JP4260306B2 - 固体レーザ装置および固体レーザ装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は固体レーザ装置および固体レーザ装置の制御方法に係り、とりわけ、励起光により固体レーザ媒質を励起させてレーザ光を出力させる固体レーザ装置および固体レーザ装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、固体レーザ媒質と、固体レーザ媒質に対して励起光を照射する励起用レーザダイオードとを備えた固体レーザ発振器等の固体レーザ装置が知られている。
【0003】
このような固体レーザ装置においては、励起光の出力に応じて固体レーザ発振器の増幅量が変化し、最終的に得られる固体レーザ装置のレーザ出力が変化する。このため、従来の固体レーザ装置では、最終的に得られる固体レーザ装置のレーザ出力を測定し、その測定結果に基づいて励起用レーザダイオードから出射される励起光の出力を制御している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の固体レーザ装置では、最終的に得られる固体レーザ装置のレーザ出力を測定し、その測定結果に基づいて励起用レーザダイオードから出射される励起光の出力を制御している。
【0005】
しかしながら、上述した従来の固体レーザ装置では、固体レーザ装置のレーザ出力のみを測定しているので、レーザダイオードから出射された励起光の出力の低下等を原因として固体レーザ装置のレーザ出力が変化(低下)する場合と、レーザダイオードから出射された励起光の出力には変化がないが、固体レーザ側(すなわちレーザダイオード以外)の損傷等を原因として固体レーザ装置のレーザ出力が変化(低下)する場合とを区別することができず、いずれの原因によって固体レーザ装置のレーザ出力が低下したのかを判断することができないという問題がある。この場合には例えば、固体レーザ側に問題があるにもかかわらずレーザダイオード側に問題があると判断してレーザダイオードに投入される電力を増加させ、レーザダイオードの寿命を損なうという事態が生じるおそれがある。
【0006】
また、上述した従来の固体レーザ装置では、励起光が照射される固体レーザ媒質は例えば図4に示すような吸収波長特性を有しており、励起光の発振波長によっても固体レーザ側の増幅量が変化し、最終的に得られる固体レーザ装置のレーザ出力が変化する。ここで、このような励起光の発振波長はレーザダイオードの動作温度によって変化するので、レーザダイオードから出射された励起光の出力が変化していない場合でも、レーザダイオードの動作温度の変化に起因してレーザダイオードの発振波長が変化してしまい、これによって固体レーザ装置のレーザ出力が変化してしまうという問題がある。
【0007】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、固体レーザ装置のレーザ出力の変化の原因を確実に把握して常に安定なレーザ出力を得ることを可能にする固体レーザ装置と、このような固体レーザ装置の制御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、固体レーザ媒質、並びに前記固体レーザ媒質に対して励起光を照射する励起光源を有する固体レーザ発振器と、前記固体レーザ発振器のレーザ出力を測定する固体レーザ発振器用出力測定器と、前記励起光源から出射された励起光の出力を測定する励起光源用出力測定器と、前記励起光源の動作温度を測定する励起光源用温度測定器と、前記励起光源の駆動電力を制御する励起光源用駆動装置と、前記励起光源の駆動温度を制御する励起光源用温度制御装置と、前記固体レーザ発振器用出力測定器、前記励起光源用出力測定器および前記励起光源用温度測定器の測定結果に基づいて、前記励起光源用駆動装置および前記励起光源用温度制御装置の駆動条件を決定する駆動条件決定機構とを備え、前記駆動条件決定機構は、前記固体レーザ発振器用出力測定器による測定結果に基づいて、レーザ出力に異常があるか否かを判断し、レーザ出力に異常があると判断された場合に、前記励起光源用出力測定器による測定結果に基づいて、前記励起光源から出射された励起光の出力に異常があるか否かを判断し、前記励起光源から出射された励起光の出力に異常があると判断された場合に、当該異常が前記励起光源の経時変化によるものであるか否かを判断し、前記励起光源から出射された励起光の出力の異常が経時変化によるものであると判断された場合に、出力経時変化データおよび最大許容投入電力データと固体レーザ装置の使用時間とに基づいて、前記励起光源から出射された励起光の出力が所定値となるよう前記励起光源用駆動装置の駆動条件を決定し、前記励起光源から出射された励起光の異常が経時変化によるものでないと判断された場合に、前記励起光源で異常が発生したものと判断して動作を停止し、前記励起光源から出射された励起光の出力が正常であると判断された場合に、前記励起光源の動作温度に異常があるか否かを判断し、前記励起光源の動作温度に異常があると判断された場合に、発振波長温度依存性データ、駆動条件設定用データおよび最大許容投入電力データに基づいて、前記励起光源から出射された励起光の発振波長が所定値となるよう前記励起光源用温度制御装置の駆動条件を決定し、前記励起光源の動作温度が正常であると判断された場合に、前記固体レーザ媒質で異常が発生したものと判断して動作を停止させる、ことを特徴とする固体レーザ装置を提供する。
本発明は、固体レーザ媒質、並びに前記固体レーザ媒質に対して励起光を照射する励起光源を有する固体レーザ発振器と、前記固体レーザ発振器のレーザ出力を測定する固体レーザ発振器用出力測定器と、前記励起光源から出射された励起光の出力を測定する励起光源用出力測定器と、前記励起光源の動作温度を測定する励起光源用温度測定器と、前記励起光源の駆動電力を制御する励起光源用駆動装置と、前記励起光源の駆動温度を制御する励起光源用温度制御装置と、前記励起光源用駆動装置および前記励起光源用温度制御装置の駆動条件を決定する駆動条件決定機構とを有する固体レーザ装置の制御方法であって、前記固体レーザ発振器用出力測定器、前記励起光源用出力測定器および前記励起光源用温度測定器の測定結果が前記駆動条件決定機構に入力される工程と、前記固体レーザ発振器用出力測定器による測定結果に基づいて、レーザ出力に異常があるか否かを判断する工程と、レーザ出力に異常があると判断された場合に、前記励起光源用出力測定器による測定結果に基づいて、前記励起光源から出射された励起光の出力に異常があるか否かを判断する工程と、前記励起光源から出射された励起光の出力に異常があると判断された場合に、当該異常が前記励起光源の経時変化によるものであるか否かを判断する工程と、前記励起光源から出射された励起光の出力の異常が経時変化によるものであると判断された場合に、前記駆動条件決定機構が、前記励起光源から出射された励起光の出力が所定値となるよう前記励起光源用駆動装置の駆動条件を決定する工程と、前記励起光源から出射された励起光の異常が経時変化によるものでないと判断された場合に、前記励起光源で異常が発生したものと判断して前記固体レーザ装置の動作を停止する工程と、前記励起光源から出射された励起光の出力が正常であると判断された場合に、前記励起光源の動作温度に異常があるか否かを判断する工程と、前記励起光源の動作温度に異常があると判断された場合に、前記駆動条件決定機構が、前記励起光源から出射された励起光の発振波長が所定値となるよう前記励起光源用温度制御装置の駆動条件を決定する工程と、前記励起光源の動作温度が正常であると判断された場合に、前記固体レーザ媒質で異常が発生したものと判断して前記固体レーザ装置の動作を停止する工程と、を備えたことを特徴とする固体レーザ装置の制御方法も提供する。
【0009】
本発明によれば、固体レーザ発振器用出力測定器により固体レーザ発振器から出力されたレーザ光の出力を測定するとともに、励起光源用出力測定器により励起光源から出射された励起光の出力を測定しているので、固体レーザ発振器または励起光源のいずれの原因によって固体レーザ装置のレーザ出力に異常が生じたのかを容易に把握することができる。また、励起光源用出力測定器により励起光源から出射された励起光の出力を測定しているので、この測定結果と励起光源の投入電力との関係に基づいて励起光源の入出力特性の経時変化を補正することができ、固体レーザ装置のレーザ出力の安定性および信頼性を向上させることができる。さらに、励起光源用温度測定器により励起光源の動作温度を測定し、この測定結果に基づいて励起光源の動作温度の変化に起因した発振波長の変化を防止するようにしているので、固体レーザ装置のレーザ出力の安定性および信頼性を向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図3は本発明による固体レーザ装置と、このような固体レーザ装置の制御方法の一実施の形態を説明するための図である。
【0011】
図1に示すように、固体レーザ装置1は、固体レーザ発振器2を備えている。固体レーザ発振器2は、励起用レーザダイオード(励起光源)3と、励起用レーザダイオード3から出射された励起光が照射される固体レーザ媒質4と、固体レーザ媒質4を挟むように配置された一対の共振器反射鏡5とを有し、固体レーザ媒質4および共振器反射鏡5で増幅されたレーザ光Lが透過窓2aを介して外部に出力されるようになっている。
【0012】
また、固体レーザ装置1は、固体レーザ発振器用出力測定器7と、レーザダイオード用出力測定器(励起光源用出力測定器)8と、レーザダイオード用温度測定器(励起光源用温度測定器)9とを備えている。このうち、固体レーザ発振器用出力測定器7は、固体レーザ発振器2から出力されたレーザ光Lのうちビームスプリッタ6で分岐されたレーザ光の発振波長での出力を測定する出力ディテクタ7aおよび固体レーザ発振器用出力測定器本体7bとを有している。また、レーザダイオード用出力測定器8は、レーザダイオード3から出射された励起光の発振波長での出力を測定する出力ディテクタ8aおよびレーザダイオード用出力測定器本体8bを有している。さらに、レーザダイオード用温度測定器9は、レーザダイオード3の動作温度を測定する温度測定素子9aおよびレーザダイオード用温度測定器本体9bを有している。
【0013】
さらに、固体レーザ装置1は、レーザダイオード3の駆動電力を制御するレーザダイオード用ドライバ(励起光源用駆動装置)10と、レーザダイオード3の駆動温度を制御するレーザダイオード用温度制御装置(励起光源用温度制御装置)11とを備えている。なお、レーザダイオード3の内部には冷却水等を利用した冷却機構(図示せず)が設けられており、レーザダイオード用温度制御装置11によって冷却機構を調節することによりレーザダイオード3の駆動温度を制御することができるようになっている。
【0014】
さらにまた、固体レーザ装置1は、固体レーザ発振器用出力測定器7、レーザダイオード用出力測定器8およびレーザダイオード用温度測定器9の測定結果に基づいて、レーザダイオード用ドライバ10およびレーザダイオード用温度制御装置11の駆動条件を決定する駆動条件決定機構12を備えている。
【0015】
なお、駆動条件決定機構12にはデータ記憶装置13が接続されている。ここで、データ記憶装置13には、入出力特性データ13a、出力経時変化データ13b、発振波長温度依存性データ13c、駆動条件設定用データ13d、および最大許容投入電力データ13eが格納されている。このうち、入出力特性データ13aはレーザダイオード3の投入電力とレーザダイオード3からの励起光の出力との関係を表すデータであり、出力経時変化データ13bはレーザダイオード3から出射された励起光の経時変化を表すデータであり、発振波長温度依存性データ13cはレーザダイオード3から出射された励起光の発振波長の温度依存性を表すデータであり、駆動条件設定用データ13dはレーザダイオード3の動作温度と冷却水温度/投入電力との関係を表すデータであり、最大許容投入電力データ13eはレーザダイオード3に投入可能な最大電力を表すデータである。
【0016】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0017】
図1において、固体レーザ発振器用出力測定器7、レーザダイオード用出力測定器8およびレーザダイオード用温度測定器9の測定結果(固体レーザ発振器2から出力されたレーザ光の出力、レーザダイオード3からの励起光の出力、レーザダイオード3の動作温度)は駆動条件決定機構12に入力される。
【0018】
ここで、駆動条件決定機構12は、上述した3種類の測定結果に基づいてレーザダイオード用ドライバ10およびレーザダイオード用温度制御装置11の駆動条件を決定し、固体レーザ装置1を最適な動作条件で動作させる。
【0019】
図2は駆動条件決定機構12における処理の一例を説明するための図である。図2に示すように、まず、固体レーザ発振器用出力測定器7による測定結果に基づいて、固体レーザ装置1のレーザ出力に異常があるか否かを判断する(ステップ101)。
【0020】
ここで、固体レーザ装置1のレーザ出力に異常がある場合には、レーザダイオード用出力測定器8による測定結果に基づいて、レーザダイオード3から出射された励起光の出力に異常があるか否かを判断する(ステップ102)。この場合には例えば、データ記憶装置13にあらかじめ格納されている入出力特性データ13aに基づいて、レーザダイオード3から出射された励起光の出力が投入電力との関係で妥当なものであるか否かを判断する。
【0021】
なお、ステップ102において、レーザダイオード3から出射された励起光の出力に異常があると判断された場合には、ステップ103に進み、その異常がレーザダイオード3の経時変化によるものであるか否かを判断する。この場合には例えば、データ記憶装置13にあらかじめ格納されている出力経時変化データ13b、並びに固体レーザ装置1の使用期間に基づいて、レーザダイオード3から出射された励起光の出力の変化量を評価する。
【0022】
ステップ103において、レーザダイオード3から出射された励起光の出力の異常が経時変化によるものであると判断された場合には、出力経時変化データ13bおよび最大許容投入電力データ13eと固体レーザ装置1の使用時間とに基づいて、レーザダイオード3から出射された励起光の出力が所定値となるようレーザダイオード用ドライバ10の駆動条件(レーザダイオード3の投入電力)を設定し(ステップ104)、ステップ101に戻る。これに対し、レーザダイオード3から出射された励起光の異常が経時変化によるものでないと判断された場合には、レーザダイオード3に損傷等の異常が発生したものと判断して固体レーザ装置1の動作を停止する(ステップ105)。
【0023】
一方、ステップ102において、レーザダイオード3から出射された励起光の出力が正常であると判断された場合には、ステップ106に進み、レーザダイオード3の動作温度に異常があるか否かを判断する。この場合には例えば、データ記憶装置13にあらかじめ格納されている発振波長温度依存性データ13cに基づいて、レーザダイオード3の動作温度が所望の発振波長に対応するものであるか否かを判断する。
【0024】
ステップ106において、レーザダイオード3の動作温度に異常があると判断された場合には、発振波長温度依存性データ13c、駆動条件設定用データ13dおよび最大許容投入電力データ13eに基づいて、レーザダイオード3から出射された励起光の発振波長が所定値となるようレーザダイオード用温度制御装置11の駆動条件(冷却機構での冷却水の温度)を設定し(ステップ107)、ステップ101に戻る。これに対し、レーザダイオード3の動作温度が正常であると判断された場合には、固体レーザ側に損傷等の異常が発生したものと判断して固体レーザ装置1の動作を停止する(ステップ108)。
【0025】
このように本実施の形態によれば、固体レーザ発振器用出力測定器7により固体レーザ発振器2から出力されたレーザ光の出力を測定するとともに、レーザダイオード用出力測定器8によりレーザダイオード3から出射された励起光の出力を測定しているので、固体レーザ側またはレーザダイオード3側のいずれの原因によって固体レーザ装置1のレーザ出力に異常が生じたのかを容易に把握することができる。
【0026】
また本実施の形態によれば、レーザダイオード用出力測定器8によりレーザダイオード3から出射された励起光の出力を測定しているので、この測定結果とレーザダイオード3の投入電力との関係に基づいてレーザダイオード3の入出力特性の経時変化を補正することができ、固体レーザ装置1のレーザ出力の安定性および信頼性を向上させることができる。
【0027】
さらに本実施の形態によれば、レーザダイオード用温度測定器9によりレーザダイオード3の動作温度を測定し、この測定結果に基づいてレーザダイオード3の動作温度の変化に起因した発振波長の変化を防止するようにしているので、固体レーザ装置1のレーザ出力の安定性および信頼性を向上させることができる。
【0028】
なお、上述した実施の形態において、駆動条件決定機構における上述した処理は、固定レーザ装置1を作動させているときにその作動時間に応じて定期的に行うようにしてもよいが、常時実施させることも可能であり、これにより常に安定したレーザ出力を得ることができる。
【0029】
また、上述した実施の形態においては、レーザダイオード用出力測定器8の出力ディテクタ8aを、レーザダイオード3と固体レーザ発振器2の固体レーザ媒質4との間に配置し、レーザダイオード3から出射された励起光を直接測定するようにしているが、これに限らず、レーザダイオード3から出射された励起光の散乱光を測定するようにしてもよく、これによりレーザダイオード3から出射された励起光の損失を最小限に抑えることができる。具体的には例えば、図3に示すように、レーザダイオード3からの励起光が直接照射されない位置に出力ディテクタ8a′を配置し、この出力ディテクタ8a′によりレーザダイオード3から出射された励起光の散乱光を測定したり、レーザ光Lの光路上に中空状の散乱光反射鏡14を配置し、この散乱光反射鏡14を介して反射された励起光の散乱光を出力ディテクタ8a″によって測定するようにするとよい。
【0030】
さらに、上述した実施の形態においては、出力経時変化データ13bと固体レーザ装置1の使用時間とに基づいてレーザダイオード用ドライバ10の駆動条件(レーザダイオード3の投入電力)を設定するようにしているが、これに限らず、出力経時変化データ13bを用いることなく、固体レーザ装置1のレーザ出力が最大となるようレーザダイオード用ドライバ10を制御することにより、最適な駆動条件(レーザダイオード3の投入電力)を求めるようにしてもよい。
【0031】
さらにまた、上述した実施の形態においては、発振波長温度依存性データ13cおよび駆動条件設定用データ13dに基づいて駆動条件(レーザダイオード3の投入電力および冷却機構での冷却水の温度)を設定するようにしているが、これに限らず、発振波長温度依存性データ13cおよび駆動条件設定用データ13dを用いることなく、レーザダイオード3から出射された励起光の出力を所定値に保った状態でレーザダイオード3の駆動温度を所定範囲でスキャンし、固体レーザ装置1のレーザ出力が最大となるようレーザダイオード3の投入電力を制御することにより、最適な駆動条件(レーザダイオード3の投入電力および冷却機構での冷却水の温度)を求めるようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、固体レーザ装置のレーザ出力の変化の原因を確実に把握して常に安定なレーザ出力を得ることできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による固体レーザ装置の一実施の形態を示す図。
【図2】図1に示す駆動条件決定機構における処理の一例を説明するためのフローチャート。
【図3】図1に示すレーザダイオード用出力測定器の変形例を示す図。
【図4】固体レーザ媒質の吸収波長特性を示す図。
【符号の説明】
1 固体レーザ装置
2 固体レーザ発振器
3 レーザダイオード(励起光源)
4 固体レーザ媒質
5 共振器反射鏡
6 ビームスプリッタ
7 固体レーザ発振器用出力測定器
8 レーザダイオード用出力測定器(励起光源用出力測定器)
9 レーザダイオード用温度測定器(励起光源用温度測定器)
10 レーザダイオード用ドライバ(励起光源用駆動装置)
11 レーザダイオード用温度制御装置(励起光源用温度制御装置)
12 駆動条件決定機構
13 データ記憶装置
14 散乱光反射鏡
Claims (4)
- 固体レーザ媒質、並びに前記固体レーザ媒質に対して励起光を照射する励起光源を有する固体レーザ発振器と、
前記固体レーザ発振器のレーザ出力を測定する固体レーザ発振器用出力測定器と、
前記励起光源から出射された励起光の出力を測定する励起光源用出力測定器と、
前記励起光源の動作温度を測定する励起光源用温度測定器と、
前記励起光源の駆動電力を制御する励起光源用駆動装置と、
前記励起光源の駆動温度を制御する励起光源用温度制御装置と、
前記固体レーザ発振器用出力測定器、前記励起光源用出力測定器および前記励起光源用温度測定器の測定結果に基づいて、前記励起光源用駆動装置および前記励起光源用温度制御装置の駆動条件を決定する駆動条件決定機構とを備え、
前記駆動条件決定機構は、
前記固体レーザ発振器用出力測定器による測定結果に基づいて、レーザ出力に異常があるか否かを判断し、
レーザ出力に異常があると判断された場合に、前記励起光源用出力測定器による測定結果に基づいて、前記励起光源から出射された励起光の出力に異常があるか否かを判断し、
前記励起光源から出射された励起光の出力に異常があると判断された場合に、当該異常が前記励起光源の経時変化によるものであるか否かを判断し、
前記励起光源から出射された励起光の出力の異常が経時変化によるものであると判断された場合に、出力経時変化データおよび最大許容投入電力データと固体レーザ装置の使用時間とに基づいて、前記励起光源から出射された励起光の出力が所定値となるよう前記励起光源用駆動装置の駆動条件を決定し、
前記励起光源から出射された励起光の異常が経時変化によるものでないと判断された場合に、前記励起光源で異常が発生したものと判断して動作を停止し、
前記励起光源から出射された励起光の出力が正常であると判断された場合に、前記励起光源の動作温度に異常があるか否かを判断し、
前記励起光源の動作温度に異常があると判断された場合に、発振波長温度依存性データ、駆動条件設定用データおよび最大許容投入電力データに基づいて、前記励起光源から出射された励起光の発振波長が所定値となるよう前記励起光源用温度制御装置の駆動条件を決定し、
前記励起光源の動作温度が正常であると判断された場合に、前記固体レーザ媒質で異常が発生したものと判断して動作を停止させる、
ことを特徴とする固体レーザ装置。 - 前記励起光源はレーザダイオードであることを特徴とする請求項1に記載の固体レーザ装置。
- 前記励起光源用出力測定器は、前記励起光源から出射された励起光の散乱光に基づいて前記励起光源から出射された励起光の出力を測定することを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の固体レーザ装置。
- 固体レーザ媒質、並びに前記固体レーザ媒質に対して励起光を照射する励起光源を有する固体レーザ発振器と、前記固体レーザ発振器のレーザ出力を測定する固体レーザ発振器用出力測定器と、前記励起光源から出射された励起光の出力を測定する励起光源用出力測定器と、前記励起光源の動作温度を測定する励起光源用温度測定器と、前記励起光源の駆動電力を制御する励起光源用駆動装置と、前記励起光源の駆動温度を制御する励起光源用温度制御装置と、前記励起光源用駆動装置および前記励起光源用温度制御装置の駆動条件を決定する駆動条件決定機構とを有する固体レーザ装置の制御方法であって、
前記固体レーザ発振器用出力測定器、前記励起光源用出力測定器および前記励起光源用温度測定器の測定結果が前記駆動条件決定機構に入力される工程と、
前記固体レーザ発振器用出力測定器による測定結果に基づいて、レーザ出力に異常があるか否かを判断する工程と、
レーザ出力に異常があると判断された場合に、前記励起光源用出力測定器による測定結果に基づいて、前記励起光源から出射された励起光の出力に異常があるか否かを判断する工程と、
前記励起光源から出射された励起光の出力に異常があると判断された場合に、当該異常が前記励起光源の経時変化によるものであるか否かを判断する工程と、
前記励起光源から出射された励起光の出力の異常が経時変化によるものであると判断された場合に、前記駆動条件決定機構が、前記励起光源から出射された励起光の出力が所定値となるよう前記励起光源用駆動装置の駆動条件を決定する工程と、
前記励起光源から出射された励起光の異常が経時変化によるものでないと判断された場合に、前記励起光源で異常が発生したものと判断して前記固体レーザ装置の動作を停止する工程と、
前記励起光源から出射された励起光の出力が正常であると判断された場合に、前記励起光源の動作温度に異常があるか否かを判断する工程と、
前記励起光源の動作温度に異常があると判断された場合に、前記駆動条件決定機構が、前記励起光源から出射された励起光の発振波長が所定値となるよう前記励起光源用温度制御装置の駆動条件を決定する工程と、
前記励起光源の動作温度が正常であると判断された場合に、前記固体レーザ媒質で異常が発生したものと判断して前記固体レーザ装置の動作を停止する工程と、
を備えたことを特徴とする固体レーザ装置の制御方法。
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