JP6544477B2 - シート製造装置、シート製造方法 - Google Patents

シート製造装置、シート製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シート製造装置、シート製造方法に関する。
従来、古紙処理工程から排出される脱墨フロスを主原料とし、当該主原料を脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程を経ることにより得られた再生粒子凝集体を填料としてパルプに内添した電子写真用転写紙が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3872092号公報
しかしながら、上記電子写真用転写紙を製造するにあたり、脱墨フロスを再利用する際、脱水工程、乾燥工程、焼成工程及び粉砕工程が必要となり、エネルギー消費量が多くなってしまう、という課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例にかかるシート製造装置は、繊維を含む原料を気中で解繊するための解繊部と、前記解繊部により解繊された解繊物と添加剤とを、気中で混合するための混合部と、回転する複数の開口を有し、前記混合部により混合された混合物を前記開口を通過させて降下させるための堆積部と、前記開口を通過した前記混合物をメッシュベルト上に吸引するための第1気流を発生させる第1気流発生部を有し、前記混合物を前記メッシュベルト上に堆積させてウエブを形成するためのウエブ形成部と、前記ウエブからシートを形成するシート形成部と、前記メッシュベルトのメッシュを通過した前記混合物を、前記第1気流発生部による第1気流により、前記解繊部に送るための搬送路と、を有することを特徴とする。
堆積部から解繊物と添加剤とが混合された混合物を降下させ、当該混合物をメッシュベルト上に吸引する際、一部の混合物はメッシュを通過してしまう。メッシュを通過してしまった混合物には添加剤が含まれるため、添加剤の損失となる。そこで、上記構成では、メッシュを通過した混合物を、第1気流発生部による第1気流により、搬送路を介して解繊部に送る。これにより、メッシュを通過した混合物に含まれる添加剤を容易に再利用することが可能となる。従って、エネルギー消費量を抑えた形態で、添加剤の使用効率を高め、添加剤の損失量を低減することができる。
[適用例2]上記適用例にかかるシート製造装置は、前記解繊部により解繊された前記解繊物を選別するための選別部を有し、前記混合部は、前記選別部により選別された第1選別物と前記添加剤とを混合することを特徴とする。
この構成によれば、解繊物を選別して繊維長のばらつきを低減させることにより、均一な品質のシートを製造することができる。
[適用例3]上記適用例にかかるシート製造装置は、前記解繊物を前記選別部に送るための第2気流を発生させる第2気流発生部を有し、前記第2気流の風量は、前記第1気流の風量よりも大きいことを特徴とする。
この構成によれば、搬送路から第1気流が漏れることを防止することができる。これにより、第1気流により搬送される混合物の飛散を防止することができる。
[適用例4]上記適用例にかかるシート製造装置は、前記第1気流の流速を計測するための第1計測部と、前記第2気流の流速を計測するための第2計測部と、前記第1および第2計測部による計測結果に応じて、前記第2気流の風量が前記第1気流の風量よりも大きくなるよう、前記第1及び第2気流発生部を制御する制御部と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、第1及び第2計測部により、第1及び第2気流発生部の駆動を確実に制御することができる。
[適用例5]本適用例にかかるシート製造方法は、繊維を含む原料を気中で解繊する解繊処理工程と、解繊された解繊物と添加剤とを、気中で混合する混合処理工程と、混合された混合物を開口を通過させて降下させる堆積処理工程と、前記開口を通過した前記混合物をメッシュベルト上に吸引するための第1気流を発生させ、前記混合物を前記メッシュベルト上に堆積させてウエブを形成するウエブ形成処理工程と、前記ウエブからシートを形成するシート形成処理工程と、前記メッシュベルトのメッシュを通過した前記混合物を、前記第1気流により、前記解繊処理工程に送る搬送処理工程と、を含むことを特徴とする。
解繊物と添加剤とが混合された混合物を降下させ、当該混合物をメッシュベルト上に吸引する際、一部の混合物はメッシュを通過してしまう。メッシュを通過してしまった混合物には添加剤が含まれるため、添加剤の損失となる。そこで、上記構成では、メッシュを通過した混合物を、第1気流により解繊処理に送る。これにより、メッシュを通過した混合物に含まれる添加剤を容易に再利用することが可能となる。従って、エネルギー消費量を抑えた形態で、添加剤の使用効率を高め、添加剤の損失量を低減することができる。
シート製造装置の構成を示す概略図。 シート製造装置の制御部の構成を示すブロック図。 シート製造方法を示すフローチャート。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。
まず、本実施形態に係るシート製造装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係るシート製造装置100の構成を示す概略図である。
図1に示すように、シート製造装置100は、供給部10と、製造部102と、制御部104と、を備える。製造部102は、シートを製造する。製造部102は、粗砕部12と、解繊部20と、選別部40と、第1ウエブ形成部45と、回転体49と、混合部50と、堆積部60と、第2ウエブ形成部70(ウエブ形成部)と、シート形成部80と、切断部90と、搬送路200等を有している。
供給部10は、粗砕部12に原料を供給する。供給部10は、例えば、粗砕部12に原料を連続的に投入するための自動投入部である。供給部10によって供給される原料は、例えば、古紙やパルプシートなどの繊維を含むものである。
粗砕部12は、供給部10によって供給された原料を、空気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、例えば、数cm角の細片である。図示の例では、粗砕部12は、粗砕刃14を有し、粗砕刃14によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部12としては、例えば、シュレッダーを用いる。粗砕部12によって裁断された原料は、ホッパー1で受けてから管2及び管201(搬送路200)を介して、解繊部20に移送される。
解繊部20は、粗砕部12によって裁断された原料を解繊する。ここで、「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる原料(被解繊物)を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20は、原料に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止剤等の物質を、繊維から分離させる機能をも有する。なお、本実施形態は、粗砕部12によって裁断された原料と、堆積部60側のメッシュベルト72を通過し、搬送路200を介して搬送された混合物とを合わせて解繊可能な構成を有する。詳細については後述する。
解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた解繊物繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色剤や、にじみ防止材、紙力増強剤等の添加剤を含んでいる場合もある。解きほぐされた解繊物の形状は、ひも(string)状や平ひも(ribbon)状である。解きほぐされた解繊物は、他の解きほぐされた繊維と絡み合っていない状態(独立した状態)で存在してもよいし、他の解きほぐされた解繊物と絡み合って塊状となった状態(いわゆる「ダマ」を形成している状態)で存在してもよい。
解繊部20は、乾式で解繊を行う。ここで、液体中ではなく、大気中(空気中)等の気中において、解繊等の処理を行うことを乾式と称する。解繊部20として、本実施形態ではインペラーミルを用いる。解繊部20は、原料を吸引し、解繊物を排出するような気流を発生させる機能を有している。これにより、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口22から、原料を気流と共に吸引し、解繊処理して、排出口24へと搬送することができる。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、選別部40に移送される。
選別部40は、解繊部20により解繊された解繊物を導入口42から導入し、繊維の長さによって選別する。選別部40としては、例えば、篩(ふるい)を用いる。選別部40は、網(フィルター、スクリーン)を有し、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの、第1選別物)と、網の目開きの大きさより大きい繊維や未解繊片やダマ(網を通過しないもの、第2選別物)と、を分けることができる。例えば、第1選別物は、管7を介して、混合部50に移送される。第2選別物は、排出口44から管8を介して、解繊部20に戻される。具体的には、選別部40は、モーターによって回転駆動される円筒の篩である。選別部40の網としては、例えば、金網、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタル、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いる。
第1ウエブ形成部45は、選別部40を通過した第1選別物を、混合部50に搬送する。第1ウエブ形成部45は、メッシュベルト46と、張架ローラー47と、サクション機構48と、を含む。
サクション機構48は、選別部40の開口(網の開口)を通過して空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。第1選別物は、移動するメッシュベルト46上に堆積し、ウエブVを形成する。メッシュベルト46、張架ローラー47の基本的な構成は、後述する第2ウエブ形成部70のメッシュベルト72及び張架ローラー74の構成と同様である。
サクション機構48は、メッシュベルト46の下方(選別部40側とは反対側)に設けられている。サクション機構48は、メッシュベルト46の下方に設けられ、メッシュベルト46に向けて開口を有する開口部48aと、一方端部が開口部48aに接続された管48bと、管48bの他方端部に接続された集塵機48cと、一方端部が集塵機48cに接続された管48dと、管48dの他方端部に接続されたブロアー48eと、を備えている。ブロアー48eを駆動させることにより、下方に向く気流(選別部40からメッシュベルト46に向く気流)を発生させることができる。本実施形態では、粗砕部12の開口から(管2の開口)から吸気され、管2、管3、管48b、管48dを通る気流が発生する。サクション機構48によって、選別部40により空気中に分散された第1選別物をメッシュベルト46上に吸引することができる。また、集塵機48cは、フィルター(図示せず)を備え、ブロアー48eによる吸引でメッシュベルト46を通過した第1選別物に含まれる粉塵(例えば、粉体、樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナーなどの色剤)を捕集することができる。また、集塵機48cのフィルターを通過した空気は、ブロアー48eにより排気口から外部に排気される。
ウエブVは、選別部40および第1ウエブ形成部45を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態に形成される。メッシュベルト46に堆積されたウエブVは、管7へ投入され、混合部50へと搬送される。
回転体49は、ウエブVが混合部50に搬送される前に、ウエブVを切断することができる。図示の例では、回転体49は、基部49aと、基部49aから突出している突部49bを有している。突部49bは、例えば、板状の形状を有している。図示の例では、突部49bは4つ設けられ、4つの突部49bが等間隔に設けられている。基部49aが方向Rに回転することにより、突部49bは、基部49aを軸として回転することができる。回転体49によってウエブVを切断することにより、例えば、堆積部60に供給される単位時間当たりの解繊物の量の変動を小さくすることができる。
回転体49は、第1ウエブ形成部45の近傍に設けられている。図示の例では、回転体49は、ウエブVの経路において下流側に位置する張架ローラー47aの近傍に(張架ローラー47aの横に)設けられている。回転体49は、突部49bがウエブVと接触可能な位置であって、ウエブVが堆積されるメッシュベルト46と接触しない位置に設けられている。これにより、メッシュベルト46が突部49bによって磨耗する(破損する)ことを抑制することができる。突部49bとメッシュベルト46との間の最短距離は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下である。
なお、図示の例では、回転体49のウエブVの搬送方向上流側にはメッシュベルト46に形成されたウエブVを調湿する調湿部400が設けられている。調湿部400は、ウエブWに対して水や水蒸気を添加して、ウエブVと水との量比を調節することができる。
混合部50は、選別部40を通過した第1選別物(第1ウエブ形成部45により搬送された第1選別物(解繊物))と、樹脂を含む添加剤と、を気中で混合する。混合部50は、添加剤を供給する添加剤供給部52と、第1選別物と添加剤とを搬送する管54と、ブロアー56と、を有している。図示の例では、添加剤は、添加剤供給部52からホッパー9を介して管54に供給される。管54は、管7と連続している。
混合部50では、ブロアー56によって気流を発生させ、管54中において、第1選別物と添加剤とを混合させながら、搬送することができる。なお、第1選別物と添加剤とを混合させる機構は、特に限定されず、高速回転する羽根により攪拌するものであってもよいし、V型ミキサーのように容器の回転を利用するものであってもよい。
添加剤供給部52としては、図1に示すようなスクリューフィーダーや、図示せぬディスクフィーダーなどを用いる。添加剤供給部52から供給される添加剤は、複数の繊維を結着させるための樹脂を含む。樹脂が供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、シート形成部80を通過する際に溶融して、複数の繊維を結着させる。
添加剤供給部52から供給される樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、などである。これらの樹脂は、単独または適宜混合して用いてもよい。添加剤供給部52から供給される添加剤は、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。
なお、添加剤供給部52から供給される添加剤には、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を防止するための凝集防止剤、繊維等が燃えにくくするための難燃剤が含まれていてもよい。混合部50を通過した混合物(第1選別物と添加剤との混合物)は、管54を介して、堆積部60に移送される。
堆積部60は、混合部50を通過した混合物を導入口62から導入し、絡み合った解繊物(繊維)をほぐして、空気中で分散させながら降らせる。さらに、堆積部60は、添加剤供給部52から供給される添加剤の樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。これにより、堆積部60は、第2ウエブ形成部70に、混合物を均一性よく堆積させることができる。
堆積部60としては、回転する円筒の篩を用いる。堆積部60は、網(複数の開口)を有し、混合部50を通過した混合物に含まれる、網の目開きの大きさより小さい繊維または粒子(網を通過するもの)を降らせる。堆積部60の構成は、例えば、選別部40の構成と同じである。
なお、堆積部60の「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、堆積部60として用いられる「篩」とは、網を備えたもの、という意味であり、堆積部60は、堆積部60に導入された混合物の全てを降らしてもよい。
第2ウエブ形成部70は、堆積部60を通過した通過物を堆積して、ウエブWを形成する。第2ウエブ形成部70は、例えば、メッシュベルト72と、張架ローラー74と、サクション機構76と、を有している。
メッシュベルト72は、移動しながら、堆積部60の開口(網の開口)を通過した通過物を堆積する。メッシュベルト72は、張架ローラー74によって張架され、通過物を通しにくく空気を通す構成となっている。メッシュベルト72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。メッシュベルト72が連続的に移動しながら、堆積部60を通過した通過物が連続的に降り積もることにより、メッシュベルト72上にウエブWが形成される。メッシュベルト72は、例えば、金属製、樹脂製、布製、あるいは不織布等である。
サクション機構76は、メッシュベルト72の下方(堆積部60側とは反対側)に設けられている。サクション機構76は、メッシュベルト72の下方に設けられ、メッシュベルト72に向けて開口を有する開口部76aと、一方端部が開口部76aに接続された管76bと、管76bの他方端部に接続され、第1気流を発生させる第1気流発生部76cと、を備えている。第1気流発生部76cは、例えば、ブロアーであり、第1モーターにより駆動する。そして、第1気流発生部76cを駆動させることにより、下方に向く気流(堆積部60からメッシュベルト72に向く気流)を発生させることができる。本実施形態では、管7の開口から吸気され、管54、管76bを通る気流が発生する。サクション機構76によって、堆積部60により空気中に分散された混合物をメッシュベルト72上に吸引することができる。これにより、堆積部60からの排出速度を大きくすることができる。さらに、サクション機構76によって、混合物の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や添加剤が絡み合うことを防ぐことができる。
以上のように、堆積部60および第2ウエブ形成部70(ウエブ形成処理工程)を経ることにより、空気を多く含み柔らかくふくらんだ状態のウエブWが形成される。メッシュベルト72に堆積されたウエブWは、シート形成部80へと搬送される。
なお、図示の例では、堆積部60とシート形成部80との間にウエブWを調湿する調湿部78が設けられている。調湿部78は、ウエブWに対して水や水蒸気を添加して、ウエブWと水との量比を調節することができる。
シート形成部80は、メッシュベルト72に堆積したウエブWを加圧加熱してシートSを形成する。シート形成部80では、ウエブWにおいて混ぜ合された解繊物および添加剤の混合物に、熱を加えることにより、混合物中の複数の繊維を、互いに添加剤(樹脂)を介して結着することができる。
シート形成部80は、ウエブWを加圧する加圧部82と、加圧部82により加圧されたウエブWを加熱する加熱部84と、を備えている。加圧部82は、一対のカレンダーローラー85で構成され、ウエブWに対して圧力を加える。ウエブWは、加圧されることによりその厚さが小さくなり、ウエブWの密度が高められる。加熱部84としては、例えば、加熱ローラー(ヒーターローラー)、熱プレス成形機、ホットプレート、温風ブロワー、赤外線加熱器、フラッシュ定着器を用いる。図示の例では、加熱部84は、一対の加熱ローラー86を備えている。加熱部84を加熱ローラー86として構成することにより、加熱部84を板状のプレス装置(平板プレス装置)として構成する場合に比べて、ウエブWを連続的に搬送しながらシートSを成形することができる。ここで、カレンダーローラー85(加圧部82)は、加熱ローラー86(加熱部84)によってウエブWに印加される圧力よりも高い圧力をウエブWに印加することができる。なお、カレンダーローラー85や加熱ローラー86の数は、特に限定されない。
切断部90は、シート形成部80によって成形されたシートSを切断する。図示の例では、切断部90は、シートSの搬送方向と交差する方向にシートSを切断する第1切断部92と、搬送方向に平行な方向にシートSを切断する第2切断部94と、を有している。第2切断部94は、例えば、第1切断部92を通過したシートSを切断する。
以上により、所定のサイズの単票のシートSが成形される。切断された単票のシートSは、排出部96へと排出される。
次に、搬送路200について説明する。搬送路200は、メッシュベルト72のメッシュを通過した混合物を、第1気流発生部76cによる気流により、解繊部20に送るものである。メッシュベルト72のメッシュを通過した混合物は、例えば、添加剤供給部52から供給された添加剤を含む。搬送路200は、一方端部が第1気流発生部76cに接続された管201を備えている。そして、管201の他方端部は解繊部20の導入口22に接続されている。これにより、第1気流発生部76cによる第1気流で管76bを介して吸引された混合物は、管201を介して解繊部20に送られる。
また、本実施形態では、管201の途中において管2が接続されている。従って、粗砕部12によって裁断された原料と、第1気流発生部76cによる気流で搬送された混合物と、が合わさって解繊部20に搬送される。解繊部20を通過した解繊物は、管3を介して、選別部40に移送される。従って、本実施形態の混合部50では、選別部40により選別された第1選別物と添加剤とを混合する。ここで、第1選別物には第1気流発生部76cによる気流により搬送路200を介して解繊部20に搬送された混合物に含まれる添加剤が含まれる。これにより、解繊物を選別して繊維長のばらつきを低減させることにより、均一な品質のシートを製造することができるとともに、添加剤の再利用が可能となり、添加剤の損失を低減することができる。
また、解繊部20から解繊物を選別部40に搬送する管3の途中経路には、第2気流を発生させる第2気流発生部212が配置されている。第2気流発生部212は、例えば、ブロアーであり、第2モーターで駆動する。第2気流発生部212による第2気流により解繊物を効率良く搬送させることができる。また、第1気流発生部76cによる第1気流と第2気流発生部212による第2気流との関係において、第2気流の風量が、第1気流の風量よりも大きくなるように制御されている。ここで、風量とは、単位時間当たりにおける供給(移動)可能な空気量である。そして、第2気流の風量が、第1気流の風量よりも大きいため、第1気流により搬送される混合物が、例えば粗砕部12(ホッパー1等の開口部分)から飛散することを防ぐことができる。
また、第1気流の流速を計測するための第1計測部としての第1流速センサー301と、第2気流の流速を計測するための第2計測部としての第2流速センサー302と、が設けられている。本実施形態では、管201内に第1流速センサー301が配置され、管3内に第2流速センサー302が配置されている。第1流速センサー301及び第2流速センサー302は、例えば、熱線式の流速センサーを適用することができる。なお、熱線式の流速センサーに限定されず、例えば、ベーン式(ヒラム式)の流速計、レーザー光、超音波やマイクロ波を利用した各種流速計を適用することができる。
第1及び第2流速センサー301,302は制御部104に接続され、制御部104では、第1及び第2流速センサー301,302による計測結果に応じて、第2気流の風量が第1気流の風量よりも大きくなるよう、第1及び第2気流発生部76c,212を制御するように構成されている。すなわち、制御部104では、第1及び第2流速センサー301,302が取得した流速情報に基づいて、管201における第1気流による風量と管3における第2気流による風量とを算出するとともに、第1気流による風量と第2気流による風量とを比較し、第2気流の風量が第1気流の風量よりも大きくなるように、第1及び第2気流発生部76c,212を制御する。
次に、シート製造装置の制御部の構成について説明する。図2は、シート製造装置の制御部の構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、第1及び第2気流発生部76c,212の制御構成を中心に説明する。図2に示すように、制御部104は、指令部1300と駆動部1400等を備えている。指令部1300は、CPU1301、記憶手段としてのROM1302、RAM1303及び入出力インターフェイス1304からなり、CPU1301が入出力インターフェイス1304を介して入力される各種信号を、ROM1302、RAM1303のデータに基づき処理し、入出力インターフェイス1304を介して駆動部1400へ制御信号を出力する。CPU1301は、例えば、ROM1302に記憶された制御プログラムに基づいて、各種制御を行う。
駆動部1400は、第1流速センサー駆動部1401、第2流速センサー駆動部1402、第1モーター駆動部1403、第2モーター駆動部1404で構成されている。そして、指令部1300の制御信号に基づいて、第1流速センサー駆動部1401は、第1流速センサー301を駆動制御する。また、第2流速センサー駆動部1402は、第2流速センサー302を駆動制御する。そして、第1モーター駆動部1403は、第1気流発生部76cの第1モーターを駆動制御する。第2モーター駆動部1404は、第2気流発生部212の第2モーターを駆動制御する。これにより、第1および第2流速センサー301,302による計測結果に応じて、第2気流の風量が第1気流の風量よりも大きくなるよう、第1及び第2気流発生部76c,212が駆動制御される。
なお、制御部104には、表示装置(例えば、モニター)が接続され、また、マウスやキーボード等の入力装置が接続されており、入力装置を介して、適宜、第1気流発生部76cや第2気流発生部212等の駆動制御の設定や変更を行うことができる。そして、表示装置を介して、設定された駆動制御内容の表示や、第1および第2流速センサー301,302の流速を監視可能に構成にされている。
次に、シート製造方法について説明する。図3は、シート製造方法を示すフローチャートである。なお、本実施形態では、上記シート製造装置100にかかるシート製造方法を例にして説明する。
図3に示すように、まず、ステップS11の解繊処理工程では、解繊部20により供給部10や粗砕部12等から供給された繊維を含む原料を気中で解繊する。
次いで、ステップS12の選別処理工程では、選別部40により解繊部20で解繊された解繊物を選別する。具体的には、選別部40の篩を通過する第1選別物と、篩を通過しない第2選別物と、に選別する。これにより、繊維の長さが整った第1選別物を得ることができる。
次いで、ステップS13の混合処理工程では、混合部50により選別部40で選別された第1選別物(解繊物)と添加剤とを、気中で混合する。
次いで、ステップS14の堆積処理工程では、堆積部60により混合部50で混合された混合物を開口を通過させて降下させる。具体的には、混合物を堆積部60の篩の複数の開口を通過させ、メッシュベルト72上に向けて降下させる。
まず、ステップS15のウエブ形成処理工程では、サクション機構76の第1気流発生部76cにより篩の開口を通過した混合物をメッシュベルト72上に吸引するための第1気流を発生させ、混合物をメッシュベルト72上に堆積させてウエブWを形成する。
ウエブ形成処理工程の後は、ステップS16の搬送処理工程と、ステップS17のシート形成処理工程と、を実行する。
まず、ステップS16の搬送処理工程では、ウエブ形成処理工程においてメッシュベルト72のメッシュを通過した混合物を、第1気流により、解繊部20に送る。すなわち、ステップS11の解繊処理工程に移行する。ここで、メッシュベルト72のメッシュを通過した混合物には、例えば、添加剤供給部52から供給された添加剤が含まれている。従って、ステップS15のウエブ形成処理工程においてウエブWから離脱した添加剤をステップS11の解繊処理工程において再利用することができる。
そして、ステップS11の解繊処理工程において、繊維を含む原料と第1気流によって搬送された混合物とを気中で解繊した後、解繊した解繊物を第2気流により選別部(ステップS12の選別処理工程)に搬送する。なお、第2気流の風量は、第1気流の風量よりも大きい。これにより、解繊部20において混合物や粗砕物を効率良く導入するとともに、解繊物を効率良く搬送させることができる。なお、ステップS13の混合処理工程以降は前述の通りであり説明を省略する。
一方、ステップS17のシート形成処理工程では、シート形成部80や切断部90を介してウエブWからシートSを形成する。
以上、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第2ウエブ形成部70のメッシュベルト72のメッシュを通過した混合物は、第1気流発生部76cによる第1気流により、搬送路200(管201)を介して解繊部20に送られる。さらに、解繊部20で解繊された解繊物は、第2気流発生部212による第2気流により、管3を介して選別部40に搬送される。これにより、メッシュを通過した混合物に含まれる添加剤を容易に再利用することが可能となり、エネルギー消費量を抑えた形態で、添加剤の使用効率を高め、添加剤の損失量を低減することができる。
また、メッシュベルト72のメッシュを通過した混合物(添加物)の回収から再利用を一連の動作で処理することが可能となる。従って、さらに、シート製造装置100の稼働効率を高めることができる。
また、メッシュベルト72のメッシュを通過した混合物を再利用するため、第2ウエブ形成部70には、集塵機等の設備が不要である。これにより、省スペース化が図れるとともに、消費電力を抑制することができる。さらに、メッシュベルト72のメッシュを通過した混合物には、調湿部400による水分が含まれるため、当該混合物の再利用に際し、調湿部400による水や加湿によるエネルギーの消費を低減することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。変形例を組み合わせてもよい。
(変形例1)上記実施形態では、メッシュベルト72のメッシュを通過した混合物を解繊部20に搬送した構成としたが、これに限定されない。例えば、メッシュベルト72のメッシュを通過した混合物を混合部50に搬送する構成であってもよい。このようにしても、添加物を再利用することができる。
(変形例2)メッシュベルト46に対する選別部40の開口面積(堆積領域)を、メッシュベルト72に対する堆積部60の開口面積(堆積領域)よりも小さく(狭く)してもよい。例えば、選別部40の開口面積を、堆積部60の開口面積の30%以下となるように小さくする。このようにすれば、メッシュベルト46の移動速度とメッシュベルト72の移動速度を同じにした際、メッシュベルト46上においてより厚く第1選別物が堆積される。このため、第1選別物に含まれる繊維により添加物が捕集されやすくなり、第1選別物から離脱する添加物の量を抑制することができる。すなわち、メッシュベルト46を通過する添加物の量を低減させることができる。
3…管、10…供給部、12…粗砕部、20…解繊部、40…選別部、45…第1ウエブ形成部、46…メッシュベルト、48…サクション機構、50…混合部、52…添加剤供給部、60…堆積部、70…第2ウエブ形成部、72…メッシュベルト、76…サクション機構、76a…開口部、76b…管、76c…第1気流発生部、80…シート形成部、90…切断部、100…シート製造装置、102…製造部、104…制御部、200…搬送路、201…管、212…第2気流発生部、301…第1流速センサー、302…第2流速センサー。

Claims (5)

  1. 繊維を含む原料を気中で解繊するための解繊部と、
    前記解繊部により解繊された解繊物と添加剤とを、気中で混合するための混合部と、
    回転する複数の開口を有し、前記混合部により混合された混合物を前記開口を通過させて降下させるための堆積部と、
    前記開口を通過した前記混合物をメッシュベルト上に吸引するための第1気流を発生させる第1気流発生部を有し、前記混合物を前記メッシュベルト上に堆積させてウエブを形成するためのウエブ形成部と、
    前記ウエブからシートを形成するシート形成部と、
    前記メッシュベルトのメッシュを通過した前記混合物を、前記第1気流発生部による第1気流により、前記解繊部に送るための搬送路と、を有することを特徴とするシート製造装置。
  2. 請求項1に記載のシート製造装置において、
    前記解繊部により解繊された前記解繊物を選別するための選別部を有し、
    前記混合部は、前記選別部により選別された第1選別物と前記添加剤とを混合することを特徴とするシート製造装置。
  3. 請求項2に記載のシート製造装置において、
    前記解繊物を前記選別部に送るための第2気流を発生させる第2気流発生部を有し、
    前記第2気流の風量は、前記第1気流の風量よりも大きいことを特徴とするシート製造装置。
  4. 請求項3に記載のシート製造装置において、
    前記第1気流の流速を計測するための第1計測部と、
    前記第2気流の流速を計測するための第2計測部と、
    前記第1および第2計測部による計測結果に応じて、前記第2気流の風量が前記第1気流の風量よりも大きくなるよう、前記第1及び第2気流発生部を制御する制御部と、を有することを特徴とするシート製造装置。
  5. 繊維を含む原料を気中で解繊する解繊処理工程と、
    解繊された解繊物と添加剤とを、気中で混合する混合処理工程と、
    混合された混合物を開口を通過させて降下させる堆積処理工程と、
    前記開口を通過した前記混合物をメッシュベルト上に吸引するための第1気流を発生させ、前記混合物を前記メッシュベルト上に堆積させてウエブを形成するウエブ形成処理工程と、
    前記ウエブからシートを形成するシート形成処理工程と、
    前記メッシュベルトのメッシュを通過した前記混合物を、前記第1気流により、前記解繊処理工程に送る搬送処理工程と、を含むことを特徴とするシート製造方法。
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