、被分級皮革細繊維粉の投入
量を調節する分配機と、該円筒型回転金網の下部に設け
られた、粗大粉の排出口と、円筒型金網の下部に設けら
れた、分級された皮革粉を回収する回収装置とを具備す
ることを特徴とする皮革の繊維状細粉を分級する円筒型
回転分級装置が提供される。
【0032】この円筒型回転分級装置は、傾斜して取り
付けされた回転円筒金網が、目詰まりしても、円筒型回
転金網から、皮革片を分離する手段によって、目詰まり
を除去できる。この分離する手段は、例えば、上部に設
置した回転刷毛により構成され、あるいは、網目部分に
設けたノズルから空気を吹付ける手段によって、構成さ
れる。
【0033】回転円筒金網は傾斜して取り付けられてお
り、原料投入口から皮革粉は自力で落下し、投入口近く
で、繊維長さの短いものが、ふるい分けされ、後段では
長いものが落下する。また、綿状に付着した繊維は、好
ましくは、上記のとおりに網目部分に設けたノズルから
空気吹付け等により分離されるので、分級が容易であ
る。
【0034】傾斜円筒金網の網目は、投入口近くを網目
0.1〜0.5mm目とし、後段は粗目6.0mm以下と
することで、希望する繊維長が分級できる。効率も良
い。
【0035】4)圧縮成型装置 分級された比較繊維細粉は、見掛け比重が小さく綿状で
あって袋詰めをおこなった場合でも重量を増すことは困
難であった。この皮革繊維細粉を圧縮、成型することに
よって板状、立方体状等の塊状にして取り出すことがで
きたが崩れ易かった。
【0036】本発明に従うと、このような課題を解決す
るために、繊維状細粉が供給される容器と、該容器に供
給された繊維状細粉を撹拌する手段と、該容器内に供給
された繊維状細粉に水溶性糊剤を供給する手段と、水溶
性糊剤が供給された繊維状細粉を圧縮して、塊状にする
プレス装置とを具備することを特徴とする圧縮成型装置
が提供される。
【0037】繊維状細粉が供給される容器は、例えば、
投入ホッパーで構成することができる。この圧縮成型装
置によると、水溶性糊材を付着させることによって、上
記のとおりの課題を解消することができる。
【0038】この水溶性糊材には、湿式抄紙時の原料分
散槽に皮革繊維細粉を投入した時に、容易に微細粉に戻
って均一に水中に分散できる糊材で構成することが好ま
しい。
【0039】このような水溶性糊材としては、例えば、
皮革処理剤、水溶性澱粉、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ポリビニルアルコール、水溶性酢酸ビニー
ル系樹脂、水溶性アクリル系樹脂、水溶性アクリルなど
の共重合樹脂、水溶性ウレタン樹脂、ポリアルキレンオ
キシドポリオール、ポリアルキレンオキシドポリオール
で末端処理されたイソシアネート、界面活性剤等が有効
であった。このことにより、包装梱包、運搬費の削減が
可能となった。
【0040】5)粗粉砕切削機 さまざまな形状で納入される原料皮革及び皮革屑の内、
シェービング屑以外のものは、幅が広がったり、長過ぎ
たり、不定形であったりして直接に原料革を投入して
も、裁断解繊装置では効率よく、希望する繊維長を得る
ことが難しいため、粗粉砕切削機に掛ける必要がある。
粗粉砕切削機を通過させるだけで、早く効率がよく、目
的とする繊維長0.5〜20mmのものを得ることが望
ましい。
【0041】本発明に従うと、このような課題を解決す
るために、上方に皮革原料の挿入口を有し、下方に粗砕
片の排出口を有するケーシングと、該ケーシング内に設
けられた皮革を切削する刃を有するカッターと該カッタ
ーに隣接して設けられた抑えロールとを具備し、 該カ
ッターの刃が、円筒状の円周表面に、軸方向に対して、
斜めに配置されており、皮革原料が該抑えロールと該カ
ッターとの間を通過するときに、該抑えロールが皮革原
料を該カッター方向に押しつけて、該カッターによって
皮革原料を切削せしめることを特徴とする皮革の粗粉砕
切削機が提供される。
【0042】この粗粉砕切削機は、カッターの刃が、斜
めに配置されており、皮革原料が、削り取られ、上記の
とおりの好ましい繊維長のものを得ることができる。
【0043】また、好ましくは、カッターは、高速回転
するのもが最も望ましく、カッターは、ラフイング刃
は、例えば、円筒状の円周表面に軸方向に対して斜めに
多段に、先端に刃を有する突起を有する。
【0044】6)皮革切断機 シェービング屑並びに前述の粗粉砕切削機通過後の繊維
長さが10mmを超えた被粉砕皮革原料である場合など
に、これを繊維長さ10mm以下に高速で効率よく切断
する機械が望まれていた。
【0045】本発明に従うと、このような課題を解決す
るために、上方に原料皮革の挿入口を有し、下方に皮革
粉の排出口を有するケーシングと、該ケーシング内に回
転可能に設置された回転刃と、該ケーシング内に固定さ
れた固定刃と、該回転刃は、平面的に観察すると連続し
た鋸歯状であって、該回転刃の凸部及び凹部が、それぞ
れ、該固定刃の凹部及び凸部に嵌まり合うように、該回
転刃と該固定刃とが配置されており、該固定刃が、該回
転刃との間隙を変更することができるように、移動可能
に設置されていることを特徴とする皮革片を切断する皮
革切断機が提供される。
【0046】この皮革切断機は、回転刃と固定刃との間
隙を変化させることによって、希望の繊維長が得られ
る。この皮革切断機によって切断した後の繊維の端面
は、コラーゲン繊維のファイバー・バンドルを破壊する
ことが少なく、繊維状であり湿式抄紙用皮革粉として解
繊するには望ましい形状である。
【0047】従来市販されている機械では、粉砕された
繊維が寄り集まり、よじれて縄状の紐になるものが多
く、希望する形状寸法の微粉砕繊維は40重量%を超え
て、得ることができなかった。そのため、例えば回転刃
と固定刃の刃先が近接した時の形状は、平面的に観察す
ると連続した鋸歯状をなし、剪断刃の凹部に対峠する凸
部が、または剪断刃の凸部に対峠する刃の凹部が嵌め合
うように作られている刃を有する刃型に変更し、刃先の
断面形状を選択し、更に、クリアランスの精度を高める
ことでよく切断できた。更に、回転ローターに付ける刃
数の多いものが好ましく、また、切断された皮革粉は、
ケーシング内に浮遊できる空間部を設けることによっ
て、低動力で出口側に容易に吐出させることができる。
【0048】
【実施例】本発明の製造システムを図1を参照して説明
する。
【0049】シエービング屑のような削り屑である被切
削・切断皮革原料が、ホッパーを1に供給され、更に、
定量供給分配機2を介して、連続湿度調整装置3に供給
される。連続湿度調整装置3に設けられた湿度センサー
により、湿度を検出し、皮革原料の湿度即ち含水率を調
整する。連続湿度調整装置3の詳細は、図2及び3を参
照して説明する。
【0050】含水率を調整された皮革原料は、定量供給
分配機5を介して、モーター7によって駆動される裁断
解繊装置6に供給される。裁断解繊装置6によって、皮
革原料が裁断解繊され、皮革繊維細粉が形成される。裁
断解繊装置6の詳細は、図4及び5を参照して説明す
る。
【0051】裁断解繊されて形成された皮革繊維細粉
は、吸引ブロワー8によって回転分級装置9に供給され
る。回転分級装置9によって分級された細粉は回収槽1
0に回収される。これらの詳細は、図6及び7を参照し
て説明する。
【0052】回収槽10に回収された皮革繊維細粉は、
そのまま製品粉とすることもできるが、圧縮成型装置1
1により、塊状とした製品とすることが好ましい。これ
らの詳細は、図8及び図9を参照して説明する。
【0053】回転分級装置9によって、十分分級されな
かった、長繊維皮革や塊状物は、回収槽12の一領域に
貯められ、吸引ブロワー13および圧送管14によっ
て、定量供給分配機5の入口側に送られ、再度裁断解繊
される。
【0054】本発明の連続湿度調整装置3を、図2及び
3を参照して、説明する。
【0055】この連続湿度調整装置3は、ケーシング
と、ケーシング内に傾斜して取り付けられ、上側に位置
する皮革原料供給口及び下側に位置する皮革原料排出口
を備えた回転炉と、回転炉内に水分を供給する加湿機
と、ケーシング内に設けられた湿度センサーとを具備
し、湿度センサーの測定値に従って、加湿機からの水分
の供給量を制御する。ケーシングは、外板フレーム21
等から構成されており、操作パネル22を有する。被処
理皮革は回転炉23に、原料投入ホッパー24からロー
タリー式定量供給分配機25を通して投入する。
【0056】原料投入ホッパー24から供給された皮革
原料は、回転炉23内を徐々に降下する。湿度センサー
32によって、連続湿度調整装置3内の湿度を電気的に
検出し、この出力に応じて、水又は水蒸気を供給する加
湿機36の電源開閉の装置を制御して、皮革原料の湿度
を調整する。好ましくは、上記湿度センサー32に出力
に応じて、皮革原料の供給量、回転炉駆動モーター27
の回転数、回転炉23内を所定の温度に加熱する加熱用
ヒーター33の電源開閉の制御も行い、皮革原料が、所
定範囲の含水量を有するように、調整される。さらに排
気ダクト26と排気量調節ダンパー38が設けられる。
【0057】回転炉23は、駆動モーター27に接続さ
れた駆動軸28に固定された駆動輪29(図3)、およ
び従動輪30(図3)に載せられて回転可能に設置さ
れ、回転炉内部に掻ぎ揚げ仕切り板37(図3)が設け
られる。移動を容易にするキャスター34が設けられ
る。
【0058】含水率が調整された皮革原料は収納槽35
に落下する。また炉内の状況は内部透視窓で観察でき
る。外板フレームの内側には断熱層が設けらている。
【0059】本発明の裁断解繊装置を図4及び図5を参
照して、説明する。この裁断解繊装置は、皮革原料の投
入口及び繊維細粉の排出口を有するケーシングと、ケー
シング内に設置された固定歯と、ケーシング内に回転可
能に設置された回転歯とを具備し、回転歯の凹凸歯が、
固定歯の凹凸歯より、該回転歯の半径方向のわずかに内
側に位置し、回転歯の凹凸歯及び固定歯の凹凸歯が、平
坦な面を有する複数の凸部と、凸部の間の凹部とを有
し、該平坦な面の少なくとも一方の縁に刃部が設けられ
ている。ケーシングは、ケーシングプレート41、4
2、43、44等で構成されている。回転軸45に回転
歯46が取り付けられ、回転可能に設置される。回転の
駆動用プーリーは、ケーシングの外部に設置され、回転
数は1500〜3000rpmである。固定歯は分割さ
れており、第1固定歯47は粗挽き用、第2固定歯48
は中挽き用、第3固定歯49は精挽き用を取り付ける。
各固定歯は半径方向に移動させる調整ネジ50、51、
52が設けられ、固定歯と回転歯の間隙を調節できる。
これにより、入口側の第1固定歯47と回転歯46の間
隙を広くし、排出側に向かって、第3固定歯49と回転
歯46の間隙を狭くすることも、または間隙を一定に設
置することもできる。
【0060】原料投入ホッパーを53、皮革繊維細粉排
出口を54、排出用吸引パイプを55に示す。裁断解繊
された皮革繊維細粉が入口側に逆流するのを遮断するプ
レート56が設けられる。
【0061】図5を参照して、固定歯と回転歯の歯先の
形状、機能を説明する。回転歯を46、固定歯を47、
48に示す。回転歯に記した矢印は回転の方向を示す。
また図5に示したように歯先は、回転歯も固定歯も凹凸
状をしており、同一軸上に配置される。
【0062】投入された皮革粉および細片は、固定歯と
回転歯との間隙Hに引き込まれる。次に各歯の凸部の縁
Eは刃部が付けられており、ここで裁断された後、凸部
上面の平坦な面AおよびFで擂り合って、皮革繊維のタ
テ長さ方向に解繊され、細長い繊維状になる。また歯の
深さBおよびGは、皮革繊維を擂り合わせて解繊する時
に発生する熱により、皮革繊維が焦げてしまうのを防止
するために、一時的に滞留して冷却するポケットとして
の働きがある。
【0063】図5の記号Aは、回転歯の凸部上面の平坦
な面の幅を示し、Bは、回転歯の歯の深さを示し、F
は、固定歯の凸部上面平坦面の幅を示し、Gは、固定歯
の歯の深さを示し、Hは、回転歯と固定歯の間隙を示
し、Eは、回転歯と固定歯の凸部上端エッジ部に付けら
れる刃の位置を示し、φDは、回転歯の外径を示す。
【0064】なお下記の表1に図5の記号部分の寸法を
例を示す。
【0065】 表1 No. 名称 擂り幅(mm) 歯の深さ(mm) 間隙(mm) 外径(mm) 46 回転歯 A=0.5〜20 B=0.2〜10 H=±0 φD=200〜500 47 #1固定歯 F=0.5〜20 G=0.2〜10 H=0.3〜10 − 48 #2固定歯 F=0.5〜20 G=0.2〜10 H=0.3〜10 − 49 #3固定歯 F=0.5〜20 G=0.2〜10 H=0.0〜10 − 本発明の回転分級装置を図6および7を参照して説明す
る。
【0066】この回転分級装置9は、傾斜して取り付け
た円筒型回転金網63と、円筒型回転金網から皮革片を
分離する手段と、円筒型回転金網の上部に設けられた、
被分級皮革細繊維粉の投入量を調節する分配機66と、
円筒型回転金網の下部に設けられた、粗大粉の排出口
と、円筒筒型金網の下部に設けられた、分級された皮革
粉の回収装置10とを具備する。円筒型回転金網63
は、基礎フレーム61、回転円筒金網の傾斜角を調節す
る架台62によって、支持されている。架台62には、
操作盤を64が設けられている。更に、分級する皮革繊
維細粉の投入ホッパー65、投入原料を回転円筒金網内
に一定量を供給する分配機66を具備する。回転円筒金
網を回転する駆動モーター67に接続した駆動軸68に
固定された駆動輪72、図7の従動輪73に回転円筒金
網63が載せられて、回転可能に設置される。回転ブラ
シ69および図7の空気噴出管74からの空気噴射によ
って、金網の網目に目詰まりした皮革粉は、除去され、
分級面の網目は常に清浄化され、分級効率が向上する。
これらの、回転ブラシ69及び/又は空気噴出管74
が、円筒型回転金網から皮革片を分離する手段を構成す
る。要求される皮革繊維細粉の長さによって、入口側を
細目に、出口側を粗目とすることも、さらに多段に組み
合わせることもできる。また回転円筒金網63は取り外
し、交換が容易に設置される。また回転円筒金網の内部
には、掻ぎ揚げ用仕切り板75が設けられる。分級され
た皮革粉の回収装置10は、バックフィルターまたはサ
イクロン型回収槽とすることができる。分級されなかっ
た長繊維皮革および塊状物は回収槽12に貯えられる。
微細な皮革繊維細粉の外部飛散を防止するための外壁7
6内に回転金網型分級装置が納められている。
【0067】本発明の圧縮成型装置を図8および9を参
照して説明する。
【0068】この圧縮成型装置11は、繊維状細粉が供
給される容器と、容器に供給された繊維状細粉を撹拌す
る手段と、容器内に供給された繊維状細粉に水溶性糊剤
を供給する手段と、水溶性糊剤が供給された繊維状細粉
を圧縮して、塊状にするプレス装置とを具備する。
【0069】この実施例においては、圧縮成型装置11
は、ベースプレート91、基礎フレーム92、圧縮プレ
ス上板93、圧縮機タイロッド94及び圧縮用油圧シリ
ンダー95を具備する。原料皮革繊維細粉の投入ホッパ
ー96の内部に、薬液噴霧装置99で噴霧された水溶性
糊剤を均一に付着させる撹拌羽根98を設ける。投入ホ
ッパー96が、繊維状細粉が供給される容器を構成し、
撹拌羽根98が、撹拌する手段を構成する。撹拌羽根の
駆動用モーター97を設置する。水溶性糊剤を皮革粉に
付着させることにより、皮革粉を容易に水中に分散させ
ることができて、湿式抄紙設備での作業が容易になるだ
けでなく、皮革粉の固状化バインダーとして働く。水溶
性糊剤が付着した皮革粉を定量切り出すシャッター10
0で切り出され、プレス装置(B)に移される。プレス
装置によって、板状または塊状に圧縮された皮革粉は、
突き落とし装置(C)に移される。突き落とし装置の支
えロッド102に連結金具101を介して、空気シリン
ダー103を保持する。空気圧によって、突き出しプレ
ート104を上下し、圧縮された皮革粉を製品搬出用台
車105に載せた、製品収納ストッカー106に落下さ
せる。皮革粉圧縮のための油圧ユニット107を設置す
る。操作盤108により運転操作を行う。なお、図8中
の(A)は、皮革粉充填時のケーシング枠、図9の11
0の位置、(B)は、圧縮時の位置、(C)は、突き落
とし時の位置を示す。図10によりプレス装置を側面か
ら見た要部を説明する。
【0070】皮革繊維細粉の圧縮プレート109は油圧
で上下する。成型用ケーシング枠110は、ケーシング
枠の抑え金具111によって保持され、焼き入れして、
硬度を高めた皮革粉の受け板112に皮革粉を載せて圧
縮する。ケーシング枠110の移動装置114に連結さ
れた、移動ジョイント113によって、ケーシング枠
を、皮革粉の投入、圧縮、突き落としの都度移動させ
る。
【0071】次に、図10乃至図13を参照して、粗粉
砕切削装置116を説明する。粗粉砕切削装置116
は、使用する皮革原料が種々の形状を有する場合に、皮
革原料を所定の大きさにするために使用される。粗粉砕
切削装置116によって、処理された皮革原料は、図1
のホッパー1に、供給される。
【0072】即ち、供給される原料が、例えば、シエー
ビング屑のみであり、所定の大きさを有する場合には、
原料を直接裁断解繊装置に供給して、効率良く希望する
繊維長を有する皮革繊維を得ることができる。しかし、
供給される原料が種々の形状を有する場合、そのまま、
裁断解繊装置に供給しても、効率良く希望する繊維長を
有する皮革繊維を得ることができない。このため、この
粗粉砕切削装置116によって、例えば、繊維長0.5
〜20mmの皮革片を得る。
【0073】この粗粉砕切削装置116は、上方に皮革
原料の挿入口を有し、下方に粗砕片の排出口を有するケ
ーシングと、ケーシング内に設けられた皮革を切削する
刃を有するカッターと、カッターに隣接して設けられた
抑えロールとを具備し、カッターの刃が、円筒状の円周
表面に、軸方向に対して、斜めに配置されており、皮革
原料が該抑えロールと該カッターとの間を通過するとき
に、該抑えロールが皮革原料を該カッター方向に押しつ
けて、該カッターによって皮革原料を切削せしめる。
【0074】図10に示した実施例においては、投入ホ
ッパー117から皮革原料が、粗粉砕切削装置116に
供給される。粗粉砕切削装置116は、第1モータ11
8及び第2モータ119によって駆動され、処理された
皮革原料は、回収容器120に集められた後、図1のホ
ッパー1に供給される。
【0075】図11を参照して、粗粉砕切削装置116
の内部構造を説明する。ケーシングベースプレート12
1には、切削粉の排出口137が設けられる。上部ケー
シングプレート122には、原料皮革片の挿入口124
およびスプリング取付けケース131が付けられる。ケ
ーシング外側板を123で示す。これらのケーシングベ
ースプレート121等が、ケーシングを構成する。
【0076】挿入皮革の抑えロール126、127、1
32を駆動させる主動軸、歯車およびプーリーは、ケー
シングの外部に取り付けられる。被切削皮革を、皮革の
抑えロール126および127の間で掴みながら、抑え
金具146および回転切削するラフィングカッター13
4と抑えロール132との間に送りこむ。このため、皮
革原料が抑えロール132とラフィングカッター134
との間を通過するときに、抑えロール132が皮革原料
をラフィングカッター134方向に押しつけて、ラフィ
ングカッター134によって皮革原料を切削せしめる。
【0077】テンション軸128にはテンションブラケ
ット129を取り付ける。テンションブラケット129
には、抑え金具146及び抑えロール127を取り付
け、スプリング130によって、常に下部が抑えロール
126側に押し付けられている。被切削皮革が抑えロー
ル126および127の間に挿入されると、皮革の厚さ
に相当する分だけ、抑え金具146、抑えロール127
およびテンションブラケット129が、図11の左方に
動くが、被切削皮革は、抑えロール126および127
の間、及び抑え金具146及び抑えロール132の間で
掴まれている。このため回転切削するフライングカッタ
ー134と抑えロール132の間に挿入された、被切削
皮革が抜け落ちることはない。ラフィングカッター13
4は1500〜3000rpmの速度で回転して、皮革
を切削する。また皮革の抑えロール126、127およ
び132は低速回転であり、被切削皮革の送り速度は遅
く、皮革の新しい切削端面が順次来るようになる。ま
た、抑えロール132および抑え金具146は、ラフィ
ングカッター134に触れることのないように設置され
る。下部には切削された皮革片の排出シュート136と
排出口137が設けられる。
【0078】次に、粗粉砕切削装置のケーシングの外側
の構造を図12によって説明する。ラフィングカッター
134に連結している駆動プーリー138には、駆動ベ
ルト139が掛けられ1500〜3000rpmで回転
させる。抑えロール126に連結された歯車143、抑
えロール127に連結された歯車144および抑えロー
ル132に連結された歯車145を噛み合わせて回転さ
せるための歯車142、直結された駆動プーリー140
には駆動ベルト141が掛けられ、低速で回転して、各
歯車に動力を伝達させる。
【0079】抑えロール126と127の間に皮革が挿
入されると、抑えロール127に連絡された歯車144
も同時に皮革の厚さに相当する分だけ、図12では左に
動くが、歯車144と噛み合っている歯車143から噛
み合わせが外れてしまうことがないように歯車144の
歯高を大としてある。抑えロール132に連結されてい
る歯車145は歯車142と噛み合っている。
【0080】ラフィングカッター134の形状を図13
を参照して、説明する。Aは、軸方向方向の長さ、Bは
外径、Cはシャンク径を示す。刃の形は、円筒上の円周
表面に、軸方向に対して刃線が斜めになるように設けら
れ、多段に凹みを設け、凹みの上面円周部のエッジ部分
に刃を付け、その刃先で皮革を切削する。このように、
ラフィングカッター134の刃は、円筒状の円周表面
に、軸方向に対して、斜めに配置されている。
【0081】次に、図14及び15を参照して、皮革切
断機150を説明する。
【0082】この皮革切断機150は、粗粉砕切削機1
16の代わりに用いることができる装置であり、皮革部
片を直接切断するので、薄い箔状短片となっている物に
対しては、粗粉砕切削機116より効率的に処理でき
る。
【0083】この皮革切断機150は、上方に原料皮革
の挿入口を有し、下方に皮革粉の排出口を有するケーシ
ングと、ケーシング内に回転可能に設置された回転刃
と、ケーシング内に固定された固定刃とを具備し、回転
刃は、平面的に観察すると連続した鋸歯状であって、回
転刃の凸部及び凹部が、それぞれ、固定刃の凹部及び凸
部んに嵌まり合うように、回転刃と固定刃とが配置され
ており、固定刃が、回転刃との間隙を変更することがで
きるように、移動可能に設置されている。
【0084】図示した実施例では、被切断原料皮革の投
入ホッパー151は上部ケーシングプレート152に取
り付けられる。側部ケーシングプレート153、下部ケ
ーシングプレート154には排出口163が取り付けら
れる。上部ケーシングプレート152等が、ケーシング
を構成する。回転刃156を取り付ける回転ローター1
55および回転軸は、1500〜3000rpmで回転
する。また、回転を駆動するプーリーはケーシングの外
側に設けられ、回転軸に連結される。固定刃157を取
り付けるプレートは、棚状になっており、側部ケーシン
グプレート153に取り付け、被切断皮革が落下しない
ようにしてある。固定刃157は調整ネジ158によっ
て半径方向に移動可能に設置されており、回転刃156
と固定刃157の刃先の間隙を調整することができる。
回転ローター155の外径は、固定刃157の刃先の内
径より、僅かに小径としてあり、回転刃156の刃先
が、固定刃157の刃先を通過した後も、被切断皮革が
極めて落下しにくい。被切断皮革が刃先に近づくように
するためのガイド板159、および切断された皮革粉が
投入口側に逆流しないようにするためのストッパー16
1は、側部ケーシングプレート153に取り付けられ
る。ストッパー161の先端の長さは、回転刃156の
外周より僅かに大としてある。回転ローター155に
は、回転刃156を取り付ける切り込み160が設けら
れる。固定刃取り付けプレートとストッパー161まで
の間で、シューター162を回転ローター155から遠
ざけて、排出管163までの空間を取ることにより、切
断された皮革粉は浮遊し、容易に吐出させることができ
る。
【0085】次に、回転刃156と固定刃157の刃先
の形状拡大図である図15を参照して説明する。回転刃
156と固定刃157の刃先が接近した際、平面的に観
察した時の形状は、連続した鋸歯状であって、回転刃1
56の凸部が、固定刃157の凹部に、また凹部が凸部
に相互に嵌め合うように造られる。また、各々の刃先が
摩耗した場合に再研磨が可能なように刃元に向かって凹
みを設けてある。
【0086】なお、図15において、t=刃の厚さ、C
=回転刃56と固定刃57の間の間隙、L=刃幅、矢印
は回転の方向を示す。
【0087】
【発明の効果】従来、湿式抄紙に適する濾水度を高めた
皮革粉を、希望する繊維長さに揃えて、かつコラーゲン
繊維を形造る鞘および束を、できる限り残しながら適当
な太さに解繊しアスペクト比を保ち収率よく製造するこ
とができなかった。
【0088】本発明により、これらの問題点を取り除
き、供給原料皮革および皮革屑から90%以上の収率で
湿式抄紙に適する皮革粉が得られ、現在、大量に廃棄物
として捨てられている皮革屑の再利用が図れる。このこ
とにより、木材パルプ同様に湿式法で抄紙することが可
能となり、優れた特性を有する皮革紙を製造することが
できるようになった。さらに、塗料顔料・静電植毛原料
・不織布・皮革糸原料などにも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】皮革原料から皮革粉を形成するためのシステム
の概略図。
【図2】本発明の好適実施例に従う連続湿度調整装置の
正面図。
【図3】図2の連続湿度調整装置の側面図。
【図4】本発明の好適実施例に従う裁断解繊装置の正面
図。
【図5】図4の裁断解繊装置の要部拡大図。
【図6】本発明の好適実施例に従う回転分級装置の正面
図。
【図7】図6の回転分級装置の側面図。
【図8】本発明の好適実施例に従う圧縮成型装置の側面
図。
【図9】図8の圧縮成型装置の正面図。
【図10】本発明の好適実施例に従う粗切削機を含む装
置の正面図。
【図11】図10の粗切削機の正面図。
【図12】図10の粗切削機の背面図。
【図13】図10の粗切削機の要部拡大斜視図。
【図14】本発明の好適実施例に従う皮革切断機の正面
図。
【図15】図14の皮革切断機の要部拡大図。
【符号の説明】
1 ホッパー 3 連続湿度調整装置 6 裁断解繊装置 9 回転分級装置 11 圧縮成型装置 32 湿度センサー 36 加湿機 46 回転歯 47 第1固定歯 48 第2固定歯 49 第3固定歯 63 回転円筒金網 69 回転ブラシ 74 空気噴出管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 信重 埼玉県熊谷市宮前町1丁目89番地 株式会 社新井製作所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、 該ケーシング内に傾斜して取り付けられ、上側に位置す
    る皮革原料供給口及び下側に位置する皮革原料排出口を
    備えた回転炉と、 該回転炉内に水分を供給する加湿機と、 該ケーシング内に設けられた湿度センサーとを具備し、
    該湿度センサーの測定値に従って、該加湿機からの水
    分の供給量を制御することを特徴とする皮革片の連続湿
    度調整装置。
  2. 【請求項2】 皮革原料の投入口及び繊維細粉の排出口
    を有するケーシングと、 該ケーシング内に設置された固定歯と、 該ケーシング内に回転可能に設置された回転歯とを具備
    し、 該回転歯の凹凸歯が、該固定歯の凹凸歯より、該回転歯
    の半径方向のわずかに内側に位置し、 該回転歯の凹凸歯及び該固定歯の凹凸歯が、平坦な面を
    有する複数の凸部と、該凸部の間の凹部とを有し、 該平坦な面の少なくとも一方の縁に刃部が設けられてい
    ることを特徴とする皮革原料を裁断解繊して繊維細粉を
    形成する裁断解繊装置。
  3. 【請求項3】 傾斜して取り付けた円筒型回転金網と、 円筒型回転金網から、皮革片を分離する手段と、 該円筒型回転金網の上部に設けられた、被分級皮革細繊
    維粉の投入量を調節する分配機と、 該円筒型回転金網の下部に設けられた、粗大粉の排出口
    と、 円筒型金網の下部に設けられた、分級された皮革粉を回
    収する回収装置とを具備することを特徴とする皮革の繊
    維状細粉を分級する円筒型回転分級装置。
  4. 【請求項4】 繊維状細粉が供給される容器と、 該容器に供給された繊維状細粉を撹拌する手段と、 該容器内に供給された繊維状細粉に水溶性糊剤を供給す
    る手段と、 水溶性糊剤が供給された繊維状細粉を圧縮して、塊状に
    するプレス装置とを具備することを特徴とする圧縮成型
    装置。
  5. 【請求項5】 上方に皮革原料の挿入口を有し、下方に
    粗砕片の排出口を有するケーシングと、 該ケーシング内に設けられた皮革を切削する刃を有する
    カッターと該カッターに隣接して設けられた抑えロール
    とを具備し、 該カッターの刃が、円筒状の円周表面
    に、軸方向に対して、斜めに配置されており、 皮革原料が該抑えロールと該カッターとの間を通過する
    ときに、該抑えロールが皮革原料を該カッター方向に押
    しつけて、該カッターによって皮革原料を切削せしめる
    ことを特徴とする皮革の粗粉砕切削機。
  6. 【請求項6】 上方に原料皮革の挿入口を有し、下方に
    皮革粉の排出口を有するケーシングと、 該ケーシング内に回転可能に設置された回転刃と、 該ケーシング内に固定された固定刃とを具備し、 該回転刃が、平面的に観察すると連続した鋸歯状であっ
    て、 該回転刃の凸部及び凹部が、それぞれ、該固定刃の凹部
    及び凸部に嵌まり合うように、該回転刃と該固定刃とが
    配置されており、 該固定刃が、該回転刃との間隙を変更することができる
    ように、移動可能に設置されていることを特徴とする皮
    革片を切断する皮革切断機。
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