JP3661805B2 - 裁断解繊装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、皮革原料から、湿式抄紙用の皮革粉を製造するための装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、利用方法が見当らず、大量に廃棄されていた皮革屑を粉末化して繊維状とする。湿式抄紙用原料として、製紙メーカーでは皮革紙・皮革ボード等を作り、また塗料用顔料、静電植毛用原料、皮革紙、皮革糸等として再利用を図るものである。従来、皮革粉を均一な長さの繊維状にパルプ化したものを、工業的に利用できる程度に、効率的に得ることができなかった。また機械装置も開発されていなかった。
【0003】
また皮革を単に粉末化しただけでは、脂肪を含み、水中に投入してもすぐに浮き上がり、水中に分散させることができなかった。濾水度も低く、湿式抄紙の原料とすることができなかった。
【0004】
本発明の発明者は、従来皮革の上記欠点を解決するものとして、網様層の皮革繊維の濾水度が700ml(JIS P8121パルプの濾水度試験方法による値)以上であり、ムコイドの含有率が1.0重量%以下である皮革を提供し(特許第1,783,854号)、更に、上記性能を示す皮革処理剤を提供した(特許第1,820,516号)。この皮革処理剤で処理した皮革並びに皮革粉末は、水中に容易に沈降・分散するので、湿式抄紙に適する皮革の繊維状粉末である。製紙メーカー各社で各種の湿式抄造試験の結果から十分に工業的な湿式抄紙が可能なことが明らかになった。
【0005】
しかし、抄紙に適する皮革の粉末化技術がなく、各社で従来からある粉砕機で粉末化の実験を行ってきたが、抄紙原料に適する皮革の繊維長さが0.5〜10mmに揃った皮革粉を効率的に造ることができなかった。
【0006】
皮革繊維の微細構造は、コラーゲンモノフィラメント(トロポコラーゲン:分子量約30万、分子の長さ3000A、太さ15Aの3重らせん構造のアミノ酸結合物)が何体も集まってフィブリルを形成し、フィブリルの直径は約1000Aでこれが数100本集合して、直径約5μmのエレメンタリー・ファイバーとなり、さらに集合してファイバーとなり、最終的には直径約0.1mmファイバー・バンドルを形成しこれが交絡構造を持っている。これが集まって太い繊維状となって数cmに達する。通常は、樹木のように肉面側が太く、表皮(銀面)側が細い繊維になり、枝分かれして、互いに複雑に絡み合いさらに部分的に架橋している。この繊維は丈夫で耐屈曲性に富み、吸放湿性が高く、保温性、耐摩耗性が良く、自己消火性を有するなどの優れた性質を持つ。
【0007】
従来、皮革繊維の構造、性質を良く理解せずに、木材パルプ同様に単に機械的に粉末化して抄紙用として検討してきた。このため濾水度が極端に悪くなったり、水中への分散が悪く、かつ縄状の紐が生じた。例えば、湿式法で粉末化すると、コラーゲン繊維のファイバー・バンドルを破壊し、微細繊維がすぐに出てきてしまい、絡み合って縄状の紐になり、また濾水度が急激に下がり、湿式抄紙に適するものが5%程度しか得られなかった。
【0008】
特に湿式回転式リファイナーでは紐状物が多く、湿式ビーターを通すと濾水度が悪くなる。これらの実験結果から湿式法による粉末品は、湿式抄紙原料としては適さず、良品の得られる割合が少なく、効率的粉末化法とは言えなかった。
【0009】
乾式粉砕による粉末化法でも、硬い岩石を粉末化する擂り潰し方法ではファイバー・バンドルが壊れ、木材チップからパルプを作る解繊方式でも、揃った繊維長でファイバー・バンドルをあまり破らず適当な太さに粉末化することが難しく、効率よく、湿式抄紙に適する皮革繊維粉を得ることができなかった。
【0010】
本発明の発明者は、湿式抄紙に適する皮革繊維粉末を効率よく得る目的で開発を進めた。
【0011】
即ち、皮革繊維長さ0.1〜10mm、好ましくは1〜5mmのものが90%以上であって、かつ皮革繊維を形づくっているファイバー・バンドルを適当に解繊して皮革繊維の太さが数μm〜数10μm、長さ0.5mm〜20mmアスペクト比(太さと長さの比)1:50以上の繊維状粉末を得ることにある。このほかに、でき上がった皮革繊維粉は、絡み合わず、縄状の紐になり難く、水中に容易に分散できるもので、濾水度が高くなければならない。また、皮革繊維粉良品の得られる効率が90%以上を得ることを目的として開発を行った。
【0012】
そして、各種粉末機を用いて皮革粉を造り、湿式抄紙試験を行って検討を重ねてきた。その中では、乾式ターボカッターで粉砕した粉末が最も好ましい形状を示していた。しかし、市販のターボカッターを用いた場合には、カッターの刃の間隙、刃の数、刃の配列等、種々の組合わせを行い検討したが、最適の組合わせを行っても、収率50%を得ることがて難しかった。また、コラーゲン繊維は随所で架橋していたり、きつく絡み合っていて、この部分は粉末化しても硬い塊状となって、繊維状物として得られなかったし、また、縄状の紐を作る種となって、大きな紐や塊を生じる原因となっていた。
【0013】
粉砕して、目的とする皮革粉末を得るに当たり、供給原料皮革の含水率によって、切削・切断が均一になりがたく、得られた粉末の流動性や絡み合い方がかなり異なり、作業性や分級に困難を生じた。
【0014】
供給原料皮革や皮革屑、床並びに床屑などのうち、シェービング屑のように薄く細断されたものだけではなく、幅広い物、細長い物、短片状になった物など種々雑多な形状で供給される。これらの物を直接、裁断解繊装置に掛けても効率よく自動的に皮革粉を得ることが難しい。このため、粗粉砕切削機の開発が必要であった。当初は微粉解繊機に掛けられる形状に切断できればよいと考え、細長い糸状に切断できる装置により試験を繰り返したが、絡み合って塊が生じ、効率よく原料革を裁断解装装置に供給することが難しかった。
【0015】
従来の粗切断装置により0.5〜20mmの繊維長さに切断、粉砕しても前述の部分的に架橋していたり、きつく絡み合っている塊状物を完全に繊維状にすることは難しく、このものは湿式抄紙後に紙面に凹凸が生じ、平滑性を低下させ、地合いが悪くなるため除去が必要であった。抄紙後の皮革紙の用途によって、皮革繊維の長さが0.5mm以下のもの、0.5〜3mmのもの、1.0〜5mmのもの、3〜20mmのものと、要求される繊維長も、さまざまであり、効率よく分級する必要が生じた。
【0016】
皮革屑を単純に0.5mm〜5.0mmの長さに切断しただけでは、直径の太い皮革繊維が多く、好ましいアスペクト比の混入割合が少ないため、このものを用いて、連続して湿式抄紙を行って得られた皮革紙は、紙面からボロボロと皮革繊維粉が脱落し、表面性の良い皮革紙は得られない。連続湿式抄紙を行っているとき、あるいは抄紙した後に、バインダー樹脂を噴霧または含浸させることによって、かなり皮革繊維粉の脱落は押さえられるが、コスト面、紙の品質面、用途面、製紙工程での作業性から採用されがたい。どうしても、適当なアスペクト比を有しながら皮革繊維の太さが数10μm以下、40μm〜3μmの範囲の物が望まれる。
【0017】
皮革は、生体時に作られた網様層の構造上、肉面側の皮革繊維(コラーゲン線維)が太く、表面(外側の銀面側)は細い。この表面側は、汎用皮革として使用されるため、皮革屑としての抄紙用紙原料としては、肉面側が多く利用される。この太い皮革繊維を解繊して、連続湿式抄紙に適する太さにする必要が生じたため、裁断解繊機が求められた。
【0018】
分級は、湿式分級機(フラットスクリーン)で行うと、要求される繊維長のものが得られることを見出したが、使用水量が多く、かつ分級能率が極端に悪く、とても工業的に利用することが難しかった。このため、乾式分級方式の検討を行った。平網式振動ふるい機では、投入原料皮革粉繊維粉が綿状になっており、目詰まりを生じ、工業的に利用できる効率的な分級は、困難であった。次に、エアーブロー方式でサイクロン等により、空気圧に差を生じさせて、分離させることを試験したが、繊維長が揃ったものでは良いが、長短さまざま入り混じった、綿状になったものの分級が難しかった。
【0019】
分級品の圧縮機、分級された皮革粉末は、見掛け比重が小さく、フワフワであって、袋詰めを行っても嵩高で重量を増すことは難しく、梱包、運送費の削減を求められ、圧縮機の開発を要した。さらに圧縮して、板状、塊状にした物を湿式抄紙時に容易に水中分散が必要であり、バインダー兼分散剤の付着が必要であった。
【0020】
【課題及び課題を解決するための手段】
1)連続湿度調整装置
供給する被粉砕原料皮革並びに皮革屑の含水率を一定の含水率範囲に納めなければ、次工程での粗粉砕・微粉砕解繊・分級が効率よく進められなかった。皮革は蛋白質コラーゲンからなり、含水率が多い状態のまま高温に曝すと、分解、変質を生じ、ゼラチンとなりやすい。クロム鞣しを行った皮革でも110℃以上に加熱すると皮革繊維が縮み変形する。タンニン鞣し、フォルマリン鞣し、油鞣し、みょうばん鞣しの順に耐熱温度が低下してくる。クロム鞣しにおいても本来の皮革繊維の形状を保持させるには80℃、できれば70℃以上に被繊維温度を上げることは望ましくなく、皮革を高温にさせないで、脱水させなければならない。
【0021】
また皮革は、吸放湿性が高く、高湿度下では、含水量が増す。粉砕に当たっても、含水率の高い状態では、高温に曝すことはできない。粉砕時の摩擦熱によっても発熱してしまう。含水量が著しく低い場合には顕著な発熱が見られる。
【0022】
これらのことから、被粉砕供給原料皮革の含水量は10〜100重量%、望ましくは20〜80重量%にして置くことが必要なことがわかった。
【0023】
本発明に従うと、このような課題を解決するために、
ケーシングと、
該ケーシング内に傾斜して取り付けられ、上側に位置する皮革原料供給口及び下側に位置する皮革原料排出口を備えた回転炉と、
該回転炉内に水分を供給する加湿機と、
該ケーシング内に設けられた湿度センサーとを具備し、 該湿度センサーの測定値に従って、該加湿機からの水分の供給量を制御することを特徴とする皮革片の連続湿度調整装置
が提供される。
【0024】
この連続湿度調整装置は、湿度センサーの測定値に従って、加湿機からの水分の供給量が制御され、傾斜した回転炉によって、皮革原料を連続的に処理することができる。
【0025】
更に、皮革原料の回転炉の温度、加湿量並びに原料投入量、回転速度を調節することが好ましく、また、原料に混入してくる鉄などの金属物を除去できる電磁式金属除去装置を併設することが好ましい。
【0026】
2)裁断解繊装置
工業的に効率良く、最適な皮革繊維の太さの物を取り出すため、針を用いて皮革を引掻き、繊維を取り出した後、切断する方法では、長い繊維を得るには適するが、効率よく解繊するには適さなかった。また擂解機では得られた繊維は細くなりすぎた。種々実験の結果、皮革繊維を引きむしる方法であれば数μm〜数10μmの太さのものが効率的に得られることがわかった。太い皮革繊維を解繊するには、皮革繊維を形づくっている繊細なコラーゲンフィブリルの集合体であるエレメンタリー・ファイバーを何本も覆っている束を破壊することによって得られる。破壊が甚だしければ、どんどん細くなって遂にはフィブリル化してしまうため、連続湿式抄紙に適する太さに留めるためには、ファイバー・バンドルの破壊を適当な範囲に収めなければならない。また、皮革繊維粉は叩解しても木材パルプのようにはささくれの生じたフィブリル化しない。従って皮革繊維粉単独では湿式抄紙を行っても、繊維同志の絡み合いが起きないため、連続的な湿式抄紙が容易ではない。皮革繊維粉を湿式抄紙で用いる場合には、木材パルプを混入して、連続的に湿式抄紙する方法が採られている。木材パルプを混入しない場合には、バインダー樹脂量を増して固着させて湿式抄紙する方法で皮革紙が作られる。
【0027】
連続的に湿式抄紙するのに用いられる皮革繊維細粉の形状としては、皮革繊維の直径が数μm〜数10μm、長さ0.5mm〜5.0mmであって、かつ縄状、紐状物が混入していない物であり、アスペクト比(直径との長さの比)が1:30〜1000、このましくは50〜600である物が望まれる。
【0028】
本発明によると、このような課題を解決するために、
皮革原料の投入口及び繊維細粉の排出口を有するケーシングと、
該ケーシング内に設置された固定歯と、
該ケーシング内に回転可能に設置された回転歯とを具備し、
該回転歯の凹凸歯が、該固定歯の凹凸歯より、該回転歯の半径方向のわずかに内側に位置し、
該回転歯の凹凸歯及び該固定歯の凹凸歯が、平坦な面を有する複数の凸部と、該凸部の間の凹部とを有し、
該平坦な面の少なくとも一方の縁に刃部が設けられている
ことを特徴とする皮革原料を裁断解繊して繊維細粉を形成する裁断解繊装置
が提供される。
【0029】
皮革原料をこの裁断解繊機を通すと、上記のとおりの好ましいこ繊維細粉が得られる。この装置は、一対の凹凸歯を接触することなく対峠させ凹凸歯の凸部の縁の刃部によって、皮革繊維を裁断する。また凸部は巾を有する平坦な面となっており、皮革繊維を擂りつぶして、長さ方向に引き裂くように解繊して、細い皮革繊維として採りだすことができる。
【0030】
3)円筒型回転分級装置
裁断解繊装置を通過させた皮革粉は、繊維長さが不揃いで、希望する繊維長に揃えるためには、ふるい分け分級が必要である。前述のように平網式振動ふるい機や空気差圧を利用した分級は、効率のよい分級ができなかった。
【0031】
本発明に従うと、このような課題を解決するために、
傾斜して取り付けた円筒型回転金網と、
円筒型回転金網から、皮革片を分離する手段と、
該円筒型回転金網の上部に設けられた、被分級皮革細繊維粉の投入量を調節する分配機と、
該円筒型回転金網の下部に設けられた、粗大粉の排出口と、
円筒型金網の下部に設けられた、分級された皮革粉を回収する回収装置と
を具備することを特徴とする皮革の繊維状細粉を分級する円筒型回転分級装置
が提供される。
【0032】
この円筒型回転分級装置は、傾斜して取り付けされた回転円筒金網が、目詰まりしても、円筒型回転金網から、皮革片を分離する手段によって、目詰まりを除去できる。この分離する手段は、例えば、上部に設置した回転刷毛により構成され、あるいは、網目部分に設けたノズルから空気を吹付ける手段によって、構成される。
【0033】
回転円筒金網は傾斜して取り付けられており、原料投入口から皮革粉は自力で落下し、投入口近くで、繊維長さの短いものが、ふるい分けされ、後段では長いものが落下する。また、綿状に付着した繊維は、好ましくは、上記のとおりに網目部分に設けたノズルから空気吹付け等により分離されるので、分級が容易である。
【0034】
傾斜円筒金網の網目は、投入口近くを網目0.1〜0.5mm目とし、後段は粗目6.0mm以下とすることで、希望する繊維長が分級できる。効率も良い。
【0035】
4)圧縮成型装置
分級された比較繊維細粉は、見掛け比重が小さく綿状であって袋詰めをおこなった場合でも重量を増すことは困難であった。この皮革繊維細粉を圧縮、成型することによって板状、立方体状等の塊状にして取り出すことができたが崩れ易かった。
【0036】
本発明に従うと、このような課題を解決するために、
繊維状細粉が供給される容器と、
該容器に供給された繊維状細粉を撹拌する手段と、
該容器内に供給された繊維状細粉に水溶性糊剤を供給する手段と、
水溶性糊剤が供給された繊維状細粉を圧縮して、塊状にするプレス装置と
を具備することを特徴とする圧縮成型装置
が提供される。
【0037】
繊維状細粉が供給される容器は、例えば、投入ホッパーで構成することができる。この圧縮成型装置によると、水溶性糊材を付着させることによって、上記のとおりの課題を解消することができる。
【0038】
この水溶性糊材には、湿式抄紙時の原料分散槽に皮革繊維細粉を投入した時に、容易に微細粉に戻って均一に水中に分散できる糊材で構成することが好ましい。
【0039】
このような水溶性糊材としては、例えば、皮革処理剤、水溶性澱粉、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、水溶性酢酸ビニール系樹脂、水溶性アクリル系樹脂、水溶性アクリルなどの共重合樹脂、水溶性ウレタン樹脂、ポリアルキレンオキシドポリオール、ポリアルキレンオキシドポリオールで末端処理されたイソシアネート、界面活性剤等が有効であった。このことにより、包装梱包、運搬費の削減が可能となった。
【0040】
5)粗粉砕切削機
さまざまな形状で納入される原料皮革及び皮革屑の内、シェービング屑以外のものは、幅が広がったり、長過ぎたり、不定形であったりして直接に原料革を投入しても、裁断解繊装置では効率よく、希望する繊維長を得ることが難しいため、粗粉砕切削機に掛ける必要がある。粗粉砕切削機を通過させるだけで、早く効率がよく、目的とする繊維長0.5〜20mmのものを得ることが望ましい。
【0041】
本発明に従うと、このような課題を解決するために、
上方に皮革原料の挿入口を有し、下方に粗砕片の排出口を有するケーシングと、
該ケーシング内に設けられた皮革を切削する刃を有するカッターと
該カッターに隣接して設けられた抑えロールとを具備し、 該カッターの刃が、円筒状の円周表面に、軸方向に対して、斜めに配置されており、
皮革原料が該抑えロールと該カッターとの間を通過するときに、該抑えロールが皮革原料を該カッター方向に押しつけて、該カッターによって皮革原料を切削せしめることを特徴とする皮革の粗粉砕切削機
が提供される。
【0042】
この粗粉砕切削機は、カッターの刃が、斜めに配置されており、皮革原料が、削り取られ、上記のとおりの好ましい繊維長のものを得ることができる。
【0043】
また、好ましくは、カッターは、高速回転するのもが最も望ましく、カッターは、ラフイング刃は、例えば、円筒状の円周表面に軸方向に対して斜めに多段に、先端に刃を有する突起を有する。
【0044】
6)皮革切断機
シェービング屑並びに前述の粗粉砕切削機通過後の繊維長さが10mmを超えた被粉砕皮革原料である場合などに、これを繊維長さ10mm以下に高速で効率よく切断する機械が望まれていた。
【0045】
本発明に従うと、このような課題を解決するために、
上方に原料皮革の挿入口を有し、下方に皮革粉の排出口を有するケーシングと、
該ケーシング内に回転可能に設置された回転刃と、
該ケーシング内に固定された固定刃と、
該回転刃は、平面的に観察すると連続した鋸歯状であって、
該回転刃の凸部及び凹部が、それぞれ、該固定刃の凹部及び凸部に嵌まり合うように、該回転刃と該固定刃とが配置されており、
該固定刃が、該回転刃との間隙を変更することができるように、移動可能に設置されている
ことを特徴とする皮革片を切断する皮革切断機
が提供される。
【0046】
この皮革切断機は、回転刃と固定刃との間隙を変化させることによって、希望の繊維長が得られる。この皮革切断機によって切断した後の繊維の端面は、コラーゲン繊維のファイバー・バンドルを破壊することが少なく、繊維状であり湿式抄紙用皮革粉として解繊するには望ましい形状である。
【0047】
従来市販されている機械では、粉砕された繊維が寄り集まり、よじれて縄状の紐になるものが多く、希望する形状寸法の微粉砕繊維は40重量%を超えて、得ることができなかった。そのため、例えば回転刃と固定刃の刃先が近接した時の形状は、平面的に観察すると連続した鋸歯状をなし、剪断刃の凹部に対峠する凸部が、または剪断刃の凸部に対峠する刃の凹部が嵌め合うように作られている刃を有する刃型に変更し、刃先の断面形状を選択し、更に、クリアランスの精度を高めることでよく切断できた。更に、回転ローターに付ける刃数の多いものが好ましく、また、切断された皮革粉は、ケーシング内に浮遊できる空間部を設けることによって、低動力で出口側に容易に吐出させることができる。
【0048】
【実施例】
本発明の製造システムを図1を参照して説明する。
【0049】
シエービング屑のような削り屑である被切削・切断皮革原料が、ホッパーを1に供給され、更に、定量供給分配機2を介して、連続湿度調整装置3に供給される。連続湿度調整装置3に設けられた湿度センサーにより、湿度を検出し、皮革原料の湿度即ち含水率を調整する。連続湿度調整装置3の詳細は、図2及び3を参照して説明する。
【0050】
含水率を調整された皮革原料は、定量供給分配機5を介して、モーター7によって駆動される裁断解繊装置6に供給される。裁断解繊装置6によって、皮革原料が裁断解繊され、皮革繊維細粉が形成される。裁断解繊装置6の詳細は、図4及び5を参照して説明する。
【0051】
裁断解繊されて形成された皮革繊維細粉は、吸引ブロワー8によって回転分級装置9に供給される。回転分級装置9によって分級された細粉は回収槽10に回収される。これらの詳細は、図6及び7を参照して説明する。
【0052】
回収槽10に回収された皮革繊維細粉は、そのまま製品粉とすることもできるが、圧縮成型装置11により、塊状とした製品とすることが好ましい。これらの詳細は、図8及び図9を参照して説明する。
【0053】
回転分級装置9によって、十分分級されなかった、長繊維皮革や塊状物は、回収槽12の一領域に貯められ、吸引ブロワー13および圧送管14によって、定量供給分配機5の入口側に送られ、再度裁断解繊される。
【0054】
本発明の連続湿度調整装置3を、図2及び3を参照して、説明する。
【0055】
この連続湿度調整装置3は、ケーシングと、ケーシング内に傾斜して取り付けられ、上側に位置する皮革原料供給口及び下側に位置する皮革原料排出口を備えた回転炉と、回転炉内に水分を供給する加湿機と、ケーシング内に設けられた湿度センサーとを具備し、湿度センサーの測定値に従って、加湿機からの水分の供給量を制御する。ケーシングは、外板フレーム21等から構成されており、操作パネル22を有する。被処理皮革は回転炉23に、原料投入ホッパー24からロータリー式定量供給分配機25を通して投入する。
【0056】
原料投入ホッパー24から供給された皮革原料は、回転炉23内を徐々に降下する。湿度センサー32によって、連続湿度調整装置3内の湿度を電気的に検出し、この出力に応じて、水又は水蒸気を供給する加湿機36の電源開閉の装置を制御して、皮革原料の湿度を調整する。好ましくは、上記湿度センサー32に出力に応じて、皮革原料の供給量、回転炉駆動モーター27の回転数、回転炉23内を所定の温度に加熱する加熱用ヒーター33の電源開閉の制御も行い、皮革原料が、所定範囲の含水量を有するように、調整される。さらに排気ダクト26と排気量調節ダンパー38が設けられる。
【0057】
回転炉23は、駆動モーター27に接続された駆動軸28に固定された駆動輪29(図3)、および従動輪30(図3)に載せられて回転可能に設置され、回転炉内部に掻ぎ揚げ仕切り板37(図3)が設けられる。移動を容易にするキャスター34が設けられる。
【0058】
含水率が調整された皮革原料は収納槽35に落下する。また炉内の状況は内部透視窓で観察できる。外板フレームの内側には断熱層が設けらている。
【0059】
本発明の裁断解繊装置を図4及び図5を参照して、説明する。この裁断解繊装置は、皮革原料の投入口及び繊維細粉の排出口を有するケーシングと、ケーシング内に設置された固定歯と、ケーシング内に回転可能に設置された回転歯とを具備し、回転歯の凹凸歯が、固定歯の凹凸歯より、該回転歯の半径方向のわずかに内側に位置し、回転歯の凹凸歯及び固定歯の凹凸歯が、平坦な面を有する複数の凸部と、凸部の間の凹部とを有し、該平坦な面の少なくとも一方の縁に刃部が設けられている。ケーシングは、ケーシングプレート41、42、43、44等で構成されている。回転軸45に回転歯46が取り付けられ、回転可能に設置される。回転の駆動用プーリーは、ケーシングの外部に設置され、回転数は1500〜3000rpmである。固定歯は分割されており、第1固定歯47は粗挽き用、第2固定歯48は中挽き用、第3固定歯49は精挽き用を取り付ける。各固定歯は半径方向に移動させる調整ネジ50、51、52が設けられ、固定歯と回転歯の間隙を調節できる。これにより、入口側の第1固定歯47と回転歯46の間隙を広くし、排出側に向かって、第3固定歯49と回転歯46の間隙を狭くすることも、または間隙を一定に設置することもできる。
【0060】
原料投入ホッパーを53、皮革繊維細粉排出口を54、排出用吸引パイプを55に示す。裁断解繊された皮革繊維細粉が入口側に逆流するのを遮断するプレート56が設けられる。
【0061】
図5を参照して、固定歯と回転歯の歯先の形状、機能を説明する。回転歯を46、固定歯を47、48に示す。回転歯に記した矢印は回転の方向を示す。また図5に示したように歯先は、回転歯も固定歯も凹凸状をしており、同一軸上に配置される。
【0062】
投入された皮革粉および細片は、固定歯と回転歯との間隙Hに引き込まれる。次に各歯の凸部の縁Eは刃部が付けられており、ここで裁断された後、凸部上面の平坦な面AおよびFで擂り合って、皮革繊維のタテ長さ方向に解繊され、細長い繊維状になる。また歯の深さBおよびGは、皮革繊維を擂り合わせて解繊する時に発生する熱により、皮革繊維が焦げてしまうのを防止するために、一時的に滞留して冷却するポケットとしての働きがある。
【0063】
図5の記号Aは、回転歯の凸部上面の平坦な面の幅を示し、Bは、回転歯の歯の深さを示し、Fは、固定歯の凸部上面平坦面の幅を示し、Gは、固定歯の歯の深さを示し、Hは、回転歯と固定歯の間隙を示し、Eは、回転歯と固定歯の凸部上端エッジ部に付けられる刃の位置を示し、φDは、回転歯の外径を示す。
【0064】
なお下記の表1に図5の記号部分の寸法を例を示す。
【0065】
表1
No. 名称 擂り幅(mm) 歯の深さ(mm) 間隙(mm) 外径(mm)
46 回転歯 A=0.5〜20 B=0.2〜10 H=±0 φD=200〜500
47 #1固定歯 F=0.5〜20 G=0.2〜10 H=0.3〜10 −
48 #2固定歯 F=0.5〜20 G=0.2〜10 H=0.3〜10 −
49 #3固定歯 F=0.5〜20 G=0.2〜10 H=0.0〜10 −
本発明の回転分級装置を図6および7を参照して説明する。
【0066】
この回転分級装置9は、傾斜して取り付けた円筒型回転金網63と、円筒型回転金網から皮革片を分離する手段と、円筒型回転金網の上部に設けられた、被分級皮革細繊維粉の投入量を調節する分配機66と、円筒型回転金網の下部に設けられた、粗大粉の排出口と、円筒筒型金網の下部に設けられた、分級された皮革粉の回収装置10とを具備する。円筒型回転金網63は、基礎フレーム61、回転円筒金網の傾斜角を調節する架台62によって、支持されている。架台62には、操作盤を64が設けられている。更に、分級する皮革繊維細粉の投入ホッパー65、投入原料を回転円筒金網内に一定量を供給する分配機66を具備する。回転円筒金網を回転する駆動モーター67に接続した駆動軸68に固定された駆動輪72、図7の従動輪73に回転円筒金網63が載せられて、回転可能に設置される。回転ブラシ69および図7の空気噴出管74からの空気噴射によって、金網の網目に目詰まりした皮革粉は、除去され、分級面の網目は常に清浄化され、分級効率が向上する。これらの、回転ブラシ69及び/又は空気噴出管74が、円筒型回転金網から皮革片を分離する手段を構成する。要求される皮革繊維細粉の長さによって、入口側を細目に、出口側を粗目とすることも、さらに多段に組み合わせることもできる。また回転円筒金網63は取り外し、交換が容易に設置される。また回転円筒金網の内部には、掻ぎ揚げ用仕切り板75が設けられる。分級された皮革粉の回収装置10は、バックフィルターまたはサイクロン型回収槽とすることができる。分級されなかった長繊維皮革および塊状物は回収槽12に貯えられる。微細な皮革繊維細粉の外部飛散を防止するための外壁76内に回転金網型分級装置が納められている。
【0067】
本発明の圧縮成型装置を図8および9を参照して説明する。
【0068】
この圧縮成型装置11は、繊維状細粉が供給される容器と、容器に供給された繊維状細粉を撹拌する手段と、容器内に供給された繊維状細粉に水溶性糊剤を供給する手段と、水溶性糊剤が供給された繊維状細粉を圧縮して、塊状にするプレス装置とを具備する。
【0069】
この実施例においては、圧縮成型装置11は、ベースプレート91、基礎フレーム92、圧縮プレス上板93、圧縮機タイロッド94及び圧縮用油圧シリンダー95を具備する。原料皮革繊維細粉の投入ホッパー96の内部に、薬液噴霧装置99で噴霧された水溶性糊剤を均一に付着させる撹拌羽根98を設ける。投入ホッパー96が、繊維状細粉が供給される容器を構成し、撹拌羽根98が、撹拌する手段を構成する。撹拌羽根の駆動用モーター97を設置する。水溶性糊剤を皮革粉に付着させることにより、皮革粉を容易に水中に分散させることができて、湿式抄紙設備での作業が容易になるだけでなく、皮革粉の固状化バインダーとして働く。水溶性糊剤が付着した皮革粉を定量切り出すシャッター100で切り出され、プレス装置(B)に移される。プレス装置によって、板状または塊状に圧縮された皮革粉は、突き落とし装置(C)に移される。突き落とし装置の支えロッド102に連結金具101を介して、空気シリンダー103を保持する。空気圧によって、突き出しプレート104を上下し、圧縮された皮革粉を製品搬出用台車105に載せた、製品収納ストッカー106に落下させる。皮革粉圧縮のための油圧ユニット107を設置する。操作盤108により運転操作を行う。なお、図8中の(A)は、皮革粉充填時のケーシング枠、図9の110の位置、(B)は、圧縮時の位置、(C)は、突き落とし時の位置を示す。図10によりプレス装置を側面から見た要部を説明する。
【0070】
皮革繊維細粉の圧縮プレート109は油圧で上下する。成型用ケーシング枠110は、ケーシング枠の抑え金具111によって保持され、焼き入れして、硬度を高めた皮革粉の受け板112に皮革粉を載せて圧縮する。ケーシング枠110の移動装置114に連結された、移動ジョイント113によって、ケーシング枠を、皮革粉の投入、圧縮、突き落としの都度移動させる。
【0071】
次に、図10乃至図13を参照して、粗粉砕切削装置116を説明する。粗粉砕切削装置116は、使用する皮革原料が種々の形状を有する場合に、皮革原料を所定の大きさにするために使用される。粗粉砕切削装置116によって、処理された皮革原料は、図1のホッパー1に、供給される。
【0072】
即ち、供給される原料が、例えば、シエービング屑のみであり、所定の大きさを有する場合には、原料を直接裁断解繊装置に供給して、効率良く希望する繊維長を有する皮革繊維を得ることができる。しかし、供給される原料が種々の形状を有する場合、そのまま、裁断解繊装置に供給しても、効率良く希望する繊維長を有する皮革繊維を得ることができない。このため、この粗粉砕切削装置116によって、例えば、繊維長0.5〜20mmの皮革片を得る。
【0073】
この粗粉砕切削装置116は、上方に皮革原料の挿入口を有し、下方に粗砕片の排出口を有するケーシングと、ケーシング内に設けられた皮革を切削する刃を有するカッターと、カッターに隣接して設けられた抑えロールとを具備し、カッターの刃が、円筒状の円周表面に、軸方向に対して、斜めに配置されており、皮革原料が該抑えロールと該カッターとの間を通過するときに、該抑えロールが皮革原料を該カッター方向に押しつけて、該カッターによって皮革原料を切削せしめる。
【0074】
図10に示した実施例においては、投入ホッパー117から皮革原料が、粗粉砕切削装置116に供給される。粗粉砕切削装置116は、第1モータ118及び第2モータ119によって駆動され、処理された皮革原料は、回収容器120に集められた後、図1のホッパー1に供給される。
【0075】
図11を参照して、粗粉砕切削装置116の内部構造を説明する。ケーシングベースプレート121には、切削粉の排出口137が設けられる。上部ケーシングプレート122には、原料皮革片の挿入口124およびスプリング取付けケース131が付けられる。ケーシング外側板を123で示す。これらのケーシングベースプレート121等が、ケーシングを構成する。
【0076】
挿入皮革の抑えロール126、127、132を駆動させる主動軸、歯車およびプーリーは、ケーシングの外部に取り付けられる。被切削皮革を、皮革の抑えロール126および127の間で掴みながら、抑え金具146および回転切削するラフィングカッター134と抑えロール132との間に送りこむ。このため、皮革原料が抑えロール132とラフィングカッター134との間を通過するときに、抑えロール132が皮革原料をラフィングカッター134方向に押しつけて、ラフィングカッター134によって皮革原料を切削せしめる。
【0077】
テンション軸128にはテンションブラケット129を取り付ける。テンションブラケット129には、抑え金具146及び抑えロール127を取り付け、スプリング130によって、常に下部が抑えロール126側に押し付けられている。被切削皮革が抑えロール126および127の間に挿入されると、皮革の厚さに相当する分だけ、抑え金具146、抑えロール127およびテンションブラケット129が、図11の左方に動くが、被切削皮革は、抑えロール126および127の間、及び抑え金具146及び抑えロール132の間で掴まれている。このため回転切削するフライングカッター134と抑えロール132の間に挿入された、被切削皮革が抜け落ちることはない。ラフィングカッター134は1500〜3000rpmの速度で回転して、皮革を切削する。また皮革の抑えロール126、127および132は低速回転であり、被切削皮革の送り速度は遅く、皮革の新しい切削端面が順次来るようになる。また、抑えロール132および抑え金具146は、ラフィングカッター134に触れることのないように設置される。下部には切削された皮革片の排出シュート136と排出口137が設けられる。
【0078】
次に、粗粉砕切削装置のケーシングの外側の構造を図12によって説明する。ラフィングカッター134に連結している駆動プーリー138には、駆動ベルト139が掛けられ1500〜3000rpmで回転させる。抑えロール126に連結された歯車143、抑えロール127に連結された歯車144および抑えロール132に連結された歯車145を噛み合わせて回転させるための歯車142、直結された駆動プーリー140には駆動ベルト141が掛けられ、低速で回転して、各歯車に動力を伝達させる。
【0079】
抑えロール126と127の間に皮革が挿入されると、抑えロール127に連絡された歯車144も同時に皮革の厚さに相当する分だけ、図12では左に動くが、歯車144と噛み合っている歯車143から噛み合わせが外れてしまうことがないように歯車144の歯高を大としてある。抑えロール132に連結されている歯車145は歯車142と噛み合っている。
【0080】
ラフィングカッター134の形状を図13を参照して、説明する。Aは、軸方向方向の長さ、Bは外径、Cはシャンク径を示す。刃の形は、円筒上の円周表面に、軸方向に対して刃線が斜めになるように設けられ、多段に凹みを設け、凹みの上面円周部のエッジ部分に刃を付け、その刃先で皮革を切削する。このように、ラフィングカッター134の刃は、円筒状の円周表面に、軸方向に対して、斜めに配置されている。
【0081】
次に、図14及び15を参照して、皮革切断機150を説明する。
【0082】
この皮革切断機150は、粗粉砕切削機116の代わりに用いることができる装置であり、皮革部片を直接切断するので、薄い箔状短片となっている物に対しては、粗粉砕切削機116より効率的に処理できる。
【0083】
この皮革切断機150は、上方に原料皮革の挿入口を有し、下方に皮革粉の排出口を有するケーシングと、ケーシング内に回転可能に設置された回転刃と、ケーシング内に固定された固定刃とを具備し、回転刃は、平面的に観察すると連続した鋸歯状であって、回転刃の凸部及び凹部が、それぞれ、固定刃の凹部及び凸部んに嵌まり合うように、回転刃と固定刃とが配置されており、固定刃が、回転刃との間隙を変更することができるように、移動可能に設置されている。
【0084】
図示した実施例では、被切断原料皮革の投入ホッパー151は上部ケーシングプレート152に取り付けられる。側部ケーシングプレート153、下部ケーシングプレート154には排出口163が取り付けられる。上部ケーシングプレート152等が、ケーシングを構成する。回転刃156を取り付ける回転ローター155および回転軸は、1500〜3000rpmで回転する。また、回転を駆動するプーリーはケーシングの外側に設けられ、回転軸に連結される。固定刃157を取り付けるプレートは、棚状になっており、側部ケーシングプレート153に取り付け、被切断皮革が落下しないようにしてある。固定刃157は調整ネジ158によって半径方向に移動可能に設置されており、回転刃156と固定刃157の刃先の間隙を調整することができる。回転ローター155の外径は、固定刃157の刃先の内径より、僅かに小径としてあり、回転刃156の刃先が、固定刃157の刃先を通過した後も、被切断皮革が極めて落下しにくい。被切断皮革が刃先に近づくようにするためのガイド板159、および切断された皮革粉が投入口側に逆流しないようにするためのストッパー161は、側部ケーシングプレート153に取り付けられる。ストッパー161の先端の長さは、回転刃156の外周より僅かに大としてある。回転ローター155には、回転刃156を取り付ける切り込み160が設けられる。固定刃取り付けプレートとストッパー161までの間で、シューター162を回転ローター155から遠ざけて、排出管163までの空間を取ることにより、切断された皮革粉は浮遊し、容易に吐出させることができる。
【0085】
次に、回転刃156と固定刃157の刃先の形状拡大図である図15を参照して説明する。回転刃156と固定刃157の刃先が接近した際、平面的に観察した時の形状は、連続した鋸歯状であって、回転刃156の凸部が、固定刃157の凹部に、また凹部が凸部に相互に嵌め合うように造られる。また、各々の刃先が摩耗した場合に再研磨が可能なように刃元に向かって凹みを設けてある。
【0086】
なお、図15において、t=刃の厚さ、C=回転刃56と固定刃57の間の間隙、L=刃幅、矢印は回転の方向を示す。
【0087】
【発明の効果】
従来、湿式抄紙に適する濾水度を高めた皮革粉を、希望する繊維長さに揃えて、かつコラーゲン繊維を形造る鞘および束を、できる限り残しながら適当な太さに解繊しアスペクト比を保ち収率よく製造することができなかった。
【0088】
本発明により、これらの問題点を取り除き、供給原料皮革および皮革屑から90%以上の収率で湿式抄紙に適する皮革粉が得られ、現在、大量に廃棄物として捨てられている皮革屑の再利用が図れる。このことにより、木材パルプ同様に湿式法で抄紙することが可能となり、優れた特性を有する皮革紙を製造することができるようになった。さらに、塗料顔料・静電植毛原料・不織布・皮革糸原料などにも利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】皮革原料から皮革粉を形成するためのシステムの概略図。
【図2】本発明の好適実施例に従う連続湿度調整装置の正面図。
【図3】図2の連続湿度調整装置の側面図。
【図4】本発明の好適実施例に従う裁断解繊装置の正面図。
【図5】図4の裁断解繊装置の要部拡大図。
【図6】本発明の好適実施例に従う回転分級装置の正面図。
【図7】図6の回転分級装置の側面図。
【図8】本発明の好適実施例に従う圧縮成型装置の側面図。
【図9】図8の圧縮成型装置の正面図。
【図10】本発明の好適実施例に従う粗切削機を含む装置の正面図。
【図11】図10の粗切削機の正面図。
【図12】図10の粗切削機の背面図。
【図13】図10の粗切削機の要部拡大斜視図。
【図14】本発明の好適実施例に従う皮革切断機の正面図。
【図15】図14の皮革切断機の要部拡大図。
【符号の説明】
1 ホッパー
3 連続湿度調整装置
6 裁断解繊装置
9 回転分級装置
11 圧縮成型装置
32 湿度センサー
36 加湿機
46 回転歯
47 第1固定歯
48 第2固定歯
49 第3固定歯
63 回転円筒金網
69 回転ブラシ
74 空気噴出管
Claims (1)
- 皮革原料の投入口及び繊維細粉の排出口を有するケーシングと、該ケーシング内に設置された固定歯と、該ケーシング内に回転可能に設置された回転歯とを具備し、該回転歯の凹凸歯が、該固定歯の凹凸歯より、該回転歯の半径方向のわずかに内側に位置し、該回転歯の凹凸歯及び該固定歯の凹凸歯が、平坦な面を有する複数の凸部と、該凸部の間の凹部とを有し、該平坦な面の少なくとも一方の縁に刃部が設けられていることを特徴とする皮革原料を裁断解繊して繊維細粉を形成する裁断解繊装置。
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