JPH1117251A - Yagレーザ発振器およびレーザマーキング装置 - Google Patents

Yagレーザ発振器およびレーザマーキング装置

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JPH1117251A
JPH1117251A JP9169229A JP16922997A JPH1117251A JP H1117251 A JPH1117251 A JP H1117251A JP 9169229 A JP9169229 A JP 9169229A JP 16922997 A JP16922997 A JP 16922997A JP H1117251 A JPH1117251 A JP H1117251A
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light
laser
lamp
light receiving
yag
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JP9169229A
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Takashi Atoji
隆 跡路
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Keyence Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パルス発振時および連続発振時にかかわらず
レーザ出力を常に正確かつ安価にモニタすることが可能
なYAGレーザ発振器およびそれを備えたレーザマーキ
ング装置を提供することである。 【解決手段】 収納ケース10にYAGロッド11およ
びランプ12が内蔵される。YAGロッド11の両端面
は収納ケース10から外部に露出している。YAGロッ
ド11の前端面近傍でレーザ光の光路に干渉しない位置
に赤外線カットフィルタ16および受光素子17が配設
される。CPU21は、受光素子17の出力信号に基づ
いてランプ電源20からランプ12に供給される電流を
制御することによりレーザ出力を一定値に補正するとと
もに、ランプ12の交換直後の光量からの減衰量に基づ
いてランプ12が寿命に達したかどうかを判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、YAGレーザ発振
器およびそれを用いたレーザマーキング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】対象物に文字、記号、図形等のマークを
印字するためにレーザマーキング装置が用いられてい
る。このようなレーザマーキング装置には、例えばYA
Gレーザ発振器が用いられる。
【0003】図4は従来のYAGレーザ発振器の概略図
である。図4において、収納ケース31(レーザチャン
バ)内に、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガー
ネット)の棒状結晶体であるYAGロッド32および励
起用のランプ33が内蔵されている。
【0004】また、YAGロッド32の前方および後方
にそれぞれ出力ミラー40および全反射ミラー35が対
向するように配置されている。これらの出力ミラー40
および全反射ミラー35が光共振器を構成する。YAG
ロッド32と全反射ミラー35との間にQスイッチ34
が配置されている。ランプ33はランプ電源41に接続
される。
【0005】ランプ電源41からランプ33に電流が供
給されると、ランプ33が点灯する。ランプ33の光
(ランプ光)がYAGロッド32に照射されると、ラン
プ光の中の特定の波長領域の光でYAGロッド32が励
起され、誘導放出光が発生する。YAGロッド32の端
面から発生した誘導放出光は、出力ミラー40と全反射
ミラー35との間で多重反射することにより増幅されて
レーザ発振し、一部のレーザ光が出力ミラー40を透過
して出射される。
【0006】Qスイッチ34は、Qスイッチイングによ
りレーザ光をパルス発振させることにより高くかつ時間
幅の短いレーザ出力を得る。Qスイッチングとは、光共
振器の損失を増加させた状態でポンピングを行い、エネ
ルギーを励起準位に蓄積して適当なときに損失を減少さ
せ、レーザ作用を行わせることをいう。Qスイッチ34
が作動しないときには、レーザ光は連続発振する。
【0007】このようなYAGレーザ発振器において、
レーザ出力(レーザパワー)の制御は、ランプ電源41
からランプ33に供給する電流を調整することにより行
う。ランプ33の光量は個々のランプ33により異な
り、かつ時間の経過とともに低下し、それに伴ってレー
ザ出力も変動する。そのため、レーザ出力を一定に補正
する必要がある。
【0008】従来は、レーザ出力を一定に補正する方法
として、全反射ミラー35の後方にフォトダイオード等
の受光素子36を配置し、連続発振時に全反射ミラー3
5を透過した微小量のレーザ光をその受光素子36でモ
ニタし、レーザ出力が一定になるようにランプ電源41
からランプ33に供給する電流をフィードバック制御し
ている。
【0009】あるいは、出力ミラー40の前方にハーフ
ミラー37を配置し、連続発振時に出力ミラー40を透
過したレーザ光をハーフミラー37で分岐させ、微小量
のレーザ光を受光素子38でモニタし、レーザ出力が一
定になるようにランプ電源41からランプ33に供給す
る電流をフィードバック制御している。
【0010】また、ランプ33の点灯時間をアワーメー
タ(積算時間計)等で積算し、点灯時間の積算値が規定
値に達した時点でランプ33が寿命に達したことを判断
し、ランプ33を交換している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】連続発振時において
は、レーザ出力は多少変動するが、モニタされた値を平
滑化することにより、上記の方法でレーザ出力を一定に
補正することは可能である。
【0012】しかしながら、YAGレーザ発振器は、上
記のようにQスイッチ34によりレーザ光をパルス発振
させて使用することが多い。パルス発振時のレーザ光の
パルス幅は50nsec程度と非常に短く、かつパルス
の最大値は大きく変動する。そのため、受光素子の出力
信号がレーザ出力の変動に追従できず、パルス発振時の
レーザ光をモニタすることは困難となる。したがって、
パルス発振時に、レーザ出力をフィードバック制御によ
り正確に一定に補正することはできない。
【0013】また、YAGレーザ発振器から出射される
レーザ光の波長は、赤外領域の1064nmである。赤
外領域の光を検出する受光素子は高価である。
【0014】一方、ランプ33の寿命は、正確には点灯
時間の積算値ではなく、ランプ33の初期の光量からの
減衰量で決まる。ランプ光量は個々のランプ33でばら
つきがあるので、ランプ33の寿命を点灯時間の積算値
で規定する場合、最も低いランプ光量を有するランプ3
3に基づいて寿命に達する点灯時間の積算値を設定する
必要がある。その場合、ランプ33の点灯時間の積算値
が設定された時間に達しても、実際にはそのランプ33
が光量の減衰量で決まる寿命に達していないこともあ
る。
【0015】本発明の目的は、パルス発振時および連続
発振時にかかわらずレーザ出力を常に正確かつ安価にモ
ニタすることが可能なYAGレーザ発振器およびそれを
備えたレーザマーキング装置を提供することである。
【0016】本発明の他の目的は、光源の正確な寿命を
判定することが可能なYAGレーザ発振器およびそれを
備えたレーザマーキング装置を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
(1)第1の発明 第1の発明に係るYAGレーザ発振器は、光源の光によ
り励起されるレーザ媒質を有し、レーザ光を出射するY
AGレーザ発振器において、光源の光を受光する受光手
段を備えたものである。
【0018】本発明に係るYAGレーザ発振器において
は、受光手段により光源の光が受光される。レーザ出力
は、光源の光の中の特定の波長領域の励起光の強さに依
存する。したがって、レーザ光を直接モニタすることな
く、光源の光を受光手段でモニタすることにより、パル
ス発振時および連続発振時にかかわらず、レーザ出力を
正確にモニタすることが可能となる。その結果、常に安
定してレーザ出力の変動を一定に補正することが可能と
なる。
【0019】また、光源の光のスペクトル分布は光量に
より変化しない。そのため、受光手段により光源の光の
中の任意の波長領域の光をモニタした場合にも、光源の
光の中の特定の波長領域の励起光をモニタした場合と同
等な結果が得られる。したがって、安価な受光手段を用
いることができる。
【0020】さらに、光源の光がモニターされるので、
光量の減衰量を測定することが可能となる。それによ
り、光量の減衰量に基づいて光源が寿命に達したかどう
かを正確に判定することができる。
【0021】(2)第2の発明 第2の発明に係るYAGレーザ発振器は、第1の発明に
係るYAGレーザ発振器の構成において、レーザ媒質は
イットリウム、アルミニウムおよびガーネットを含む棒
状結晶体からなり、受光手段が棒状結晶体の端面近傍で
レーザ光の光路に干渉しない位置に配設されたものであ
る。
【0022】これにより、受光手段によりレーザ光の発
振を阻害することなく棒状結晶体の端面近傍から漏れ出
る光源の光を容易にかつ正確に受光することが可能とな
る。
【0023】(3)第3の発明 第3の発明に係るYAGレーザ発振器は、第1または第
2の発明に係るYAGレーザ発振器の構成において、受
光手段の出力信号に基づいて光源に供給する電流を制御
する制御手段をさらに備えたものである。
【0024】これにより、光源の光量に基づいてレーザ
出力を正確に制御することが可能となる。したがって、
パルス発振時および連続発振時にかかわらず、常に安定
してレーザ出力の変動を補正することが可能となる。
【0025】(4)第4の発明 第4の発明に係るYAGレーザ発振器は、第3の発明に
係るYAGレーザ発振器の構成において、制御手段は、
受光手段の出力信号が所定の基準値と等しくなるように
光源に供給する電流を制御するものである。
【0026】これにより、パルス発振時および連続発振
時にかかわらず、常に安定してレーザ出力の変動を一定
に補正することが可能となる。
【0027】また、光源の初期の光量にばらつきがあっ
ても、レーザ出力を一定の値に補正することができる。
【0028】(5)第5の発明 第5の発明に係るYAGレーザ発振器は、第3または第
4の発明に係るYAGレーザ発振器の構成において、制
御手段は、受光手段の出力信号に基づいて光源の光量の
初期値からの減衰量を検出し、減衰量に基づいて警告を
出力するものである。
【0029】これにより、光源の光量の初期値からの減
衰量が所定値に達した場合に警告が出力されるので、個
々の光源の初期の光量のばらつきにかかわらず、個々の
光源が寿命に達したかどうかを正確に判定することが可
能となる。その結果、光源をその寿命まで使用すること
ができる。
【0030】(6)第6の発明 第6の発明に係るYAGレーザ発振器は、第1〜第5の
いずれかの発明に係るYAGレーザ発振器の構成におい
て、レーザ媒質は両端面が外部に露出するように光源と
ともに収納ケース内に収納され、収納ケースから露出し
たレーザ媒質の両端面に対向するように一対のミラーが
配置され、レーザ媒質の一方の端面と一方のミラーとの
間にQスイッチが配置され、受光手段がレーザ媒質のい
ずれか一方の端面近傍から漏れ出た光源の光を受光する
ように配置されたものである。
【0031】この場合、一対のミラーにより光共振器が
構成される。レーザ媒質の両端面から出射される誘導放
出光が一対のミラーで多重反射することにより増幅され
てレーザ発振し、一部のレーザ光がミラーを透過して出
射される。Qスイッチの作動時にはレーザ光がパルス発
振し、Qスイッチが作動しないときにはレーザ光は連続
発振する。
【0032】特に、受光手段がレーザ媒質のいずれか一
方の端面近傍から漏れ出た光源の光を受光するので、受
光手段を収納ケースの外部に配置することができる。し
たがって、受光手段の装着が容易となる。
【0033】(7)第7の発明 第7の発明に係るYAGレーザ発振器は、第1〜第6の
いずれかの発明に係るYAGレーザ発振器の構成におい
て、レーザ媒質と受光手段との間に赤外線を遮断する赤
外線遮断手段が配設されたものである。
【0034】この場合、赤外線遮断手段により赤外線が
遮断されるので、受光手段が熱の影響を受けることが防
止される。
【0035】(8)第8の発明 第8の発明に係るYAGレーザ発振器は、第1〜第7の
いずれかの発明に係るYAGレーザ発振器の構成におい
て、受光手段は、可視光領域の光を検出する受光素子か
らなるものである。
【0036】光源の光のスペクトル分布は光量により変
化しないので、受光素子により光源の光の中の可視光領
域の光をモニタした場合にも、光源の光の中の特定の波
長領域の励起光をモニタした場合と同等な結果が得られ
る。したがって、安価な受光素子を用いることができ
る。
【0037】(9)第9の発明 第9の発明に係るレーザマーキング装置は、対象物にレ
ーザ光を照射して印字を行うレーザマーキング装置であ
って、第1〜第8のいずれかの発明に係るYAGレーザ
発振器と、YAGレーザ発振器から出射されたレーザ光
を対象物に走査させる走査手段とを備えたものである。
【0038】本発明に係るレーザマーキング装置におい
ては、第1〜第8のいずれかの発明に係るYAGレーザ
発振器を備えているので、パルス発振時および連続発振
時にかかわらず、レーザ出力を正確にモニタすることが
可能となる。その結果、常に安定してレーザ出力の変動
を一定に補正することが可能となる。
【0039】また、受光手段により光源の光の中の任意
の波長領域の光をモニタすることができるので、安価な
受光手段を用いることができる。
【0040】さらに、光量の減衰量に基づいて光源が寿
命に達したかどうかを正確に判定することができる。
【0041】これらの結果、常に安定して対象物に正確
に印字を行うことが可能で安価なレーザマーキング装置
が提供される。
【0042】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例における
YAGレーザ発振器を備えたレーザマーキング装置の概
略図である。
【0043】図1において、YAGレーザ発振器1から
出射されたレーザ光は、1対のガルバノミラー3a,3
bにより反射され、集光レンズ4により対象物100に
照射される。制御装置2は、YAGレーザ発振器1およ
び1対のガルバノミラー3a,3bを制御する。
【0044】各ガルバノミラー3a,3bは、駆動モー
タ31の回転軸32にミラー33が取り付けられ、回転
軸32の揺動に伴ってミラー33が揺動するように構成
されている。一方のガルバノミラー3aによりレーザ光
が主走査方向Xに走査され、他方のガルバノミラー3b
によりレーザ光が副走査方向Yに走査される。なお、主
走査方向Xと副走査方向Yとは互いに直交する方向であ
る。それにより、対象物100の表面に、文字、記号、
図形等のマークが印字される。対象物100は、搬送装
置101により主走査方向Xと平行な方向に搬送され
る。
【0045】図2は図1のレーザマーキング装置の主要
部の構成を示すブロック図である。YAGレーザ発振器
1において、収納ケース(レーザチャンバ)10内に、
YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)の
棒状結晶体からなるYAGロッド11およびそのYAG
ロッド11を励起するためのランプ12が内蔵されてい
る。YAGロッド11の両端面は、収納ケース10から
外部に露出している。YAGロッド11の一方の端面の
前方に出力ミラー13が配置され、YAGロッド11の
他方の端面の後方に全反射ミラー14が配置されてい
る。また、YAGロッド11と全反射ミラー14との間
にQスイッチ15が配置されている。
【0046】YAGロッド11の前端面の近傍でレーザ
光の光路に干渉しない位置に赤外線カットフィルタ1
6、およびフォトダイオード等の受光素子17が配設さ
れている。
【0047】制御装置2は、ランプ電源20、CPU
(中央演算処理装置)21、ガルバノミラー制御部2
2、表示・入力装置23、メモリ24およびQスイッチ
制御部25を含む。
【0048】ランプ電源20は、YAGレーザ発振器1
のランプ12に電流を供給する。ガルバノミラー制御部
22は、図1のガルバノミラー3a,3bの駆動モータ
31を制御する。表示・入力装置23は、使用者により
入力された各種データおよび各種指令をCPU21に与
えるとともに、CPU21からの指令に基づいて各種表
示を行う。Qスイッチ制御部25は、YAGレーザ発振
器1のQスイッチ15を制御する。
【0049】受光素子17の出力信号は、増幅器18を
介してCPU21に与えられる。CPU21は、ランプ
電源20にランプ12の点灯を指令するランプオン信号
ONおよびランプ電源20からランプ12に供給する電
流(ランプ電流)を制御するランプ電流制御信号CNを
与える。また、CPU21は、ガルバノミラー制御部2
2、表示・入力装置23およびQスイッチ制御部25に
指令を与えるとともに、表示・入力装置23により入力
された各種データをメモリ24に格納する。
【0050】なお、メモリ24には、予め測定された基
準ランプの光量を示す基準データおよびランプ12の交
換直後の光量を示す光量データが記憶される。
【0051】本実施例では、ランプ12が光源に相当
し、YAGロッド11がレーザ媒質に相当し、受光素子
17が受光手段に相当する。また、赤外線カットフィル
タ16が赤外線遮断手段に相当する。さらに、CPU2
1、ランプ電源20および表示・入力装置23が制御手
段を構成し、ガルバノミラー3a,3bおよびガルバノ
ミラー制御部22が走査手段を構成する。
【0052】使用者が表示・入力装置23によりランプ
12の点灯を指令すると、CPU21はランプ電源20
にランプオン信号ONを与える。それにより、ランプ電
源20からランプ12に電流が供給され、ランプ12が
点灯する。
【0053】ランプ光がYAGロッド11に照射される
と、ランプ光の中の特定の波長領域の光でYAGロッド
11が励起され、誘導放出光を発生する。YAGロッド
11の端面から発生した誘導放出光は、出力ミラー13
と全反射ミラー14との間で多重反射することにより増
幅されてレーザ発振し、一部のレーザ光が出力ミラー1
3を透過して出射される。
【0054】パルス発振時には、Qスイッチ15がQス
イッチングによりレーザ光をパルス発振させることによ
り、高出力でかつ時間幅の短いレーザ出力が得られる。
Qスイッチ15が作動しないときには、レーザ光は連続
発振する。
【0055】使用者が表示・入力装置23により印字を
指令すると、CPU21からの指令によりガルバノミラ
ー制御部22が図1の一対のガルバノミラー3a,3b
を制御する。それにより、レーザ光が主走査方向Xおよ
び副走査方向Yに走査され、対象物100にマークが印
字される。
【0056】YAGレーザ発振器1のYAGロッド11
の端面近傍から収納ケース10の外部に漏れ出たランプ
光は赤外線カットフィルタ16を通して受光素子17に
より受光される。赤外線カットフィルタ16は熱の影響
を除去する。受光素子17の出力信号は増幅器18によ
り増幅され、光量の測定値としてCPU21に与えられ
る。
【0057】CPU21は、受光素子17の出力信号に
基づいてランプ電流制御信号CNをランプ電源20に与
える。ランプ電源20は、ランプ電流制御信号CNに応
答してランプ12に供給する電流の値を制御する。
【0058】レーザ出力(レーザパワー)は、ランプ光
の中の特定の波長領域の光(励起光)の強さに依存す
る。一方、ランプ光のスペクトル分布は光量により変化
しない。そのため、受光素子17によりランプ光の中の
可視光領域の光をモニタした場合にも、ランプ光の中の
特定の波長領域の励起光をモニタした場合と同等な結果
が得られる。
【0059】したがって、レーザ光を直接モニタするこ
となく、YAGロッド11の端面近傍から漏れ出るラン
プ光の可視光領域の光を受光素子17でモニタすること
により、パルス発振時および連続発振時にかかわらず、
レーザ出力を正確にモニタすることが可能となる。その
結果、常に安定してレーザ出力の変動を一定に補正する
ことが可能となる。
【0060】特に、ランプ光の中の可視光領域の波長の
光を受光素子17でモニタしているので、安価な受光素
子17を用いることが可能となる。
【0061】図3は図2のYAGレーザ発振器における
レーザ出力の補正処理を示すフローチャートである。
【0062】まず、CPU21は、使用者がランプ12
を交換したかどうかを判別する(ステップS1)。ラン
プ12を交換した場合には、ランプ12の交換直後の受
光素子17の出力信号を光量データとしてメモリ24に
記憶する(ステップS2)。
【0063】その後、ランプ12の点灯時に、1mse
cごとに受光素子17により光量を測定し、100回分
の測定値の平均値を算出する(ステップS3)。そし
て、算出された平均値がメモリ24に記憶された基準デ
ータと等しいかどうかを判定する(ステップS4)。
【0064】平均値が基準データと等しくない場合に
は、ランプ電源20からランプ12に供給する電流の値
を補正した後(ステップS5)、ステップS3に戻る。
【0065】ステップS4で平均値が基準データと等し
い場合には、受光素子17により1msecごとに光量
を測定し、1000回分の測定値の平均値を算出する
(ステップS6)。そして、算出された平均値がメモリ
24に記憶されたランプ12交換直後の光量データの7
0%よりも低いかどうかを判定する(ステップS7)。
【0066】算出された平均値がランプ12の交換直後
の光量データの70%以上の場合には、算出された平均
値が基準データと等しいかどうかを判定する(ステップ
S8)。算出された平均値が基準データと等しくない場
合には、ランプ電源21からランプ12に供給する電流
の値を補正した後(ステップS9)、ステップS6に戻
る。ステップS8で算出された平均値が基準データと等
しい場合にはステップS6に戻る。
【0067】ステップS7で、算出された平均値がラン
プ12の交換直後の光量データの70%よりも低い場合
には、表示・入力装置23によりランプ交換の警告を表
示する(ステップS10)。
【0068】上記のレーザ出力の補正処理によれば、ラ
ンプ12の光量が基準ランプの光量と等しくなるように
ランプ12の光量が補正される。それにより、個々のラ
ンプ12の初期の光量のばらつきによるレーザ出力のば
らつきおよびランプ12の光量の変動によるレーザ出力
の変動が一定値に補正される。
【0069】また、ランプ12の交換時の光量からの減
衰量に基づいてランプ12の寿命が判定される。それに
より、個々のランプ12が寿命に達したかどうかを正確
に判定することができる。その結果、ランプ12をその
寿命まで使用することができる。
【0070】さらに、ランプ12の交換時に、使用者が
誤って古いランプまたは不良のランプを装着した場合
に、表示・入力装置23にランプ交換の警告が表示され
る。
【0071】また、使用者が表示・入力装置23により
ランプ12の点灯を指令した際に、CPU21からラン
プ電源20にランプオン信号ONが与えられ、受光素子
16によりランプ光がモニタされる。それにより、ラン
プ12の点灯確認を行うこともできる。
【0072】なお、上記実施例では、赤外線カットフィ
ルタ16および受光素子17を収納ケース10の外部に
配設しているが、赤外線カットフィルタ16および受光
素子17を収納ケース10の内部に配置することが可能
であれば、それらを収納ケース10の内部でランプ光を
受光可能な位置に配設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるYAGレーザ発振器
を備えたレーザマーキング装置の概略図である。
【図2】図1のレーザマーキング装置における主要部の
構成を示すブロック図である。
【図3】図2のレーザ発振器のレーザ出力の補正処理を
示すフローチャートである。
【図4】従来のYAGレーザ発振器の構成を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1 YAGレーザ発振器 2 制御部 10 収納ケース 11 YAGロッド 12 ランプ 13 出力ミラー 14 反射ミラー 15 Qスイッチ 16 赤外線カットフィルタ 17 受光素子 20 ランプ電源 21 CPU 22 ガルバノミラー制御部 23 表示・入力装置 24 メモリ 25 Qスイッチ制御部

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源の光により励起されるレーザ媒質を
    有し、レーザ光を出射するYAGレーザ発振器におい
    て、前記光源の光を受光する受光手段を備えたことを特
    徴とするYAGレーザ発振器。
  2. 【請求項2】 前記レーザ媒質はイットリウム、アルミ
    ニウムおよびガーネットを含む棒状結晶体からなり、前
    記受光手段が前記棒状結晶体の端面近傍でレーザ光の光
    路に干渉しない位置に配設されたことを特徴とする請求
    項1記載のYAGレーザ発振器。
  3. 【請求項3】 前記受光手段の出力信号に基づいて前記
    光源に供給する電流を制御する制御手段をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1または2記載のYAGレーザ
    発振器。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記受光手段の出力信
    号が所定の基準値と等しくなるように前記光源に供給す
    る電流を制御することを特徴とする請求項3記載のYA
    Gレーザ発振器。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記受光手段の出力信
    号に基づいて前記光源の光量の初期値からの減衰量を検
    出し、前記減衰量に基づいて警告を出力することを特徴
    とする請求項3または4記載のYAGレーザ発振器。
  6. 【請求項6】 前記レーザ媒質は両端面が外部に露出す
    るように前記光源とともに収納ケース内に収納され、前
    記収納ケースから露出した前記レーザ媒質の両端面に対
    向するように一対のミラーが配置され、前記レーザ媒質
    の一方の端面と一方のミラーとの間にQスイッチが配置
    され、前記受光手段が前記レーザ媒質のいずれか一方の
    端面近傍から漏れ出た前記光源の光を受光するように配
    置されたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載のYAGレーザ発振器。
  7. 【請求項7】 前記レーザ媒質と前記受光手段との間に
    赤外線を遮断する赤外線遮断手段が配設されたことを特
    徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のYAGレーザ
    発振器。
  8. 【請求項8】 前記受光手段は、可視光領域の光を検出
    する受光素子からなることを特徴とする請求項1〜7の
    いずれかに記載のYAGレーザ発振器。
  9. 【請求項9】 対象物にレーザ光を照射して印字を行う
    レーザマーキング装置であって、 請求項1〜8のいずれかに記載のYAGレーザ発振器
    と、 前記YAGレーザ発振器から出射されたレーザ光を前記
    対象物に走査させる走査手段とを備えたことを特徴とす
    るレーザマーキング装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001094184A (ja) * 1999-09-27 2001-04-06 Shibaura Mechatronics Corp 固体レーザ装置
JP2004042140A (ja) * 2002-07-12 2004-02-12 Hitachi Zosen Corp 薄膜除去方法及び装置
JP2010109195A (ja) * 2008-10-30 2010-05-13 Sunx Ltd レーザ発振器およびこれを用いたレーザ加工機

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